1 00:00:03,003 --> 00:00:04,939 (稲垣) 思い出した。 富貴子という あなたの名前は→ 2 00:00:05,005 --> 00:00:10,945 私が 付けたんだ。 (富貴子) えっ? 先生が? 3 00:00:11,012 --> 00:00:16,951 (稲垣) そうだ。 そうだった。 4 00:00:17,017 --> 00:00:19,954 (眞澄)《せめて 赤ちゃんの名前を…》→ 5 00:00:20,020 --> 00:00:23,958 《先生が 付けてくださった 赤ちゃんの名前を…》 6 00:00:24,024 --> 00:00:28,963 (稲垣)《そうしよう。 私が 名付け親になろう》 7 00:00:29,029 --> 00:00:32,967 (眞澄)《先生が 好きな 牡丹の花の名前を》 8 00:00:33,033 --> 00:00:35,970 (稲垣)《先方にも そう 言うから。 約束する》 9 00:00:36,036 --> 00:00:38,973 (富貴子) 先生が 名付け親だったんですか? 10 00:00:39,039 --> 00:00:43,978 私の 名付け親? (稲垣) そうなんだよ。→ 11 00:00:44,045 --> 00:00:47,982 私の好きな 牡丹の花に ちなんで。 12 00:00:48,048 --> 00:00:51,986 (富貴子) それで 私を産んだ 母親は? 13 00:00:52,052 --> 00:00:57,992 (稲垣) 確か 高校生だった。 (富貴子) 高校生? 14 00:00:58,058 --> 00:01:02,930 (稲垣) だから とても 子供を 育てることは できない。→ 15 00:01:02,997 --> 00:01:07,935 それで 養子縁組をね。 (富貴子) 誰なんです? 16 00:01:08,002 --> 00:01:11,939 私を産んだ 母親は 今 どこに 住んでるんです? 17 00:01:12,006 --> 00:01:14,942 (稲垣) 待ってなさい。 カルテを 捜してこよう。 18 00:01:15,009 --> 00:01:16,944 (富貴子) あるんですか? そのときの カルテが。 19 00:01:17,011 --> 00:01:19,947 処分したかもしれないが ひょっとしたら→ 20 00:01:20,014 --> 00:01:24,018 残ってるかもしれない。 ここで 待ってなさい。 21 00:02:00,054 --> 00:02:03,924 {\an8}(富貴子) 父さん。 こんなところまで 付き合わせて ごめんね。 22 00:02:03,991 --> 00:02:05,926 {\an8}(峰靖) いや。 何。 どうせ 遊んでんだから。→ 23 00:02:05,993 --> 00:02:07,928 {\an8}これで 富貴子の アイデンティティーが→ 24 00:02:07,995 --> 00:02:11,999 {\an8}確かなものになれば 父さんも ほっとするよ。 25 00:02:15,002 --> 00:02:18,939 {\an8}(富貴子) ねえ。 この住所 この辺りじゃないかしら? 26 00:02:19,006 --> 00:02:21,008 {\an8}(峰靖) 貸してごらん。 27 00:02:24,011 --> 00:02:27,014 {\an8}(峰靖) もう少し 先かな。 28 00:02:31,018 --> 00:02:36,023 {\an8}(富貴子) こんな漁村で 生まれたのね。 私の お母さんは。 29 00:02:41,028 --> 00:02:43,030 {\an8}(峰靖) あっ。 ここだな。 30 00:02:50,037 --> 00:02:52,973 (峰靖) 西山じゃないな。 31 00:02:53,040 --> 00:02:54,975 (富貴子) 西山 眞澄なのよ。 32 00:02:55,042 --> 00:02:57,978 稲垣先生のカルテに あった名前は。 33 00:02:58,045 --> 00:03:00,047 (峰靖) しかし…。 34 00:03:01,982 --> 00:03:04,919 (峰靖) あっ。 ちょいと すいません。→ 35 00:03:04,985 --> 00:03:07,922 こちらの お宅は 西山さんじゃないんですか? 36 00:03:07,988 --> 00:03:11,926 (女性) 以前は 西山だったけどね。 (峰靖) ええ…。 37 00:03:11,992 --> 00:03:14,929 (女性) もう おじいさんも おばあさんも 死んじゃってね。 38 00:03:14,995 --> 00:03:18,933 (峰靖) あっ そうですか。 お亡くなりに なったんですか? 39 00:03:18,999 --> 00:03:22,937 (女性) うちは 西山の遠縁だけど。 何か? 40 00:03:23,003 --> 00:03:25,940 (富貴子) 眞澄さんって方が いらっしゃらなかったでしょうか? 41 00:03:26,006 --> 00:03:27,942 西山さんの お宅に。 (女性) ああ。→ 42 00:03:28,008 --> 00:03:30,945 眞澄は おじいちゃんの 孫だよ。 43 00:03:31,011 --> 00:03:36,951 (富貴子) 私 眞澄さんの 娘なんですけれど。 (女性) えっ? 娘?→ 44 00:03:37,017 --> 00:03:39,954 そしたら おじいさんの ひ孫か? ほう。 45 00:03:40,020 --> 00:03:43,958 (富貴子) あのう。 眞澄さんは 今 どこに いらっしゃるんでしょう? 46 00:03:44,024 --> 00:03:45,960 (女性) もう だいぶ前。→ 47 00:03:46,026 --> 00:03:49,964 おばあさんの葬式んときに 親子で 帰ってきたけどね。 48 00:03:50,030 --> 00:03:52,967 (富貴子) それは いつごろなんですか? 49 00:03:53,033 --> 00:03:55,970 (女性) 5年ぐらい前だね。 あっ。 ほら。 50 00:03:56,036 --> 00:03:57,972 (女性) テレビに 時々 出てた 女優で いたじゃん? 51 00:03:58,038 --> 00:04:01,909 浅黄 萌子っての。 (富貴子) 浅黄 萌子? 52 00:04:01,976 --> 00:04:05,913 (女性) その女優が 眞澄の母親だから。→ 53 00:04:05,980 --> 00:04:08,916 葬式んときは 2人で 帰ってきて→ 54 00:04:08,983 --> 00:04:11,919 まあ 一応 泣いたりしてたけどさ。 ハハハ。 55 00:04:11,986 --> 00:04:14,922 (富貴子) 父さん。 知ってる? 浅黄 萌子って。 56 00:04:14,989 --> 00:04:17,925 (峰靖) 聞いたことが あるような 名前だけどな。 57 00:04:17,992 --> 00:04:19,927 (女性) 最近は テレビにも 出なくなったからね。 58 00:04:19,994 --> 00:04:21,929 もう 売れなくなってんだよ。 59 00:04:21,996 --> 00:04:27,001 (峰靖) 浅黄 萌子…。 調べりゃ 分かる。 60 00:04:32,006 --> 00:04:37,011 富貴子! 富貴子! 61 00:04:45,019 --> 00:04:46,954 (富貴子) 父さん? 62 00:04:47,021 --> 00:04:50,958 大変だ。 富貴子。 これ 見なさい。 63 00:04:51,025 --> 00:04:54,962 (富貴子) えっ? 何? 戸籍謄本? 64 00:04:55,029 --> 00:04:57,965 浅黄 萌子。 本名は 西山 萌子で→ 65 00:04:58,032 --> 00:04:59,967 自由が丘に 住んでる。 66 00:05:00,034 --> 00:05:02,903 偽物の委任状 作って 戸籍謄本 取ったんだ。 67 00:05:02,970 --> 00:05:04,905 そしたら ここ。 68 00:05:04,972 --> 00:05:09,910 長女 眞澄は 26年前に…。 69 00:05:09,977 --> 00:05:13,914 (富貴子) 小日向って人と 結婚してるのね? 70 00:05:13,981 --> 00:05:20,921 ただの 小日向じゃない。 田園調布の 小日向家だ。 71 00:05:20,988 --> 00:05:24,925 (富貴子) 田園調布の 小日向家? 72 00:05:24,992 --> 00:05:29,997 小日向。 小日向…。 73 00:05:34,001 --> 00:05:37,938 (富貴子) 小日向家って まさか あの? 74 00:05:38,005 --> 00:05:39,940 そうだよ。 75 00:05:40,007 --> 00:05:44,945 多摩留が ストーカーになって 放火殺人で 全焼させた家。 76 00:05:45,012 --> 00:05:49,950 その家の 長女 殺して 自分も 焼け死んだ家だ。 77 00:05:50,017 --> 00:05:58,959 その家に お前の母親は 奥さまとして おさまってるんだ。 78 00:05:59,026 --> 00:06:02,896 (富貴子) まさか…。 まさか。 79 00:06:02,963 --> 00:06:04,898 そんな偶然が あるはず ないわよ。 80 00:06:04,965 --> 00:06:11,905 父さんだって まさかと 思ったよ。 だから さらに 調べてみたんだ。 81 00:06:11,972 --> 00:06:13,974 (美輪子)《あっ》 82 00:06:15,976 --> 00:06:18,912 (美輪子)《この シャンデリア キュートで カワイイわ》 83 00:06:18,979 --> 00:06:20,914 《どうかしら?》 84 00:06:20,981 --> 00:06:24,918 (峰靖) 間違いないよ。 娘の方は 美輪子って→ 85 00:06:24,985 --> 00:06:27,921 多摩留が ここに 連れてきた子だし。→ 86 00:06:27,988 --> 00:06:31,925 父さん。 多摩留の遺体を 警察に 取りに行ったときに→ 87 00:06:31,992 --> 00:06:34,928 あの母親にも 会ってる。→ 88 00:06:34,995 --> 00:06:37,998 父さんだって 信じたくはないけど。 89 00:06:41,001 --> 00:06:46,940 どうしようもない 事実なんだよ。 富貴子。 90 00:06:47,007 --> 00:06:53,947 (富貴子) じゃあ 私の母親は…。 妹は…。 91 00:06:54,014 --> 00:07:01,889 母親は 多摩留が 放火殺人を 犯した 小日向家の夫人だ。 92 00:07:01,955 --> 00:07:05,893 妹は 多摩留が ストーカーになって→ 93 00:07:05,959 --> 00:07:12,966 付きまとっていた 相手だ。 認めるしかないんだ。 富貴子。 94 00:07:15,969 --> 00:07:18,906 どう 行き違えたか 知らないけど→ 95 00:07:18,972 --> 00:07:21,909 多摩留は 美輪子って子の 腹違いの姉を ナイフで刺して→ 96 00:07:21,975 --> 00:07:27,915 屋敷に 火 付けて 自分も 死んだんだよ。 97 00:07:27,981 --> 00:07:32,986 殺された姉は ぼたんって名前だそうだ。 98 00:07:34,988 --> 00:07:36,990 (富貴子) ぼたん? 99 00:07:38,992 --> 00:07:43,931 こんな バカな 恐ろしい話…。 100 00:07:43,997 --> 00:07:48,936 運命の いたずらか 何か 知らないけど。 101 00:07:49,002 --> 00:07:56,944 でもな 事実なんだよ。 富貴子。 受け入れるしか ないんだ。 102 00:07:57,010 --> 00:07:58,946 \(戸の開く音) 103 00:07:59,012 --> 00:08:02,883 (伊佐子) ただいま。→ 104 00:08:02,950 --> 00:08:06,887 あれ? あんたたち。 こんなところで 何してんの?→ 105 00:08:06,954 --> 00:08:09,957 電気も つけないでさ。 106 00:08:12,960 --> 00:08:18,899 (伊佐子) どうしたのよ? えっ? 何か あったの?→ 107 00:08:18,966 --> 00:08:21,902 何なのよ? 富貴子。 108 00:08:21,969 --> 00:08:24,972 (伊佐子) どうしたのよ? 109 00:08:33,981 --> 00:08:35,916 (伊佐子) 奇妙きてれつな話だけど→ 110 00:08:35,983 --> 00:08:37,918 どうしようも ないじゃない。 それが 事実ならさ。 111 00:08:37,985 --> 00:08:41,922 (峰靖) 結局 富貴子の アイデンティティーは→ 112 00:08:41,989 --> 00:08:46,927 こういうことだったんだな。 残酷な話だけど。 113 00:08:46,994 --> 00:08:48,929 (伊佐子) そうだよ。 あんたが→ 114 00:08:48,996 --> 00:08:51,932 アイデンチイとか チチイとか 言いだすから→ 115 00:08:51,999 --> 00:08:53,934 こんなことに なっちゃったんじゃないか。→ 116 00:08:54,001 --> 00:08:56,937 何にも 調べないで そっとしておけば よかったのに。 117 00:08:57,004 --> 00:09:02,876 (杉彦) ご飯。 ご飯。 (伊佐子) うるさいね。 待ちなよ。→ 118 00:09:02,943 --> 00:09:06,880 あんたの両親は 私と 父さんなんだからね。→ 119 00:09:06,947 --> 00:09:09,883 もう 余計なことは 考えない方が いいんだよ。→ 120 00:09:09,950 --> 00:09:12,886 赤ん坊のときから ずっと 育ててきて→ 121 00:09:12,953 --> 00:09:15,889 あんたは この うちの子なんだから。→ 122 00:09:15,956 --> 00:09:18,892 ここが あんたの家なんだから。 123 00:09:18,959 --> 00:09:24,898 富貴子。 小日向家には 近寄らない方が いい。 124 00:09:24,965 --> 00:09:26,900 分かってるよな? 125 00:09:26,967 --> 00:09:29,903 (伊佐子) いくら 実の親だからって→ 126 00:09:29,970 --> 00:09:32,906 これじゃ 親子の名乗りなんて できや しないよ。 127 00:09:32,973 --> 00:09:36,910 会ったって ろくなことには ならないんだから。 128 00:09:36,977 --> 00:09:41,982 いいな? 富貴子。 近寄らない方が いいぞ。 129 00:09:41,982 --> 00:10:01,001 ♪~ 130 00:10:01,001 --> 00:10:05,939 (峰靖)《いいな? 富貴子。 近寄らない方が いいぞ》 131 00:10:14,948 --> 00:10:17,951 \(走行音) 132 00:10:24,958 --> 00:10:26,960 (電子音) 133 00:10:28,962 --> 00:10:44,978 ♪~ 134 00:10:44,978 --> 00:10:48,915 (富貴子) あのう。 失礼ですけれど。 (眞澄) はい。 135 00:10:48,982 --> 00:10:52,919 (富貴子) こちらさまの門の前に これが 落ちてましたの。 136 00:10:52,986 --> 00:10:56,923 もしかして お宅さまの どなたかの? 137 00:10:56,990 --> 00:10:59,926 (眞澄) 違うと 思いますわ。 138 00:10:59,993 --> 00:11:03,864 (富貴子) そうですか。 失礼いたしました。 139 00:11:03,930 --> 00:11:05,932 (眞澄) いいえ。 どういたしまして。 140 00:11:05,932 --> 00:11:33,960 ♪~ 141 00:11:33,960 --> 00:11:35,896 \(笑い声) 142 00:11:35,962 --> 00:11:37,898 \(杉彦) おいしい。 \(伊佐子) おいしい? よかった。 143 00:11:37,964 --> 00:11:39,900 \(峰靖) 杉彦。 早く 食べなさい。 \(伊佐子) はーい。 豚肉→ 144 00:11:39,966 --> 00:11:41,968 入ったよ。 (杉彦) もっと もっと もっと…。 145 00:11:43,970 --> 00:11:45,906 (伊佐子) あら。 おかえり。 (峰靖) おかえり。 146 00:11:45,972 --> 00:11:49,910 (伊佐子) どうだったの? (富貴子) 別に。 147 00:11:49,976 --> 00:11:51,912 (伊佐子) ネイルの店の 貸店舗→ 148 00:11:51,978 --> 00:11:54,915 探しに 行ってたんじゃ なかったの? 149 00:11:54,981 --> 00:11:57,918 (富貴子) ああ。 物件を 当たってみたんだけど→ 150 00:11:57,984 --> 00:11:59,920 ぴったりしたものが なくって。 151 00:11:59,986 --> 00:12:02,856 (伊佐子) 場所を 選ぶからね。 そういう店は。 152 00:12:02,923 --> 00:12:04,858 (富貴子) 帯に短し たすきに長しで。 153 00:12:04,925 --> 00:12:06,860 (峰靖) まあ ゆっくり 探せば いいよ。 154 00:12:06,927 --> 00:12:09,863 あんたも 食べなさい。→ 155 00:12:09,930 --> 00:12:13,867 ちょっと 杉彦。 姉ちゃんに 場所 空けてやりな。 156 00:12:13,934 --> 00:12:16,870 (峰靖) ほれ。 これ 見てごらん。 富貴子。→ 157 00:12:16,937 --> 00:12:18,872 めんどくさい 裁判は もう 終わったよ。 158 00:12:18,939 --> 00:12:20,874 (富貴子) えっ。 何? 159 00:12:20,941 --> 00:12:23,877 (峰靖) あの 3億円の 賠償金の裁判だ。→ 160 00:12:23,944 --> 00:12:27,881 小日向家が 突然 告訴を 取り下げてきたんだよ。 161 00:12:27,948 --> 00:12:30,884 (富貴子) 告訴 取り下げですって? 162 00:12:30,951 --> 00:12:33,954 (峰靖) 今日 その通達が 裁判所から 来た。 163 00:12:35,956 --> 00:12:40,894 (富貴子) そうだったの。 小日向家が 告訴 取り下げ…。 164 00:12:40,961 --> 00:12:44,898 ああ。 これで 頭痛の種が 飛んでったよね。 165 00:12:44,965 --> 00:12:48,902 めでたし めでたしよ。 (杉彦) めでたし めでたし。 166 00:12:48,969 --> 00:12:53,907 これで どうにか 地獄に落ちなくて 済んだんだ。 167 00:12:53,974 --> 00:12:56,910 あっ。 でも どういう 風の吹き回しなのかね? 168 00:12:56,977 --> 00:12:59,913 あちらは どうして 急に 取り下げる気に なったんだか。 169 00:12:59,980 --> 00:13:02,849 いやぁ。 よく分からんけどな。 170 00:13:02,916 --> 00:13:06,853 (富貴子) 私たちに対する 仏心かもしれないわ。 171 00:13:06,920 --> 00:13:08,855 仏心? 172 00:13:08,922 --> 00:13:12,859 (富貴子) 小日向家って どうせ お金は 有り余ってる 家なんでしょ? 173 00:13:12,926 --> 00:13:14,861 施し物でも するつもりで→ 174 00:13:14,928 --> 00:13:16,863 告訴を 取り下げたんじゃないかしら。 175 00:13:16,930 --> 00:13:19,866 でも それだって ありがたい話よ。→ 176 00:13:19,933 --> 00:13:23,870 この店だって 売らずに 済むんだから。→ 177 00:13:23,937 --> 00:13:27,874 キムチ キムチ。 豚肉キムチ。 (杉彦) キムチ。 豚肉キムチ。 178 00:13:27,941 --> 00:13:30,877 (伊佐子) はい。 どんどん お食べ。 (杉彦) ありがとう。 いただきます。 179 00:13:30,944 --> 00:13:32,946 (伊佐子) あんたも ほら。 豚肉。 肉 入ってる? はいよ。 180 00:13:37,017 --> 00:13:38,952 (崑一) この家の この壁に→ 181 00:13:39,019 --> 00:13:41,955 富貴長春図を どうしても 飾りたかった。 ハハハ。 182 00:13:42,022 --> 00:13:44,958 (萌子) 本当に この絵だけが 焼け残っていたなんて→ 183 00:13:45,025 --> 00:13:46,960 奇跡としか いえないわ。 184 00:13:47,027 --> 00:13:50,964 (崑一) そのとおりです。 まさに 奇跡だ。 185 00:13:51,031 --> 00:13:53,967 (崑一) ぼたんも 喜んでいてくれるだろう。 186 00:13:54,034 --> 00:13:56,970 薔薇と 一緒に こうして 咲き誇って。 187 00:13:57,037 --> 00:14:01,975 なあ? 美輪子。 (美輪子) そりゃ 私も うれしいけど。 188 00:14:02,042 --> 00:14:04,978 (崑一) えっ? うれしいけど 何だね? 189 00:14:05,045 --> 00:14:10,984 (美輪子) うれしいわ。 それだけです。 >> うん。 だったら いい。 190 00:14:11,051 --> 00:14:13,987 (眞澄) みんな こちらに 来ない? (崑一) うん? あっ。 191 00:14:14,054 --> 00:14:16,990 (美輪子) 準備が できたようよ。 おばあちゃま。 192 00:14:17,057 --> 00:14:20,060 (萌子) ホントに 私まで お招きにあずかって。 193 00:14:23,063 --> 00:14:25,999 (萌子) ねえ。 この テーブルも 新しくしたの? 194 00:14:26,066 --> 00:14:28,001 (眞澄) だって 以前の家具は 焼けてしまって→ 195 00:14:28,068 --> 00:14:31,004 何 一つ 残ってないんだもの。 196 00:14:31,071 --> 00:14:33,940 (萌子) 本当に おめでとうございます。 197 00:14:34,007 --> 00:14:37,944 (萌子) こんな いいところに 家を買って 引っ越してこられて→ 198 00:14:38,011 --> 00:14:40,947 新しい家具に 囲まれて 暮らせるなんて。 199 00:14:41,014 --> 00:14:44,951 あんた 最高の幸せよ。 (眞澄) そうね。 200 00:14:45,018 --> 00:14:46,953 (萌子) 崑一さんに 感謝なさいよ? 201 00:14:47,020 --> 00:14:48,955 (眞澄) もちろん 感謝してますよ。 202 00:14:49,022 --> 00:14:54,961 (崑一) 心機一転 家族で出直すには ぴったりの家だ。 203 00:14:55,028 --> 00:14:57,964 (美輪子) おばあちゃま。 後で 私の部屋も 見に いらっしゃいよ。 204 00:14:58,031 --> 00:14:59,966 (萌子) ああ。 見せてね。 205 00:15:00,033 --> 00:15:01,968 こんな いいところに いると→ 206 00:15:02,035 --> 00:15:04,971 もう マンションなんかに 帰りたくなくなっちゃうわ。 207 00:15:05,038 --> 00:15:06,973 (崑一) いいですよ。 お母さんが 一緒に 暮らせるぐらいの スペース→ 208 00:15:07,040 --> 00:15:08,975 まだ 余裕が ありますからね。 (萌子) まあ! 209 00:15:09,042 --> 00:15:11,978 (眞澄) 駄目よ あなた。 そんなこと おっしゃっちゃ。 210 00:15:12,045 --> 00:15:14,981 この老女優。 本気にして 転がり込んじゃうじゃないの。 211 00:15:15,048 --> 00:15:18,985 あら。 老女優で 悪うござんした。 212 00:15:19,052 --> 00:15:23,990 (崑一) ああ…。 まあ 色々あっても→ 213 00:15:24,057 --> 00:15:25,992 こうして 家族が 一緒に 暮らせるのだから→ 214 00:15:26,059 --> 00:15:28,995 よしと しなければね。→ 215 00:15:29,062 --> 00:15:30,997 いやぁ。 ついでと言っちゃ 何だが→ 216 00:15:31,064 --> 00:15:33,933 損害賠償の裁判も→ 217 00:15:34,000 --> 00:15:36,936 もう 打ち切りの処置を 済ませたよ。 218 00:15:37,003 --> 00:15:41,941 (眞澄) じゃあ やはり 告訴を 取り下げたんですの? 219 00:15:42,008 --> 00:15:44,945 (崑一) これ以上 ずるずる 引っ張りたくなかった。 220 00:15:45,011 --> 00:15:48,948 (美輪子) パパ。 私も その方が…。 221 00:15:49,015 --> 00:15:51,951 パパの おおらかな 気持ちが うれしいわ。 222 00:15:52,018 --> 00:15:54,955 >> 分かってる。 (眞澄) でも そのことで 私→ 223 00:15:55,021 --> 00:15:57,957 二子玉川の ママから 散々 嫌みを 言われて。 224 00:15:58,024 --> 00:16:01,961 (美輪子) いいじゃないの。 お母さん。 もう その話は よして。 225 00:16:02,028 --> 00:16:03,963 (眞澄) そうね。 やめましょう。 226 00:16:04,030 --> 00:16:06,966 (美輪子) 私 うちの ローズカフェを 何とかしたいな。 227 00:16:07,033 --> 00:16:08,968 (崑一) うん? 何とかって 美輪子が→ 228 00:16:09,035 --> 00:16:10,970 手伝ってくれるって いうんなら いつだって。 229 00:16:11,037 --> 00:16:14,974 (美輪子) 手伝うんじゃないのよ。 積極的に 経営に参加したいの。 230 00:16:15,041 --> 00:16:18,979 (崑一) ほう。 これは また。 231 00:16:19,045 --> 00:16:21,981 (美輪子) パパは 従業員任せにして 放りっ放しにして→ 232 00:16:22,048 --> 00:16:24,984 ほとんど マンネリ化してるわ。 もっと 工夫をすれば→ 233 00:16:25,051 --> 00:16:27,987 すてきな空間を つくりだすことが できるのに→ 234 00:16:28,054 --> 00:16:30,990 今の状態は ありきたりのカフェと 変わりないでしょう? 235 00:16:31,057 --> 00:16:33,993 せっかく 薔薇園の中にある カフェなのに→ 236 00:16:34,060 --> 00:16:37,998 その特徴も 生かせず 死んでるようなものだわ。 237 00:16:38,064 --> 00:16:41,000 薔薇にちなんだ 様々な イベントを 考案して→ 238 00:16:41,067 --> 00:16:44,003 季節ごとに 情報を 発信していけば→ 239 00:16:44,070 --> 00:16:48,008 もっと 若い人たちを 引き付けることが できるのに。 240 00:16:48,074 --> 00:16:53,013 (崑一) いや。 うん。 しかし 経営に参加とか 言ったって…。→ 241 00:16:53,079 --> 00:16:56,015 美輪子。 女子大の方は? (美輪子) いいのよ。 242 00:16:56,082 --> 00:17:01,020 大学は 大学。 仕事は 仕事です。 私に できる→ 243 00:17:01,087 --> 00:17:06,025 何か 生きがいに なるものが 欲しいのよ。 244 00:17:06,092 --> 00:17:09,028 >> なるほどね。 (美輪子) パパ。 245 00:17:09,095 --> 00:17:13,099 私に ローズカフェを 任せてくださらないかしら? 246 00:17:13,099 --> 00:17:30,116 ♪~ 247 00:17:45,064 --> 00:17:50,069 \♪(ピアノの演奏) 248 00:17:50,069 --> 00:18:04,083 ♪~ 249 00:18:04,083 --> 00:18:08,021 (明子) いいわね。 このカフェ。 とっても エレガントで。 250 00:18:08,087 --> 00:18:12,025 (美輪子) 毎週 木曜日に 私が ピアノを弾くわ。 251 00:18:12,092 --> 00:18:15,028 あなたたち お友達を 引っ張ってきてね。 252 00:18:15,094 --> 00:18:17,030 (遥香) ボーイフレンドと 来ようかしら。→ 253 00:18:17,096 --> 00:18:19,032 デートの場所に ぴったりじゃない? 254 00:18:19,098 --> 00:18:24,103 (美輪子) ぜひ お連れあそばせ。 せいぜい ムードづくりを しますからね。 255 00:18:27,106 --> 00:18:31,111 (美輪子) 皆さん。 どうぞ ローズヒップティーを 召し上がれ。 256 00:18:38,051 --> 00:18:43,056 (冬美) わあ。 いい香り。 (遥香) ホントだ。 257 00:18:46,059 --> 00:18:51,064 ♪(演奏) 258 00:18:51,064 --> 00:19:42,048 ♪~ 259 00:19:42,048 --> 00:19:47,987 (富貴子) 奇麗な メロディーですのね。 何て歌なんです? 260 00:19:48,054 --> 00:19:50,990 (美輪子)“牡丹と薔薇”って 歌です。 261 00:19:51,057 --> 00:19:56,062 (富貴子)“牡丹と薔薇”? そんな歌が あるんですの? 262 00:19:58,064 --> 00:20:01,000 (美輪子) ずいぶん前から 歌われてるんですよ。 263 00:20:01,067 --> 00:20:06,005 どこかの国の 古い民謡に 誰かが 歌詞を つけたそうですわ。 264 00:20:06,072 --> 00:20:13,079 歌ってあげましょうか? (富貴子) あら。 ぜひ どうぞ。 265 00:20:15,081 --> 00:20:19,018 ♪(ピアノの演奏) 266 00:20:19,085 --> 00:20:29,028 ♪「牡丹と薔薇は (美輪子) どちらが 綺麗」 267 00:20:29,095 --> 00:20:39,973 ♪「色 鮮やかに 咲き乱れるよ」 268 00:20:40,039 --> 00:20:49,983 ♪「牡丹と薔薇は どちらが 幸せ」 269 00:20:50,049 --> 00:20:58,992 ♪「春を競って 香り はなつよ」 270 00:20:59,058 --> 00:21:09,002 ♪「牡丹は 牡丹さ 薔薇は 薔薇だよ」 271 00:21:09,068 --> 00:21:19,012 ♪「でも ひとりでは 生きてゆけない」 272 00:21:19,078 --> 00:21:27,086 ♪「生きてゆけない」 273 00:21:27,086 --> 00:21:41,034 ♪~ 274 00:21:41,034 --> 00:21:42,969 (美輪子) あのう。 275 00:21:43,036 --> 00:21:44,971 (富貴子) ごめんなさい。 276 00:21:45,038 --> 00:21:51,978 あんまり 切なく 胸に迫る歌なので。 277 00:21:52,045 --> 00:21:55,982 (美輪子) あのう。 あなたは? 278 00:21:56,049 --> 00:22:00,053 (富貴子) どうかしてるわね。 私って。 突然 泣いたりして。 279 00:22:04,057 --> 00:22:06,993 (富貴子) 失礼するわ。 280 00:22:07,060 --> 00:22:09,062 (美輪子) あのう…。 281 00:22:12,065 --> 00:22:14,067 \(ドアの閉まる音)