1 00:02:32,830 --> 00:02:34,830 2 00:02:38,703 --> 00:02:40,705 (絹)もう 限界です。 3 00:02:40,705 --> 00:02:42,373 (伝衛門)どこへ行く? 4 00:02:42,373 --> 00:02:45,773 (絹)心の秤が 壊れてしまいました。 5 00:02:49,047 --> 00:02:53,347 お暇 頂かせていただきます。 (伝衛門)何だと!? 6 00:02:55,053 --> 00:02:57,055 (絹)一緒に行きましょ。 (ひかる)どこへ行くんですか? 7 00:02:57,055 --> 00:03:00,058 いいから 行きましょ。 (ひかる)嫌っ! 8 00:03:00,058 --> 00:03:04,758 ひかる。 ごめんなさい。 (ひかる)お母さま。 9 00:03:08,399 --> 00:03:11,402 お母さま 変だわ。 10 00:03:11,402 --> 00:03:14,405 どこへ 行ってしまったのかしら? 11 00:03:14,405 --> 00:03:16,407 (猛)分かった。 12 00:03:16,407 --> 00:03:20,411 俺が 今から捜しに行くから ひかるちゃんは 家で待ってな。 13 00:03:20,411 --> 00:03:25,811 猛君。 お願い。 じゃあ 行って来るね。 14 00:03:32,023 --> 00:03:37,028 ♪『Delight of my love』 15 00:03:37,028 --> 00:03:50,708 ♪ 16 00:03:50,708 --> 00:04:10,728 ♪ 17 00:04:10,728 --> 00:04:30,682 ♪ 18 00:04:30,682 --> 00:04:50,702 ♪ 19 00:04:50,702 --> 00:05:00,702 ♪ 20 00:05:01,713 --> 00:05:06,384 (治平)えー 今年の米の作付けは 18町歩5反。 白菜が ええっと…。 21 00:05:06,384 --> 00:05:09,387 (伝衛門)聞こえん! もっと大きく はっきりと言え。 22 00:05:09,387 --> 00:05:12,387 (治平)白菜が 6町と8反です。 ≪(お滝)旦那さま! 23 00:05:14,058 --> 00:05:16,394 (お滝)奥さまは 村長さんの所にも⇒ 24 00:05:16,394 --> 00:05:19,063 野坂さんの所にも おいでになりません。 25 00:05:19,063 --> 00:05:22,066 分かった。 (文彦)お父さま。 お母さまは どうしたんです?⇒ 26 00:05:22,066 --> 00:05:23,735 なぜ どこか 行かれてしまったんですか! 27 00:05:23,735 --> 00:05:26,070 うるさい。 子供が 口を出すことじゃない。 28 00:05:26,070 --> 00:05:29,073 でも 僕が生まれてから 一度だって こんなことはありませんでした。 29 00:05:29,073 --> 00:05:31,342 ひょっとすると 甲府の ご実家ではないでしょうか? 30 00:05:31,342 --> 00:05:33,010 (お滝)はい。 私も そう思います。 31 00:05:33,010 --> 00:05:36,013 お父さま。 僕が 石橋の 伯父さんに電話してみます。 32 00:05:36,013 --> 00:05:40,017 よけいなことするな! お前は部屋で勉強してなさい! 33 00:05:40,017 --> 00:05:42,019 はい。 34 00:05:42,019 --> 00:05:47,019 お滝。 お前たちも 引っ込んでいろ。 はい。 35 00:05:49,694 --> 00:05:54,994 心の秤が壊れただと? バカ野郎。 36 00:06:01,372 --> 00:06:05,042 <絹に 行く所など なかったのです。⇒ 37 00:06:05,042 --> 00:06:12,383 感情のままに 当てなく歩き回り 気が付けば ここに来ていました> 38 00:06:12,383 --> 00:06:15,720 (雷鳴) 39 00:06:15,720 --> 00:06:26,731 ♪ 40 00:06:26,731 --> 00:06:36,731 ♪ 41 00:06:46,350 --> 00:06:52,023 (山海)絹さん。 わしは 今 不思議なことに気が付いた。 42 00:06:52,023 --> 00:06:54,025 (絹)何でございます? 43 00:06:54,025 --> 00:06:59,363 伝衛門がな 時折 ここへ やって来るんだがな⇒ 44 00:06:59,363 --> 00:07:04,702 あの あいつは決まって 今 絹さんが座ってる その場所に座る。 45 00:07:04,702 --> 00:07:08,372 長年 連れ添った夫婦というものは 似てくると言うが⇒ 46 00:07:08,372 --> 00:07:10,041 そういうことかのう。 47 00:07:10,041 --> 00:07:12,710 いいえ。 私は あの人には 似ておりません。 48 00:07:12,710 --> 00:07:15,379 アッハハハ。 すまん すまん。 49 00:07:15,379 --> 00:07:18,716 ああ。 絹さんは 甲斐で 1、2を争う美人。 50 00:07:18,716 --> 00:07:24,722 あいつは ただの武骨者。 それを 似ているなどと言って悪かったな。 51 00:07:24,722 --> 00:07:28,059 確かに 伝衛門には決断力がある。 52 00:07:28,059 --> 00:07:34,999 しかしな 人の心の この微妙な ことについて まるで配慮がない。 53 00:07:34,999 --> 00:07:38,669 いいえ。 小作どうしが もめたときなど⇒ 54 00:07:38,669 --> 00:07:43,674 両方の言い分を聞き どんな小さな 心の悩みさえも 見逃さずに⇒ 55 00:07:43,674 --> 00:07:45,676 正しい判断をいたします。 56 00:07:45,676 --> 00:07:49,013 三枝家の立派な当主でございます。 57 00:07:49,013 --> 00:07:54,018 (山海)それさな。 うん。 正しい判断はするだろう。 58 00:07:54,018 --> 00:07:59,357 だがな 人の心というものは 白と黒だけではない。 59 00:07:59,357 --> 00:08:03,027 赤い色もあれば 青い色もある。⇒ 60 00:08:03,027 --> 00:08:05,363 それが あいつには 分からんのよ。⇒ 61 00:08:05,363 --> 00:08:11,035 だから 文彦や絹さんの心が 何色かが 分からんのだ。 62 00:08:11,035 --> 00:08:15,039 いつも自分の考えだけが 正しいと思っておる。⇒ 63 00:08:15,039 --> 00:08:20,739 ああ。 雨がやむまで しばらく ここにおりなさい。 64 00:08:22,380 --> 00:08:28,080 はい。 ありがとうございます。 65 00:08:31,656 --> 00:08:33,956 (伝衛門)甲府の351番じゃ。 66 00:08:37,662 --> 00:08:40,998 あっ 石橋のお義兄さんですか? 三枝です。⇒ 67 00:08:40,998 --> 00:08:44,669 ごぶさたしております。 お仕事のほうは いかがですか?⇒ 68 00:08:44,669 --> 00:08:48,005 そうですか。 秘書課長に栄転ですか。⇒ 69 00:08:48,005 --> 00:08:50,341 それは それは おめでとうございます。 70 00:08:50,341 --> 00:08:54,011 ええ。 絹も文彦もひかるも 元気にしております。 71 00:08:54,011 --> 00:08:57,682 それより 近々 前祝いをやりましょう。 72 00:08:57,682 --> 00:09:01,682 ええ。 では これで。 失礼します。 73 00:09:04,689 --> 00:09:07,289 実家でもないか。 74 00:09:11,028 --> 00:09:14,699 (琴子)旦那さま。 あっ。 何だ? 75 00:09:14,699 --> 00:09:17,368 おいとまさせていただきます。 76 00:09:17,368 --> 00:09:21,372 何を言う。 絹が留守の間では おかしい。 77 00:09:21,372 --> 00:09:23,374 奥さまのお顔を見ずに 帰りたいのです。 78 00:09:23,374 --> 00:09:26,377 絹が帰って来てから 三人で これからのことを話し合おう。 79 00:09:26,377 --> 00:09:28,713 もう 無理でございます。 80 00:09:28,713 --> 00:09:33,985 奥さまも わたしも生身の女です。 81 00:09:33,985 --> 00:09:36,320 失礼します。 82 00:09:36,320 --> 00:09:38,656 待て 琴子。 離してください。 83 00:09:38,656 --> 00:09:42,256 勝手は許さん。 勝手は旦那さまです! 84 00:09:48,666 --> 00:09:50,666 (伝衛門)待て 琴子! 85 00:09:58,342 --> 00:10:02,680 さっき お前を追いかけながら わしには はっきりと分かった。 86 00:10:02,680 --> 00:10:05,683 お前のことが 本当に好きなんだと。 87 00:10:05,683 --> 00:10:08,686 ほかの何を失っても かまわぬ。 88 00:10:08,686 --> 00:10:12,356 だが お前だけは 失うわけにはいかん。 89 00:10:12,356 --> 00:10:17,028 お前を失えば わしの心は 空っぽになってしまう。 90 00:10:17,028 --> 00:10:21,328 錯覚です。 おやめください。 91 00:10:23,034 --> 00:10:26,370 三枝の家も財産も家族も 何も要らぬ。⇒ 92 00:10:26,370 --> 00:10:29,974 お前さえ いてくれれば わしは生きていける。⇒ 93 00:10:29,974 --> 00:10:32,643 心から そう思う。 94 00:10:32,643 --> 00:10:36,243 そんな できもしないこと 言わないでください。 95 00:10:38,983 --> 00:10:45,322 奥さま 文彦さま ひかるちゃんに 対する責任は どうなるんです?⇒ 96 00:10:45,322 --> 00:10:47,658 旦那さまは…。 もう 言うな! 97 00:10:47,658 --> 00:10:49,994 おやめください。 汽車の時間が。 98 00:10:49,994 --> 00:10:52,994 時間など わしが忘れさせてやる。 99 00:10:54,999 --> 00:10:56,999 (琴子)旦那さま。 100 00:11:04,008 --> 00:11:06,677 大丈夫。 おばさんは すぐ戻って来るよ。 101 00:11:06,677 --> 00:11:09,346 大変なの。 今度は お父さまが出て行ったの。 102 00:11:09,346 --> 00:11:11,015 おじさんが? どうして? 103 00:11:11,015 --> 00:11:14,351 琴子おばちゃんと ケンカして 二人が飛び出していったの。 104 00:11:14,351 --> 00:11:17,688 (文彦)お前が来てから 家の中が バラバラだ。 105 00:11:17,688 --> 00:11:20,691 もし お父さまとお母さまが 別れることになったら⇒ 106 00:11:20,691 --> 00:11:25,291 お前のせいだからな。 バカ野郎! 自分の親を信じろ! 107 00:11:27,031 --> 00:11:29,731 ≪(汽車の汽笛) 108 00:11:41,645 --> 00:11:46,317 本当に 長い間 お世話になりました。 109 00:11:46,317 --> 00:11:48,319 何を言うんだ。 110 00:11:48,319 --> 00:11:52,323 もう 横浜には 帰らなくていいんだ。 111 00:11:52,323 --> 00:11:57,661 今までは 旦那さまが 山梨にお帰りになると⇒ 112 00:11:57,661 --> 00:12:01,332 本当に さみしゅうございました。 113 00:12:01,332 --> 00:12:07,338 暦に 次にいらっしゃる日を記して それを楽しみに生きてました。 114 00:12:07,338 --> 00:12:09,006 だから これからは…。 115 00:12:09,006 --> 00:12:17,014 ここで すべてに 終止符を打つことに決めました。 116 00:12:17,014 --> 00:12:20,714 もう 待つこともしないのです。 117 00:12:22,686 --> 00:12:25,689 旦那さまから 買っていただいた着物には⇒ 118 00:12:25,689 --> 00:12:28,289 いろんな思い出があります。 119 00:12:30,027 --> 00:12:32,029 それだけを抱いて 生きていきます。 120 00:12:32,029 --> 00:12:35,032 なぜ そんな決断を? 121 00:12:35,032 --> 00:12:38,732 三枝の家へは 行っては いけなかったのです。 122 00:12:40,371 --> 00:12:43,371 奥さまに お会いしたのが いけないのです。 123 00:12:45,042 --> 00:12:46,742 分からん。 124 00:12:48,379 --> 00:12:53,050 奥さまは 旦那さまを 心から愛しています。⇒ 125 00:12:53,050 --> 00:12:57,388 それを この目で 見てしまいました。⇒ 126 00:12:57,388 --> 00:13:03,060 これからは 旦那さまを横浜から 帰すことができなくなります。 127 00:13:03,060 --> 00:13:06,397 だから それでいいんだ。 128 00:13:06,397 --> 00:13:10,067 すべて捨ててしまったら 「この国を豊かにしたい」という⇒ 129 00:13:10,067 --> 00:13:13,404 旦那さまの夢が かなわなくなるんですよ。 130 00:13:13,404 --> 00:13:15,406 そんなことをしたら⇒ 131 00:13:15,406 --> 00:13:18,409 旦那さまが 旦那さまで なくなってしまいます。⇒ 132 00:13:18,409 --> 00:13:22,746 そんな旦那さま 見たくありません。 133 00:13:22,746 --> 00:13:25,746 あなたを堕落させるなんて。 134 00:13:29,086 --> 00:13:33,086 そんなことになれば 自分が哀れすぎます。 135 00:13:40,030 --> 00:13:45,035 わたしを哀れと 思いになるのでしたら⇒ 136 00:13:45,035 --> 00:13:47,371 行かせてください。 137 00:13:47,371 --> 00:13:49,071 待て 琴子。 138 00:13:52,376 --> 00:14:01,376 旦那さま。 女も人間です。 心があるのです。 139 00:14:04,722 --> 00:14:10,022 わたしの心を 一瞬だけでも 見てくださいませ。 140 00:14:18,068 --> 00:14:20,404 失礼いたします。 141 00:14:20,404 --> 00:14:35,352 ♪ 142 00:14:35,352 --> 00:14:45,352 ♪ 143 00:14:47,364 --> 00:14:49,764 (鳥のさえずり) 144 00:14:52,369 --> 00:14:56,040 (絹)和尚さま。 雨が上がりました。 145 00:14:56,040 --> 00:14:59,376 (山海)ああ。 よかったの。 146 00:14:59,376 --> 00:15:03,714 この雨上がりの中 歩いて帰りますと⇒ 147 00:15:03,714 --> 00:15:07,051 きっと 新緑のよい香りに 包まれて⇒ 148 00:15:07,051 --> 00:15:10,054 気持ちも 晴れることでございましょう。 149 00:15:10,054 --> 00:15:12,723 ハハッ。 そのとおりじゃ。 150 00:15:12,723 --> 00:15:18,395 あのな 絹さん。 夫婦というものはな⇒ 151 00:15:18,395 --> 00:15:21,398 もともとは 赤の他人じゃ。 152 00:15:21,398 --> 00:15:27,738 しかしな まぁ 車に例えれば 左右の両輪じゃ。 153 00:15:27,738 --> 00:15:31,675 その二つの車が 同時に動いてこそ⇒ 154 00:15:31,675 --> 00:15:36,680 家庭というものが 成り立つというものじゃ。 155 00:15:36,680 --> 00:15:42,280 絹さん。 菩薩の心になりなされ。 156 00:15:44,688 --> 00:15:46,357 はい。 157 00:15:46,357 --> 00:15:48,057 うん。 158 00:15:49,693 --> 00:15:55,293 (山海)おお。 お前か。 フフフッ。 159 00:16:01,372 --> 00:16:10,714 おまん…。 いいえ 猛。 160 00:16:10,714 --> 00:16:14,714 ずっと わたしを 捜していたのですか? 161 00:16:16,387 --> 00:16:19,387 お墓で見つけたんだけど。 162 00:16:25,062 --> 00:16:27,062 ありがとう。 163 00:16:34,671 --> 00:16:37,674 おばさん。 虹だ! 164 00:16:37,674 --> 00:16:43,347 フフッ。 本当 きれいね。 165 00:16:43,347 --> 00:16:52,747 ♪ 166 00:16:56,693 --> 00:17:01,031 (伝衛門)「アリスは スペードの 女王の前に引き出されました。⇒ 167 00:17:01,031 --> 00:17:05,369 そして シャシャ猫が 証人台に立ちました」 168 00:17:05,369 --> 00:17:08,705 (絹)まあ 『不思議の国のアリス』を 読んでもらっているの? 169 00:17:08,705 --> 00:17:10,374 フフッ。 いいわねえ。 170 00:17:10,374 --> 00:17:13,043 お父さまの朗読は とてもおもしろいの。 171 00:17:13,043 --> 00:17:14,711 あら そう。 172 00:17:14,711 --> 00:17:18,382 目の前に アリスやスペードの 女王がいるように感じるのよ。 173 00:17:18,382 --> 00:17:20,717 まるで活動写真を 見ているようです。 174 00:17:20,717 --> 00:17:22,719 (絹)ああ そう。 よかったわね。 175 00:17:22,719 --> 00:17:25,389 だけど お父さまに 本を読んでもらうのは⇒ 176 00:17:25,389 --> 00:17:28,325 随分 久しぶりだな。 そうだったかな。 177 00:17:28,325 --> 00:17:30,994 きっと 何かいいことが あったのでしょう。⇒ 178 00:17:30,994 --> 00:17:33,330 さあ。 ひと休みして おやつにしましょう。 はい。 179 00:17:33,330 --> 00:17:35,999 (文彦)このカステーラ 大好物なんです。 いただきます。 180 00:17:35,999 --> 00:17:39,002 (絹)どうぞ。 (伝衛門)絹。 わしには酒を1本つけてくれ。 181 00:17:39,002 --> 00:17:42,673 (絹)旦那さま。 今日のところは おやつになさいませ。 182 00:17:42,673 --> 00:17:46,343 ここのところのご苦労の 疲れが たまってますわよ。 183 00:17:46,343 --> 00:17:49,012 ご苦労の疲れが たまってますわよ。 184 00:17:49,012 --> 00:17:53,016 アッハハハ。 こいつ! こいつ! ハハハッ。 185 00:17:53,016 --> 00:17:54,716 (絹)はい どうぞ。 186 00:17:56,353 --> 00:17:58,689 いよいよ あしたから学校ね。 187 00:17:58,689 --> 00:18:02,359 今まで 学校なんか行ったこと ないのに 急に4年生だ。 188 00:18:02,359 --> 00:18:06,029 大丈夫よ。 猛君って 頑張り屋だもの。 189 00:18:06,029 --> 00:18:10,701 でも これ全部 勉強すんだぜ。 逃げちゃうの? 190 00:18:10,701 --> 00:18:13,370 逃げるとか負けるとか 大嫌いだ。 191 00:18:13,370 --> 00:18:16,373 そう言うと思った。 何で? 192 00:18:16,373 --> 00:18:20,043 猛君の考えてることは 何でも分かるもん。 193 00:18:20,043 --> 00:18:24,381 今 何考えてるか 当ててみようか? 194 00:18:24,381 --> 00:18:28,318 悔しがってる。 残念でした。 195 00:18:28,318 --> 00:18:31,989 1日も学校休まないで 頑張るぞって 考えてたんです。 196 00:18:31,989 --> 00:18:33,991 本当? 本当! 197 00:18:33,991 --> 00:18:36,994 じゃあ 約束。 1日も学校休まないって。 198 00:18:36,994 --> 00:18:39,329 ああ。 約束する。 199 00:18:39,329 --> 00:18:45,002 (二人)♪「指切りげんまん 嘘ついたら 針千本 飲ます⇒ 200 00:18:45,002 --> 00:18:47,002 指切った」 201 00:18:52,009 --> 00:19:02,709 (猛)「すえのすえまで がが… わが…」? うん? 202 00:19:10,360 --> 00:19:15,365 あしたから学校だ。 うん。 203 00:19:15,365 --> 00:19:25,375 ♪ 204 00:19:25,375 --> 00:19:27,311 今日から学校へ通います。 205 00:19:27,311 --> 00:19:31,315 お父さま。 猛君は 1日も 休まないって 約束したのよ。 206 00:19:31,315 --> 00:19:36,320 そうか。 その心がけは 忘れるなよ。 はい。 207 00:19:36,320 --> 00:19:38,720 絹。 はい。 208 00:19:44,661 --> 00:19:47,998 (伝衛門)今日から この帽子を かぶって 学校へ行くんだ。 209 00:19:47,998 --> 00:19:50,334 わーっ! ありがとう。 210 00:19:50,334 --> 00:19:52,334 わしが かぶせてやろう。 211 00:19:54,338 --> 00:19:57,341 どうだい? ひかるちゃん。 とってもお似合いよ。 212 00:19:57,341 --> 00:20:00,344 これで わたしたち三人 兄弟みたいね。 213 00:20:00,344 --> 00:20:06,683 猛。 その帽子は お前のためにと 絹が買って来たものだ。 214 00:20:06,683 --> 00:20:09,353 おばさん。 ありがとう。 215 00:20:09,353 --> 00:20:12,356 先生の言いつけを 守るのですよ。 216 00:20:12,356 --> 00:20:16,026 はい。 すごくうれしいです。 217 00:20:16,026 --> 00:20:19,029 (文彦)帽子ぐらいで泣くなんて 案外 ガキだな。⇒ 218 00:20:19,029 --> 00:20:21,031 男らしくないな。 219 00:20:21,031 --> 00:20:24,701 うれし涙は 男も女も いいものですよね。 お母さま。 220 00:20:24,701 --> 00:20:26,701 ええ。 そのとおり。 221 00:20:28,305 --> 00:20:30,974 おじさん おばさん。 ありがとう。 222 00:20:30,974 --> 00:20:35,274 勉強に励めよ。 はい。 全力でやります。 223 00:20:40,651 --> 00:20:43,987 (文彦)そんな急がなくても 学校は間に合うよ。 224 00:20:43,987 --> 00:20:45,656 どいてくれよ。 225 00:20:45,656 --> 00:20:49,326 太郎が 一度 お前の帽子を かぶりたいってさ。 貸してやれよ。 226 00:20:49,326 --> 00:20:52,663 (太郎)貸せよ。 嫌だ。 これは俺のだ。 227 00:20:52,663 --> 00:20:55,332 だけど 俺のお母さまが 買ってやったものだ。⇒ 228 00:20:55,332 --> 00:20:59,336 三枝家の金で買ったものを 俺が 貸してみろと言ってるんだ。⇒ 229 00:20:59,336 --> 00:21:01,736 それでも できないか。 230 00:21:14,017 --> 00:21:17,354 おい! てめえ 何すんだよ! (文彦)太郎。 帽子。 231 00:21:17,354 --> 00:21:21,354 おい 待てよ! 帽子 返せ! おい! 232 00:21:23,026 --> 00:21:26,963 やめろ! お前ら 離せよ! 233 00:21:26,963 --> 00:21:32,636 もういい! もういい! こいつも よこせ! 234 00:21:32,636 --> 00:21:36,306 おい 文彦! お前ら 離せよ! 235 00:21:36,306 --> 00:21:39,976 バカ野郎! おい! お前ら 離せよ! 236 00:21:39,976 --> 00:21:42,312 (文彦)ハハハ。 文彦! 拾って来い! 237 00:21:42,312 --> 00:21:45,315 ざまあ見ろ。 やれ。 238 00:21:45,315 --> 00:21:49,319 おい 何だよ! おい 離せよ! 239 00:21:49,319 --> 00:21:51,321 (文彦)早く やれ。 (吾作・太郎・孝一)せーの! 240 00:21:51,321 --> 00:21:54,324 (笑い声) (孝一)身の程を知れ! みなしごが! 241 00:21:54,324 --> 00:21:58,024 (吾作)天罰てきめんだ! (文彦)行こうぜ。 242 00:22:05,001 --> 00:22:09,339 ちくしょう! ちくしょう! 243 00:22:09,339 --> 00:22:12,739 あいつら 許さねえ! 244 00:22:16,012 --> 00:22:19,349 (伝衛門)治平。 これを隣村の 出原さんに届けてくれ。 245 00:22:19,349 --> 00:22:21,017 (治平)はい。 承知しました。 246 00:22:21,017 --> 00:22:23,687 治平も このおまんじゅうを 一つ つまんでからにしなさい。 247 00:22:23,687 --> 00:22:25,355 (伝衛門)おう。 そうだ そうだ。 そうしろ。 248 00:22:25,355 --> 00:22:29,025 お言葉に甘えさせていただきます。 はい。 249 00:22:29,025 --> 00:22:33,029 猛は 今ごろ 何の勉強をしてるのかな。 250 00:22:33,029 --> 00:22:36,366 もう そろそろ 授業も終わるころです。 251 00:22:36,366 --> 00:22:38,034 じきに帰ってきますよ。 252 00:22:38,034 --> 00:22:40,370 早く学校の話が聞きたいもんだ。 (絹)アッハハ。 253 00:22:40,370 --> 00:22:42,038 ≪(末)お嬢さまのお帰りです! 254 00:22:42,038 --> 00:22:44,040 (伝衛門)おう。 猛も一緒か? (末)いえ。 255 00:22:44,040 --> 00:22:46,042 帰りました。 (伝衛門)おかえり。 256 00:22:46,042 --> 00:22:47,711 (絹)おかえりなさい。 猛君は? 257 00:22:47,711 --> 00:22:51,715 まだだ。 早く 猛君に 学校の話 聞きたいなあ。 258 00:22:51,715 --> 00:22:53,383 帰りました。 259 00:22:53,383 --> 00:22:55,719 (絹)おかえりなさい。 (伝衛門) おかえり。 猛を知らんか? 260 00:22:55,719 --> 00:22:58,722 (文彦)それなんですが 4年生の教室へ行ってみたけど⇒ 261 00:22:58,722 --> 00:23:00,724 今日は来なかったみたいです。 えっ!? 262 00:23:00,724 --> 00:23:04,394 (治平)あの悪玉が! 最初から さぼりやがって。 263 00:23:04,394 --> 00:23:07,397 わたしに 1日も休まないって 約束したのに。 264 00:23:07,397 --> 00:23:10,734 ああ。 何か 訳があってのこととは思うが。 265 00:23:10,734 --> 00:23:30,687 ♪ 266 00:23:30,687 --> 00:23:44,367 ♪ 267 00:23:44,367 --> 00:23:51,041 あぁ。 こんな帽子じゃ 学校へ行けねえや。 268 00:23:51,041 --> 00:23:54,041 ちくしょう! 269 00:23:56,046 --> 00:24:00,383 猛! 学校休んで こんな所で 何してるか!? 270 00:24:00,383 --> 00:24:02,052 ほっといてくれ! 271 00:24:02,052 --> 00:24:03,720 (徹)教科書も 帽子も こんなにして!⇒ 272 00:24:03,720 --> 00:24:08,391 このバカ野郎! この! この! (治平)徹。 それくらいにしとけ。⇒ 273 00:24:08,391 --> 00:24:10,393 こいつは 旦那さまに 取り入るのがうまいから⇒ 274 00:24:10,393 --> 00:24:13,063 言いつけられたら 事だぞ。 (徹)ああ。 275 00:24:13,063 --> 00:24:15,398 てめえら みんなして! (徹)やろうってのか? 276 00:24:15,398 --> 00:24:17,400 そんなもんで わしらをたたいたら⇒ 277 00:24:17,400 --> 00:24:20,070 いくら 旦那さまでも お前を追い出すぞ! 278 00:24:20,070 --> 00:24:23,406 ちくしょう! 負け犬の遠ぼえか。 279 00:24:23,406 --> 00:24:26,106 (治平)さあ 仕事だ。 行くぞ。 (徹)おう。 280 00:24:28,345 --> 00:24:31,348 あいつだけは 許せねえ! 281 00:24:31,348 --> 00:24:37,687 野郎! おう! 野郎! あの野郎! 282 00:24:37,687 --> 00:24:39,687 あの野郎!