1 00:00:04,138 --> 00:00:07,138 悪いが 知らねえふりをしてくりょう。 2 00:00:10,812 --> 00:00:17,512 憲兵になった吉太郎の任務とは 一体 何なのでしょう? 3 00:00:20,154 --> 00:00:24,154 ごきげんよう。 さようなら。 4 00:00:33,401 --> 00:00:38,339 ♬~ 5 00:00:38,339 --> 00:00:42,477 <ベランダは すっかり初夏の陽気だ。➡ 6 00:00:42,477 --> 00:00:47,815 今日も 俺は 植物どもの世話に 余念がない。➡ 7 00:00:47,815 --> 00:00:51,686 さて 夏本番を迎える前に➡ 8 00:00:51,686 --> 00:00:57,386 俺には 片づけなくてはならない 仕事がある> 9 00:00:59,160 --> 00:01:02,063 <日々草の事だ。➡ 10 00:01:02,063 --> 00:01:04,665 都会の園芸野郎なら➡ 11 00:01:04,665 --> 00:01:08,503 誰もが こいつのありがたみを 知っている。➡ 12 00:01:08,503 --> 00:01:10,838 そして 同時に➡ 13 00:01:10,838 --> 00:01:14,838 のっぴきならないやつだ という事も> 14 00:01:16,711 --> 00:01:23,851 ♬~ 15 00:01:23,851 --> 00:01:52,851 ♬~ 16 00:01:57,718 --> 00:02:01,689 <日々の草と書いて 日々草。➡ 17 00:02:01,689 --> 00:02:07,161 …と読ませる辺りが そもそも 憎いと言わねばなるまい。➡ 18 00:02:07,161 --> 00:02:12,833 ベランダの日々草は 今年で 3年目を迎えた。➡ 19 00:02:12,833 --> 00:02:16,170 地味といえば地味な風体ながら➡ 20 00:02:16,170 --> 00:02:22,470 やつと同等の働きを見せる植物は なかなか いないのである> 21 00:02:26,180 --> 00:02:30,518 <花というやつは その青春が短い。➡ 22 00:02:30,518 --> 00:02:34,121 喜んだのも つかの間 すぐさま しおれ➡ 23 00:02:34,121 --> 00:02:39,460 一瞬の輝きを放ちながら 散っていく。➡ 24 00:02:39,460 --> 00:02:44,131 そこへいくと ニチニチは偉い。➡ 25 00:02:44,131 --> 00:02:47,802 開花して しおれたかと思う間もなく➡ 26 00:02:47,802 --> 00:02:53,608 すぐ 隣の茎に 新たなつぼみが 出来るのだ。➡ 27 00:02:53,608 --> 00:02:56,811 まるで 一糸乱れぬリレーのように➡ 28 00:02:56,811 --> 00:03:02,483 あそこの花から ここの花と バトンをつないでいく。➡ 29 00:03:02,483 --> 00:03:09,156 パッと散る桜の美学と 咲き続ける生命力。➡ 30 00:03:09,156 --> 00:03:12,827 その2つを併せ持つ日々草は➡ 31 00:03:12,827 --> 00:03:19,127 まさに 鉢植えの中の鉢植えと 言っても 過言ではない> 32 00:03:21,168 --> 00:03:24,005 <ありがとう ニチニチ。➡ 33 00:03:24,005 --> 00:03:28,843 俺は もう 十分 楽しませてもらった。➡ 34 00:03:28,843 --> 00:03:31,746 …などと わざとらしく➡ 35 00:03:31,746 --> 00:03:34,115 ねぎらいの言葉を かけておきながら➡ 36 00:03:34,115 --> 00:03:37,785 実のところ 3年間も つきあったおかげで➡ 37 00:03:37,785 --> 00:03:44,659 すっかり飽きてしまい 新しい鉢が欲しくなったのである> 38 00:03:44,659 --> 00:03:53,334 ♬~ 39 00:03:53,334 --> 00:03:57,138 <やつとも そろそろ潮時だ。➡ 40 00:03:57,138 --> 00:04:01,475 俺は ニチニチの代わりとなる鉢を探しに➡ 41 00:04:01,475 --> 00:04:05,346 なじみの花屋に向かった> 42 00:04:05,346 --> 00:04:13,487 ♬~ 43 00:04:13,487 --> 00:04:15,423 いらっしゃいませ。 44 00:04:15,423 --> 00:04:17,358 どぉも 店長。 45 00:04:17,358 --> 00:04:20,828 「どぉも 店長」って 毎回毎回…。 46 00:04:20,828 --> 00:04:23,497 たまには 楓ちゃんみたいに びっくりしてみなさいよ。 47 00:04:23,497 --> 00:04:26,167 もう一回! え? 48 00:04:26,167 --> 00:04:29,837 何のプレーですか? これ。 いいから ほら! 49 00:04:29,837 --> 00:04:34,442 ♬~ 50 00:04:34,442 --> 00:04:36,377 いらっしゃいませ。 51 00:04:36,377 --> 00:04:40,314 うわ~ 店長だ~! 52 00:04:40,314 --> 00:04:43,451 楓ちゃん ちょっと こっちお願い。 53 00:04:43,451 --> 00:04:46,120 そんな やらせておいて…。 54 00:04:46,120 --> 00:04:50,458 いらっしゃいませ。 うわ~! どどど… どうも。 55 00:04:50,458 --> 00:04:55,329 暑くなってきましたね。 あ… そうですね。 56 00:04:55,329 --> 00:04:58,332 今日は どういった感じの鉢を? あ… はい。 57 00:04:58,332 --> 00:05:02,470 こう 夏っぽい感じのは ないかなと。 はい。 58 00:05:02,470 --> 00:05:07,141 そうですか。 それじゃあ えっと…。 59 00:05:07,141 --> 00:05:09,841 あっ。 あっ これなんか…。 あっ! 60 00:05:12,480 --> 00:05:14,415 ああっ! あっ! 61 00:05:14,415 --> 00:05:17,818 <て… 手に触れてしまった。➡ 62 00:05:17,818 --> 00:05:22,690 嫌らしい男だと 思われてはいまいか> 63 00:05:22,690 --> 00:05:26,494 こちらこそ すみません。 はあ。 64 00:05:26,494 --> 00:05:30,831 <よかった。 どうやら 大丈夫そうだ> 65 00:05:30,831 --> 00:05:35,436 あ… あの ブーゲンビリアがいいかなと 思ったんですけど➡ 66 00:05:35,436 --> 00:05:40,736 いかがですか? うん。 いいですね。 67 00:05:45,780 --> 00:05:49,650 <これぞ 初夏の陽気に ふさわしい花。➡ 68 00:05:49,650 --> 00:05:54,350 ニチニチの野郎とも これで おさらばだ> 69 00:05:57,391 --> 00:06:05,466 <…にしても 楓さんの手の感触が 生々しく残っている。➡ 70 00:06:05,466 --> 00:06:11,766 しばらくは 手を洗うのを やめにしてお~こう> 71 00:06:20,014 --> 00:06:27,154 <花の名前が付いた名曲たち。 今回は この曲です> 72 00:06:27,154 --> 00:06:45,439 ♬~ 73 00:06:45,439 --> 00:06:49,109 ♬「日々 加速する新時代 光あると信じたい」 74 00:06:49,109 --> 00:06:53,447 ♬「期待 胸膨らまして感じたい この思いをパンチライン」 75 00:06:53,447 --> 00:06:57,318 ♬「新千年 秘密のベール 包まれた未知なるスケール」 76 00:06:57,318 --> 00:07:01,322 ♬「燈台から何が見える どうだい? 兄弟へのエール」 77 00:07:01,322 --> 00:07:05,459 ♬「目の前に微かな でも確かな 価値観が」 78 00:07:05,459 --> 00:07:09,129 ♬「生まれ行く千年紀の最初に 飲み込まれないように」 79 00:07:09,129 --> 00:07:13,000 ♬「空を消し去っていく超高層 人々は徒競走」 80 00:07:13,000 --> 00:07:17,471 ♬「終わりある人生でも夜を越そう つかみとれるさ 今日こそ」 81 00:07:17,471 --> 00:07:35,422 ♬~ 82 00:07:35,422 --> 00:07:39,293 ♬「過ぎ去った時間と体温 照らし出す奇観の太陽」 83 00:07:39,293 --> 00:07:43,764 ♬「変わらない祈願と愛を 再度 握りしめ Ride on」 84 00:07:43,764 --> 00:07:46,667 ♬「生き抜くのは困難で 誰もが皆 そうなんで」 85 00:07:46,667 --> 00:07:51,438 ♬「ほらね それでも黄色い肌 誇り歌う ただ」 86 00:07:51,438 --> 00:07:58,779 ♬「川の流れは冷めたくて 胸が張り裂けそうになって」 87 00:07:58,779 --> 00:08:03,117 ♬「外は 陽の光が 眩しすぎて」 88 00:08:03,117 --> 00:08:07,788 ♬「ここで歌っている」 89 00:08:07,788 --> 00:08:17,788 ♬~ 90 00:08:21,802 --> 00:08:28,475 <ブーゲンビリアの南国的な雰囲気は 俺を魅了した。➡ 91 00:08:28,475 --> 00:08:34,281 一刻も早く ニチニチの代わりに こいつを ベランダに置きたい。➡ 92 00:08:34,281 --> 00:08:36,283 …とはいうものの➡ 93 00:08:36,283 --> 00:08:40,087 あれだけ貢献してきたやつを いきなり捨てるのも➡ 94 00:08:40,087 --> 00:08:43,087 人情味に欠ける> 95 00:08:46,961 --> 00:08:50,731 <俺は ブーゲンビリアを置きたい一心で➡ 96 00:08:50,731 --> 00:08:58,031 心を鬼にし ニチニチの野郎に 水をやるのを控える事にした> 97 00:09:00,107 --> 00:09:06,780 <「捨てられぬなら 死ぬのを待とう 日々草」。➡ 98 00:09:06,780 --> 00:09:11,452 つまり 家康戦法だ。➡ 99 00:09:11,452 --> 00:09:14,788 俺としては 枯れちゃったから しかたがない。➡ 100 00:09:14,788 --> 00:09:19,488 …という 大義名分が欲しかったのだ> 101 00:09:21,662 --> 00:09:25,432 あっ しまった! 102 00:09:25,432 --> 00:09:27,732 洗っちゃった…。 103 00:09:29,336 --> 00:09:32,072 <俺の作戦は 完璧。➡ 104 00:09:32,072 --> 00:09:34,742 …のはずだった。➡ 105 00:09:34,742 --> 00:09:38,412 だが やつは 兵糧攻めに屈する事なく➡ 106 00:09:38,412 --> 00:09:44,752 性懲りもなく 花など咲かせて 生き延びようとする。➡ 107 00:09:44,752 --> 00:09:49,089 こうなると ブーゲンビリアに比べて 地味な感じが➡ 108 00:09:49,089 --> 00:09:52,426 憎らしく思えてくる。➡ 109 00:09:52,426 --> 00:09:59,426 こいつさえ 軍門に下ってくれれば そこに鉢が置けるのに> 110 00:10:02,770 --> 00:10:08,108 <憎らしい。 だが 捨てられない。➡ 111 00:10:08,108 --> 00:10:15,108 俺は俺で つい やつに同情して 水をやってしまい 後悔する> 112 00:10:18,452 --> 00:10:20,788 <ひょっとして こいつは➡ 113 00:10:20,788 --> 00:10:23,690 そうした俺の性格を 見抜いた上で➡ 114 00:10:23,690 --> 00:10:28,662 緻密な戦略を 練っているのではないか。➡ 115 00:10:28,662 --> 00:10:33,133 日々草なんて ほのぼのした名前を しちゃいるが➡ 116 00:10:33,133 --> 00:10:37,471 こいつは 策士 秀吉。➡ 117 00:10:37,471 --> 00:10:45,771 まさに 家康対秀吉の 時を超えた ベランダの合戦だ> 118 00:10:48,482 --> 00:10:54,482 <歴史は 我々に 何をさせようというのか> 119 00:10:56,824 --> 00:11:01,695 ♬~ 120 00:11:01,695 --> 00:11:05,833 <ついに 俺は 最後の手段に出た> 121 00:11:05,833 --> 00:11:08,502 ハッハッハッハ ハッハッハッハ! 122 00:11:08,502 --> 00:11:12,840 <根腐れをねらって 水やりを多めにしたのだ> 123 00:11:12,840 --> 00:11:14,775 ハッハッハッハッハ! 124 00:11:14,775 --> 00:11:21,181 <ざまあ見ろ。 悪いが あんたのシマは 俺が頂く> 125 00:11:21,181 --> 00:11:30,181 ウワッハッハ ハッハッハ! ウワッハッハッハ ウワッハッハッハ! 126 00:11:32,459 --> 00:11:36,130 <しかし やつは 枯れるどころか➡ 127 00:11:36,130 --> 00:11:41,430 水を全て吸い取り 更に元気になりやがる> 128 00:11:43,470 --> 00:11:48,142 <負けだ。 俺の負けだ。➡ 129 00:11:48,142 --> 00:11:53,814 ニチニチよ あんたは強かった> 130 00:11:53,814 --> 00:11:57,684 すまぬ…。 131 00:11:57,684 --> 00:12:01,155 <植物は しぶとい。➡ 132 00:12:01,155 --> 00:12:04,057 人間は その強さの前に➡ 133 00:12:04,057 --> 00:12:07,357 ひれ伏すしかないのだ> 134 00:12:14,701 --> 00:12:20,174 <ニチニチの野郎は 今も ベランダで生きている。➡ 135 00:12:20,174 --> 00:12:23,844 おかげで ブーゲンビリアは 日に当てる事ができず➡ 136 00:12:23,844 --> 00:12:26,513 枯れてしまった。➡ 137 00:12:26,513 --> 00:12:30,513 …と 俺が ふさぎ込んでいると> 138 00:12:32,319 --> 00:12:38,019 <なんという事だ。 こんな所で 楓さんと出くわすとは> 139 00:12:39,793 --> 00:12:44,665 <ふだんなら この偶然に乗じて 話しかけるところだが➡ 140 00:12:44,665 --> 00:12:50,137 ブーゲンビリアを枯らしたあとだけに ばつが悪い> 141 00:12:50,137 --> 00:12:56,810 ♬~ 142 00:12:56,810 --> 00:13:01,510 <ニチニチの野郎 いつか 痛い目に遭わせてやる> 143 00:13:03,150 --> 00:13:06,053 <…と同時に あの日➡ 144 00:13:06,053 --> 00:13:08,822 手を洗ってしまったという 不祥事を➡ 145 00:13:08,822 --> 00:13:14,494 いまだに激しく後悔している 自分がいた> 146 00:13:14,494 --> 00:13:16,794 (ため息) 147 00:13:25,138 --> 00:13:29,843 ♬~ 148 00:13:29,843 --> 00:13:35,115 <生きる事に絶望し 川に身投げした幻玉。➡ 149 00:13:35,115 --> 00:13:37,784 親友 アボニアと仲間たちは➡ 150 00:13:37,784 --> 00:13:40,784 彼の行方を捜していた> 151 00:13:42,456 --> 00:13:46,326 <一方 幻玉は 記憶を失ったものの➡ 152 00:13:46,326 --> 00:13:49,626 外の世界で 平穏な日々を送っていた> 153 00:13:51,465 --> 00:13:54,368 (リトープス) 幻玉さん 随分 元気になって➡ 154 00:13:54,368 --> 00:13:57,137 今にも はち切れそう。 155 00:13:57,137 --> 00:14:01,008 (幻玉)君のおかげだよ リトープス。 156 00:14:01,008 --> 00:14:05,479 (リトープス)そんな 私は ただ…。 157 00:14:05,479 --> 00:14:07,814 (ロホホラ)幻玉君 どうだろう?➡ 158 00:14:07,814 --> 00:14:12,152 これからも ここにいてくれないか? 159 00:14:12,152 --> 00:14:16,152 ロホホラさん…。 もちろんです。 160 00:14:23,764 --> 00:14:30,170 (アボニア)幻玉。 君は 今 どこで 何をしてるんだ?➡ 161 00:14:30,170 --> 00:14:32,105 ゴホッ ゴホッ! 162 00:14:32,105 --> 00:14:34,041 (火祭)アボニア 大丈夫か? 163 00:14:34,041 --> 00:14:35,976 (アボニア)誰?➡ 164 00:14:35,976 --> 00:14:40,781 火祭…。 君こそ どうしたんだ? その色。 165 00:14:40,781 --> 00:14:44,117 (火祭)紅葉が終わっただけだ。 気にすんな。➡ 166 00:14:44,117 --> 00:14:46,053 それより お前…。 167 00:14:46,053 --> 00:14:48,455 (アボニア)アブラムシさ。 168 00:14:48,455 --> 00:14:51,124 (火祭)チェッ! アブラか…。 169 00:14:51,124 --> 00:14:54,995 (アボニア)気が付いたら 根元に 大量発生してね。➡ 170 00:14:54,995 --> 00:14:58,465 吸われちゃったよ 養分。 171 00:14:58,465 --> 00:15:02,336 (火祭)俺たち多肉に アブラ野郎は 付き物だからな。➡ 172 00:15:02,336 --> 00:15:04,338 運命みたいなもんさ。 173 00:15:04,338 --> 00:15:08,809 (アボニア)あと1か月かな…。 174 00:15:08,809 --> 00:15:11,809 (火祭)そっか…。 175 00:15:15,682 --> 00:15:19,453 (ゴーラム)ハイ ハイ ハ~イ! 寄せ植えドライブで ハッスル ハッスル! 176 00:15:19,453 --> 00:15:22,356 (ハオルチア)イエ~イ! ねえ 火祭も誘おうよ! 177 00:15:22,356 --> 00:15:24,825 (ゴーラム)黙ってろ このアマ!➡ 178 00:15:24,825 --> 00:15:26,760 紅葉が終わって 丸くなったやつなんか➡ 179 00:15:26,760 --> 00:15:30,497 もう ダチじゃねえんだよ! このまま 峠 攻めるぜ! 180 00:15:30,497 --> 00:15:32,432 (タイヤが きしむ音) (ゴーラム ハオルチア)おお…!➡ 181 00:15:32,432 --> 00:15:34,432 ぎゃっ! 182 00:15:36,770 --> 00:15:41,108 (アボニア)…で 火祭 何か 用があったんだろ? 183 00:15:41,108 --> 00:15:46,780 (火祭)ああ。 幻玉の事だが ピラニア先輩に聞いたら➡ 184 00:15:46,780 --> 00:15:50,450 外を捜してみたら いいんじゃないかって言ってたぜ。 185 00:15:50,450 --> 00:15:55,322 (アボニア)そっか 外か…。 ゴホッ ゴホッ! 186 00:15:55,322 --> 00:15:59,793 (火祭)アボニア しっかりしろ! (アボニア)だ… 大丈夫。➡ 187 00:15:59,793 --> 00:16:05,465 幻玉が戻ってきたら 今度は一緒に 寄せ植えパーティーがしたいな。➡ 188 00:16:05,465 --> 00:16:08,765 じゃあ。 ゴホッ ゴホッ! 189 00:16:13,340 --> 00:16:16,040 (火祭)アボニア…。 190 00:16:21,014 --> 00:16:25,786 (オーロラ)うそでしょ…。 アボニア君。 191 00:16:25,786 --> 00:16:31,425 <アブラムシに侵されたアボニアは 幻玉を捜し出す事ができるのか。➡ 192 00:16:31,425 --> 00:16:35,425 多肉たちの運命に 光は さすのか> 193 00:16:43,437 --> 00:16:48,108 <俺は その日を 心待ちにしていた。➡ 194 00:16:48,108 --> 00:16:53,808 毎年 この時期に行われる 浅草の植木市だ> 195 00:16:55,449 --> 00:16:58,351 <年に1度の大イベントを 明日に控え➡ 196 00:16:58,351 --> 00:17:02,351 俺は 武者震いがしたものだ> 197 00:17:07,794 --> 00:17:10,794 あった。 イエ~イ! 198 00:17:13,667 --> 00:17:18,805 <俺は 緊張し 喉が渇いて しかたがなかった。➡ 199 00:17:18,805 --> 00:17:23,677 湿らせようと ビールを大量に飲んだので 当日は➡ 200 00:17:23,677 --> 00:17:26,146 寝坊した> 201 00:17:26,146 --> 00:17:28,815 (目覚まし時計の音) あっ! あっ! 202 00:17:28,815 --> 00:17:38,625 ♬~ 203 00:17:38,625 --> 00:17:42,762 <俺は 必死で 自転車をこいだ。➡ 204 00:17:42,762 --> 00:17:48,635 出遅れたら その分 いい鉢が 先に無くなってしまうからだ> 205 00:17:48,635 --> 00:18:20,800 ♬~ 206 00:18:20,800 --> 00:18:23,470 <時は来た。➡ 207 00:18:23,470 --> 00:18:26,139 いよいよ 勝負だ> 208 00:18:26,139 --> 00:18:31,439 ♬~ 209 00:18:40,086 --> 00:18:45,759 <通りに入ると あるわ あるわ 鉢植えだらけ> 210 00:18:45,759 --> 00:18:53,099 ♬~ 211 00:18:53,099 --> 00:18:55,435 <なぜだか知らないが➡ 212 00:18:55,435 --> 00:18:58,735 ナマズが売られている始末だ> 213 00:19:01,308 --> 00:19:05,111 ナマズだよ。 500円だよ。 214 00:19:05,111 --> 00:19:08,411 知らせるよ 地震。 215 00:19:21,127 --> 00:19:26,800 <行き交うのは 筋金入りの植物愛好家ばかり。➡ 216 00:19:26,800 --> 00:19:32,072 どいつも こいつも 目の色が違う。➡ 217 00:19:32,072 --> 00:19:39,746 そう簡単に買うもんか という気迫に みなぎっている。➡ 218 00:19:39,746 --> 00:19:42,415 そうでもしないと 散財し➡ 219 00:19:42,415 --> 00:19:49,415 しまいには 自分が売る側になって 店を出すはめに陥るからだ> 220 00:19:51,091 --> 00:19:55,762 ♬~ 221 00:19:55,762 --> 00:19:57,697 <しばらく行くと➡ 222 00:19:57,697 --> 00:20:02,397 若い女性客で にぎわっている 出店がある> 223 00:20:04,104 --> 00:20:08,441 <よく見れば 田中だった> 224 00:20:08,441 --> 00:20:11,111 これですね クローンコエといって➡ 225 00:20:11,111 --> 00:20:14,447 多肉植物の中でも 特に人気でしてね➡ 226 00:20:14,447 --> 00:20:16,383 なかなか 手に入りづらいんですが➡ 227 00:20:16,383 --> 00:20:19,319 特別に 入手できましてね。 228 00:20:19,319 --> 00:20:21,788 本当ですか? 本当です 本当です。 229 00:20:21,788 --> 00:20:26,126 世話も簡単ですし インテリアに ぴったりですよ。 230 00:20:26,126 --> 00:20:29,462 うん。 確かに かわいいかも。 そう。 これ 見えますか? 231 00:20:29,462 --> 00:20:33,333 この… 見えますか? この小さな葉が落ちましてね➡ 232 00:20:33,333 --> 00:20:38,138 そうすると それが根を生やして 大きくなるんです。➡ 233 00:20:38,138 --> 00:20:41,041 別名 子宝草ともいいましてね➡ 234 00:20:41,041 --> 00:20:45,011 将来 結婚したら いいお守りになりますよ。 235 00:20:45,011 --> 00:20:47,814 どうする? どうする? 236 00:20:47,814 --> 00:20:58,158 ♬~ 237 00:20:58,158 --> 00:21:01,061 子株が成長しましたら…。 238 00:21:01,061 --> 00:21:05,498 (大声で)お友達に贈り物にしても 喜ばれますよ! ハハハッ。 239 00:21:05,498 --> 00:21:08,835 まあ お誕生日とかね バレンタインデーとかにも➡ 240 00:21:08,835 --> 00:21:14,708 いいかもしれませんよ。 かわいいね。 241 00:21:14,708 --> 00:21:17,844 <俺は 先を急いだ。➡ 242 00:21:17,844 --> 00:21:23,183 すると 何かとイチャモンをつけて 値切っている男がいた> 243 00:21:23,183 --> 00:21:28,521 う~ん これさ 後ろ枝が ちょっと短いじゃない? 244 00:21:28,521 --> 00:21:31,424 もうちょっと まからないかな? 駄目 駄目。 245 00:21:31,424 --> 00:21:33,793 うちは びた一文 まけないんだから。 246 00:21:33,793 --> 00:21:36,463 嫌ならね ほかの店 行って。 ほかに。 247 00:21:36,463 --> 00:21:39,365 だ… 駄目なの? 駄目 駄目。 248 00:21:39,365 --> 00:21:45,472 あ そう。 そんな鉢ね こっちから願い下げだよ。 249 00:21:45,472 --> 00:21:48,374 あっ! やあ ご機嫌よう。 250 00:21:48,374 --> 00:21:51,344 来てたんだね 君も。 251 00:21:51,344 --> 00:21:54,481 ああ どうも。 ご無沙汰してます。 252 00:21:54,481 --> 00:21:58,351 堅苦しい挨拶は やめてくれたまえよ。 253 00:21:58,351 --> 00:22:02,155 で? 今日は 何を買うつもりなんだい? 254 00:22:02,155 --> 00:22:06,025 あ いや… まだ 決めてないんですけど。 255 00:22:06,025 --> 00:22:10,029 分かってるよ。 恥ずかしがる事ないじゃないか。 256 00:22:10,029 --> 00:22:14,734 ここにいるという事は つまり あれだろ? 257 00:22:14,734 --> 00:22:16,703 え… 何の事です? 258 00:22:16,703 --> 00:22:22,842 本当は やりたいんだろ? 盆栽が。 ねえ? 259 00:22:22,842 --> 00:22:27,180 やりたくて やりたくて うずうずしてるんだろう? 260 00:22:27,180 --> 00:22:30,083 盆栽は いいよぉ~。 261 00:22:30,083 --> 00:22:34,454 <出た 盆栽攻撃。➡ 262 00:22:34,454 --> 00:22:39,793 だが 今の俺には 茂木を相手にしている暇はない。➡ 263 00:22:39,793 --> 00:22:43,129 急がないと いい鉢が 無くなってしまうからだ> 264 00:22:43,129 --> 00:22:47,467 盆栽。 ねえ? 265 00:22:47,467 --> 00:22:51,337 あの… 今日は 盆栽なんかに 構ってる暇はないんで。 266 00:22:51,337 --> 00:22:53,339 「盆栽なんか」!? 「盆栽なんか」!? 267 00:22:53,339 --> 00:22:57,477 君! 盆栽を愚弄するのは 何事かね! ええ!? ええ!? 268 00:22:57,477 --> 00:23:00,146 失敬じゃないか! すいません。 269 00:23:00,146 --> 00:23:04,484 <どうして いつも 俺が謝らなければならないのか> 270 00:23:04,484 --> 00:23:07,821 ごめん… ごめんなさい。 ちょっと熱くなってしまったね。 271 00:23:07,821 --> 00:23:14,160 気に障ったかい? あ… いえ 大丈夫です。 272 00:23:14,160 --> 00:23:18,498 あっ ちょっと 僕 用事がありますんで。 273 00:23:18,498 --> 00:23:21,198 じゃあ 失礼します。 274 00:23:22,836 --> 00:23:25,536 ちょっと 君! 275 00:23:29,509 --> 00:23:32,209 意気地なし! 276 00:23:33,780 --> 00:23:39,452 ♬~ 277 00:23:39,452 --> 00:23:44,324 <俺は 片っ端から買いあさりたい という衝動を抑え➡ 278 00:23:44,324 --> 00:23:49,128 安くて小さい鉢だけを ゲットしていった> 279 00:23:49,128 --> 00:24:01,474 ♬~ 280 00:24:01,474 --> 00:24:04,811 <軍資金は あといくら残っているか➡ 281 00:24:04,811 --> 00:24:08,147 確認しようとした まさに その時> 282 00:24:08,147 --> 00:24:11,050 ベゴニア 1,000円だよ! 1,000円! 283 00:24:11,050 --> 00:24:13,486 はい 1,000円で いいよ! 284 00:24:13,486 --> 00:24:17,186 <早くも 値崩れが始まったのだ> 285 00:24:18,825 --> 00:24:23,496 <見れば 4,000円はするであろう ベゴニアが並んでいる。➡ 286 00:24:23,496 --> 00:24:26,796 それらが 1,000円とは…> 287 00:24:28,368 --> 00:24:34,107 <中には 小学生までいて 鋭い目つきで選んでいた。➡ 288 00:24:34,107 --> 00:24:39,445 花や葉を触るしぐさなどは ポテンシャルの高さを感じさせ➡ 289 00:24:39,445 --> 00:24:42,782 俺をおびえさせた> 290 00:24:42,782 --> 00:24:48,454 おじさん。 うん? このベゴニアは 木立性? 球根性? 291 00:24:48,454 --> 00:24:52,792 木立性。 坊主 お前 よく知ってんな。 292 00:24:52,792 --> 00:24:56,663 じゃあ 直射日光でも 大丈夫だね。 ああ 大丈夫だ 大丈夫だ。 293 00:24:56,663 --> 00:24:59,666 <なんて 末恐ろしいガキだ。➡ 294 00:24:59,666 --> 00:25:03,366 早めに潰しておいた方が よさそうだ> 295 00:25:05,371 --> 00:25:09,809 <…などと 大人げない行動に出ていると…> 296 00:25:09,809 --> 00:25:13,680 はい もう 今日は でっかいやつも 800円でいいよ! 800円! 297 00:25:13,680 --> 00:25:19,152 <突如 バーゲンセールみたいな状態に なった。➡ 298 00:25:19,152 --> 00:25:24,490 俺は 買った鉢だけは守らなければ という防衛本能が働き➡ 299 00:25:24,490 --> 00:25:26,826 そこから離れた> 300 00:25:26,826 --> 00:25:30,163 早い者勝ち。 こっちは 200円でいいよ! 301 00:25:30,163 --> 00:25:32,463 100円でいいや もう。 100円だ! 302 00:25:34,434 --> 00:25:39,434 <ほうほうの体で 元来た道を歩いていると…> 303 00:25:43,443 --> 00:25:47,780 ナマズ 450円! 知らせるよ! 304 00:25:47,780 --> 00:25:52,452 <うっ… 50円 安くなっている> 305 00:25:52,452 --> 00:25:59,752 地震だけじゃないよ。 火事 雷 知らせるよ! 306 00:26:08,801 --> 00:26:11,501 知らせるよ! 307 00:26:18,478 --> 00:26:25,178 <ナマズの呪縛から逃れた俺は ふと後ろを振り返ってみた> 308 00:26:29,489 --> 00:26:33,489 <見よ このにぎわい> 309 00:26:35,294 --> 00:26:40,294 <これは ベランダーの祝祭だ> 310 00:26:43,770 --> 00:26:46,672 <俺たち 日本人は 長い事➡ 311 00:26:46,672 --> 00:26:53,112 狭い長屋で やりくりし 鉢を育ててきた文化がある> 312 00:26:53,112 --> 00:27:08,661 ♬~ 313 00:27:08,661 --> 00:27:15,368 <狭さこそ 知恵。 貧しさこそ 誇りなのだ。➡ 314 00:27:15,368 --> 00:27:18,337 イングリッシュガーデンだ何だと➡ 315 00:27:18,337 --> 00:27:21,140 しゃらくさい事を 言っているやつらに➡ 316 00:27:21,140 --> 00:27:24,811 この熱気が伝わるかってんだ> 317 00:27:24,811 --> 00:27:53,973 ♬~ 318 00:27:53,973 --> 00:27:58,678 <こうして 俺は ベランダーとしての矜持を新たに➡ 319 00:27:58,678 --> 00:28:01,447 家に戻った> 320 00:28:01,447 --> 00:28:05,118 ♬~ 321 00:28:05,118 --> 00:28:09,989 <ナマズ やっぱり 買えば よかったか…> 322 00:28:09,989 --> 00:28:14,127 ♬~ 323 00:28:14,127 --> 00:28:20,800 <そんな後悔さえも楽しく思える 初夏の休日であった> 324 00:28:20,800 --> 00:29:21,500 ♬~ 325 00:30:35,334 --> 00:30:41,140 わあ 砂嵐。 前が見えない。 326 00:30:41,140 --> 00:30:44,410 ここは メキシコの中央高原。 327 00:30:44,410 --> 00:30:50,210 目指すは 海抜1,600mの 高地にある グアダラハラです。 328 00:30:53,152 --> 00:30:56,555 わあ 見えてきた 見えてきた。 329 00:30:56,555 --> 00:30:59,955 グアダラハラの街。