1 00:00:06,273 --> 00:00:08,209 {\an8}(久我山)清瀬の家の権利証だが わたしはどうしても→ 2 00:00:08,275 --> 00:00:10,211 {\an8}その権利証を手に入れたい。 逆らったら→ 3 00:00:10,277 --> 00:00:13,214 {\an8}どういうことになるのか 覚悟はできてるんだろうな。 4 00:00:13,280 --> 00:00:15,216 {\an8}(特高)営業停止を命じる。 (藤堂)久我山だな。 5 00:00:15,282 --> 00:00:17,218 {\an8}(紅子)権利証は 久我山の手に渡った。 6 00:00:17,284 --> 00:00:22,223 {\an8}(紅子)この清瀬の崩壊劇を 傍観させてもらうとするか。 7 00:00:22,289 --> 00:00:24,225 {\an8}(孝太郎)何をしに来られた。→ 8 00:00:24,291 --> 00:00:27,228 {\an8}もう話すことは何もないと 言ったはずだが。 9 00:00:27,294 --> 00:00:32,299 {\an8}(久我山)アッハハハハ…! 10 00:00:36,303 --> 00:00:38,239 {\an8}(ミツ)今清瀬は→ 11 00:00:38,305 --> 00:00:40,241 {\an8}あんたの相手をしてる暇は ないんだよ。 12 00:00:40,307 --> 00:00:42,243 {\an8}とっとと帰ってくれんかね 久我山さん。 13 00:00:42,309 --> 00:00:46,247 {\an8}そちらが困ってらっしゃるのは→ 14 00:00:46,313 --> 00:00:48,249 {\an8}これのことですかね。 15 00:00:48,315 --> 00:00:52,253 {\an8}(ミツ)ハッ。あんたのところへ 行っとったのか。 16 00:00:52,319 --> 00:00:54,255 {\an8}(久我山)この家はもう わたしのものです。 17 00:00:54,321 --> 00:00:57,324 {\an8}皆さん今すぐに 出ていってもらえますか。 18 00:00:59,326 --> 00:01:02,196 {\an8}(ミツ)今すぐにじゃと? 19 00:01:02,263 --> 00:01:06,200 それはわたしらの家の権利証だ。 何であんたが持ってる。 20 00:01:06,267 --> 00:01:08,202 (久我山)あなた方の? それは違う。 21 00:01:08,269 --> 00:01:10,204 これはすでにわたしのものだ。 22 00:01:10,271 --> 00:01:12,206 それは盗まれたものじゃ。→ 23 00:01:12,273 --> 00:01:15,209 ここにいる紅子が 勝手に持ち出したんじゃ。→ 24 00:01:15,276 --> 00:01:17,211 それを何であんたが…。 25 00:01:17,278 --> 00:01:20,214 紅子を使って盗みだしたな! 26 00:01:20,281 --> 00:01:22,216 (久我山)盗んだなんて 人聞きが悪い。 27 00:01:22,283 --> 00:01:25,219 わたしはこの権利証を 正当な形で手に入れたんですよ。 28 00:01:25,286 --> 00:01:27,221 きちんとお金も支払ってね。→ 29 00:01:27,288 --> 00:01:31,225 それにそこにいる紅子を使ってと おっしゃったが→ 30 00:01:31,292 --> 00:01:33,227 わたしはどうやら 嫌われてるようでしてね。 31 00:01:33,294 --> 00:01:39,233 (紅子)あんたが藤堂から買い取るのに あそこまで汚い手を使うとはな。 32 00:01:39,300 --> 00:01:41,235 藤堂じゃと? 33 00:01:41,302 --> 00:01:44,238 (紅子)権力を使って千鶴さんの店に 特高を踏み込ませたり。 34 00:01:44,305 --> 00:01:47,241 藤堂が経営する孤児院を つぶそうとしたり。 35 00:01:47,308 --> 00:01:49,310 (麗華)お母さまの店に特高を? 36 00:01:51,312 --> 00:01:54,315 (紅子)そこまでして欲しいのかよ。 37 00:01:57,318 --> 00:02:00,254 わたしは我慢するのが嫌いでね。 38 00:02:00,321 --> 00:02:02,189 アハハハハ! 39 00:02:02,256 --> 00:02:06,193 (紅子)ばあさん。 俺を盗みの罪で訴えるか? 40 00:02:06,260 --> 00:02:08,195 訴えるなら勝手にしろ。 41 00:02:08,262 --> 00:02:10,197 だがこいつが言ったように→ 42 00:02:10,264 --> 00:02:12,199 この家はもう あんたらのもんじゃない。 43 00:02:12,266 --> 00:02:16,270 俺を突き出したところで この家は戻ってこないぞ。 44 00:02:18,272 --> 00:02:22,209 なあ久我山さん。 お…お願いだ。 45 00:02:22,276 --> 00:02:26,213 わたしらをこの家から 追い出さんでくれんか。 46 00:02:26,280 --> 00:02:29,216 こんな家あんたにとっては 何の価値もないだろう。 47 00:02:29,283 --> 00:02:34,221 頼むよ。だからそれを 返してくれんかのう。 48 00:02:34,288 --> 00:02:37,224 (孝太郎)いや 返してもらわなくても結構。 49 00:02:37,291 --> 00:02:42,229 こんな家あんたにくれてやる。 50 00:02:42,296 --> 00:02:45,232 紅子のことだって 訴えたりしない。 51 00:02:45,299 --> 00:02:48,235 紅子はわたしの娘だ。→ 52 00:02:48,302 --> 00:02:52,239 娘がしたことの責任は 親のわたしが取る。 53 00:02:52,306 --> 00:02:55,242 紅子がたとえこの家を つぶそうとしていたとしても→ 54 00:02:55,309 --> 00:02:58,245 その責任は親のわたしが取る。 55 00:02:58,312 --> 00:03:00,247 (杏子)あなた…。 (ミツ)孝太郎。 56 00:03:00,314 --> 00:03:03,183 (久我山)そうですか。 なら話は早い。 57 00:03:03,250 --> 00:03:06,186 さっさと出ていってくれ。 (ミツ)何を言いだすんだ孝太郎。 58 00:03:06,253 --> 00:03:08,255 出ていけ! 59 00:03:14,595 --> 00:03:16,530 (久我山)紅子。 わたしを褒めてくれないか。→ 60 00:03:16,597 --> 00:03:18,532 お前が望んでいた復讐を 代わりにわたしがしてあげた。 61 00:03:18,599 --> 00:03:23,537 清瀬をつぶしたかったんだろ? さあ父さんを褒めてくれ。 62 00:03:23,604 --> 00:03:26,540 (紅子)お前が清瀬の母まで 追い出すとは思わなかったよ。 63 00:03:26,607 --> 00:03:28,542 どうせ権利証の代わりに→ 64 00:03:28,609 --> 00:03:31,545 あの人を要求してくるものだと 思っていたがな。 65 00:03:31,612 --> 00:03:33,547 わたしは杏子にもお前にも→ 66 00:03:33,614 --> 00:03:36,550 自分から望んでわたしのところへ 戻ってきてほしいんだ。 67 00:03:36,617 --> 00:03:38,552 力ずくなんてことは するつもりはないよ。 68 00:03:38,619 --> 00:03:40,554 (紅子)笑わせるな! 69 00:03:40,621 --> 00:03:42,556 少なくとも俺は お前とは関係ない。 70 00:03:42,623 --> 00:03:48,495 こんな家にも執着はない。 なくなってかえって清々したよ。 71 00:03:48,562 --> 00:03:51,498 だが清瀬の連中を→ 72 00:03:51,565 --> 00:03:55,502 追い出してくれたことだけは 感謝する。 73 00:03:55,569 --> 00:03:57,571 ありがとな。 74 00:04:07,581 --> 00:04:09,516 (孝太郎)家なんてなくったって 大丈夫だ。 75 00:04:09,583 --> 00:04:12,519 わたしが何とかしてみせる。 わたしが。 76 00:04:12,586 --> 00:04:15,522 \(杏子)あなた。 ごめんなさい。 77 00:04:15,589 --> 00:04:19,526 久我山がこの家を 狙ってきたのは私のせい。 78 00:04:19,593 --> 00:04:23,530 私が過去に犯した 過ちのせいです。 79 00:04:23,597 --> 00:04:27,534 本当にごめんなさい。 80 00:04:27,601 --> 00:04:29,536 あっ。 81 00:04:29,603 --> 00:04:35,542 認めるな。 自分がやったことを認めるな。→ 82 00:04:35,609 --> 00:04:37,544 認めるなら最初からするな! (杏子)ああ! 83 00:04:37,611 --> 00:04:40,547 (孝太郎)誰が何と言おうと お前はわたしの妻だ。 84 00:04:40,614 --> 00:04:43,550 紅子も凛子も わたしの娘だ! 85 00:04:43,617 --> 00:04:46,553 (孝太郎の叫び声) 86 00:04:46,620 --> 00:04:49,490 (杏子)ごめんなさい。 ごめんなさい。ごめんなさい。→ 87 00:04:49,556 --> 00:04:52,493 ごめんなさい…。 88 00:04:52,559 --> 00:04:56,497 すまない。 すまない杏子。 89 00:04:56,563 --> 00:04:58,499 (杏子)ごめんなさい…。 90 00:04:58,565 --> 00:05:00,501 \(ドアの開く音) 91 00:05:00,567 --> 00:05:02,503 \(ミツ)おーい孝太郎。 ハァハァ。 92 00:05:02,569 --> 00:05:05,572 手伝え。ハァハァ。 93 00:05:09,576 --> 00:05:16,517 (紅子)終わったよ藍子。 あっけないものだな。 94 00:05:16,583 --> 00:05:20,521 これで俺が望んでいた復讐は 終わった。 95 00:05:20,587 --> 00:05:25,592 あいつらの大事なものを 奪い取ってやったよ。 96 00:05:40,607 --> 00:05:42,609 \(ドアの開く音) 97 00:05:46,613 --> 00:05:50,484 (真彦)なあ紅子。 これで満足なのか? 98 00:05:50,551 --> 00:05:52,486 清瀬から家を奪い 家族をばらばらにして→ 99 00:05:52,553 --> 00:05:54,488 自分を傷つけて→ 100 00:05:54,555 --> 00:05:56,557 それで藍子ちゃんが喜ぶと 思ってるのか。 101 00:06:00,561 --> 00:06:04,498 (紅子)藍子が喜ぶかどうかは関係ない。 これは俺なりのけじめだ。 102 00:06:04,565 --> 00:06:07,501 (真彦)だとしたらもう 傷つける必要はない。 103 00:06:07,568 --> 00:06:09,503 お前の復讐はもう終わった。 104 00:06:09,570 --> 00:06:15,509 お前の心が負った傷が何よりも お前の戒めになっているはずだ。 105 00:06:15,576 --> 00:06:17,511 お前にとって 自分自身への復讐は→ 106 00:06:17,578 --> 00:06:21,515 お前が愛した人たちを 追い落とすことだったはずだ。 107 00:06:21,582 --> 00:06:27,521 そうすることで自分の心を傷つけ 罪を償おうとしてきた。 108 00:06:27,588 --> 00:06:31,525 お前にとって清瀬は 羽ばたくための羽だったよな。 109 00:06:31,592 --> 00:06:33,527 空高く舞い上がるための。 110 00:06:33,594 --> 00:06:36,530 でもお前は自ら そんな羽をもぎ取り→ 111 00:06:36,597 --> 00:06:38,532 地べたをはいずる道を選んだ。 112 00:06:38,599 --> 00:06:43,537 でもお前は生きてる。 まだ生きてるんだ。 113 00:06:43,604 --> 00:06:47,541 あきらめるな。お前は お前の人生をあきらめるな。 114 00:06:52,546 --> 00:06:57,551 (紅子)人生をあきらめない…。 115 00:06:59,553 --> 00:07:02,489 (真彦)蛾でも蝶でも何でもいい。 生き続けろ。 116 00:07:02,556 --> 00:07:07,494 そうでなければ 俺がお前を許さないからな。 117 00:07:07,561 --> 00:07:13,500 なあ紅子。 お前は幸せになっていいんだぞ。 118 00:07:13,567 --> 00:07:18,572 いや 幸せにならなきゃいけないんだ。 119 00:07:18,572 --> 00:07:43,597 ♪~ 120 00:07:43,597 --> 00:07:47,467 (ミツ)ご先祖さまから預かった この清瀬を→ 121 00:07:47,534 --> 00:07:52,473 わたしの代で手放すとはのう。 ううっ…。 122 00:07:52,539 --> 00:07:54,541 (杏子)紅子。 123 00:08:01,548 --> 00:08:06,486 紅子。わたしたちと一緒に 暮らさないか。 124 00:08:06,553 --> 00:08:08,488 (杏子)あなた…。 125 00:08:08,555 --> 00:08:14,494 どこでもいい。 家族みんなで暮らしていこう。 126 00:08:14,561 --> 00:08:18,498 紅子。お父さまも こう言ってくださってるの。 127 00:08:18,565 --> 00:08:22,502 一緒に暮らしましょう。 家族みんなで。 128 00:08:22,569 --> 00:08:26,507 わたしはこの子を 許すつもりはないぞ。 129 00:08:26,573 --> 00:08:29,509 一緒に暮らしたけりゃ あんたたちだけで暮らしな。 130 00:08:29,576 --> 00:08:31,578 わたしは一人で暮らす。 131 00:08:33,580 --> 00:08:36,516 (紅子)どうせ行くあてなんか ないんだろばあさん。 132 00:08:36,583 --> 00:08:38,518 (ミツ)うるさい! 133 00:08:38,585 --> 00:08:42,589 (紅子)あんたらさえよければ うちに来てもいいぜ。 134 00:08:51,532 --> 00:08:53,467 \(久我山)お前は どうするんだ? 135 00:08:53,533 --> 00:08:57,471 妹と愛し合うために 一緒に暮らすか。 136 00:08:57,537 --> 00:08:59,473 (真彦)あんたと同じ血が 流れてると思うと→ 137 00:08:59,539 --> 00:09:03,543 この体の血を 全て抜き去りたい。 138 00:09:05,545 --> 00:09:07,481 同じ血ね。 139 00:09:07,547 --> 00:09:09,483 フッ。 140 00:09:09,549 --> 00:09:12,486 お前らはきょうだいじゃない。 141 00:09:12,552 --> 00:09:15,556 愛し合えるのになあ。 142 00:09:20,227 --> 00:09:22,162 (紅子)ここだ。 143 00:09:22,229 --> 00:09:26,166 何だこのうさぎ小屋は。 これが家か? 144 00:09:26,233 --> 00:09:29,236 (紅子)うさぎ小屋で悪かったな。 145 00:09:32,239 --> 00:09:38,178 (ミツ)何じゃこの狭さは。 こんな所に人が住めるのか? 146 00:09:38,245 --> 00:09:43,250 (孝太郎)紅子。お前たちは こんな所に住んでたんだなあ。 147 00:09:45,252 --> 00:09:49,122 (杏子)ここで 藍子ちゃんは亡くなったの? 148 00:09:49,189 --> 00:09:54,127 (紅子)いやここではないみたいだ。 149 00:09:54,194 --> 00:09:56,129 あんたたちが 手を差し伸べなかったから→ 150 00:09:56,196 --> 00:09:59,132 ここを出ていかなけりゃ いけなくなった。 151 00:09:59,199 --> 00:10:05,205 (杏子)私たちはそのことを 何も知らずに生きてきたのね。 152 00:10:10,210 --> 00:10:14,214 (紅子)ちょっと出掛けてくる。 あんたたちは勝手にやってろ。 153 00:10:16,216 --> 00:10:18,151 (孝太郎)こんな所からも 出されて→ 154 00:10:18,218 --> 00:10:21,154 死なせてしまうとはなあ。 155 00:10:21,221 --> 00:10:25,158 どんなにつらい 最期だったでしょうね。 156 00:10:25,225 --> 00:10:31,164 こんな所は さっさと出ていくさ。 157 00:10:31,231 --> 00:10:37,170 なあに家はなくても爵位がある。 金だって用意できるんだ。 158 00:10:37,237 --> 00:10:43,243 孝太郎。どこか早く 別の家を見つけてくれ。 159 00:10:47,180 --> 00:10:49,116 お金が無いってどういうこと? 160 00:10:49,182 --> 00:10:52,119 (千鶴)太一あんた 何に使ったんだい。 161 00:10:52,185 --> 00:10:57,124 (太一)出世だ。 出世のために使ったんだ。 162 00:10:57,190 --> 00:10:59,126 金は久我山大佐に渡した。 163 00:10:59,192 --> 00:11:01,128 あの人に? 164 00:11:01,194 --> 00:11:05,132 そのおかげで俺は 中尉にまでなれたんだ。 165 00:11:05,198 --> 00:11:08,135 どうして? どうして何の相談もしないで→ 166 00:11:08,201 --> 00:11:10,137 そんなことするの? (太一)俺は…→ 167 00:11:10,203 --> 00:11:12,139 俺はお前たちのためを思って やったんだ。 168 00:11:12,205 --> 00:11:14,141 わたしたちのため? 169 00:11:14,207 --> 00:11:19,146 お金が無くてこれから どうやって暮らしてくの? 170 00:11:19,212 --> 00:11:21,148 (千鶴)太一! 何てことするんだい! 171 00:11:21,214 --> 00:11:24,151 眞一をどうやって 育てていくんですか! 172 00:11:24,217 --> 00:11:27,220 そんな目で俺を見るな。 173 00:11:29,222 --> 00:11:33,226 何とかしてみせる。 きっと俺が何とかしてみせる。 174 00:11:37,230 --> 00:11:40,167 杏子! 175 00:11:40,233 --> 00:11:44,237 もう少し…。 もう少しで一緒になれるよ杏子。 176 00:11:47,174 --> 00:11:53,113 さあ踊れ。 杏子も紅子も真彦も。 177 00:11:53,180 --> 00:11:57,117 みんな踊れ。もっと踊れ。 もっと踊れ。もっと踊れ。 178 00:11:57,184 --> 00:12:00,120 みんな踊れ。もっと踊れ。 もっと踊れ!もっと踊れ! 179 00:12:00,187 --> 00:12:04,124 ハハハハ!アーハハハ! アーハハハハ! 180 00:12:04,191 --> 00:12:06,193 ああっ…。 181 00:12:16,203 --> 00:12:18,205 (杏子)ハァー。 182 00:12:20,207 --> 00:12:22,142 (孝太郎)どうしたんだい杏子。 183 00:12:22,209 --> 00:12:26,146 (杏子)私何か作るわ。 みんなおなかすいたでしょ。 184 00:12:26,213 --> 00:12:29,149 紅子もきっと おなかすかせて帰ってくるわ。→ 185 00:12:29,216 --> 00:12:32,152 お母さま。手伝って。 (ミツ)何でわたしが。 186 00:12:32,219 --> 00:12:34,154 (杏子)はい手通して。 (ミツ)ええっ? 187 00:12:34,221 --> 00:12:37,157 (杏子)あら。 お母さまお似合いよ。 188 00:12:37,224 --> 00:12:40,160 (孝太郎)アハハハ。 なかなか様になってますよ。→ 189 00:12:40,227 --> 00:12:43,163 アハハハハ。 190 00:12:43,230 --> 00:12:45,165 (杏子)あら麗華さん。 191 00:12:45,232 --> 00:12:47,100 お邪魔します。 (孝太郎)やあ。 192 00:12:47,167 --> 00:12:50,103 (ミツ)何じゃ。お前たちは 千鶴のところで暮らすんだろう。 193 00:12:50,170 --> 00:12:54,107 (麗華)ええ。そうなんですけど。 194 00:12:54,174 --> 00:12:56,109 申し訳ありません。 195 00:12:56,176 --> 00:12:58,111 清瀬家にはもう お金がありません。 196 00:12:58,178 --> 00:13:01,114 (ミツ)何だって? 金が無いってどういうことだ。 197 00:13:01,181 --> 00:13:04,117 太一が使い込んでしまいました。 申し訳ございません。 198 00:13:04,184 --> 00:13:06,119 太一が…? 199 00:13:06,186 --> 00:13:09,122 何やっとるんだあのバカ太一は。 200 00:13:09,189 --> 00:13:13,126 お国から頂けるお金も この戦争で微々たるもの。 201 00:13:13,193 --> 00:13:15,128 無きに等しいんでしょお母さま。 202 00:13:15,195 --> 00:13:21,134 何てこったい。清瀬に金が無い。 もう立ち行かんではないか。 203 00:13:21,201 --> 00:13:24,137 こんな所で 死ぬまで暮らすのか…。 204 00:13:24,204 --> 00:13:27,140 (麗華)ホントにすみません。 205 00:13:27,207 --> 00:13:29,142 そんなことは許せん。 206 00:13:29,209 --> 00:13:33,146 全てあいつのせいだ。 紅子のせいだ。 207 00:13:33,213 --> 00:13:37,150 やっぱり双子は 不吉だったんじゃ。 208 00:13:37,217 --> 00:13:43,223 絶対にあきらめんぞ。 何としてでも取り戻してくれる! 209 00:13:48,161 --> 00:13:50,096 (藤堂)全て終わったか。 210 00:13:50,163 --> 00:13:53,099 (紅子)ああ。終わった。 211 00:13:53,166 --> 00:13:58,104 (藤堂)これからどうするつもりだ? (紅子)分からない。 212 00:13:58,171 --> 00:14:03,109 ただ山田の家でばあさんと 清瀬の両親と暮らすことになった。 213 00:14:03,176 --> 00:14:08,181 (藤堂)追い出した原因をつくったお前が 清瀬の人間と暮らすのか。 214 00:14:10,183 --> 00:14:14,120 お前らしい選択だ。 (紅子)えっ? 215 00:14:14,187 --> 00:14:19,125 (藤堂)蛾がなぜ光に向かって 飛んでいくか知っているか? 216 00:14:19,192 --> 00:14:21,127 卵からかえった蛾の幼虫は→ 217 00:14:21,194 --> 00:14:24,130 太陽の光に向かって 突き進んでいく。 218 00:14:24,197 --> 00:14:29,135 その先に緑豊かな葉があることを 本能で知っているからだ。 219 00:14:29,202 --> 00:14:34,140 葉を食べるために生きるために 蛾は光に向かっていく。 220 00:14:34,207 --> 00:14:36,142 (紅子)本能? 221 00:14:36,209 --> 00:14:39,145 (藤堂)お前がこれまで 選んできた選択は→ 222 00:14:39,212 --> 00:14:44,150 全てお前が生きるために 必要なことだったんだ。 223 00:14:44,217 --> 00:14:47,087 お前の背中には まだ羽が付いている。 224 00:14:47,153 --> 00:14:51,091 ぼろぼろになり 見栄えは悪いかもしれないが→ 225 00:14:51,157 --> 00:14:55,095 お前の羽はお前を まだ飛ばせてくれるはずだ。 226 00:14:55,161 --> 00:14:58,098 お前とお前の家族をな。 227 00:14:58,164 --> 00:15:01,101 (紅子)俺の家族を? 228 00:15:01,167 --> 00:15:03,103 (藤堂)いくら裏切られても→ 229 00:15:03,169 --> 00:15:06,172 清瀬の人間は お前にとっての家族なんだろう。 230 00:15:13,179 --> 00:15:16,116 (藤堂)ところで久我山との仕事は どうする? 231 00:15:16,182 --> 00:15:18,118 (紅子)久我山との仕事は続ける。 232 00:15:18,184 --> 00:15:21,121 生きていくために 金は必要だからな。 233 00:15:21,187 --> 00:15:24,190 (藤堂)扶養家族もできてしまったしな。 234 00:15:28,194 --> 00:15:30,130 (紅子)太一。 235 00:15:30,196 --> 00:15:32,132 (藤堂)これは太一坊ちゃん。 久しぶりですね。 236 00:15:32,198 --> 00:15:34,134 この別邸を 買い取ったとき以来ですかね。 237 00:15:34,200 --> 00:15:38,138 わざわざおいでになるとは どんなご用ですか? 238 00:15:38,204 --> 00:15:42,142 金貸しのお前に金を 用立ててもらおうと思ったんだが。 239 00:15:42,208 --> 00:15:45,211 (藤堂)金ですか。 240 00:15:49,149 --> 00:15:52,085 紅子。俺にお前の仕事を 手伝わせてくれ。 241 00:15:52,152 --> 00:15:54,087 金が必要なんだ。 242 00:15:54,154 --> 00:15:57,157 麗華と眞一を守るために どうしても金が必要なんだ。 243 00:16:01,161 --> 00:16:03,096 (紅子)仕事が何だか分かってるのか。 244 00:16:03,163 --> 00:16:07,100 横流し品を 敵対国に売るんだぞ。 245 00:16:07,167 --> 00:16:09,169 それでもやるのか。 246 00:16:12,172 --> 00:16:14,107 やる。やらせてくれ。 247 00:16:14,174 --> 00:16:17,110 麗華と眞一を守るためにも 俺はやらなきゃいけない。 248 00:16:17,177 --> 00:16:22,115 俺は俺の家族を 幸せにしなきゃいけないんだ。 249 00:16:22,182 --> 00:16:26,119 俺は麗華と眞一を愛してる。 250 00:16:26,186 --> 00:16:28,121 大事な家族のためだったら 何だってやる。 251 00:16:28,188 --> 00:16:32,192 頼む紅子。 俺にも手伝わせてくれ。 252 00:16:40,100 --> 00:16:42,035 (久我山)こんな所までお越しとは どんなご用でしょう。 253 00:16:42,102 --> 00:16:45,038 (ミツ)あんたにちょっと 提案があってな。 254 00:16:45,105 --> 00:16:47,040 提案ですか。 255 00:16:47,107 --> 00:16:50,110 杏子をあんたにやろう。 256 00:16:52,112 --> 00:16:58,051 その代わり 金と清瀬の家をくれ。 257 00:16:58,118 --> 00:17:00,053 了解してるんですか?杏子は。 258 00:17:00,120 --> 00:17:03,056 わたしが来させる。 つべこべ言わせん。 259 00:17:03,123 --> 00:17:10,063 あれも清瀬の女だ。 自分の役割ぐらい分かってるさ。 260 00:17:10,130 --> 00:17:13,066 (紅子)ばあさん。 あんたまだ懲りてないのか。 261 00:17:13,133 --> 00:17:15,068 清瀬のために娘まで売るか! 262 00:17:15,135 --> 00:17:18,071 うるさい。 お前に何が分かる。 263 00:17:18,138 --> 00:17:24,077 清瀬はわたしの全てだ。 誰にも手出しはさせん。 264 00:17:24,144 --> 00:17:28,081 (ミツ)杏子はあんたにやる。 わたしが来させる。 265 00:17:28,148 --> 00:17:31,151 金と家は頼んだぞ。 266 00:17:41,161 --> 00:17:44,097 (久我山)欲しいものが向こうから 転がり込んでくるとはなあ。→ 267 00:17:44,164 --> 00:17:49,102 なあ紅子。わたしはつくづく 運の強い星回りのようだな。フフ。 268 00:17:49,169 --> 00:17:53,106 (紅子)太一を仕事に参加させる。 269 00:17:53,173 --> 00:17:56,109 この使えぬぼんぼんをか? 270 00:17:56,176 --> 00:17:59,112 お願いします大佐。 わたしにもやらせてください。 271 00:17:59,179 --> 00:18:03,183 家族を守らなきゃいけないんです。 (紅子)俺が面倒を見る。 272 00:18:05,185 --> 00:18:09,122 (久我山)よかろう。だが中尉。 窓口は清瀬。 273 00:18:09,189 --> 00:18:11,124 バレても決して 久我山の名を出すな。 274 00:18:11,191 --> 00:18:16,129 出せば奥方や息子が どうなっても知らんぞ。 275 00:18:16,196 --> 00:18:21,134 は…はい。心得ております。 久我山大佐。 276 00:18:25,138 --> 00:18:29,075 前にも言ったように 眞一は太一の子供です。 277 00:18:29,142 --> 00:18:31,077 あなたの子供なんかじゃ ありません。 278 00:18:31,144 --> 00:18:33,079 (真彦)俺は真実を知りたいんだ。 279 00:18:33,146 --> 00:18:36,082 今言ったことが真実です。 280 00:18:36,149 --> 00:18:40,086 眞一は太一の子。 あなたとは関係ありません。 281 00:18:40,153 --> 00:18:44,090 わたしたち家族の幸せを 乱さないでください。 282 00:18:44,157 --> 00:18:49,095 (真彦)それが麗華の選んだ道なんだね。 283 00:18:49,162 --> 00:18:54,167 ええそうよ。 これがわたしの選んだ道です。 284 00:18:57,170 --> 00:18:59,105 \(戸の開く音) 285 00:18:59,172 --> 00:19:02,108 (太一)真彦。 (麗華)あなた。 286 00:19:02,175 --> 00:19:04,110 何しに来た。 287 00:19:04,177 --> 00:19:06,112 (千鶴)真彦さんは追い出された あんたたちを心配して→ 288 00:19:06,179 --> 00:19:09,115 ちょっと様子を 見に来てくれただけだよ。 289 00:19:09,182 --> 00:19:11,184 いらぬ世話だ!出ていけ! 290 00:19:13,186 --> 00:19:15,121 (太一)出ていけ! 291 00:19:15,188 --> 00:19:18,057 (真彦)もう二度とここには現れない。 292 00:19:18,124 --> 00:19:20,059 当たり前だ。二度と来るな。 293 00:19:20,126 --> 00:19:24,130 (真彦)絶対に麗華と眞一君を 幸せにしてやってくれ。 294 00:19:26,132 --> 00:19:29,068 お前に言われなくても 俺が絶対に幸せにする。 295 00:19:29,135 --> 00:19:33,072 守ってみせる。 麗華も眞一も俺の家族だ。 296 00:19:33,139 --> 00:19:38,077 俺の大切な家族だ。 お前になど絶対に触れさせん。 297 00:19:38,144 --> 00:19:42,148 俺たち家族のことに 干渉するな! 298 00:19:46,152 --> 00:19:49,155 (杏子と孝太郎のせき) 299 00:19:52,158 --> 00:19:55,094 (杏子)あら。お母さま どちらに行ってらしたんですか? 300 00:19:55,161 --> 00:19:57,096 久我山のところじゃ。 301 00:19:57,163 --> 00:20:00,099 (孝太郎)久我山の ところにですか? 302 00:20:00,166 --> 00:20:02,101 また何をしに。 303 00:20:02,168 --> 00:20:07,106 杏子。久我山の元へ行け。 先方と話はついとる。 304 00:20:07,173 --> 00:20:09,108 話はついてるって…。 305 00:20:09,175 --> 00:20:14,113 (ミツ)お前も清瀬の女なら 自分の身をもって清瀬を守れ。 306 00:20:14,180 --> 00:20:16,115 そんな…。 307 00:20:16,182 --> 00:20:19,052 そんなことはさせない。 わたしは認めませんよ。 308 00:20:19,118 --> 00:20:22,055 杏子はわたしの妻です。 (ミツ)何が妻じゃ。 309 00:20:22,121 --> 00:20:25,058 婿にしてやったのに 当主にしてやったのに→ 310 00:20:25,124 --> 00:20:27,060 お前は何にも できなかったではないか。→ 311 00:20:27,126 --> 00:20:30,063 物を言う資格などないわ。 312 00:20:30,129 --> 00:20:32,065 \(孝太郎)そんな。だからといって そんなことを勝手に…。 313 00:20:32,131 --> 00:20:34,133 \(ミツ)うるさい! 314 00:20:38,137 --> 00:20:42,075 (紅子)凛子姉さん。ごめんね。 315 00:20:42,141 --> 00:20:47,080 本当に全部なくしちまわないと 何も変わらない。 316 00:20:47,146 --> 00:20:50,083 全部なくすよ。 317 00:20:50,149 --> 00:20:56,155 それで誰に恨まれても それでもやらなきゃいけない。 318 00:21:11,170 --> 00:21:14,107 (男性)新顔ね。清瀬。 319 00:21:14,173 --> 00:21:16,109 (紅子)こいつも清瀬だ。 320 00:21:16,175 --> 00:21:19,112 (太一)か…金を見せろ。 321 00:21:25,118 --> 00:21:28,054 (特高)そこまでだ!→ 322 00:21:28,121 --> 00:21:30,123 貴様ら動くな! 323 00:21:33,126 --> 00:21:36,062 ど…どうして。 324 00:21:36,129 --> 00:21:38,064 (男性)うおーっ! 325 00:21:38,131 --> 00:21:40,066 (特高)野郎! 326 00:21:40,133 --> 00:21:42,068 (男性)痛ててて…。 327 00:21:42,135 --> 00:21:45,071 (特高)おとなしくしろ。 (男性)痛いよ。 328 00:21:45,138 --> 00:21:49,075 (紅子)悪く思うなよ太一。 自業自得。 329 00:21:49,142 --> 00:21:53,079 一緒に地獄に行こうぜ。 330 00:21:53,146 --> 00:21:56,149 紅子。お前が密告を!?