1 00:01:57,995 --> 00:01:59,997 (備前)新吾! 2 00:01:59,997 --> 00:02:01,999 (お鯉の方)新吾 (吉宗)新吾 3 00:02:01,999 --> 00:02:04,001 (お縫)新吾様! 4 00:02:04,001 --> 00:02:07,004 (綾姫)新吾様! (庄三郎・多門)新吾様! 5 00:02:07,004 --> 00:02:09,006 (頼安)新吾! 6 00:02:09,006 --> 00:02:22,019 (人々)新吾 新吾 新吾様 新吾 新吾… 7 00:02:22,019 --> 00:02:31,028 ♬~ 8 00:02:31,028 --> 00:02:33,030 (新吾)だーっ! 9 00:02:33,030 --> 00:02:41,038 ♬~ 10 00:02:41,038 --> 00:02:47,044 <いかなる星の下に生まれけむ 親を知らない みなしご一人> 11 00:02:47,044 --> 00:02:51,048 <時は享保 所は武州> 12 00:02:51,048 --> 00:02:54,051 <葵の花と咲きいでし➡ 13 00:02:54,051 --> 00:02:58,051 青年 新吾は剣にたつ!> 14 00:03:01,992 --> 00:03:04,995 (新吾)母上! 15 00:03:04,995 --> 00:03:25,015 ♬~ 16 00:03:25,015 --> 00:03:45,035 ♬~ 17 00:03:45,035 --> 00:04:04,989 ♬~ 18 00:04:04,989 --> 00:04:16,989 ♬~ 19 00:04:29,013 --> 00:04:41,013 ♬~ 20 00:04:49,033 --> 00:05:03,033 ♬~ 21 00:05:04,982 --> 00:05:07,985 (多門)んっ… あ~ 22 00:05:07,985 --> 00:05:10,988 あきれるほど大げさな警戒ですよ 23 00:05:10,988 --> 00:05:12,990 何かあったんでしょうか 24 00:05:12,990 --> 00:05:16,994 (多門)なに お鯉の方様御名代の 一行だからです 25 00:05:16,994 --> 00:05:21,999 5万石の格式だそうですよ 本当ですか 26 00:05:21,999 --> 00:05:24,001 お縫が代理でさえ あのありまさじゃ➡ 27 00:05:24,001 --> 00:05:28,005 大名行列なんて思いやられますね 28 00:05:28,005 --> 00:05:33,010 ハハッ ものものしすぎて むしろ滑稽ですよ 29 00:05:33,010 --> 00:05:36,013 そういう新吾様だって 御対面が済めば➡ 30 00:05:36,013 --> 00:05:38,015 いずれどこかの大名に なるんですぞ 31 00:05:38,015 --> 00:05:40,017 まっぴらです まるで でくのぼうじゃありませんか 32 00:05:40,017 --> 00:05:42,017 ≪(お縫)何をおっしゃるんです 33 00:05:44,021 --> 00:05:46,023 人には それぞれ持ち分があります 34 00:05:46,023 --> 00:05:48,025 将軍のお子に お生まれになった以上➡ 35 00:05:48,025 --> 00:05:52,029 ふさわしい生き方をするのが 当然じゃありませんか 36 00:05:52,029 --> 00:05:57,968 大名生活も お心の持ちよう一つ どんな名君にもなれるはずです 37 00:05:57,968 --> 00:05:59,970 私の性分には合いそうもない 38 00:05:59,970 --> 00:06:01,972 新吾様! お縫だってそうじゃないか 39 00:06:01,972 --> 00:06:03,974 しばらく大奥に勤めたと思うと➡ 40 00:06:03,974 --> 00:06:05,976 もう人を決めつけるような 形式ばった態度を取る 41 00:06:05,976 --> 00:06:09,980 まあ! よくもそんな… 42 00:06:09,980 --> 00:06:14,985 私が好きで大奥へ上がってるとでも 思ってらっしゃるんですか? 43 00:06:14,985 --> 00:06:19,990 みんな みんな 新吾様のためじゃありませんか 44 00:06:19,990 --> 00:06:23,994 新吾様のお命を 助けたいばっかりに 45 00:06:23,994 --> 00:06:28,999 それに お方様が新吾様の代わりに そばにいてくれとおっしゃるから 46 00:06:28,999 --> 00:06:31,001 お縫 分かった 47 00:06:31,001 --> 00:06:33,003 私の失言だった 48 00:06:33,003 --> 00:06:36,006 いいえ お分かりになってはいません 49 00:06:36,006 --> 00:06:39,009 私が大奥で どんなつらい思いをしているか➡ 50 00:06:39,009 --> 00:06:42,009 少しも御存じないんです 51 00:06:44,014 --> 00:06:47,017 大奥って所は女ばかりで➡ 52 00:06:47,017 --> 00:06:51,021 そりゃ意地の悪い 嫌な世界なんです 53 00:06:51,021 --> 00:06:54,024 秩父の山猿が着物を着ている 54 00:06:54,024 --> 00:06:56,960 山出しだって 55 00:06:56,960 --> 00:06:59,960 寄ってたかって ばかにされて… 56 00:07:01,965 --> 00:07:06,970 みんなに 何べん泣かされたか分かりません 57 00:07:06,970 --> 00:07:09,973 それも みんな 新吾様のためだと思って➡ 58 00:07:09,973 --> 00:07:11,973 歯を食いしばって 59 00:07:13,977 --> 00:07:17,981 それをあんまりです あんまりひどい… 60 00:07:17,981 --> 00:07:20,984 いや… (お縫の泣き声) 61 00:07:20,984 --> 00:07:24,984 すまん だから悪かったと 62 00:07:26,990 --> 00:07:28,992 新吾様 63 00:07:28,992 --> 00:07:32,996 新吾様は 私がお嫌いになったんですか? 64 00:07:32,996 --> 00:07:35,999 な… 何を言うんだ なぜ私がお前を 65 00:07:35,999 --> 00:07:39,002 いいえ 新吾様は 加納のお城に行かれてから➡ 66 00:07:39,002 --> 00:07:42,005 人がお変わりになりました 67 00:07:42,005 --> 00:07:44,007 きっと悪い虫が付いたんですね 68 00:07:44,007 --> 00:07:46,009 悪い虫? 69 00:07:46,009 --> 00:07:48,011 綾姫とかって人です 70 00:07:48,011 --> 00:07:51,014 新吾様に取り入って 嫌らしいったら 71 00:07:51,014 --> 00:07:54,017 お縫! 人の悪口を言うな 72 00:07:54,017 --> 00:07:57,955 まあ! 新吾様は あの方の肩を持って➡ 73 00:07:57,955 --> 00:08:01,959 私をお叱りになるんですか 新吾様! 74 00:08:01,959 --> 00:08:04,962 まあまあ まあまあ お二人とも まあそう言い争わずに 75 00:08:04,962 --> 00:08:08,966 まあまあ まあまあ (侍女)御名代様に申し上げます 76 00:08:08,966 --> 00:08:10,968 何用です 77 00:08:10,968 --> 00:08:12,968 はい あの… 78 00:08:19,977 --> 00:08:24,982 えっ 女の人? (侍女)はい 79 00:08:24,982 --> 00:08:26,982 分かりました 参ります 80 00:08:34,992 --> 00:08:37,992 ねえ 先生 うん? 81 00:08:47,004 --> 00:08:50,007 加納から お行列を追って 走り続けてきたんです 82 00:08:50,007 --> 00:08:53,010 新吾様に会わせてください 83 00:08:53,010 --> 00:08:56,013 御用向きを承りましょう 84 00:08:56,013 --> 00:08:58,949 新吾様にお目にかかって 申し上げます 85 00:08:58,949 --> 00:09:00,951 私がお伝えします 86 00:09:00,951 --> 00:09:03,954 いえ 駄目なんです 直接に新吾様でなくては 87 00:09:03,954 --> 00:09:07,958 まあ… お会わせするわけには まいりません 88 00:09:07,958 --> 00:09:09,960 なぜでしょう 89 00:09:09,960 --> 00:09:12,963 私 新吾様とは特に 90 00:09:12,963 --> 00:09:17,963 特に? 特に何です 91 00:09:24,975 --> 00:09:29,980 あっ… その脇差しは 92 00:09:29,980 --> 00:09:35,986 はい 新吾様から 特に 特に賜ったものです 93 00:09:35,986 --> 00:09:37,988 新吾様があなたに? 94 00:09:37,988 --> 00:09:42,993 お分かりでしょう? どうぞお会わせください 95 00:09:42,993 --> 00:09:44,995 いいえ なりません 絶対にいけません 96 00:09:44,995 --> 00:09:48,995 まあ 一体 何の権利があって 97 00:09:51,001 --> 00:09:56,006 新吾様の御母君 お鯉の方様の お言いつけです 98 00:09:56,006 --> 00:10:00,944 たとえ何人であろうとも 女の人を新吾様に近づけるなと➡ 99 00:10:00,944 --> 00:10:05,949 特に 特に固く命じられております 100 00:10:05,949 --> 00:10:07,951 あなたは女ではないんですか? 101 00:10:07,951 --> 00:10:09,951 まあ… 102 00:10:15,959 --> 00:10:17,961 お引き取りください 103 00:10:17,961 --> 00:10:19,961 新吾様 104 00:10:23,967 --> 00:10:25,967 あっ… 105 00:10:30,974 --> 00:10:32,974 あっ 106 00:10:36,980 --> 00:10:39,983 「窮屈でやりきれない」 107 00:10:39,983 --> 00:10:43,987 「町の宿に泊まる 捜さないでほしい 新吾」 108 00:10:43,987 --> 00:10:45,989 (多門) 「新吾様には拙者が付き添い➡ 109 00:10:45,989 --> 00:10:48,992 お行列とは つかず離れず 江戸へ向かいます」➡ 110 00:10:48,992 --> 00:10:51,995 「品川で落ち合いますから 御心配御無用に」➡ 111 00:10:51,995 --> 00:10:54,998 「縫殿 多門」 112 00:10:54,998 --> 00:10:58,935 まあ! (お縫の泣き声) 113 00:10:58,935 --> 00:11:00,937 ああっ! 114 00:11:00,937 --> 00:11:05,942 (お縫の泣き声) 115 00:11:05,942 --> 00:11:07,942 あっ 116 00:11:09,946 --> 00:11:11,946 あっ 117 00:11:14,951 --> 00:11:18,955 私 新吾様を見つけ出してみせます 118 00:11:18,955 --> 00:11:20,957 ああ… 119 00:11:20,957 --> 00:11:25,957 (泣き声) 120 00:11:28,965 --> 00:11:31,968 (女性)お二人ともすぐ帰ってくると 言っていなさったでなも➡ 121 00:11:31,968 --> 00:11:33,970 ちょっとお待ちくだせえ 122 00:11:33,970 --> 00:11:35,972 うん 123 00:11:35,972 --> 00:11:37,972 (障子の閉まる音) 124 00:11:44,981 --> 00:11:46,981 新吾様 125 00:11:52,989 --> 00:11:57,994 (源八郎)加納家の御息女 綾姫様か 126 00:11:57,994 --> 00:12:00,994 そなたは? (源八郎)死ね! 127 00:12:05,001 --> 00:12:10,006 ほほう 小太刀を使うな 128 00:12:10,006 --> 00:12:13,009 それならば斬りがいがある 129 00:12:13,009 --> 00:12:33,029 ♬~ 130 00:12:33,029 --> 00:12:41,037 ♬~ 131 00:12:41,037 --> 00:12:43,037 あっ… 132 00:12:46,042 --> 00:12:49,045 新吾だな 133 00:12:49,045 --> 00:12:51,045 何者だ 134 00:12:54,050 --> 00:12:56,052 新吾様 殺してはいけません 135 00:12:56,052 --> 00:12:58,989 はい 136 00:12:58,989 --> 00:13:00,989 斬った (源八郎)ああっ! 137 00:13:02,993 --> 00:13:04,995 くそ 138 00:13:04,995 --> 00:13:06,995 忘れるな 139 00:13:12,002 --> 00:13:14,004 (綾姫)新吾様 140 00:13:14,004 --> 00:13:17,007 どうしたというんです こんな所へ 141 00:13:17,007 --> 00:13:19,009 父が大変なんです 142 00:13:19,009 --> 00:13:21,011 阿波の徳島へ お預けになってしまったんです 143 00:13:21,011 --> 00:13:24,014 対馬殿が? なぜ 144 00:13:24,014 --> 00:13:28,018 新吾様がおたちになって すぐ江戸から御上使が来ました 145 00:13:28,018 --> 00:13:33,023 佐渡の新金10貫目が紛失した 事件の疑いを受けたのです 146 00:13:33,023 --> 00:13:36,026 いいえ 無実なんです 147 00:13:36,026 --> 00:13:38,028 父はそんなことのできる人では ありません 148 00:13:38,028 --> 00:13:42,032 金を横領するなど そんな大それた 私も対馬殿は良い方だと思います 149 00:13:42,032 --> 00:13:45,035 でも 上様まで父をお疑いです 150 00:13:45,035 --> 00:13:49,039 おすがりできるのは この世で新吾様お一人 151 00:13:49,039 --> 00:13:52,042 お願いします 父を救ってあげてください 152 00:13:52,042 --> 00:13:54,044 お願いします! 153 00:13:54,044 --> 00:13:57,981 分かりました 私も対馬殿を信じます 154 00:13:57,981 --> 00:14:00,984 私の及ぶかぎり 力を尽くしましょう 155 00:14:00,984 --> 00:14:03,987 新吾様 ありがとうございます 156 00:14:03,987 --> 00:14:05,989 ありがとうございます! 157 00:14:05,989 --> 00:14:10,994 知っていようが やがて新吾が江戸へ着く 158 00:14:10,994 --> 00:14:15,999 (河内守) はっ 18年ぶりの御親子御対面 159 00:14:15,999 --> 00:14:21,004 御胸中さこそと 拝察つかまつります 160 00:14:21,004 --> 00:14:25,008 うん その対面だが… 161 00:14:25,008 --> 00:14:32,015 いや 山育ちゆえ 何も心得ておるまいと思う 162 00:14:32,015 --> 00:14:35,018 それで (河内守)上様 163 00:14:35,018 --> 00:14:38,021 その御心配は御無用に存じまする 164 00:14:38,021 --> 00:14:41,024 新吾様御登城を前に 高家衆を差し向け➡ 165 00:14:41,024 --> 00:14:48,031 服装 作法 儀礼万端 手落ちなく 御指導つかまつります 166 00:14:48,031 --> 00:14:52,035 おお そうか 気を遣わせるのう 167 00:14:52,035 --> 00:14:56,039 (河内守)新吾を討ち漏らしたな 168 00:14:56,039 --> 00:15:00,977 安藤対馬の娘までが江戸へ来る 169 00:15:00,977 --> 00:15:04,977 まずい まずいぞ 170 00:15:07,984 --> 00:15:10,987 そちが役に立たんとあれば 171 00:15:10,987 --> 00:15:15,987 いま一度 いま一度 何とぞお願い申し上げます 172 00:15:27,003 --> 00:15:30,006 (庄三郎)無事で… 無事でよかった 173 00:15:30,006 --> 00:15:32,008 おじさんこそ 174 00:15:32,008 --> 00:15:37,013 いや 黒田家から姿を消したと 聞いたときには心配でなあ 175 00:15:37,013 --> 00:15:41,017 (笑い声) 176 00:15:41,017 --> 00:15:45,021 いや 全く 飯も喉に通りませんでしたよ 177 00:15:45,021 --> 00:15:47,023 (新吾・多門)ハハハ… (多門)本はといえば➡ 178 00:15:47,023 --> 00:15:51,027 新吾様が言いだしたのだ うんと叱ってやるがいい 179 00:15:51,027 --> 00:15:53,029 おじさん 御心配をかけて 180 00:15:53,029 --> 00:15:55,031 いいんだ いいんだ 181 00:15:55,031 --> 00:15:57,968 元気な顔さえ見せてくれれば 何も言うことはない 182 00:15:57,968 --> 00:15:59,970 ええ いや 先生➡ 183 00:15:59,970 --> 00:16:01,972 こよいは3人で飲みましょうか (多門)うん 184 00:16:01,972 --> 00:16:04,975 おじさん 晩は お二人の間に入って寝ますよ 185 00:16:04,975 --> 00:16:06,977 いいでしょう? いいとも 186 00:16:06,977 --> 00:16:08,979 久しぶりに 秩父の山の暮らしに戻ろう 187 00:16:08,979 --> 00:16:11,982 ええ おじさんに話すことが いっぱいあるんですよ 188 00:16:11,982 --> 00:16:15,986 福岡のことや長崎のことや 私も聞きたい 189 00:16:15,986 --> 00:16:17,988 夜通し語り明かそうか 190 00:16:17,988 --> 00:16:21,992 怖い大先生もいらっしゃらないし これ 191 00:16:21,992 --> 00:16:31,001 (一同)ハハハ… 192 00:16:31,001 --> 00:16:33,001 私はのけ者ですか? 193 00:16:36,006 --> 00:16:39,009 3人3人って 私だって 一緒にお山で育ったんです 194 00:16:39,009 --> 00:16:42,012 仲間外れにしなくたって いいじゃありませんか 195 00:16:42,012 --> 00:16:46,016 いやいや それよりあんたは 一刻も早く大奥へ戻って➡ 196 00:16:46,016 --> 00:16:48,018 新吾様が江戸に着いたことを 報告しなくては 197 00:16:48,018 --> 00:16:52,022 嫌です! 私 新吾様と一緒にいます 198 00:16:52,022 --> 00:16:54,024 (泣き声) 199 00:16:54,024 --> 00:16:56,960 そんな子供のような 200 00:16:56,960 --> 00:16:59,963 いや 弱ったなどうも 201 00:16:59,963 --> 00:17:08,972 (お縫の泣き声) 202 00:17:08,972 --> 00:17:10,974 縫殿 203 00:17:10,974 --> 00:17:12,976 (お縫の泣き声) 204 00:17:12,976 --> 00:17:17,981 そなたの気持ちも無理はない 205 00:17:17,981 --> 00:17:23,987 だがな それでは お方様が気の毒だとは思わんか? 206 00:17:23,987 --> 00:17:28,992 お方様はな 新吾様の生みの母だ 207 00:17:28,992 --> 00:17:32,996 そなたより どれだけ新吾様に会いたいか 208 00:17:32,996 --> 00:17:35,999 そばにいたいか 209 00:17:35,999 --> 00:17:39,002 世間の手前 それもかなわず➡ 210 00:17:39,002 --> 00:17:42,005 そなたのように 泣くこともできず➡ 211 00:17:42,005 --> 00:17:47,010 ただじーっと時の来るのを 待っていらっしゃるのだ 212 00:17:47,010 --> 00:17:51,014 新吾様が 今どこでどうしているか➡ 213 00:17:51,014 --> 00:17:55,018 片ときも お胸を離れたことはあるまい 214 00:17:55,018 --> 00:18:00,957 そのもどかしさを せめてつなぐ 架け橋の役目がそなたなんだ 215 00:18:00,957 --> 00:18:02,959 なっ 216 00:18:02,959 --> 00:18:04,959 分かりました 217 00:18:06,963 --> 00:18:11,968 私 わがままだったんです 218 00:18:11,968 --> 00:18:13,968 お縫 219 00:18:17,974 --> 00:18:20,977 これより大奥へ立ち戻ります 220 00:18:20,977 --> 00:18:25,982 新吾様には御沙汰のあるまで 当道場におとどまりください 221 00:18:25,982 --> 00:18:29,986 両先生 新吾様をくれぐれも頼みまする 222 00:18:29,986 --> 00:18:32,989 はっ 223 00:18:32,989 --> 00:18:35,992 (多門・庄三郎)ははっ 224 00:18:35,992 --> 00:18:39,996 (お縫)庄三郎先生ったら 新吾様を抱きかかえて涙ぐんで 225 00:18:39,996 --> 00:18:42,999 まるで本当の親子みたいなんで ございます 226 00:18:42,999 --> 00:18:46,002 私なんか いてもいなくってもいいみたいで 227 00:18:46,002 --> 00:18:48,004 (お鯉の方)ウフッ (お縫)ウフフッ 228 00:18:48,004 --> 00:18:50,006 庄三郎は独り? 229 00:18:50,006 --> 00:18:53,009 ええ 奥様どころか 女っ気なんか まるっきり 230 00:18:53,009 --> 00:18:56,012 身の回りのお世話は 若い門人の方がなさって 231 00:18:56,012 --> 00:18:58,948 まるで仙人みたい 232 00:18:58,948 --> 00:19:00,950 そうですか 233 00:19:00,950 --> 00:19:03,953 庄三郎先生って ずーっと昔に誰かに➡ 234 00:19:03,953 --> 00:19:06,956 生涯に一度っていうみたいな すてきな恋をなさったことが➡ 235 00:19:06,956 --> 00:19:09,959 あるんじゃないでしょうか きっとそうだと思うんです 236 00:19:09,959 --> 00:19:13,963 だってあんなにいい方が それに剣だってお強いんですもの 237 00:19:13,963 --> 00:19:15,963 おかしいですものね 238 00:19:21,971 --> 00:19:24,974 《死ぬつもりだから申します》 239 00:19:24,974 --> 00:19:27,977 《お嬢様と死ねるなら 本望なんです》 240 00:19:27,977 --> 00:19:32,977 《お前 それほど私のことを》 241 00:19:34,984 --> 00:19:36,984 《あの世で 一緒になってください》 242 00:19:40,990 --> 00:19:42,990 (お縫)お方様 243 00:20:06,950 --> 00:20:10,954 御対面までには まだ日のあること➡ 244 00:20:10,954 --> 00:20:12,956 そなた 時々道場へ行って➡ 245 00:20:12,956 --> 00:20:16,960 新吾の様子を 知らせてくれませぬか? 246 00:20:16,960 --> 00:20:19,963 えっ あの 私が道場に? 247 00:20:19,963 --> 00:20:25,969 気が進まぬのなら フッ 他の者に 言いつけてもいいのですよ 248 00:20:25,969 --> 00:20:28,972 まあ それはあんまりでございます! 249 00:20:28,972 --> 00:20:31,975 ウフフッ 250 00:20:31,975 --> 00:20:36,980 あっ いえ それは あの… 251 00:20:36,980 --> 00:20:39,983 おや 顔が真っ赤です 252 00:20:39,983 --> 00:20:42,986 (お縫)まあ! (お鯉の方)ウフフ…➡ 253 00:20:42,986 --> 00:20:45,989 縫は新吾が好きなのですね 254 00:20:45,989 --> 00:20:48,992 お方様 嫌! 255 00:20:48,992 --> 00:20:51,995 綾姫は 安藤家の江戸屋敷にとどまり➡ 256 00:20:51,995 --> 00:20:53,997 新吾を通じて 上様に➡ 257 00:20:53,997 --> 00:20:57,934 事件の再調査を願い出るものと 思われます 258 00:20:57,934 --> 00:20:59,936 そうなっては 259 00:20:59,936 --> 00:21:01,938 どうしようというんじゃ 260 00:21:01,938 --> 00:21:04,941 (源八郎) 御親子御対面を妨げるのです 261 00:21:04,941 --> 00:21:06,943 無理だな 262 00:21:06,943 --> 00:21:11,948 上様は御対面を 殊の外 楽しみにしておられる 263 00:21:11,948 --> 00:21:15,952 それをぶち破ってみせます 264 00:21:15,952 --> 00:21:17,954 できるか? それが 265 00:21:17,954 --> 00:21:22,959 手だれの部下を1人 殺すことになりましょう 266 00:21:22,959 --> 00:21:24,961 手段を選ぶな 267 00:21:24,961 --> 00:21:26,963 やれ! 268 00:21:26,963 --> 00:21:29,966 ははっ 269 00:21:29,966 --> 00:21:32,969 (綾姫)「取急ぎ お逢いしたいことが出来ました」➡ 270 00:21:32,969 --> 00:21:37,974 「今宵五ツ 音羽の護国寺まで お越し下さいませ 綾」 271 00:21:37,974 --> 00:21:39,976 安藤家の使いと言いましたか 272 00:21:39,976 --> 00:21:43,980 はっ 一橋の江戸屋敷の者と 273 00:21:43,980 --> 00:21:45,982 分かりました 274 00:21:45,982 --> 00:21:54,982 (鐘の音) 275 00:21:56,993 --> 00:22:04,000 (鐘の音) 276 00:22:04,000 --> 00:22:07,003 (大吾)おっ 277 00:22:07,003 --> 00:22:10,006 来ました 278 00:22:10,006 --> 00:22:13,009 さりげなく近づいて 必殺のやいばを振るえ 279 00:22:13,009 --> 00:22:15,009 生きようと思うな (大吾)はっ 280 00:22:21,017 --> 00:22:27,017 (鐘の音) 281 00:22:33,029 --> 00:22:40,036 (鐘の音) 282 00:22:40,036 --> 00:22:42,036 はー! 283 00:22:45,041 --> 00:22:47,041 あ~! 284 00:22:49,045 --> 00:22:51,045 あっ 285 00:22:57,987 --> 00:23:02,992 斬られた! 大吾が斬られたぞ! 286 00:23:02,992 --> 00:23:15,004 ♬~ 287 00:23:15,004 --> 00:23:18,007 (市右ヱ門) ろうぜき者をひっ捕らえい 288 00:23:18,007 --> 00:23:20,009 何をする 私は… 289 00:23:20,009 --> 00:23:23,012 控えい 寺社奉行吟味役 井出市右ヱ門 290 00:23:23,012 --> 00:23:27,016 境内を汚した罪で召し捕る 神妙にせい! 291 00:23:27,016 --> 00:23:30,019 そのまま召し捕って寺社奉行役宅に 引いていったところ➡ 292 00:23:30,019 --> 00:23:33,022 取り調べにあたって 葵 新吾と名乗ったそうです 293 00:23:33,022 --> 00:23:38,027 それで寺社奉行から 私の所にも問い合わせが 294 00:23:38,027 --> 00:23:40,029 先生 295 00:23:40,029 --> 00:23:42,031 やはり 296 00:23:42,031 --> 00:23:45,034 えっ!? では本当に新吾様なんですか? 297 00:23:45,034 --> 00:23:47,036 そうとしか思えん 298 00:23:47,036 --> 00:23:50,039 先ほど 部屋でこの手紙を 299 00:23:50,039 --> 00:23:53,042 (お縫)あっ 300 00:23:53,042 --> 00:23:55,044 綾姫 301 00:23:55,044 --> 00:23:58,981 違う 違います 私の筆跡ではありません 302 00:23:58,981 --> 00:24:02,985 第一 こんなお手紙を出した覚えは まるでないんです 303 00:24:02,985 --> 00:24:05,988 罠だ 先生 罠です 304 00:24:05,988 --> 00:24:08,988 新吾は何者かの罠に落ちたのです 305 00:24:10,993 --> 00:24:12,995 新吾様 306 00:24:12,995 --> 00:24:14,997 口にこそ出さなんだが➡ 307 00:24:14,997 --> 00:24:19,001 余もどれほど新吾と会える日を 楽しみにしていたか知れんのだ 308 00:24:19,001 --> 00:24:22,004 ばかなやつめが! 309 00:24:22,004 --> 00:24:29,011 では 御対面の儀は どうあってもかないませぬか? 310 00:24:29,011 --> 00:24:33,015 城中には 新吾の登城を 喜ばぬ者たちもおる➡ 311 00:24:33,015 --> 00:24:35,017 これほどの不祥事を 起こした新吾に➡ 312 00:24:35,017 --> 00:24:37,019 登城が許せると思うか 313 00:24:37,019 --> 00:24:43,025 新吾は まだ18でございます 分別もない年頃です 314 00:24:43,025 --> 00:24:49,031 ましてや山の中に捨て置かれて 世間のことは何も知らないのです 315 00:24:49,031 --> 00:24:51,033 もう少し寛大な おぼし召しがあっても➡ 316 00:24:51,033 --> 00:24:53,035 よろしいではございませぬか 317 00:24:53,035 --> 00:24:56,973 新吾がかわいいのは そちばかりではない 318 00:24:56,973 --> 00:24:58,975 もうやめい (お鯉の方)いいえ 319 00:24:58,975 --> 00:25:02,979 上様は新吾のことよりも 御重職や諸侯のお心を➡ 320 00:25:02,979 --> 00:25:06,983 はかりすぎあそばすのでは ございませぬか? 321 00:25:06,983 --> 00:25:10,987 新吾は私どもの子供でございます 322 00:25:10,987 --> 00:25:12,989 人を斬ったと申しましても➡ 323 00:25:12,989 --> 00:25:16,993 それには それだけの理由が あったと存じます 324 00:25:16,993 --> 00:25:18,995 新吾に限って きっと 325 00:25:18,995 --> 00:25:21,998 いかなる理由があろうと➡ 326 00:25:21,998 --> 00:25:27,003 将軍の子が人を斬る乱行は 許されん 327 00:25:27,003 --> 00:25:29,003 上様 328 00:25:31,007 --> 00:25:36,012 上様は20年の昔 若気の至りとは申しながら➡ 329 00:25:36,012 --> 00:25:40,016 私の父をお手討ちあそばしたでは ありませぬか 330 00:25:40,016 --> 00:25:45,016 お鯉 そちともあろう者が 取り乱すのは見苦しいぞ 331 00:25:48,024 --> 00:25:51,027 上様 う… 332 00:25:51,027 --> 00:26:02,972 ♬~ 333 00:26:02,972 --> 00:26:04,974 いえ 334 00:26:04,974 --> 00:26:09,979 上様がどのように仰せられようと 新吾は私の子です 335 00:26:09,979 --> 00:26:12,982 私の産んだ大事の子です 336 00:26:12,982 --> 00:26:17,987 この母が きっと会わずにはおかぬ 337 00:26:17,987 --> 00:26:21,991 新吾… 新吾 338 00:26:21,991 --> 00:26:26,996 つらいであろう 悲しいであろう 339 00:26:26,996 --> 00:26:31,996 我慢しておくれ 辛抱しておくれ 340 00:26:34,003 --> 00:26:37,006 新吾… 341 00:26:37,006 --> 00:26:40,009 そなたには 私がついています 342 00:26:40,009 --> 00:26:43,012 この母がついています! 343 00:26:43,012 --> 00:26:45,014 新吾 344 00:26:45,014 --> 00:26:47,014 新吾! 345 00:26:49,018 --> 00:26:56,018 (泣き声) 346 00:26:59,962 --> 00:27:02,965 <前世のくしき因縁か> 347 00:27:02,965 --> 00:27:05,968 <宿世のえにしが薄いのか> 348 00:27:05,968 --> 00:27:11,968 <新吾の心は夜の闇へ 1人さみしく沈むのでした> 349 00:27:17,980 --> 00:27:36,980 ♬~