1 00:02:32,561 --> 00:02:34,561 2 00:02:38,400 --> 00:02:43,405 ♪『Delight of my love』 3 00:02:43,405 --> 00:02:56,418 ♪ 4 00:02:56,418 --> 00:03:16,438 ♪ 5 00:03:16,438 --> 00:03:36,392 ♪ 6 00:03:36,392 --> 00:03:56,412 ♪ 7 00:03:56,412 --> 00:04:07,412 ♪ 8 00:04:12,094 --> 00:04:17,099 (伝衛門)祝い酒も用意した。 皆 今日は 大いに楽しんでくれ。 9 00:04:17,099 --> 00:04:20,102 (一同の歓声) 10 00:04:20,102 --> 00:04:23,439 (治平)三枝さまの ご長男 文彦さまが⇒ 11 00:04:23,439 --> 00:04:27,109 山梨県の作文大会で 金賞を受賞され⇒ 12 00:04:27,109 --> 00:04:33,048 ひかるお嬢さまが 尋常小学校に ご入学された祝いに⇒ 13 00:04:33,048 --> 00:04:37,386 今から 文彦さまと 旦那さまが 餅をまく。⇒ 14 00:04:37,386 --> 00:04:39,388 ありがたく頂くんだ。 (一同の歓声) 15 00:04:39,388 --> 00:04:43,388 よし。 文彦。 来い! (文彦)はい。 お父さま。 16 00:04:46,729 --> 00:04:50,399 (ひかる)お母さま。 わたしも 上がって まきたい。 17 00:04:50,399 --> 00:04:53,402 (絹)ひかる。 女は櫓に上がれないのよ。 18 00:04:53,402 --> 00:04:58,702 どうしてなの? お母さま。 昔からの決まりなのです。 19 00:05:00,743 --> 00:05:06,749 (伝衛門)そら! そら! そら! (一同の歓声) 20 00:05:06,749 --> 00:05:12,421 わたしが三枝の家に嫁いで 今が いちばん 穏やかで幸せよ。 21 00:05:12,421 --> 00:05:15,421 (お滝)はい。 さようでございます。 22 00:05:20,429 --> 00:05:24,433 <山梨県 白部村の三枝家は⇒ 23 00:05:24,433 --> 00:05:30,038 田畑は 数百町歩と いくつもの山を所有して⇒ 24 00:05:30,038 --> 00:05:36,438 数十軒の小作農家を抱えた 大地主の家柄でした> 25 00:05:38,380 --> 00:05:41,380 そら! 26 00:05:52,394 --> 00:05:55,397 1つ 頂くわ。 27 00:05:55,397 --> 00:05:58,734 お兄さまは ひどいわ。 ごめんなさいね。 28 00:05:58,734 --> 00:06:00,736 それ捨てて これにしなさい。 29 00:06:00,736 --> 00:06:02,736 (留)餅だって食えるずら! 30 00:06:04,406 --> 00:06:09,406 (竹)こら! 何するずら! いいの。 いいのよ。 はい。 31 00:06:11,413 --> 00:06:14,082 ひかるは ホントに 優しい子に育ったわね。 32 00:06:14,082 --> 00:06:16,418 (お滝)まことに。 33 00:06:16,418 --> 00:06:27,095 ♪ 34 00:06:27,095 --> 00:06:30,365 (警官)待ちなさい! (魚屋)待て! 泥棒! 35 00:06:30,365 --> 00:06:39,374 (魚屋)返せ! この小僧! この野郎! 止まれ! 泥棒! 36 00:06:39,374 --> 00:06:44,374 (魚屋)待て! この野郎! (警官)待ちなさい! 37 00:06:46,048 --> 00:06:50,385 村の繁栄も 国の繁栄も 要するに 人だ。 38 00:06:50,385 --> 00:06:54,056 おまんらも 体を大事にしてくれよな。 39 00:06:54,056 --> 00:06:56,058 (一同)ありがとうございます。 40 00:06:56,058 --> 00:06:57,726 (絹)旦那さま。 おう。 41 00:06:57,726 --> 00:07:00,395 そろそろ 横浜へ 出発のお時間でございます。 42 00:07:00,395 --> 00:07:04,733 おお そうだった。 急ぐぞ。 絹。 かしこまりました。 43 00:07:04,733 --> 00:07:07,069 お父さま。 (伝衛門)ん? 44 00:07:07,069 --> 00:07:10,405 わたしも 一度 横浜に行ってみたい。 45 00:07:10,405 --> 00:07:14,405 そうか。 よし。 約束しよう! 46 00:07:16,078 --> 00:07:21,083 <大勢の人々に祝福されて 幸せに満ちあふれた⇒ 47 00:07:21,083 --> 00:07:25,420 三枝家の ひかると文彦がいる一方で⇒ 48 00:07:25,420 --> 00:07:30,420 この少年は 文字どおりの 天涯孤独な身でした> 49 00:07:33,362 --> 00:07:38,700 <1926年12月25日。⇒ 50 00:07:38,700 --> 00:07:45,374 大正天皇が崩御され 大正から 昭和になりました。⇒ 51 00:07:45,374 --> 00:07:48,377 新しい時代の 始まりでもありましたが⇒ 52 00:07:48,377 --> 00:07:55,384 あの昭和恐慌の足音が 次第にし始めてもいました> 53 00:07:55,384 --> 00:08:09,064 (三味線の音色) 54 00:08:09,064 --> 00:08:19,064 (三味線の音色) 55 00:08:20,742 --> 00:08:22,411 見事 見事! 56 00:08:22,411 --> 00:08:25,747 (大崎)さあ さあ 琴子さん。 三枝さんに お酌 お酌。 57 00:08:25,747 --> 00:08:27,447 (琴子)はい。 58 00:08:40,696 --> 00:08:42,396 おまんも。 59 00:08:44,032 --> 00:08:47,035 (ポン太)よっ! ご両人! (大崎)ハハハハ。⇒ 60 00:08:47,035 --> 00:08:51,373 ホントに うらやましいなあ。 ホントに。 61 00:08:51,373 --> 00:08:53,041 (伝衛門)大崎さん。 おう。 62 00:08:53,041 --> 00:08:57,379 今年の お蚕さまは調子がいい。 (大崎)おおっ。 63 00:08:57,379 --> 00:09:01,383 (伝衛門)すばらしい生糸が 採れます。 断言できます。 64 00:09:01,383 --> 00:09:03,719 (大崎)それは 良い情報を。 ありがたい。 65 00:09:03,719 --> 00:09:05,721 大いに もうけてください。 66 00:09:05,721 --> 00:09:09,057 そうすれば わしも小作も 潤うというものです。 67 00:09:09,057 --> 00:09:11,059 (大崎)ハハハハハッ。 68 00:09:11,059 --> 00:09:13,729 (お藤)旦那さま方! 大変でございます! 69 00:09:13,729 --> 00:09:16,064 (大崎)どうした? 女将。 (お藤)これでございます。⇒ 70 00:09:16,064 --> 00:09:18,464 中山銀行が! 71 00:09:21,069 --> 00:09:24,072 「中山銀行 破綻の噂。⇒ 72 00:09:24,072 --> 00:09:27,075 取り付け騒ぎに 門を閉ざし 休業する」 73 00:09:27,075 --> 00:09:30,345 (大崎)今年に入って 銀行の倒産が続きますなあ。 74 00:09:30,345 --> 00:09:33,348 (伝衛門)銀行倒産の次は 何が起きますかなあ。 75 00:09:33,348 --> 00:09:38,020 すみません。 中山銀行は お金を返してくれないんですか? 76 00:09:38,020 --> 00:09:42,024 破綻すれば そういうことになる。 それじゃ…。 77 00:09:42,024 --> 00:09:46,361 (ポン太)出産費用に ためたお金を 全部 中山銀行に…。 78 00:09:46,361 --> 00:09:48,697 (大崎)ん? おめでたなのか? 79 00:09:48,697 --> 00:09:54,036 自分一人で産もうと思ってたのに とても産めない。 どうしよう。 80 00:09:54,036 --> 00:09:57,372 (泣き声) (琴子)ポン太さん。 81 00:09:57,372 --> 00:10:00,042 (ポン太の泣き声) 82 00:10:00,042 --> 00:10:03,045 ポン太。 心配するな。 83 00:10:03,045 --> 00:10:07,382 おまんの預金の全額を わしが肩代わりしてやろう。⇒ 84 00:10:07,382 --> 00:10:11,720 子供は産め。 先のことは心配するな。 85 00:10:11,720 --> 00:10:13,722 できるだけの 力になる。 86 00:10:13,722 --> 00:10:16,725 (大崎)ポン太。 この大崎も ほうってはおかんぞ。 頑張れ。 87 00:10:16,725 --> 00:10:20,062 ハハハハ。 (ポン太)ありがとうございます! 88 00:10:20,062 --> 00:10:23,398 子は国の宝じゃ。 めでたい めでたい。 89 00:10:23,398 --> 00:10:28,403 (伝衛門・大崎)ハハハハハ。 旦那さま。 どうぞ。 90 00:10:28,403 --> 00:10:34,403 さあ ポン太。 良かったな。 ハハハハ。 よーし。 飲み直しだ! 91 00:10:37,679 --> 00:10:41,379 (ため息) (伝衛門)どうした? 琴子。 92 00:10:43,018 --> 00:10:46,354 子は 国の宝ですものね。 93 00:10:46,354 --> 00:10:53,361 すまん。 お前とこうなって もう長い。 94 00:10:53,361 --> 00:10:56,698 できたら できたで いいと思ってるんだ。 95 00:10:56,698 --> 00:11:01,369 本気ですか!? ああ。 96 00:11:01,369 --> 00:11:07,042 うれしい! その気持ちだけで 十分です。 97 00:11:07,042 --> 00:11:13,042 琴子は 旦那さまと出会えたこと 幸せだと思ってます。 98 00:11:14,716 --> 00:11:18,053 わしも お前とこうしていると⇒ 99 00:11:18,053 --> 00:11:20,722 世の中のことを 忘れることができる。⇒ 100 00:11:20,722 --> 00:11:28,063 小作争議。 生糸相場。 白部村の 山林 田畑。 101 00:11:28,063 --> 00:11:33,001 一人の男として過ごす時間。 102 00:11:33,001 --> 00:11:38,001 お前のおかげじゃ。 旦那さま。 103 00:11:40,008 --> 00:11:43,408 今は 琴子だけの旦那さまです。 104 00:11:52,354 --> 00:11:54,354 (物音) 105 00:11:56,691 --> 00:11:58,391 (物音) 106 00:12:18,046 --> 00:12:20,715 (伝衛門)おい。 泥棒!⇒ 107 00:12:20,715 --> 00:12:22,715 逃がすか! 108 00:12:25,053 --> 00:12:26,753 (琴子)キャッ! 109 00:12:28,723 --> 00:12:31,059 (捨松)ちくしょう! 110 00:12:31,059 --> 00:12:34,459 この泥棒猫め! 俺は猫じゃねえや! 111 00:12:35,730 --> 00:12:38,400 ウッ! イテテテテッ! 112 00:12:38,400 --> 00:12:43,405 お前 名前は何と言うんだ? ウッ! イテテッ! 113 00:12:43,405 --> 00:12:45,405 腹が減ってるのか? 114 00:12:47,075 --> 00:12:49,077 意地っ張りめ。 115 00:12:49,077 --> 00:12:51,413 (腹が鳴る音) ん? フフフフ。 116 00:12:51,413 --> 00:12:54,749 おまんの体は 正直もんじゃ。 琴子。 (琴子)はい。 117 00:12:54,749 --> 00:12:57,419 (伝衛門)こいつに 何ぞ 温かいものでも食わしてやれ。 118 00:12:57,419 --> 00:13:02,090 この野良犬にですか!? バカ野郎! 俺は人間だ! 119 00:13:02,090 --> 00:13:07,762 そうだ。 人間だ。 人間だぞ。 ハハハハハハ。 120 00:13:07,762 --> 00:13:09,462 イテテテテ! 121 00:13:12,767 --> 00:13:15,767 (伝衛門)琴子。 (琴子)はい。 122 00:13:18,440 --> 00:13:22,444 (伝衛門)おまん。 飯を食ったら わしと話をせんか? 123 00:13:22,444 --> 00:13:26,114 今 飯食ってんだから 静かにしろよ! 124 00:13:26,114 --> 00:13:32,514 ハハハ。 これは すまん すまん。 ハハハハハハハ。 125 00:13:34,389 --> 00:13:45,400 ♪ 126 00:13:45,400 --> 00:13:55,410 ♪ 127 00:13:55,410 --> 00:13:57,410 (戸を閉める音) 128 00:14:08,089 --> 00:14:10,489 旦那さま! あの子が! 129 00:14:17,098 --> 00:14:18,767 逃げたか。 130 00:14:18,767 --> 00:14:21,467 やっぱり 野良犬は野良犬ですかね。 131 00:14:23,104 --> 00:14:26,104 (汽笛) 132 00:14:33,381 --> 00:14:38,386 経済的混乱は避けられんな。 下手をすれば不況か。 133 00:14:38,386 --> 00:14:42,057 (車掌)あの。 お客さん。 何か? 134 00:14:42,057 --> 00:14:43,725 (車掌)三枝さんでしたか! 135 00:14:43,725 --> 00:14:46,728 いつもお世話になっております。 で 何か? 136 00:14:46,728 --> 00:14:50,732 まさかとは思うのですが 実は このガキが…。 137 00:14:50,732 --> 00:14:53,735 おう。 おまん。 なっ? 知り合いだよな。 138 00:14:53,735 --> 00:15:00,075 ああ。 聞いたか? 車掌さんよ。 ハハハハッ。 あーあ。 139 00:15:00,075 --> 00:15:01,775 (車掌)失礼します。 140 00:15:04,412 --> 00:15:09,412 おまん。 わしを つけてきたのか? 141 00:15:11,419 --> 00:15:15,423 親は知ってるのか? そんなもの いねえよ。 142 00:15:15,423 --> 00:15:18,760 そんなわけないだろう。 親のない者などない。 143 00:15:18,760 --> 00:15:22,097 いねえんだから しかたねえだろう。 144 00:15:22,097 --> 00:15:23,797 そうか。 145 00:15:26,768 --> 00:15:29,468 名前は? そんなもん ねえよ。 146 00:15:32,040 --> 00:15:37,440 年は? 9歳ぐらい。 147 00:15:41,383 --> 00:15:44,383 今まで どうやって生きてきた? 148 00:15:46,054 --> 00:15:48,454 (汽笛) 149 00:15:57,399 --> 00:16:11,413 ♪ 150 00:16:11,413 --> 00:16:21,423 ♪ 151 00:16:21,423 --> 00:16:23,423 ハハハ。 152 00:16:25,427 --> 00:16:27,427 お… おい! 153 00:16:33,701 --> 00:16:36,701 腹減ったぁ! 154 00:16:45,380 --> 00:16:47,382 ≪(ひかる) そんなことをしたら ダメよ。 155 00:16:47,382 --> 00:16:49,384 何だよ? お前。 156 00:16:49,384 --> 00:16:52,720 お地蔵さまの お供えをとったら 罰が当たるわよ。 157 00:16:52,720 --> 00:16:55,723 おもしろい。 当てるもんなら当ててみな。 158 00:16:55,723 --> 00:16:59,060 それ カビが生えてる。 食べると おなかを壊すわ。 159 00:16:59,060 --> 00:17:02,060 そんな やわな体じゃねえや。 160 00:17:05,066 --> 00:17:08,403 うめえ! こりゃ いいあんこだ。 161 00:17:08,403 --> 00:17:11,072 おめえも 一口 食えよ。 ほら 食えよ! 162 00:17:11,072 --> 00:17:13,741 やめなさいよ! そんなもの 食べません! 163 00:17:13,741 --> 00:17:16,411 お嬢さんぶってんなよ。 うまいから 食えよ。 164 00:17:16,411 --> 00:17:18,079 やめなさい! 165 00:17:18,079 --> 00:17:21,416 こうなったら 意地でも食わしてやるよ。 166 00:17:21,416 --> 00:17:23,416 食えったら 食え! 167 00:17:25,420 --> 00:17:29,691 こいつ! ≪(伝衛門)ひかる! 168 00:17:29,691 --> 00:17:33,691 「ひかる」って。 おじさんの子か? (伝衛門)ああ。 169 00:17:35,363 --> 00:17:40,368 ただいま。 お父さま。 あの人と知り合いですか? 170 00:17:40,368 --> 00:17:42,668 ああ。 そうだよ。 171 00:17:49,043 --> 00:17:51,045 (一同の拍手) 172 00:17:51,045 --> 00:17:54,716 (一同)おめでとうございます。 お坊っちゃま! 173 00:17:54,716 --> 00:17:58,052 ≪(徹)旦那さまの お帰りです! 174 00:17:58,052 --> 00:17:59,721 (伝衛門)一体 何の騒ぎだ? 175 00:17:59,721 --> 00:18:01,723 (絹)おかえりなさいませ。 旦那さま。 176 00:18:01,723 --> 00:18:03,725 (治平)旦那さま。 お喜びください。 177 00:18:03,725 --> 00:18:08,396 文彦坊っちゃまが 学校の剣道部の 主将に選ばれなすったんです。 178 00:18:08,396 --> 00:18:10,064 文彦が主将だと? 179 00:18:10,064 --> 00:18:14,402 (岩田)はい。 顧問の私が 任命いたしました。 180 00:18:14,402 --> 00:18:16,404 文彦は そんなに 強くなったんですか? 181 00:18:16,404 --> 00:18:18,406 (岩田)主将というものは⇒ 182 00:18:18,406 --> 00:18:20,074 強いばかりでは 部員がまとまりません。⇒ 183 00:18:20,074 --> 00:18:26,080 人柄。 存在感。 文彦さんのほかに 人物はおりません。 184 00:18:26,080 --> 00:18:29,017 文彦。 やるからには 腹をくくって…。 185 00:18:29,017 --> 00:18:34,022 大丈夫です。 今年は わが校を 県大会で優勝させてみせますよ。 186 00:18:34,022 --> 00:18:38,026 よくぞ 言いました。 それでこそ 三枝家の長男です。 187 00:18:38,026 --> 00:18:41,362 (お滝)文彦坊っちゃんこそ 三枝家の誇りでございます! 188 00:18:41,362 --> 00:18:45,033 では 僕は 早速 剣道のけいこをします。 189 00:18:45,033 --> 00:18:49,370 お父さま。 あの子を 本当に ウチに入れるのですか? 190 00:18:49,370 --> 00:18:56,044 おお。 すっかり忘れていた。 おい 坊主。 坊主! 入ってこい! 191 00:18:56,044 --> 00:18:58,379 何でございましょう? いや ちょっとな。 192 00:18:58,379 --> 00:19:00,381 (文彦)おい。 お前! 193 00:19:00,381 --> 00:19:02,383 (捨松)俺のことか? 194 00:19:02,383 --> 00:19:06,721 何者だ! 名乗るほどの名前はねえよ。 195 00:19:06,721 --> 00:19:10,391 怪しいヤツだ。 とっとと 出ていけ! 196 00:19:10,391 --> 00:19:12,393 たたき出すってのか? 197 00:19:12,393 --> 00:19:15,396 おもしろい。 やれるもんなら やってみな。 198 00:19:15,396 --> 00:19:18,066 ヤアーッ! 面! どうした? どうした? 199 00:19:18,066 --> 00:19:20,401 (治平)こら。 悪玉! (伝衛門)ほっとけ。 200 00:19:20,401 --> 00:19:23,071 面! 胴! 面! 201 00:19:23,071 --> 00:19:24,771 こっちだよーだ! 202 00:19:26,341 --> 00:19:29,344 ヤーッ! あっ! (絹)あーっ! 203 00:19:29,344 --> 00:19:32,347 けり飛ばしてやろうか! 助けて! 204 00:19:32,347 --> 00:19:35,350 お坊っちゃま! 徹。 こいつを やっつけて! 205 00:19:35,350 --> 00:19:37,018 (徹)はあ…。 206 00:19:37,018 --> 00:19:42,690 情けない。 相手の のどぼとけに 食らいついてでも 自分で戦え! 207 00:19:42,690 --> 00:19:46,027 (文彦)お父さま。 この盗人を つまみ出してください! 208 00:19:46,027 --> 00:19:48,363 こいつは わしが連れてきた坊主だ。 209 00:19:48,363 --> 00:19:50,365 どういうことでございます? 旦那さま。 210 00:19:50,365 --> 00:19:54,369 訳は あとで話す。 今夜は 飯を多めに炊いてくれ。 211 00:19:54,369 --> 00:19:58,373 こいつは よく食うぞ。 はい。 212 00:19:58,373 --> 00:20:02,373 (伝衛門)文彦。 剣道部の 主将になったんだろう。 立て! 213 00:20:04,045 --> 00:20:06,381 まったく 身寄りがないのですか? 214 00:20:06,381 --> 00:20:08,716 (伝衛門) あの子は そう言っている。 215 00:20:08,716 --> 00:20:11,386 わが家で育てるおつもりですか? 216 00:20:11,386 --> 00:20:15,390 あいつは なかなか おもしろい。 しばらく見ていたいんだ。 217 00:20:15,390 --> 00:20:19,394 何て 気まぐれな。 これも 何かの縁だ。 218 00:20:19,394 --> 00:20:22,063 捜せば きっと あいつの身寄りが 見つかるはずだ。 219 00:20:22,063 --> 00:20:24,065 それまでは 力になってやろうと 思っている。 220 00:20:24,065 --> 00:20:28,002 警察にお願いして お任せしたらいかがです? 221 00:20:28,002 --> 00:20:30,338 わしを頼って 横浜から ついてきたんだ。⇒ 222 00:20:30,338 --> 00:20:34,008 力になってやるのが 筋というもんだろう。 223 00:20:34,008 --> 00:20:37,708 横浜からですか? どうした? 反対か? 224 00:20:39,681 --> 00:20:42,684 文彦も ひかるも 気味悪がっています。 225 00:20:42,684 --> 00:20:44,686 あの子らに 悪い影響がなければと。 226 00:20:44,686 --> 00:20:48,022 大丈夫だ。 あの子の目は 濁っておらん。 227 00:20:48,022 --> 00:20:50,422 性根の悪いヤツではない。 228 00:20:55,029 --> 00:20:57,365 (治平)さっさと来んかい! この悪玉が! 229 00:20:57,365 --> 00:20:59,367 おい。 離せよ! 離せよ! 230 00:20:59,367 --> 00:21:02,370 (伝衛門)離してやりなさい! (治平)へい。 231 00:21:02,370 --> 00:21:06,374 (伝衛門)おい。 そこへ座れ。⇒ 232 00:21:06,374 --> 00:21:10,374 皆で そろって夕飯をとるのが わが家の ならわしだ。 233 00:21:21,389 --> 00:21:24,726 (伝衛門)では 自然の恵みと⇒ 234 00:21:24,726 --> 00:21:26,994 米や野菜を こしらえてくれた者たちに⇒ 235 00:21:26,994 --> 00:21:31,332 感謝し いただきます。 (一同)いただきます。 236 00:21:31,332 --> 00:21:33,334 (笑い声) 237 00:21:33,334 --> 00:21:35,336 (お滝)おまん! 何を笑ってる!⇒ 238 00:21:35,336 --> 00:21:38,339 旦那さまの お情けで こうして 施しを受けるんだ。⇒ 239 00:21:38,339 --> 00:21:42,343 感謝して お食べ! 施しなんて誰が受けっかよ! 240 00:21:42,343 --> 00:21:45,346 いらねえよ! (お滝)何てまあ 恩知らずな! 241 00:21:45,346 --> 00:21:47,348 お滝。 おやめなさい。 242 00:21:47,348 --> 00:21:49,350 (文彦)まるで しつけのない野良犬 そのものじゃないですか。 243 00:21:49,350 --> 00:21:51,352 あれじゃ まるで 獣です! 244 00:21:51,352 --> 00:21:56,357 獣か…。 獣ね。 245 00:21:56,357 --> 00:22:01,362 獣か。 ハハハハ。 だから おもしろいと思ったのだ。⇒ 246 00:22:01,362 --> 00:22:04,362 ハハハハハ。 247 00:22:20,381 --> 00:22:38,399 ♪ 248 00:22:38,399 --> 00:22:41,399 すげえ。 肉だ! 249 00:22:44,071 --> 00:22:48,471 (治平)こら! 悪玉。 何してる! ヘヘン! おととい 来やがれ! 250 00:22:51,412 --> 00:22:53,080 (お滝)おまん! どうして 旦那さまについて⇒ 251 00:22:53,080 --> 00:22:55,750 横浜から来たんだよ!? 何か訳があるのかい!? 252 00:22:55,750 --> 00:22:57,752 来いって頼まれたから ついてきただけだよ。 253 00:22:57,752 --> 00:22:59,420 旦那さまが そんなこと言うわけねえら。 254 00:22:59,420 --> 00:23:02,423 おまんみたいな 親なしっ子に! 俺にだって 親はあるさ! 255 00:23:02,423 --> 00:23:04,091 だったら 親の名前ぐらい 言えるだろう。 256 00:23:04,091 --> 00:23:07,428 (竹)言えねえら。 よっぽど 親が悪人ずらよ。 257 00:23:07,428 --> 00:23:10,097 違うわい! 俺の母ちゃんは 琴子って名だ! 258 00:23:10,097 --> 00:23:12,097 おめえ。 そ… それは…。 259 00:23:13,768 --> 00:23:18,105 (竹)ちょっと! 出ちゃダメだ! (お滝)捕まえろ! ほら! 260 00:23:18,105 --> 00:23:19,774 (治平)待て! そこはダメだ! 261 00:23:19,774 --> 00:23:21,442 (伝衛門)何事だ!? 262 00:23:21,442 --> 00:23:23,442 この肉は 俺んだ! 263 00:23:26,380 --> 00:23:29,050 (絹)あなた…。 許せません。 あんな野蛮な。 264 00:23:29,050 --> 00:23:31,450 まるで野獣だ。 265 00:23:37,058 --> 00:23:39,058 (ひかる)キャーッ! 266 00:23:40,728 --> 00:23:42,428 (治平)あっ! こっち逃げた! 267 00:23:51,405 --> 00:23:53,741 (お滝)竹。 警察を呼んでおくれ! (竹)はい! 268 00:23:53,741 --> 00:23:55,741 (伝衛門)待て! (竹)はい。 269 00:23:57,745 --> 00:24:03,417 おい 坊主。 お前は盗人か? 違うわい! 腹が減っただけだ。 270 00:24:03,417 --> 00:24:06,420 だったら 正直に「腹が減った」と言え!⇒ 271 00:24:06,420 --> 00:24:09,420 「この肉を 食わしてください」と言え! 272 00:24:11,759 --> 00:24:15,429 腹が減った。 この肉 食うぞ。 273 00:24:15,429 --> 00:24:28,376 ♪ 274 00:24:28,376 --> 00:24:30,378 やっぱり 獣だわ。 275 00:24:30,378 --> 00:24:34,382 <この かわいい獣との 奇妙な出会いが⇒ 276 00:24:34,382 --> 00:24:40,382 ひかるを 激しい愛の嵐へ導く 運命の始まりだったのです>