1 00:02:32,375 --> 00:02:34,244 2 00:02:34,244 --> 00:02:37,544 (伝衛門)入りなさい。 (猛)はい。 3 00:02:40,917 --> 00:02:45,588 (伝衛門)今さら言わなくても 事情は 分かっていると思う。➡ 4 00:02:45,588 --> 00:02:52,262 おまんらを 呼んだのは わしの決断を 伝えるためじゃ。 5 00:02:52,262 --> 00:03:00,262 (伝衛門)猛。 ひかるとの結婚をあきらめてくれ。 6 00:03:04,607 --> 00:03:09,612 ♬『Delight of my love』 7 00:03:09,612 --> 00:03:29,299 ♬~ 8 00:03:29,299 --> 00:03:49,252 ♪ 9 00:03:49,252 --> 00:04:09,272 ♪ 10 00:04:09,272 --> 00:04:23,286 ♪ 11 00:04:23,286 --> 00:04:33,286 ♪ 12 00:04:35,265 --> 00:04:41,265 猛。 ひかるとの結婚をあきらめてくれ。 13 00:04:43,273 --> 00:04:47,277 (伝衛門)ひどい仕打ちと 恨むかもしれん。 14 00:04:47,277 --> 00:04:52,615 おまんらも つらいじゃろうが わしらもそれ以上につらいのじゃ。 15 00:04:52,615 --> 00:04:57,287 (伝衛門)こらえてくれ。 (ひかる)嫌です! 16 00:04:57,287 --> 00:05:01,291 大河原に 嫁いでくれ。 (ひかる)嫌です。 17 00:05:01,291 --> 00:05:04,627 お父さまの お願いでも わたしは 嫌です。 18 00:05:04,627 --> 00:05:08,298 猛。 なぜ黙っているの? 19 00:05:08,298 --> 00:05:12,302 お前からも お父さまに 嫌だと はっきり言って! 20 00:05:12,302 --> 00:05:15,638 言うのよ 猛! 21 00:05:15,638 --> 00:05:17,338 なぜ言わないの? 22 00:05:19,309 --> 00:05:21,644 わたしを見て 猛! お嬢さま。 23 00:05:21,644 --> 00:05:25,315 今さら 「お嬢さま」だなんて 呼ばれたくない。 24 00:05:25,315 --> 00:05:27,615 なぜ 「ひかる」と 呼んでくれないの? 25 00:05:30,587 --> 00:05:35,587 お前 まさか お父さまの言葉に 従うつもりじゃ…!? 26 00:05:38,595 --> 00:05:40,595 猛…。 27 00:05:52,942 --> 00:05:54,611 旦那さま。 28 00:05:54,611 --> 00:05:58,611 言いたいことが あるのなら 言ってくれ。 かまわん。 29 00:06:01,618 --> 00:06:05,622 あれから 一人で 大河原に 行きました。 30 00:06:05,622 --> 00:06:08,625 土下座して 頼みました。 31 00:06:08,625 --> 00:06:11,628 ひかるさんを あきらめると 旦那さまに 伝えれば➡ 32 00:06:11,628 --> 00:06:14,928 三枝家も 小作人たちも 助けてやると 言われました。 33 00:06:16,633 --> 00:06:22,633 一日だけ 待ってやると。 何ということを…。 34 00:06:24,307 --> 00:06:26,907 だから これでいいんです。 これで。 35 00:06:31,247 --> 00:06:35,547 (絹)許してください。 許して。 36 00:06:37,920 --> 00:06:44,620 わしは…。 わしという 人間は…。 37 00:06:50,600 --> 00:06:58,608 (泣き声) 38 00:06:58,608 --> 00:07:02,308 ≪(猛)お嬢さま! ひかるお嬢さま! 39 00:07:07,950 --> 00:07:09,950 お嬢さま。 40 00:07:12,288 --> 00:07:17,627 三枝家が こうなってしまった 責任は 自分にもあります。 41 00:07:17,627 --> 00:07:19,962 小作人たちの 夢や希望を 打ち砕いてしまったのも➡ 42 00:07:19,962 --> 00:07:22,298 自分かもしれません。 43 00:07:22,298 --> 00:07:27,970 それなのに お嬢さまと結婚して 幸せになるなんて できません。 44 00:07:27,970 --> 00:07:31,240 自分にできる せめてもの償いは 幸せを 捨てることなんです。 45 00:07:31,240 --> 00:07:32,909 お嬢さまを あきらめることなんです。 46 00:07:32,909 --> 00:07:36,913 お前は わたしを失っても 生きていけるの? 47 00:07:36,913 --> 00:07:42,251 たとえ 大河原に嫁いでも 自分は 一生 お嬢さまを 思い続けます。 48 00:07:42,251 --> 00:07:43,920 一日たりとも 忘れません。 49 00:07:43,920 --> 00:07:46,255 わたしを 守るって 言ったじゃない! 50 00:07:46,255 --> 00:07:49,592 いくら お父さまの命令でも わたしに➡ 51 00:07:49,592 --> 00:07:52,292 大河原へ嫁げって言うの? 52 00:07:59,268 --> 00:08:01,268 見損なったわ。 53 00:08:02,939 --> 00:08:07,276 大河原に嫁ぐくらいなら 死んだほうが ましよ! 54 00:08:07,276 --> 00:08:10,276 お嬢さま! 離して! 55 00:08:12,949 --> 00:08:14,649 猛…。 56 00:08:18,287 --> 00:08:21,624 旦那さまに 言われなくても➡ 57 00:08:21,624 --> 00:08:24,624 自分は お嬢さまを あきらめるつもりでした。 58 00:08:26,629 --> 00:08:29,232 三枝家と 小作人たちを救うには➡ 59 00:08:29,232 --> 00:08:32,532 お嬢さまが 大河原に嫁ぐ以外 ないからです。 60 00:08:36,572 --> 00:08:42,578 自分からも お願いします。 猛は 死んだと思って➡ 61 00:08:42,578 --> 00:08:45,578 大河原に 嫁いでください。 お願いします! 62 00:08:54,590 --> 00:08:59,929 自分の無力が 情けない。 お嬢さまに こんなことを➡ 63 00:08:59,929 --> 00:09:02,929 お願いする自分を 八つ裂きにしてやりたい。 64 00:09:04,600 --> 00:09:07,603 猛を憎んでください。 恨んでください。 65 00:09:07,603 --> 00:09:09,603 軽蔑してください。 66 00:09:11,941 --> 00:09:23,619 ♬~ 67 00:09:23,619 --> 00:09:33,563 ♬~ 68 00:09:33,563 --> 00:09:42,572 お嬢さま。 たとえ 離れ離れになっても➡ 69 00:09:42,572 --> 00:09:45,572 死ぬまでお前を 愛し続けるわ。 70 00:09:51,914 --> 00:09:53,914 お嬢さま。 71 00:10:00,256 --> 00:10:06,262 すまん ひかる。 この ふがいない 父親を 許してくれ。 72 00:10:06,262 --> 00:10:10,600 このとおりじゃ。 やめてください。 73 00:10:10,600 --> 00:10:14,604 わたしこそ 三枝の状況を知りながら➡ 74 00:10:14,604 --> 00:10:16,904 勝手なこと言って すみません。 75 00:10:18,608 --> 00:10:21,944 お父さまが どれほど 白部村のために尽くし➡ 76 00:10:21,944 --> 00:10:25,281 小作人たちの生活を 思いやってきたか➡ 77 00:10:25,281 --> 00:10:27,881 わたしは 子どものころから 見てきました。 78 00:10:29,552 --> 00:10:33,890 だから お父さまの気持ちは よく分かります。 79 00:10:33,890 --> 00:10:36,225 ひかる…。 80 00:10:36,225 --> 00:10:41,230 わたし 大河原に嫁に行きます。 81 00:10:41,230 --> 00:10:44,233 白部村のみんなを 不幸にして➡ 82 00:10:44,233 --> 00:10:47,233 自分だけ幸せになるなんて できません。 83 00:10:49,238 --> 00:10:52,909 あした 大河原を ここへ呼んでください。 84 00:10:52,909 --> 00:10:56,609 わたしが直接 結婚すると 返事をします。 85 00:11:02,585 --> 00:11:05,588 こんなことに なるんだったら➡ 86 00:11:05,588 --> 00:11:09,592 もっと早く 猛といっしょに させておけばよかった。 87 00:11:09,592 --> 00:11:11,928 奥さま。 88 00:11:11,928 --> 00:11:17,628 お母さま。 わたしは自分で 自分の生き方を決めたんですから。 89 00:11:24,607 --> 00:11:26,609 (勇作)覚悟しておいてください。➡ 90 00:11:26,609 --> 00:11:29,879 わたしは 差し押さえという 強硬手段に 出るかもしれない。 91 00:11:29,879 --> 00:11:31,547 (文彦)大河原さん。 92 00:11:31,547 --> 00:11:35,551 あなたを信用しないわけじゃ ないが…。 もう無理でしょう。 93 00:11:35,551 --> 00:11:39,555 大河原さん!? 先生の分も わたしに つけといてくれ。 94 00:11:39,555 --> 00:11:41,557 (文彦)大河原さん。 ちょっと待ってください。 95 00:11:41,557 --> 00:11:43,257 猛…。 96 00:11:44,894 --> 00:11:49,231 どうだ。 ひかるさんをあきらめる 決心はついたか? 97 00:11:49,231 --> 00:11:50,831 期限は 明日だぞ。 98 00:11:52,568 --> 00:11:57,239 まあ いいや。 酒でも飲んで ゆっくり 考えろ。 99 00:11:57,239 --> 00:12:03,913 あした お屋敷へ 足を お運びください。 100 00:12:03,913 --> 00:12:09,251 お嬢さまが ご自分の口から返事を したいと おっしゃっております。 101 00:12:09,251 --> 00:12:10,920 ひかるさんが わたしに? 102 00:12:10,920 --> 00:12:12,588 (文彦)おい 猛。 どういうことなんだ? 103 00:12:12,588 --> 00:12:17,593 大河原さんを 呼びつけておいて 失礼なことは許されんぞ。 うん? 104 00:12:17,593 --> 00:12:23,933 分かった。 必ずお伺いすると 伝えてくれ。 105 00:12:23,933 --> 00:12:25,935 (坂巻)もう勘弁してくださいよ ホントに…。 106 00:12:25,935 --> 00:12:28,938 (矢口)三枝家の番頭じゃねえか。 107 00:12:28,938 --> 00:12:31,941 (坂巻)俺を ぶん殴ったヤツか。 この野郎! 108 00:12:31,941 --> 00:12:35,611 ウォーッ! (矢口)野郎。 てめえ! 109 00:12:35,611 --> 00:12:37,279 (坂巻)ふざけやがって! 110 00:12:37,279 --> 00:12:38,948 (矢口)無事に帰れると思うなよ! この野郎! 111 00:12:38,948 --> 00:12:51,961 [格闘] 112 00:12:51,961 --> 00:12:53,961 よせ 猛! 113 00:13:02,304 --> 00:13:03,973 大丈夫ですか? 114 00:13:03,973 --> 00:13:06,673 (矢口)大丈夫なわけ ねえだろう。 115 00:13:26,328 --> 00:13:34,937 ♬~ 116 00:13:34,937 --> 00:13:36,937 ひかるさん。 117 00:13:49,952 --> 00:13:54,352 白部丸が 無事に戻ってきたら 式を挙げるのよ 118 00:13:55,958 --> 00:13:59,658 自分は 一生お嬢さまを 思い続けます 119 00:14:05,968 --> 00:14:09,305 もう かれこれ 1時間になりますかな。 120 00:14:09,305 --> 00:14:11,605 お嬢さまは どうされたのでしょう。 121 00:14:13,642 --> 00:14:16,312 (文彦)こんなに お待たせして 失礼です。➡ 122 00:14:16,312 --> 00:14:18,312 僕が 呼んできます。 123 00:14:21,317 --> 00:14:23,986 お待たせして 申し訳ありません。 124 00:14:23,986 --> 00:14:26,655 このまま 待ちぼうけを食わされて スゴスゴ 帰るのか。 125 00:14:26,655 --> 00:14:29,925 いや もしかしたら これが ひかるさんの わたしへの➡ 126 00:14:29,925 --> 00:14:32,928 返事なのかもしれない。 そう思って 不安になりましたよ。 127 00:14:32,928 --> 00:14:40,936 ハハハ…。 で…。 お嬢さまが直接 わたしに 返事をしたいとか。 128 00:14:40,936 --> 00:14:46,275 その前に わたしが嫁いだら すべての契約書を 破棄し➡ 129 00:14:46,275 --> 00:14:49,275 元の三枝家に 戻していただけますね? 130 00:14:50,946 --> 00:14:52,948 分かりました。 131 00:14:52,948 --> 00:14:54,948 わたしへの返事とは? 132 00:14:57,286 --> 00:15:03,286 大河原さんの お望みどおりに。 わたしの 望みどおりとは? 133 00:15:05,294 --> 00:15:09,965 あなたの元へ 嫁ぐということでございます。 134 00:15:09,965 --> 00:15:13,969 では わたしと結婚してもいいと? はい。 135 00:15:13,969 --> 00:15:15,971 ハハハハ…。 こりゃ めでたい! 136 00:15:15,971 --> 00:15:17,640 お嬢さまの気が 変わらないうちに➡ 137 00:15:17,640 --> 00:15:21,310 文彦さん。 早速 結納と挙式の 段取りを 決めてしまいましょう。 138 00:15:21,310 --> 00:15:23,312 (文彦)ああ それがいい。 急いで 結納を済ませて➡ 139 00:15:23,312 --> 00:15:24,980 次の大安にでも 式を挙げたらどうでしょう。 140 00:15:24,980 --> 00:15:26,982 早いに越したことはない。 (文彦と勇作の笑い声) 141 00:15:26,982 --> 00:15:30,920 ただし 一つ条件がございます。 142 00:15:30,920 --> 00:15:32,922 条件…? 143 00:15:32,922 --> 00:15:38,928 将来 父に代わって 三枝家を継ぐのは 猛です。 144 00:15:38,928 --> 00:15:40,596 (文彦)何だって!? 145 00:15:40,596 --> 00:15:42,932 同意していただけますね? 146 00:15:42,932 --> 00:15:45,267 (文彦)バカ言ってんじゃないよ ひかる。➡ 147 00:15:45,267 --> 00:15:49,271 猛が 三枝家を継ぐというのは 白部丸が沈没する前の話だろ。 148 00:15:49,271 --> 00:15:52,608 猛には 三枝家を こんな目に 遭わせた責任の一端がある。 ね。 149 00:15:52,608 --> 00:15:56,612 そんな男を 継がせるなんて 非常識極まりないですよ。 ねえ。 150 00:15:56,612 --> 00:15:58,612 いかがですか? 151 00:16:03,285 --> 00:16:05,955 はい。 分かりました。 152 00:16:05,955 --> 00:16:07,623 (文彦)大河原さん! 153 00:16:07,623 --> 00:16:10,923 猛君の後継者の件 異存ありません。 154 00:16:12,962 --> 00:16:18,962 では二日後に結納 次の大安に挙式 ということで よろしいですね。 155 00:16:20,636 --> 00:16:22,304 はい。 156 00:16:22,304 --> 00:16:31,904 (勇作の笑い声) 157 00:16:38,921 --> 00:16:40,921 ≪(文彦)猛! 158 00:16:42,925 --> 00:16:46,595 何てひきょうなヤツなんだ お前ってヤツは。 159 00:16:46,595 --> 00:16:48,597 ひかるを手放す代償として➡ 160 00:16:48,597 --> 00:16:51,934 三枝家を手に入れる算段を してたんだろう。 何ですって? 161 00:16:51,934 --> 00:16:54,603 とぼけるな とぼけるな とぼけるな! 162 00:16:54,603 --> 00:16:59,275 ひかるはな 大河原さんに 嫁ぐ条件として➡ 163 00:16:59,275 --> 00:17:02,278 お前を 三枝家の後継者にしろと 言ったんだよ。 164 00:17:02,278 --> 00:17:03,946 お嬢さまが!? 165 00:17:03,946 --> 00:17:06,949 お前が 丸め込んだに 違いないんだ。 166 00:17:06,949 --> 00:17:09,649 お前はホントに 汚い男だよ。 167 00:17:24,600 --> 00:17:30,873 (ひかる)この中には 今までのわたしが 詰まってる。 168 00:17:30,873 --> 00:17:34,877 これからの人生には 必要のないもの。 169 00:17:34,877 --> 00:17:39,877 本当のわたしは お前の中だけで 生きていくわ。 170 00:17:42,217 --> 00:17:45,517 自分は 三枝家の後継者に ふさわしくありません。 171 00:17:47,222 --> 00:17:51,894 お願いです。 三枝家は 文彦さんに…。 172 00:17:51,894 --> 00:17:53,562 わたしは お前に 継いでもらいたいの。 173 00:17:53,562 --> 00:17:56,899 それは できません。 どうして? 174 00:17:56,899 --> 00:18:00,235 わたしは 嫌いな男に 嫁いでいくのよ。 175 00:18:00,235 --> 00:18:03,835 三枝家を継ぐくらい 何でもないじゃない。 176 00:18:05,574 --> 00:18:12,915 お嬢さま。 わたしのために 三枝家を守ってほしいの。 177 00:18:12,915 --> 00:18:16,919 お嬢さまのために? 178 00:18:16,919 --> 00:18:19,254 いつになるか 分からない。 179 00:18:19,254 --> 00:18:22,925 永遠に ないことなのかもしれない。 180 00:18:22,925 --> 00:18:26,528 でも わたしの帰る場所を お前が 守っていてくれる。 181 00:18:26,528 --> 00:18:29,828 そう思うだけで 心が安まるの。 182 00:18:31,533 --> 00:18:36,233 どんな つらいことにも 我慢できるような気がするのよ。 183 00:18:40,542 --> 00:18:45,542 お前が守るのは 三枝の家でも 土地でもない。 184 00:18:47,216 --> 00:18:52,221 わたしの魂の 帰る場所なの。 185 00:18:52,221 --> 00:18:56,521 魂の帰る場所…。 186 00:18:58,894 --> 00:19:12,908 ♬~ 187 00:19:12,908 --> 00:19:16,912 仲人は 市議会議長の 副島先生ご夫妻にお願いしてある。 188 00:19:16,912 --> 00:19:19,915 結納は 午前10時 三枝家で執り行う。 189 00:19:19,915 --> 00:19:21,917 まちがいがないように もう一度 確認しておいてくれ。 190 00:19:21,917 --> 00:19:24,586 (岡本)かしこまりました。 くれぐれも 失礼のないように。 191 00:19:24,586 --> 00:19:27,189 (岡本)はい。 では 早速。 192 00:19:27,189 --> 00:19:29,525 待たせたようだな。 193 00:19:29,525 --> 00:19:31,860 結納から挙式まで 時間がないもんで➡ 194 00:19:31,860 --> 00:19:34,196 慌ただしくてね。 195 00:19:34,196 --> 00:19:37,533 わたしとの約束を 果たしてくれて うれしく思ってるよ。 196 00:19:37,533 --> 00:19:40,233 あなたと 約束をした 覚えはありません。 197 00:19:42,204 --> 00:19:45,541 自分に用件とは 何でしょうか? 198 00:19:45,541 --> 00:19:48,544 大河原商会で 働く気はないか? 199 00:19:48,544 --> 00:19:52,214 自分の命を 買ってくれと わたしの前で 土下座したろう。 200 00:19:52,214 --> 00:19:53,882 君は 使える男だ。 201 00:19:53,882 --> 00:19:55,884 ケンカっぷりも みごとだった。 202 00:19:55,884 --> 00:20:00,556 敵に回せば 怖い男だが 味方にすれば 心強い。 203 00:20:00,556 --> 00:20:03,892 どうだ。 わたしのために 力を尽くさないか? 204 00:20:03,892 --> 00:20:05,561 悪いようには しないぞ。 205 00:20:05,561 --> 00:20:08,230 三枝家を裏切るマネは できません。 206 00:20:08,230 --> 00:20:10,566 裏切る? 207 00:20:10,566 --> 00:20:14,236 もはや三枝家は大河原の 手の内にあるんだ。 208 00:20:14,236 --> 00:20:16,905 裏切るも何もないだろう。 209 00:20:16,905 --> 00:20:22,578 それとも まだ三枝家の 跡を継ぐ気でいるのか? 210 00:20:22,578 --> 00:20:25,914 誰が見ても 三枝家の跡取りは 文彦さん以外にいない。 211 00:20:25,914 --> 00:20:27,516 しかし お嬢さまが…。 212 00:20:27,516 --> 00:20:29,852 嘘も方便ということがあるだろう。 213 00:20:29,852 --> 00:20:32,521 あの場で ひかるさんの条件を のまなければ 話は壊れてた。 214 00:20:32,521 --> 00:20:34,189 お嬢さまを だましたんですか! 215 00:20:34,189 --> 00:20:38,527 話が壊れれば わたしは差し押さえ という 強硬手段に出ていた。 216 00:20:38,527 --> 00:20:42,531 そうなれば 三枝家の人間も 小作人たちも 土地を追われ➡ 217 00:20:42,531 --> 00:20:46,831 路頭に迷っていたんだぞ。 そのほうが 良かったというのか? 218 00:20:50,873 --> 00:20:55,210 わたしの下で 働けないなら お前に もう居場所はない。 219 00:20:55,210 --> 00:20:58,881 この土地から 黙って出て行け。 220 00:20:58,881 --> 00:21:01,550 ひかるさんの 目の届く所にいると 目障りなんだよ。 221 00:21:01,550 --> 00:21:05,554 とっとと 消えてなくなれ! 何だと! 222 00:21:05,554 --> 00:21:08,557 これが わたしの条件だ。 のめないのなら➡ 223 00:21:08,557 --> 00:21:12,895 ひかるさんとの結婚を 破談にしても いいんだぞ。 224 00:21:12,895 --> 00:21:15,895 どうするんだ? 猛君。 225 00:21:25,908 --> 00:21:29,608 分かった。 よし! 226 00:21:32,180 --> 00:21:34,180 支度金だ。 227 00:21:37,853 --> 00:21:41,189 もし お嬢さまを 不幸にするようなことがあれば➡ 228 00:21:41,189 --> 00:21:45,489 俺は お前を許さない。 決して 許さないからな! 229 00:21:52,534 --> 00:21:55,234 惜しい男だ。 230 00:21:56,872 --> 00:22:01,209 (タマミ)いらっしゃい。 三枝家の 番頭さん。 231 00:22:01,209 --> 00:22:04,880 (猛)俺はもう 番頭じゃない。 (タマミ)あら そうなの? 232 00:22:04,880 --> 00:22:12,220 俺は 15年前の自分に 戻るんだ。 身寄りもなく 頼る人もなく➡ 233 00:22:12,220 --> 00:22:14,890 野良犬のように 町をさまよっていた➡ 234 00:22:14,890 --> 00:22:17,559 あのころの 自分に…。 何を言ってるの? 235 00:22:17,559 --> 00:22:20,896 酒だ。 酒をくれ! 236 00:22:20,896 --> 00:22:24,900 ねえ。 行くところがないなら ここで働かない? 237 00:22:24,900 --> 00:22:29,571 あんた 腕っぷしが強いんだもの。 用心棒になってくれたら安心だわ。 238 00:22:29,571 --> 00:22:34,910 (ドアの閉まる音) いらっしゃいませ。 239 00:22:34,910 --> 00:22:36,912 (秀子)ヤボくさい店ね。➡ 240 00:22:36,912 --> 00:22:39,915 このあたりには こんな店しかないのかしら? 241 00:22:39,915 --> 00:22:41,583 よけいなお世話だよ。 242 00:22:41,583 --> 00:22:43,585 気に入らなかったら とっとと 帰っとくれ。 243 00:22:43,585 --> 00:22:47,255 (秀子)上海の裏町にも ずいぶん いかがわしいお店が あったけど➡ 244 00:22:47,255 --> 00:22:50,258 それなりに 神秘的で 謎めいていて 怖いけれど➡ 245 00:22:50,258 --> 00:22:52,594 胸がワクワクするような 魅力があったわ。 246 00:22:52,594 --> 00:22:54,262 (タマミ) ここは 上海じゃないんだ。➡ 247 00:22:54,262 --> 00:22:57,933 モンペをはいて 畑仕事に 精を出す 田舎町なんだよ。 248 00:22:57,933 --> 00:22:59,633 (秀子)おもしろい人。 249 00:23:01,269 --> 00:23:05,269 (秀子)あら…。 その飲み方は 女に振られたのね。 250 00:23:08,276 --> 00:23:12,614 何見てるんだよ。 そんなに 男が珍しいか。 251 00:23:12,614 --> 00:23:15,951 珍しいわ。 日本に帰ってきて 初めてよ。 252 00:23:15,951 --> 00:23:18,651 あなたのような いい男は。 253 00:23:21,289 --> 00:23:24,289 あなたを振った女に 乾杯! 254 00:23:35,904 --> 00:23:38,904 ≪(水をかける音) 255 00:23:42,911 --> 00:23:59,594 ♪ 256 00:23:59,594 --> 00:24:09,604 ♪ 257 00:24:09,604 --> 00:24:13,608 (絹)ひかる やめて! お母さま!? 258 00:24:13,608 --> 00:24:15,308 やめてちょうだい! 259 00:24:19,948 --> 00:24:21,648 お母さま。 260 00:24:33,261 --> 00:24:35,263 これで 心おきなく嫁いでいける。 261 00:24:35,263 --> 00:24:36,932 ありがとう 猛。 262 00:24:36,932 --> 00:24:41,937 いちばん大切なものを 同時に 二つも失ってしまった。 263 00:24:41,937 --> 00:24:44,606 わたしが結婚に 乗り気じゃないなんて➡ 264 00:24:44,606 --> 00:24:46,608 秀子さんも意地悪な方ね。 265 00:24:46,608 --> 00:24:49,308 猛と一緒になりなさい。 266 00:24:51,279 --> 00:24:54,579 どうか お気を付けて。