1 00:00:05,836 --> 00:00:11,836 英治は 副館長として 歩文庫を運営しています。 2 00:00:14,178 --> 00:00:16,847 (子どもたち)おばさん! 3 00:00:16,847 --> 00:00:19,183 これ ありがとうございます! ありがとうございます! 4 00:00:19,183 --> 00:00:21,118 行こうぜ! 5 00:00:21,118 --> 00:00:25,818 ごきげんよう。 さようなら。 6 00:00:33,413 --> 00:00:37,351 ♬~ 7 00:00:37,351 --> 00:00:43,090 <いつか 絶対に育ててみたいと 思い詰めてきた植物➡ 8 00:00:43,090 --> 00:00:46,827 それが 蓮だ。➡ 9 00:00:46,827 --> 00:00:52,165 何しろ 蓮は ベランダー界の鬼門。➡ 10 00:00:52,165 --> 00:00:55,502 花を咲かせるのは たった4日間で➡ 11 00:00:55,502 --> 00:01:01,375 しかも 朝しか拝めないという レアものだ。➡ 12 00:01:01,375 --> 00:01:05,512 相手にとって不足はない。➡ 13 00:01:05,512 --> 00:01:10,812 これから 俺の 最後の闘いが始まる> 14 00:01:15,856 --> 00:01:23,530 ♬~ 15 00:01:23,530 --> 00:01:51,230 ♬~ 16 00:01:55,829 --> 00:02:00,500 <憧れの植物 蓮と対峙する前に➡ 17 00:02:00,500 --> 00:02:04,171 なぜ 俺が ベランダーと名乗るようになったのか➡ 18 00:02:04,171 --> 00:02:08,842 まずは そこから 話をせねばなるまい。➡ 19 00:02:08,842 --> 00:02:16,516 そもそも ベランダで植物を育てる連中 つまり 俺たちのようなジャンルに➡ 20 00:02:16,516 --> 00:02:20,387 しゃれたネーミングは 存在しなかった。➡ 21 00:02:20,387 --> 00:02:25,525 ベランダ園芸家と名乗る事もできた。➡ 22 00:02:25,525 --> 00:02:32,525 だが それでは ガーデナーと比べて どうも やぼったい> 23 00:02:34,801 --> 00:02:41,141 <そこで 俺は ベランダーと名乗る事にした。➡ 24 00:02:41,141 --> 00:02:45,479 すると なぜか 急に 自分が誇らしく思われ➡ 25 00:02:45,479 --> 00:02:49,149 むしろ 庭など 金輪際 持つものか➡ 26 00:02:49,149 --> 00:02:53,849 …という 無理な気概に満ちてくる> 27 00:02:55,489 --> 00:03:03,163 <以来 俺は 都会のベランダーとして 自分勝手に植物を育ててきた。➡ 28 00:03:03,163 --> 00:03:06,833 そして ついに 今日という日を迎えた➡ 29 00:03:06,833 --> 00:03:09,133 …という訳だ> 30 00:03:10,704 --> 00:03:18,445 <蓮…。 今日は やけに 植物愛が うずきやがる> 31 00:03:18,445 --> 00:03:25,519 ♬~ 32 00:03:25,519 --> 00:03:33,126 <荒ぶる魂に突き動かされ 俺は なじみの花屋に向かった。➡ 33 00:03:33,126 --> 00:03:39,126 上物の蓮が出ているとの情報を つかんでいたからだ> 34 00:03:40,801 --> 00:03:46,473 <とはいえ いきなり 「下さい」では みっともないと思った俺は➡ 35 00:03:46,473 --> 00:03:54,147 いかにも ほかの花を見に来た体で しばらく店内をうろついていた> 36 00:03:54,147 --> 00:03:58,018 いらっしゃいませ。 ああ…。 ど… どうも。 37 00:03:58,018 --> 00:04:02,022 いつまでも暑いですね。 そうですね。 38 00:04:02,022 --> 00:04:04,491 早く 春にならないですかね? 39 00:04:04,491 --> 00:04:07,394 えっ 秋と冬は なしですか? 40 00:04:07,394 --> 00:04:11,164 あっ そうでした。 (笑い声) 41 00:04:11,164 --> 00:04:17,838 <…などと 軽くジョークを飛ばし 場を温める事に成功した俺は➡ 42 00:04:17,838 --> 00:04:20,741 好きでもない花の事を聞き➡ 43 00:04:20,741 --> 00:04:26,179 徐々に 蓮の方へ にじり寄る作戦に出た> 44 00:04:26,179 --> 00:04:29,850 あれ? ちょっと ど忘れしたんですけれども➡ 45 00:04:29,850 --> 00:04:32,753 この花 何ていう花でしたっけ? 46 00:04:32,753 --> 00:04:36,456 芹です。 春の七草の一つですが➡ 47 00:04:36,456 --> 00:04:39,793 花は 暑い時期に咲くんですよ。 48 00:04:39,793 --> 00:04:43,130 そうですよね~ 確か。 49 00:04:43,130 --> 00:04:46,466 <芹の花など 初めて見たが➡ 50 00:04:46,466 --> 00:04:50,804 俺は またしても 知ったふうな事を言った。➡ 51 00:04:50,804 --> 00:04:55,675 植物に関しては どちらが上か いくら 楓さんでも➡ 52 00:04:55,675 --> 00:05:00,480 そこは はっきりさせとかないと いけないからだ> 53 00:05:00,480 --> 00:05:04,151 わあ~ 胡蝶蘭ね…。 54 00:05:04,151 --> 00:05:13,493 <やがて 蓮の近くに来た俺は さも偶然を装い 切り出した> 55 00:05:13,493 --> 00:05:17,364 あれ? これは 蓮ですか。 56 00:05:17,364 --> 00:05:20,167 はい そうです。 ちょうど入ったばっかりで。 57 00:05:20,167 --> 00:05:24,037 ああ。 へえ~ 蓮…。 58 00:05:24,037 --> 00:05:26,039 あ いいですね 蓮。 59 00:05:26,039 --> 00:05:30,811 いらっしゃいませ。 あら 蓮を買うんですか? 60 00:05:30,811 --> 00:05:35,448 いや まだ そうと決めた訳じゃ…。 61 00:05:35,448 --> 00:05:38,351 蓮は 追肥をして 水を枯らさなければ➡ 62 00:05:38,351 --> 00:05:40,787 そんなに難しくないですよ。 63 00:05:40,787 --> 00:05:44,457 <何? 難しくないだと?➡ 64 00:05:44,457 --> 00:05:47,360 俺は 何だか拍子抜けした。➡ 65 00:05:47,360 --> 00:05:50,797 だが 一方で この残暑の中➡ 66 00:05:50,797 --> 00:05:53,700 長時間 ベランダに出るのも しんどいしな➡ 67 00:05:53,700 --> 00:05:57,671 …という よこしまな考えが 浮かんだ事は➡ 68 00:05:57,671 --> 00:06:00,807 ないしょにしておこう> 69 00:06:00,807 --> 00:06:05,145 いや~ 何か 全く買う気は なかったんですけれども➡ 70 00:06:05,145 --> 00:06:10,817 店長が そこまで薦めるなら… 買いましょう。 71 00:06:10,817 --> 00:06:14,487 え? 私 そんなに薦めた? 72 00:06:14,487 --> 00:06:16,823 あ… ありがとうございます。 73 00:06:16,823 --> 00:06:20,694 配送の準備をしますので 少々 お待ち下さい。 はい。 74 00:06:20,694 --> 00:06:24,394 え? 私 そんな薦めた? 75 00:06:26,499 --> 00:06:30,837 男だもの 買うべし! 76 00:06:30,837 --> 00:06:34,107 買わずもがな! 77 00:06:34,107 --> 00:06:41,448 <作戦成功。 こうして 俺は 何一つ 怪しまれる事なく➡ 78 00:06:41,448 --> 00:06:46,448 蓮を手に入れる事に成功した> 79 00:06:53,460 --> 00:06:57,330 フフ…。 何 何? 蓮 買うの? 80 00:06:57,330 --> 00:07:01,334 え… ええ。 はい。 ふ~ん。 81 00:07:01,334 --> 00:07:04,804 蓮にはね コツがあるんだよね コツが。 82 00:07:04,804 --> 00:07:07,140 コツ? うん。 83 00:07:07,140 --> 00:07:09,476 よく 日に当ててだな…。 84 00:07:09,476 --> 00:07:15,815 いいかい? 8cm… いや 10cmかな? 85 00:07:15,815 --> 00:07:18,485 ここから10cm。 86 00:07:18,485 --> 00:07:22,155 え… 何が 10cmなんですか? 87 00:07:22,155 --> 00:07:26,493 ヘヘ… ちょっと待って。 今から書くから。 88 00:07:26,493 --> 00:07:29,829 コツがあんだよね コツが 蓮には。 89 00:07:29,829 --> 00:07:37,103 う~ん 10cm… いや 15かな~? 90 00:07:37,103 --> 00:07:40,774 <その数値は 揺れていた。➡ 91 00:07:40,774 --> 00:07:46,112 俺は そのコツとやらを 渇望していた> 92 00:07:46,112 --> 00:07:52,452 いいかい? 10cm… いや 8cmだな。 93 00:07:52,452 --> 00:07:56,122 ああ ありがとうございます。 94 00:07:56,122 --> 00:07:59,025 <メモには こう書かれていた。➡ 95 00:07:59,025 --> 00:08:03,797 「ハス 8cmから10cm」。➡ 96 00:08:03,797 --> 00:08:06,466 意味が分からなかった> 97 00:08:06,466 --> 00:08:11,338 あっ あと 花が終わったらよ 煮干しを2匹 差しておく事。 98 00:08:11,338 --> 00:08:13,807 これ 大事だから。 煮干しですか? 99 00:08:13,807 --> 00:08:17,477 そう 煮干し。 肥料になんだよね。 はあ。 100 00:08:17,477 --> 00:08:22,477 じゃあ 煮干しね。 煮干し。 煮干し 煮干し…。 101 00:08:26,486 --> 00:08:31,157 え? え? 誰だ? 102 00:08:31,157 --> 00:08:35,428 <ともあれ あの男が言っていたように➡ 103 00:08:35,428 --> 00:08:40,100 俺は 日当たりのいい場所に 鉢を置いた。➡ 104 00:08:40,100 --> 00:08:43,770 8cmから10cmという謎の言葉は➡ 105 00:08:43,770 --> 00:08:49,770 恐らく 土の深さを示していたと 思われた> 106 00:08:51,444 --> 00:08:58,444 <こうして 俺のベランダに 最後の大物 蓮が鎮座する事になった> 107 00:09:00,120 --> 00:09:02,789 <そのカリスマ性たるや➡ 108 00:09:02,789 --> 00:09:07,789 ほかの植物どもを 完全に凌駕していた> 109 00:09:10,130 --> 00:09:17,003 <重たそうに 頭をもたげる つぼみの しなやかなフォルム。➡ 110 00:09:17,003 --> 00:09:22,142 もう 朝な夕なとは この事かと思うほど➡ 111 00:09:22,142 --> 00:09:26,442 俺は 毎日 蓮を見て暮らした> 112 00:09:34,087 --> 00:09:41,087 <そして 数日後の朝 ついに 花が開いた> 113 00:09:43,430 --> 00:09:49,302 <濃いピンクの花びらを ほころばせ 黄色い雄しべを揺らす蓮の花は➡ 114 00:09:49,302 --> 00:09:56,302 まるで 天上の生き物のように 優雅に息をしていた> 115 00:09:59,446 --> 00:10:05,118 <蓮は 植物の中でも 最も古いものの一つで➡ 116 00:10:05,118 --> 00:10:08,455 およそ1億4,000万年前には➡ 117 00:10:08,455 --> 00:10:13,755 既に 地球上に存在していたと いわれている> 118 00:10:16,129 --> 00:10:21,468 <悠久の時を超えた植物 蓮。➡ 119 00:10:21,468 --> 00:10:25,138 ともすれば 今にも 仏陀が現れ➡ 120 00:10:25,138 --> 00:10:28,041 「天上天下唯我独尊」と➡ 121 00:10:28,041 --> 00:10:32,041 言いださんばかりの 神々しさであった> 122 00:10:35,782 --> 00:10:41,154 <俺は たまらず その香しい花と 記念写真を撮り➡ 123 00:10:41,154 --> 00:10:44,454 幸福感に浸りきった> 124 00:10:53,500 --> 00:10:56,169 ただいま ハッスィー! 125 00:10:56,169 --> 00:10:59,839 <浮かれ過ぎていたのかも しれない。➡ 126 00:10:59,839 --> 00:11:03,710 俺は 仕事で 家を空けた。➡ 127 00:11:03,710 --> 00:11:06,513 1日ぐらいなら 大丈夫だろう。➡ 128 00:11:06,513 --> 00:11:11,384 その考えが 甘かったのだ。➡ 129 00:11:11,384 --> 00:11:20,384 予想外の暑さで 水が干上がり 花が枯れてしまったのである> 130 00:11:23,530 --> 00:11:26,432 <あれだけ憧れていた蓮を➡ 131 00:11:26,432 --> 00:11:29,869 たった1日で 枯らしてしまった事に➡ 132 00:11:29,869 --> 00:11:36,142 俺は情けなくなり 自分に腹が立った。➡ 133 00:11:36,142 --> 00:11:42,842 もう 何度同じ事を繰り返せば 気が済むのか> 134 00:11:44,484 --> 00:11:49,155 <植物どもを勝手に引き取り 死なせ➡ 135 00:11:49,155 --> 00:11:52,492 何が 都会の園芸野郎だ。➡ 136 00:11:52,492 --> 00:11:55,492 何が ベランダーだ> 137 00:11:57,163 --> 00:12:01,863 <これが 俺のやりたかった事なのか> 138 00:12:08,775 --> 00:12:13,179 ♬~ 139 00:12:13,179 --> 00:12:15,848 (幻玉)アボニア…。 140 00:12:15,848 --> 00:12:19,185 どうして…。 141 00:12:19,185 --> 00:12:25,058 (オーロラ)幻玉君 実は アボニア君から 預かっているものがあるの。 142 00:12:25,058 --> 00:12:27,060 え? 143 00:12:27,060 --> 00:12:32,060 まだ 持っていてくれたんだね アボニア。 144 00:12:39,138 --> 00:12:41,474 (村の不良1) 邪魔だ! どけ コラ! 145 00:12:41,474 --> 00:12:43,810 (村の不良2) 相変わらず 変な形しやがって。➡ 146 00:12:43,810 --> 00:12:46,479 早く はち切れてみろよ! 147 00:12:46,479 --> 00:12:50,350 そんな… すぐにはできないよ。 148 00:12:50,350 --> 00:12:54,354 (アボニア)いい加減にしろ お前ら。➡ 149 00:12:54,354 --> 00:12:57,123 俺たち 同じ多肉じゃないか。 150 00:12:57,123 --> 00:13:00,493 (村の不良1)何だ? おめえ。 随分 ひねりが きいてるじゃねえか。➡ 151 00:13:00,493 --> 00:13:04,493 こいつの仲間か? (村の不良2)いてまえ! 152 00:13:07,367 --> 00:13:11,838 (アボニア)君 名前は? 幻玉。 153 00:13:11,838 --> 00:13:15,174 (アボニア)僕は アボニア。 よろしく。➡ 154 00:13:15,174 --> 00:13:18,845 しかし 君 本当 変な形だね。 155 00:13:18,845 --> 00:13:22,181 君のひねり具合には 負けるよ。 156 00:13:22,181 --> 00:13:27,854 (幻玉とアボニアの笑い声) 157 00:13:27,854 --> 00:13:30,189 <その後 僕らは 一緒に➡ 158 00:13:30,189 --> 00:13:36,462 遠く離れた日本に 連れていかれる事になった> 159 00:13:36,462 --> 00:13:40,133 僕たち どこへ行くんだろうね? 160 00:13:40,133 --> 00:13:42,802 (アボニア)そんな事より 幻玉➡ 161 00:13:42,802 --> 00:13:46,472 これ 持っててくれよ。 162 00:13:46,472 --> 00:13:48,808 これは? 163 00:13:48,808 --> 00:13:52,145 (アボニア) あの時 海岸で拾ったんだ。➡ 164 00:13:52,145 --> 00:13:54,814 俺も ほら。 165 00:13:54,814 --> 00:13:58,685 「EVER TOGETHER」。 166 00:13:58,685 --> 00:14:02,155 (アボニア)俺たち この先 何があるか分からないけど➡ 167 00:14:02,155 --> 00:14:07,827 幻玉 俺の心は いつも お前のそばにあるからな。 168 00:14:07,827 --> 00:14:10,527 アボニア。 169 00:14:16,169 --> 00:14:18,504 僕を遠ざけたのも➡ 170 00:14:18,504 --> 00:14:23,376 アブラムシが 僕に うつらないように するためだったなんて…。 171 00:14:23,376 --> 00:14:26,179 (オーロラ)幻玉君…。 (火祭 ゴーラム)幻玉…。 172 00:14:26,179 --> 00:14:28,848 (すすり泣き) 173 00:14:28,848 --> 00:14:31,751 ごめん リトープス。 174 00:14:31,751 --> 00:14:38,458 僕は ずっと ここにいる。 アボニアが眠る ここに ずっといる! 175 00:14:38,458 --> 00:14:44,797 (リトープス)幻玉さん… 私 覚悟していたの。➡ 176 00:14:44,797 --> 00:14:52,138 記憶が戻って 本当に… よかった。➡ 177 00:14:52,138 --> 00:14:56,809 あれ? 何で泣いてるんだろ 私。 178 00:14:56,809 --> 00:14:59,109 リトープス…。 179 00:15:06,486 --> 00:15:08,421 (ロホホラ)はあ…。 180 00:15:08,421 --> 00:15:11,421 [ 回想 ] (リトープス)おじいちゃん! 181 00:15:14,827 --> 00:15:16,763 ≪(リトープス)おじいちゃん! 182 00:15:16,763 --> 00:15:19,763 (ロホホラ)その声は! 183 00:15:21,701 --> 00:15:25,838 (ロホホラ) リトープス! 戻ってきてくれたのか。 184 00:15:25,838 --> 00:15:30,176 (リトープス) ずっと一緒よ おじいちゃん。 185 00:15:30,176 --> 00:15:34,447 (ロホホラ)ああ ずっと一緒じゃ。 186 00:15:34,447 --> 00:15:38,785 ♬~ 187 00:15:38,785 --> 00:15:41,454 こうして みんなと仲良くなれたのは➡ 188 00:15:41,454 --> 00:15:43,790 君のおかげだよ アボニア。 189 00:15:43,790 --> 00:15:48,461 (火祭)幻玉! 早く来いよ! 寄せ植えパーティー始めるぜ! 190 00:15:48,461 --> 00:15:53,800 全く 火祭は… 紅葉の時期が過ぎても 元気だな。 191 00:15:53,800 --> 00:15:59,472 (ゴーラム)ハイハイハ~イ! 幻玉 お前 ハッスルが足りねえぞ! 192 00:15:59,472 --> 00:16:03,342 (オーロラ)そうよ 幻玉君! もっと はち切れなきゃ! 193 00:16:03,342 --> 00:16:07,146 実は 1回 脱皮しちゃったんだ。 194 00:16:07,146 --> 00:16:09,482 (オーロラ)えっ そうなの? 195 00:16:09,482 --> 00:16:11,818 (笑い声) 196 00:16:11,818 --> 00:16:16,155 あ そうだ 火祭。 ピラニア先輩は来ないの? 197 00:16:16,155 --> 00:16:19,826 (火祭)やめとくってよ。 まあ 先輩…➡ 198 00:16:19,826 --> 00:16:22,495 魚だしな。 199 00:16:22,495 --> 00:16:25,832 (ゴーラム)よし! ご機嫌なナンバーで フィーバーするぜ!➡ 200 00:16:25,832 --> 00:16:28,167 ミュージック スタート! 201 00:16:28,167 --> 00:16:34,774 ♬~ 202 00:16:34,774 --> 00:16:39,111 (火祭)オーロラ お前 まだ 幻玉の事を…。 203 00:16:39,111 --> 00:16:41,781 (オーロラ)ううん。 もういいの。➡ 204 00:16:41,781 --> 00:16:47,481 私 みんなと一緒にいられるだけで 幸せだなって。 205 00:16:49,121 --> 00:16:52,792 <アボニア。 僕は決めたよ。➡ 206 00:16:52,792 --> 00:16:57,129 君の分まで ハッスルする事を。➡ 207 00:16:57,129 --> 00:17:01,000 君と過ごした この街で➡ 208 00:17:01,000 --> 00:17:04,470 君の分まで生きる事を> 209 00:17:04,470 --> 00:17:17,470 ♬~ 210 00:17:24,156 --> 00:17:27,856 あ~ 蓮 枯れちゃいましたか。 211 00:17:29,495 --> 00:17:35,301 ええ。 僕が 留守にしていたばっかりに…。 212 00:17:35,301 --> 00:17:39,305 まあ そんな落ち込まないで下さい。 213 00:17:39,305 --> 00:17:45,778 そもそも 蓮は 花の命が短いですから。 ああ。 214 00:17:45,778 --> 00:17:49,778 でも 種は 大丈夫そうじゃないですか。 215 00:17:51,450 --> 00:17:55,121 え? これ 取っといた方がいいですよ。 216 00:17:55,121 --> 00:17:58,991 来年は 種から育ててみては いかがですか? 217 00:17:58,991 --> 00:18:02,991 楽しみが また増えますよ。 ハハハ。 218 00:18:11,671 --> 00:18:17,143 <「来年」と 田中は言った。➡ 219 00:18:17,143 --> 00:18:23,143 だが 今の俺に そんな先の事など…> 220 00:18:26,152 --> 00:18:28,152 あっ。 221 00:18:40,099 --> 00:18:46,973 ♬~ 222 00:18:46,973 --> 00:18:49,108 今日は お店の方は? 223 00:18:49,108 --> 00:18:53,446 お休みです。 そうですか。 224 00:18:53,446 --> 00:18:57,783 あっ その本。 これですか? 225 00:18:57,783 --> 00:19:01,120 カレル・チャペックの「園芸家12カ月」です。 226 00:19:01,120 --> 00:19:04,991 ご存じですか? ええ はい。 227 00:19:04,991 --> 00:19:07,460 <知っているなんて もんじゃない。➡ 228 00:19:07,460 --> 00:19:13,799 園芸家の悲喜こもごもを ユーモラスに描いた 名作エッセー。➡ 229 00:19:13,799 --> 00:19:17,136 俺の原点とも言える本だ> 230 00:19:17,136 --> 00:19:20,473 これ 店長が貸してくれたんです。 231 00:19:20,473 --> 00:19:24,173 さっきから読んでたら もう おかしくって。 232 00:19:25,811 --> 00:19:30,149 「神様 どうぞ 毎日 夜中から 午前3時まで➡ 233 00:19:30,149 --> 00:19:32,752 土の中に よく染み込みますように➡ 234 00:19:32,752 --> 00:19:37,423 ゆっくり暖かい雨を お降らせ下さいますよう。➡ 235 00:19:37,423 --> 00:19:41,293 なお 一日中 日が当たりますように。➡ 236 00:19:41,293 --> 00:19:44,296 風は少なく ミミズは十分に。➡ 237 00:19:44,296 --> 00:19:49,769 アブラムシと カタツムリと うどんこ病は お与え下さいませんように。➡ 238 00:19:49,769 --> 00:19:51,704 アーメン」。 239 00:19:51,704 --> 00:19:56,642 …って 勝手すぎますよね。 神様に お願いしてるのに。 240 00:19:56,642 --> 00:20:00,112 そうですね。 241 00:20:00,112 --> 00:20:03,015 あっ ここも面白いんです。 242 00:20:03,015 --> 00:20:08,454 1年間 世話をして 時期が過ぎたあとなんですけど➡ 243 00:20:08,454 --> 00:20:13,125 「庭が雪の下に沈み込んでしまった 今頃になって➡ 244 00:20:13,125 --> 00:20:16,028 急に 園芸家は思い出す。➡ 245 00:20:16,028 --> 00:20:19,465 たった一つ 忘れた事があったのを。➡ 246 00:20:19,465 --> 00:20:24,804 それは 庭を眺める事だ」 ですって。 247 00:20:24,804 --> 00:20:28,474 ハッハ…。 ああ よくあります それ。 248 00:20:28,474 --> 00:20:30,810 私もです。 249 00:20:30,810 --> 00:20:36,148 花が好きで この仕事してるのに 仕事に追われて➡ 250 00:20:36,148 --> 00:20:42,488 結局 全然 花を見てない 楽しんでなくて…。 251 00:20:42,488 --> 00:20:48,360 多分 店長は それを伝えたかったのかなって。 252 00:20:48,360 --> 00:20:50,830 あの店長が? 253 00:20:50,830 --> 00:20:52,765 (くしゃみ) 254 00:20:52,765 --> 00:20:57,169 誰か うわさしてんな。 立花君かな? 255 00:20:57,169 --> 00:21:00,469 いえ 僕じゃないです。 256 00:21:07,513 --> 00:21:11,851 実は 先日買った蓮なんですけど➡ 257 00:21:11,851 --> 00:21:14,754 僕の不注意から 枯らしてしまって➡ 258 00:21:14,754 --> 00:21:19,054 ちょっと 落ち込んでたところなんです。 259 00:21:24,196 --> 00:21:26,532 「よく聞きたまえ。➡ 260 00:21:26,532 --> 00:21:30,870 死などというものは 決して存在しないのだ。➡ 261 00:21:30,870 --> 00:21:36,475 芽が 私たちに見えないのは 土の中にあるからだ。➡ 262 00:21:36,475 --> 00:21:42,148 未来が 私たちに見えないのは 一緒にいるからだ。➡ 263 00:21:42,148 --> 00:21:45,484 一日も無駄にしてはならない。➡ 264 00:21:45,484 --> 00:21:50,184 我々 園芸家は 未来に生きているのだ」。 265 00:21:52,358 --> 00:21:55,828 未来…。 266 00:21:55,828 --> 00:21:59,498 落ち込んでても 始まらないですよ 先輩。 267 00:21:59,498 --> 00:22:03,369 「悩むのは 生きている証拠」って 言ってくれたのは➡ 268 00:22:03,369 --> 00:22:06,372 誰でしたっけ? 269 00:22:06,372 --> 00:22:08,841 ああ…。 270 00:22:08,841 --> 00:22:13,512 (2人の笑い声) 271 00:22:13,512 --> 00:22:18,851 私… 葛城さんと別れました。 272 00:22:18,851 --> 00:22:22,521 でも もう落ち込んでません。 273 00:22:22,521 --> 00:22:26,859 これ読んでたら すっかり前向きになっちゃって。 274 00:22:26,859 --> 00:22:40,139 ♬~ 275 00:22:40,139 --> 00:22:43,475 そうですよね。 うん。 276 00:22:43,475 --> 00:22:46,378 そうですよ。 277 00:22:46,378 --> 00:22:50,349 楓さん。 僕 ちょっと 急用を思い出しちゃって。 278 00:22:50,349 --> 00:22:53,819 じゃあ 失礼します。 279 00:22:53,819 --> 00:23:14,506 ♬~ 280 00:23:14,506 --> 00:23:17,843 (2人)あっ 痴漢のおじさん。 281 00:23:17,843 --> 00:23:20,512 だから 痴漢じゃありませんよ! 282 00:23:20,512 --> 00:23:23,849 うそ! 今も 誰かから逃げてたんでしょ。 283 00:23:23,849 --> 00:23:28,520 違います。 あのね 今日は 君たちに構ってる暇はないの。 284 00:23:28,520 --> 00:23:30,520 じゃあ! 285 00:23:32,124 --> 00:23:36,795 あ 行っちゃった。 意味 分かんない。 286 00:23:36,795 --> 00:23:41,795 でも 何か 目が マジっぽくなかった? うん。 287 00:23:43,469 --> 00:23:45,804 おじさ~ん 頑張って~! 288 00:23:45,804 --> 00:23:48,707 あ~ ありがとう! おっと…。 289 00:23:48,707 --> 00:23:51,677 あ コケた。 290 00:23:51,677 --> 00:23:54,146 ドンマイ! 291 00:23:54,146 --> 00:23:59,818 ♬~ 292 00:23:59,818 --> 00:24:03,489 <未来の事など 誰にも分からないし➡ 293 00:24:03,489 --> 00:24:06,158 知りたくもない。➡ 294 00:24:06,158 --> 00:24:11,030 それでも 俺は 土をいじり 葉を触り➡ 295 00:24:11,030 --> 00:24:17,330 泥まみれになりながら 植物どもと暮らしていたい> 296 00:24:19,505 --> 00:24:24,176 <こうなりゃ 煮干しでも何でも ぶっ込んでやる。➡ 297 00:24:24,176 --> 00:24:27,846 それでも咲かなきゃ それまでだ。➡ 298 00:24:27,846 --> 00:24:30,749 俺は 都会のベランダー。➡ 299 00:24:30,749 --> 00:24:36,449 自分勝手に植物を育てて 何が悪い> 300 00:24:48,467 --> 00:24:59,812 ♬~ 301 00:24:59,812 --> 00:25:02,481 いらっしゃいませ。 うわっ! 302 00:25:02,481 --> 00:25:05,150 これなんか… あっ! 303 00:25:05,150 --> 00:25:10,022 また エロい顔になってますよ。 もしもし? もしも~し! 304 00:25:10,022 --> 00:25:16,762 ♬~ 305 00:25:16,762 --> 00:25:18,697 ほかの店行って ほかに。 306 00:25:18,697 --> 00:25:21,700 枝が泣いてる…。 よろしくお願いします。 307 00:25:21,700 --> 00:25:23,836 つまり 実家が 花屋だった訳です。 308 00:25:23,836 --> 00:25:25,771 ナマズだよ。 309 00:25:25,771 --> 00:25:37,383 ♬~ 310 00:25:37,383 --> 00:25:40,319 でっかい人間になるから! 311 00:25:40,319 --> 00:25:42,321 あいつ…。 312 00:25:42,321 --> 00:26:09,148 ♬~ 313 00:26:09,148 --> 00:26:11,483 ウワッハッハッハ! 314 00:26:11,483 --> 00:26:13,419 「You talkin' to me?」。 315 00:26:13,419 --> 00:26:15,354 えい! ああ! 316 00:26:15,354 --> 00:26:17,823 え~!? え? 317 00:26:17,823 --> 00:26:29,435 ♬~ 318 00:26:29,435 --> 00:26:32,435 こんにちは。 お待ちしてます。 319 00:26:35,107 --> 00:26:39,807 今度一緒に サウナ行きましょう。 …はい 考えときます。 320 00:26:42,781 --> 00:26:46,118 バイバイ! バイバイ! 321 00:26:46,118 --> 00:26:51,818 やあ やあ。 盆栽は いいよぉ~。 考えときます。 322 00:26:53,459 --> 00:26:55,794 こんにちは。 323 00:26:55,794 --> 00:28:00,659 ♬~ 324 00:28:00,659 --> 00:28:06,659 <これが 俺の毎日 ボタニカル・ハードボイルドだ> 325 00:28:08,367 --> 00:28:15,474 <咲いた 枯れたに 一喜一憂し 懲りずに 何度も繰り返す。➡ 326 00:28:15,474 --> 00:28:20,812 だが 俺は この暮らしが やめられねえんだ。➡ 327 00:28:20,812 --> 00:28:24,149 長年 都会に生きていると➡ 328 00:28:24,149 --> 00:28:29,821 くだらねえ事に いちいち感動できるからな> 329 00:28:29,821 --> 00:29:27,521 ♬~ 330 00:30:33,412 --> 00:30:37,349 ♬~ 331 00:30:37,349 --> 00:30:41,486 いや~ 広々としてて 気持ちがいい! 332 00:30:41,486 --> 00:30:46,786 ここは スペイン アンダルシア。 コルドバに向かう道。 333 00:30:49,361 --> 00:30:53,361 なだらかな丘 黄色くなってる。 334 00:30:56,501 --> 00:30:59,838 あっ こっちも 黄色いじゅうたん。