1 00:00:19,013 --> 00:00:25,013 はあ~ できた。 2 00:00:33,928 --> 00:00:40,928 (目覚まし時計の音) 3 00:00:42,637 --> 00:00:45,106 <俺は都会のマンションのベランダで➡ 4 00:00:45,106 --> 00:00:51,246 自分勝手に植物を育てる ベランダーだ> 5 00:00:51,246 --> 00:00:54,215 <断っておくが 俺は何も➡ 6 00:00:54,215 --> 00:00:58,786 ガーデナー諸氏と 敵対関係にはない> 7 00:00:58,786 --> 00:01:03,386 <あるのはただ やっかみだけだ> 8 00:01:05,560 --> 00:01:11,132 <あ… 庭さえあれば あんな植物も こんな植物も➡ 9 00:01:11,132 --> 00:01:14,035 育てられるのに… と思いながら➡ 10 00:01:14,035 --> 00:01:17,972 あえて不自由なベランダを 選んでいるわけだ> 11 00:01:17,972 --> 00:01:23,172 <つまり 都会人の粋がりである> 12 00:01:24,979 --> 00:01:29,817 <5月も末になると これまで咲いていた春の花も➡ 13 00:01:29,817 --> 00:01:32,720 終わりの時期を迎える> 14 00:01:32,720 --> 00:01:38,359 <ありがとう また来年 会おう などと言いながら➡ 15 00:01:38,359 --> 00:01:44,499 これでまた新しい鉢を買う 大義名分ができた という➡ 16 00:01:44,499 --> 00:01:50,705 あけすけな欲望を抑えきれない 俺であった> 17 00:01:50,705 --> 00:01:55,805 フフフッ… ハハハッ…。 18 00:01:59,180 --> 00:02:01,115 ごめんね。 19 00:02:01,115 --> 00:02:37,315 ♬~ 20 00:02:42,790 --> 00:02:49,430 ♬~ 21 00:02:49,430 --> 00:02:53,034 プシュップシュッ プシュップシュッ…。 22 00:02:53,034 --> 00:02:56,234 ≪(インターホン) 23 00:02:59,874 --> 00:03:02,443 はい。 (インターホン・男)宅配便です。 24 00:03:02,443 --> 00:03:05,146 少々お待ち下さい。 25 00:03:05,146 --> 00:03:09,384 <ある日の事 いつぞやの宅配便が やってきた> 26 00:03:09,384 --> 00:03:13,684 <通販で買った鉢が届いたらしい> 27 00:03:16,157 --> 00:03:19,494 プシュップシュッ プシュップシュッ…。 おはようございます。 28 00:03:19,494 --> 00:03:23,294 ここ サイン下さい。 ご苦労さまです。 29 00:03:26,267 --> 00:03:30,438 ありがとうございま~す。 30 00:03:30,438 --> 00:03:35,343 あの… これ鉢ですか? あ… よく分かりますね。 31 00:03:35,343 --> 00:03:39,981 3号… いや 5号かな。 うわ~ すごい。 32 00:03:39,981 --> 00:03:41,916 5号です。 やっぱりね。 33 00:03:41,916 --> 00:03:46,754 持った感じで分かるんですよ。 あ~ そうですか。 34 00:03:46,754 --> 00:03:51,526 どうもありがとうございます。 はい。 ありがとうございました。 35 00:03:51,526 --> 00:03:54,626 じゃあ また よろしくお願いします。 36 00:03:57,432 --> 00:03:59,432 寄ってく? はい。 37 00:04:01,569 --> 00:04:04,069 <また このパターンか> 38 00:04:06,107 --> 00:04:09,510 うわ~… 何か すいません。 いえ どうも。 39 00:04:09,510 --> 00:04:12,280 いや 大丈夫っすよ。 40 00:04:12,280 --> 00:04:14,682 あ! あれ どうなりました? 茶碗蓮。 41 00:04:14,682 --> 00:04:16,651 あ よくぞ聞いてくれました。 42 00:04:16,651 --> 00:04:19,851 もうホントに ひどい目に遭いましたよ。 43 00:04:22,523 --> 00:04:24,726 1か月ぐらい においが取れませんでした。 44 00:04:24,726 --> 00:04:27,662 だから 言ったじゃないっすか! 大変な事になりますよって。 45 00:04:27,662 --> 00:04:31,062 はい…。 あ! そうだ! 46 00:04:32,800 --> 00:04:36,104 これ 見て下さいよ。 これは…。 47 00:04:36,104 --> 00:04:39,574 デイジーです。 最近まで うちに咲いてたんですけど➡ 48 00:04:39,574 --> 00:04:44,412 どうっすか? きれいでしょう? そうですね。 49 00:04:44,412 --> 00:04:46,881 ちょっと よく 見せてもらってもいいですか? 50 00:04:46,881 --> 00:04:48,881 あ いいっすよ。 51 00:04:50,551 --> 00:04:52,487 <デイジーか…> 52 00:04:52,487 --> 00:04:54,822 <確かに いい花だ> 53 00:04:54,822 --> 00:04:58,693 <俺は もっとアップで見たくなった> 54 00:04:58,693 --> 00:05:04,799 ん? あ… あ… あれ? あれ? すいません あの…➡ 55 00:05:04,799 --> 00:05:09,270 自慢の画像 消しちゃった。 は? え? おい 広げ…。 56 00:05:09,270 --> 00:05:11,773 ちょ ちょ ちょ…。 一回 こっちの手 離せよ。 57 00:05:11,773 --> 00:05:14,308 違う 違う… 返せって! 何だよ その動き! 58 00:05:14,308 --> 00:05:20,815 エロ画像? うわ うわ… エロ… うわ うわ うわ…。 59 00:05:20,815 --> 00:05:24,215 あ~あ~あ… 拡散。 60 00:05:26,754 --> 00:05:34,996 <俺は あの男の自慢話にあてられ なじみの花屋に向かった> 61 00:05:34,996 --> 00:05:40,301 <新しい鉢に植える植物が 欲しくなったからだ> 62 00:05:40,301 --> 00:05:45,740 ♬~ 63 00:05:45,740 --> 00:05:50,540 (立花)いらっしゃいませ。 あ… どうも 立花君。 64 00:05:54,182 --> 00:05:57,885 楓さんですか? ちょっと今日は 遅れてるみたいです。 65 00:05:57,885 --> 00:06:02,790 いや 僕は別に 楓さんとか そんな…。 66 00:06:02,790 --> 00:06:07,328 あ… びっくりするとあれなんで 言っときますけど➡ 67 00:06:07,328 --> 00:06:11,098 今日から臨時のアルバイトさんが 来てるんです。 68 00:06:11,098 --> 00:06:14,435 女性ですよ。 あ…。 69 00:06:14,435 --> 00:06:21,735 しかも 金髪の…。 え… き… 金髪? いや…。 70 00:06:23,244 --> 00:06:27,982 <俺は金髪と聞いただけで 身もだえてしまうという➡ 71 00:06:27,982 --> 00:06:33,382 中年の悲しい性に あらがえなかった> 72 00:06:36,591 --> 00:06:40,161 じゃあ僕 忙しいんで これで。 あ… 相手にしてくれないんだ。 73 00:06:40,161 --> 00:06:42,161 あ…。 74 00:06:52,206 --> 00:06:56,506 <地球誕生から46億年> 75 00:06:58,145 --> 00:07:01,945 <地球最大の生物は 何か> 76 00:07:04,785 --> 00:07:08,189 <繰り返されてきた淘汰➡ 77 00:07:08,189 --> 00:07:11,289 そして 誕生> 78 00:07:12,960 --> 00:07:17,532 <生存競争を勝ち抜き 現存する生命体➡ 79 00:07:17,532 --> 00:07:20,101 200万種あまり> 80 00:07:20,101 --> 00:07:25,740 < その頂点に君臨する私➡ 81 00:07:25,740 --> 00:07:29,340 ジャイアント・セコイア> 82 00:07:33,247 --> 00:07:35,917 <度重なる地殻変動に追われ➡ 83 00:07:35,917 --> 00:07:39,220 私の祖先がたどりついた 約束の地➡ 84 00:07:39,220 --> 00:07:43,958 シエラネバダ山脈> 85 00:07:43,958 --> 00:07:49,358 <山は 1日1,000リットルもの水を 与えてくれた> 86 00:07:51,032 --> 00:07:53,367 <度重なる山火事> 87 00:07:53,367 --> 00:07:58,667 <焼かれた自然は 我々に栄養を与えてくれた> 88 00:08:10,451 --> 00:08:17,151 <誰かの死が糧となり 私は3,000年 生きながらえた> 89 00:08:19,160 --> 00:08:22,863 <新たな危機 人間> 90 00:08:22,863 --> 00:08:24,832 <肥大する強欲> 91 00:08:24,832 --> 00:08:31,238 <200年前 彼らは 仲間の3分の1の命を奪った> 92 00:08:31,238 --> 00:08:36,077 <100年前 人間は我々を守り始めた> 93 00:08:36,077 --> 00:08:40,748 <矛盾。 理解に苦しむ人間の行動> 94 00:08:40,748 --> 00:08:45,886 <次の100年 果たして 我々は生きているだろうか> 95 00:08:45,886 --> 00:08:50,086 <地球最大で あり続けるだろうか> 96 00:08:56,030 --> 00:09:01,030 お~… ナイスバディー。 お…。 97 00:09:02,737 --> 00:09:07,437 <あれか 金髪の店員さんというのは> 98 00:09:12,413 --> 00:09:18,686 (せき払い) 99 00:09:18,686 --> 00:09:23,591 は~い ハロー! 100 00:09:23,591 --> 00:09:34,635 ♬~ 101 00:09:34,635 --> 00:09:40,041 (ベロニカ)ああ! こんにちは。 あ… え~! ホワイ? 102 00:09:40,041 --> 00:09:41,976 <俺は仰天した> 103 00:09:41,976 --> 00:09:45,780 < そこにいたのは 世界的フラワーアーティスト➡ 104 00:09:45,780 --> 00:09:48,880 EIJIのマネージャーだったからだ> 105 00:09:52,286 --> 00:09:55,623 (店長)この子 今日から1週間 臨時で働いてもらう事になった➡ 106 00:09:55,623 --> 00:10:02,196 ベロニカちゃん。 知ってるんですか? あ いや 知っているというか…。 107 00:10:02,196 --> 00:10:05,066 まあ… よく分かんないけど 私 植物の搬入があるから➡ 108 00:10:05,066 --> 00:10:07,368 ベロニカちゃん ちょっといい? あ はい。 109 00:10:07,368 --> 00:10:10,404 あ いや いや… 店長。 110 00:10:10,404 --> 00:10:13,841 御無沙汰してます。 お元気ですか? 111 00:10:13,841 --> 00:10:16,844 あ… あ… どうも。 112 00:10:16,844 --> 00:10:23,551 あれ? あの… マネージャーさんのお仕事は? 113 00:10:23,551 --> 00:10:27,988 人のために生きるのは やめました。 114 00:10:27,988 --> 00:10:35,196 私には 私の人生があるので。 あ~ん…。 115 00:10:35,196 --> 00:10:40,134 ところで どんな花を お探しですか? 116 00:10:40,134 --> 00:10:44,434 あ いや 特には… はい。 117 00:10:47,475 --> 00:10:49,975 ヒナゲシは…。 118 00:10:53,280 --> 00:10:57,151 いかがですか? あ… いや…。 119 00:10:57,151 --> 00:11:04,592 セクシーな感じで いいと思います。 あう…。 120 00:11:04,592 --> 00:11:07,495 <い… い… いかん!> 121 00:11:07,495 --> 00:11:10,397 <こんなところを 楓さんに見られでもしたら➡ 122 00:11:10,397 --> 00:11:12,333 大変な事になる> 123 00:11:12,333 --> 00:11:16,303 <もしかしたら 俺を巡っての 三角関係 あ… いや➡ 124 00:11:16,303 --> 00:11:22,203 立花君を入れて 四角関係の争いが 勃発しかねない> 125 00:11:24,912 --> 00:11:31,312 <俺も 罪なやつさ あ~… パシフィック> 126 00:11:34,288 --> 00:11:39,927 おう… おう… アハハ…。 (木下 楓)あ いらっしゃいませ。 127 00:11:39,927 --> 00:11:45,800 すいません 電車が遅れちゃって。 あ… 楓さん これは違う! 128 00:11:45,800 --> 00:11:49,170 ベロニカさん。 楓さん。 129 00:11:49,170 --> 00:11:52,173 バイト 今日からだったんですね。 うん そうです。 130 00:11:52,173 --> 00:11:59,146 え え… あの… お二人は その…。 はい ベロニカさんは私が通ってる➡ 131 00:11:59,146 --> 00:12:01,148 英会話教室の先生なんです。 132 00:12:01,148 --> 00:12:04,952 花屋で働いてみたいって言うので 私が店長に紹介したんです。 133 00:12:04,952 --> 00:12:07,752 あ~ そうだったんですか。 134 00:12:10,758 --> 00:12:14,361 (店長)楓ちゃん おはよう。 店長 すいません 遅刻しちゃって。 135 00:12:14,361 --> 00:12:16,764 (店長)いいの いいの。 それよりさ ベロニカちゃんに➡ 136 00:12:16,764 --> 00:12:18,699 仕事の事 いろいろ教えてやってくれる? 137 00:12:18,699 --> 00:12:24,505 はい。 じゃあ 行きましょっか。 分かりました。 138 00:12:24,505 --> 00:12:27,505 バイバーイ。 バイバーイ。 139 00:12:31,979 --> 00:12:35,583 (店長)何? 私じゃ 不満なんですか? 140 00:12:35,583 --> 00:12:38,252 な… 何 言ってんですか! もう。 141 00:12:38,252 --> 00:12:40,187 そんな事 言ってないじゃないですか。 142 00:12:40,187 --> 00:12:43,624 店長ったら ひがみっぽいんだから。 ハハハッ。 143 00:12:43,624 --> 00:12:46,124 え~っと…。 144 00:12:47,628 --> 00:12:51,428 <何と デイジーがあるではないか> 145 00:12:57,171 --> 00:13:00,571 <何という愛くるしい姿なんだ> 146 00:13:02,343 --> 00:13:07,815 店長 俺 これ買います。 いいですけど➡ 147 00:13:07,815 --> 00:13:11,515 時季も終わりの方ですし すぐ しおれちゃいますよ。 148 00:13:14,955 --> 00:13:23,364 時季なんて 関係ないさ! 俺が 咲かせてやりますよ。 149 00:13:23,364 --> 00:13:31,105 じゃ… じゃあ ありがとうございます。 150 00:13:31,105 --> 00:13:37,544 <この男気を 楓さんに見せたかった> 151 00:13:37,544 --> 00:13:39,744 じゃ こちらで お支払いを。 152 00:13:46,687 --> 00:13:52,493 <俺は早速 新しい鉢に デイジーを植え替えた> 153 00:13:52,493 --> 00:13:54,828 <確かに花は少ない> 154 00:13:54,828 --> 00:13:58,532 <だが 俺は これまで数々の修羅場を➡ 155 00:13:58,532 --> 00:14:03,070 くぐり抜けてきた ベランダー界の「ダイ・ハード」> 156 00:14:03,070 --> 00:14:05,970 <不可能は ない!> 157 00:14:16,750 --> 00:14:20,821 <だが 2~3日もすると➡ 158 00:14:20,821 --> 00:14:25,059 花は あっさりと しおれた> 159 00:14:25,059 --> 00:14:34,568 ♬~ 160 00:14:34,568 --> 00:14:37,271 <やはり 駄目なのか> 161 00:14:37,271 --> 00:14:42,710 <何しろ もう5月も終わりだ> 162 00:14:42,710 --> 00:14:44,645 あ! 163 00:14:44,645 --> 00:14:56,256 ♬~ 164 00:14:56,256 --> 00:14:59,159 <こんな所で楓さんに会うとは…> 165 00:14:59,159 --> 00:15:04,259 <俺は さりげなく 声をかける事にした> 166 00:15:11,438 --> 00:15:20,080 お! いや… こんにちは。 偶然ですね。 167 00:15:20,080 --> 00:15:27,221 あれ? 偶然ですね~! 楓さん。 168 00:15:27,221 --> 00:15:32,026 あれ? こんにちは。 楓さん? 169 00:15:32,026 --> 00:15:34,695 こんにちは。 ぐ… 偶然ですね。 170 00:15:34,695 --> 00:15:40,395 ♬~ 171 00:15:45,472 --> 00:16:05,059 ♬~ 172 00:16:05,059 --> 00:16:07,661 ♬「夕日に佇むアイツの名は そう…」 173 00:16:07,661 --> 00:16:09,596 ♬~ 174 00:16:09,596 --> 00:16:11,999 ♬「そいつぁ 砂嵐のように過ぎ去った」 175 00:16:11,999 --> 00:16:14,668 ♬「シャボンのように宙に舞い弾けた」 176 00:16:14,668 --> 00:16:16,603 ♬~ 177 00:16:16,603 --> 00:16:19,106 ♬「胸がチクチクするようなあの感じ」 178 00:16:19,106 --> 00:16:21,508 ♬~ 179 00:16:21,508 --> 00:16:24,278 ♬「みんなはっきりいっとけ 刺さってーる!」 180 00:16:24,278 --> 00:16:28,849 ♬「優しく キレイな 女 よりーも 刺激的な アイツの虜」 181 00:16:28,849 --> 00:16:33,520 ♬「とーげとげー (とげとげー)」 182 00:16:33,520 --> 00:16:38,358 ♬「高原 森林 砂漠 でも OKOK (OKOK)」 183 00:16:38,358 --> 00:16:43,263 ♬~ 184 00:16:43,263 --> 00:16:48,368 ♬「とーげとげー (とげとげー)」 185 00:16:48,368 --> 00:17:16,864 ♬~ 186 00:17:16,864 --> 00:17:19,466 ♬「ギラギラの太陽 思い出す毎秒」 187 00:17:19,466 --> 00:17:26,173 ♬~ 188 00:17:26,173 --> 00:17:28,876 ♬「あー刺さってくれとは 言わないが」 189 00:17:28,876 --> 00:17:31,745 ♬「そんなに俺が悪いのか」 190 00:17:31,745 --> 00:17:37,151 ♬~ 191 00:17:37,151 --> 00:17:41,889 ♬「とーげとげー (とげとげー)」 192 00:17:41,889 --> 00:17:46,727 ♬「高原 森林 砂漠 でも OKOK (OKOK)」 193 00:17:46,727 --> 00:17:49,229 ♬「ちょっとやそっとじゃ 枯れないぞ」 194 00:17:49,229 --> 00:17:51,498 ♬「ただかまってくれないと すねちゃうぞ」 195 00:17:51,498 --> 00:17:56,336 ♬「とーげとげー (とげとげー)」 196 00:17:56,336 --> 00:18:16,536 ♬「とーげとげー とーげとげー」 197 00:18:24,998 --> 00:18:28,869 木下 楓さん? 楓さん? か… 楓さん? 198 00:18:28,869 --> 00:18:31,838 こんにちは。 すいません 気付かなくて。 199 00:18:31,838 --> 00:18:37,945 あ… いえいえ。 今… 来たばっかりですから。 ハハハ…。 200 00:18:37,945 --> 00:18:42,145 あ 良かったら どうぞ。 いいんですか? じゃあ…。 201 00:18:47,387 --> 00:18:49,423 いらっしゃいませ。 ご注文は? 202 00:18:49,423 --> 00:18:53,193 いや… あの… えっと… 何にしようかな ビ… ビール…。 203 00:18:53,193 --> 00:18:56,964 あ まだ早いですね。 じゃあ ガ… ガ… ガラナ…。 204 00:18:56,964 --> 00:19:01,764 あ… いや… 昆布茶… ブレンド。 ブレンド。 少々お待ち下さい。 205 00:19:07,574 --> 00:19:10,477 あの… その本は? 206 00:19:10,477 --> 00:19:14,248 これですか? 英会話のテキストです。 207 00:19:14,248 --> 00:19:22,389 あ… 海外にでも行くんですか? はい 実は…。 208 00:19:22,389 --> 00:19:26,260 (すみれ)あ そう? え~ 良かった。➡ 209 00:19:26,260 --> 00:19:29,563 あ…! (葵 すみれ)痴漢のおじさん! 210 00:19:29,563 --> 00:19:33,500 え? 痴漢なんですか? いやいや… 違いますよ。 211 00:19:33,500 --> 00:19:37,204 何か この子たち勘違いしてて。 ハハハ…。 212 00:19:37,204 --> 00:19:40,641 この間 スカートの中 盗撮されたんです! 213 00:19:40,641 --> 00:19:43,076 ど変態なんです。 ど変態なんですか? 214 00:19:43,076 --> 00:19:45,979 いやいや… 違いますよ! 215 00:19:45,979 --> 00:19:49,516 君たち… いいから早く あっち行きなさい。 しっしっ…。 216 00:19:49,516 --> 00:19:52,085 ちょっと! うちら 犬じゃないんだからね! 217 00:19:52,085 --> 00:19:54,021 お姉さん 気をつけた方がいいですよ。 218 00:19:54,021 --> 00:19:56,823 突然 服 脱ぎだしますから。 脱ぐんですか? 219 00:19:56,823 --> 00:19:59,726 いやいや… まあ 酔っぱらって たまに。 220 00:19:59,726 --> 00:20:01,695 って 脱ぐわけないじゃないですか! 221 00:20:01,695 --> 00:20:04,097 もう 楓さんも いちいち本気にしないで下さい。 222 00:20:04,097 --> 00:20:06,967 ったく もう 何て事 言うんだ! 君た… あ! 223 00:20:06,967 --> 00:20:10,971 (すみれ)キャー! ちょっと… もう… 最低!➡ 224 00:20:10,971 --> 00:20:13,307 もう怖いから行くよ! いやいや いやいや…➡ 225 00:20:13,307 --> 00:20:17,077 ち… 違う これは明らかに間違い… あ…。 226 00:20:17,077 --> 00:20:22,883 ♬~ 227 00:20:22,883 --> 00:20:25,152 <あの小娘ども…> 228 00:20:25,152 --> 00:20:28,052 <今度 会ったら ただではおかないぞ!> 229 00:20:30,023 --> 00:20:38,332 ♬~ 230 00:20:38,332 --> 00:20:45,105 あれ? どこまで話しましたっけ? あ… 海外に行くと。 231 00:20:45,105 --> 00:20:47,105 あ はい。 232 00:20:49,810 --> 00:20:55,082 私 留学しようかと 思ってるんです イギリスに。 233 00:20:55,082 --> 00:20:58,819 え… イギリスに? はい。 234 00:20:58,819 --> 00:21:04,358 ガーデニングの勉強をしたくて それで こうやって英会話を。 235 00:21:04,358 --> 00:21:07,728 あ~…。 236 00:21:07,728 --> 00:21:11,128 いつから そんなふうに考えてたんですか? 237 00:21:13,467 --> 00:21:17,471 私 小さいころから 友達もいなかったし➡ 238 00:21:17,471 --> 00:21:21,641 中学ぐらいから 引きこもりみたいになっちゃって。 239 00:21:21,641 --> 00:21:24,544 何で生きてるんだろう… とか➡ 240 00:21:24,544 --> 00:21:29,316 そんな事ばっかり考えてしまって。 241 00:21:29,316 --> 00:21:35,816 何の取り柄もないし 自信がなかったんです 自分に。 242 00:21:38,959 --> 00:21:42,829 今の楓さんからは 想像もつきません。 243 00:21:42,829 --> 00:21:46,066 でも ある日 担任の先生が突然➡ 244 00:21:46,066 --> 00:21:49,770 デイジーを持って 家まで来てくれて。 245 00:21:49,770 --> 00:21:52,672 「この花は デイズ アイ。➡ 246 00:21:52,672 --> 00:21:55,342 太陽の目から付けられた名前で➡ 247 00:21:55,342 --> 00:22:00,013 冬の厳しい時季に咲く丈夫な花。➡ 248 00:22:00,013 --> 00:22:05,352 君も太陽みたいに キラキラした目をしてるんだから➡ 249 00:22:05,352 --> 00:22:11,652 いつか絶対 咲く時がくる」って 言ってくれて。 250 00:22:16,496 --> 00:22:19,065 それから花が好きになって➡ 251 00:22:19,065 --> 00:22:23,804 この仕事してるうちに もっと勉強したくなって➡ 252 00:22:23,804 --> 00:22:27,274 ほとんど学校 行ってなかったから 今頃になって➡ 253 00:22:27,274 --> 00:22:32,879 必死に英語の勉強してるんです。 遅いんですけど…。 254 00:22:32,879 --> 00:22:54,067 ♬~ 255 00:22:54,067 --> 00:22:58,467 いつ 行くんですか? イギリスには。 256 00:23:00,407 --> 00:23:05,007 まだ決まってないんですけど いつかは。 257 00:23:07,314 --> 00:23:10,217 そうですか…。 258 00:23:10,217 --> 00:23:16,857 あ 僕 今 ちょうど デイジーを育ててるんです。 259 00:23:16,857 --> 00:23:22,629 この間 お店で買ったんですけど。 あ そうなんですか? 260 00:23:22,629 --> 00:23:27,629 でも 時季は終わりの方ですよね。 はい。 261 00:23:29,803 --> 00:23:34,474 でも 咲きますよ きっと。 262 00:23:34,474 --> 00:23:39,374 何かを始めるのに 遅いも早いもありませんから。 263 00:23:43,950 --> 00:23:46,850 だと いいですね。 264 00:23:53,159 --> 00:23:55,159 あの…。 265 00:23:56,997 --> 00:23:59,933 <ま… まさか告白?> 266 00:23:59,933 --> 00:24:05,338 <もし 「一緒にイギリスに 行ってくれませんか?」などと➡ 267 00:24:05,338 --> 00:24:08,038 言われたら どうしよう…> 268 00:24:10,210 --> 00:24:13,380 私…。 269 00:24:13,380 --> 00:24:16,283 僕も… 行きまちゅ! お財布 忘れたみたいで…。 270 00:24:16,283 --> 00:24:19,185 え? すいません…。 271 00:24:19,185 --> 00:24:26,426 あ いえ… あ そうだったんですか いやいや… いいんですよ 全然。 272 00:24:26,426 --> 00:24:31,565 もう 10杯でも20杯でもね 121杯でも169杯でも➡ 273 00:24:31,565 --> 00:24:37,904 もう好きなだけ お飲みなさい ハハハ… あ そう ハハハ…。 274 00:24:37,904 --> 00:24:41,408 アババッ… アババ… あっつ… 熱…。 275 00:24:41,408 --> 00:24:44,308 熱かった…。 大丈夫ですか? 276 00:24:52,052 --> 00:24:58,425 <俺は いいかげんさを放棄し 珍しく丁寧に世話をした> 277 00:24:58,425 --> 00:25:03,725 <アンプルを挿し 水やりにも気を遣った> 278 00:25:05,298 --> 00:25:11,004 <よく見ると 小さなつぼみが いくつか出ていた> 279 00:25:11,004 --> 00:25:25,104 ♬~ 280 00:25:27,921 --> 00:25:29,990 < そして 1週間後> 281 00:25:29,990 --> 00:25:33,690 <ついに 花が咲いた> 282 00:25:39,065 --> 00:25:42,302 <白やピンクの丸い花が咲き乱れ➡ 283 00:25:42,302 --> 00:25:47,707 それはまさに 太陽の輝きを思わせた> 284 00:25:47,707 --> 00:25:57,083 ♬~ 285 00:25:57,083 --> 00:26:01,254 <俺は なじみの花屋に向かった> 286 00:26:01,254 --> 00:26:05,125 <楓さんに報告したかったからだ> 287 00:26:05,125 --> 00:26:14,467 ♬~ 288 00:26:14,467 --> 00:26:18,104 いらっしゃいませ。 どうも。 あの… 楓さんは? 289 00:26:18,104 --> 00:26:20,774 今日は英会話教室なんで 午後からです。 290 00:26:20,774 --> 00:26:24,644 あ… そうですか。 291 00:26:24,644 --> 00:26:29,082 あ 店長 この間のデイジー 咲きましたよ。 292 00:26:29,082 --> 00:26:35,722 え? ホントですか? すごい! まあ 俺に…➡ 293 00:26:35,722 --> 00:26:41,294 あ いや 僕にかかれば 朝飯前ですよ。 ハッハッハ…。 294 00:26:41,294 --> 00:26:44,898 それより楓ちゃんから 聞きました? 留学の事。 295 00:26:44,898 --> 00:26:48,635 あ… はい ちらっと。 296 00:26:48,635 --> 00:26:53,106 でも まだ いつかは決まってないって。 297 00:26:53,106 --> 00:26:59,746 そう… 言えなかったのかな。 え? 何ですか? 298 00:26:59,746 --> 00:27:03,016 来年よ 行っちゃうの。 299 00:27:03,016 --> 00:27:05,016 来年? 300 00:27:06,886 --> 00:27:09,286 いいんですか? 行かせちゃって。 301 00:27:12,659 --> 00:27:20,459 そんな… 僕は別に… あれですから。 302 00:27:23,970 --> 00:27:26,873 <来年か…> 303 00:27:26,873 --> 00:27:56,636 ♬~ 304 00:27:56,636 --> 00:28:01,936 <楓さんは夢に向かって 歩き出そうとしている> 305 00:28:03,910 --> 00:28:09,710 < その時 俺は快く送り出す事が できるだろうか> 306 00:28:12,318 --> 00:28:14,687 < それとも…> 307 00:28:14,687 --> 00:28:28,935 ♬~ 308 00:28:28,935 --> 00:28:33,339 <俺は 暮れてゆく 都会の空を眺めながら➡ 309 00:28:33,339 --> 00:28:36,810 いつか みたはずの自分の夢を➡ 310 00:28:36,810 --> 00:28:39,646 思い出そうとしていた> 311 00:28:39,646 --> 00:29:22,121 ♬~ 312 00:29:22,121 --> 00:29:29,021 ♬~ 313 00:30:35,828 --> 00:30:44,470 風の中に 土の匂いに➡ 314 00:30:44,470 --> 00:30:49,642 もう一度 日本を見つける。 315 00:30:49,642 --> 00:30:53,942 私を見つける。