1 00:02:32,635 --> 00:02:33,503 2 00:02:33,503 --> 00:02:36,172 (猛)お嬢様! あっ! うっ! 3 00:02:36,172 --> 00:02:39,509 来ないでください! マムシが…。 4 00:02:39,509 --> 00:02:51,854 ♪ 5 00:02:51,854 --> 00:02:53,523 あっ! うっ! 6 00:02:53,523 --> 00:03:01,197 ♪ 7 00:03:01,197 --> 00:03:03,866 お嬢様! やめてください! 8 00:03:03,866 --> 00:03:07,166 そんなことをすれば お嬢様にも毒が。 9 00:03:10,206 --> 00:03:12,606 (ひかる)さあ つかまって。 10 00:03:18,214 --> 00:03:19,914 お嬢様…。 11 00:03:24,220 --> 00:03:27,223 あっ…。 12 00:03:27,223 --> 00:03:35,164 猛! 猛! しっかりして! 猛! 猛! しっかりして 猛! 13 00:03:35,164 --> 00:03:38,834 [℡] 14 00:03:38,834 --> 00:03:43,506 (伝衛門)はい 三枝です。 ああ 大崎さん。 先ほどは…。 15 00:03:43,506 --> 00:03:55,506 えっ? はい。 はあ。 そうですか。 分かりました。 16 00:04:00,523 --> 00:04:07,530 (絹)どうかなさったのですか? 先方から縁談を断ってきた。 17 00:04:07,530 --> 00:04:12,201 何ですって!? お見合いの席では あんなに乗り気でいらしたのに⇒ 18 00:04:12,201 --> 00:04:16,601 いったい どうして? 分からん。 19 00:04:18,207 --> 00:04:22,211 特別な理由はおっしゃらず ただ 今回の縁談は⇒ 20 00:04:22,211 --> 00:04:24,547 なかったことにしてほしいと。 そんな! 21 00:04:24,547 --> 00:04:29,147 ≪(ひかる)お父様! 猛が! 猛が! 22 00:04:30,886 --> 00:04:35,825 ♪『Delight of my love』 23 00:04:35,825 --> 00:04:55,845 ♪ 24 00:04:55,845 --> 00:05:15,865 ♪ 25 00:05:15,865 --> 00:05:35,818 ♪ 26 00:05:35,818 --> 00:05:49,498 ♪ 27 00:05:49,498 --> 00:05:59,498 ♪ 28 00:06:01,510 --> 00:06:04,180 (医者)まあ 命に別状はありません。⇒ 29 00:06:04,180 --> 00:06:07,516 多少 発熱は あるかもしれませんが。 30 00:06:07,516 --> 00:06:10,186 ありがとうございました。 先生のお陰です。 31 00:06:10,186 --> 00:06:14,190 (医者)いやいや。 最初の手当てが よかったんです。⇒ 32 00:06:14,190 --> 00:06:20,196 マムシにかまれて すぐに 足の傷から毒を吸い出してある。⇒ 33 00:06:20,196 --> 00:06:25,201 いったい この手当てはどなたが? わたしです。 34 00:06:25,201 --> 00:06:27,203 (医者)ああ そうですか。⇒ 35 00:06:27,203 --> 00:06:31,474 いや ご自分の命も危なかったかも しれないというのに⇒ 36 00:06:31,474 --> 00:06:34,810 なかなか できることでは ありません。⇒ 37 00:06:34,810 --> 00:06:38,510 よほど 大切な方なんでしょうな。 38 00:06:44,153 --> 00:06:47,156 何でしょうか。 39 00:06:47,156 --> 00:06:51,160 さっき 大崎さんから電話があった。 40 00:06:51,160 --> 00:06:55,831 お見合いの話ですか? そうじゃ。 41 00:06:55,831 --> 00:06:59,531 あのお話なら やっぱり お断りしてください。 42 00:07:00,503 --> 00:07:04,173 ひかる。 思い上がるのではありません。 43 00:07:04,173 --> 00:07:09,178 実はな 山下さんのほうから 断ってきたそうじゃ。 44 00:07:09,178 --> 00:07:11,514 えっ? 45 00:07:11,514 --> 00:07:16,185 (伝衛門)おまん 何か思い当たる理由はないか。 46 00:07:16,185 --> 00:07:21,524 いいえ。 二人で庭を散歩したときに 何か。 47 00:07:21,524 --> 00:07:24,860 いいえ。 特にありません。 48 00:07:24,860 --> 00:07:26,862 (絹)なら 断られるはずがないでしょう。⇒ 49 00:07:26,862 --> 00:07:28,864 先方のご両親は それは乗り気で⇒ 50 00:07:28,864 --> 00:07:31,801 来月にも式を挙げたいと おっしゃっていたのですよ。⇒ 51 00:07:31,801 --> 00:07:33,803 それを急に断られるなんて⇒ 52 00:07:33,803 --> 00:07:36,138 お前に何か理由が あったとしか思えません。 53 00:07:36,138 --> 00:07:38,474 分からないものは 分からないんです。 54 00:07:38,474 --> 00:07:42,812 猛のせいだとは思わないんですか。 猛の? 55 00:07:42,812 --> 00:07:46,148 (絹)先方は きっと よくない噂を耳にしたのでしょう。 56 00:07:46,148 --> 00:07:49,485 だいたい さっきも何です? なぜ猛と二人っきりで⇒ 57 00:07:49,485 --> 00:07:51,487 番小屋にいる 必要があったのです! 58 00:07:51,487 --> 00:07:53,823 なぜ 猛と一緒にいては いけないんですか!? 59 00:07:53,823 --> 00:07:57,493 (絹)お前には 三枝家の 一人娘としての自覚が足りません。 60 00:07:57,493 --> 00:07:59,161 今回のことで 世間から どう思われてるか⇒ 61 00:07:59,161 --> 00:08:00,830 はっきりと分かったはずです! 62 00:08:00,830 --> 00:08:06,530 (伝衛門)もうよい。 ひかるも 分ったじゃろう。 63 00:08:09,171 --> 00:08:13,175 (勇作)そうですか。 南方の前線に飛ばすと。 64 00:08:13,175 --> 00:08:16,846 (岩原)ああ。 それを聞いた山下のヤツ⇒ 65 00:08:16,846 --> 00:08:19,515 慌てて 見合いの話は なかったことにすると言いおった。 66 00:08:19,515 --> 00:08:22,815 ハハハハ。 ハハハハ。 そりゃ気の毒に。 67 00:08:24,520 --> 00:08:27,189 さすが 岩原中佐。 68 00:08:27,189 --> 00:08:31,794 帝国陸軍のお力は 大したものでございますな。 69 00:08:31,794 --> 00:08:38,801 フフ。 しかし 大河原君が我々軍を 動かしても手に入れたい女とは⇒ 70 00:08:38,801 --> 00:08:42,471 どのような女なのかね。 いやいや。 71 00:08:42,471 --> 00:08:45,471 お礼のほうは 存分にさせていただき…。 72 00:08:48,143 --> 00:08:53,148 ハハハハ。 ハハハハ。 73 00:08:53,148 --> 00:08:56,548 (勇作)お国のための ご奉仕でございます。 74 00:09:06,829 --> 00:09:16,129 わたし お見合い断られちゃった。 でも これで よかったのよね 猛。 75 00:09:24,847 --> 00:09:28,547 お嬢様。 猛! 76 00:09:30,119 --> 00:09:39,461 俺 夢の中で 白部村の 美しい山や川を走り回ってました。 77 00:09:39,461 --> 00:09:43,799 お嬢様と 一緒に走ってたはずなのに⇒ 78 00:09:43,799 --> 00:09:49,138 いつの間にか 俺は一人で。 心細くて⇒ 79 00:09:49,138 --> 00:09:57,479 必死に お嬢様を捜しました。 どこを捜しても見つからなくて⇒ 80 00:09:57,479 --> 00:10:04,486 途方に暮れていたら 子供のころの お嬢様が現れて⇒ 81 00:10:04,486 --> 00:10:12,828 「猛。 死んじゃダメ。 死んじゃダメ」って叫ぶんです。 82 00:10:12,828 --> 00:10:21,170 それで目が覚めて。 そしたら目の前に お嬢様がいた。 83 00:10:21,170 --> 00:10:28,510 ええ。 わたしは ここにいるわ。 お前は 一人なんかじゃない。 84 00:10:28,510 --> 00:10:32,781 わたしと一緒に ずっと この村で育ってきたの。 85 00:10:32,781 --> 00:10:37,119 これからも ずっと一緒に ここで生きていくのよ。 86 00:10:37,119 --> 00:10:53,135 ♪ 87 00:10:53,135 --> 00:11:03,135 ♪ 88 00:11:19,161 --> 00:11:22,831 ごめんください。 ごめんください! 89 00:11:22,831 --> 00:11:25,501 (猛)はい。 あっ。 これは これは⇒ 90 00:11:25,501 --> 00:11:28,170 三枝様の ご長男で いらっしゃいますか。 91 00:11:28,170 --> 00:11:33,442 いえ 番頭です。 何だ。 番頭か。 92 00:11:33,442 --> 00:11:37,446 旦那様か奥様に取り次いでくれ。 大河原勇作が来たとな。 93 00:11:37,446 --> 00:11:41,116 あいにく 旦那様は所用で 横浜のほうに出かけております。 94 00:11:41,116 --> 00:11:43,118 奥様も外出されております。 95 00:11:43,118 --> 00:11:46,121 じゃ お嬢様に 直接 お目にかかろう。 96 00:11:46,121 --> 00:11:49,792 どういった ご用件でしょうか。 お前ごときに言うことじゃないよ。 97 00:11:49,792 --> 00:11:52,795 では お通しできません。 なに? 98 00:11:52,795 --> 00:11:54,797 三枝家を守るのが わたしの務めです。 99 00:11:54,797 --> 00:11:56,799 ご用件も分からない方を お通しするわけには…。 100 00:11:56,799 --> 00:12:00,469 ひかるさん! おい 待て! ひかるさん! 101 00:12:00,469 --> 00:12:02,471 (猛)よさないか。 ひかるさん? 102 00:12:02,471 --> 00:12:05,808 おい! ひかるさん? ひかるさん? 103 00:12:05,808 --> 00:12:08,508 おい やめろ! (ひかる)何事です? 104 00:12:10,479 --> 00:12:12,481 これは これは ひかるさん。 105 00:12:12,481 --> 00:12:17,486 大河原旅館の主人の 大河原勇作でございます。 106 00:12:17,486 --> 00:12:19,822 当旅館の主人… 107 00:12:19,822 --> 00:12:22,157 (静子)ふつつかな 息子でございますが⇒ 108 00:12:22,157 --> 00:12:25,494 よろしくお願いいたします 109 00:12:25,494 --> 00:12:28,831 ああ。 お知り合いですか? 110 00:12:28,831 --> 00:12:31,500 だから 通せと言ったろう。 111 00:12:31,500 --> 00:12:36,171 実は私 先日のお見合いが 破談になったと伺いまして。 112 00:12:36,171 --> 00:12:39,842 どうして それを? 仕事がら いろいろと噂が入って参ります。 113 00:12:39,842 --> 00:12:42,511 しかしまあ あなたのように 美しい方が断られるとは⇒ 114 00:12:42,511 --> 00:12:44,179 これは ただごとではない。 115 00:12:44,179 --> 00:12:47,182 そこで 当方に何か問題が あったのではないかと思い⇒ 116 00:12:47,182 --> 00:12:49,518 おわびに伺った次第でございます。 117 00:12:49,518 --> 00:12:52,855 これは つまらぬ物ですが どうぞ お受け取りください。 118 00:12:52,855 --> 00:12:55,524 そちらには 何の問題もないことです。 119 00:12:55,524 --> 00:12:58,527 このようなことをされては 困ります。 120 00:12:58,527 --> 00:13:01,196 ああ。 やはり このように つまらぬ物では⇒ 121 00:13:01,196 --> 00:13:03,866 ひかるお嬢様には 受け取って いただけないのでしょうね。 122 00:13:03,866 --> 00:13:06,535 わたしのような者が 出過ぎたまねをいたしました。 123 00:13:06,535 --> 00:13:10,539 いえ。 そういうわけでは。 じゃあ 受け取ってください。 124 00:13:10,539 --> 00:13:14,877 ほんの気持ちでございます。 125 00:13:14,877 --> 00:13:20,877 あっ。 なでしこの花言葉は 「情熱的な愛」だそうです。 126 00:13:24,219 --> 00:13:25,919 失礼。 127 00:13:28,557 --> 00:13:30,557 おい! 128 00:13:32,828 --> 00:13:37,499 おい! おい いいか! 129 00:13:37,499 --> 00:13:40,169 二度と あんな勝手なまねは 許さんからな。 130 00:13:40,169 --> 00:13:44,506 番頭。 一つ忠告しといてやる。 131 00:13:44,506 --> 00:13:46,842 俺への口の利き方は 気をつけたほうがいい。 132 00:13:46,842 --> 00:13:50,512 なに? 俺は ひかるさんを嫁にする。 133 00:13:50,512 --> 00:13:55,184 お前は もうすぐ この俺を 旦那様と呼ぶようになるんだ。 134 00:13:55,184 --> 00:13:58,520 ひかるさんは 俺のものになるんだからな。 135 00:13:58,520 --> 00:14:12,534 ♪ 136 00:14:12,534 --> 00:14:15,871 お嬢様! あいつには もう かかわらないでください。 137 00:14:15,871 --> 00:14:17,571 猛。 138 00:14:26,181 --> 00:14:30,452 (子供たち)♪『野ばら』 139 00:14:30,452 --> 00:14:32,752 みんな。 もっと元気よく。 140 00:14:36,124 --> 00:14:40,128 そう。 健次君 とっても上手よ。 141 00:14:40,128 --> 00:14:41,797 ≪(戸の開く音) 142 00:14:41,797 --> 00:14:43,799 (石島)やめろ やめろ! (子供たち)わ~! 143 00:14:43,799 --> 00:14:46,468 何です? あなたたちは。 (谷)何だ 今の歌は! 144 00:14:46,468 --> 00:14:51,473 (山根)このお国の一大事に 敵国の歌を歌うとは何事だ! 145 00:14:51,473 --> 00:14:53,809 この歌は 敵国の歌ではありません。 146 00:14:53,809 --> 00:14:56,144 同盟国 ドイツの歌ですわ。 147 00:14:56,144 --> 00:14:58,480 (石島)ふざけたこと 言ってんじゃねえ! 148 00:14:58,480 --> 00:15:01,817 それに このチャラチャラした 格好は何だ? 149 00:15:01,817 --> 00:15:06,488 国民が食う物も食わず 一丸となって戦ってるときに⇒ 150 00:15:06,488 --> 00:15:10,826 いいご身分じゃないか。 モンペをはかんか モンペを! 151 00:15:10,826 --> 00:15:13,826 (健次)ひかる先生をいじめるな! あ? 152 00:15:15,497 --> 00:15:18,500 生意気なガキだな。 (健次)いじめるな! 153 00:15:18,500 --> 00:15:20,800 健次君。 このガキ! 154 00:15:27,442 --> 00:15:29,042 (健次)ひかる先生。 155 00:15:32,781 --> 00:15:35,117 この子たちに手を出すことは 許しません。 156 00:15:35,117 --> 00:15:38,453 このアマ 生意気なことしやがって! 157 00:15:38,453 --> 00:15:40,053 ≪(勇作)やめなさい! 158 00:15:42,457 --> 00:15:47,462 大河原さん。 (石島)何だ? お前は。⇒ 159 00:15:47,462 --> 00:15:49,798 邪魔すんのか! 手を離しなさい。 160 00:15:49,798 --> 00:15:52,467 (石島)何だと? お前ら! 161 00:15:52,467 --> 00:15:55,137 甲府連隊を 敵に回す覚悟があるのか!? 162 00:15:55,137 --> 00:15:58,473 甲府連隊の岩原中佐は わたしの大親友だ。 163 00:15:58,473 --> 00:16:03,478 もし わたしに何かあったら 甲府連隊が黙っちゃいないぞ。 164 00:16:03,478 --> 00:16:05,480 (山根)行くぞ。 だけど。 165 00:16:05,480 --> 00:16:08,780 (山根)いいから行くんだ! ほら! 166 00:16:14,156 --> 00:16:16,556 ひかるさん。 大丈夫ですか? 167 00:16:19,161 --> 00:16:25,834 ああ。 これは ひどい。 まったく ひどいヤツらだ。 168 00:16:25,834 --> 00:16:29,438 もし 偶然 わたしが ここを通りかからなかったら⇒ 169 00:16:29,438 --> 00:16:31,440 いったい どんなことになっていたか。 170 00:16:31,440 --> 00:16:33,775 (要助)おじちゃん すげえや。 171 00:16:33,775 --> 00:16:37,112 (昭子)先生を助けてくれて ありがとう。 172 00:16:37,112 --> 00:16:42,451 本当に ありがとうございました。 いや。 当然のことをしたまでです。 173 00:16:42,451 --> 00:16:46,121 ≪(物音) 誰だ!? 174 00:16:46,121 --> 00:16:48,821 出てこい! 出てきなさい! 175 00:16:52,461 --> 00:16:55,464 お兄様。 (文彦)よっ。 176 00:16:55,464 --> 00:16:59,468 久しぶりだな ひかる。 そこで何をなさってるの? 177 00:16:59,468 --> 00:17:01,470 東京に いらっしゃるはずでは。 178 00:17:01,470 --> 00:17:04,473 (文彦)久々に帰ってくると あの家は入りづらくてな。 179 00:17:04,473 --> 00:17:06,808 ここで小説の推こうを してたんだが⇒ 180 00:17:06,808 --> 00:17:08,810 無粋なヤツらが 乗り込んでくるから⇒ 181 00:17:08,810 --> 00:17:11,480 出るに 出られなくなってしまったよ。 182 00:17:11,480 --> 00:17:14,483 じゃあ ずっと そこで見てらしたの? 183 00:17:14,483 --> 00:17:18,820 うん。 何と 三枝家のご長男⇒ 184 00:17:18,820 --> 00:17:20,820 文彦お坊ちゃまで いらっしゃいますか? 185 00:17:23,158 --> 00:17:29,097 私 大河原商会の 大河原勇作でございます。 186 00:17:29,097 --> 00:17:33,769 お兄様は確か 東京で文学の道に まい進しておられるとか。 187 00:17:33,769 --> 00:17:36,438 そのような才能 うらやましいかぎりでございます。 188 00:17:36,438 --> 00:17:38,774 いやいや。 それほどのものでは ありませんよ。 189 00:17:38,774 --> 00:17:41,443 あいにく 私自身は 商売しかできぬ⇒ 190 00:17:41,443 --> 00:17:43,111 下世話な男でございます。 191 00:17:43,111 --> 00:17:45,781 もし何か お力になれることが ありましたら⇒ 192 00:17:45,781 --> 00:17:48,481 いつでも お声を お掛けくださいませ。 193 00:17:50,786 --> 00:17:53,486 では 私はこれで。 194 00:17:56,124 --> 00:18:01,129 大河原ね。 なかなか いいヤツじゃないか。 195 00:18:01,129 --> 00:18:05,801 でも 突然 帰っていらっしゃるなんて いったい どうなさったの? 196 00:18:05,801 --> 00:18:10,101 まあ ちょっとな。 手は大丈夫か? 197 00:18:12,140 --> 00:18:15,143 (勇作)バカヤロー! 触るな! 198 00:18:15,143 --> 00:18:19,147 誰が お嬢様に ケガをさせろと言った! 199 00:18:19,147 --> 00:18:21,847 (山根)申し訳ございません! 申し訳ございません! 200 00:18:25,821 --> 00:18:32,761 まあ いいや。 約束の金だ。 持ってけ。 201 00:18:32,761 --> 00:18:35,761 すいません。 すいませんでした! 202 00:18:37,766 --> 00:18:42,437 ≪(政之助)お前。 何だ。 親父か。 203 00:18:42,437 --> 00:18:45,440 (政之助)今の連中は誰だ? 離せよ。 204 00:18:45,440 --> 00:18:48,777 お前 三枝のお嬢様に いったい何をしたんだ!? 205 00:18:48,777 --> 00:18:51,446 何だ? 普段は ロクに口も利かないのに⇒ 206 00:18:51,446 --> 00:18:55,450 三枝さんのためともなると ずいぶんと頑張るじゃねえか。 207 00:18:55,450 --> 00:18:59,788 まったく 骨の髄まで染み込んだ 小作人根性だな! 208 00:18:59,788 --> 00:19:03,458 だがな 俺は あいにく 三枝の小作人じゃねえ。 209 00:19:03,458 --> 00:19:07,129 あんたが婿に入った小さな旅館を 甲府一と言われるまでにし⇒ 210 00:19:07,129 --> 00:19:09,464 大河原商会を築き上げたんだ。 211 00:19:09,464 --> 00:19:13,064 今じゃ 三枝よりも 金も力もあるんだよ! 212 00:19:16,471 --> 00:19:19,771 飼い犬は飼い犬らしく おとなしくしてるんだな。 213 00:19:24,479 --> 00:19:26,414 お嬢様! (ひかる)猛。 214 00:19:26,414 --> 00:19:29,417 アトリエで 変な男たちに襲われたとか。 215 00:19:29,417 --> 00:19:31,753 末 ありがとう。 216 00:19:31,753 --> 00:19:35,423 ひどいケガじゃないですか。 何があったんですか。 217 00:19:35,423 --> 00:19:39,761 大したことないの。 それに 偶然 通りかかった大河原さんが⇒ 218 00:19:39,761 --> 00:19:44,432 体を張って助けてくださったの。 大河原? 219 00:19:44,432 --> 00:19:46,768 俺は ひかるさんを嫁にする。⇒ 220 00:19:46,768 --> 00:19:51,439 お前は もうすぐ この俺を 旦那様と呼ぶようになるんだ。⇒ 221 00:19:51,439 --> 00:19:55,110 ひかるさんは 俺のものになるんだからな 222 00:19:55,110 --> 00:19:58,810 偶然でしょうか。 どういうこと? 223 00:20:01,449 --> 00:20:06,121 とにかく お嬢様も もっと 用心してもらわなければ困ります。 224 00:20:06,121 --> 00:20:09,791 これからは 俺が必ず アトリエに ついていきますから。 225 00:20:09,791 --> 00:20:14,796 ありがとう。 でも大丈夫よ。 猛は猛の仕事があるんだし…。 226 00:20:14,796 --> 00:20:18,800 ついていきます! ついていきますから。 227 00:20:18,800 --> 00:20:22,470 お前の言い方は まるで わたしのこと 信じてないのね。 228 00:20:22,470 --> 00:20:24,472 わたしって そんなに子供かしら。 229 00:20:24,472 --> 00:20:29,077 そうではありません。 わたしは ただ 大河原という男が。 230 00:20:29,077 --> 00:20:32,080 確かに あの方は 少し変わっていらっしゃるけど。 231 00:20:32,080 --> 00:20:35,083 でも わたし そんなに悪い方ではないと思うわ。 232 00:20:35,083 --> 00:20:37,085 お嬢様は 何も分かっていないんです。 233 00:20:37,085 --> 00:20:38,785 あいつは…! 234 00:20:40,422 --> 00:20:44,092 とにかく あいつは 信用できません。 235 00:20:44,092 --> 00:20:46,792 そんなこと言う猛は嫌いよ。 236 00:20:49,431 --> 00:20:53,768 これが 文彦の書いた小説なのですね。 237 00:20:53,768 --> 00:20:57,772 その文学賞は 新人の登竜門とも 言われてましてね。 238 00:20:57,772 --> 00:21:00,108 まっ 今回は佳作でしたが 編集者からは⇒ 239 00:21:00,108 --> 00:21:04,446 ぜひ 2作目を書いてほしいと せっつかれましてね。 240 00:21:04,446 --> 00:21:06,114 そうですか。 241 00:21:06,114 --> 00:21:07,782 (文彦)まったく 才能があると気づくと⇒ 242 00:21:07,782 --> 00:21:10,482 群がってくるヤツらばかりで 僕も…。 243 00:21:14,122 --> 00:21:18,460 お前のこと 信じてはいたんですけど⇒ 244 00:21:18,460 --> 00:21:20,760 やっと認められて よかった。 245 00:21:23,465 --> 00:21:29,765 お母様。 僕も お母様には 長らく心配をお掛けして…。 246 00:21:36,745 --> 00:21:42,445 あなた。 文彦の書いた小説が 雑誌に載っております。 247 00:21:45,420 --> 00:21:51,426 それで こっちには いつ帰ってくるんじゃ? 248 00:21:51,426 --> 00:21:54,429 僕は こんなところには 帰りませんよ。 文彦。 249 00:21:54,429 --> 00:21:58,433 (文彦)僕はやっと 小説家としての 第一歩を踏み出したところなんだ。 250 00:21:58,433 --> 00:22:00,733 (伝衛門)お前は三枝家の長男じゃ。 251 00:22:02,437 --> 00:22:06,107 白部村の地主としての責任を どう考えておる。 252 00:22:06,107 --> 00:22:08,777 地主だって? お父様は古いんだ。 253 00:22:08,777 --> 00:22:10,445 これからは もう そんな時代じゃない。 254 00:22:10,445 --> 00:22:13,782 それぞれが 自由に生きるべきなんです。 255 00:22:13,782 --> 00:22:16,785 お前には 白部村を守るという 責任があるんじゃ。⇒ 256 00:22:16,785 --> 00:22:18,453 おまんが いない間⇒ 257 00:22:18,453 --> 00:22:20,789 猛が おまんの代わりに 必死で働いてきたんじゃ。 258 00:22:20,789 --> 00:22:24,793 また猛ですか。 僕は 三枝家なんて欲しくもない。⇒ 259 00:22:24,793 --> 00:22:27,796 小説を書きたいだけなんだ。 三枝の家は⇒ 260 00:22:27,796 --> 00:22:30,131 あなたのお気に入りの猛にでも 継がせればいい。 261 00:22:30,131 --> 00:22:31,800 猛は あくまで使用人じゃ。 262 00:22:31,800 --> 00:22:34,469 その使用人を 僕よりも 大切にしてきたのは誰ですか。 263 00:22:34,469 --> 00:22:37,472 文彦。 お父様のおっしゃってることを⇒ 264 00:22:37,472 --> 00:22:39,808 お前も分かるはずです。⇒ 265 00:22:39,808 --> 00:22:41,810 ひかるが学校を辞め お前まで勝手をしたら⇒ 266 00:22:41,810 --> 00:22:44,479 この三枝の家は どうなってしまうのですか。 267 00:22:44,479 --> 00:22:47,148 東京など行かずとも ここで小説を書けば…。 268 00:22:47,148 --> 00:22:49,484 (文彦)お母様。 269 00:22:49,484 --> 00:22:54,484 お母様は 僕の気持ちを分かって くださってると思ってました。 270 00:22:57,826 --> 00:22:59,526 文彦…。 271 00:23:02,497 --> 00:23:04,097 申し訳ございません。 272 00:23:14,509 --> 00:23:17,512 (伝衛門)確かに文彦は⇒ 273 00:23:17,512 --> 00:23:21,812 文彦なりに自分の生き方を 考えてるのかもしれん。 274 00:23:24,519 --> 00:23:31,459 だがな あいつは 三枝家の長男じゃ。 275 00:23:31,459 --> 00:23:34,796 自分の人生だけを考えて 生きることが⇒ 276 00:23:34,796 --> 00:23:36,796 許される立場ではない。 277 00:23:45,140 --> 00:23:48,476 よお 番頭。 お前は。 278 00:23:48,476 --> 00:23:51,479 ひかるお嬢様に取り次いでくれ。 帰れ。 279 00:23:51,479 --> 00:23:53,481 もう二度と 勝手なまねは許さんと 言ったはずだ。 280 00:23:53,481 --> 00:23:56,484 おい。 口の利き方には 気をつけたほうがいいと⇒ 281 00:23:56,484 --> 00:23:58,486 教えといたはずだがな。 いいかげんにしろ! 282 00:23:58,486 --> 00:24:01,823 ≪(ひかる)おやめなさい 猛。 ひかるさん。 283 00:24:01,823 --> 00:24:04,492 大河原さんは わたしを助けてくださった方よ。 284 00:24:04,492 --> 00:24:07,829 いくら お前でも 失礼は許しません。 ですが! 285 00:24:07,829 --> 00:24:11,166 大河原さん。 ウチの者が 失礼いたしました。 286 00:24:11,166 --> 00:24:14,866 ほら。 離せよ。 287 00:24:20,508 --> 00:24:24,179 <固く結ばれたはずの 二人に⇒ 288 00:24:24,179 --> 00:24:29,179 新たな愛の嵐が 吹き荒れようと していたのでした> 289 00:24:33,488 --> 00:24:39,828 今でも あのときの あなたの背中 覚えております。 290 00:24:39,828 --> 00:24:42,831 何をするんですか!? 291 00:24:42,831 --> 00:24:45,834 (徹)たいへんです。 稲が! 292 00:24:45,834 --> 00:24:48,837 猛…。 決められたのですね。 293 00:24:48,837 --> 00:24:51,172 ああ。 腹は くくった。 294 00:24:51,172 --> 00:24:57,172 ウチは お金に困っているの? わたし 本当のことが知りたいの。