1 00:00:13,794 --> 00:00:22,494 「わたしは 夢が 大きらいです」。 2 00:00:33,480 --> 00:00:39,619 ♬~ 3 00:00:39,619 --> 00:00:42,155 <俺は都会のマンションのベランダで➡ 4 00:00:42,155 --> 00:00:46,255 自分勝手に植物を育てる ベランダーだ> 5 00:00:47,894 --> 00:00:51,264 <本来なら もう東京に 帰っているはずの俺が➡ 6 00:00:51,264 --> 00:00:56,036 なぜ群馬にいるのか。 それは…> 7 00:00:56,036 --> 00:01:14,521 ♬~ 8 00:01:14,521 --> 00:01:23,121 [外:67493AA2E48F79C7618A9D99DFD3622A] 9 00:01:24,931 --> 00:01:27,234 はい もしもし。 [外:67493AA2E48F79C7618A9D99DFD3622A] (桐山)もしもし 桐山です。 10 00:01:27,234 --> 00:01:30,036 お疲れさまで~す。 もう温泉 入りました? 11 00:01:30,036 --> 00:01:34,307 お~ いいお湯だったわ。 そっすか~。 12 00:01:34,307 --> 00:01:39,980 それだったらね 先輩 あれっすよ。 え? 何だよ あれって。 13 00:01:39,980 --> 00:01:44,684 いや… もう一泊したら どうかな~ なんて。 14 00:01:44,684 --> 00:01:48,054 どういう事だよ。 15 00:01:48,054 --> 00:01:52,926 あ! お前…。 いや~ 先輩 鋭いっすね。 さすが。 16 00:01:52,926 --> 00:01:54,928 お前ね…。 ほら あのね➡ 17 00:01:54,928 --> 00:01:59,432 せっかく地方 行ってもらったから 地元の花屋さんの取材とか… ね。 18 00:01:59,432 --> 00:02:02,302 バーターで。 バーターでって…。 19 00:02:02,302 --> 00:02:05,305 じゃあ はい ロックな感じで はい お願いします! 20 00:02:05,305 --> 00:02:08,205 もしもし… あ…。 21 00:02:13,980 --> 00:02:16,980 <と いうわけなのである> 22 00:02:18,752 --> 00:02:31,398 ♬~ 23 00:02:31,398 --> 00:02:35,802 ♬~ 24 00:02:35,802 --> 00:02:54,902 ♬~ 25 00:03:06,533 --> 00:03:10,737 <薄汚れた都会に どっぷりと つかった俺にとって➡ 26 00:03:10,737 --> 00:03:16,237 新鮮な空気を吸いながら歩くのも 悪くない> 27 00:03:19,412 --> 00:03:24,812 <けん騒と静寂のはざまを 俺は行き来する> 28 00:03:27,454 --> 00:03:35,554 <所詮 人間は 自分にないものを 求めてさまよう悲しい生き物だ> 29 00:03:41,001 --> 00:03:44,337 <俺は 花屋を探している> 30 00:03:44,337 --> 00:03:48,308 <もちろん 勘だけが頼りだ> 31 00:03:48,308 --> 00:03:53,346 <スマホで調べれば簡単だろうと 人は言う> 32 00:03:53,346 --> 00:03:57,284 <だが 俺は あくまで自力に こだわる> 33 00:03:57,284 --> 00:04:02,989 <楽をして身につくものなど ないからだ> 34 00:04:02,989 --> 00:04:07,727 <などと言いながら 最近 ガラケーで検索するのが➡ 35 00:04:07,727 --> 00:04:12,727 ちょっと恥ずかしいというのが 本音だった> 36 00:04:22,142 --> 00:04:26,742 < しばらくすると 良さそうな花屋を見つけた> 37 00:04:29,582 --> 00:04:36,482 <俺は都会的な雰囲気を醸し出し 入ってみる事にした> 38 00:04:41,094 --> 00:04:43,394 ≪(水原蓮花)いらっしゃいませ。 39 00:04:48,902 --> 00:04:54,307 ん? あ… ど ど ど… どうも。 40 00:04:54,307 --> 00:04:59,907 < その花屋の店員さんは あまりにも かわいらしかった> 41 00:05:02,048 --> 00:05:07,220 <俺は動揺を隠そうと 冷静に話しかけた> 42 00:05:07,220 --> 00:05:11,624 あの! あ… いや あの 突然すいません。 43 00:05:11,624 --> 00:05:15,495 私 「月刊プランター」の 取材をしてる者ですが。 44 00:05:15,495 --> 00:05:18,965 え! 「プランター」? 私 いつも読んでます。 45 00:05:18,965 --> 00:05:21,935 あ~ そうですか。 ありがとうございます。 46 00:05:21,935 --> 00:05:25,105 特に あの いいかげんに 植物 育ててる人の➡ 47 00:05:25,105 --> 00:05:27,707 ブログが面白くって。 48 00:05:27,707 --> 00:05:31,111 あんなに適当に世話してても 植物って育つんですね。 49 00:05:31,111 --> 00:05:35,949 あ あ… あれね…。 面白いですよね~。 ハハハハハッ。 50 00:05:35,949 --> 00:05:39,819 <「それ 俺が書いてます」とは➡ 51 00:05:39,819 --> 00:05:43,390 とても言いだせる 雰囲気ではなかった> 52 00:05:43,390 --> 00:05:47,127 あの… それで? あ えっとですね➡ 53 00:05:47,127 --> 00:05:52,098 実は今回 画家の花園慶一さんの 取材で この辺りに来たんですが。 54 00:05:52,098 --> 00:05:55,769 あ~ 花園さん。 ここにも来る事ありますよ。 55 00:05:55,769 --> 00:06:00,173 あ~ そうですか。 いや それで➡ 56 00:06:00,173 --> 00:06:02,475 お店の前を通ったら きれいな お姉さん…➡ 57 00:06:02,475 --> 00:06:04,744 あ いやいや… じゃ じゃ じゃ… じゃなくてですね➡ 58 00:06:04,744 --> 00:06:07,247 きれいな お花が いっぱいあったもんですから➡ 59 00:06:07,247 --> 00:06:09,749 是非 うちの雑誌で 紹介させて頂きたいなと➡ 60 00:06:09,749 --> 00:06:11,751 思いまして。 あの… ご迷惑ですか? 61 00:06:11,751 --> 00:06:14,254 あ! いえ いえ いえ とんでもないです。 62 00:06:14,254 --> 00:06:16,623 こんな店で良かったら どうぞ。 63 00:06:16,623 --> 00:06:20,323 ありがとうございます。 よろしくお願いします。 64 00:06:22,462 --> 00:06:29,235 あの… では まず お名前を 伺ってもよろしいですか? 65 00:06:29,235 --> 00:06:32,105 はい。 水原蓮花です。 66 00:06:32,105 --> 00:06:35,975 蓮花さん。 は~ いいお名前ですね。 67 00:06:35,975 --> 00:06:40,613 あ~… ありがとうございます。 68 00:06:40,613 --> 00:06:45,185 <蓮華。 ハス科の多年性水生植物> 69 00:06:45,185 --> 00:06:47,520 <彼女に ぴったりだ> 70 00:06:47,520 --> 00:06:50,824 <あ いや いかん。 仕事 仕事> 71 00:06:50,824 --> 00:06:55,995 あの こちらのお店は お一人で…? 72 00:06:55,995 --> 00:07:01,734 あ… はい。 そうですか お一人で。 へ~。 73 00:07:01,734 --> 00:07:05,605 じゃあ 大変ですね。 74 00:07:05,605 --> 00:07:10,905 でも お店 小さいですし 何とか… はい。 75 00:07:13,346 --> 00:07:19,146 <一通り取材を終えた俺は 店内の写真を撮ったりしていた> 76 00:07:21,087 --> 00:07:25,987 <すると その中に一つ 気になる鉢があった> 77 00:07:29,462 --> 00:07:34,300 あの… この木は? あ これはシャボンの木です。 78 00:07:34,300 --> 00:07:37,203 シャボンの木? はい。 樹液から➡ 79 00:07:37,203 --> 00:07:40,473 しゃぼん玉を作る事ができる 観葉植物です。 80 00:07:40,473 --> 00:07:45,311 あ~ そうですよね 確か。 81 00:07:45,311 --> 00:07:51,217 <初めて見たのに 俺は ここでも 知っているふりをした> 82 00:07:51,217 --> 00:07:55,588 <シャボンの木も知らない 都会の もやし野郎だと➡ 83 00:07:55,588 --> 00:07:58,188 思われたくなかったからだ> 84 00:08:02,795 --> 00:08:06,666 でも 珍しいですね シャボンの木なんて。 85 00:08:06,666 --> 00:08:11,371 はい 私がしゃぼん玉が好きなんで 置いてたんですけど➡ 86 00:08:11,371 --> 00:08:16,371 全然 売れなくて…。 は~ そうですか。 87 00:08:19,546 --> 00:08:23,416 <いまや 子供の遊びは ゲームにとって奪われ➡ 88 00:08:23,416 --> 00:08:27,416 大人も暇さえあればスマホをいじる> 89 00:08:29,689 --> 00:08:32,892 < そんな世の中において わざわざ樹液から➡ 90 00:08:32,892 --> 00:08:36,892 しゃぼん玉を作るような人間は いないだろう> 91 00:08:39,198 --> 00:08:43,870 < そいつは 世のすう勢から 落ちこぼれた たたずまいで➡ 92 00:08:43,870 --> 00:08:47,670 寂しげに そこにいた> 93 00:08:52,979 --> 00:08:55,281 こんにちは。 あ いらっしゃいませ。 94 00:08:55,281 --> 00:08:58,051 いつまでも暑いわね。 そうですね。 95 00:08:58,051 --> 00:09:01,588 今日は何か 御入り用ですか? 玄関の飾りにね。 96 00:09:01,588 --> 00:09:04,857 そうですか じゃあ この鳳仙花 いかがですか? 97 00:09:04,857 --> 00:09:06,893 昨日 入ったばっかりなんですよ。 ≪いいの いいの➡ 98 00:09:06,893 --> 00:09:10,663 いつもの菊とか そういうやつで。 99 00:09:10,663 --> 00:09:13,566 あ… そうですか…。 100 00:09:13,566 --> 00:09:15,568 分かりました。 じゃあ ちょっと待って下さい。 101 00:09:15,568 --> 00:09:17,668 すぐ用意しますから。 102 00:09:28,114 --> 00:09:31,317 もうちょっと左へ… はい お願いします。 103 00:09:31,317 --> 00:09:37,724 <最後に俺は彼女のプロフィール写真を 何枚か撮った> 104 00:09:37,724 --> 00:09:40,460 あ はい じゃあ もう一枚 お願いします。 105 00:09:40,460 --> 00:09:44,360 はい。 はい チーズ。 106 00:09:46,165 --> 00:09:49,435 <ファインダー越しに見えた 彼女の表情は➡ 107 00:09:49,435 --> 00:09:53,335 どこか 寂しげであった> 108 00:10:02,982 --> 00:10:08,582 [外:67493AA2E48F79C7618A9D99DFD3622A] 109 00:10:12,659 --> 00:10:15,528 もしもし。 [外:67493AA2E48F79C7618A9D99DFD3622A] (桐山)もしもし 先輩?➡ 110 00:10:15,528 --> 00:10:19,232 桐山です。 どうでした? セカンド・カミングな感じの➡ 111 00:10:19,232 --> 00:10:22,835 花屋ありました? 何だよ それ。 112 00:10:22,835 --> 00:10:26,239 どうしたんすか? 元気ないじゃないっすか。 113 00:10:26,239 --> 00:10:28,941 あ 店員さんが かわいくなかったとか? 114 00:10:28,941 --> 00:10:31,477 その逆だよ。 じゃ… じゃあ➡ 115 00:10:31,477 --> 00:10:35,348 ばっちりじゃないっすか! ね 写真とか原稿とかね➡ 116 00:10:35,348 --> 00:10:38,648 楽しみにしてますから 俺。 はい じゃあ失礼します。 117 00:10:50,396 --> 00:10:55,234 ♬~ 118 00:10:55,234 --> 00:11:02,475 ♬~ 119 00:11:02,475 --> 00:11:08,181 ♬「どうして君が泣くの」 120 00:11:08,181 --> 00:11:14,887 ♬「まだ僕も 泣いていないのに」 121 00:11:14,887 --> 00:11:20,126 ♬「自分より 悲しむから」 122 00:11:20,126 --> 00:11:28,401 ♬「つらいのがどっちか わからなくなるよ」 123 00:11:28,401 --> 00:11:35,141 ♬「ガラクタだったはずの今日が」 124 00:11:35,141 --> 00:11:43,616 ♬「ふたりなら 宝物になる」 125 00:11:43,616 --> 00:11:50,323 ♬「そばにいたいよ 君のために出来ることが」 126 00:11:50,323 --> 00:11:55,928 ♬「僕にあるかな」 127 00:11:55,928 --> 00:12:01,601 ♬「いつも君に ずっと君に」 128 00:12:01,601 --> 00:12:07,340 ♬「笑っていてほしくて」 129 00:12:07,340 --> 00:12:10,243 ♬「ひまわりのような」 130 00:12:10,243 --> 00:12:15,214 ♬「まっすぐなその優しさを」 131 00:12:15,214 --> 00:12:19,919 ♬「温もりを全部」 132 00:12:19,919 --> 00:12:25,858 ♬「これからは僕も 届けていきたい」 133 00:12:25,858 --> 00:12:35,268 ♬「ここにある幸せに 気づいたから」 134 00:12:35,268 --> 00:12:51,768 ♬~ 135 00:13:00,793 --> 00:13:04,463 <俺は 何となく宿に戻る気になれず➡ 136 00:13:04,463 --> 00:13:07,163 しばらく うろついていた> 137 00:13:11,003 --> 00:13:13,203 <すると…> 138 00:13:34,560 --> 00:13:40,660 あの… こんにちは。 あ 先ほどは どうも。 139 00:13:51,310 --> 00:13:54,780 お店の方は? 今日は もう閉めました。 140 00:13:54,780 --> 00:14:00,353 誰も来そうになかったんで。 そうですか。 141 00:14:00,353 --> 00:14:03,990 これ シャボンの木の樹液から 作ったんです。 142 00:14:03,990 --> 00:14:08,594 あ~ 随分 飛ぶんですね。 143 00:14:08,594 --> 00:14:13,494 最初は全然だったんですけど 今はプロ級です。 144 00:14:20,172 --> 00:14:27,647 私 この町 嫌いだったんです。 え? 145 00:14:27,647 --> 00:14:30,383 何にもないじゃないですか。 146 00:14:30,383 --> 00:14:33,753 東京 出たいなって ずっと思ってました。 147 00:14:33,753 --> 00:14:41,427 で 高校卒業と同時に上京して 映画行ったり コンサート行ったり➡ 148 00:14:41,427 --> 00:14:48,200 毎日 刺激が いっぱいあって すごく楽しかったんです。 149 00:14:48,200 --> 00:14:53,039 東京では何を? 花は もともと好きだったので➡ 150 00:14:53,039 --> 00:14:57,810 花屋のバイトしながら 写真の勉強してました。 151 00:14:57,810 --> 00:15:02,315 それで どういう経緯で 戻ってきたんですか? 152 00:15:02,315 --> 00:15:07,615 あ あ いや… すいません あの… 言いたくなければ 別に…。 153 00:15:12,959 --> 00:15:16,862 母が体調を崩しまして➡ 154 00:15:16,862 --> 00:15:20,700 父が介護をしながら 花屋を続けてたんですけど➡ 155 00:15:20,700 --> 00:15:24,470 それも体力的に 厳しくなってしまって➡ 156 00:15:24,470 --> 00:15:27,907 店を閉める事になったんです。 157 00:15:27,907 --> 00:15:32,578 それまで特に 考えた事なかったんですけど➡ 158 00:15:32,578 --> 00:15:37,416 なくなるって聞いたら 急に さみしくなって➡ 159 00:15:37,416 --> 00:15:41,721 それで 当時おつきあいしてた人に 相談したんです。 160 00:15:41,721 --> 00:15:46,559 実家に戻って 花屋を 手伝うつもりなんだけどって。 161 00:15:46,559 --> 00:15:50,930 私 自分で 写真の才能ないの知ってたし➡ 162 00:15:50,930 --> 00:15:55,468 彼なら ついてきてくれるって思って。 163 00:15:55,468 --> 00:15:59,138 それで? 164 00:15:59,138 --> 00:16:04,538 「行けない」って言われました。 田舎には行きたくないって。 165 00:16:08,381 --> 00:16:11,150 それで吹っ切れたんです。 166 00:16:11,150 --> 00:16:17,256 結局 私は都会に 憧れてただけだったんだなって。 167 00:16:17,256 --> 00:16:21,060 おしゃれなとこ行って おしゃれな事して➡ 168 00:16:21,060 --> 00:16:24,860 そこに合わせた生活して…。 169 00:16:27,700 --> 00:16:31,100 多分 無理してたんだと思います。 170 00:16:32,605 --> 00:16:36,105 だから 良かったんです。 結果的には。 171 00:16:40,746 --> 00:16:44,050 いきさつは どうあれ そういう事に気付けて➡ 172 00:16:44,050 --> 00:16:46,952 良かったんじゃないでしょうか。 173 00:16:46,952 --> 00:16:50,823 自分を知る事ができたんですから。 174 00:16:50,823 --> 00:16:54,760 はい。 それで帰ってきて やっぱり自分は➡ 175 00:16:54,760 --> 00:16:58,130 ここでの生活が 合ってるって思いました。 176 00:16:58,130 --> 00:17:03,730 あ でも ふられた事は事実なんで そこはまだ ムカついてますけど。 177 00:17:07,807 --> 00:17:13,446 でも 戻ってきたらきたで そう簡単には いかないです。 178 00:17:13,446 --> 00:17:19,251 お花屋さん 大変ですか? 大変っていうか➡ 179 00:17:19,251 --> 00:17:23,856 ここでは花屋自体 冠婚葬祭の時以外は➡ 180 00:17:23,856 --> 00:17:26,592 あんまり 必要とされてないっていうか。 181 00:17:26,592 --> 00:17:30,463 あ~ 昼間の…。 182 00:17:30,463 --> 00:17:35,968 大体 いつもあんな感じです。 自分の好きな花が➡ 183 00:17:35,968 --> 00:17:39,972 見向きもされないと 結構 へこむんですよね。 184 00:17:39,972 --> 00:17:45,111 で そういう時は ここに来て しゃぼん玉 飛ばしてます。 185 00:17:45,111 --> 00:17:47,911 へ~。 186 00:17:50,282 --> 00:17:57,456 もっと花を育てるっていうか 花を物としてじゃなくて➡ 187 00:17:57,456 --> 00:18:01,756 もっとかわいがってほしいって 思うんです。 188 00:18:03,929 --> 00:18:10,429 <ここにも植物に愛情を注いで 生きている人がいる> 189 00:18:12,104 --> 00:18:17,810 <俺は ふと シャボンの木の事を思った> 190 00:18:17,810 --> 00:18:21,413 <時代に取り残された あいつは このまま➡ 191 00:18:21,413 --> 00:18:26,513 誰からも必要とされる事なく 一生を終えるだろう> 192 00:18:28,687 --> 00:18:32,158 < そんな不器用な 生き方しかできないあいつに➡ 193 00:18:32,158 --> 00:18:36,858 俺は 自らを 重ねていたのかもしれない> 194 00:18:40,733 --> 00:18:45,304 あの~ シャボンの木ですけど➡ 195 00:18:45,304 --> 00:18:48,107 僕に売ってくれませんか? 196 00:18:48,107 --> 00:18:53,712 何か 愛着が湧いちゃって。 え… ホントですか? 197 00:18:53,712 --> 00:18:58,017 ありがとうございます。 あ これ 吹いてみます? 198 00:18:58,017 --> 00:19:00,920 え! 199 00:19:00,920 --> 00:19:04,523 <俺は動揺した。 そんな事をしたら➡ 200 00:19:04,523 --> 00:19:09,328 か か か… 間接キスに なってしまうではないか> 201 00:19:09,328 --> 00:19:12,565 <楓さん ごめんなさい!> 202 00:19:12,565 --> 00:19:16,569 じゃあ 遠慮なく。 あ もう一つありますんで。 203 00:19:16,569 --> 00:19:23,569 あ~ あ… そうですよね。 ハハハ… あ… はい。 204 00:19:27,146 --> 00:19:30,146 あれ? あ…。 205 00:19:37,156 --> 00:20:00,980 ♬~ 206 00:20:00,980 --> 00:20:05,780 <しゃぼん玉など吹いたのは 何十年ぶりだろうか> 207 00:20:08,120 --> 00:20:11,991 < その ふわふわした球体は 風に乗り➡ 208 00:20:11,991 --> 00:20:16,829 どこまでも 飛んでいった> 209 00:20:16,829 --> 00:21:04,229 ♬~ 210 00:21:06,045 --> 00:21:08,881 <長い一日が終わった> 211 00:21:08,881 --> 00:21:15,281 <俺は 疲れを癒やすために 露天風呂につかった> 212 00:21:23,862 --> 00:21:28,033 こんばんは。 (茂木梅吉)こんばんは。 213 00:21:28,033 --> 00:21:32,971 いいお湯ですね。 (茂木)そうですね あ~…。 214 00:21:32,971 --> 00:21:36,875 どちらからですか? (茂木)東京からです あ~…。 215 00:21:36,875 --> 00:21:42,214 あ~ そうですか。 僕もです。 そうなんですね。 216 00:21:42,214 --> 00:21:47,052 え~… え え! いや いや いや いや…! 217 00:21:47,052 --> 00:21:50,923 ちょっと先輩 何やってんですか。 何やってるんですかじゃないよ! 218 00:21:50,923 --> 00:21:53,792 君だって失敬じゃないか! 裸で。 いや いや いや…➡ 219 00:21:53,792 --> 00:21:55,761 失敬って お風呂なんだから。 220 00:21:55,761 --> 00:21:58,630 あれ? 先輩 盆栽の世話があるから➡ 221 00:21:58,630 --> 00:22:01,934 温泉には行けないって。 いや あの それは… あの…➡ 222 00:22:01,934 --> 00:22:06,772 えっと… 温泉はいいよ~。 223 00:22:06,772 --> 00:22:10,072 また ごまかして。 温泉…。 224 00:22:13,545 --> 00:22:19,752 いいね~。 ところで先輩 どうして温泉に? 225 00:22:19,752 --> 00:22:24,590 君 先輩はよしてくれよ。 水くさいじゃないか。 226 00:22:24,590 --> 00:22:31,130 温泉だけに。 ハハハッ…。 227 00:22:31,130 --> 00:22:37,069 面白くなかったかい? あ あ… ハハハッ…。 228 00:22:37,069 --> 00:22:42,741 <全く面倒くさい男だ> 229 00:22:42,741 --> 00:22:45,644 それはともかく 僕が温泉に来てる事➡ 230 00:22:45,644 --> 00:22:49,047 内緒にしてくれたまえよ。 誰にも言いませんよ… もう。 231 00:22:49,047 --> 00:22:51,049 うん? 232 00:22:51,049 --> 00:22:53,786 あ また 盆 桜子だ。➡ 233 00:22:53,786 --> 00:22:56,622 「昼間の画像 温泉街ぽかったですね。➡ 234 00:22:56,622 --> 00:22:59,625 どちらですか?」。 まずいよ 君。 235 00:22:59,625 --> 00:23:02,895 先輩 内緒にしといてって 言っときながら➡ 236 00:23:02,895 --> 00:23:04,830 思いっきり画像 貼ってんじゃないですか。 237 00:23:04,830 --> 00:23:11,203 ん~ まあね 久々の温泉だからさ ぶち上がっちゃって。 ハハハッ…。 238 00:23:11,203 --> 00:23:15,607 いや~ でもね 温泉っていうのは やっぱり いいね。 239 00:23:15,607 --> 00:23:21,814 ですよね。 僕は 盆栽にとらわれて➡ 240 00:23:21,814 --> 00:23:25,684 ストイックに なりすぎてたのかも しれないな。 241 00:23:25,684 --> 00:23:28,220 君を見てて思ったんだよ。 242 00:23:28,220 --> 00:23:32,090 人生 いいかげんでいいのかなって。 243 00:23:32,090 --> 00:23:34,026 はあ…。 244 00:23:34,026 --> 00:23:36,528 <褒められてるのか けなされてるのか➡ 245 00:23:36,528 --> 00:23:39,128 よく分からなかった> 246 00:23:42,267 --> 00:23:45,838 今までの非礼は 水に流しておくれよ。 247 00:23:45,838 --> 00:23:47,938 温泉だけにね! 248 00:23:51,210 --> 00:24:01,386 面白くなかったんだね。 あ いや… アハハハッ… ハハハッ…。 249 00:24:01,386 --> 00:24:06,386 (2人)ハハハハハッ…。 良かった。 250 00:24:09,127 --> 00:24:11,563 ぬるいね~。 251 00:24:11,563 --> 00:24:33,252 ♬~ 252 00:24:33,252 --> 00:24:37,689 <穏やかな時の流れに 逆行するかのように➡ 253 00:24:37,689 --> 00:24:44,463 こうして俺はまた 都会という日常へ戻っていく> 254 00:24:44,463 --> 00:25:03,815 ♬~ 255 00:25:03,815 --> 00:25:10,415 <俺は土産でも渡そうと なじみの花屋に寄った> 256 00:25:19,798 --> 00:25:22,734 (藤村杏子)そういえば 最近あの人 来ないわね。 257 00:25:22,734 --> 00:25:25,304 (立花)そうっすね。 258 00:25:25,304 --> 00:25:30,943 楓ちゃんが留学するっていうのに いつ告白すんのかしら。 259 00:25:30,943 --> 00:25:35,781 ま 僕としては失恋してくれた方が ありがたいんですけどね。 260 00:25:35,781 --> 00:25:40,218 ちょっと何 言ってるの やだ~。 261 00:25:40,218 --> 00:25:42,187 あ いらっしゃいませ。 262 00:25:42,187 --> 00:25:44,187 (立花)いらっしゃいませ。 263 00:25:55,601 --> 00:26:13,986 ♬~ 264 00:26:13,986 --> 00:26:16,488 [ 回想 ] (木下 楓)私 小さいころから➡ 265 00:26:16,488 --> 00:26:22,060 友達もいなかったし 自信がなかったんです 自分に。➡ 266 00:26:22,060 --> 00:26:25,931 今頃になって 必死に英語の勉強してるんです。 267 00:26:25,931 --> 00:26:47,219 ♬~ 268 00:26:47,219 --> 00:26:57,529 ♬~ 269 00:26:57,529 --> 00:27:12,577 ♬~ 270 00:27:12,577 --> 00:27:18,383 <花が咲き 散り また芽が出て 花が咲く> 271 00:27:18,383 --> 00:27:23,983 < それは はるか昔から続いてきた しなやかな反復> 272 00:27:26,491 --> 00:27:30,262 <俺のブログも 繰り返し続ける生命の➡ 273 00:27:30,262 --> 00:27:34,062 ほんの一瞬と戯れた 記録にすぎない> 274 00:27:35,634 --> 00:27:40,034 <だからこそ 克明に記しておきたいのだ> 275 00:27:42,441 --> 00:27:49,441 < そう 俺は しゃぼん玉のように 都会を漂うベランダーだ> 276 00:27:51,450 --> 00:27:54,850 <風の吹くまま 気の向くまま> 277 00:27:57,022 --> 00:28:02,422 <俺は この都会で 植物どもと生きていく> 278 00:28:04,162 --> 00:28:07,733 <これからも ずっと…> 279 00:28:07,733 --> 00:28:16,141 ♬~ 280 00:28:16,141 --> 00:29:02,320 ♬~ 281 00:29:02,320 --> 00:29:19,520 ♬~ 282 00:30:35,380 --> 00:30:41,920 風の中に 土の匂いに➡ 283 00:30:41,920 --> 00:30:47,158 もう一度 日本を見つける。 284 00:30:47,158 --> 00:30:50,858 私を 見つける。