1 00:02:32,766 --> 00:02:33,633 2 00:02:33,633 --> 00:02:35,302 (治平)旦那さま! (伝衛門)どうした? 3 00:02:35,302 --> 00:02:36,970 (治平)落盤事故です。 灌漑工事の現場で➡ 4 00:02:36,970 --> 00:02:40,640 小作人が一人 生き埋めに。 (絹)えっ! 5 00:02:40,640 --> 00:02:42,309 (伝衛門)何じゃと! 6 00:02:42,309 --> 00:02:47,981 (猛)何だって! (お滝)それで 旦那さまが 今 現場に。 7 00:02:47,981 --> 00:02:49,681 (ひかる)猛! 8 00:02:55,322 --> 00:02:56,990 (伝衛門)絹。 医者だ。 9 00:02:56,990 --> 00:02:58,658 (絹)先生は 今 こちらに 向かっております。 10 00:02:58,658 --> 00:03:02,662 お滝。 お湯と 手ぬぐいを! (お滝)はい。 ただ今。 11 00:03:02,662 --> 00:03:06,333 肋骨が 折れている。 内臓には 刺さっていない。 12 00:03:06,333 --> 00:03:08,668 ほかに ケガ人はいないか? 13 00:03:08,668 --> 00:03:11,671 猛がいない! お父さま 猛が! 14 00:03:11,671 --> 00:03:14,341 (吾作)そういや 猛は先頭に立って 土砂を かき出しとったぞ。 15 00:03:14,341 --> 00:03:17,010 (徹)ああ。 命拾いしたのは 猛のおかげです。 16 00:03:17,010 --> 00:03:20,013 (治平)こないだの雨で 地盤が ゆるんでるだ。➡ 17 00:03:20,013 --> 00:03:21,713 まさか 生き埋めに…。 18 00:03:23,683 --> 00:03:26,019 ひかる。 待ちなさい! (ひかるの悲鳴) 19 00:03:26,019 --> 00:03:29,689 猛 猛! 20 00:03:29,689 --> 00:03:32,025 ひかる ひかる ひかる! 猛 猛! 21 00:03:32,025 --> 00:03:34,628 いや! 猛 猛! (治平)何見てるだ!➡ 22 00:03:34,628 --> 00:03:37,631 さあ 行った行った。 人目もあります。 よしなさい。 23 00:03:37,631 --> 00:03:41,301 いや。 猛 猛! 24 00:03:41,301 --> 00:03:43,970 猛 猛…。 25 00:03:43,970 --> 00:03:46,640 (絹)ひかる ひかる。 猛 猛…。 26 00:03:46,640 --> 00:03:49,643 ひかる! 猛! いや。 離して。 猛! 27 00:03:49,643 --> 00:03:54,648 ひかる。 落ち着きなさい。 ひかる。 猛! 離して! 猛! 28 00:03:54,648 --> 00:03:59,653 ♬『Delight of my love』 29 00:03:59,653 --> 00:04:13,667 ♬~ 30 00:04:13,667 --> 00:04:33,620 ♬~ 31 00:04:33,620 --> 00:04:53,640 ♬~ 32 00:04:53,640 --> 00:05:13,660 ♬~ 33 00:05:13,660 --> 00:05:23,660 ♬~ 34 00:05:30,877 --> 00:05:34,881 (医師)今夜一晩 様子を見て このまま 熱が下がれば➡ 35 00:05:34,881 --> 00:05:38,885 心配は いりません。 そうですか。 36 00:05:38,885 --> 00:05:41,554 (医師)ロクに 食事もとらずに 無理をしたのが➡ 37 00:05:41,554 --> 00:05:46,559 たたったんですな。 まっ お大事に。 38 00:05:46,559 --> 00:05:48,228 ありがとうございました。 39 00:05:48,228 --> 00:06:03,576 ♬~ 40 00:06:03,576 --> 00:06:13,586 ♬~ 41 00:06:13,586 --> 00:06:19,592 ひかる。 少しは食べないと 体が 持ちませんよ。 はい。 42 00:06:19,592 --> 00:06:21,928 (文彦)まったく 人騒がせなヤツですよ。 43 00:06:21,928 --> 00:06:24,597 ようやく 断食騒動が 終わったと思ったら➡ 44 00:06:24,597 --> 00:06:26,897 今度は 病気ですからね。 45 00:06:29,536 --> 00:06:31,536 (食器を置く音) 46 00:06:34,874 --> 00:06:36,874 ちょっと 奥へ来い。 47 00:06:43,216 --> 00:06:46,219 何なんですか? 僕が 何をしたっていうんですか。 48 00:06:46,219 --> 00:06:47,887 ねえ お母さま。 49 00:06:47,887 --> 00:06:51,224 お父さまが お呼びです。 しっかりしなさい。 50 00:06:51,224 --> 00:06:53,624 あなたは 三枝家の 長男ですよ。 51 00:06:55,228 --> 00:06:57,897 ふた言目には 「長男 長男」って。 52 00:06:57,897 --> 00:07:01,897 好きで長男に 生まれてきた わけじゃありませんよ。 53 00:07:09,909 --> 00:07:11,909 どうして呼ばれたか 分かるか? 54 00:07:13,580 --> 00:07:16,180 今日一日 どこで何をしていた? 55 00:07:17,917 --> 00:07:20,253 部屋で 読書を…。 たわけ!➡ 56 00:07:20,253 --> 00:07:23,256 小作人が 事故で 生きるか死ぬかってときに➡ 57 00:07:23,256 --> 00:07:25,925 部屋で 読書だと? 58 00:07:25,925 --> 00:07:28,928 三枝家の跡継ぎとして お前が 率先して➡ 59 00:07:28,928 --> 00:07:34,200 陣頭指揮に立つのが 筋というもんだろう。 違うか? 60 00:07:34,200 --> 00:07:36,870 僕に 猛になれと おっしゃるのですか? 61 00:07:36,870 --> 00:07:40,570 そんなことは 言っとらん。 心のありようを 言ってるのだ。 62 00:07:42,208 --> 00:07:44,544 お父さまに 僕の心が 分かるのですか? 63 00:07:44,544 --> 00:07:46,546 何だと? 64 00:07:46,546 --> 00:07:50,884 僕だって お父さまや お母さまの 意に沿いたいと 思っています。 65 00:07:50,884 --> 00:07:54,554 だけど お父さまはいつだって 僕と猛を比べて➡ 66 00:07:54,554 --> 00:07:57,557 頭ごなしにしかりつけて…。⇒ 67 00:07:57,557 --> 00:07:59,559 そんなに 猛がいいなら➡ 68 00:07:59,559 --> 00:08:02,228 猛を 三枝家の 跡継ぎにすればいいんだ。 69 00:08:02,228 --> 00:08:05,928 バカ者! ほら また! 70 00:08:07,233 --> 00:08:08,933 いつだって そうだ。 71 00:08:14,574 --> 00:08:16,910 お前に欠けておるのは➡ 72 00:08:16,910 --> 00:08:21,610 物事に 真正面から 立ち向かうという気迫と根性だ。 73 00:08:33,192 --> 00:08:36,195 もう 学校へは行かなくてよい。➡ 74 00:08:36,195 --> 00:08:38,595 文学も やめてしまえ。 75 00:08:49,876 --> 00:08:53,876 ごちそうさまでした。 どこへ行くのです? 76 00:08:55,214 --> 00:08:58,551 勝手なマネは 許しませんよ。 ここへ座りなさい。 77 00:08:58,551 --> 00:09:02,889 でも…。 猛の面倒は お花にやらせます。 78 00:09:02,889 --> 00:09:04,891 あなたは 近づいてはいけません。 79 00:09:04,891 --> 00:09:08,227 なぜですか? なぜでもです。 80 00:09:08,227 --> 00:09:11,564 猛の部屋へ行くことは 許しませんよ。 81 00:09:11,564 --> 00:09:15,902 猛は病気です。 心配して 何が悪いんですか? 82 00:09:15,902 --> 00:09:20,907 お母さまこそ 不謹慎なこと考えて らっしゃるんじゃありません? 83 00:09:20,907 --> 00:09:23,576 私は 女のたしなみを 身につけなさいと➡ 84 00:09:23,576 --> 00:09:29,176 言っているだけです。 さあ お座りなさい。 85 00:09:46,532 --> 00:09:53,873 猛 猛 猛。 何かっていうと 猛だ。 86 00:09:53,873 --> 00:09:57,543 クソッ。 おもしろくもない。 87 00:09:57,543 --> 00:09:59,879 エイ! 88 00:09:59,879 --> 00:10:16,562 ♬~ 89 00:10:16,562 --> 00:10:18,162 ああっ! 90 00:10:21,234 --> 00:10:31,844 ♬~ 91 00:10:31,844 --> 00:10:41,844 ♬~ 92 00:10:49,862 --> 00:10:52,532 ≪(ひかる) お花。 猛の具合はどう? 93 00:10:52,532 --> 00:10:55,532 (お花)はい。 熱は だいぶ引いたように思います。 94 00:10:59,205 --> 00:11:02,605 ホント。 ああ 良かった。 95 00:11:04,210 --> 00:11:05,878 お前は もういいわ。 96 00:11:05,878 --> 00:11:08,214 あとは わたしがやりますから もう お下がり。 97 00:11:08,214 --> 00:11:10,216 (お花)でも 奥さまが…。 いいから いいから。 98 00:11:10,216 --> 00:11:13,219 疲れたでしょ。 もう お休み。 ≪(足音) 99 00:11:13,219 --> 00:11:15,555 お母さま。 ひかる。 100 00:11:15,555 --> 00:11:17,890 お部屋にいないと思ったら やっぱり ここだった。 101 00:11:17,890 --> 00:11:20,560 今夜 一晩だけ。 お願いよ お母さま! 102 00:11:20,560 --> 00:11:22,228 いけません。 さあ いらっしゃい。 103 00:11:22,228 --> 00:11:25,231 じゃあ 1時間だけ。 30分でもいいから。 104 00:11:25,231 --> 00:11:28,568 どうして 私の言うことが 聞けないの! 105 00:11:28,568 --> 00:11:30,868 お父さま 呼びますよ。 106 00:11:32,505 --> 00:11:34,507 あっ! お母さま? 107 00:11:34,507 --> 00:11:36,175 奥さま! お母さま! ≪(文彦)何を騒いでるんだ? 108 00:11:36,175 --> 00:11:38,845 お兄さま。 お母さま! 大丈夫ですか!? 109 00:11:38,845 --> 00:11:41,180 文彦。 僕の肩に つかまってください。 110 00:11:41,180 --> 00:11:44,180 急に めまいがして。 もう 大丈夫ですからね。 111 00:11:46,853 --> 00:12:05,872 ♬~ 112 00:12:05,872 --> 00:12:09,876 お母さま。 ひかる。 113 00:12:09,876 --> 00:12:13,546 (文彦)ダメだぞ ひかる。 お母さまに 心配かけちゃ。 114 00:12:13,546 --> 00:12:15,546 (絹)文彦ったら…。 115 00:12:17,216 --> 00:12:21,220 しかし お父さまも ご奇特な方だ。 116 00:12:21,220 --> 00:12:23,556 お母さまが こんなになってるっていうのに➡ 117 00:12:23,556 --> 00:12:26,225 ケガをした小作人が 心配で 家を空けてる…。 118 00:12:26,225 --> 00:12:29,228 どうだ? 具合は。 (絹)ちょっとめまいが。 119 00:12:29,228 --> 00:12:31,628 無理をするな。 大丈夫です。 120 00:12:33,232 --> 00:12:35,568 明日のお茶会は やめにしたほうがいいな。 121 00:12:35,568 --> 00:12:38,905 少し休め。 はい。 122 00:12:38,905 --> 00:12:42,241 わたしが いけないんです。 123 00:12:42,241 --> 00:12:45,912 お母さまの言うことを 聞かないから。 124 00:12:45,912 --> 00:12:50,249 ひかる。 物事には 分別という物がある。 125 00:12:50,249 --> 00:12:54,587 一時の感情に 流されてはいかん。 理由はどうあれ➡ 126 00:12:54,587 --> 00:12:59,258 周りの人間を 不幸に巻き込む ようなことだけは慎め。 よいな。 127 00:12:59,258 --> 00:13:00,927 はい。 128 00:13:00,927 --> 00:13:05,264 あなた。 文彦が 駆けつけてくれて➡ 129 00:13:05,264 --> 00:13:08,601 ここまで 運んできてくれて 布団を敷いてくれたり➡ 130 00:13:08,601 --> 00:13:12,901 水を替えてくれたり かいがいしく 世話をしてくれたんです。 131 00:13:28,287 --> 00:13:29,889 大丈夫よ。 132 00:13:29,889 --> 00:13:34,227 お父さまは あなたのことも 見てくださってます。 133 00:13:34,227 --> 00:13:36,229 (文彦)ありがとう お母さま。 134 00:13:36,229 --> 00:13:43,903 文彦 ひかる。 お母さまは あなたがたを産んで➡ 135 00:13:43,903 --> 00:13:49,603 本当に 良かったと思っています。 そのことを 忘れないでね。 136 00:13:59,585 --> 00:14:02,588 今夜はもう 休め。 でも…。 137 00:14:02,588 --> 00:14:04,257 あとは わしが見る。 138 00:14:04,257 --> 00:14:18,604 ♬~ 139 00:14:18,604 --> 00:14:34,887 ♬~ 140 00:14:34,887 --> 00:14:37,556 (山海)猛は この家から 出て行ったほうが⇒ 141 00:14:37,556 --> 00:14:39,558 幸せかもしれんのう 142 00:14:39,558 --> 00:14:41,227 和尚 143 00:14:41,227 --> 00:14:44,563 猛を どうする おつもりじゃ?➡ 144 00:14:44,563 --> 00:14:49,163 文彦の代わりに この三枝家を 継がせるつもりか? 145 00:14:50,903 --> 00:14:55,908 (山海)ひかるも もう大人じゃ。 猛も 男盛り。➡ 146 00:14:55,908 --> 00:14:59,245 二人を 一緒にさせるつもりか? 冗談では ございません! 147 00:14:59,245 --> 00:15:00,945 なぜじゃ? 148 00:15:02,915 --> 00:15:04,615 なぜじゃ! 149 00:15:13,926 --> 00:15:16,226 猛…。 150 00:15:21,634 --> 00:15:23,234 (セミの鳴き声) 151 00:15:32,244 --> 00:15:33,944 どうじゃ? 体のほうは。 152 00:15:35,581 --> 00:15:37,249 はい。 もう すっかり。 153 00:15:37,249 --> 00:15:39,919 いろいろ ご迷惑をおかけして 申し訳ありませんでした。 154 00:15:39,919 --> 00:15:44,256 何を言うか。 みんなが 褒めていたぞ。 155 00:15:44,256 --> 00:15:47,259 猛が 真っ先に駆けつけて くれなんだら➡ 156 00:15:47,259 --> 00:15:49,595 救出作業は 手間取って ほかの者まで➡ 157 00:15:49,595 --> 00:15:51,931 巻き込まれて いたかもしれんとな。 158 00:15:51,931 --> 00:15:54,934 考えるより先に 体が動いてしまうんです。 159 00:15:54,934 --> 00:15:58,234 俺 頭悪いから。 (笑い声) 160 00:16:01,941 --> 00:16:05,277 旦那さま。 俺を 現場に戻してください。 161 00:16:05,277 --> 00:16:09,281 猛。 お前のおかげで 予備調査のほうは うまくいった。 162 00:16:09,281 --> 00:16:11,951 そう 焦るな。 163 00:16:11,951 --> 00:16:14,620 落盤事故のとき みんなで力を合わせて➡ 164 00:16:14,620 --> 00:16:17,623 生き埋めになったケガ人を 助け出しました。 165 00:16:17,623 --> 00:16:21,293 一つの目標に向かって 全力を尽くすという喜びを➡ 166 00:16:21,293 --> 00:16:23,963 あのとき 知りました。 167 00:16:23,963 --> 00:16:25,965 俺 現場に出たいんです。 168 00:16:25,965 --> 00:16:29,902 白部村のために 何でもいいから 役に立ちたいんですよ。 169 00:16:29,902 --> 00:16:33,602 そうか。 お願いします。 170 00:16:36,909 --> 00:16:43,249 分かった。 お前には 現場の 補佐役を務めてもらう。 171 00:16:43,249 --> 00:16:46,252 えっ。 俺が 補佐役を? 172 00:16:46,252 --> 00:16:48,587 おまんなら できるさ。 173 00:16:48,587 --> 00:16:52,258 小作たちの 信頼が厚いのが 何よりの強みじゃ。 174 00:16:52,258 --> 00:16:55,594 初めのうちは 現場監督の 言うとおりに 動いていればいい。 175 00:16:55,594 --> 00:17:00,194 そのうち 体が仕事を 覚えるようになる。 しかし…。 176 00:17:02,601 --> 00:17:07,606 ゆくゆくは 文彦が 三枝家の大黒柱となる。 177 00:17:07,606 --> 00:17:10,609 そのときに しっかりと 支えてくれる人間が 必要じゃ。 178 00:17:10,609 --> 00:17:14,613 それが おまんだと わしは 信じてる。 179 00:17:14,613 --> 00:17:19,285 だからおまんには あらゆることを 経験してほしいんじゃ。 180 00:17:19,285 --> 00:17:24,957 旦那さま。 できるか できないか。 181 00:17:24,957 --> 00:17:27,560 できます。 182 00:17:27,560 --> 00:17:29,562 よし。 決まった。 183 00:17:29,562 --> 00:17:41,907 ♬~ 184 00:17:41,907 --> 00:17:46,245 補佐役ともなれば 朝は 誰よりも早く 現場へ出て➡ 185 00:17:46,245 --> 00:17:48,247 夜は 最後に 引き揚げることになる。 186 00:17:48,247 --> 00:17:51,250 そのためには ここから通ったほうが➡ 187 00:17:51,250 --> 00:17:54,587 何かと 便利じゃろう。 ここからですか? 188 00:17:54,587 --> 00:18:00,887 嫌か? いえ。 承知しました。 では 今夜から 早速。 189 00:18:18,277 --> 00:18:20,613 猛を 補佐役に抜擢した。 190 00:18:20,613 --> 00:18:22,948 今晩から 番小屋で 寝泊まりすることになる。 191 00:18:22,948 --> 00:18:27,553 そうですか。 そのほうが よろしゅうございます。 192 00:18:27,553 --> 00:18:31,557 猛にとっても ひかるにとっても。 193 00:18:31,557 --> 00:18:35,561 ひかるは? 夏の合宿で 女学校の お友達と➡ 194 00:18:35,561 --> 00:18:37,563 昇仙峡のほうへ 泊まりで 行っております。 195 00:18:37,563 --> 00:18:39,565 そうか。 196 00:18:39,565 --> 00:18:43,235 いつまでも 子供だと 思っているのは 親ばかり。 197 00:18:43,235 --> 00:18:47,235 ひかるには けじめをつけさせる いい機会です。 198 00:18:48,908 --> 00:18:50,608 うん。 199 00:18:58,250 --> 00:19:00,250 お嬢さま…。 200 00:19:10,596 --> 00:19:12,196 お花。 201 00:19:17,603 --> 00:19:20,903 これ 切れ端で作った 手ぬぐいです。 202 00:19:23,943 --> 00:19:25,611 ありがとう。 203 00:19:25,611 --> 00:19:43,896 ♬~ 204 00:19:43,896 --> 00:20:02,247 ♬~ 205 00:20:02,247 --> 00:20:05,250 ただ今 帰りました。 おかえりなさいませ。 206 00:20:05,250 --> 00:20:10,650 あら。 猛の…。 どうしたの? あの それが…。 207 00:20:12,591 --> 00:20:14,927 (ひかる) なぜ猛を 追い出したのですか? 208 00:20:14,927 --> 00:20:17,596 追い出したのではありません。 209 00:20:17,596 --> 00:20:22,267 猛は 灌漑工事の現場補佐という 大事な役目を 任されたのです。 210 00:20:22,267 --> 00:20:25,604 それで 番小屋から通わなければ ならなくなったのです。 211 00:20:25,604 --> 00:20:27,206 そんなの ごまかしだわ。 212 00:20:27,206 --> 00:20:28,874 ごまかしてなど おりません。 213 00:20:28,874 --> 00:20:31,543 だったら どうして わたしが留守の間に。 214 00:20:31,543 --> 00:20:35,214 一晩くらい 遅らせたって どうってことないでしょう? 215 00:20:35,214 --> 00:20:37,549 (伝衛門)工事は 待ってはくれぬ。 216 00:20:37,549 --> 00:20:41,220 猛は今 与えられた役目が こなせるかどうか➡ 217 00:20:41,220 --> 00:20:43,222 試されているんだ。⇒ 218 00:20:43,222 --> 00:20:46,225 一人前になろうと 必死になっているのに➡ 219 00:20:46,225 --> 00:20:48,925 お前が 足を引っ張ってどうする? 220 00:21:01,907 --> 00:21:05,207 おい ひかる。 俺に 土産はないのか? 221 00:21:06,912 --> 00:21:10,249 お兄さまが だらしないから! 何! 222 00:21:10,249 --> 00:21:12,918 年齢から言っても 立場から言っても➡ 223 00:21:12,918 --> 00:21:16,588 本当なら お兄さまが 現場を 取りしきるべきなのよ。 224 00:21:16,588 --> 00:21:20,259 お兄さまが もっとしっかり していれば 猛だって…。 225 00:21:20,259 --> 00:21:24,930 おい。 八つ当たりするな! 離して! 226 00:21:24,930 --> 00:21:26,865 はっきり言ってやろうか? 227 00:21:26,865 --> 00:21:31,203 猛はな お前から 逃げたかったんだよ。 228 00:21:31,203 --> 00:21:33,539 だから お父さまの命令に 従ったんだ。 229 00:21:33,539 --> 00:21:36,208 嘘! そんなの 嘘よ! 230 00:21:36,208 --> 00:21:39,878 猛はな お前より 仕事を取ったんだよ! 231 00:21:39,878 --> 00:21:55,894 ♬~ 232 00:21:55,894 --> 00:22:11,577 ♬~ 233 00:22:11,577 --> 00:22:13,577 (雨音) (猛)いけません 234 00:22:15,581 --> 00:22:17,881 こうしているだけで いいの 235 00:22:19,918 --> 00:22:26,918 しばらく 雨がやむまで こうしていて 236 00:22:28,594 --> 00:22:31,930 ≪(山海)今 ひかるのことを 考えておったな? 237 00:22:31,930 --> 00:22:33,932 (猛)和尚様。 238 00:22:33,932 --> 00:22:37,269 フッフッフ。 図星だろう。 239 00:22:37,269 --> 00:22:38,937 はい。 240 00:22:38,937 --> 00:22:41,607 お前は 正直な男だ。 241 00:22:41,607 --> 00:22:45,944 だがな これは お前に与えられたチャンスだ。 242 00:22:45,944 --> 00:22:49,948 いいか? 仕事を おろそかにするではないぞ。 243 00:22:49,948 --> 00:22:51,617 はい。 244 00:22:51,617 --> 00:22:56,955 伝衛門が なぜ お前を ここによこしたか 分かるか? 245 00:22:56,955 --> 00:22:58,655 分からないのか? 246 00:23:00,959 --> 00:23:05,297 お前もひかるも ちと 早く生まれすぎた。 247 00:23:05,297 --> 00:23:13,972 お前は 賢い男だ。 今 ひかるに どうすれば いちばんよいか➡ 248 00:23:13,972 --> 00:23:17,672 ここにいる間に よく考えることだな。 249 00:23:37,596 --> 00:23:57,282 ♬~ 250 00:23:57,282 --> 00:23:58,982 ≪(戸をたたく音) 251 00:24:03,622 --> 00:24:08,293 (ひかる)猛。 猛 ここを開けて。 252 00:24:08,293 --> 00:24:10,293 お嬢さま…。 253 00:24:13,632 --> 00:24:19,972 (ひかる)猛 わたしよ。 開けなさい。 254 00:24:19,972 --> 00:24:24,643 <猛の心に ある変化が 訪れているのを➡ 255 00:24:24,643 --> 00:24:28,243 まだ ひかるは 知りませんでした> 256 00:24:33,619 --> 00:24:35,287 わたし一人を 幸せにできないくせに⇒ 257 00:24:35,287 --> 00:24:36,987 皆を幸せにできるもんですか! 258 00:24:38,290 --> 00:24:42,290 俺は猛だ。 猛だ。 259 00:24:44,296 --> 00:24:46,632 だって 猛は 命を懸けているんでしょう? 260 00:24:46,632 --> 00:24:53,972 ♬~ 261 00:24:53,972 --> 00:24:57,272 (絹)ひかる! しっかりしなさい! ひかる!