1 00:02:05,034 --> 00:02:09,038 <出羽の国 六郷藩士 松葉刑部> 2 00:02:09,038 --> 00:02:15,044 <忠誠を誓う主君に 愛する妻を殺され脱藩した> 3 00:02:15,044 --> 00:02:20,049 <流浪の果て江戸に着き 大道で 武芸を売る浪人と なり果てた> 4 00:02:20,049 --> 00:02:26,055 <しかし 刑部には もう一つ 裏の顔があった> 5 00:02:26,055 --> 00:02:38,055 ・~ 6 00:02:56,085 --> 00:02:58,020 (男性)うわっ 7 00:02:58,020 --> 00:03:00,020 (用心棒)何者 8 00:03:02,024 --> 00:03:04,024 鳴海屋 覚悟 9 00:03:13,035 --> 00:03:15,037 (武家)えい 引け 引け 10 00:03:15,037 --> 00:03:17,039 (用心棒)追え (鳴海屋)捨て置きなさい 11 00:03:17,039 --> 00:03:19,039 (用心棒)しかし 鳴海屋殿 12 00:03:29,051 --> 00:03:31,053 (刑部)さあさあ・ 13 00:03:31,053 --> 00:03:33,055 腕に覚えのある者は 拙者と立ち合ってみられよ 14 00:03:33,055 --> 00:03:38,060 (刑部)得物は 木刀 たんぽ槍 棒 己の得手とする物 何でもよろしい 15 00:03:38,060 --> 00:03:43,060 拙者は この扇子1本で お相手つかまつる 16 00:03:45,067 --> 00:03:48,070 (伊十郎)1回10文だったな 何のまねだ 17 00:03:48,070 --> 00:03:52,070 遊びさ 遠慮はいらねえ お主も取れ 18 00:03:56,078 --> 00:04:00,015 俺に腕前を見られては困るか? 松葉刑部 19 00:04:00,015 --> 00:04:03,018 遊びというなら 20 00:04:03,018 --> 00:04:06,021 (一同)おお 21 00:04:06,021 --> 00:04:18,033 ・~ 22 00:04:18,033 --> 00:04:21,036 ・(瓦版売り)大変だ 大変だ・ 23 00:04:21,036 --> 00:04:23,038 小舟町の献残屋 鳴海屋弥兵衛が・ 24 00:04:23,038 --> 00:04:26,041 ゆんべ 徒党を組んだ物取りに 襲われたぞー・ 25 00:04:26,041 --> 00:04:28,043 大変だ 大変だー 26 00:04:28,043 --> 00:04:31,046 あんな棒っ切れじゃねえぜ こっちはな… 27 00:04:31,046 --> 00:04:36,051 鳴海屋といえば 江戸有数の献残屋 遊んでて いいのかい? 28 00:04:36,051 --> 00:04:40,055 (伊十郎)今月は南町の月番だ 俺には関係ねえよ 29 00:04:40,055 --> 00:04:43,058 それにしちゃ苦い面だな 30 00:04:43,058 --> 00:04:47,062 物取りなんて眠てえことを 南町が言うからさ 31 00:04:47,062 --> 00:04:54,062 金じゃねえ 狙われたのは鳴海屋の命だ 32 00:05:00,008 --> 00:05:04,012 だが闇稼業の仕業でもなさそうだ 33 00:05:04,012 --> 00:05:06,014 襲ったのは 風体卑しからぬ連中と聞いた 34 00:05:06,014 --> 00:05:08,016 つまらねえ 35 00:05:08,016 --> 00:05:10,016 仕事熱心だな 36 00:05:15,023 --> 00:05:19,027 何だよ いや 別に 37 00:05:19,027 --> 00:05:22,030 (伊十郎)どけ おっ 38 00:05:22,030 --> 00:05:26,034 (お六)見れば見るほど いい男だね (伊十郎)えっ? 39 00:05:26,034 --> 00:05:29,037 気に入った 10文にまけとくよ (伊十郎)な… 何が 40 00:05:29,037 --> 00:05:31,039 目さらえだよ 41 00:05:31,039 --> 00:05:34,042 ねえ 男前の旦那 叩かれ屋なんて うっちゃって・ 42 00:05:34,042 --> 00:05:37,045 私のお客になっておくれな (伊十郎)いやいや ちょ… 43 00:05:37,045 --> 00:05:41,045 (お六)ウフ まあ てれちゃって かわいいね こっちこっち 44 00:05:49,057 --> 00:05:53,061 (徳松)頼み人は 四谷くらやみ横丁長屋の住人で・ 45 00:05:53,061 --> 00:05:55,063 お依里という女 46 00:05:55,063 --> 00:06:01,003 (徳松)頼まれ相手 つまり 旦那に頼みてえ殺しの的は・ 47 00:06:01,003 --> 00:06:05,007 小舟町の献残屋 鳴海屋弥兵衛 48 00:06:05,007 --> 00:06:10,012 鳴海屋だと? ゆうべの騒ぎは あっしも承知で 49 00:06:10,012 --> 00:06:12,014 ちょいと やりにくくなっちまいましたが・ 50 00:06:12,014 --> 00:06:14,016 旦那の腕なら まあ 何とか 51 00:06:14,016 --> 00:06:17,019 まず話を聞こう 52 00:06:17,019 --> 00:06:21,023 鳴海屋弥兵衛 実の名は山中半四郎 53 00:06:21,023 --> 00:06:25,027 元赤穂藩主 浅野内匠頭の家臣で・ 54 00:06:25,027 --> 00:06:29,031 討ち入りの密約にも 加わっていた男でやす 55 00:06:29,031 --> 00:06:33,035 吉良上野介の居場所を探るため・ 56 00:06:33,035 --> 00:06:35,037 吉良邸出入りの鳴海屋に・ 57 00:06:35,037 --> 00:06:38,040 奉公人として 潜り込んだところが・ 58 00:06:38,040 --> 00:06:42,044 鳴海屋の一人娘にほれられて 婿に入って跡取りに 59 00:06:42,044 --> 00:06:46,044 鳴海屋が元赤穂とはのう 60 00:06:48,050 --> 00:06:50,052 頼み人のお依里というのは? 61 00:06:50,052 --> 00:06:55,057 鳴海屋の いや 山中半四郎の女房でやす 62 00:06:55,057 --> 00:06:56,992 妻女がいたのか 63 00:06:56,992 --> 00:07:03,999 それどころか 今年7つになる吉松ってガキまで 64 00:07:03,999 --> 00:07:06,001 分かるでしょう? 旦那 65 00:07:06,001 --> 00:07:11,006 涙をのんで 密偵に送り出した亭主が・ 66 00:07:11,006 --> 00:07:15,010 そこの一人娘とできちまって 大店のあるじに納まった 67 00:07:15,010 --> 00:07:19,014 おさまらねえのは女房の方だ この薄情者 この浮気者・ 68 00:07:19,014 --> 00:07:23,018 赤穂義士の風上にも置けぬ 不義不忠のやから 69 00:07:23,018 --> 00:07:25,020 しかしな徳松 えっ? 70 00:07:25,020 --> 00:07:30,025 大石内蔵助らが吉良邸に討ち入り 本懐を遂げてから 4年になる 71 00:07:30,025 --> 00:07:32,027 なぜ 今更 72 00:07:32,027 --> 00:07:37,032 半四郎を婿に取った先代の一人娘 今の鳴海屋の女房が・ 73 00:07:37,032 --> 00:07:41,036 この間 病で亡くなったんでやさ 74 00:07:41,036 --> 00:07:45,040 これで やっと亭主が帰ってくる お依里は思った 75 00:07:45,040 --> 00:07:51,046 お依里は信じてたんでやすね 半四郎の誠ってやつを 76 00:07:51,046 --> 00:07:56,051 だが 亭主は帰らなかった 77 00:07:56,051 --> 00:07:58,987 堪忍袋の緒が切れた 78 00:07:58,987 --> 00:08:05,994 頼み料は 10両 いかがでやす 旦那 79 00:08:05,994 --> 00:08:10,999 これに お主の取り分も加えて ざっと14~15両 80 00:08:10,999 --> 00:08:14,002 子供を抱えた 長屋住まいの女の身で・ 81 00:08:14,002 --> 00:08:16,004 それほどの大金 どうやってつくった 82 00:08:16,004 --> 00:08:20,004 その気になれば 女には売るものがある 83 00:08:22,010 --> 00:08:27,015 (徳松)泣きぼくろが ちょいと色っぽい・ 84 00:08:27,015 --> 00:08:31,015 いい女でやしてね 85 00:08:33,021 --> 00:08:36,024 お主も死んだら地獄落ちだのう 86 00:08:36,024 --> 00:08:39,027 まあ よろしくお頼申します 87 00:08:39,027 --> 00:08:43,031 要は鳴海屋 いや 山中半四郎を・ 88 00:08:43,031 --> 00:08:47,035 お依里と子供の側に戻せば 丸く収まる話 89 00:08:47,035 --> 00:08:50,038 ええ はっ? 90 00:08:50,038 --> 00:08:53,041 ゆんべの斬り合いを 御存じでやしょう? 91 00:08:53,041 --> 00:08:56,978 今 鳴海屋の用心棒どもは 気が立ってやすぜ 92 00:08:56,978 --> 00:08:58,980 鳴海屋も・ 93 00:08:58,980 --> 00:09:01,983 世間に赤穂の元義士だって いうことがばれて 商売に障る 94 00:09:01,983 --> 00:09:03,985 旦那の口 封じにかかるぜ 95 00:09:03,985 --> 00:09:09,991 斬りに行こうが 談判に行こうが どちらも命懸けか 96 00:09:09,991 --> 00:09:12,994 なら 談判に行くさ 97 00:09:12,994 --> 00:09:14,996 いや… だ… 旦那 98 00:09:14,996 --> 00:09:20,001 (客)うーん これは見事な武者だな 99 00:09:20,001 --> 00:09:22,001 (男性)中を 御覧になってくださいまし 100 00:09:25,006 --> 00:09:28,009 (男性)よろしくお願いいたします (用心棒)この俺たちに任せておけ 101 00:09:28,009 --> 00:09:31,009 (用心棒)うん 任せとけ (男性)よろしくお願いいたします 102 00:09:38,019 --> 00:09:40,021 (用心棒)何か用か 103 00:09:40,021 --> 00:09:42,023 あいや 実は それ… 104 00:09:42,023 --> 00:09:45,026 (用心棒)用のない者は立ち去れ 去れ 105 00:09:45,026 --> 00:09:48,029 待たれよ それがしが 一体 何をしたと 106 00:09:48,029 --> 00:09:50,031 (用心棒)問答無用・ 107 00:09:50,031 --> 00:09:54,035 直ちに去ればよし 去らなければ この場で 108 00:09:54,035 --> 00:09:56,972 (女性たちの悲鳴) 109 00:09:56,972 --> 00:09:59,975 ・(半四郎)お待ちなさい 110 00:09:59,975 --> 00:10:02,978 (半四郎)お武家様は ただ店先におられただけのこと 111 00:10:02,978 --> 00:10:06,978 ここは天下の往来 どなたが お通りなされようと御勝手 112 00:10:13,989 --> 00:10:16,992 手前は店のあるじ 鳴海屋弥兵衛と申します 113 00:10:16,992 --> 00:10:20,996 失礼の段 平にお許しくださいませ 114 00:10:20,996 --> 00:10:26,001 こちらこそ お店先を騒がし 恐縮千万にござる 115 00:10:26,001 --> 00:10:31,006 それがし 松葉刑部と申す者 116 00:10:31,006 --> 00:10:34,009 四谷くらやみ横丁 お依里殿の使いとして・ 117 00:10:34,009 --> 00:10:37,012 推参つかまつりました 118 00:10:37,012 --> 00:10:39,012 お依里? 119 00:10:42,017 --> 00:10:46,021 (半四郎)三くだり半と 手切れ金の25両・ 120 00:10:46,021 --> 00:10:48,023 実家に戻り・ 121 00:10:48,023 --> 00:10:52,027 この金で商売でも始めろと お伝えください 122 00:10:52,027 --> 00:10:56,027 まだ しつこく付きまとうなら こちらにも考えがあると 123 00:10:57,966 --> 00:11:01,970 松葉様にも 失礼ながら こちらを 124 00:11:01,970 --> 00:11:07,976 山中半四郎は この鳴海屋とは 縁もゆかりもない浪人 125 00:11:07,976 --> 00:11:10,976 つまらぬうわさを 立てられませぬように 126 00:11:14,983 --> 00:11:20,989 それがし 武士というものに幻滅し 浪人になった者ゆえ・ 127 00:11:20,989 --> 00:11:26,995 お手前を赤穂の不忠者と なじる気は はなからござらぬ 128 00:11:26,995 --> 00:11:33,001 人には なるべくしてなった 訳というものがござる 129 00:11:33,001 --> 00:11:38,006 お手前には お手前の 御苦労があったと推察いたす 130 00:11:38,006 --> 00:11:44,012 されど いきなり離縁では あまりに情がない 131 00:11:44,012 --> 00:11:46,014 待ち続けた お依里殿の・ 132 00:11:46,014 --> 00:11:49,017 気持ちの納め所を つくってやるのが・ 133 00:11:49,017 --> 00:11:53,021 せめてもの 男の務めではござらぬか 134 00:11:53,021 --> 00:11:55,023 金ではないと申されるか 135 00:11:55,023 --> 00:11:58,026 いかにも 136 00:11:58,026 --> 00:12:02,030 御子息は どうなさるおつもりか 137 00:12:02,030 --> 00:12:08,030 今年で やっと7つ 顔が見たくはござらぬか 138 00:12:10,038 --> 00:12:15,038 吉松には 父は死んだと お伝えください 139 00:12:18,046 --> 00:12:20,048 お引き取りを 140 00:12:20,048 --> 00:12:40,068 ・~ 141 00:12:40,068 --> 00:12:46,074 ・~ 142 00:12:46,074 --> 00:12:50,078 (徳松)たく 殺しの的へ談判に行ったあげく・ 143 00:12:50,078 --> 00:12:56,084 言づて言いつかってくるとは あきれ返って物も言えねえや 144 00:12:56,084 --> 00:12:58,019 (子供たち)わー (徳松)夫婦げんかは・ 145 00:12:58,019 --> 00:13:00,021 犬も食わねえっていいますぜ・ 146 00:13:00,021 --> 00:13:06,027 えー どこだ えー ひの ふの あっ あっ ここだ・ 147 00:13:06,027 --> 00:13:10,027 へい 御免なさいよ えー 148 00:13:12,033 --> 00:13:16,037 (庄之助)お依里はんやったら いたはりまへんで・ 149 00:13:16,037 --> 00:13:18,037 吉松坊もな 150 00:13:21,042 --> 00:13:25,042 (庄之助)あんたら どなたはんだす 151 00:13:28,049 --> 00:13:33,054 そんな怖い顔で にらまんといとくれやすな 152 00:13:33,054 --> 00:13:38,059 私は大坂で海産物を商う 問屋の隠居で・ 153 00:13:38,059 --> 00:13:41,059 竹本屋庄之助と申します 154 00:13:43,064 --> 00:13:48,069 大坂の御隠居が なぜ 江戸は四谷のくらやみ横丁に? 155 00:13:48,069 --> 00:13:54,069 (庄之助)まあ 立ち話も何だすがな お入りやす 156 00:13:58,013 --> 00:14:04,013 さて どっから話したら ええもんか 157 00:14:07,022 --> 00:14:10,025 (庄之助)実は私な・ 158 00:14:10,025 --> 00:14:15,030 瓦版 集めるのが 若い頃からの道楽でな 159 00:14:15,030 --> 00:14:19,034 はっ? (庄之助)ヘヘヘ ほんで中でも・ 160 00:14:19,034 --> 00:14:24,039 先の元禄15年 亡君の無念 晴らすべく・ 161 00:14:24,039 --> 00:14:28,043 吉良邸に討ち入りはった 四十七士・ 162 00:14:28,043 --> 00:14:37,052 赤穂義士の大のひいきなんで ございましてな ハハハ… 163 00:14:37,052 --> 00:14:44,059 この度 お江戸見物のついでに 義士ゆかりの人ら お訪ねして・ 164 00:14:44,059 --> 00:14:48,063 お話なんぞ 聞かしてもらおうかいなと 165 00:14:48,063 --> 00:14:50,065 ほんで数日来・ 166 00:14:50,065 --> 00:14:55,070 山中半四郎はんの御妻女 お依里はんを訪ねて・ 167 00:14:55,070 --> 00:14:58,006 通うとりましたところが 待たれよ 168 00:14:58,006 --> 00:15:01,009 山中半四郎の名 どこで聞かれた 169 00:15:01,009 --> 00:15:06,009 そこは ほれ 好きこそ ものの何とやら 170 00:15:08,016 --> 00:15:11,019 ところが2日前や 171 00:15:11,019 --> 00:15:14,022 お依里はんと吉松坊が 消えてしもた 172 00:15:14,022 --> 00:15:16,024 消えた? 173 00:15:16,024 --> 00:15:18,024 2日前? 174 00:15:20,028 --> 00:15:24,028 《お依里はん 吉松坊》 175 00:15:29,037 --> 00:15:35,043 (庄之助)私の見立てでは かどわかしやないかいなと 176 00:15:35,043 --> 00:15:37,045 なんと 177 00:15:37,045 --> 00:15:39,047 旦那 んっ? 178 00:15:39,047 --> 00:15:41,049 2日前なら あっしが・ 179 00:15:41,049 --> 00:15:44,052 半四郎殺しの頼みを 受けるより前だよ 180 00:15:44,052 --> 00:15:47,055 頼みの前 どういうことだ 181 00:15:47,055 --> 00:15:49,057 いや あっしには さっぱり 182 00:15:49,057 --> 00:15:55,063 エヘヘ… 御隠居 ちょいとお尋ねいたしますが・ 183 00:15:55,063 --> 00:15:57,999 そのお依里さんてのは ここに泣きぼくろがある・ 184 00:15:57,999 --> 00:16:01,002 ちょいと色っぽい おかみさんでござんすよね 185 00:16:01,002 --> 00:16:08,009 泣きぼくろ そんなもんあらしまへん・ 186 00:16:08,009 --> 00:16:11,012 色っぽいちゅうよりも・ 187 00:16:11,012 --> 00:16:15,012 かわいらしい感じの べっぴんさんだすわ 188 00:16:18,019 --> 00:16:24,025 へえ さようで どうも お邪魔いたしやした 189 00:16:24,025 --> 00:16:26,027 長居は無用だよ 190 00:16:26,027 --> 00:16:29,030 かどわかしを疑いながら 番屋に届けもせず・ 191 00:16:29,030 --> 00:16:33,034 悠々と ここに居座って おられたのは なぜでござる 192 00:16:33,034 --> 00:16:38,039 その腹の据わり具合 ただの隠居とは思えん 193 00:16:38,039 --> 00:16:44,045 あんさんも ただの御浪人とは 見えしまへんけどな 194 00:16:44,045 --> 00:16:49,050 (徳松)ヘヘヘ… どうも申し遅れやした 195 00:16:49,050 --> 00:16:53,054 手前は日本橋室町の口入れ屋 源庵のあるじで 徳松と申します・ 196 00:16:53,054 --> 00:16:56,057 えー お依里さんの奉公先のことで ちょいと・ 197 00:16:56,057 --> 00:17:00,995 こちら わっちの用心棒で 松葉刑部様 エヘヘ 198 00:17:00,995 --> 00:17:04,999 フフ (徳松)ヘヘヘ… えっ はい あっ? 199 00:17:04,999 --> 00:17:07,001 何か 200 00:17:07,001 --> 00:17:10,004 (庄之助)下手な芝居 やめなはれ・ 201 00:17:10,004 --> 00:17:17,011 あんたらも 赤穂の隠し軍用金 目当てだっしゃろ 202 00:17:17,011 --> 00:17:19,013 赤穂の? 203 00:17:19,013 --> 00:17:21,013 隠し軍用金 204 00:17:24,018 --> 00:17:26,020 (庄之助)そら第1に けったいなんが 205 00:17:26,020 --> 00:17:29,023 御隠居 けったいってのは・ 206 00:17:29,023 --> 00:17:31,025 どういう意味で 207 00:17:31,025 --> 00:17:38,032 ああ お江戸風に言うたらば 合点がいかぬ… かいな 208 00:17:38,032 --> 00:17:41,035 (徳松)ああ (庄之助)ハハ 209 00:17:41,035 --> 00:17:44,038 きつねと たぬきか 210 00:17:44,038 --> 00:17:46,040 あっ どうも エヘ 211 00:17:46,040 --> 00:17:51,045 (庄之助)内匠頭は即日切腹 お家断絶・ 212 00:17:51,045 --> 00:17:55,049 そやのに上野介は おとがめなし 213 00:17:55,049 --> 00:17:57,986 (徳松)だから家来が腹立てて 討ち入ったんでしょう? 214 00:17:57,986 --> 00:18:01,990 (庄之助)その討ち入りが 第2の けったいや 215 00:18:01,990 --> 00:18:03,992 (徳松)えっ? 216 00:18:03,992 --> 00:18:12,992 まずは奥野将監 高田郡兵衛 毛利小平太 小山田庄左衛門 217 00:18:17,005 --> 00:18:19,007 討ち入りの急先ぽうが・ 218 00:18:19,007 --> 00:18:24,012 さあ これからいう段に 密約から抜けおった 219 00:18:24,012 --> 00:18:26,014 何でや (徳松)臆病風でやしょう 220 00:18:26,014 --> 00:18:30,018 えー それより そろそろ ウフフ 隠し軍用金の話を エヘ フフ 221 00:18:30,018 --> 00:18:32,020 徳松はん (徳松)はい 222 00:18:32,020 --> 00:18:36,024 この人らはな (徳松)はい 223 00:18:36,024 --> 00:18:41,029 大石内蔵助はんが残しときはった 討ち入りの後詰めや 224 00:18:41,029 --> 00:18:44,032 はっ 225 00:18:44,032 --> 00:18:48,036 (庄之助)吉良はんを 討ち損じた場合のな・ 226 00:18:48,036 --> 00:18:52,040 第2次 討ち入り隊や なかったんかと・ 227 00:18:52,040 --> 00:18:56,044 私は にらんでおりますのや 228 00:18:56,044 --> 00:18:57,979 ほう 229 00:18:57,979 --> 00:19:02,984 ほう? それだけだすか 230 00:19:02,984 --> 00:19:06,988 松葉はん 今 ぎくりとしなはったみたいやけど 231 00:19:06,988 --> 00:19:10,992 (徳松)それよか 御隠居 赤穂の軍用金の話は・ 232 00:19:10,992 --> 00:19:13,995 えっ い… いつ出てくるんです 233 00:19:13,995 --> 00:19:16,995 ああ そうやった 234 00:19:19,000 --> 00:19:22,003 (徳松)エヘ エヘヘ 235 00:19:22,003 --> 00:19:30,011 吉良上野介の孫 縁戚上は嫡男の 吉良義周はんなんやけど 236 00:19:30,011 --> 00:19:33,014 (徳松)はいはい (庄之助)この1月に・ 237 00:19:33,014 --> 00:19:36,017 配流先の信濃で とうとう亡くなりはって 238 00:19:36,017 --> 00:19:41,022 ハァ 話が長えよ エヘ えっ それで 239 00:19:41,022 --> 00:19:43,022 ほんでやがな (徳松)はあ 240 00:19:45,026 --> 00:19:49,030 妙なうわさが流れましたんや (徳松)へい へい 241 00:19:49,030 --> 00:19:52,033 義周はんが死なはったさかい・ 242 00:19:52,033 --> 00:19:56,971 討ち入りの軍用金 赤穂の隠し軍用金の残りが・ 243 00:19:56,971 --> 00:20:01,976 近々 第2次 討ち入り隊に 分配されるみたいやて 244 00:20:01,976 --> 00:20:03,978 ただのうわさでござろう 245 00:20:03,978 --> 00:20:08,983 (徳松)いや けど 火のねえ所に煙は立たねえ・ 246 00:20:08,983 --> 00:20:10,985 泣きぼくろの女も・ 247 00:20:10,985 --> 00:20:12,987 お依里と そのガキが さらわれたってのも・ 248 00:20:12,987 --> 00:20:15,990 それと 何か つながりが うん 249 00:20:15,990 --> 00:20:19,994 (庄之助)赤穂の隠し軍用金 250 00:20:19,994 --> 00:20:21,996 一説には 広島の浅野本家が・ 251 00:20:21,996 --> 00:20:28,002 大石内蔵助はんに ひそかに渡した 黄金とか何とか 252 00:20:28,002 --> 00:20:31,005 黄金 しかし本家は・ 253 00:20:31,005 --> 00:20:33,007 討ち入りには反対だったはず 254 00:20:33,007 --> 00:20:38,012 そんなもん 表向きに 決まってまっしゃろ 松葉はん 255 00:20:38,012 --> 00:20:43,017 世の中 何でも 表と裏がございます 256 00:20:43,017 --> 00:20:49,023 ヘヘヘ… で その 隠し軍用金の残りってのは・ 257 00:20:49,023 --> 00:20:53,027 いかほどでございますかね (庄之助)ハハ さあ 258 00:20:53,027 --> 00:20:56,964 アハハ あっ どうぞ どうぞ どうぞ・ 259 00:20:56,964 --> 00:20:58,966 フフ ぐっと オホホ 260 00:20:58,966 --> 00:21:03,971 (庄之助)もし 上野介はんが討ち入りを逃れ・ 261 00:21:03,971 --> 00:21:07,975 血縁の上杉家が かくもうてやな・ 262 00:21:07,975 --> 00:21:12,980 国元の米沢へ逃がしたら どないなります?・ 263 00:21:12,980 --> 00:21:17,985 第2次 討ち入り隊は 米沢まで追いかけなあかん 264 00:21:17,985 --> 00:21:21,989 遠征か そりゃ大仕事だね 265 00:21:21,989 --> 00:21:25,993 その上 もう不意打ちは通用せえへん 266 00:21:25,993 --> 00:21:30,998 今度は上杉18万石相手の戦や 267 00:21:30,998 --> 00:21:37,004 そこまで見越して 用意していた黄金となると 268 00:21:37,004 --> 00:21:40,007 よっ ヘヘヘ… 269 00:21:40,007 --> 00:21:42,007 (ため息) 270 00:21:45,012 --> 00:21:49,016 そこで 江戸見物にかこつけて・ 271 00:21:49,016 --> 00:21:54,021 やっと 山中半四郎という元赤穂のな・ 272 00:21:54,021 --> 00:21:57,024 女房のお依里はんを 見つけたところが 273 00:21:57,024 --> 00:22:00,027 そいつは もう聞きやした ヘヘヘ 274 00:22:00,027 --> 00:22:04,031 何べんか通うて 打ち解けて・ 275 00:22:04,031 --> 00:22:09,036 さあ いよいよ 軍用金の話 聞こかいな思うた やさきに 276 00:22:09,036 --> 00:22:14,041 かどわかしだ ヘヘ 火のねえ所に煙は立たねえ 277 00:22:14,041 --> 00:22:16,043 そらもう聞きましたで 278 00:22:16,043 --> 00:22:18,045 アハハ… (庄之助)ヘヘヘ… 279 00:22:18,045 --> 00:22:24,051 その かどわかしの下手人 心当たりはござらんか 280 00:22:24,051 --> 00:22:27,054 あったら 何としなはる 281 00:22:27,054 --> 00:22:29,056 捕まえ申す 282 00:22:29,056 --> 00:22:32,059 下手人を手繰り お依里殿を見つけ 283 00:22:32,059 --> 00:22:38,065 軍用金の話を聞く ウヒヒ… 284 00:22:38,065 --> 00:22:43,070 それがし お依里殿と御子息への 言づてを預かっておるのだ 285 00:22:43,070 --> 00:22:45,072 言づて? 286 00:22:45,072 --> 00:22:47,074 ああ 旦那 もう言づてなんか・ 287 00:22:47,074 --> 00:22:49,076 どうでもいいんだよ 288 00:22:49,076 --> 00:22:53,080 その言づてを頼んだ お人の名は 289 00:22:53,080 --> 00:22:59,020 エヘヘ 御隠居 もう この際 そんなことはどうでも ウフフ… 290 00:22:59,020 --> 00:23:06,027 元赤穂 お依里殿の御亭主 山中半四郎殿でござる 291 00:23:06,027 --> 00:23:11,032 その半四郎はん 今どこに 292 00:23:11,032 --> 00:23:16,037 それは お答えできかねる 293 00:23:16,037 --> 00:23:20,041 そうだすか 294 00:23:20,041 --> 00:23:24,045 ほな お返しや 295 00:23:24,045 --> 00:23:29,045 お依里はんと吉松坊が かどわかされた長屋でな 296 00:23:32,053 --> 00:23:37,058 (庄之助)下手人の落とし物に 間違いおまへん 297 00:23:37,058 --> 00:23:39,058 たぬきじじい 298 00:23:46,067 --> 00:23:48,069 鷹の羽 299 00:23:48,069 --> 00:23:53,074 (庄之助)そや 鷹の羽の紋所や 300 00:23:53,074 --> 00:23:57,074 この謎 どない解きなはる? 301 00:24:27,041 --> 00:24:33,047 (お依里) 《御武運を祈っておりまする》 302 00:24:33,047 --> 00:24:45,059 ・~ 303 00:24:45,059 --> 00:24:47,061 (お依里)《吉松 起こしましょうか》 304 00:24:47,061 --> 00:24:49,063 (半四郎)《いや》・ 305 00:24:49,063 --> 00:24:55,069 《お依里 俺が密偵に入ったあと・ 306 00:24:55,069 --> 00:25:00,007 吉松と2人 どうやって暮らしを立てる》 307 00:25:00,007 --> 00:25:06,013 (お依里)《あっ 仕立物でも何でもいたします》 308 00:25:06,013 --> 00:25:09,016 (半四郎) 《何年かかるか 分からぬ》・ 309 00:25:09,016 --> 00:25:13,020 《首尾よく 吉良殿の居所をつかんだら・ 310 00:25:13,020 --> 00:25:16,023 すぐさま 討ち入りとなるだろう》・ 311 00:25:16,023 --> 00:25:22,029 《そのあとは 皆で 幕府のお沙汰を待つ》・ 312 00:25:22,029 --> 00:25:24,029 《良くて切腹》 313 00:25:27,034 --> 00:25:34,034 《お依里 二度と今生では会えぬ 来世で会おうぞ》 314 00:25:40,047 --> 00:25:42,049 《はい》 315 00:25:42,049 --> 00:25:56,063 ・~ 316 00:25:56,063 --> 00:25:57,998 (ため息) 317 00:25:57,998 --> 00:26:10,998 ・~ 318 00:26:19,019 --> 00:26:26,019 (鐘の音) 319 00:26:32,032 --> 00:26:37,037 (鐘の音) 320 00:26:37,037 --> 00:26:39,037 ・(郡兵衛)刑部殿ではないか 321 00:26:45,045 --> 00:26:52,052 (鐘の音) 322 00:26:52,052 --> 00:26:54,054 (小平太)赤穂の隠し軍用金? 323 00:26:54,054 --> 00:26:56,991 (庄左衛門)聞いたことないな 324 00:26:56,991 --> 00:27:01,991 (郡兵衛)第2次 討ち入り隊の おさは 将監殿 325 00:27:08,002 --> 00:27:10,004 そういう金があったやもしれぬが 326 00:27:10,004 --> 00:27:13,007 もはや無用の金なれば 327 00:27:13,007 --> 00:27:16,010 (庄左衛門)分配などいらぬわ 328 00:27:16,010 --> 00:27:21,015 すがすがしき涼風のような言葉 感服つかまつった 329 00:27:21,015 --> 00:27:26,015 ついては郡兵衛殿 山中半四郎殿を御存じか? 330 00:27:29,023 --> 00:27:37,031 赤穂の頃 大石内蔵助様と 同じ道場に通い 免許皆伝の腕前 331 00:27:37,031 --> 00:27:41,035 大石様が 特に かわいがっておられた 332 00:27:41,035 --> 00:27:43,037 なのに 333 00:27:43,037 --> 00:27:47,041 鳴海屋の一人娘に 腰抜けにされよった 334 00:27:47,041 --> 00:27:50,044 庄左 もう昔の話さ 335 00:27:50,044 --> 00:27:53,047 だが当時は 皆が怒った・ 336 00:27:53,047 --> 00:27:57,985 血の気の多い堀部安兵衛などは 半四郎を斬ろうとしたくらいだ 337 00:27:57,985 --> 00:28:02,990 その半四郎 今は鳴海屋弥兵衛殿を・ 338 00:28:02,990 --> 00:28:04,992 過日 徒党を組んで襲い・ 339 00:28:04,992 --> 00:28:07,995 用心棒らと斬り合ったのは お手前方か? 340 00:28:07,995 --> 00:28:10,998 (郡兵衛)騒ぎは知っておるが 我々ではござらぬ・ 341 00:28:10,998 --> 00:28:14,001 今更 半四郎を斬るつもりなどない 342 00:28:14,001 --> 00:28:17,004 では 半四郎殿の妻子・ 343 00:28:17,004 --> 00:28:20,007 お依里殿と吉松を かどわかしたのも・ 344 00:28:20,007 --> 00:28:23,010 お手前方ではないのだな? かどわかし? 345 00:28:23,010 --> 00:28:27,014 もとより お手前方を 疑っているわけではござらん 346 00:28:27,014 --> 00:28:33,020 しかし 鷹の羽は確か 内匠頭殿の紋所のはず 347 00:28:33,020 --> 00:28:38,025 お依里殿らが かどわかされた 長屋に落ちていた物でござる 348 00:28:38,025 --> 00:28:41,028 心当たりはござらぬか? 349 00:28:41,028 --> 00:28:43,030 これは (庄左衛門)小平太 350 00:28:43,030 --> 00:28:49,030 すまぬ 心当たりはござらぬ 351 00:29:14,995 --> 00:29:16,995 あの 352 00:29:24,004 --> 00:29:28,008 (女性)この15両で 我が夫 山中半四郎を・ 353 00:29:28,008 --> 00:29:33,013 いえ 今は小舟町の献残屋 鳴海屋弥兵衛を亡き者に 354 00:29:33,013 --> 00:29:35,015 ・(お吉)安い 355 00:29:35,015 --> 00:29:40,020 (道八)いやいや とんでもない 受けましょう 356 00:29:40,020 --> 00:29:46,026 (お吉)道八 お前は闇猫の手下だ 357 00:29:46,026 --> 00:29:52,032 (猫の鳴き声) (お吉)頭の私に 口出し無用 358 00:29:52,032 --> 00:29:58,973 (道八)私はね 頭 目付役 口ぐらい出しますよ 359 00:29:58,973 --> 00:30:08,983 目付? フッ 闇法師が この頼み 受けろとでも言ったのかい 360 00:30:08,983 --> 00:30:10,985 (道八)はい? 361 00:30:10,985 --> 00:30:14,989 (女性)では 50両でいかがですか? (雀)払えるんですか? 362 00:30:14,989 --> 00:30:17,989 明日 残りをお持ちいたします 363 00:30:19,994 --> 00:30:24,999 50両で受けましょう 364 00:30:24,999 --> 00:30:26,999 雀 365 00:30:29,003 --> 00:30:31,005 3日で手はずを整えます 366 00:30:31,005 --> 00:30:35,009 (道八)あれ 雀が しゃべっちゃったよ 367 00:30:35,009 --> 00:30:37,011 私がやりましょう 368 00:30:37,011 --> 00:30:41,011 (お吉)この頼み 雀に任せる 369 00:30:43,017 --> 00:30:46,020 分かってるね 雀 370 00:30:46,020 --> 00:31:05,973 ・~ 371 00:31:05,973 --> 00:31:19,973 ・~ 372 00:31:24,992 --> 00:31:45,012 ・~ 373 00:31:45,012 --> 00:31:47,014 ・~ 374 00:31:47,014 --> 00:31:49,016 松葉刑部 今度は闇猫か 375 00:31:49,016 --> 00:31:51,016 引け 376 00:31:58,025 --> 00:32:00,027 しっかりなされよ 半四郎殿 377 00:32:00,027 --> 00:32:04,031 松葉殿 なぜ ここへ 378 00:32:04,031 --> 00:32:08,035 ずっと 御貴殿の陰供をしておりました 379 00:32:08,035 --> 00:32:11,038 怪しき者が屋敷へ忍び込んだゆえ 380 00:32:11,038 --> 00:32:13,040 今 人を呼びまする 381 00:32:13,040 --> 00:32:15,042 いいんだ 382 00:32:15,042 --> 00:32:19,046 お依里は何と言いました? 383 00:32:19,046 --> 00:32:27,054 それが お依里殿と吉松殿 かどわかされ申した 384 00:32:27,054 --> 00:32:29,056 えっ? その場に・ 385 00:32:29,056 --> 00:32:33,060 赤穂の紋所の入った たばこ入れが 386 00:32:33,060 --> 00:32:36,063 なんと 更には・ 387 00:32:36,063 --> 00:32:39,066 お依里殿の名をかたる女が 御貴殿の命を狙い・ 388 00:32:39,066 --> 00:32:44,071 同じ頃 赤穂の隠し軍用金のうわさまで 389 00:32:44,071 --> 00:32:49,076 何かが ひそかに うごめいておる様子 390 00:32:49,076 --> 00:32:52,079 しかしながら それがし 御貴殿の 言づてを預かったからには・ 391 00:32:52,079 --> 00:32:56,079 何としても お依里殿を助け出す所存 392 00:32:58,018 --> 00:33:01,021 松葉殿 うん 393 00:33:01,021 --> 00:33:10,030 それがし 大石内蔵助様から 密命を2つ受けました 394 00:33:10,030 --> 00:33:15,035 うん 1つは 討ち入りが失敗した場合・ 395 00:33:15,035 --> 00:33:20,040 ある地図を 第2次 討ち入り隊へ 届けること 396 00:33:20,040 --> 00:33:23,043 地図 397 00:33:23,043 --> 00:33:27,047 それは我らの最後の手段 398 00:33:27,047 --> 00:33:34,054 それにより 将軍家すら 我らを脅威に思うはずと・ 399 00:33:34,054 --> 00:33:37,057 大石様は おっしゃられた 400 00:33:37,057 --> 00:33:39,059 将軍家すら? 401 00:33:39,059 --> 00:33:42,062 2つ目の密命は・ 402 00:33:42,062 --> 00:33:47,067 討ち入りが成功した場合 その地図を・ 403 00:33:47,067 --> 00:33:52,072 敵からも味方からも ありとあらゆる者たちから・ 404 00:33:52,072 --> 00:33:56,076 一命を賭して隠し通すこと 405 00:33:56,076 --> 00:33:59,012 なんと 406 00:33:59,012 --> 00:34:03,016 この命 果つるまでの 密命 407 00:34:03,016 --> 00:34:09,016 お依里と吉松の元へは もはや 帰ること かなわず 408 00:34:11,024 --> 00:34:16,024 以来この身は 半分に裂かれた 409 00:34:19,032 --> 00:34:21,034 (半四郎)何度 思ったことか・ 410 00:34:21,034 --> 00:34:26,039 密命など もう どうでもいい 妻と子に会いたい・ 411 00:34:26,039 --> 00:34:32,045 お依里と吉松のそばへ帰りたい なぜ帰らぬ・ 412 00:34:32,045 --> 00:34:36,045 それが武士なら武士とは何だ 413 00:34:42,055 --> 00:34:45,058 お笑いくだされ 414 00:34:45,058 --> 00:34:51,064 長く あきんどに化けてるうち 武士の尾も擦り切れた 415 00:34:51,064 --> 00:34:55,068 もし これが うわさどおり・ 416 00:34:55,068 --> 00:34:59,068 赤穂の隠し軍用金を記す 地図ならば 417 00:35:01,008 --> 00:35:04,011 松葉殿に差し上げまする 418 00:35:04,011 --> 00:35:11,018 この金で お依里と吉松を救い出し… あっ 419 00:35:11,018 --> 00:35:16,023 しっかりなされよ しっかり 420 00:35:16,023 --> 00:35:23,030 元赤穂の不義不忠の者 421 00:35:23,030 --> 00:35:30,030 山中半四郎の いまわの際の頼みでござる 422 00:35:36,043 --> 00:35:38,043 お引き受け申した 423 00:35:42,049 --> 00:35:48,049 半四郎殿 半四郎殿 424 00:35:56,997 --> 00:36:01,001 (藤次郎)赤穂の隠し軍用金? 425 00:36:01,001 --> 00:36:05,005 (お吉)しらばっくれても 無駄ですよ・ 426 00:36:05,005 --> 00:36:09,009 道八つぁんは はなっから知っていた・ 427 00:36:09,009 --> 00:36:17,009 道八の糸を引いてるのは 藤次郎さん お前さんだ 428 00:36:23,023 --> 00:36:25,023 (藤次郎)雀 429 00:36:35,035 --> 00:36:41,041 《元赤穂の山中半四郎》 430 00:36:41,041 --> 00:36:45,045 (道八)《軍用金と 関わりがある》・ 431 00:36:45,045 --> 00:36:49,045 《闇猫のお頭が引き受けた》 432 00:36:51,051 --> 00:36:53,051 《どうします?》 433 00:36:57,991 --> 00:36:59,993 《頭に伺いを立て…》 434 00:36:59,993 --> 00:37:20,013 ・~ 435 00:37:20,013 --> 00:37:23,016 ・~ 436 00:37:23,016 --> 00:37:28,016 (藤次郎)そのうち その羽 むしってくれる 437 00:37:30,023 --> 00:37:33,026 答えてもらいましょう 438 00:37:33,026 --> 00:37:39,032 将軍家すら脅威に思うという 軍用金と・ 439 00:37:39,032 --> 00:37:42,032 闇法師の関わりについて 440 00:37:51,044 --> 00:37:56,049 (お吉)お前たちは 闇猫をこけにした・ 441 00:37:56,049 --> 00:38:03,049 どういうわけだか 松葉刑部までが出張ってきた 442 00:38:05,992 --> 00:38:09,992 闇法師への頼み人は 443 00:38:11,998 --> 00:38:15,998 (藤次郎)若年寄 長居伊賀守 444 00:38:28,014 --> 00:38:34,014 (伊賀守)《その隠し軍用金は 黄金で数千枚と聞く》 445 00:38:36,022 --> 00:38:39,025 (伊賀守)《それだけの金が 出せたのは・ 446 00:38:39,025 --> 00:38:44,030 広島藩 赤穂本家42万石をおいて 他になし》 447 00:38:44,030 --> 00:38:46,032 (主水)《はっ》 448 00:38:46,032 --> 00:38:50,036 《あの討ち入りは 幕府への不服の証し》・ 449 00:38:50,036 --> 00:38:56,042 《つまりは御公儀へ 謀反を企てたる証拠》 450 00:38:56,042 --> 00:39:01,982 《黄金を押さえ 浅野本家を一気に改易 取り潰し・ 451 00:39:01,982 --> 00:39:07,988 黄金は 財政難の幕府の蔵へ納めよ》 452 00:39:07,988 --> 00:39:11,992 《手段は選ばぬ》 453 00:39:11,992 --> 00:39:17,998 《必要とあらば闇法師を使え》 454 00:39:17,998 --> 00:39:20,000 (主水)《はは》 455 00:39:20,000 --> 00:39:23,003 なるほど 456 00:39:23,003 --> 00:39:29,009 それで道八に ひそかに網を張らせ こっちには黙っていたってわけか 457 00:39:29,009 --> 00:39:32,012 お前たちのやり方は 気に食わないが・ 458 00:39:32,012 --> 00:39:35,012 黄金は大いに気に入った 459 00:39:37,017 --> 00:39:43,023 伊賀守の頼み 闇猫が受けましょう 460 00:39:43,023 --> 00:39:45,025 何? 461 00:39:45,025 --> 00:39:51,025 (お吉)頼み料は黄金の5割 462 00:39:53,033 --> 00:39:59,033 幕府の獲物を 横から かすめ取る気か あっ? 463 00:40:00,974 --> 00:40:20,994 ・~ 464 00:40:20,994 --> 00:40:24,994 ・~ 465 00:40:51,024 --> 00:40:53,024 (吉松)父上 466 00:41:08,975 --> 00:41:10,975 お食事をお持ちしました 467 00:41:28,995 --> 00:41:30,995 鳴海屋が (武家)これ 468 00:41:34,000 --> 00:41:36,002 (町役人)ほら 下がれ下がれ 469 00:41:36,002 --> 00:41:38,002 (町役人)寄るんじゃねえ (町役人)下がれ 470 00:41:48,014 --> 00:41:51,017 (同心)おう 伊十郎 ここは南町の仕切りだぜ 471 00:41:51,017 --> 00:41:56,022 分かってるよ 鳴海屋 やられたのか? 472 00:41:56,022 --> 00:41:59,025 (同心)分からん 消えちまった 473 00:41:59,025 --> 00:42:02,025 消えた? どういうこった 474 00:42:07,033 --> 00:42:09,033 (ため息) 475 00:42:14,040 --> 00:42:16,042 鳴海屋の寝所に残ってた 476 00:42:16,042 --> 00:42:19,045 手がかりは これ1つ 477 00:42:19,045 --> 00:42:34,060 ・~ 478 00:42:34,060 --> 00:42:38,060 お依里 吉松 479 00:42:41,067 --> 00:42:46,072 死ななきゃ会えるさ 死ぬんじゃないよ・ 480 00:42:46,072 --> 00:42:50,076 刑部の旦那が必ず会わせるってさ 481 00:42:50,076 --> 00:43:02,076 ・~ 482 00:43:04,023 --> 00:43:06,025 ・(子供の笑い声) 483 00:43:06,025 --> 00:43:09,028 おお 484 00:43:09,028 --> 00:43:12,031 (お静)あっ 485 00:43:12,031 --> 00:43:16,035 いや 昨日は せん別を頂き 本日は皆様そろってのお見送り 486 00:43:16,035 --> 00:43:19,038 かたじけのうござる (おすが)何 言ってんだよ 水くさい 487 00:43:19,038 --> 00:43:22,041 はっ? 一生に一度は お伊勢参りってね 488 00:43:22,041 --> 00:43:25,044 (おとき)土産話 聞かせてくださいね 旦那 489 00:43:25,044 --> 00:43:27,046 ああ (お静)刑部様 490 00:43:27,046 --> 00:43:29,048 んっ? どうか道中お気を付けて 491 00:43:29,048 --> 00:43:32,051 ああ これ お弁当です 492 00:43:32,051 --> 00:43:35,054 いつも すまんのう お静殿 493 00:43:35,054 --> 00:43:37,056 2つ? 494 00:43:37,056 --> 00:43:39,058 だって 495 00:43:39,058 --> 00:43:42,061 いらした 御隠居様 隠居? 496 00:43:42,061 --> 00:43:48,067 やあ 皆さん お待たせ お待たせ・ 497 00:43:48,067 --> 00:43:50,069 お静ちゃん 498 00:43:50,069 --> 00:43:53,072 なぜ ここに いや いつの間に 499 00:43:53,072 --> 00:43:58,011 御隠居様 どうぞ刑部様のこと よろしくお願いします 500 00:43:58,011 --> 00:44:00,013 はいはい はいではない 501 00:44:00,013 --> 00:44:02,015 (お静)刑部様 はい? 502 00:44:02,015 --> 00:44:08,021 きっと御無事で お帰りくださいまし 503 00:44:08,021 --> 00:44:10,023 (庄之助)おおきに (お静)あっ はい 504 00:44:10,023 --> 00:44:13,026 (庄之助)さあ 行きまひょ行きまひょ おいおい では 505 00:44:13,026 --> 00:44:15,028 (おすが)旦那 かさ かさ 506 00:44:15,028 --> 00:44:17,028 あっ すまん 507 00:44:27,040 --> 00:44:29,042 口入れ屋はんも お伊勢参りかいな 508 00:44:29,042 --> 00:44:31,044 (徳松)え… ええ 509 00:44:31,044 --> 00:44:35,048 ほなら3人で参りまひょ 510 00:44:35,048 --> 00:44:40,053 3人寄れば文殊の知恵や ねっ ハハハ 511 00:44:40,053 --> 00:44:49,062 ・ 赤穂の宝は 伊勢か… 512 00:44:49,062 --> 00:44:53,066 見てのとおり 早業の地獄耳だ 513 00:44:53,066 --> 00:44:55,068 まさか お宝の地図のことまで? 514 00:44:55,068 --> 00:44:59,005 いや だが あの者を相手に隠す自信はない 515 00:44:59,005 --> 00:45:02,005 どうするか お主に任せるよ 516 00:45:06,012 --> 00:45:08,012 何が文殊の知恵だい 517 00:45:14,020 --> 00:45:28,034 ・~ 518 00:45:28,034 --> 00:45:32,038 (庄之助)暑なる前に 早う行きまひょ 早う 519 00:45:32,038 --> 00:45:36,042 (徳松)こりゃ 7~8割方 見抜かれてますぜ 520 00:45:36,042 --> 00:45:38,042 ああ 521 00:45:42,048 --> 00:45:45,051 (才助)赤穂の金を狙うとは・ 522 00:45:45,051 --> 00:45:48,054 江戸っ子の風上にも置けねえ頭だ 全く 523 00:45:48,054 --> 00:46:08,007 ・~ 524 00:46:08,007 --> 00:46:22,021 ・~ 525 00:46:22,021 --> 00:46:25,024 (道八)赤穂の隠し軍用金 526 00:46:25,024 --> 00:46:30,029 (お吉)お前の頭は この世で 私 ただ一人 527 00:46:30,029 --> 00:46:32,031 (徳松)ヘヘヘ あっ 528 00:46:32,031 --> 00:46:34,031 (お吉)闇猫のお吉が頂く