1 00:01:58,067 --> 00:02:08,067 ♬~ 2 00:02:19,088 --> 00:02:39,108 ♬~ 3 00:02:39,108 --> 00:02:59,061 ♬~ 4 00:02:59,061 --> 00:03:19,081 ♬~ 5 00:03:19,081 --> 00:03:33,081 ♬~ 6 00:03:44,106 --> 00:03:47,109 (新吾)お断りします 7 00:03:47,109 --> 00:03:49,111 私は秩父の老先生から➡ 8 00:03:49,111 --> 00:03:54,116 人を生かす剣を悟れと教えられて 山を下ってきました 9 00:03:54,116 --> 00:03:56,118 その私に人を斬れとは 10 00:03:56,118 --> 00:04:01,056 いかに叔父上の仰せでも 今度ばかりはお受けできません 11 00:04:01,056 --> 00:04:03,058 (頼安)聞け 新吾 12 00:04:03,058 --> 00:04:07,062 その男のために 十何人という私の部下が死んだ 13 00:04:07,062 --> 00:04:11,066 名誉も出世も求めず ただ世の太平を守ることに➡ 14 00:04:11,066 --> 00:04:14,069 命を懸ける 掛けがえのない男たちだ 15 00:04:14,069 --> 00:04:18,073 その中には そなたを母君に会わそうとして➡ 16 00:04:18,073 --> 00:04:20,075 散っていった命もある 17 00:04:20,075 --> 00:04:22,077 叔父上 18 00:04:22,077 --> 00:04:27,082 その男を生かしておけば また多くの尊い命が消えよう 19 00:04:27,082 --> 00:04:30,085 仏説にも一殺多生の剣 20 00:04:30,085 --> 00:04:34,085 正しき者を生かすためにも その剣を抜いてはくれぬか? 21 00:04:41,096 --> 00:04:43,098 その男の名は? 22 00:04:43,098 --> 00:04:45,100 新吾 23 00:04:45,100 --> 00:04:47,102 男の名を仰せられい! 24 00:04:47,102 --> 00:04:49,104 (頼安)その男の名は不知火蔵人➡ 25 00:04:49,104 --> 00:04:53,108 老中 太田備中守秘蔵の剣客➡ 26 00:04:53,108 --> 00:04:58,046 数日前 こつ然と江戸から 姿を消して西へ向かった➡ 27 00:04:58,046 --> 00:05:00,048 急げば 島田宿辺りで追いつけよう➡ 28 00:05:00,048 --> 00:05:04,048 目印は二の腕にある2つのほくろ 29 00:05:06,054 --> 00:05:08,056 (千春)あっ 30 00:05:08,056 --> 00:05:21,069 ♬~ 31 00:05:21,069 --> 00:05:23,071 動いてはならん 32 00:05:23,071 --> 00:05:30,071 ♬~ 33 00:05:44,092 --> 00:05:47,095 これは とんだ思い違いを 34 00:05:47,095 --> 00:05:49,097 恥じ入ります 35 00:05:49,097 --> 00:05:52,100 いや 剣に生きる者には ままあることです 36 00:05:52,100 --> 00:05:55,103 それにしても ありがとう存じました 37 00:05:55,103 --> 00:06:02,044 むかでに気付いたのは妹のやつ 礼は妹に言ってください 38 00:06:02,044 --> 00:06:05,047 ただいまは どうも 39 00:06:05,047 --> 00:06:08,050 いいえ 40 00:06:08,050 --> 00:06:10,052 お二人で旅を? 41 00:06:10,052 --> 00:06:12,054 はっ➡ 42 00:06:12,054 --> 00:06:15,054 では行こうか (千春)はい 43 00:06:17,059 --> 00:06:19,059 (男性)御免 44 00:06:36,078 --> 00:06:40,078 (男性のうめき声) 45 00:06:42,084 --> 00:06:45,087 ああ… 46 00:06:45,087 --> 00:06:48,090 お兄様 お苦しいんですか? 47 00:06:48,090 --> 00:06:50,090 いや… 48 00:06:52,094 --> 00:06:55,097 大したことはない 49 00:06:55,097 --> 00:06:57,032 大丈夫だ 50 00:06:57,032 --> 00:07:02,037 私 どっかへ行って お薬を探してきます 51 00:07:02,037 --> 00:07:05,040 もう夜も更けてる 52 00:07:05,040 --> 00:07:09,044 それに この雨だ 53 00:07:09,044 --> 00:07:11,046 あの お帳場にでも行って 54 00:07:11,046 --> 00:07:14,049 いいんだ いいんだよ 55 00:07:14,049 --> 00:07:17,052 でも お苦しそうで 私 とても見ていられない 56 00:07:17,052 --> 00:07:21,056 いいというのに 57 00:07:21,056 --> 00:07:23,056 ああ… (千春)あっ 58 00:07:25,060 --> 00:07:27,060 私は… 59 00:07:30,065 --> 00:07:34,069 業の深い仕事をしてきた 60 00:07:34,069 --> 00:07:36,069 ああ… 61 00:07:38,073 --> 00:07:41,076 人の情けには すがれぬ 62 00:07:41,076 --> 00:07:44,079 (うめき声) 63 00:07:44,079 --> 00:07:47,082 苦しむのも当然の報いだ 64 00:07:47,082 --> 00:07:49,084 お兄様 65 00:07:49,084 --> 00:07:53,088 そんな… そんなことってありません 66 00:07:53,088 --> 00:08:01,029 お兄様はお役目で 御主人のために お働きになったんじゃありませんか 67 00:08:01,029 --> 00:08:06,029 それなのに どうしてお兄様だけが報いを 68 00:08:08,036 --> 00:08:16,044 心ならずも 数多くの命を 我が手にかけた 69 00:08:16,044 --> 00:08:19,047 (うめき声) 70 00:08:19,047 --> 00:08:25,053 そ… そのうら… 恨みが… 71 00:08:25,053 --> 00:08:27,055 お兄様 72 00:08:27,055 --> 00:08:29,057 お兄様… 73 00:08:29,057 --> 00:08:32,060 ≪ 御免 74 00:08:32,060 --> 00:08:34,062 あっ あなたは 75 00:08:34,062 --> 00:08:36,064 おお あなた方でしたか 76 00:08:36,064 --> 00:08:39,067 廊下を通ると 苦しそうな声がしたもので 77 00:08:39,067 --> 00:08:42,070 兄が病気なんです 78 00:08:42,070 --> 00:08:44,072 兄上が? ええ 79 00:08:44,072 --> 00:08:49,077 風邪気味のところ雨に打たれて とても熱が高いんです 80 00:08:49,077 --> 00:08:51,079 それはいかんな 81 00:08:51,079 --> 00:08:53,081 私 もうどうしたらいいか 82 00:08:53,081 --> 00:08:57,081 お待ちなさい ちょうど良い薬がある 83 00:08:59,021 --> 00:09:02,021 すぐに飲ませておあげなさい きっと熱が引きます 84 00:09:04,026 --> 00:09:06,028 ありがとう存じます 85 00:09:06,028 --> 00:09:09,028 ありがとう存じます… 86 00:09:12,034 --> 00:09:17,039 あっ その御紋は 87 00:09:17,039 --> 00:09:19,041 あなた様は 一体 88 00:09:19,041 --> 00:09:21,043 あっ ああ… 89 00:09:21,043 --> 00:09:25,047 これは さるお方から頂いたものです 90 00:09:25,047 --> 00:09:27,049 拝領なさいましたの? 91 00:09:27,049 --> 00:09:29,051 そんなことよりも早く 92 00:09:29,051 --> 00:09:31,053 はい 私の部屋は この奥にあります 93 00:09:31,053 --> 00:09:33,055 何かあったら いつでも起こしてください 94 00:09:33,055 --> 00:09:35,057 ありがとう存じます お大事に 95 00:09:35,057 --> 00:09:37,059 はい (男性のうめき声) 96 00:09:37,059 --> 00:09:40,062 お兄様 とてもいいお薬を 頂きました 97 00:09:40,062 --> 00:09:43,065 すぐ飲まして差し上げますから (男性のうめき声) 98 00:09:43,065 --> 00:09:47,065 お兄様 お兄様? お兄様 99 00:09:49,071 --> 00:09:55,077 (文次郎) いや ひどい土砂降りですな 100 00:09:55,077 --> 00:09:59,014 もう追いついてもよいころですが (又五郎)何しろこの雨では➡ 101 00:09:59,014 --> 00:10:02,017 宿場中 しらみつぶしに捜して 歩くわけにもいかず 102 00:10:02,017 --> 00:10:07,022 (左馬之介)まあよい 相手は女連れ そう足の延ばせるはずはない 103 00:10:07,022 --> 00:10:09,024 いずれは見つかる 104 00:10:09,024 --> 00:10:14,029 しかし 不知火蔵人とあろう者が 何故急に 105 00:10:14,029 --> 00:10:17,032 ハハハ… 106 00:10:17,032 --> 00:10:20,035 愚かなやつ 107 00:10:20,035 --> 00:10:24,035 我々が人並みの心を持てば 身の破滅 108 00:10:26,041 --> 00:10:30,041 おのおのも とくと心得ておくがよい 109 00:10:40,055 --> 00:10:42,057 ≪ おはよう 110 00:10:42,057 --> 00:10:45,060 あっ 111 00:10:45,060 --> 00:10:48,063 ゆうべはどうも いや 112 00:10:48,063 --> 00:10:50,065 いかがですか 兄上は はい 113 00:10:50,065 --> 00:10:53,068 あのお薬が効いて 明け方から熱も下がり➡ 114 00:10:53,068 --> 00:10:57,005 今ぐっすり ああ それはよかった 115 00:10:57,005 --> 00:11:00,008 本当に何とお礼を 申し上げたらいいか 116 00:11:00,008 --> 00:11:03,011 私 口下手なもんで 117 00:11:03,011 --> 00:11:05,013 ハッ なに 118 00:11:05,013 --> 00:11:08,016 むかでに刺されるところを あなたに助けてもらった 119 00:11:08,016 --> 00:11:12,020 おあいこですよ まあ そんなこと 120 00:11:12,020 --> 00:11:14,020 ハハッ 121 00:11:17,025 --> 00:11:19,027 これは私のものでは? 122 00:11:19,027 --> 00:11:22,030 あっ はい あの… 123 00:11:22,030 --> 00:11:24,032 さっきお礼を申し上げに お部屋に伺ったら➡ 124 00:11:24,032 --> 00:11:27,035 これが汚れてたもんですから 125 00:11:27,035 --> 00:11:30,038 困る あなたに洗わせては申し訳ない 126 00:11:30,038 --> 00:11:32,040 自分でやります いいえ 127 00:11:32,040 --> 00:11:34,042 せめて これぐらいのことは させてください 128 00:11:34,042 --> 00:11:36,044 駄目ですよ 駄目ですよ いいんです いいんです 129 00:11:36,044 --> 00:11:39,044 ≪(番頭)え~ せっかくのところを 何でやすが 130 00:11:43,051 --> 00:11:45,053 何か用か? 131 00:11:45,053 --> 00:11:47,055 ゆうべの雨で 今日は川止めでございます 132 00:11:47,055 --> 00:11:49,057 そのことをちょっとお知らせに 133 00:11:49,057 --> 00:11:53,061 川止め? へい 134 00:11:53,061 --> 00:11:57,065 あっ あの… 私ちょっとお部屋に 135 00:11:57,065 --> 00:12:00,068 ヘヘヘッ とんだお邪魔を 136 00:12:00,068 --> 00:12:02,068 たわけ 137 00:12:04,072 --> 00:12:07,075 あっ 御覧になりましたか 138 00:12:07,075 --> 00:12:10,075 今のは確かに蔵人の妹 (左馬之介)何? 139 00:12:18,086 --> 00:12:21,089 はい (蔵人)うん 140 00:12:21,089 --> 00:12:30,098 ウフフッ それはお優しくて親切で とても上品なお方 141 00:12:30,098 --> 00:12:33,101 ウフフッ (蔵人)そなた いくつになったかな 142 00:12:33,101 --> 00:12:36,104 あら 御存じなはずじゃありませんか 143 00:12:36,104 --> 00:12:38,106 17よ なぜ? 144 00:12:38,106 --> 00:12:41,109 いや 145 00:12:41,109 --> 00:12:43,111 いつの間にか年頃になったのう 146 00:12:43,111 --> 00:12:47,115 まあ 嫌なお兄様 147 00:12:47,115 --> 00:12:49,117 (蔵人)ハハハ… (千春)フフフ… 148 00:12:49,117 --> 00:12:54,122 それからね 御印籠に 葵の御紋が付いてるのよ➡ 149 00:12:54,122 --> 00:12:56,122 拝領なさったんですって 150 00:12:58,059 --> 00:13:00,061 確かに葵の紋か? 151 00:13:00,061 --> 00:13:04,065 ええ お薬を頂くとき この目で見たんですもの 152 00:13:04,065 --> 00:13:06,065 ウフフッ 153 00:13:08,069 --> 00:13:10,071 葵 新吾 154 00:13:10,071 --> 00:13:13,074 えっ? (蔵人)千春 155 00:13:13,074 --> 00:13:15,076 すぐ支度をいたせ (千春)支度? 156 00:13:15,076 --> 00:13:17,078 宿を出よう 157 00:13:17,078 --> 00:13:19,080 でも そのお体では➡ 158 00:13:19,080 --> 00:13:22,083 それに さっき番頭が 川止めだと言ってました 159 00:13:22,083 --> 00:13:24,083 川止めだと? 160 00:13:28,089 --> 00:13:32,093 お主は (左馬之介)久しいのう 不知火蔵人 161 00:13:32,093 --> 00:13:35,096 (千春)お兄様 162 00:13:35,096 --> 00:13:39,100 いろいろ積もる話もある 顔を貸してもらいたい 163 00:13:39,100 --> 00:13:43,104 お待ちください 兄は御老中様のお許しを得て➡ 164 00:13:43,104 --> 00:13:46,107 おいとまを頂きました それをなぜ 165 00:13:46,107 --> 00:13:51,112 千春殿 我々はちと蔵人に 聞き残したことがあってのう 166 00:13:51,112 --> 00:13:58,053 しばらく体を借りるだけだ 心配はいらん 167 00:13:58,053 --> 00:14:01,056 さあ 行こうか 168 00:14:01,056 --> 00:14:03,058 千春 すぐ帰る 169 00:14:03,058 --> 00:14:05,058 お兄様 170 00:14:12,067 --> 00:14:22,077 ♬~ 171 00:14:22,077 --> 00:14:26,081 お兄様 お兄様! 172 00:14:26,081 --> 00:14:29,084 そなたも蔵人が どんな仕事をしていたか➡ 173 00:14:29,084 --> 00:14:32,087 うすうすは知っていよう 174 00:14:32,087 --> 00:14:35,087 騒ぐと かえってためにならんぞ 175 00:14:39,094 --> 00:14:41,096 ≪(足音) 176 00:14:41,096 --> 00:14:43,098 助けてください 兄が殺されます 177 00:14:43,098 --> 00:14:45,100 兄上が? 江戸から追っ手が来たんです 178 00:14:45,100 --> 00:14:48,103 連れていかれたんです 江戸の追っ手? 179 00:14:48,103 --> 00:14:51,106 落ち着いてお話ししなさい はい 180 00:14:51,106 --> 00:14:56,111 兄は 幕府の偉いお方に仕え 秘密の仕事をしていました 181 00:14:56,111 --> 00:14:58,046 秘密の仕事? 182 00:14:58,046 --> 00:15:01,049 剣術の腕を認められ とても危険な仕事を 183 00:15:01,049 --> 00:15:05,053 でも 兄は初めから その仕事が嫌だったんです 184 00:15:05,053 --> 00:15:09,057 最近 兄はとうとう決心して 御主人にお願いして➡ 185 00:15:09,057 --> 00:15:13,061 おいとまを頂戴しました 186 00:15:13,061 --> 00:15:18,066 御主人は今までの功績に免じて 快く承諾してくださいました 187 00:15:18,066 --> 00:15:22,070 それがさっき 突然 兄の朋輩だった人たちが現れ➡ 188 00:15:22,070 --> 00:15:25,073 兄の刀を取り上げて 連れてってしまったんです 189 00:15:25,073 --> 00:15:29,077 兄上が仕えておられた 御主人というのは? 190 00:15:29,077 --> 00:15:31,079 それは… 191 00:15:31,079 --> 00:15:37,085 老中 太田備中守 192 00:15:37,085 --> 00:15:40,088 どうしてそれを 193 00:15:40,088 --> 00:15:43,091 やはり 194 00:15:43,091 --> 00:15:46,094 あの… 195 00:15:46,094 --> 00:15:49,094 兄上の名は何といわれる 196 00:15:51,099 --> 00:15:55,099 聞かせてほしい 兄上の名は何と 197 00:15:58,039 --> 00:16:02,039 不知火蔵人 198 00:16:04,045 --> 00:16:06,045 不知火蔵人 199 00:16:11,052 --> 00:16:14,055 (頼安)《十何人という 私の部下が死んだ》 200 00:16:14,055 --> 00:16:17,058 《名誉も出世も求めず ただ世の太平を守ることに➡ 201 00:16:17,058 --> 00:16:21,062 命を懸ける 掛けがえのない男たちがな》 202 00:16:21,062 --> 00:16:23,064 兄を助けてください 203 00:16:23,064 --> 00:16:27,068 兄は何も悪いことなんか してないんです 204 00:16:27,068 --> 00:16:30,071 御主人の命令を 命懸けで果たしてきたことが➡ 205 00:16:30,071 --> 00:16:33,074 なぜ悪いんです 私たちが生きてくために➡ 206 00:16:33,074 --> 00:16:35,076 兄は命を懸けて働いてきたんです 207 00:16:35,076 --> 00:16:39,080 《その中には そなたを母君に会わそうとして➡ 208 00:16:39,080 --> 00:16:43,084 散っていった命もある》➡ 209 00:16:43,084 --> 00:16:48,084 《そなたを母君に会わそうとして 散っていった命もある》 210 00:16:55,096 --> 00:16:58,032 お願いです たった1人の兄なんです 211 00:16:58,032 --> 00:17:02,036 掛けがえのない兄なんです どうか! 212 00:17:02,036 --> 00:17:05,039 御迷惑なのは分かってます 213 00:17:05,039 --> 00:17:07,041 でも 他には誰もいないんです 214 00:17:07,041 --> 00:17:10,044 私には あなたにお願いするより 他ないんです 215 00:17:10,044 --> 00:17:15,044 兄を助けて 後生です このとおりです 216 00:17:17,051 --> 00:17:19,053 (千春の泣き声) 217 00:17:19,053 --> 00:17:35,069 ♬~ 218 00:17:35,069 --> 00:17:39,073 言え 何故の追っ手だ 219 00:17:39,073 --> 00:17:41,075 己の胸に聞け 220 00:17:41,075 --> 00:17:43,077 何を言う 221 00:17:43,077 --> 00:17:49,083 私は今まで数々の危険を冒し 忠実に任務を果たしてきた 222 00:17:49,083 --> 00:17:52,086 追っ手をかけられるいわれはない 223 00:17:52,086 --> 00:17:56,090 お主は 知りすぎている 224 00:17:56,090 --> 00:17:58,026 何? 225 00:17:58,026 --> 00:18:01,029 御老中の秘密を知りすぎている 226 00:18:01,029 --> 00:18:05,029 生かしておく御老中と思うか 227 00:18:09,037 --> 00:18:11,039 斬れ 228 00:18:11,039 --> 00:18:14,039 うわ~! 229 00:18:19,047 --> 00:18:21,047 さすがだな 蔵人 230 00:18:23,051 --> 00:18:30,058 だが その体で脇差しでは 所詮 勝ち目はないぞ 231 00:18:30,058 --> 00:18:50,078 ♬~ 232 00:18:50,078 --> 00:19:10,031 ♬~ 233 00:19:10,031 --> 00:19:21,042 ♬~ 234 00:19:21,042 --> 00:19:23,044 あっ あっ! 235 00:19:23,044 --> 00:19:40,061 ♬~ 236 00:19:40,061 --> 00:19:42,061 (飛来音) (文次郎)おっ! 237 00:19:47,068 --> 00:19:50,068 御助勢いたす あっ あなたは 238 00:19:53,074 --> 00:19:55,076 ケッ 239 00:19:55,076 --> 00:20:11,025 ♬~ 240 00:20:11,025 --> 00:20:13,027 (左馬之介)斬れ! 斬れ 241 00:20:13,027 --> 00:20:33,047 ♬~ 242 00:20:33,047 --> 00:20:53,067 ♬~ 243 00:20:53,067 --> 00:21:04,011 ♬~ 244 00:21:04,011 --> 00:21:08,015 (うめき声) 245 00:21:08,015 --> 00:21:10,015 (千春)お兄様 246 00:21:18,025 --> 00:21:20,027 ありがとう存じました 247 00:21:20,027 --> 00:21:22,029 ありがとう存じました… 248 00:21:22,029 --> 00:21:25,029 間に合って何よりでした 249 00:21:28,035 --> 00:21:31,038 おけがは? 250 00:21:31,038 --> 00:21:33,038 葵 新吾様ですな 251 00:21:37,044 --> 00:21:39,046 葵 新吾様でしょうな 252 00:21:39,046 --> 00:21:41,048 えっ? 253 00:21:41,048 --> 00:21:44,051 葵 新吾様ですって? 254 00:21:44,051 --> 00:21:47,054 自源流の恐るべき太刀さばき 255 00:21:47,054 --> 00:21:50,057 そして葵の印籠 256 00:21:50,057 --> 00:21:53,057 よもや余人ではございますまい 257 00:21:55,062 --> 00:22:00,067 私を斬るために 江戸から 追ってこられたのでしょう 258 00:22:00,067 --> 00:22:02,067 えっ 259 00:22:04,071 --> 00:22:08,075 本当なんですか? 新吾様なんですか? 260 00:22:08,075 --> 00:22:11,078 兄を斬るために 追ってらしたんですか? 261 00:22:11,078 --> 00:22:14,081 うそ うそです 262 00:22:14,081 --> 00:22:16,083 そんなはずはない 263 00:22:16,083 --> 00:22:21,088 あなたは私にあんなに優しく してくだすったじゃありませんか 264 00:22:21,088 --> 00:22:23,090 違いますね? 265 00:22:23,090 --> 00:22:28,095 新吾様なら 無論 私をお斬りになって当然だ 266 00:22:28,095 --> 00:22:33,095 しん酌は御無用 この場でお討ちなさるがよい 267 00:22:37,104 --> 00:22:48,115 (泣き声) 268 00:22:48,115 --> 00:22:53,120 (笑い声) 269 00:22:53,120 --> 00:22:56,123 誤解ですよ 誤解ですよ 270 00:22:56,123 --> 00:22:58,059 誤解? 271 00:22:58,059 --> 00:23:03,064 そうです 私は 葵 新吾ではない 272 00:23:03,064 --> 00:23:06,067 えっ 273 00:23:06,067 --> 00:23:11,072 私は 新吾様とは 自源流の同門の相弟子 274 00:23:11,072 --> 00:23:15,076 梅井庄三郎という者です 275 00:23:15,076 --> 00:23:18,079 あっ お兄様! 276 00:23:18,079 --> 00:23:20,081 ハハッ 277 00:23:20,081 --> 00:23:26,087 あっ 実はこの印籠も その新吾様から頂いたものです 278 00:23:26,087 --> 00:23:30,091 ハハハッ 前にも一度 このせいで間違えられましてね 279 00:23:30,091 --> 00:23:34,095 よかった 280 00:23:34,095 --> 00:23:40,101 梅井様 梅井庄三郎様と おっしゃるんですね 281 00:23:40,101 --> 00:23:43,104 ハッ もっと早く 名乗っておけばよかった 282 00:23:43,104 --> 00:23:45,104 許してください 283 00:23:51,112 --> 00:23:55,116 新吾様 梅井庄三郎ですよ 284 00:23:55,116 --> 00:24:01,055 こんな優しい心のきれいな 千春さんの前で➡ 285 00:24:01,055 --> 00:24:04,058 私がうそをつけるとお思いか 286 00:24:04,058 --> 00:24:22,076 ♬~ 287 00:24:22,076 --> 00:24:24,078 では梅井さんは江戸へ? 288 00:24:24,078 --> 00:24:27,081 ええ 気が変わりましてね 289 00:24:27,081 --> 00:24:32,086 私たちは甲州へ行き 山で きこりでもしようかと 290 00:24:32,086 --> 00:24:34,088 お幸せに 291 00:24:34,088 --> 00:24:36,088 ≪(頼安)待て! 292 00:24:42,096 --> 00:24:44,096 叔父上 293 00:24:46,100 --> 00:24:49,103 大儀だったな 新吾 (千春)えっ 新吾? 294 00:24:49,103 --> 00:24:51,105 そなたに頼みはしたものの できることなら➡ 295 00:24:51,105 --> 00:24:55,105 そなたの手を汚させたくないと 思い直し 後を追った 296 00:24:57,044 --> 00:25:00,044 不知火蔵人だな 297 00:25:02,049 --> 00:25:04,051 そなたの手に果てた 者どもに代わり➡ 298 00:25:04,051 --> 00:25:07,051 松平頼安 成敗いたす 299 00:25:09,056 --> 00:25:11,058 (頼安)どかぬか 新吾 お待ちください 人違いです 300 00:25:11,058 --> 00:25:14,061 何? ここにいるのは➡ 301 00:25:14,061 --> 00:25:17,061 不知火蔵人ではありません 302 00:25:20,067 --> 00:25:23,070 新吾 お聞きください 303 00:25:23,070 --> 00:25:25,072 ここにいるのは➡ 304 00:25:25,072 --> 00:25:28,075 主命のため心ならずも犯した 過去の罪を恐れ 世を逃れて➡ 305 00:25:28,075 --> 00:25:32,075 ひそかに山中に生きようとする 名もなき きょうだいにすぎません 306 00:25:36,083 --> 00:25:41,088 お… お見逃しのほど 願い上げまする! 307 00:25:41,088 --> 00:25:54,101 ♬~ 308 00:25:54,101 --> 00:25:57,101 過去を捨てた 名もなき きょうだいと申したな 309 00:26:01,042 --> 00:26:04,045 はい 310 00:26:04,045 --> 00:26:06,047 しかとさようか 311 00:26:06,047 --> 00:26:12,053 新吾 この身に代えて誓いまする 312 00:26:12,053 --> 00:26:23,064 ♬~ 313 00:26:23,064 --> 00:26:26,067 よかろう➡ 314 00:26:26,067 --> 00:26:30,071 東海道 島田まで とんだ遠乗りであった➡ 315 00:26:30,071 --> 00:26:33,071 ハハハ… 316 00:26:38,079 --> 00:26:40,079 はいや! 317 00:26:44,085 --> 00:26:47,088 叔父上 318 00:26:47,088 --> 00:26:49,088 新吾様! 319 00:26:53,094 --> 00:26:55,096 新吾様 320 00:26:55,096 --> 00:26:59,033 (千春の泣き声) よかった 321 00:26:59,033 --> 00:27:01,035 よかったな 千春さん 322 00:27:01,035 --> 00:27:04,035 (千春の泣き声) 323 00:27:15,049 --> 00:27:35,069 ♬~ 324 00:27:35,069 --> 00:27:37,069 ♬~