1 00:00:07,675 --> 00:00:13,681 (走る足音) 2 00:00:33,701 --> 00:00:35,636 \(足音) 3 00:00:35,703 --> 00:00:38,639 \(真彦) 誰だ! おい ちょっと待て。 4 00:00:38,706 --> 00:00:42,710 (紅子) チクショー。 放せ! (真彦) こっちへ 来い! 5 00:00:44,712 --> 00:00:46,647 お嬢さま? 6 00:00:46,714 --> 00:00:48,649 \(凛子) 真彦兄さま? 7 00:00:48,716 --> 00:00:50,718 (真彦) あっ。 8 00:00:54,722 --> 00:01:05,666 ♪~ 9 00:01:15,676 --> 00:01:17,611 {\an8}(真彦) 山田。 10 00:01:17,678 --> 00:01:19,680 {\an8}(紅子) うっ。 (真彦) あっ。 11 00:01:24,685 --> 00:01:26,687 {\an8}(男性) バカヤロー! 12 00:01:26,687 --> 00:01:46,707 ♪~ 13 00:01:46,707 --> 00:01:49,643 {\an8}(紅子) ただいま。 仕事してきた。 14 00:01:49,710 --> 00:01:54,648 {\an8}給金の代わりに ほら これ。 米と 卵と リンゴ。 15 00:01:54,715 --> 00:01:56,650 {\an8}まあまあだろ? (和子) 助かったよ。 16 00:01:56,717 --> 00:02:00,654 {\an8}米粒一つ なかったんだ。 ほら これ。 すっからかん。 17 00:02:00,721 --> 00:02:02,590 {\an8}(紅子) ハッ。 \(藍子の せき) 18 00:02:02,656 --> 00:02:07,595 {\an8}(紅子) 藍子。 大丈夫か? ほら 見て。 19 00:02:07,661 --> 00:02:10,598 これで うまーい おかゆ 作ってやっからな。 20 00:02:10,664 --> 00:02:12,600 (藍子) うん。 21 00:02:12,666 --> 00:02:14,602 (和子) まったく 借金して 酒ばっか 飲んで。 22 00:02:14,668 --> 00:02:17,605 仕立ての仕事だって ないってのに この ごくつぶしが! 23 00:02:17,671 --> 00:02:19,607 (泰造) 紅子が 稼いできてくれるさ。 24 00:02:19,673 --> 00:02:21,609 (和子) 家賃だって 半年も 滞納してんだよ。 25 00:02:21,675 --> 00:02:23,611 いつ 追い出されたって おかしくないんだ。 26 00:02:23,677 --> 00:02:25,613 わたしたちを 野垂れ死にさせるつもりかい? 27 00:02:25,679 --> 00:02:30,618 (泰造) 返せ ほら。 返せって。 こら! 28 00:02:30,684 --> 00:02:32,686 (紅子) 危ねえだろ! (泰造) うあっ。 29 00:02:34,688 --> 00:02:38,626 もう やめとくれって! 30 00:02:38,692 --> 00:02:41,629 がたがた うるさいんだよ! 31 00:02:41,695 --> 00:02:44,632 (泰造) 俺だってな この足さえ ちゃんとしてりゃ→ 32 00:02:44,698 --> 00:02:46,700 大金 稼いでんだ! 33 00:02:48,702 --> 00:02:52,640 (泰造) こんなんならよ…。 飲まなきゃ やってられっか!→ 34 00:02:52,706 --> 00:02:54,642 ああっ。 35 00:02:54,708 --> 00:02:58,646 (和子の泣き声) 36 00:02:58,712 --> 00:03:05,653 (戸の開閉音) 37 00:03:07,655 --> 00:03:15,663 (紅子) こんな家 絶対 いつか 飛び出してやる。 38 00:03:20,000 --> 00:03:23,938 (凛子) そっくりだったわね あの子 私と。 39 00:03:24,004 --> 00:03:26,006 (真彦) そうだね。 40 00:03:28,008 --> 00:03:31,011 (凛子の せき) 41 00:03:37,017 --> 00:03:41,956 (真彦) ちょっと 熱があるみたいだから 凛子は もう 眠った方がいい。 42 00:03:42,022 --> 00:03:44,959 真彦兄さま。 43 00:03:45,025 --> 00:03:48,963 (真彦) ずっと そばに いるから。 安心して お休み。 44 00:03:52,967 --> 00:03:58,973 ♪~ 45 00:03:58,973 --> 00:04:01,976 (ミツ) フー。 46 00:04:01,976 --> 00:04:08,983 ♪~ 47 00:04:08,983 --> 00:04:12,920 \(ミツ) 何だい。 まだ 治ってないのかい。 48 00:04:12,987 --> 00:04:14,922 おばあさま。 (真彦) 大奥さま。 49 00:04:14,989 --> 00:04:19,927 (ミツ) どうして こんな弱く 生まれちまったんだろうねえ。 50 00:04:19,994 --> 00:04:24,932 由緒正しき 子爵家である わが 清瀬家の血を継ぐ→ 51 00:04:24,999 --> 00:04:28,936 正当な後継者は 凛子 あんただけなんだからね。→ 52 00:04:29,003 --> 00:04:31,939 あんただけが 頼りなんだから。 53 00:04:32,006 --> 00:04:37,945 死ぬなら死ぬで 子を産んでから 死んどくれね。 54 00:04:38,012 --> 00:04:41,949 はい。 おばあさま。 55 00:04:42,016 --> 00:04:44,952 (ミツ) 遅い。 まったく お前は どんくさいねえ。 56 00:04:45,019 --> 00:04:46,887 (真彦) すいません。 57 00:04:46,954 --> 00:04:49,890 (ミツ) 凛子を しっかり守ることが お前の仕事だ。→ 58 00:04:49,957 --> 00:04:53,894 そのために もらってきたってのに 風邪の一つも 治せないなんて。 59 00:04:53,961 --> 00:04:56,897 チッ。 しっかりおし。 60 00:04:56,964 --> 00:04:59,900 (真彦) すいません。 凛子お嬢さまの風邪は→ 61 00:04:59,967 --> 00:05:02,903 必ず わたしが治します。 治してみせます。 62 00:05:02,970 --> 00:05:04,905 (藤堂) 真彦さん ケガをされてますね。 63 00:05:04,972 --> 00:05:09,910 廊下には 靴跡。 泥棒にでも 入られましたか? 64 00:05:09,977 --> 00:05:13,914 (ミツ) 泥棒!? そうなのかい? 65 00:05:13,981 --> 00:05:15,916 お前という人間が 付いていながら。 66 00:05:15,983 --> 00:05:17,918 (真彦) あっ…。 67 00:05:17,985 --> 00:05:19,920 (ミツ) 凛子に もしものことが あったら どうするんだい! 68 00:05:19,987 --> 00:05:22,923 (凛子) 違うの おばあさま。 泥棒なんかじゃないの。→ 69 00:05:22,990 --> 00:05:27,928 真彦兄さまは 庭仕事をしていて ケガをしてしまったのよ。→ 70 00:05:27,995 --> 00:05:31,932 私が慌てちゃって 靴を履いたまま 上がってきてしまったの。 71 00:05:31,999 --> 00:05:36,937 兄さまは 何も悪くないの。 だから しからないで。 72 00:05:37,004 --> 00:05:40,007 おばあさま。 73 00:05:40,007 --> 00:05:51,952 ♪~ 74 00:05:51,952 --> 00:05:54,955 (紅子) ハァー。 75 00:06:05,966 --> 00:06:10,904 (男性) どっ 泥棒だ! 捕まえてくれ! こら! 76 00:06:10,971 --> 00:06:12,973 (自転車のブレーキ音) 77 00:06:19,980 --> 00:06:21,915 (男性) この がきは!→ 78 00:06:21,982 --> 00:06:26,920 ハッ。 ハッ。 おらあ。 おらあ。 おらあ。→ 79 00:06:26,987 --> 00:06:28,922 おらあ。 あれ? 80 00:06:28,989 --> 00:06:32,926 (真彦) この辺で 勘弁しちゃもらえませんか。 81 00:06:32,993 --> 00:06:34,995 (紅子) あんた…。 82 00:06:37,998 --> 00:06:41,935 (紅子) 痛ぇな。 (真彦) お前は 反省してないのか。 83 00:06:42,002 --> 00:06:43,937 すりまで やって。 84 00:06:44,004 --> 00:06:45,873 (紅子) アタイは 金持ちしか狙わない。 85 00:06:45,939 --> 00:06:48,876 あるやつから取って 何が 悪いんだよ。 86 00:06:48,942 --> 00:06:50,878 (真彦) 犯罪は 犯罪だ。 87 00:06:50,944 --> 00:06:53,881 (紅子) だいたい 金持ちってのは セコいんだよ。 88 00:06:53,947 --> 00:06:56,884 金があるのに 出しゃしねえ。 89 00:06:56,950 --> 00:07:00,888 うちの親父だってさ 昔は 腕のいい大工だったんだ。 90 00:07:00,954 --> 00:07:04,892 でも 華族さまの仕事で 後遺症の残るような ケガしてさ。 91 00:07:04,958 --> 00:07:06,894 職 失っちまった。 92 00:07:06,960 --> 00:07:08,896 それなのに その雇い主の 華族さまからは→ 93 00:07:08,962 --> 00:07:11,899 何の補償も なしだぜ。 一銭も なしだ。 94 00:07:11,965 --> 00:07:13,901 ふざけんなっつうんだよ。 95 00:07:13,967 --> 00:07:17,905 (真彦) だからといって 犯罪を 犯していいことには ならない。 96 00:07:17,971 --> 00:07:22,910 (紅子) あんた。 アタイら 貧乏人に 死ねっていうのか。 97 00:07:22,976 --> 00:07:25,979 奇麗事だけじゃ 生きてけねえんだよ。 98 00:07:27,981 --> 00:07:29,983 \(凛子) 真彦兄さま。 99 00:07:31,985 --> 00:07:35,923 お説教は それぐらいで いいんじゃない? 100 00:07:35,989 --> 00:07:40,928 (凛子) 似てるわよね 私たち。 (紅子) だな。 101 00:07:40,994 --> 00:07:43,997 (凛子) 清瀬 凛子よ。 102 00:07:48,936 --> 00:07:55,876 (紅子) アタイは 山田 紅子。 でも 口うるせえな あんたの兄貴。 103 00:07:55,943 --> 00:08:00,881 兄と呼んでるけど 血のつながりは ないの。 104 00:08:00,948 --> 00:08:05,886 真彦兄さまは 清瀬家とは違う 子爵家の次男でね。 105 00:08:05,953 --> 00:08:10,891 私を守らせるために おばあさまが もらってきたのよ。 106 00:08:10,958 --> 00:08:16,897 (紅子) 華族さまの世界ってのも 何か ややこしいな。 107 00:08:16,964 --> 00:08:18,899 ああ見えて 優しいのよ 兄さま。 108 00:08:18,966 --> 00:08:22,903 私のことも とっても大事にしてくれるし。 109 00:08:22,970 --> 00:08:26,907 ちょっと 心配性なだけ。 110 00:08:26,974 --> 00:08:31,912 兄さま あなたのことも 心配なのよ。 111 00:08:31,979 --> 00:08:34,915 私には 分かるの。 112 00:08:34,982 --> 00:08:38,986 (紅子) あんた あいつのことが 好きなんだ。 113 00:08:42,990 --> 00:08:48,862 でも 兄さまは 妹としてしか 扱ってはくださらないの。 114 00:08:48,929 --> 00:08:50,864 それが ちょっと さみしくって。 115 00:08:50,931 --> 00:08:52,866 (紅子) それだけ あんたのこと→ 116 00:08:52,933 --> 00:08:54,868 大事に思ってるって ことなんじゃねえの。 117 00:08:54,935 --> 00:08:58,872 だといいけど。→ 118 00:08:58,939 --> 00:09:02,876 このネックレス 兄さまに 頂いたの。→ 119 00:09:02,943 --> 00:09:06,880 私が 兄さまに贈った腕時計の お返しに 下さったの。 120 00:09:06,947 --> 00:09:11,885 早く元気になって 蝶みたいに 飛んでいけるようにって。 121 00:09:11,952 --> 00:09:13,887 (紅子) へえー。 122 00:09:13,954 --> 00:09:19,960 でも 私は まだまだ 飛べない蝶。 123 00:09:26,967 --> 00:09:30,904 ウフフ。 フフフ。 (紅子) フフッ。 124 00:09:30,971 --> 00:09:35,909 あんた 笑ってる方がいいよ。 笑ってりゃあ いいこともあるさ。 125 00:09:35,976 --> 00:09:44,918 うん。 ねえ あなたは 誰かを好きになったこと ある? 126 00:09:44,985 --> 00:09:49,923 (紅子) 誰かを好きになるなんて 余裕のある人間の 道楽だよ。 127 00:09:49,990 --> 00:09:52,993 貧乏人には そんな余裕なんて ねえ。 128 00:09:54,995 --> 00:10:00,934 アタイは そうだな 蛾でも いいな。 129 00:10:01,001 --> 00:10:04,938 >> えっ? (紅子) 光を探して 飛ぶ蛾だよ。 130 00:10:05,005 --> 00:10:07,941 汚かろうが 醜かろうが→ 131 00:10:08,008 --> 00:10:11,945 羽が生えて 飛び立てんだったら 蛾だって いい。 132 00:10:12,012 --> 00:10:16,950 嫌われて はたかれて 殺されそうになっても 生きぬく。 133 00:10:17,017 --> 00:10:19,953 生きてくためだったら 何だって やる。 134 00:10:20,020 --> 00:10:25,959 強いのね 紅子さんは。 うらやましいわ。 135 00:10:26,026 --> 00:10:30,964 私も 早く元気になって 蝶のように 飛び立ちたい。 136 00:10:31,031 --> 00:10:33,967 (紅子) そうだよ。 その意気だよ。 137 00:10:34,034 --> 00:10:37,971 何だか 紅子さんとは ずっと お友達のような気がするわ。 138 00:10:38,038 --> 00:10:42,976 (紅子) あんたも 何か いいよ。 金持ちにしちゃ まあ 合格点だな。 139 00:10:43,043 --> 00:10:44,978 フッ。 140 00:10:45,045 --> 00:10:47,914 (紅子) あっ そうだ。 ひとつ 頼みが あんだけどさ。 141 00:10:47,981 --> 00:10:49,916 なあに? 142 00:10:49,983 --> 00:10:52,919 (紅子) このお菓子 持って帰っても いいかな? 143 00:10:52,986 --> 00:10:55,922 妹に 食べさしてやりたいんだ。 144 00:10:55,989 --> 00:10:59,926 (凛子) いいわよ。 どうぞ お持ちになって。 145 00:10:59,993 --> 00:11:02,996 (紅子) ありがとう。 悪ぃな。 146 00:11:05,999 --> 00:11:09,936 (凛子) それにしても 私たち 声まで 似てるわね。 147 00:11:10,003 --> 00:11:12,005 (紅子) フフ。 だよな。 148 00:11:14,007 --> 00:11:18,011 ねえ。 ちょっと お遊びしてみない? 149 00:11:23,016 --> 00:11:27,020 (真彦) ずいぶん 長話だったね 凛子。 150 00:11:33,026 --> 00:11:38,031 (真彦) お前は もう すりなんかしないで ちゃんとした働き口を 見つけろ。 151 00:11:41,034 --> 00:11:46,907 (凛子) 真彦兄さま やっぱり 気付かなかったわね。 152 00:11:46,973 --> 00:11:49,910 (真彦) えっ!? 凛子? 153 00:11:49,976 --> 00:11:55,916 あっ じゃあ お前は…? (紅子) ハァー 紅子だよ。 チッ。 154 00:11:55,982 --> 00:11:58,919 好いた女も 見分けらんねえなんて おい 凛子。 155 00:11:58,985 --> 00:12:00,921 こんなやつ やめた方が いいんじゃねえのか? 156 00:12:00,987 --> 00:12:02,923 紅子さんたら。 157 00:12:02,989 --> 00:12:07,928 (真彦) と… とにかく お前は ちゃんとした仕事を探せ。 158 00:12:07,994 --> 00:12:09,930 人としての誇りを 大切にしろ。 いいな。 159 00:12:09,996 --> 00:12:14,935 (紅子) ホント 説教くせえな こいつ。 >> フフフ。 160 00:12:15,001 --> 00:12:18,004 (せき) 161 00:12:20,006 --> 00:12:22,943 (真彦) ちょっと 休んだ方がいい。 お遊びは おしまいだ。 162 00:12:23,009 --> 00:12:28,014 服も 着替えなきゃな。 ほら 手も こんなに冷えてる。 163 00:12:36,056 --> 00:12:37,991 (ミツ) もうすぐ 凛子も 成人だ。 早く結婚させて→ 164 00:12:38,058 --> 00:12:39,993 跡取りを 産んでもらわないと。 165 00:12:40,060 --> 00:12:45,932 (杏子) 体が弱いから 心配ですわ。 もう少し 元気になってからでも。 166 00:12:45,999 --> 00:12:47,934 (孝太郎) わたしも 体が心配です。 167 00:12:48,001 --> 00:12:52,939 それに 凛子には 本当に 好きになった相手と結婚して→ 168 00:12:53,006 --> 00:12:54,941 愛のある家庭を 持ってほしいんですよね。 169 00:12:55,008 --> 00:12:57,944 愛のある家庭だ? ハッ。 170 00:12:58,011 --> 00:13:01,948 使用人を はらませた男が よく言えたもんだ。 171 00:13:02,015 --> 00:13:04,951 (孝太郎) アッハ アハハハハハ。 お母さま→ 172 00:13:05,018 --> 00:13:06,953 もう 昔のことじゃありませんか。 173 00:13:07,020 --> 00:13:10,957 本はといえば あんたが勝手に 太一の籍を入れたから→ 174 00:13:11,024 --> 00:13:13,960 やらなくてもいい家督争いが 起こってんだろ。 175 00:13:14,027 --> 00:13:15,962 すいません。 176 00:13:16,029 --> 00:13:18,965 (ミツ) だいたい 書生上がりの 婿養子の ぶんざいで→ 177 00:13:19,032 --> 00:13:20,967 使用人に 手を付けおって。→ 178 00:13:21,034 --> 00:13:24,971 杏子。 あんたが しっかり 手綱を握ってなかったから→ 179 00:13:25,038 --> 00:13:26,973 こんなことに なったんじゃないか。 180 00:13:27,040 --> 00:13:28,975 (杏子) お言葉ですが お母さま。 181 00:13:29,042 --> 00:13:31,978 そんな夫を見つけて 私に あてがったのは→ 182 00:13:32,045 --> 00:13:34,981 お母さまじゃないですか。 183 00:13:35,048 --> 00:13:37,984 すいません。 (杏子) ハァ。 184 00:13:38,051 --> 00:13:41,988 まあ とにかく この家の跡取りは 凛子だ。 185 00:13:42,055 --> 00:13:44,991 凛子の結婚相手に 爵位を譲る。 186 00:13:45,058 --> 00:13:47,928 それで 異存は ないね? (孝太郎) はい。 187 00:13:47,994 --> 00:13:49,930 悠長なことは 言ってられないよ。 188 00:13:49,996 --> 00:13:53,934 凛子は跡取りだが 女だから 爵位は継げない。 189 00:13:54,000 --> 00:13:57,938 早く 結婚させて 跡取りを産んでもらわないと。 190 00:13:58,004 --> 00:14:01,942 孝太郎。 あんたの息子の あの バカ太一に→ 191 00:14:02,008 --> 00:14:03,944 爵位を譲ることに なっちまうからね。 192 00:14:04,010 --> 00:14:08,949 あんな 使用人上がりの女が産んだ バカ息子に→ 193 00:14:09,015 --> 00:14:10,951 爵位を くれてやるぐらいだったら→ 194 00:14:11,017 --> 00:14:15,021 わたしゃ 死んだ方が ましだね。 ハッ。 195 00:14:20,026 --> 00:14:23,964 (太一) あの くそばばあ ほざいてろ。→ 196 00:14:24,030 --> 00:14:28,034 どうせ 凛子の命は そう長くはないさ。 197 00:14:31,037 --> 00:14:37,043 凛子さえ いなくなれば 俺が 爵位を継ぐしかないんだよ。 198 00:14:46,987 --> 00:14:50,924 (凛子) 兄さま。 ごめんなさいね。→ 199 00:14:50,991 --> 00:14:53,927 おばあさまが いつも きつく当たって。 200 00:14:53,994 --> 00:14:56,930 (真彦) 気にしてないよ。 201 00:14:56,997 --> 00:15:00,934 おばあさまも 爵位を守ることに 必死なのよ。 202 00:15:01,001 --> 00:15:04,938 だって 子爵という 爵位が あるからこそ→ 203 00:15:05,005 --> 00:15:06,940 お国から お金が もらえて→ 204 00:15:07,007 --> 00:15:09,943 うちも 安泰な生活を していられるんですもの。 205 00:15:10,010 --> 00:15:13,947 (真彦) そうだね。 206 00:15:14,014 --> 00:15:16,950 私は 清瀬家を守るために 生きてきたし→ 207 00:15:17,017 --> 00:15:19,953 これからも 守っていかなくてはいけない。 208 00:15:20,020 --> 00:15:23,957 爵位を守ること 家を守ることが→ 209 00:15:24,024 --> 00:15:29,963 唯一 清瀬家の正当な血を継ぐ 私の務めであり 誇りなの。 210 00:15:30,030 --> 00:15:34,968 (真彦) よく分かる。 凛子が大事なものは 俺も大事だ。 211 00:15:35,035 --> 00:15:37,971 だから 俺も守るよ。 清瀬家を。 212 00:15:38,038 --> 00:15:40,974 ありがとう 兄さま。 213 00:15:41,041 --> 00:15:43,977 (真彦) だいぶ 顔色も 良くなったみたいだし→ 214 00:15:44,044 --> 00:15:46,913 あしたにでも 帰ろう 清瀬の家に。 215 00:15:46,980 --> 00:15:48,915 そうね。 216 00:15:48,982 --> 00:15:50,917 あっ。 (紅子) あっ。 217 00:15:50,984 --> 00:15:52,986 ネックレス。 218 00:15:58,992 --> 00:16:01,928 (紅子) もらっとくか。 フッ 金になりそう。 219 00:16:01,995 --> 00:16:03,930 \(割れる音) \(泰造) うるせえんだよ! 220 00:16:03,997 --> 00:16:05,932 \(和子) もう いいかげんに しておくれよ! 221 00:16:05,999 --> 00:16:08,935 \(泰造) 何!? \(割れる音) 222 00:16:09,002 --> 00:16:13,006 (凛子)《似てるわよねえ 私たち》 223 00:16:15,008 --> 00:16:20,947 (紅子) おんなじ顔だってのに ずいぶん 違う人生だよな。 224 00:16:21,014 --> 00:16:24,951 \(蛾の羽音) 225 00:16:25,018 --> 00:16:28,021 (紅子) アタイは 蛾だ。 226 00:16:31,024 --> 00:16:39,032 (紅子) 蛾になって 光を探して 絶対 いつか はい上がってやる。 227 00:16:44,037 --> 00:16:48,908 凛子。 もう少し 食べたら? 食欲ないの? 228 00:16:48,975 --> 00:16:50,910 もっと 軽いものを 作らせましょうか。 229 00:16:50,977 --> 00:16:54,914 ううん。 大丈夫よ お母さま。 230 00:16:54,981 --> 00:16:57,984 (せき) (杏子) ああ。 231 00:17:02,989 --> 00:17:05,925 (太一) 凛子姉さん。 ちゃあんと食べなきゃ 駄目だよ。 232 00:17:05,992 --> 00:17:07,927 風邪も 治んないよ。 233 00:17:07,994 --> 00:17:09,929 そうね。 234 00:17:09,996 --> 00:17:11,931 (食器を鳴らす音) 235 00:17:11,998 --> 00:17:14,934 みんな よく お聞き。 236 00:17:15,001 --> 00:17:18,938 来週 親類縁者を招いて パーティーを行う。 237 00:17:19,005 --> 00:17:22,942 その席で 凛子の結婚相手を 発表する。 238 00:17:23,009 --> 00:17:25,945 えっ? 来週ですか? もう決めるんですか? 239 00:17:26,012 --> 00:17:28,948 お母さま。 相手は 誰に? 240 00:17:29,015 --> 00:17:35,021 それは そのとき 発表する。 みんなも そのつもりで。 241 00:17:35,021 --> 00:17:42,028 ♪~ 242 00:17:45,999 --> 00:17:49,936 (千鶴) 何ですって? じゃ 太一は。 太一は どうなるんですか? 243 00:17:50,003 --> 00:17:51,938 (孝太郎) 今は 俺が 爵位を受けてるし→ 244 00:17:52,005 --> 00:17:56,943 俺も 頑張って 養子として 太一を 籍に入れたんだ。→ 245 00:17:57,010 --> 00:18:00,947 できるものなら 太一に 爵位を継いでもらいたいよ。 246 00:18:01,014 --> 00:18:03,950 でも あの ばあさんがなあ。 247 00:18:04,017 --> 00:18:08,955 (千鶴) 遠い親戚とはいえ あなたは 書生上がりの 婿養子だものね。 248 00:18:09,022 --> 00:18:10,957 肩身も 狭いわよね。 249 00:18:11,024 --> 00:18:13,960 千鶴。 そう 責めないでくれよ。 250 00:18:14,027 --> 00:18:16,896 俺はな ここにいるときが 一番 落ち着くんだからさあ。 251 00:18:16,963 --> 00:18:18,898 でも 凛子さんが結婚したら→ 252 00:18:18,965 --> 00:18:20,900 爵位も その結婚相手に いっちゃうのよ。 253 00:18:20,967 --> 00:18:23,903 それで 子供でも できたら。 254 00:18:23,970 --> 00:18:26,906 もう あの家に 太一の 居場所なんて ないわ。 255 00:18:26,973 --> 00:18:29,909 (孝太郎) 俺は 凛子にも 太一にも→ 256 00:18:29,976 --> 00:18:33,913 幸せになって もらいたいんだけどなあ。 257 00:18:33,980 --> 00:18:35,915 (ミツ) わたしは お前のことを→ 258 00:18:35,982 --> 00:18:40,920 凛子の結婚相手にと 思ってるんだがね。→ 259 00:18:40,987 --> 00:18:45,925 お前は どうだい。 その気は あるのか? 260 00:18:45,992 --> 00:18:47,927 (真彦) わたしなんかが とんでもない。 261 00:18:47,994 --> 00:18:49,929 そんなこと 考えたことも ございません。 262 00:18:49,996 --> 00:18:52,932 わたしは 凛子お嬢さまを 守るために→ 263 00:18:52,999 --> 00:18:56,002 もらわれてきたんですから。 264 00:19:02,008 --> 00:19:07,013 そんなの 嘘だわ。 265 00:19:10,016 --> 00:19:13,019 \(足音) 266 00:19:17,957 --> 00:19:19,893 (真彦) まだ 起きてるの? 267 00:19:19,959 --> 00:19:23,963 体も 本調子じゃないんだから 早く 横になった方がいい。 268 00:19:29,969 --> 00:19:32,906 (真彦) ほら。 熱だって 少し出てきてる。 269 00:19:32,972 --> 00:19:38,978 真彦兄さま。 武蔵野に 参りましょう。 270 00:19:52,992 --> 00:19:56,930 (藤堂) 真彦さん。 お忘れ物ですよ。 271 00:19:56,996 --> 00:19:58,932 (真彦) ありがとう。 272 00:19:58,998 --> 00:20:01,935 (藤堂) そうそう。 凛子お嬢さまの やけど。 273 00:20:02,001 --> 00:20:05,939 真彦さんの不注意で つけてしまわれたそうですね。 274 00:20:06,005 --> 00:20:10,009 今度は きちんと お守りくださいよ。 275 00:20:14,013 --> 00:20:15,882 (泰造) こりゃ いいや。 金になるぞ。 276 00:20:15,949 --> 00:20:18,952 (紅子) それは 駄目なんだよ。 277 00:20:21,955 --> 00:20:23,890 (真彦)《お前は ちゃんとした仕事を探せ》 278 00:20:23,957 --> 00:20:27,894 《お前のためだ。 人としての誇りを 大切にしろ》 279 00:20:27,961 --> 00:20:32,966 (凛子)《兄さま あなたのことも 心配なのよ》 280 00:20:39,973 --> 00:20:43,977 (雷鳴) 281 00:20:49,983 --> 00:20:52,986 (真彦) すぐ 布団 敷くから。 282 00:20:54,988 --> 00:20:56,990 よし。 283 00:21:21,948 --> 00:21:27,954 ♪~ 284 00:21:27,954 --> 00:21:30,957 (雷鳴) 285 00:21:30,957 --> 00:21:39,966 ♪~ 286 00:21:39,966 --> 00:21:42,969 (雷鳴) 287 00:21:46,973 --> 00:21:48,975 抱いて。 288 00:21:51,978 --> 00:21:53,980 (雷鳴) 289 00:21:55,982 --> 00:21:57,984 (雷鳴)