1 00:01:58,117 --> 00:02:00,119 (頼安)新吾! 2 00:02:00,119 --> 00:02:03,122 (お鯉の方)新吾 3 00:02:03,122 --> 00:02:06,125 (吉宗)新吾 新吾 4 00:02:06,125 --> 00:02:08,127 (お縫)新吾様! 5 00:02:08,127 --> 00:02:11,130 (綾姫)新吾様! (庄三郎・多門)新吾様! 6 00:02:11,130 --> 00:02:13,132 (備前)新吾! 7 00:02:13,132 --> 00:02:24,132 (人々)新吾 新吾 新吾様 新吾 新吾… 8 00:02:27,146 --> 00:02:36,155 ♬~ 9 00:02:36,155 --> 00:02:38,157 (新吾)だーっ! 10 00:02:38,157 --> 00:02:45,164 ♬~ 11 00:02:45,164 --> 00:02:52,171 <いかなる星の下に生まれけむ 親を知らない みなしご一人> 12 00:02:52,171 --> 00:02:55,174 <時は享保 所は武州> 13 00:02:55,174 --> 00:02:58,111 <葵の花と咲きいでし➡ 14 00:02:58,111 --> 00:03:02,111 青年 新吾は剣にたつ!> 15 00:03:07,120 --> 00:03:10,123 (新吾)母上! 16 00:03:10,123 --> 00:03:30,143 ♬~ 17 00:03:30,143 --> 00:03:50,163 ♬~ 18 00:03:50,163 --> 00:04:10,116 ♬~ 19 00:04:10,116 --> 00:04:22,116 ♬~ 20 00:04:36,142 --> 00:04:39,145 (史郎)待て (お縫)あっ…➡ 21 00:04:39,145 --> 00:04:42,148 何するんです! 道場の先生に言いますよ 22 00:04:42,148 --> 00:04:46,152 (史郎)同じ秩父にいるよしみだ つきあってもいいじゃないか 23 00:04:46,152 --> 00:04:49,155 (たたく音) (史郎)あっ… 24 00:04:49,155 --> 00:04:52,158 やったな➡ 25 00:04:52,158 --> 00:04:56,162 ええい 待てい! お縫 26 00:04:56,162 --> 00:04:58,097 (お縫)あっ! (史郎)えい! 27 00:04:58,097 --> 00:05:01,100 (お縫)放して 放して!➡ 28 00:05:01,100 --> 00:05:03,100 誰か! (史郎)あっ! 29 00:05:12,111 --> 00:05:14,113 (お縫)新吾様 30 00:05:14,113 --> 00:05:17,116 もう日が暮れます 31 00:05:17,116 --> 00:05:19,118 道場へお帰りください 32 00:05:19,118 --> 00:05:21,120 余計なお世話だ 33 00:05:21,120 --> 00:05:25,120 フンッ 氏素性も知れぬ みなしごのくせに無礼であろう 34 00:05:28,127 --> 00:05:30,129 あなたこそ 御身分を恥じなさい 35 00:05:30,129 --> 00:05:33,129 (史郎)くそ たーっ! 36 00:05:42,141 --> 00:05:45,144 うわっ ああ… 37 00:05:45,144 --> 00:05:47,146 あっ! 38 00:05:47,146 --> 00:06:07,099 ♬~ 39 00:06:07,099 --> 00:06:25,117 ♬~ 40 00:06:25,117 --> 00:06:29,121 斬った 人を斬った 斬った 41 00:06:29,121 --> 00:06:32,124 (お縫)新吾様 42 00:06:32,124 --> 00:06:35,127 斬ってしまったんだ 43 00:06:35,127 --> 00:06:37,129 新吾様 逃げましょう 逃げましょうよ 新吾様 44 00:06:37,129 --> 00:06:39,131 相手は次席家老の息子です 45 00:06:39,131 --> 00:06:41,133 黒田藩が黙っていないに 決まっています 46 00:06:41,133 --> 00:06:44,136 お願い 逃げて 私も一緒についていってあげます 47 00:06:44,136 --> 00:06:46,138 いい 新吾様! 48 00:06:46,138 --> 00:06:50,142 一緒にお山で育ったんです 新吾様となら苦労したって平気です 49 00:06:50,142 --> 00:06:52,144 ね? だから… いい 50 00:06:52,144 --> 00:06:54,146 どうして! なぜです 51 00:06:54,146 --> 00:07:00,086 俺が逃げれば 多門先生や 庄三郎おじさんに迷惑がかかる 52 00:07:00,086 --> 00:07:02,088 みなしごの俺を➡ 53 00:07:02,088 --> 00:07:05,091 今日まで育ててくださった お二人だ 54 00:07:05,091 --> 00:07:07,091 父 母も同じだ 55 00:07:13,099 --> 00:07:15,101 (多門)けしからんのは相手です 56 00:07:15,101 --> 00:07:19,105 (多門)修行中の分際で 白昼 酒に食らい酔ってからに 57 00:07:19,105 --> 00:07:22,108 新吾に罪はありません 58 00:07:22,108 --> 00:07:24,110 (庄三郎)私の注意が 至りませんでした 59 00:07:24,110 --> 00:07:28,110 何とぞ 新吾をおとがめなきよう お願いいたします 60 00:07:30,116 --> 00:07:32,118 (備前)えい! 61 00:07:32,118 --> 00:07:35,118 えい えい えい! 62 00:07:49,135 --> 00:07:51,135 あっ… 63 00:07:57,076 --> 00:08:03,082 剣は人を斬るにあらず 己を守るにあり 64 00:08:03,082 --> 00:08:07,082 しかと 心に刻むがよい 65 00:08:14,093 --> 00:08:16,093 はい! 66 00:08:20,099 --> 00:08:24,103 (備前)福岡の黒田家が 新吾を渡せと申す 67 00:08:24,103 --> 00:08:26,105 (多門)そんなばかな➡ 68 00:08:26,105 --> 00:08:30,109 門弟たちは新吾に同情し 決して渡さんと言っとるです 69 00:08:30,109 --> 00:08:35,114 当道場は黒田52万石の ひごの下にある 70 00:08:35,114 --> 00:08:39,118 しかし 黒田家へ渡せば 新吾の命が… 71 00:08:39,118 --> 00:08:41,120 先生! 72 00:08:41,120 --> 00:08:44,120 時が来たと思え 73 00:08:47,126 --> 00:08:54,126 雪の下の草も春になれば芽を出す 自然の理じゃ 74 00:08:57,069 --> 00:09:00,072 <思いがけぬ運命のままに➡ 75 00:09:00,072 --> 00:09:05,077 新吾と多門は 黒田藩士の厳重な警護の下に➡ 76 00:09:05,077 --> 00:09:09,081 九州 福岡へ向かいましたが➡ 77 00:09:09,081 --> 00:09:15,087 同じ朝 新吾を我が子とも思う 庄三郎もまた➡ 78 00:09:15,087 --> 00:09:21,093 心中ひそかに ある決意を秘めて 山を下ったのです> 79 00:09:21,093 --> 00:09:24,096 お縫 80 00:09:24,096 --> 00:09:26,098 (お縫)新吾様のために 江戸へいらっしゃるんでしょ➡ 81 00:09:26,098 --> 00:09:29,101 連れてってください (庄三郎)何を言うか 82 00:09:29,101 --> 00:09:31,103 今度の一件は そもそも そなたが原因ではないか 83 00:09:31,103 --> 00:09:33,105 (お縫)だから 連れてってほしいんです➡ 84 00:09:33,105 --> 00:09:36,108 父や母の許しも ちゃんと受けてきました 85 00:09:36,108 --> 00:09:41,113 ねえ お役に立ててください どんなことでもします 86 00:09:41,113 --> 00:09:46,118 お願いします このとおりです お願いします お願いします 87 00:09:46,118 --> 00:10:06,072 ♬~ 88 00:10:06,072 --> 00:10:19,085 ♬~ 89 00:10:19,085 --> 00:10:22,088 (甚内)新吾を罪人として召し捕る 90 00:10:22,088 --> 00:10:26,092 待て 新吾は貴公たちの 手にかかる身分ではない 91 00:10:26,092 --> 00:10:30,096 約束が違う (甚内)控えい 殿の御命令じゃ 92 00:10:30,096 --> 00:10:33,099 お断りする じきじき黒田公に お目通りして申し上げる 93 00:10:33,099 --> 00:10:35,101 まかり通るぞ 94 00:10:35,101 --> 00:10:38,101 うーん… 問答無用 取り押さえい 95 00:10:43,109 --> 00:10:46,112 先生 抜きましょうか 抜いてはいかん 96 00:10:46,112 --> 00:10:48,114 いや しかし 相手は大勢です 大勢でもかまわん 97 00:10:48,114 --> 00:10:51,117 得物を奪って たたけ 少しぐらい傷つけてもいいですか 98 00:10:51,117 --> 00:10:55,121 よし 殺さなければ許す はい たたきます! 99 00:10:55,121 --> 00:11:14,073 ♬~ 100 00:11:14,073 --> 00:11:16,075 (役人)おのれ! 101 00:11:16,075 --> 00:11:36,095 ♬~ 102 00:11:36,095 --> 00:11:43,102 ♬~ 103 00:11:43,102 --> 00:11:47,102 (美作)静まれ 静まれ! 静まれ 静まれ! 104 00:11:51,110 --> 00:11:55,114 (美作)殿が会うと仰せじゃ 神妙に城内へ通れ 105 00:11:55,114 --> 00:11:57,116 何 切腹ですと? 106 00:11:57,116 --> 00:11:59,118 (綱政)斬られた相手は 葬式も許さん➡ 107 00:11:59,118 --> 00:12:04,118 生き残った者も厳罰に処した 両成敗じゃ 108 00:12:06,125 --> 00:12:09,128 お受けいたします 109 00:12:09,128 --> 00:12:11,130 聞いてのとおりだ 110 00:12:11,130 --> 00:12:16,135 わしが介しゃくするから 潔く腹を切れ 111 00:12:16,135 --> 00:12:19,138 はい 112 00:12:19,138 --> 00:12:22,141 さて この場で相果てるとなれば➡ 113 00:12:22,141 --> 00:12:26,145 死に臨んで申し聞かさなければ ならんことがある 114 00:12:26,145 --> 00:12:30,149 心を静めて よく聞け➡ 115 00:12:30,149 --> 00:12:33,152 18歳の今日まで そちは みなしごとして➡ 116 00:12:33,152 --> 00:12:37,156 わしと庄三郎が 親同様に育ててきた 117 00:12:37,156 --> 00:12:40,159 しかしだ 誠の親は生きておる 118 00:12:40,159 --> 00:12:43,159 え? 何と言われますか 119 00:12:48,167 --> 00:12:52,171 では 父上の御名を申し上げます 120 00:12:52,171 --> 00:12:54,173 先生 何です 急に 121 00:12:54,173 --> 00:13:00,173 いや ただいまから 言葉を改めねばなりません 122 00:13:02,114 --> 00:13:04,116 何をお隠し申そう➡ 123 00:13:04,116 --> 00:13:07,119 新吾様の父君は徳川吉宗公 124 00:13:07,119 --> 00:13:10,119 母君は側室 お鯉の方様でございます 125 00:13:12,124 --> 00:13:16,128 (綱政)待て待て 今 そちは何と申した 126 00:13:16,128 --> 00:13:21,133 新吾様こそ 征夷大将軍 徳川吉宗公の御落いんです 127 00:13:21,133 --> 00:13:23,135 え? 128 00:13:23,135 --> 00:13:25,137 な… 何? (美作)黙れ黙れ! 129 00:13:25,137 --> 00:13:28,140 大それた偽りを申すと 首が飛ぶぞ 130 00:13:28,140 --> 00:13:33,145 偽りではない 弓矢八幡も照覧あれ 131 00:13:33,145 --> 00:13:37,149 はっ 美作 新吾の面を見い 132 00:13:37,149 --> 00:13:40,149 お若いころの上様に 生き写しと思わんか 133 00:13:43,155 --> 00:13:45,157 うそだ 134 00:13:45,157 --> 00:13:48,160 うそです そんなばかな! 135 00:13:48,160 --> 00:13:51,163 新吾様 知りません 聞きません! 136 00:13:51,163 --> 00:13:54,166 新吾は山の子です 多門先生が父➡ 137 00:13:54,166 --> 00:13:56,168 庄三郎さんが母だと おっしゃったじゃありませんか 138 00:13:56,168 --> 00:13:59,104 新吾には 他の親なんてありません! 139 00:13:59,104 --> 00:14:02,104 ない! あるもんですか! 140 00:14:10,115 --> 00:14:14,119 先生 いよいよ明日です 141 00:14:14,119 --> 00:14:16,121 あしたか 142 00:14:16,121 --> 00:14:18,123 はい お忍びで上野の寛永寺に➡ 143 00:14:18,123 --> 00:14:20,125 御参詣なさるんです 144 00:14:20,125 --> 00:14:40,145 ♬~ 145 00:14:40,145 --> 00:14:49,154 ♬~ 146 00:14:49,154 --> 00:14:51,156 ≪(お縫)お願いでございます ≪(侍女)なりません 147 00:14:51,156 --> 00:14:54,159 (お縫)お放しください お方様にお願いがございます 148 00:14:54,159 --> 00:14:57,096 お放しくださいませ (侍女たち)下がれ 下がれ 149 00:14:57,096 --> 00:15:01,100 お方様 これを御覧くださいませ 覚えはございませぬか➡ 150 00:15:01,100 --> 00:15:03,102 お方様! お方様! (侍女)下がれ 下がれ 151 00:15:03,102 --> 00:15:08,107 何とぞ これを御覧くださいませ 覚えはございませぬか 152 00:15:08,107 --> 00:15:12,111 待て その者を放しなさい 153 00:15:12,111 --> 00:15:15,111 下がってよい (侍女たち)はっ 154 00:15:17,116 --> 00:15:19,116 (お鯉の方)これへ (お縫)はい 155 00:15:29,128 --> 00:15:31,130 (お鯉の方)はっ… 156 00:15:31,130 --> 00:15:34,133 美女丸 157 00:15:34,133 --> 00:15:36,135 そなた どこでこれを 158 00:15:36,135 --> 00:15:39,138 美女丸を存じておるのか? 159 00:15:39,138 --> 00:15:42,141 はい 私 御一緒に育ったんです 160 00:15:42,141 --> 00:15:45,144 一緒に? 161 00:15:45,144 --> 00:15:48,147 どこで (お縫)秩父の山の中です 162 00:15:48,147 --> 00:15:51,150 秩父の山中? (お縫)はい 163 00:15:51,150 --> 00:15:55,150 美女丸様は立派に御成人なさって 18歳におなりです 164 00:15:59,091 --> 00:16:02,091 美女丸が生きている 165 00:16:06,098 --> 00:16:08,100 自源流の真崎先生に お会いください 166 00:16:08,100 --> 00:16:10,102 美女丸様を育てた方です 167 00:16:10,102 --> 00:16:12,102 真崎? 168 00:16:14,106 --> 00:16:17,109 会おう 呼ぶがよい 169 00:16:17,109 --> 00:16:19,109 (お縫)はい 170 00:16:28,120 --> 00:16:31,120 (ふすまの閉まる音) 171 00:16:37,129 --> 00:16:42,134 自源流剣士 真崎庄三郎か (庄三郎)はっ 172 00:16:42,134 --> 00:16:47,139 美女丸は生きているのですか (庄三郎)はい 173 00:16:47,139 --> 00:16:50,139 詳しいことを聞かせてください 174 00:16:52,144 --> 00:16:56,148 (庄三郎)18年前 越前鯖江城から➡ 175 00:16:56,148 --> 00:17:00,085 美女丸様を盗み出したのは この私です 176 00:17:00,085 --> 00:17:02,085 えっ… 177 00:17:11,096 --> 00:17:14,099 美女丸様を盗めば➡ 178 00:17:14,099 --> 00:17:19,104 いつかは お目にかかれようと 大それた望みを抱き➡ 179 00:17:19,104 --> 00:17:22,104 あなた恋しさに盗み出しました 180 00:17:24,109 --> 00:17:27,109 その昔の 越前屋庄三郎です 181 00:17:33,118 --> 00:17:35,118 そなたは… 182 00:17:37,122 --> 00:17:41,126 <将軍 吉宗が まだ越前鯖江3万石の➡ 183 00:17:41,126 --> 00:17:45,130 領主であった 20年も昔> 184 00:17:45,130 --> 00:17:50,135 <当時 鯖江の薬問屋の 娘であったお鯉の方は➡ 185 00:17:50,135 --> 00:17:55,140 供先を汚した罪で手討ちになった 父の敵を討とうと➡ 186 00:17:55,140 --> 00:17:59,077 夕涼みの吉宗を狙ったのでした> 187 00:17:59,077 --> 00:18:01,079 (庄三郎)《お嬢様 頼方です》 188 00:18:01,079 --> 00:18:04,082 (お鯉の方) 《仕損じたら命はなくなる》➡ 189 00:18:04,082 --> 00:18:06,084 《お前は手代というだけで それでもいいのか》 190 00:18:06,084 --> 00:18:09,087 《死ぬつもりだから申します》 191 00:18:09,087 --> 00:18:13,091 《お嬢様と死ねるなら 本望なんです》 192 00:18:13,091 --> 00:18:16,094 《お前…》 193 00:18:16,094 --> 00:18:19,094 《それほどまでに私のことを》 194 00:18:21,099 --> 00:18:23,099 《あの世で 一緒になってください》 195 00:18:33,111 --> 00:18:35,111 《さあ》 196 00:18:37,115 --> 00:18:39,115 (お鯉の方)《父の敵!》 197 00:18:42,120 --> 00:18:44,120 《やー!》 198 00:18:48,126 --> 00:18:51,126 《ち… 父の敵!》 (頼方)《はーっ!》 199 00:18:53,131 --> 00:18:55,133 《あっ… お嬢様!》 200 00:18:55,133 --> 00:18:57,133 《覚悟!》 201 00:19:06,078 --> 00:19:08,080 《あ~!》 202 00:19:08,080 --> 00:19:28,100 ♬~ 203 00:19:28,100 --> 00:19:39,111 ♬~ 204 00:19:39,111 --> 00:19:41,113 生きている? 205 00:19:41,113 --> 00:19:44,116 誠か (お鯉の方)はい 206 00:19:44,116 --> 00:19:46,118 偽者ではあるまいな 207 00:19:46,118 --> 00:19:51,123 いいえ このとおり 上様が美女丸と命名あそばした➡ 208 00:19:51,123 --> 00:19:53,123 書きつけもございます 209 00:19:58,063 --> 00:20:00,063 (吉宗)ん? 210 00:20:06,071 --> 00:20:11,076 あのとき 出生を祝って 余が与えたものだ 211 00:20:11,076 --> 00:20:17,082 本人も間違いありません 母の私には分かるのです 212 00:20:17,082 --> 00:20:19,084 そうか 213 00:20:19,084 --> 00:20:25,090 あれほど捜し求め 行方の知れなんだもの 214 00:20:25,090 --> 00:20:28,090 生きておったか 215 00:20:31,096 --> 00:20:38,103 秩父山中の道場で人となり 類いまれなる剣士だと申します 216 00:20:38,103 --> 00:20:40,103 今も秩父におるのか 217 00:20:42,107 --> 00:20:46,111 人を救うために誤って相手を斬り (吉宗)ん? 218 00:20:46,111 --> 00:20:51,116 そのとがめを受けて 黒田家に留められておりまする由 219 00:20:51,116 --> 00:20:53,118 (吉宗)黒田家に? 220 00:20:53,118 --> 00:20:58,118 上様 すぐ黒田家に 使者を立ててくださりませ 221 00:21:00,058 --> 00:21:03,061 なぜ お返事がござりませぬ 222 00:21:03,061 --> 00:21:05,061 ふびんとは思われませぬか? 223 00:21:09,067 --> 00:21:15,073 上様は もしや西の丸の小次郎に 気を兼ねておられるのでは 224 00:21:15,073 --> 00:21:18,076 西の丸は私の子です 225 00:21:18,076 --> 00:21:22,080 しかも 弟の身で将軍のお世継ぎ 226 00:21:22,080 --> 00:21:27,085 美女丸は それに引き換え 捨て子同様に育てられたのです 227 00:21:27,085 --> 00:21:30,088 さぞ恨んでおりましょう 228 00:21:30,088 --> 00:21:34,092 せめて 一日も早く おそばにお呼びくださりませ 229 00:21:34,092 --> 00:21:36,094 上様 (吉宗)だが➡ 230 00:21:36,094 --> 00:21:39,097 美女丸の出現は➡ 231 00:21:39,097 --> 00:21:45,103 西の丸の者たちにとって 脅威であろう 232 00:21:45,103 --> 00:21:48,103 西の丸が敵にならねばよいが 233 00:21:54,112 --> 00:21:58,116 どこまで不運な子でしょう 234 00:21:58,116 --> 00:22:01,119 どうしてやればいいのか 235 00:22:01,119 --> 00:22:05,123 どうすれば幸せにしてやれるの… 236 00:22:05,123 --> 00:22:08,126 (お鯉の方の泣き声) 237 00:22:08,126 --> 00:22:10,128 誰かある! 238 00:22:10,128 --> 00:22:13,131 即刻 左京大夫頼安を呼び寄せい! 239 00:22:13,131 --> 00:22:23,131 (家臣)松平左京大夫様 御登城 240 00:22:29,147 --> 00:22:43,161 ♬~ 241 00:22:43,161 --> 00:22:45,163 人違いではないのか 242 00:22:45,163 --> 00:22:55,173 ♬~ 243 00:22:55,173 --> 00:22:59,110 なるほど さすがに上様 読みが深いな 244 00:22:59,110 --> 00:23:15,126 ♬~ 245 00:23:15,126 --> 00:23:20,131 西の丸付きの忍びとみたが 相手を見て ものをせい 246 00:23:20,131 --> 00:23:23,134 親子のことに やぼな水を差すものではない 247 00:23:23,134 --> 00:23:26,137 上様のお心が分からぬかと 言っておけ 248 00:23:26,137 --> 00:23:29,137 えい やー! 249 00:23:37,148 --> 00:23:40,151 <将軍世継ぎの小次郎を守って➡ 250 00:23:40,151 --> 00:23:45,156 幕閣に権力の座を築こうとする 西の丸一派は➡ 251 00:23:45,156 --> 00:23:50,161 早くも 新吾にとって 不吉な影となりました> 252 00:23:50,161 --> 00:23:54,165 <将軍 吉宗の意を受けた 松平頼安は➡ 253 00:23:54,165 --> 00:23:58,103 一剣に天下の平安を懸けて➡ 254 00:23:58,103 --> 00:24:02,103 一路 西へ 九州へ> 255 00:24:07,112 --> 00:24:17,122 (うなされる声) 256 00:24:17,122 --> 00:24:19,122 母上! 257 00:24:34,139 --> 00:24:53,158 ♬~ 258 00:24:53,158 --> 00:24:55,160 誰だ 259 00:24:55,160 --> 00:24:58,096 新吾だ 260 00:24:58,096 --> 00:25:01,099 新吾? 261 00:25:01,099 --> 00:25:05,103 お前は疑っている 自分の父母を 262 00:25:05,103 --> 00:25:08,106 父母の愛を 263 00:25:08,106 --> 00:25:10,108 疑ってはいない 264 00:25:10,108 --> 00:25:13,111 多門先生のおっしゃることに うそのあろうはずはない! 265 00:25:13,111 --> 00:25:15,113 そうだろうか 266 00:25:15,113 --> 00:25:18,116 では なぜ お前の両親は 18年という長い間➡ 267 00:25:18,116 --> 00:25:20,116 お前を放っておいたのだ 268 00:25:27,125 --> 00:25:32,130 お前の父は将軍だ 母はお鯉の方だ 269 00:25:32,130 --> 00:25:35,133 お前を捜そうとすれば どんなことでもできる➡ 270 00:25:35,133 --> 00:25:37,135 身分の人たちではないか 271 00:25:37,135 --> 00:25:40,138 何か事情があったんだ きっとそうだ 272 00:25:40,138 --> 00:25:43,141 何か 私を捜せなかった事情が 273 00:25:43,141 --> 00:25:47,145 それは何だ どんな事情だ 274 00:25:47,145 --> 00:25:50,148 お前は何一つ知ってはいない 275 00:25:50,148 --> 00:25:53,151 生むことだけなら 鳥や獣でもできる 276 00:25:53,151 --> 00:25:56,154 育ててこそ誠の親だ 親の愛だ 277 00:25:56,154 --> 00:26:01,092 お前の両親には親の愛はないのだ 本当にお前を愛してはいないのだ 278 00:26:01,092 --> 00:26:04,095 うそだ そんなはずはない! 279 00:26:04,095 --> 00:26:08,099 私の両親は そんな人たちではない そんなはずはない! 280 00:26:08,099 --> 00:26:11,102 秩父の山の中で 私が心に描いていたのは➡ 281 00:26:11,102 --> 00:26:13,102 そんな両親ではない! 282 00:26:15,106 --> 00:26:18,109 父が将軍で 母がお鯉の方と知ったとき➡ 283 00:26:18,109 --> 00:26:23,114 私は驚いた 夢だと思った だが… だが 心のどこかで➡ 284 00:26:23,114 --> 00:26:26,117 やはり そうかと 不思議に思い当たるものがあった 285 00:26:26,117 --> 00:26:30,121 私の頭は疑いながら 心は疑おうともしなかった 286 00:26:30,121 --> 00:26:35,126 真実の親子でなくて どうしてこんなことがあろうか 287 00:26:35,126 --> 00:26:38,129 私は信じる 私は信じる 288 00:26:38,129 --> 00:26:41,132 私には父がいる 母もいる 289 00:26:41,132 --> 00:26:43,134 私にも本当の父や母が この世にいて➡ 290 00:26:43,134 --> 00:26:48,134 私のことを思っているのだ 思っているのだ! 291 00:26:51,142 --> 00:26:56,147 母上! 292 00:26:56,147 --> 00:27:00,085 父上! 293 00:27:00,085 --> 00:27:03,085 母上! 294 00:27:05,090 --> 00:27:08,093 <呼べよ 叫べよ 声張り上げて> 295 00:27:08,093 --> 00:27:13,098 <まだ見ぬ父母の面影を 心の中に描きつつ➡ 296 00:27:13,098 --> 00:27:18,098 新吾は泣いた 血潮は燃えた> 297 00:27:25,110 --> 00:27:36,110 ♬~