1 00:02:47,762 --> 00:02:48,630 2 00:02:48,630 --> 00:02:52,634 (勇作)ひかるは 俺のものだ。 誰にも渡さない。 誰にも。 3 00:02:52,634 --> 00:03:05,647 ♪ 4 00:03:05,647 --> 00:03:07,647 ひかる。 5 00:03:11,653 --> 00:03:13,953 どうしたんだ ひかる? 6 00:03:15,657 --> 00:03:17,659 (ひかる)ごめんなさい あなた。 7 00:03:17,659 --> 00:03:20,662 どうして俺を拒む? そんなに俺が嫌なのか? 8 00:03:20,662 --> 00:03:23,662 そうじゃないの。 そうじゃないんです。 9 00:03:26,000 --> 00:03:30,004 まさか お前 まだ猛のことを? 10 00:03:30,004 --> 00:03:34,304 そうなのか ひかる? お前 まだ猛のことを…! 11 00:03:37,011 --> 00:03:40,348 何が 「幸せ」だ! 何が 「大河原の妻」だ! 12 00:03:40,348 --> 00:03:43,351 お前の心の中は 猛のことで いっぱいなんじゃないのか? 13 00:03:43,351 --> 00:03:48,051 違うわ。 わたしが愛してるのは あなたです。 あなただけです! 14 00:03:50,291 --> 00:03:55,296 ♪『Delight of my love』 15 00:03:55,296 --> 00:04:06,974 ♪ 16 00:04:06,974 --> 00:04:16,984 ♪ 17 00:04:16,984 --> 00:04:37,004 ♪ 18 00:04:37,004 --> 00:04:56,958 ♪ 19 00:04:56,958 --> 00:05:08,636 ♪ 20 00:05:08,636 --> 00:05:18,636 ♪ 21 00:05:20,648 --> 00:05:22,650 わたしが愛してるのは あなたです。 あなただけです! 22 00:05:22,650 --> 00:05:24,986 (勇作)嘘をつくな! だったら なぜ俺を拒む? 23 00:05:24,986 --> 00:05:28,322 お前の体は 俺じゃなく 猛を求めてるんだろうが! 24 00:05:28,322 --> 00:05:32,722 (静子)一体 何の騒ぎだい 勇作! おやめ! みっともない。 25 00:05:34,996 --> 00:05:36,998 どうしたって言うんだい? 26 00:05:36,998 --> 00:05:39,333 ひかるさんに手を上げるなんて お前らしくもない。 27 00:05:39,333 --> 00:05:43,004 母さんは 何も知らないから のんきなことが言ってられるんだ。 28 00:05:43,004 --> 00:05:46,274 わたしが何を知らないって 言うんだい? 勇作。 29 00:05:46,274 --> 00:05:49,944 猛だよ。 猛のヤツが 生きて帰って来たんだ! 30 00:05:49,944 --> 00:05:53,614 えっ!? 北西興産という 会社の社長になって⇒ 31 00:05:53,614 --> 00:05:55,616 この大河原商会を ぶっつぶすために⇒ 32 00:05:55,616 --> 00:05:57,616 帰って来たんだよ! 33 00:05:59,620 --> 00:06:01,920 ホントなのかい ひかるさん? 34 00:06:04,292 --> 00:06:07,962 何てことだい。 まさか⇒ 35 00:06:07,962 --> 00:06:11,966 ヨリを戻そうなんて 不埒なことを 考えてるんじゃないだろうね? 36 00:06:11,966 --> 00:06:15,666 そんな! わたしは勇作さんの妻です! 37 00:06:22,310 --> 00:06:28,649 ひかるさん。 今 言ったことは 嘘じゃないんだろうね? 38 00:06:28,649 --> 00:06:30,318 はい。 39 00:06:30,318 --> 00:06:33,321 わたしの目を見て 返事をしておくれ。 40 00:06:33,321 --> 00:06:38,659 猛と ヨリを戻そうなんて 金輪際 ないんだね? 41 00:06:38,659 --> 00:06:42,663 ありません。 信じてください。 42 00:06:42,663 --> 00:06:49,663 もし 勇作を苦しめるようなことを したら わたしが許さないよ。 43 00:06:51,606 --> 00:06:53,941 いいですね ひかるさん? 44 00:06:53,941 --> 00:06:55,943 はい。 45 00:06:55,943 --> 00:07:15,963 ♪ 46 00:07:15,963 --> 00:07:35,983 ♪ 47 00:07:35,983 --> 00:07:49,683 ♪ 48 00:07:55,603 --> 00:07:59,607 勇作。 ひかるさんのことは 母さんが見張ってるから⇒ 49 00:07:59,607 --> 00:08:01,943 心配しないで 仕事に 精出しとくれ。 50 00:08:01,943 --> 00:08:03,945 (勇作)余計なこと するんじゃない。 51 00:08:03,945 --> 00:08:06,280 だって お前。 もしものことが。 52 00:08:06,280 --> 00:08:10,280 俺とひかるのことには 一切 口出ししないでくれ。 いいな。 53 00:08:20,962 --> 00:08:22,962 (ひかる)あら? 54 00:08:33,641 --> 00:08:37,645 (静子)秀子! どうしたんだい!?⇒ 55 00:08:37,645 --> 00:08:40,982 秀子! 秀子! 秀子! 56 00:08:40,982 --> 00:08:44,318 貴様! 俺の妹に 何をした!? (猛)何もしない。 57 00:08:44,318 --> 00:08:46,921 迷惑を被ったのは 俺のほうだ。 58 00:08:46,921 --> 00:08:52,259 朝まで さんざん絡まれ 毒づかれ そのあげくが このざまだ。 59 00:08:52,259 --> 00:08:55,930 店のオーナーとして ほっとくわけにもいかんだろう。 60 00:08:55,930 --> 00:08:58,265 店のオーナー? そうだ。 61 00:08:58,265 --> 00:09:02,603 「アザミ」は 俺が買い取った。 気が向いたら 飲みに来てくれ。 62 00:09:02,603 --> 00:09:04,939 たっぷりサービスさせてもらう。 63 00:09:04,939 --> 00:09:06,941 ≪(ひかる)お義母さま。 64 00:09:06,941 --> 00:09:08,943 お仏壇の写真が 見当たらないんですけど⇒ 65 00:09:08,943 --> 00:09:10,611 一体 どこに? 66 00:09:10,611 --> 00:09:12,211 秀子さん。 67 00:09:17,284 --> 00:09:19,286 猛! 68 00:09:19,286 --> 00:09:24,291 ひかるさんが このウチに居ると とても懐かしい。 69 00:09:24,291 --> 00:09:27,962 まるで 昔の三枝家に 帰って来たような気がします。 70 00:09:27,962 --> 00:09:31,632 しかし ここは もう三枝家ではない。 71 00:09:31,632 --> 00:09:37,304 昔 旦那さまが座っていた場所は 憎むべき男に占領されている。 72 00:09:37,304 --> 00:09:40,975 何を言いやがる! 人の家の敷居を 勝手に またぐんじゃない! 73 00:09:40,975 --> 00:09:45,579 出てけ! 旦那さまが生きていたら さぞ悲しむことでしょう。 74 00:09:45,579 --> 00:09:50,918 お父さまは わたしと一緒に 今でも この屋敷に住んでます。 75 00:09:50,918 --> 00:09:52,920 この屋敷を 守ってくださってます。 76 00:09:52,920 --> 00:09:55,589 そうでしょうか? そうよ。 77 00:09:55,589 --> 00:09:57,925 変な言いがかりは やめてください。 78 00:09:57,925 --> 00:09:59,625 言いがかりでは ありません。 79 00:10:05,933 --> 00:10:09,937 これは お父さまの写真。 80 00:10:09,937 --> 00:10:13,607 裏のゴミ捨て場に 捨ててありましたよ。 81 00:10:13,607 --> 00:10:15,943 お義母さま。 まさか…。 これでも⇒ 82 00:10:15,943 --> 00:10:19,280 旦那さまは悲しんでないと おっしゃるんですか? ひかるさん。 83 00:10:19,280 --> 00:10:23,284 ここまで侮辱されて それでも 大河原に尽くすつもりですか? 84 00:10:23,284 --> 00:10:25,284 恥ずかしいと 思わないんですか? 85 00:10:26,954 --> 00:10:29,623 俺は許せない。 86 00:10:29,623 --> 00:10:33,923 必ず旦那さまの無念を 晴らしてみせます。 87 00:10:46,240 --> 00:10:48,242 母さんなのか? 88 00:10:48,242 --> 00:10:50,911 この写真に こんなことを したのは 母さんなのか!? 89 00:10:50,911 --> 00:10:53,247 だって 薄気味悪いじゃないか。 90 00:10:53,247 --> 00:10:57,585 8年もたつのに 色あせるどころか ますます生き生きしてさ。 91 00:10:57,585 --> 00:11:01,255 何だか 仏壇の中から いつも見られているようで⇒ 92 00:11:01,255 --> 00:11:03,257 気になって しょうがなかったんだよ。 93 00:11:03,257 --> 00:11:07,595 お義母さま。 ひかるに謝れ。 手をついて ひかるに謝れ! 94 00:11:07,595 --> 00:11:11,599 (秀子)アハハハハ。 ハハハハ。 秀子! 何が おかしい! 95 00:11:11,599 --> 00:11:16,937 (秀子)猛さんって すごい人ね。 ほれ直しちゃったわ。 何だと? 96 00:11:16,937 --> 00:11:18,939 (秀子)あの人が 生きて帰って来ただけで⇒ 97 00:11:18,939 --> 00:11:21,942 兄貴も お義姉さまも 母さんまで うろたえちゃって。 98 00:11:21,942 --> 00:11:26,614 今に 大河原家は メチャクチャに されちゃうわね。 秀子! 99 00:11:26,614 --> 00:11:29,283 (秀子)怒らないでね 兄貴。 100 00:11:29,283 --> 00:11:32,620 わたし ますます ほれちゃったわ。 猛さんに。 101 00:11:32,620 --> 00:11:34,288 何っ!? 102 00:11:34,288 --> 00:11:37,291 わたし あの人に ぶたれちゃったのよ。 103 00:11:37,291 --> 00:11:39,293 思い切り強く。 104 00:11:39,293 --> 00:11:43,964 そしたら もっと もっと 好きになっちゃったの!⇒ 105 00:11:43,964 --> 00:11:49,236 ごめんなさいね お義姉さま。 秀子さん。 106 00:11:49,236 --> 00:11:55,242 大河原商会が北西興産と争うなら わたしは北西興産の味方をする。⇒ 107 00:11:55,242 --> 00:11:59,914 兄貴が猛さんと ケンカするなら わたしは猛さんの味方をする! 108 00:11:59,914 --> 00:12:01,582 このバカ! 109 00:12:01,582 --> 00:12:09,882 アハハハハッ。 ハハハハ。 110 00:12:17,932 --> 00:12:19,934 ≪(勇作)片づけたのか? 111 00:12:19,934 --> 00:12:21,934 あなた。 112 00:12:25,272 --> 00:12:28,972 写真のことは 俺が謝る。 許してくれ。 113 00:12:30,945 --> 00:12:35,616 あんな女でも 俺の母親なんだ。 すまなかった。 114 00:12:35,616 --> 00:12:38,953 いいんです もう。 115 00:12:38,953 --> 00:12:42,653 秀子のことだけど 本気だと思うか? 116 00:12:44,625 --> 00:12:47,628 秀子さん わたしに言いました。 117 00:12:47,628 --> 00:12:51,632 昔から 猛のことが 好きだったんです。 118 00:12:51,632 --> 00:12:53,634 だから⇒ 119 00:12:53,634 --> 00:12:58,639 あなたや お義母さまが勧める 縁談に乗り気じゃなかったんです。 120 00:12:58,639 --> 00:13:03,978 もしかしたら 一生 独身を 通したのかもしれません。 121 00:13:03,978 --> 00:13:07,648 秀子のヤツ そこまで猛のことを!? 122 00:13:07,648 --> 00:13:10,651 秀子さんの言うように⇒ 123 00:13:10,651 --> 00:13:15,990 猛のせいで 家族がバラバラに なってしまうのかしら? 124 00:13:15,990 --> 00:13:19,326 そんなことは この俺が させない。 絶対に! 125 00:13:19,326 --> 00:13:22,997 猛は もう昔の猛じゃありません。 126 00:13:22,997 --> 00:13:28,669 戦争が猛を変えてしまったんです。 戦争が…。 127 00:13:28,669 --> 00:13:31,672 ひかる。 誓ってくれ。 128 00:13:31,672 --> 00:13:35,672 俺を 絶対に裏切らないと 誓ってくれ! 129 00:13:37,678 --> 00:13:40,347 わたしは あなたの妻です。 130 00:13:40,347 --> 00:13:42,047 ひかる! 131 00:13:52,993 --> 00:13:56,664 (勇作)ふざけるな! 今更 何を言ってるんだ! 132 00:13:56,664 --> 00:13:59,667 軍需物資を こっちに回す件は ディックと話がついてる。 133 00:13:59,667 --> 00:14:01,335 もう 金だって渡してあるんだ。 134 00:14:01,335 --> 00:14:04,338 (岡本)それが…。 135 00:14:04,338 --> 00:14:07,675 ディックが手付けを 返してきましたんで。 136 00:14:07,675 --> 00:14:09,343 どういうことだ? 137 00:14:09,343 --> 00:14:14,014 札びらで 顔を ひっぱたかれて 寝返ったんですよ。 北西興産に。 138 00:14:14,014 --> 00:14:16,016 北西興産!? 139 00:14:16,016 --> 00:14:20,020 土壇場で 猛のヤツに また ひっくり返されました。 140 00:14:20,020 --> 00:14:22,690 このままじゃ 八方ふさがりですよ。 141 00:14:22,690 --> 00:14:26,694 何とか 手を打たないと。 社長! 142 00:14:26,694 --> 00:14:30,994 分かった。 もういい。 行け。 143 00:14:35,703 --> 00:14:37,703 猛のヤツ! 144 00:14:39,373 --> 00:14:41,073 ≪(友子)あの。 145 00:14:43,310 --> 00:14:46,313 (友子)大河原商会の 社長さんですか? 146 00:14:46,313 --> 00:14:48,313 そうですが? 147 00:14:50,651 --> 00:14:55,322 (友子)あの これ 出版してもらえないでしょうか? 148 00:14:55,322 --> 00:15:00,022 出版? (友子)主人が書いた小説なんです。 149 00:15:02,996 --> 00:15:05,999 「三枝文彦」 150 00:15:05,999 --> 00:15:10,337 それじゃ これ 文彦さんが? (友子)はい。⇒ 151 00:15:10,337 --> 00:15:13,340 昔 大河原さんに お世話になって⇒ 152 00:15:13,340 --> 00:15:16,677 小説を出版してもらったことが あるって 主人が。 153 00:15:16,677 --> 00:15:21,014 文彦さんは? 文彦さんは 一緒じゃないんですか? 154 00:15:21,014 --> 00:15:25,018 顔を合わせるのが 恥ずかしいみたいで。 155 00:15:25,018 --> 00:15:27,018 どこに いるんです? 156 00:15:31,692 --> 00:15:33,992 文彦さん! 157 00:15:36,029 --> 00:15:41,368 (文彦)どうも ごぶさたしてます。 何が ごぶさたです! 158 00:15:41,368 --> 00:15:44,972 ずっと音信不通で。 一体 どこで 何をしてたんですか? 159 00:15:44,972 --> 00:15:47,307 ひかるも お義母さまも 心配してましたよ。 160 00:15:47,307 --> 00:15:49,977 面目ない。 今更 合わせる顔もないよ。 161 00:15:49,977 --> 00:15:51,979 何を言ってるんです。 ああっ! 162 00:15:51,979 --> 00:15:54,648 わたしたちは 義理の兄弟じゃないですか。 163 00:15:54,648 --> 00:15:57,317 相変わらず 強い握手だな。 164 00:15:57,317 --> 00:16:00,654 僕なんか 最近 ろくなもん 食べてないから 力が入らなくて。 165 00:16:00,654 --> 00:16:04,324 こちらは 奥さまですか? (文彦)いや。 籍は まだ。 166 00:16:04,324 --> 00:16:08,724 別に 籍なんて どうでも いいみたいなんだよ。 なあ 友子? 167 00:16:12,666 --> 00:16:15,266 (文彦)何か 食い物ないかい? 168 00:16:17,004 --> 00:16:20,704 知ってたんですか? 猛が生きて帰って来たこと。 169 00:16:22,342 --> 00:16:24,678 (絹)わが目を疑いました。 170 00:16:24,678 --> 00:16:27,681 戦死したものとばかり 思っていましたから。 171 00:16:27,681 --> 00:16:31,018 和尚さまも 大層 喜んでくださって。 172 00:16:31,018 --> 00:16:34,688 しばらく ここに居るようにと 勧めたんですけど⇒ 173 00:16:34,688 --> 00:16:40,360 やるべきことがあると言って。 やるべきこと? 174 00:16:40,360 --> 00:16:46,360 猛は 三枝家を取り戻すと 言ってくれたんです。 175 00:16:48,302 --> 00:16:52,306 もう少しの辛抱だから 迎えに来るまで⇒ 176 00:16:52,306 --> 00:16:56,643 我慢して 待っていてくれと 言ってくれたんです。 177 00:16:56,643 --> 00:17:00,981 それを聞いて 救われた思いがしました。 178 00:17:00,981 --> 00:17:08,322 今まで 何度 お父さまのあとを 追って 死のうと思ったことか。 179 00:17:08,322 --> 00:17:11,658 生きてて ホントに よかった。 180 00:17:11,658 --> 00:17:16,663 猛は もう昔の猛ではありません。 181 00:17:16,663 --> 00:17:20,334 戦争が 猛を すっかり 変えてしまったんです。 182 00:17:20,334 --> 00:17:24,034 変わったのは 猛だけではありませんよ。 183 00:17:28,008 --> 00:17:33,680 お母さま。 わたしのことを おっしゃってるんですか? 184 00:17:33,680 --> 00:17:39,686 ひかるには ひかるの生き方。 猛には 猛の生き方。 185 00:17:39,686 --> 00:17:42,956 皆 それぞれ変わったのです。 186 00:17:42,956 --> 00:17:47,628 いいえ。 変わらなければ 生きていけなかったのです。 187 00:17:47,628 --> 00:17:51,628 別に 誰を責めているわけでも ありませんよ。 188 00:17:53,634 --> 00:17:58,639 でも どんなに生き方が 変わろうとも⇒ 189 00:17:58,639 --> 00:18:02,239 変わらない思いがあるのです。 190 00:18:04,978 --> 00:18:07,981 私が屋敷へ戻らないのも⇒ 191 00:18:07,981 --> 00:18:12,986 8年間 一人で 生きてこられたのも⇒ 192 00:18:12,986 --> 00:18:16,986 大河原に対する怒りと憎しみが あったからこそ! 193 00:18:26,667 --> 00:18:29,002 ごめんなさいね。 194 00:18:29,002 --> 00:18:33,674 こんな惨めな母親の姿を さらけ出して。 195 00:18:33,674 --> 00:18:36,974 自分でも 自分が嫌になります。 196 00:18:38,679 --> 00:18:43,951 愛する娘を 大河原に 嫁にやっておいて⇒ 197 00:18:43,951 --> 00:18:48,622 その大河原を 憎むことしかできない。 198 00:18:48,622 --> 00:18:52,626 そんな自分が 惨めで 悲しくて。 199 00:18:52,626 --> 00:18:55,226 でも どうにもならないの! 200 00:18:59,633 --> 00:19:02,302 許してね。 201 00:19:02,302 --> 00:19:05,302 こんな私を 許してください。 202 00:19:11,645 --> 00:19:15,315 旦那さまが お迎えに来ましたよ。 さあ 帰りなさい。 203 00:19:15,315 --> 00:19:18,986 あなた。 ごきげんよう お義母さま。 204 00:19:18,986 --> 00:19:22,656 今日は うれしい お知らせを 持ってきましたよ。 205 00:19:22,656 --> 00:19:25,993 さあ。 何をしてるんだ。 206 00:19:25,993 --> 00:19:28,996 さあ さあ さあ こちらへ。 ハハハハハッ。 207 00:19:28,996 --> 00:19:31,331 さあ さあ。 ハハハハハッ。 208 00:19:31,331 --> 00:19:34,001 (絹)文彦! お兄さま! 209 00:19:34,001 --> 00:19:38,301 (友子)あなた…。 あなた。 210 00:19:41,341 --> 00:19:44,945 (絹)そこにいるのは 誰です? そんな人は知りませんよ。 211 00:19:44,945 --> 00:19:46,947 お母さま。 212 00:19:46,947 --> 00:19:51,618 帰ってもらってください。 さっさと出て行ってください! 213 00:19:51,618 --> 00:19:54,287 文彦さんを責めないでください。 214 00:19:54,287 --> 00:19:58,291 いい小説を書くまでは 故郷に帰れないって⇒ 215 00:19:58,291 --> 00:20:00,293 一生懸命 頑張ってたんです。⇒ 216 00:20:00,293 --> 00:20:04,631 文彦さん ふるさとのことや 自分の生まれた家のこと⇒ 217 00:20:04,631 --> 00:20:08,635 お父さんや お母さんのことを いつも話してくれました。⇒ 218 00:20:08,635 --> 00:20:11,304 とっても優しい人なんです。⇒ 219 00:20:11,304 --> 00:20:15,308 わたし いろんな男に だまされて 捨てられて⇒ 220 00:20:15,308 --> 00:20:17,310 売られたことだってあります。 221 00:20:17,310 --> 00:20:22,649 でも 文彦さんは わたしのような 女でも そばに置いてくれて。⇒ 222 00:20:22,649 --> 00:20:26,319 お願いです。 許してあげてください。⇒ 223 00:20:26,319 --> 00:20:28,321 お願いします! 224 00:20:28,321 --> 00:20:31,721 よせよ 友子。 みっともない。 もういい。 225 00:20:33,326 --> 00:20:35,662 お前って子は! お前って…! 226 00:20:35,662 --> 00:20:38,331 お義母さま! お義母…。 (絹)触らないでください! 227 00:20:38,331 --> 00:20:41,334 お義母さまは ご気分が すぐれぬようだ。 228 00:20:41,334 --> 00:20:43,270 心配いりませんよ 文彦さん。 229 00:20:43,270 --> 00:20:45,939 文彦さんは 大河原が 面倒 見ましょう。 230 00:20:45,939 --> 00:20:49,276 あなた! (文彦)あっ そうかい? それは助かるな。 231 00:20:49,276 --> 00:20:52,946 ひかる。 僕の部屋 昔のまま ちゃんと残ってるか? 232 00:20:52,946 --> 00:20:56,283 えっ。 ええ。 (文彦)あっ そう。 あっ そう。 233 00:20:56,283 --> 00:20:58,952 じゃ 遠慮なく 世話になるかな。 234 00:20:58,952 --> 00:21:01,621 世話になるなんて 他人行儀なこと 言わないでください。 235 00:21:01,621 --> 00:21:04,958 もともと文彦さんが お生まれに なった 家じゃありませんか。 236 00:21:04,958 --> 00:21:08,962 そうだ。 この際 お義母さまも ご一緒に いかがです? 237 00:21:08,962 --> 00:21:11,298 こうして 家族が そろわれたんだ。 238 00:21:11,298 --> 00:21:14,634 昔のように みんな 仲よく…。 お断りいたします! 239 00:21:14,634 --> 00:21:19,639 そうですか。 残念ですな。 文彦さん。 240 00:21:19,639 --> 00:21:23,977 あいさつも済まれたようですし 参りましょうか。 241 00:21:23,977 --> 00:21:31,977 文彦。 恥ずかしくないんですか? お前は 三枝家の長男なんですよ。 242 00:21:43,597 --> 00:21:45,597 お母さま。 243 00:21:48,935 --> 00:21:52,939 (勇作)なるほど。 文彦さんも いろいろと苦労なさってたわけだ。 244 00:21:52,939 --> 00:21:55,275 いや。 好きな小説を書いてただけです。 245 00:21:55,275 --> 00:21:56,943 苦労したのは こいつだけで。 246 00:21:56,943 --> 00:22:00,614 夫唱婦随ってわけですか。 うらやましい。 ハハハハハ。 247 00:22:00,614 --> 00:22:03,283 僕も こうして ひかるの幸せそうな姿を見て⇒ 248 00:22:03,283 --> 00:22:04,983 ホッとしましたよ。 249 00:22:06,620 --> 00:22:10,920 お兄さまったら。 わたし 本当に心配したんですから。 250 00:22:12,959 --> 00:22:15,295 昔は 三枝の家が どうのこうので⇒ 251 00:22:15,295 --> 00:22:17,297 険悪な空気になったことも あったけど⇒ 252 00:22:17,297 --> 00:22:20,300 戦争に負けてみると 何だか アホくさく思えてね。 253 00:22:20,300 --> 00:22:23,637 全く そのとおりだ。 お互い 昔のことは忘れましょう。 254 00:22:23,637 --> 00:22:25,305 (文彦)ええ。 255 00:22:25,305 --> 00:22:28,308 どうしようもない兄ですけど よろしくお願いします。 256 00:22:28,308 --> 00:22:30,644 わたしのほうこそ。 257 00:22:30,644 --> 00:22:33,980 友子さん。 ご家族は? 258 00:22:33,980 --> 00:22:37,317 空襲で みんな 死んでしまいました。 259 00:22:37,317 --> 00:22:41,321 わたしだけが 勤労動員で 生き残ったんです。 260 00:22:41,321 --> 00:22:44,658 そうだったの。 ごめんなさいね。 261 00:22:44,658 --> 00:22:46,993 何だよ 母さん。 262 00:22:46,993 --> 00:22:51,993 友子さん。 わが家だと 思ってください。 ハハハハ。 263 00:22:54,334 --> 00:22:57,671 (静子)本気で あの二人 同居させるつもりかい? 264 00:22:57,671 --> 00:23:00,674 仮にも文彦は三枝家の長男だ。 265 00:23:00,674 --> 00:23:04,344 猛と対抗するために 飼っておいて 損はない。 266 00:23:04,344 --> 00:23:07,347 同居させるなら それなりのことを してもらわないとね。 267 00:23:07,347 --> 00:23:10,350 あの女には 下働きを してもらうよ。 いいね。 268 00:23:10,350 --> 00:23:12,750 いいよ。 母さんに任せる。 269 00:23:25,031 --> 00:23:28,034 (要助)これって 俺たちの机だって ホントか? 270 00:23:28,034 --> 00:23:30,370 (猛)ああ。 ホントだ。 このアトリエで⇒ 271 00:23:30,370 --> 00:23:33,373 お前たちが いろんなことを 勉強できるようにするんだ 272 00:23:33,373 --> 00:23:35,375 (子供たち)やったー! 273 00:23:35,375 --> 00:23:38,044 手伝うわ 助かります。⇒ 274 00:23:38,044 --> 00:23:40,344 じゃあ ここを 持っててもらえますか? 275 00:23:41,982 --> 00:24:02,002 (ハーモニカ)♪『野ばら』 276 00:24:02,002 --> 00:24:12,679 (ハーモニカ)♪『野ばら』 277 00:24:12,679 --> 00:24:14,681 猛。 278 00:24:14,681 --> 00:24:22,022 (ハーモニカ)♪『野ばら』 279 00:24:22,022 --> 00:24:28,028 <離れ離れになっていた 二人の心が ほんのひととき⇒ 280 00:24:28,028 --> 00:24:35,035 8年前の懐かしい記憶の中で 一つに解け合っていました> 281 00:24:35,035 --> 00:24:46,735 (ハーモニカ)♪『野ばら』 282 00:24:48,648 --> 00:24:52,652 わたしの願いは みんなの幸せなんです。 283 00:24:52,652 --> 00:24:55,322 ひかる。 284 00:24:55,322 --> 00:24:57,324 出てけ! 285 00:24:57,324 --> 00:24:58,992 あなた! 286 00:24:58,992 --> 00:25:01,661 猛のところがいいなら さっさと出て行け! 287 00:25:01,661 --> 00:25:03,663 出てうせろ! 288 00:25:03,663 --> 00:25:12,263 ♪