1 00:01:58,088 --> 00:02:00,090 (備前)新吾! 2 00:02:00,090 --> 00:02:02,092 (お鯉の方)新吾 (吉宗)新吾 3 00:02:02,092 --> 00:02:04,094 (お縫)新吾様! 4 00:02:04,094 --> 00:02:07,097 (綾姫)新吾様! (庄三郎・多門)新吾様! 5 00:02:07,097 --> 00:02:09,099 (頼安)新吾! 6 00:02:09,099 --> 00:02:22,112 (人々)新吾 新吾 新吾様 新吾 新吾… 7 00:02:22,112 --> 00:02:31,121 ♬~ 8 00:02:31,121 --> 00:02:33,123 (新吾)だーっ! 9 00:02:33,123 --> 00:02:41,131 ♬~ 10 00:02:41,131 --> 00:02:47,137 <いかなる星の下に生まれけむ 親を知らない みなしご一人> 11 00:02:47,137 --> 00:02:51,141 <時は享保 所は武州> 12 00:02:51,141 --> 00:02:54,144 <葵の花と咲きいでし➡ 13 00:02:54,144 --> 00:02:58,144 青年 新吾は剣にたつ!> 14 00:03:02,085 --> 00:03:05,088 (新吾)母上! 15 00:03:05,088 --> 00:03:25,108 ♬~ 16 00:03:25,108 --> 00:03:45,128 ♬~ 17 00:03:45,128 --> 00:04:05,082 ♬~ 18 00:04:05,082 --> 00:04:17,082 ♬~ 19 00:04:28,105 --> 00:04:41,118 ♬~ 20 00:04:41,118 --> 00:04:43,120 新吾が申すには➡ 21 00:04:43,120 --> 00:04:48,125 今 自分が上様に御対面すれば 幕閣にいらざる波風が立とうと 22 00:04:48,125 --> 00:04:51,128 それは西の丸の小次郎を おもんばかってのことですか? 23 00:04:51,128 --> 00:04:53,130 時節の来るまで諸国を経巡って➡ 24 00:04:53,130 --> 00:04:56,133 上様やお方様の子として 恥ずかしからぬよう➡ 25 00:04:56,133 --> 00:04:59,069 一層 腕と心を磨きたいとのこと 26 00:04:59,069 --> 00:05:01,071 そちの入れ知恵じゃな 27 00:05:01,071 --> 00:05:04,074 どうつかまつりまして 28 00:05:04,074 --> 00:05:06,076 親は無くとも子は育つ 29 00:05:06,076 --> 00:05:10,080 心すがすがしい 見事な若者にございます 30 00:05:10,080 --> 00:05:14,084 (吉宗) ハハッ まあ好きにするがよい 31 00:05:14,084 --> 00:05:17,087 (お鯉の方)上様 32 00:05:17,087 --> 00:05:20,090 江戸城でなく 私がどこぞに呼び寄せて➡ 33 00:05:20,090 --> 00:05:25,095 ひそかに会うのなら よろしゅうございましょう? 34 00:05:25,095 --> 00:05:28,098 (吉宗)うーん… 35 00:05:28,098 --> 00:05:32,102 頼安殿 そなたからも上様に 36 00:05:32,102 --> 00:05:37,107 江戸にも上野の寛永寺 芝の増上寺 音羽の護国寺 37 00:05:37,107 --> 00:05:41,111 新吾がどこへ参ろうと 勝手でございますな 38 00:05:41,111 --> 00:05:43,111 まあ 39 00:05:45,115 --> 00:05:48,118 うん 40 00:05:48,118 --> 00:05:50,120 して 新吾は今どこに? 41 00:05:50,120 --> 00:05:52,122 (頼安) 何しろ 行方定めぬ武者修行➡ 42 00:05:52,122 --> 00:05:58,061 もっとも 美濃の加納へ引きこもった 前の老中 安藤対馬を訪れるとか 43 00:05:58,061 --> 00:06:00,063 安藤対馬? (頼安)新吾失踪の責めを負うて➡ 44 00:06:00,063 --> 00:06:02,065 職を辞した人物 45 00:06:02,065 --> 00:06:06,069 まあ 謝りかたがた 慰めに行ったのでしょう 46 00:06:06,069 --> 00:06:08,071 やり過ぎるのがそちの欠点 47 00:06:08,071 --> 00:06:12,075 対馬の罷免は それだけの理由ではない 48 00:06:12,075 --> 00:06:15,078 佐渡金山 新金紛失事件の疑惑 49 00:06:15,078 --> 00:06:17,080 これ! 50 00:06:17,080 --> 00:06:20,083 が 果たして対馬でしょうかな 51 00:06:20,083 --> 00:06:23,086 頼安 (頼安)はっ 52 00:06:23,086 --> 00:06:26,089 いかに余の弟とは申せ そこまで口出しは許さん 53 00:06:26,089 --> 00:06:28,089 慎め 54 00:06:31,094 --> 00:06:33,094 ははっ 55 00:06:40,103 --> 00:06:46,109 (河内守)新吾様は 美濃の加納へ 向かわれる御様子じゃ 56 00:06:46,109 --> 00:06:51,114 (源八郎)加納? では 安藤対馬守様の 57 00:06:51,114 --> 00:06:57,114 御道中の警護 抜かりなくいたせ 58 00:07:00,056 --> 00:07:02,058 <このころ 名実ともに➡ 59 00:07:02,058 --> 00:07:07,063 天下晴れて 将軍の長子と 認められた葵 新吾は➡ 60 00:07:07,063 --> 00:07:11,067 父とも慕う剣の師 梅井多門と共に➡ 61 00:07:11,067 --> 00:07:17,073 美濃 加納城下目指して 木曾川を下りつつありました> 62 00:07:17,073 --> 00:07:22,078 先生 新吾の命を狙ったのは 西の丸一派の刺客でしょう? 63 00:07:22,078 --> 00:07:26,082 なぜ関係のない安藤対馬守が 責任を負ったのですか 64 00:07:26,082 --> 00:07:28,084 (多門)西の丸一派の 仕業だという証拠は➡ 65 00:07:28,084 --> 00:07:30,086 一つとして 残してないようですからな 66 00:07:30,086 --> 00:07:34,090 まあ 月番老中の対馬様が 貧乏くじを引いたわけですよ 67 00:07:34,090 --> 00:07:45,101 ♬~ 68 00:07:45,101 --> 00:07:47,101 (銃声) 69 00:07:53,109 --> 00:07:57,047 (男性)フフフ… 70 00:07:57,047 --> 00:08:00,050 その腕で加納藩随一とはな 71 00:08:00,050 --> 00:08:03,053 (与一郎) 先回りして 城下で待ち伏せます 72 00:08:03,053 --> 00:08:06,056 できるか? 相手は将軍の子だぞ 73 00:08:06,056 --> 00:08:10,060 主君 対馬守様を失脚させた憎い敵 74 00:08:10,060 --> 00:08:13,063 我ら同志は体を張っています 75 00:08:13,063 --> 00:08:33,083 ♬~ 76 00:08:33,083 --> 00:08:36,086 ♬~ 77 00:08:36,086 --> 00:08:39,089 いいものですね 78 00:08:39,089 --> 00:08:41,091 うん? 79 00:08:41,091 --> 00:08:52,102 ♬~ 80 00:08:52,102 --> 00:08:54,104 ああいうのを 水入らずっていうんですか 81 00:08:54,104 --> 00:08:57,104 (与一郎)おい 置くぞ (女性)ありがとうございます 82 00:08:59,042 --> 00:09:01,044 (茶わんの割れる音) 83 00:09:01,044 --> 00:09:06,049 おい 何の恨みがあって 拙者のはかまを汚した 84 00:09:06,049 --> 00:09:08,051 自分で落としたんでしょう 何? 85 00:09:08,051 --> 00:09:10,053 (多門) いや こりゃ… こりゃどうも 86 00:09:10,053 --> 00:09:14,057 おはかまの損料です お納めいただきたい 87 00:09:14,057 --> 00:09:18,061 無礼な! 素浪人風情に侮られては 武士が廃る 88 00:09:18,061 --> 00:09:20,063 表へ出ろ! (武士)おい どうした➡ 89 00:09:20,063 --> 00:09:22,065 どうしたんだ おい (多門)待たれい 待たれい 90 00:09:22,065 --> 00:09:25,065 (武士)おい 外へ出ろ (多門)おいおい! 91 00:09:29,072 --> 00:09:32,075 やめんか 92 00:09:32,075 --> 00:09:36,079 その腕では 到底 我々を斬れはせん 93 00:09:36,079 --> 00:09:38,079 (与一郎)はー! 94 00:09:41,084 --> 00:09:44,087 新吾様 抜いてはいけません それ! 95 00:09:44,087 --> 00:09:56,099 ♬~ 96 00:09:56,099 --> 00:09:59,035 (多門)いずれも当城下の 藩士たちとお見受けする➡ 97 00:09:59,035 --> 00:10:02,038 以後 つまらぬ腕立ては やめられるがよい 98 00:10:02,038 --> 00:10:09,045 (武士たちのうめき声) 99 00:10:09,045 --> 00:10:15,051 (与一郎のうめき声) 100 00:10:15,051 --> 00:10:18,054 (源八郎)口ほどにもない 101 00:10:18,054 --> 00:10:21,057 ん… まさかあれほどの腕とは 無念だ! 102 00:10:21,057 --> 00:10:26,062 せっかく主君のために 捨てようとした命 103 00:10:26,062 --> 00:10:30,066 わしが使わせてもらう 104 00:10:30,066 --> 00:10:47,066 ♬~ 105 00:10:49,085 --> 00:10:51,085 (足音) 106 00:10:55,091 --> 00:10:58,027 (孫太夫) 加納藩 目付役 永井孫太夫だ 107 00:10:58,027 --> 00:11:01,030 城下外れ 常磐神社の裏手で 当家の武士5名を斬殺したのは➡ 108 00:11:01,030 --> 00:11:04,033 その方どもか 斬殺? 109 00:11:04,033 --> 00:11:06,035 棒きれで打ち懲らしはしましたが 110 00:11:06,035 --> 00:11:10,039 召し捕れ! (捕り方)はっ 神妙にしろ 111 00:11:10,039 --> 00:11:14,043 新吾様 これ以上 けが人を出してはいけません 112 00:11:14,043 --> 00:11:16,043 ともかく一緒に行きましょう 113 00:11:20,049 --> 00:11:22,051 (対馬守)新吾と多門じゃ? 114 00:11:22,051 --> 00:11:27,056 はっ そう申せば分かるはず 殿にお目通りを願いたいと 115 00:11:27,056 --> 00:11:29,058 (対馬守)知らんのう 116 00:11:29,058 --> 00:11:34,063 フフフ… あぶれ浪人のはったりじゃろう 117 00:11:34,063 --> 00:11:36,065 ああ 捨て置け (孫太夫)はっ 118 00:11:36,065 --> 00:11:41,070 新吾と多門か フフッ 119 00:11:41,070 --> 00:11:44,073 新吾と多門か 120 00:11:44,073 --> 00:11:47,076 新吾と… 121 00:11:47,076 --> 00:11:51,080 はっ… 新吾!? 122 00:11:51,080 --> 00:11:55,080 ああ… 孫太夫! これ 孫太夫! 123 00:11:57,086 --> 00:12:02,091 葵 新吾様とは つゆ存じ上げず 平に平に 124 00:12:02,091 --> 00:12:04,093 いや 125 00:12:04,093 --> 00:12:06,095 福岡のことでは➡ 126 00:12:06,095 --> 00:12:09,098 私のために思いがけぬ御迷惑を おかけしてしまいました 127 00:12:09,098 --> 00:12:11,100 申し訳なく思っています 128 00:12:11,100 --> 00:12:15,104 ああ いやいや お心遣いは御無用 129 00:12:15,104 --> 00:12:20,109 手前も老中職の激務には 堪えかねていたところで 130 00:12:20,109 --> 00:12:25,114 ハハハッ それより田舎のことで おもてなしもできませぬが➡ 131 00:12:25,114 --> 00:12:28,114 何とぞ ごゆるりと… ≪(ふすまの開く音) 132 00:12:31,120 --> 00:12:33,122 新吾様に申し上げます 133 00:12:33,122 --> 00:12:36,125 おっ これこれ なんという御挨拶を 134 00:12:36,125 --> 00:12:40,129 娘の綾にございます 135 00:12:40,129 --> 00:12:44,133 おお 姫君ですか 新吾です 136 00:12:44,133 --> 00:12:48,137 新吾様は 自源流の達人であらせられる由 137 00:12:48,137 --> 00:12:51,140 私もいささか 京流の小太刀をたしなみまする 138 00:12:51,140 --> 00:12:54,143 一手 お立ち合い願いとう存じます 139 00:12:54,143 --> 00:12:58,081 綾 控えなさい な… 何じゃ 女だてらに 140 00:12:58,081 --> 00:13:00,083 たって お願いつかまつります 141 00:13:00,083 --> 00:13:03,086 あいや 姫 せっかくですが➡ 142 00:13:03,086 --> 00:13:05,088 我ら自源流は 秩父の山岳に籠もり➡ 143 00:13:05,088 --> 00:13:10,093 俗世とは縁を切って ひたすら 心の修行に励むを本義といたし➡ 144 00:13:10,093 --> 00:13:15,093 その… 他流と技比べなどするのは 最も戒めるところで 145 00:13:17,100 --> 00:13:22,105 それほどの流儀を学ばれたお方が なぜむやみに人を斬るのです 146 00:13:22,105 --> 00:13:24,107 非は斬られた者たちに あったようです 147 00:13:24,107 --> 00:13:26,109 けんかを売ったことも 分かっています 148 00:13:26,109 --> 00:13:28,111 でも それくらいのことで… 149 00:13:28,111 --> 00:13:31,114 当家にとっては みんな大事な家来です 150 00:13:31,114 --> 00:13:34,117 親きょうだいの身にも なってあげてください 151 00:13:34,117 --> 00:13:36,119 いくら将軍のお子でも あんまりじゃありませんか 152 00:13:36,119 --> 00:13:38,121 綾 許しませんぞ 控えなさい! 153 00:13:38,121 --> 00:13:41,124 控えません 154 00:13:41,124 --> 00:13:45,128 よろしい お相手しましょう 155 00:13:45,128 --> 00:14:05,081 ♬~ 156 00:14:05,081 --> 00:14:25,101 ♬~ 157 00:14:25,101 --> 00:14:28,104 ♬~ 158 00:14:28,104 --> 00:14:30,106 (綾姫)えい えい! 159 00:14:30,106 --> 00:14:33,109 あっ おお… 160 00:14:33,109 --> 00:14:36,112 参った 161 00:14:36,112 --> 00:14:39,115 あなたは なぜわざと打たせたのです 162 00:14:39,115 --> 00:14:43,119 せめてもの おわびのしるしです 163 00:14:43,119 --> 00:14:47,123 御家来を斬ったのは 誓って私ではない 164 00:14:47,123 --> 00:14:52,128 しかし 死なせたのは私が原因だと 思われる節があります 165 00:14:52,128 --> 00:14:56,128 お怒りは 新吾が受けるべきです 166 00:15:04,073 --> 00:15:06,073 新吾様 167 00:15:18,087 --> 00:15:20,087 (ふすまの開く音) いや… 168 00:15:22,091 --> 00:15:24,091 おはようございます 169 00:15:33,102 --> 00:15:35,104 さあ どうぞお顔を 170 00:15:35,104 --> 00:15:38,107 これ 早く新吾様のお召し替えを (女性たち)はい➡ 171 00:15:38,107 --> 00:15:44,113 さあ どうぞ 御遠慮なく どうぞ いや あの… 私… いや 172 00:15:44,113 --> 00:15:47,116 田舎でお口に合うものも ございませんが➡ 173 00:15:47,116 --> 00:15:50,119 これは皆 私が手ずから整えましたもの 174 00:15:50,119 --> 00:15:52,121 どうぞ そのおつもりで 175 00:15:52,121 --> 00:15:56,121 ほう 姫が それは ハハハッ 176 00:15:59,061 --> 00:16:02,061 うん? うっ… 177 00:16:07,069 --> 00:16:10,072 ねっ おいしゅうございましょう? 178 00:16:10,072 --> 00:16:13,075 あっ! 熱… 179 00:16:13,075 --> 00:16:15,077 私としたことが 180 00:16:15,077 --> 00:16:19,081 あっ… 熱… 181 00:16:19,081 --> 00:16:24,086 先生 私は秩父の山へ 帰りたくなりましたよ 182 00:16:24,086 --> 00:16:28,090 全く 至れり尽くせりとはいっても いささか過剰ですな 183 00:16:28,090 --> 00:16:33,095 ≪(琴) 184 00:16:33,095 --> 00:16:42,104 ♬~ 185 00:16:42,104 --> 00:16:44,106 ふつつかながら お気晴らしに 186 00:16:44,106 --> 00:16:46,108 ええ? 187 00:16:46,108 --> 00:16:52,114 ♬~ 188 00:16:52,114 --> 00:16:55,117 (弦の切れる音) (綾姫)あっ 189 00:16:55,117 --> 00:16:57,053 (弦の切れる音) (綾姫)あっ! 190 00:16:57,053 --> 00:17:00,056 ♬~ 191 00:17:00,056 --> 00:17:03,059 姫 もうやめてください 192 00:17:03,059 --> 00:17:07,063 お志はありがたいと思いますが こういうおもてなしは苦手です 193 00:17:07,063 --> 00:17:11,067 それに あなたも似合わないと思いますよ 194 00:17:11,067 --> 00:17:13,069 似合わない? ええ 195 00:17:13,069 --> 00:17:21,077 (泣き声) 196 00:17:21,077 --> 00:17:24,080 相手は姫君です 女ですからな 197 00:17:24,080 --> 00:17:27,083 ちと言い過ぎだと思います 198 00:17:27,083 --> 00:17:29,085 はい 199 00:17:29,085 --> 00:17:33,085 ≪ そうでした 言い過ぎでした 200 00:17:35,091 --> 00:17:38,091 (鳥の羽音) (河内守)おお おお 201 00:17:45,101 --> 00:17:50,101 ほう 安藤対馬に娘がいる 202 00:17:52,108 --> 00:17:54,110 綾姫とやらが新吾に? 203 00:17:54,110 --> 00:18:00,049 (河内守)はっ 昼夜の別なく娘を 新吾様のおそば近くにはべらせ➡ 204 00:18:00,049 --> 00:18:02,051 酒などをお勧めしている様子➡ 205 00:18:02,051 --> 00:18:06,055 何分にも いまだ御年18歳のお若さゆえ➡ 206 00:18:06,055 --> 00:18:09,058 もしも… (お鯉の方)もっての外のことです 207 00:18:09,058 --> 00:18:12,061 御親子御対面も済まぬうちに 妻など持てましょうか 208 00:18:12,061 --> 00:18:14,063 上様のお耳にも 入れねばなりませぬ 209 00:18:14,063 --> 00:18:17,066 あっ ははっ 210 00:18:17,066 --> 00:18:20,069 (お鯉の方) 安藤対馬は新吾を婿にして➡ 211 00:18:20,069 --> 00:18:26,075 上様の御一門になろうと 望んでいるらしゅうございます 212 00:18:26,075 --> 00:18:29,078 新吾を江戸へ呼ぶことだな 213 00:18:29,078 --> 00:18:33,082 まあ 呼んでもよろしいので? 214 00:18:33,082 --> 00:18:38,087 政治的な野心に利用されては 新吾がふびんだ 215 00:18:38,087 --> 00:18:40,089 そうでございますとも 216 00:18:40,089 --> 00:18:44,093 一日も早く 上様が御対面あそばして➡ 217 00:18:44,093 --> 00:18:47,096 諸侯にも御披露してくだされば よろしいのです 218 00:18:47,096 --> 00:18:54,103 すぐに江戸に呼びます よろしゅうございますね? 219 00:18:54,103 --> 00:18:56,103 うん 220 00:18:59,041 --> 00:19:03,041 (鈴の音) 221 00:19:15,057 --> 00:19:19,061 私 どうしても お聞きしたいことがあるんです 222 00:19:19,061 --> 00:19:21,061 何ですか 改まって 223 00:19:24,066 --> 00:19:30,072 私 子供のときから母がなくて 男みたいに育ったんです 224 00:19:30,072 --> 00:19:34,076 人並みな女らしいことは できない娘なんです 225 00:19:34,076 --> 00:19:38,080 あの… お嫌いでしょうね こんな 226 00:19:38,080 --> 00:19:41,083 そんなことはありませんよ 227 00:19:41,083 --> 00:19:43,085 私は あなたのような性格の人が 大好きです 228 00:19:43,085 --> 00:19:47,089 えっ!? ほ… 本当でございますか 229 00:19:47,089 --> 00:19:49,091 ええ 230 00:19:49,091 --> 00:19:53,095 私の幼なじみに お縫という娘がいます 231 00:19:53,095 --> 00:19:56,098 秩父八幡の社家の娘です 232 00:19:56,098 --> 00:20:00,036 あなたによく似ているんですよ 気が強くて さっぱりしていて 233 00:20:00,036 --> 00:20:02,038 ハハッ 女でも そういう人は友達になれます 234 00:20:02,038 --> 00:20:05,041 友達… あなたも小太刀の使い手です 235 00:20:05,041 --> 00:20:08,044 私の剣の友です 236 00:20:08,044 --> 00:20:10,044 これを受けてくれますか 237 00:20:20,056 --> 00:20:22,058 新吾様 私… 238 00:20:22,058 --> 00:20:25,058 ≪(多門)新吾様 ≪(足音) 239 00:20:30,066 --> 00:20:35,071 ただいま お鯉の方様御名代の 行列が着きましたぞ 240 00:20:35,071 --> 00:20:37,073 母上の? 241 00:20:37,073 --> 00:20:40,076 御名代を誰だと思います 242 00:20:40,076 --> 00:20:42,078 お縫ですよ 243 00:20:42,078 --> 00:20:44,080 お縫が? 244 00:20:44,080 --> 00:20:49,080 姫 今お話ししていたお縫です お縫が来たんですよ 245 00:20:51,087 --> 00:20:53,089 お縫 246 00:20:53,089 --> 00:20:57,026 お鯉の方様御名代として 参りました 247 00:20:57,026 --> 00:21:01,030 新吾様には即刻 江戸表にお下りなされますよう➡ 248 00:21:01,030 --> 00:21:03,032 しかとお申しつけにございます 249 00:21:03,032 --> 00:21:05,034 はい 250 00:21:05,034 --> 00:21:24,053 ♬~ 251 00:21:24,053 --> 00:21:29,058 お方様が新吾様のために お手ずから整えられました➡ 252 00:21:29,058 --> 00:21:31,060 衣服 差し料です 253 00:21:31,060 --> 00:21:33,062 ありがたく お受けなされますように 254 00:21:33,062 --> 00:21:35,064 えっ 255 00:21:35,064 --> 00:21:39,064 母上が 私のために 256 00:21:42,071 --> 00:21:47,076 対馬守殿も さようお心得の上 早速 御出立の準備を 257 00:21:47,076 --> 00:21:50,079 (対馬守)ははっ 258 00:21:50,079 --> 00:21:52,081 縫殿 (お縫)えっ? 259 00:21:52,081 --> 00:21:54,083 (せきばらい) 260 00:21:54,083 --> 00:21:57,086 あっ これは 261 00:21:57,086 --> 00:22:01,090 御名代様に お伺いしとう存じます 262 00:22:01,090 --> 00:22:04,093 何でしょう 263 00:22:04,093 --> 00:22:08,097 江戸へ参れば 御親子御対面の 御沙汰があるのでしょうな 264 00:22:08,097 --> 00:22:10,097 答えられません 265 00:22:12,101 --> 00:22:15,104 でも あると信じます 266 00:22:15,104 --> 00:22:17,106 新吾様! 267 00:22:17,106 --> 00:22:19,108 先生 268 00:22:19,108 --> 00:22:36,125 ♬~ 269 00:22:36,125 --> 00:22:39,125 (お縫の笑い声) 270 00:23:02,084 --> 00:23:05,087 新吾様 どなたをお捜しです 271 00:23:05,087 --> 00:23:09,091 うん? いや… 272 00:23:09,091 --> 00:23:11,093 先を急ぐんです 273 00:23:11,093 --> 00:23:13,093 お早く うん 274 00:23:17,099 --> 00:23:23,105 (孫太夫)おた~ち~ 275 00:23:23,105 --> 00:23:43,125 ♬~ 276 00:23:43,125 --> 00:23:50,132 ♬~ 277 00:23:50,132 --> 00:23:55,132 綾 なぜお見送りをせなんだのじゃ 278 00:23:59,074 --> 00:24:04,079 二度と お目にかかれぬかもしれんぞ 279 00:24:04,079 --> 00:24:06,079 父上! 280 00:24:10,085 --> 00:24:12,087 (泣き声) 281 00:24:12,087 --> 00:24:16,091 よいよい もうよい 282 00:24:16,091 --> 00:24:21,096 おお うずらが巣を作っとる 綾 来てみい 283 00:24:21,096 --> 00:24:23,098 はっ 申し上げます (対馬守)何じゃ 284 00:24:23,098 --> 00:24:27,102 ただいま 新吾様と入れ違いに 江戸表より急使が御到着 285 00:24:27,102 --> 00:24:31,106 お上より何事か殿に 御沙汰ある由にございます 286 00:24:31,106 --> 00:24:33,106 わしに沙汰が 287 00:24:51,126 --> 00:24:53,128 (綾姫)父上 288 00:24:53,128 --> 00:24:56,131 聞いたか 289 00:24:56,131 --> 00:24:59,068 はい 290 00:24:59,068 --> 00:25:04,073 佐渡の新金紛失事件の 疑いにより➡ 291 00:25:04,073 --> 00:25:10,073 わしの身柄は 阿波 徳島へお預けと定まった 292 00:25:17,086 --> 00:25:19,086 綾 293 00:25:22,091 --> 00:25:30,099 そちは父が この父が 黄金を盗む侍と思うか 294 00:25:30,099 --> 00:25:32,099 父上 295 00:25:34,103 --> 00:25:41,103 上様も… あまりに お… お情けない 296 00:25:43,112 --> 00:25:47,116 (泣き声) 297 00:25:47,116 --> 00:25:51,120 父上 まだお諦めは早うございます 298 00:25:51,120 --> 00:25:54,123 新吾様です 新吾様におすがりして➡ 299 00:25:54,123 --> 00:25:56,125 上様にとりなしていただくのです 300 00:25:56,125 --> 00:25:58,060 (対馬守)綾 (綾姫)行かせてください 301 00:25:58,060 --> 00:26:00,062 お行列を追って 新吾様にお目通りし➡ 302 00:26:00,062 --> 00:26:03,065 命に代えても 聞き届けていただきます 303 00:26:03,065 --> 00:26:05,065 綾! 304 00:26:07,069 --> 00:26:12,074 決して御短気は起こさず 待っていてください 305 00:26:12,074 --> 00:26:14,076 待っていてください! 306 00:26:14,076 --> 00:26:33,095 ♬~ 307 00:26:33,095 --> 00:26:35,097 《新吾様 あなただけ》 308 00:26:35,097 --> 00:26:39,101 《おすがりするのは あなただけなんです》 309 00:26:39,101 --> 00:26:42,104 《見捨てないでください 父を救ってください》 310 00:26:42,104 --> 00:26:46,108 《お願いです 新吾様》 311 00:26:46,108 --> 00:26:49,108 新吾様! 312 00:26:52,114 --> 00:26:58,053 <晴れて 親子の対面 無事にかなうか 新吾の旅は➡ 313 00:26:58,053 --> 00:27:02,053 たどる美濃路は秋でした> 314 00:27:12,067 --> 00:27:31,067 ♬~