1 00:00:03,003 --> 00:00:04,939 (萌子) 間違いないわよ。 この子は あんたの子よ。→ 2 00:00:05,005 --> 00:00:06,941 あんたが 稲垣先生に 名前を付けてもらって→ 3 00:00:07,008 --> 00:00:08,943 養子に出した 富貴子なのよ。 4 00:00:09,009 --> 00:00:16,951 (美輪子) 富貴子は 私の 本当の お姉ちゃま? 5 00:00:17,017 --> 00:00:20,955 私たちは 牡丹と薔薇の 姉妹なの。 6 00:00:21,021 --> 00:00:26,961 ぼたんが 死んでも こうして 姉妹で いられるなんて→ 7 00:00:27,027 --> 00:00:29,964 何て 不思議な 巡り合わせなのかしら。 8 00:00:30,030 --> 00:00:34,969 (富貴子) 一緒に? 一緒に 住むって お宅に? 9 00:00:35,036 --> 00:00:37,972 (美輪子) そうよ。 小日向家の 家族になって→ 10 00:00:38,039 --> 00:00:39,974 一つ屋根の下で 暮らすのよ。 11 00:00:40,040 --> 00:00:41,976 (峰靖) 危なかったんだよ。→ 12 00:00:42,042 --> 00:00:43,978 向こうが 気付かなかったから よかったようなもんだけど。 13 00:00:44,045 --> 00:00:46,981 (伊佐子) 何も わざわざ 一番 危険なところに行って→ 14 00:00:47,048 --> 00:00:48,983 地雷を 踏むような まね しなくたって。 15 00:00:49,049 --> 00:00:50,985 (富貴子) 名乗るつもりは なかったのよ。 16 00:00:51,051 --> 00:00:55,990 でも 半年して 向こうの方から 私を 捜し当てたの。 17 00:00:56,057 --> 00:00:57,992 (伊佐子) あの女さえ いなけりゃ→ 18 00:00:58,058 --> 00:00:59,994 多摩留は 死ななくても 済んだんだよ? 19 00:01:00,060 --> 00:01:04,932 (富貴子) だって 私にとっちゃ 妹は 妹です。 20 00:01:04,999 --> 00:01:10,938 (美輪子) どうして うちに来てくれないの? なぜ 一緒に 住んでくれないの? 21 00:01:11,005 --> 00:01:14,008 どうして 富貴子! 22 00:01:42,036 --> 00:01:58,052 ♪~ 23 00:01:58,052 --> 00:02:03,924 {\an8}(美輪子) ここよ。 お姉ちゃま。 ここが 小日向家。 24 00:02:03,991 --> 00:02:05,993 {\an8}あなたの家よ。 25 00:02:11,999 --> 00:02:14,935 {\an8}(眞澄) もし 富貴子に お会いになって→ 26 00:02:15,002 --> 00:02:17,938 {\an8}あなたの 気に入らなければ 正直に そう おっしゃってね。→ 27 00:02:18,005 --> 00:02:21,942 {\an8}私は 別に 押し付けるつもりは ないんです。 28 00:02:22,009 --> 00:02:23,944 {\an8}(崑一) 何を バカなこと 言ってんだ?→ 29 00:02:24,011 --> 00:02:25,946 {\an8}お前の 産んだ子じゃないか。→ 30 00:02:26,013 --> 00:02:27,948 {\an8}そんな言い方をしちゃ かわいそうだろう? 31 00:02:28,015 --> 00:02:29,950 (眞澄) だって 何だか 自信が 持てないんですもの。 32 00:02:30,017 --> 00:02:34,955 (崑一) ハハハ。 楽しみにしてるんだよ 私は。 33 00:02:35,022 --> 00:02:37,958 (崑一) 美輪子も 慕ってるようだしね。 34 00:02:38,025 --> 00:02:41,028 (眞澄) でも 何だか…。 \(ドアの閉まる音) 35 00:02:43,030 --> 00:02:45,966 (眞澄) 来たようだわ。 >> うん。 36 00:02:46,033 --> 00:02:49,970 (美輪子) さあ どうぞ。 お姉ちゃま。 よく いらっしゃいました。 37 00:02:50,037 --> 00:02:54,975 お上がりあそばして。 (富貴子) いいのかしら? 私。 38 00:02:55,042 --> 00:02:56,977 (美輪子) いまさら 何を 言ってるのよ? 39 00:02:57,044 --> 00:02:58,979 今日は パパも 会社が お休みだから→ 40 00:02:59,046 --> 00:03:03,918 朝から あなたが来るのを 今か 今かと 待ってるのよ。 41 00:03:03,984 --> 00:03:05,986 (富貴子) 失礼します。 42 00:03:10,991 --> 00:03:13,928 (富貴子) ご立派な お宅ね。 43 00:03:13,994 --> 00:03:17,932 何だか ハリウッドの映画に 出てくるみたいだわ。 44 00:03:17,998 --> 00:03:21,001 (美輪子) どうぞ。 こっちよ。 45 00:03:26,006 --> 00:03:30,945 (美輪子) パパ。 こちらが 富貴子よ。 お姉ちゃまよ。 46 00:03:31,011 --> 00:03:35,950 (富貴子) 富貴子です。 お初に お目にかかります。 47 00:03:36,016 --> 00:03:39,019 どうか よろしく お願いいたします。 48 00:03:42,022 --> 00:03:46,961 (眞澄) よく来たわね。 (富貴子) 先日は 失礼しました。 49 00:03:47,027 --> 00:03:49,964 (眞澄) どうぞ。 お掛けなさいな。 50 00:03:50,030 --> 00:03:55,970 あっ。 さあさあ。 座って。 座って。 楽にして。 51 00:03:56,036 --> 00:04:01,041 (美輪子) お姉ちゃま。 あなたは ここよ。 (富貴子) どうも。 52 00:04:06,981 --> 00:04:12,987 (眞澄) お好みで お砂糖と レモンをね。 (富貴子) ありがとうございます。 53 00:04:14,989 --> 00:04:20,928 ああ…。 富貴子さん。 アメリカ留学 してたんだってね? 54 00:04:20,995 --> 00:04:25,933 (富貴子) はい。 最初は 単純な 語学留学だったんですけど→ 55 00:04:26,000 --> 00:04:27,935 2年間は 好きな 美容部門に。 56 00:04:28,002 --> 00:04:33,941 >> ああ…。 声までが 似てるね。 (富貴子) はっ? 57 00:04:34,008 --> 00:04:37,945 ああ。 いや。 美輪子の言うとおりだ。 58 00:04:38,012 --> 00:04:41,949 どういうわけか 私の娘に…。 (美輪子) でしょう? パパ。 59 00:04:42,016 --> 00:04:43,951 亡くなった ぼたんの 生まれ変わりだって→ 60 00:04:44,018 --> 00:04:49,957 言ったとおりでしょう? >> 何だか 不思議な気がするね。 61 00:04:50,024 --> 00:04:54,028 そこはかとなく ぼたんが 目の前に 座っているような。 62 00:04:56,030 --> 00:05:01,902 生き返ってきたような。 (美輪子) あっ。 パパ。 泣いてる。 63 00:05:01,969 --> 00:05:07,908 >> ねえ。 そうは 思わないかね? (眞澄) そんなに 似てるかしら? 64 00:05:07,975 --> 00:05:10,911 ぼたんとは 血のつながりが ないんですからね。 65 00:05:10,978 --> 00:05:14,915 似ている方が おかしいわ。 66 00:05:14,982 --> 00:05:16,917 いや。 しかし 分かるよ。 美輪子が→ 67 00:05:16,984 --> 00:05:19,920 「お姉ちゃま。 お姉ちゃま」って 恋い慕いたくなる 気持ちが。 68 00:05:19,987 --> 00:05:23,924 (美輪子) だから この家に 来なくちゃ いけないのよ。 69 00:05:23,991 --> 00:05:27,928 私たちは 一緒に 住むべき 運命なのよ。 70 00:05:27,995 --> 00:05:31,932 そりゃ 2人は 実の姉妹なんだから。 71 00:05:31,999 --> 00:05:33,934 (美輪子) いいでしょう? パパ。 72 00:05:34,001 --> 00:05:35,936 富貴子が この家に 引っ越してきても。 73 00:05:36,003 --> 00:05:40,941 ああ。 パパも それを 望むよ。 もう にぎやかになって 結構だ。 74 00:05:41,008 --> 00:05:44,945 (美輪子) うわぁ! 富貴子。 パパの お許しが出たわ。 75 00:05:45,012 --> 00:05:50,951 お姉ちゃま。 一緒に 住めるのよ。 (富貴子) でも…。 でも 美輪ちゃん。 76 00:05:51,018 --> 00:05:53,954 (美輪子) 嫌 嫌。 ここは お姉ちゃまの家なのよ。 77 00:05:54,021 --> 00:05:55,956 美輪子も こう 言ってるんだから→ 78 00:05:56,023 --> 00:05:59,960 遠慮せずに こっちへ いらっしゃい。 うん。 79 00:06:00,027 --> 00:06:01,895 (富貴子) ありがとうございます。 80 00:06:01,962 --> 00:06:05,899 でも いきなり 私みたいな 大きな娘が…。 81 00:06:05,966 --> 00:06:07,901 >> 何を言って…。 (眞澄) そうね。 82 00:06:07,968 --> 00:06:11,905 あなたと 一緒に 暮らしたいのは やまやまなんだけど。 83 00:06:11,972 --> 00:06:15,909 でも 25歳っていえば それなりの 人生体験も あるんだし。 84 00:06:15,976 --> 00:06:18,912 どうしたんだ? 眞澄。 85 00:06:18,979 --> 00:06:20,914 失われた ぼたんの代わりに→ 86 00:06:20,981 --> 00:06:22,916 富貴子って娘が 戻ってきてくれたんだ。 87 00:06:22,983 --> 00:06:27,921 おい。 元のように 4人で 一緒に 暮らして 何が悪い? 88 00:06:27,988 --> 00:06:30,924 いいじゃないか。 私は 大歓迎だ。 89 00:06:30,991 --> 00:06:33,927 いやぁ。 うれしいよ。 90 00:06:33,994 --> 00:06:36,930 ホントに ぼたんの 生まれ変わりのような気がしてる。 91 00:06:36,997 --> 00:06:42,936 (眞澄) あなた。 あなたが そう 言ってくださると 私も。 92 00:06:43,003 --> 00:06:45,939 迷うことは ないよ。 富貴子さん。 93 00:06:46,006 --> 00:06:49,943 ここが 自分の家だと 思ってね 引っ越してきなさい。 94 00:06:50,010 --> 00:06:52,946 (美輪子) そうよ。 マンションの 一人暮らしなんて 意味ないわよ。 95 00:06:53,013 --> 00:06:55,949 さっさと 引き払っちゃいなさいよ。 96 00:06:56,016 --> 00:06:59,953 今日から 小日向家の 家族の 一員だ。 97 00:07:00,020 --> 00:07:03,891 富貴子さん。 そのつもりでね。 98 00:07:03,957 --> 00:07:07,895 (美輪子) パパ。 「富貴子さん」だなんて 他人行儀に 呼ばないでよ。 99 00:07:07,961 --> 00:07:14,902 自分の娘なのよ? >> ハハハ。 分かってる。 100 00:07:14,968 --> 00:07:17,971 富貴子だ。 ハハハ。 101 00:07:19,973 --> 00:07:24,912 富貴子は ぼたん。 ああ。 ぼたんは 富貴子だ。 102 00:07:24,978 --> 00:07:26,980 そうだろう? 103 00:07:34,988 --> 00:07:37,925 この絵が 奇跡のように 燃え残ったのも→ 104 00:07:37,991 --> 00:07:39,927 そういう 意味なんだ。 105 00:07:39,993 --> 00:07:41,929 ぼたんは 死んだけど→ 106 00:07:41,995 --> 00:07:44,932 ぼたんの 分身のような 富貴子が 帰ってきてくれた。 107 00:07:44,998 --> 00:07:48,936 だから ぼたんは 死にやしなかった。 ハハハ。 108 00:07:49,002 --> 00:07:51,004 (眞澄) あなた。 >> うん。 109 00:07:53,006 --> 00:07:58,011 (美輪子) そうよ。 ぼたんは 生きてるの。 110 00:08:01,014 --> 00:08:06,887 (美輪子) 私は 薔薇。 富貴子は 牡丹。 111 00:08:06,954 --> 00:08:11,892 いつまでも 美しく 華麗に 咲き誇るんだわ。 112 00:08:11,959 --> 00:08:15,896 ねっ? お姉ちゃま。 113 00:08:15,963 --> 00:08:21,969 (富貴子) ええ…。 ええ。 114 00:08:21,969 --> 00:08:47,995 ♪~ 115 00:08:47,995 --> 00:08:52,933 (美輪子) ここが 私の部屋よ。 (富貴子) すてきね。 116 00:08:53,000 --> 00:08:55,002 (美輪子) こっちへ 来て。 117 00:08:55,002 --> 00:09:12,953 ♪~ 118 00:09:12,953 --> 00:09:15,889 (崑一) これ。 お肉 好きかね? うん? 119 00:09:15,956 --> 00:09:17,891 (富貴子) 豪華な お食事で…。 120 00:09:17,958 --> 00:09:19,893 (崑一) ああ そうか。 よかった。 ハハハ。 121 00:09:19,960 --> 00:09:21,962 (美輪子) ほら。 122 00:09:21,962 --> 00:09:32,973 ♪~ 123 00:09:36,977 --> 00:09:38,912 (美輪子) じゃあ このサロンとも お別れね。 富貴子。 124 00:09:38,979 --> 00:09:43,917 (富貴子) そう 簡単には いかないわ。 この仕事が 私の収入源なんだし。 125 00:09:43,984 --> 00:09:48,922 (美輪子) バカね。 お小遣いなら パパが いくらでも くれるわよ。 126 00:09:48,989 --> 00:09:51,925 (富貴子) あなたと違って 私は 二十歳すぎから→ 127 00:09:51,992 --> 00:09:53,927 自分で 自分の身を 養ってきたのよ。 128 00:09:53,994 --> 00:09:56,930 (美輪子) だから もう そんな苦労は しなくても いいの。 129 00:09:56,997 --> 00:10:00,934 うちに 引っ越してきさえすれば 私たち 2人の→ 130 00:10:01,001 --> 00:10:04,871 天国のような 暮らしが 待ってるのよ。 131 00:10:04,938 --> 00:10:06,873 (富貴子) 美輪ちゃんって 本当に お嬢さまね。 132 00:10:06,940 --> 00:10:10,877 (美輪子) 言っときますけど 荷物は 何も 持たないで 来てね。 133 00:10:10,944 --> 00:10:12,879 いい? 134 00:10:12,946 --> 00:10:15,882 (富貴子) 言われなくても アメリカに 何もかも 置いてきたから→ 135 00:10:15,949 --> 00:10:17,884 身の回りのものしか ないのよ。 136 00:10:17,951 --> 00:10:19,886 (美輪子) ああ。 お姉ちゃま。 137 00:10:19,953 --> 00:10:22,889 これから 2人で どんなに 晴れやかで→ 138 00:10:22,956 --> 00:10:25,892 美しい日々を 過ごせるんでしょう? 139 00:10:25,959 --> 00:10:30,897 考えるだけで うっとりしちゃう。 140 00:10:30,964 --> 00:10:33,967 (富貴子) 美輪ちゃんったら。 141 00:10:35,969 --> 00:10:38,905 (峰靖) どうしても 行くっていうんなら→ 142 00:10:38,972 --> 00:10:41,908 親子の縁 切って 行くしかない。→ 143 00:10:41,975 --> 00:10:44,911 富貴子。 そのつもりで いるんだな? 144 00:10:44,978 --> 00:10:48,915 (富貴子) そんな気持ちは ありません。 きっと また 戻ってきます。 145 00:10:48,982 --> 00:10:51,918 (峰靖) でも 先方には 俺たちのことを→ 146 00:10:51,985 --> 00:10:55,922 何と言ってあるんだい? (富貴子) 亡くなったって。 147 00:10:55,989 --> 00:10:59,926 えっ!? 死んだことに なってんのか? 148 00:10:59,993 --> 00:11:03,864 2人とも? (富貴子) 申し訳ないけど。 149 00:11:03,930 --> 00:11:08,869 (伊佐子) へえー。 私たちは 死んだ? 150 00:11:08,935 --> 00:11:12,873 じゃあ 私たち 親子の縁は 奇麗に 切れてるってわけだ。 151 00:11:12,939 --> 00:11:16,877 すっきりしたもんじゃないの。 育ての親が 死んで→ 152 00:11:16,943 --> 00:11:19,880 生みの親の元に 戻っていくってんだから。 153 00:11:19,946 --> 00:11:21,882 (富貴子) ごめんなさい。 あちらには→ 154 00:11:21,948 --> 00:11:23,884 そう 言うより しかたが なかったの。 155 00:11:23,950 --> 00:11:28,889 まあ 多摩留のことが バレないためにも その方がな。 156 00:11:28,955 --> 00:11:32,893 \(ふすまが開く音) (杉彦) 姉ちゃん。 どこ 行くの? 157 00:11:32,959 --> 00:11:34,895 (富貴子) ちょっとね。 158 00:11:34,961 --> 00:11:38,899 杉ちゃん。 しばらく 帰れないけど。 159 00:11:38,965 --> 00:11:42,903 (杉彦) アメリカ? (富貴子) そんなに 遠くじゃないわ。 160 00:11:42,969 --> 00:11:46,907 (伊佐子) 私たちに 育てられた恩も 忘れて→ 161 00:11:46,973 --> 00:11:49,910 立派な豪邸に 住んで いい暮らしを して。→ 162 00:11:49,976 --> 00:11:52,913 ハッ。 どうせ お嬢さま扱いなんだろうね。 163 00:11:52,979 --> 00:11:55,916 (富貴子) 何も ぜいたくを したいわけじゃないわ。 164 00:11:55,982 --> 00:11:58,919 ただ しがらみってものが あるのよ。 165 00:11:58,985 --> 00:12:01,855 しがらみだって? 笑わせんじゃないよ。 166 00:12:01,922 --> 00:12:05,859 産みっ放しにして 捨てた親に。 167 00:12:05,926 --> 00:12:07,861 どうしても 行くっていうんなら 富貴子。 168 00:12:07,928 --> 00:12:11,865 復讐してやんなさいよ。 (富貴子) 復讐ですって? 169 00:12:11,932 --> 00:12:14,868 ストーカー ストーカーって 言うけどね→ 170 00:12:14,935 --> 00:12:16,870 うちばっかりが 悪いんじゃないんだ。 171 00:12:16,937 --> 00:12:19,873 多摩留の復讐を するつもりで 行けば いいじゃないの。 172 00:12:19,940 --> 00:12:21,875 (富貴子) 母さん。 173 00:12:21,942 --> 00:12:23,877 (峰靖) バカなこと 言うもんじゃないよ。→ 174 00:12:23,944 --> 00:12:26,880 とにかくな 素性が バレないように→ 175 00:12:26,947 --> 00:12:31,885 気を付けることだよ。 (富貴子) ええ。 そうします。 176 00:12:31,952 --> 00:12:33,887 (伊佐子) そりゃね→ 177 00:12:33,954 --> 00:12:36,890 チョウよ 花よってわけには いかなかったけど→ 178 00:12:36,957 --> 00:12:39,893 私たちなりに 一生懸命 かわいがって→ 179 00:12:39,960 --> 00:12:42,896 育てたつもりなのにさ。 180 00:12:42,963 --> 00:12:46,900 あんた。 そんな 実の母親が 恋しいの? 181 00:12:46,967 --> 00:12:52,906 (富貴子) 違うのよ 母さん。 妹なのよ。 >> 妹? 182 00:12:52,973 --> 00:12:56,910 (富貴子) 私 あの妹を ほっとけないの。 183 00:12:56,977 --> 00:13:01,848 わがままだけど 頼りなげで 傷つきやすくて→ 184 00:13:01,915 --> 00:13:03,850 痛々しくて 見てられない。 185 00:13:03,917 --> 00:13:06,853 どうしても 私が そばに 付いていてやらないと。 186 00:13:06,920 --> 00:13:12,859 そう。 あんな バカな娘をねぇ。 187 00:13:12,926 --> 00:13:16,863 (富貴子) どうしようもないのよ。 運命みたいな ものなのよ。 188 00:13:16,930 --> 00:13:22,869 じゃあ 私たちは 何なのよ? 運命じゃないの? 189 00:13:22,936 --> 00:13:27,874 (富貴子) 母さん。 必ず また 帰ってきます。 190 00:13:27,941 --> 00:13:32,946 決して 忘れないから。 ねっ? 母さん。 191 00:13:34,948 --> 00:13:38,885 切ないねぇ。 192 00:13:38,952 --> 00:13:48,895 姉ちゃん。 姉ちゃん。 行くなよ。 行くなよ。 193 00:13:48,962 --> 00:13:54,901 (杉彦の泣き声) (富貴子) 杉ちゃん。 ごめんね。 194 00:13:54,968 --> 00:14:00,907 私の いない間 立派に お店の お手伝いをしてね。 195 00:14:00,974 --> 00:14:06,846 頼むわよ。 お願いね。 杉ちゃん。 196 00:14:06,913 --> 00:14:11,918 (杉彦の泣き声) 197 00:14:14,921 --> 00:14:16,856 (眞澄) すてきねぇ。 198 00:14:16,923 --> 00:14:18,859 (美輪子) 家具は 全部→ 199 00:14:18,925 --> 00:14:21,861 ぼたんが 使っていたものと 同じものを 選んだの。 200 00:14:21,928 --> 00:14:24,864 (眞澄) まるで この部屋 田園調布の あなたたちの部屋と→ 201 00:14:24,931 --> 00:14:26,866 まったく 変わらないわ。 (美輪子) そうなの。 202 00:14:26,933 --> 00:14:29,936 あのころと 同じに したかったの。 203 00:14:37,944 --> 00:14:41,881 (美輪子) どうしたの? どうして こんなもの。 204 00:14:41,948 --> 00:14:46,886 (富貴子) 後は 布団や 毛布。 段ボールが 少しと 鏡だけよ。 205 00:14:46,953 --> 00:14:49,889 (美輪子) 何も 持ってこなくて いいって 言ったじゃない。 206 00:14:49,956 --> 00:14:51,891 (富貴子) だから 身の回りのものだけよ。 207 00:14:51,958 --> 00:14:57,897 それでも 本棚と 鏡が あるから 小型トラックを 雇ったの。 208 00:14:57,964 --> 00:15:00,900 あっ。 それ ついでに 部屋まで 運んでくださる? 209 00:15:00,967 --> 00:15:02,902 (男性) いいっすよ。 (富貴子) こっちです。 210 00:15:10,910 --> 00:15:13,847 (美輪子) 許せない。 211 00:15:13,913 --> 00:15:18,852 (眞澄) あら? 富貴子の お引っ越し荷物? 212 00:15:18,918 --> 00:15:22,922 (美輪子) 嫌ね。 こんな がらくた。 213 00:15:28,662 --> 00:15:30,664 (富貴子) ひとまず この辺りに。 (男性) はい。 214 00:15:33,600 --> 00:15:37,537 (美輪子) 富貴子。 こういうものを 持ち込まれたら 困るのよ。 215 00:15:37,604 --> 00:15:42,542 (富貴子) えっ? どうして? (美輪子) 見たら 分かるでしょう? 216 00:15:42,609 --> 00:15:44,544 あなたのために 私が 新しく 家具を選んで→ 217 00:15:44,611 --> 00:15:46,546 全部 揃えたのよ。 218 00:15:46,613 --> 00:15:48,548 亡くなった ぼたんが 好きそうな 趣味のものを→ 219 00:15:48,615 --> 00:15:55,555 いちいち 吟味して 揃えたのに。 何よ。 こんな 汚らしいものを。 220 00:15:55,622 --> 00:15:58,558 (富貴子) だって これは わざわざ アメリカから 持って帰った→ 221 00:15:58,625 --> 00:16:00,560 私にとっちゃ 思い出の…。 222 00:16:00,627 --> 00:16:03,630 (美輪子) そんな思い出なんか どうだって いいの! 223 00:16:07,634 --> 00:16:09,569 (美輪子) こんな粗大ごみ…。 224 00:16:09,636 --> 00:16:12,639 (富貴子) ちょっと。 美輪ちゃん!? やめて! 225 00:16:15,642 --> 00:16:18,645 (富貴子) 美輪ちゃん! 226 00:16:21,648 --> 00:16:25,585 (美輪子) これも いらないわ。 こんな いやらしい 不潔なもの。 227 00:16:25,652 --> 00:16:27,654 (富貴子) やめてよ! 228 00:16:32,659 --> 00:16:35,595 (美輪子) ここは 私たちの 神聖な部屋よ。 229 00:16:35,662 --> 00:16:37,597 あなたの過去を 持ち込まないでよ。 230 00:16:37,664 --> 00:16:40,600 汚れるわよ! 231 00:16:40,667 --> 00:16:43,603 それも もらうわ。 (富貴子) あっ。 それは…。 232 00:16:43,670 --> 00:16:47,607 あっ。 ちょっと。 美輪ちゃん! 233 00:16:47,674 --> 00:16:49,676 (美輪子) 悪趣味! (富貴子) あっ。 234 00:16:49,676 --> 00:17:01,688 ♪~ 235 00:17:01,688 --> 00:17:04,624 (美輪子) 何よ その目は? 236 00:17:04,691 --> 00:17:09,629 (富貴子) 美輪ちゃん。 あなたって そういう人だったの? 237 00:17:09,696 --> 00:17:11,631 (美輪子) 私は→ 238 00:17:11,698 --> 00:17:15,635 ぼたんが 生きていたころのように したいだけよ。 239 00:17:15,702 --> 00:17:17,637 お母さんの 言うとおりだわ。 240 00:17:17,704 --> 00:17:20,640 25年もの 人生経験が 積み重なって→ 241 00:17:20,707 --> 00:17:23,643 私が 思ってる ぼたんと 違うんだもの。 242 00:17:23,710 --> 00:17:26,646 (富貴子) 私は ぼたんじゃありません! (美輪子) 何よ! 243 00:17:26,713 --> 00:17:30,650 あなたは 富貴子じゃないの。 富貴子は ぼたんだわ。 244 00:17:30,717 --> 00:17:32,585 この家に 来た以上→ 245 00:17:32,652 --> 00:17:36,656 亡くなった ぼたんのように してくれなくっちゃ。 246 00:17:41,661 --> 00:17:44,597 (美輪子) ねえ。 そんな顔 しないで。 247 00:17:44,664 --> 00:17:48,601 ローズヒップティーでも お飲みなさいよ。 248 00:17:48,668 --> 00:17:51,604 (眞澄) どうなの? あなたたち。 うまく やっていけるの? 249 00:17:51,671 --> 00:17:56,609 (美輪子) やっていけるわよ。 ねえ? お姉ちゃま? 250 00:17:56,676 --> 00:18:01,681 私たちは 血のつながった 本当の姉妹ですものねぇ? 251 00:18:06,686 --> 00:18:09,622 (眞澄) 今日は パパが 遅くなるから 簡単にしたの。 252 00:18:09,689 --> 00:18:12,625 これ タルタルソースを つけてね。 (富貴子) はい。 253 00:18:12,692 --> 00:18:15,628 (眞澄) ありがとう。 254 00:18:15,695 --> 00:18:20,700 (美輪子) いただきます。 (富貴子) いただきます。 255 00:18:29,709 --> 00:18:33,580 (眞澄) 田園調布に いたころは 家政婦さんが いたんだけど→ 256 00:18:33,646 --> 00:18:35,582 家族が 一人 増えたんだから→ 257 00:18:35,648 --> 00:18:38,585 誰か お手伝いさんでも 雇おうかしら? 258 00:18:38,651 --> 00:18:40,587 (富貴子) 別に 私…。 259 00:18:40,653 --> 00:18:42,589 私に できることは 何でも しますから。 260 00:18:42,655 --> 00:18:45,592 (眞澄) 本当? (富貴子) ええ。 261 00:18:45,658 --> 00:18:51,598 台所の お手伝いだって 何だって。 (眞澄) 頼もしいわねぇ。 262 00:18:51,664 --> 00:18:56,603 何だか 不思議な夢を 見てるような 気分なの。 263 00:18:56,669 --> 00:18:59,606 こうして 3人で 食事が できるなんて。 264 00:18:59,672 --> 00:19:02,609 (美輪子) パパは 邪魔者? (眞澄) 邪魔者ってことは ないけど。 265 00:19:02,675 --> 00:19:05,612 (美輪子) 親子 水入らずっていうんでしょ? こういうの。 266 00:19:05,678 --> 00:19:07,680 (眞澄) まあ そうね。 267 00:19:14,687 --> 00:19:18,625 (美輪子) うっ。 うっ…。 268 00:19:18,691 --> 00:19:20,693 (眞澄) どうしたの? 269 00:19:22,695 --> 00:19:27,634 (美輪子) 何よ これは? (眞澄) あら。 ごめんね。 270 00:19:27,700 --> 00:19:30,637 (美輪子) 食べない。 こんなもの 食べられない! 271 00:19:30,703 --> 00:19:33,573 (富貴子) どうしたのかしら? 272 00:19:33,640 --> 00:19:36,576 私のには 全然 骨なんか ないんだけど。 273 00:19:36,643 --> 00:19:38,578 (美輪子) ホント? じゃあ それ ちょうだい。 274 00:19:38,645 --> 00:19:44,584 (富貴子) でも 食べかけよ? (美輪子) いいの。 気にしない 気にしない。 275 00:19:44,651 --> 00:19:47,654 (富貴子) じゃあ どうぞ。 276 00:20:01,668 --> 00:20:04,604 (眞澄) 何だか おかしいわね。 277 00:20:04,671 --> 00:20:07,674 ぼたんが 生きてたころと おんなじね。 278 00:20:12,679 --> 00:20:16,616 (美輪子) 駄目 駄目。 そんな ださい パジャマなんか。 279 00:20:16,683 --> 00:20:18,685 (富貴子) えっ? 280 00:20:20,687 --> 00:20:23,623 (美輪子) これを 着なさい。 あなたに ぴったりよ。 281 00:20:23,690 --> 00:20:25,625 (富貴子) これ? 282 00:20:25,692 --> 00:20:27,627 \(ノック) \(崑一) いやぁ。 283 00:20:27,694 --> 00:20:30,630 お姫さまたち。 ご機嫌は どうかね? 284 00:20:30,697 --> 00:20:32,565 (美輪子) 嫌だ。 パパ。 285 00:20:32,632 --> 00:20:37,570 >> 富貴子。 この部屋の居心地は? (富貴子) ありがとうございます。 286 00:20:37,637 --> 00:20:40,573 新しく 家具まで 揃えていただいて。 287 00:20:40,640 --> 00:20:43,576 ああ。 気に入れば いいんだけどね。 288 00:20:43,643 --> 00:20:46,579 (美輪子) パパ。 入ってきちゃ 駄目よ。 今 何時だと 思ってんの? 289 00:20:46,646 --> 00:20:48,581 >> ああ。 そうか。 そっか。 (美輪子) いくら パパだって 駄目。 290 00:20:48,648 --> 00:20:52,585 分かった 分かった。 ハハハ。 291 00:20:52,652 --> 00:20:55,655 (美輪子) 嫌ね。 お酒臭い。 292 00:20:58,658 --> 00:21:04,597 (崑一) いいねぇ。 いいねぇ。 293 00:21:04,664 --> 00:21:07,600 この家に 元のように 娘が 2人。 294 00:21:07,667 --> 00:21:09,602 うれしくて ドキドキするようだね。 295 00:21:09,669 --> 00:21:11,604 (眞澄) そう? 296 00:21:11,671 --> 00:21:13,606 富貴子が いるだけで→ 297 00:21:13,673 --> 00:21:17,610 家じゅうに 新鮮な空気が 流れてる。 298 00:21:17,677 --> 00:21:20,613 毎日 この家に 帰ってくるのが 楽しみだね。 299 00:21:20,680 --> 00:21:24,684 (眞澄) よかったですわね。 あなた。 >> ハハハ。 300 00:21:34,627 --> 00:21:37,630 (富貴子) うーん…。 301 00:21:41,634 --> 00:22:13,666 ♪~