1 00:00:06,607 --> 00:00:08,542 {\an8}(紅子) おかえり 藤堂…。 2 00:00:08,609 --> 00:00:11,545 {\an8}(藤堂) 真彦は どこだ? (紅子) 死んだ。 3 00:00:11,612 --> 00:00:13,547 {\an8}(眞一) 紅子母さんも 僕の前から 消えるんだ。 4 00:00:13,614 --> 00:00:15,549 {\an8}(眞一) 僕には 麗華母さんがいる。 5 00:00:15,616 --> 00:00:17,551 {\an8}(ナオミ) ここは 子爵の 久我山さまの家なの。 6 00:00:17,618 --> 00:00:19,553 {\an8}(康助) 今日も よろしく お願いします。 7 00:00:19,620 --> 00:00:21,555 {\an8}(娼婦) また 来てくださいね。 (客) 必ず 来るよ。 8 00:00:21,622 --> 00:00:23,557 {\an8}(娼婦) きっとよ。 9 00:00:23,624 --> 00:00:25,626 {\an8}(紅子) 麗華!? 10 00:00:32,633 --> 00:00:35,569 {\an8}(紅子) 麗華。 11 00:00:35,636 --> 00:00:37,638 {\an8}麗華! 12 00:00:45,646 --> 00:00:48,649 {\an8}(紅子) 何でだ? 何で お前が 娼婦をやってるんだ? 13 00:00:51,652 --> 00:00:56,590 {\an8}(麗華) 出所した後 眞一に会いに 別邸に行ったわ。 14 00:00:56,657 --> 00:00:59,593 {\an8}でも 顔を合わせられなかった。 15 00:00:59,660 --> 00:01:03,531 {\an8}行くあてもなくて 気が付いたら この家に来てた。 16 00:01:03,597 --> 00:01:06,534 そしたら ここは 娼館になってて→ 17 00:01:06,600 --> 00:01:10,538 それで 働かせてくれって お願いしたの。 18 00:01:10,604 --> 00:01:14,542 (紅子) あの 送ってきた大金は ここで 前借りしたんだな? 19 00:01:14,608 --> 00:01:18,546 ええ。 わたしには→ 20 00:01:18,612 --> 00:01:21,549 あの子に お金を残してあげること ぐらいしかなかった。 21 00:01:21,615 --> 00:01:24,552 (紅子) 眞一は お前を待ってる。 戻ってこい 麗華。 22 00:01:24,618 --> 00:01:28,556 わたしは あの子の父親を殺し 娼婦にまで 身を落とした女よ。 23 00:01:28,622 --> 00:01:30,558 もう ホントに 母親の資格なんてない。 24 00:01:30,624 --> 00:01:32,560 合わせる顔なんてないわ。 25 00:01:32,626 --> 00:01:34,562 (紅子) 合わせる顔が あろうが なかろうが→ 26 00:01:34,628 --> 00:01:38,566 眞一は お前に会いたがってる。 お前が 迎えに来るのを待ってる。 27 00:01:38,632 --> 00:01:41,569 お前のことは 軍の仕事で→ 28 00:01:41,635 --> 00:01:43,571 満州に行った太一に 会いに行ったきり→ 29 00:01:43,637 --> 00:01:45,573 連絡が つかなくなったと 話してある。 30 00:01:45,639 --> 00:01:49,577 太一のことも 戦死したと伝えてある。 31 00:01:49,643 --> 00:01:52,580 だから お前は 満州から 引き揚げてきた顔をして→ 32 00:01:52,646 --> 00:01:56,584 戻ってくればいい。 >> 無理よ。 戻れないわ。 33 00:01:56,650 --> 00:01:59,587 ここには 前借りした借金もあるもの。 34 00:01:59,653 --> 00:02:02,523 (紅子) 何 言ってんだよ。 金なんて どうとでもなる。 35 00:02:02,590 --> 00:02:05,526 だから 帰ってこい。 眞一と 一緒に暮らすんだ。 36 00:02:05,593 --> 00:02:08,529 久我山さまは 罪深いわたしを 救ってくれた。 37 00:02:08,596 --> 00:02:10,531 ここにいるのが 幸せなの。 38 00:02:10,598 --> 00:02:12,533 (紅子) 麗華? 39 00:02:12,600 --> 00:02:15,536 今までどおり 眞一のことは お願いします。 40 00:02:15,603 --> 00:02:17,538 お金は また送ります。 41 00:02:17,605 --> 00:02:20,541 だから 紅子は もう 二度と ここには来ないで。 42 00:02:20,608 --> 00:02:24,545 帰ってちょうだい。 お願い。 43 00:02:24,612 --> 00:02:28,549 (紅子) 分かった。 今日のところは 帰るよ。 44 00:02:28,616 --> 00:02:32,620 だけど 必ず 迎えに来るからな。 45 00:02:43,631 --> 00:02:46,567 (ナオミ) 麗華さんと 知り合いなんですか? 46 00:02:46,634 --> 00:02:50,571 (紅子) ちょっとな。 あんたの借金は あしたまで待つ。 47 00:02:50,638 --> 00:02:52,573 (ナオミ) あ… ありがとうございます。 48 00:02:52,640 --> 00:02:54,642 (紅子) 代わりに オーナーを呼んでくれ。 49 00:02:56,644 --> 00:03:00,581 (康助) オーナーは 私ですが。 何か? 50 00:03:00,648 --> 00:03:02,516 (紅子) あんたに 話がある。 51 00:03:02,583 --> 00:03:05,586 そうですか。 では こちらへ。 52 00:03:08,589 --> 00:03:11,525 久我山 康助と申します。 53 00:03:11,592 --> 00:03:15,529 ここで 行き場のない女性たちを まとめさせていただいております。 54 00:03:15,596 --> 00:03:18,532 (紅子) いっぱしの 聖職者気取りか。 55 00:03:18,599 --> 00:03:21,535 うさんくささが ぷんぷんするな。 56 00:03:21,602 --> 00:03:25,539 ここは 父が持っていたもので わたしが迷える子羊たちを→ 57 00:03:25,606 --> 00:03:27,541 救うための場所に させてもらいました。 58 00:03:27,608 --> 00:03:31,545 (紅子) 迷える子羊ねえ。 59 00:03:31,612 --> 00:03:36,550 ところで あなたは どちらさまですか? 60 00:03:36,617 --> 00:03:40,554 (紅子) あたしは 山田 紅子。 麗華の友達だ。 61 00:03:40,621 --> 00:03:42,556 麗華の借金は あたしが返す。 62 00:03:42,623 --> 00:03:44,558 金は 用意するから 麗華を自由にしろ。 63 00:03:44,625 --> 00:03:46,560 あなたが 返してくださるんですか? 64 00:03:46,627 --> 00:03:48,562 (紅子) ああ あたしが返す。 65 00:03:48,629 --> 00:03:50,564 あしたには 耳を揃えて持ってくる。 66 00:03:50,631 --> 00:03:54,635 そのときは 麗華を返してもらうぞ。 67 00:03:58,439 --> 00:04:03,444 (紅子) あいつが あたしの兄貴。 久我山の血を引く男。 68 00:04:08,449 --> 00:04:11,452 あの ご婦人の素性を 調べてきなさい。 69 00:04:18,459 --> 00:04:20,461 (男性) こんにちは。 (孝太郎) ああ こんにちは。 70 00:04:23,464 --> 00:04:26,467 {\an8}(孝太郎) どうした? 眞一。 71 00:04:30,471 --> 00:04:35,409 {\an8}(杏子) はい 眞一 食べなさい。 卵焼き 好きでしょ? 72 00:04:35,476 --> 00:04:38,412 {\an8}(孝太郎) 清瀬の おばあちゃんの 卵焼きは うまいぞ! 73 00:04:38,479 --> 00:04:40,481 {\an8}眞一も 食べたことあるだろう。 74 00:04:42,483 --> 00:04:47,354 (杏子) どうしたの? 眞一。 孤児院の子とケンカでもしたの? 75 00:04:47,421 --> 00:04:51,358 (眞一) 麗華母さんは どうして僕に 会いに来てくれないんだろう。 76 00:04:51,425 --> 00:04:54,361 僕のことが 嫌いなのかなあ。 77 00:04:54,428 --> 00:04:59,366 嫌いだなんて そんなことあるわけないでしょう。 78 00:04:59,433 --> 00:05:01,368 満州から まだ 帰ってこれないだけよ。 79 00:05:01,435 --> 00:05:04,371 そうだぞ 眞一。 引き揚げてこられたらな→ 80 00:05:04,438 --> 00:05:07,374 すぐに お前に 会いに来るに決まってるだろう。 81 00:05:07,441 --> 00:05:10,377 (杏子) 満州には まだまだ 引き揚げてこれない人たちが→ 82 00:05:10,444 --> 00:05:13,380 いっぱい いるのよ。 藤堂の おじちゃんだって→ 83 00:05:13,447 --> 00:05:16,383 やっと戦地から 復員してきたでしょう。 84 00:05:16,450 --> 00:05:19,386 麗華母さんが お前に 会いたくないわけがないだろう。 85 00:05:19,453 --> 00:05:23,390 それにな 眞一。 お前には 紅子母さんが いるじゃないか。 86 00:05:23,457 --> 00:05:26,393 本当の お母さんじゃない!→ 87 00:05:26,460 --> 00:05:30,397 紅子母さんも 僕のことを捨てるんだ。 88 00:05:30,464 --> 00:05:34,468 勝手に 藤堂の おじちゃんと 結婚しちゃえばいいんだ。 89 00:05:34,468 --> 00:05:51,418 ♪~ 90 00:05:51,418 --> 00:05:54,354 (麗華) 昔の友達が ここに来ました。→ 91 00:05:54,421 --> 00:06:00,360 人を殺し 事件を起こしてから 会っていなかった友達です。→ 92 00:06:00,427 --> 00:06:03,363 とうとう 見つけられてしまいました。 93 00:06:03,430 --> 00:06:07,367 (康助) あの女性は あなたとは どういう関係なんですか? 94 00:06:07,434 --> 00:06:10,370 昔の知人です。 それだけです。 95 00:06:10,437 --> 00:06:14,374 (康助) あの方は あなたの借金を返すから→ 96 00:06:14,441 --> 00:06:17,377 あなたを自由にしろと 言ってきているのですが。 97 00:06:17,444 --> 00:06:21,382 紅子が お金を? (康助) はい。 98 00:06:21,448 --> 00:06:25,385 わたしは ここを 出ていくつもりは ありません。 99 00:06:25,452 --> 00:06:27,387 ここで 働くことが→ 100 00:06:27,454 --> 00:06:31,391 人を殺してしまった わたしの 贖罪だと思っています。 101 00:06:31,458 --> 00:06:35,395 (康助) わたしも 戦地で 何人もの人を殺しました。→ 102 00:06:35,462 --> 00:06:39,399 人を殺してしまった痛みも よく 分かります。 103 00:06:39,466 --> 00:06:42,469 だから あなたの心も 救ってあげたい。 104 00:06:45,472 --> 00:06:50,344 肉欲。 それが獣としての 人間の本質です。 105 00:06:50,410 --> 00:06:55,349 欲望を満たしてやるために あなたたちは 客に抱かれている。 106 00:06:55,415 --> 00:06:58,418 あなたたちこそが 聖女です。 107 00:07:00,420 --> 00:07:02,356 お気持ちは よく分かりました。 108 00:07:02,422 --> 00:07:06,360 あの ご婦人のことは わたしに全て お任せなさい。 109 00:07:06,426 --> 00:07:10,430 よろしく お願いいたします。 久我山さま。 110 00:07:12,432 --> 00:07:17,437 (紅子) これは 麗華が戻ってきたときの 生活費だ。 111 00:07:17,437 --> 00:07:29,449 ♪~ 112 00:07:33,787 --> 00:07:35,722 (孝太郎) 杏子のところに 来ていてな。 113 00:07:35,789 --> 00:07:37,724 (千鶴) まあ 杏子さんのところに。 (紅子) 眞一 駄目だろ。 114 00:07:37,791 --> 00:07:40,794 何も言わずに 出ていっちゃ。 千鶴ばあばも 心配してたんだぞ。 115 00:07:42,796 --> 00:07:46,733 眞一! >> 紅子。 まあ しかるな。 116 00:07:46,800 --> 00:07:49,670 (千鶴) 孝太郎さん お世話になりました。→ 117 00:07:49,736 --> 00:07:51,672 杏子さんにも よろしく 言っといてくださいね。 118 00:07:51,738 --> 00:07:54,675 ああ。 (千鶴) 眞一は わたしが→ 119 00:07:54,741 --> 00:07:57,678 お風呂に入れとくから。 (紅子) 頼みます。 120 00:07:57,744 --> 00:08:00,681 (孝太郎) 眞一は 麗華に→ 121 00:08:00,747 --> 00:08:02,683 捨てられて しまったんじゃないかと→ 122 00:08:02,749 --> 00:08:05,686 不安で しかたがないんじゃないかなあ。 123 00:08:05,752 --> 00:08:08,689 (紅子) あいつ 何か言ってたか? 124 00:08:08,755 --> 00:08:11,692 「麗華母さんは 僕のことが 嫌いなのかな」って。 125 00:08:11,758 --> 00:08:15,696 (紅子) そっか。 そんなこと言ってたか。 126 00:08:15,762 --> 00:08:18,699 まあ 実の母親だからな。 127 00:08:18,765 --> 00:08:21,702 眞一が 求める気持ちも よく分かる。 128 00:08:21,768 --> 00:08:25,706 だが この6年 お前が眞一を育ててきた。 129 00:08:25,772 --> 00:08:29,710 ずっと一緒に 生きてきたんだ。 130 00:08:29,776 --> 00:08:33,714 あいつは お前と藤堂が 結婚することで→ 131 00:08:33,780 --> 00:08:36,717 お前からも 捨てられてしまうんじゃないかと→ 132 00:08:36,783 --> 00:08:40,721 それも 怖いんじゃないか。 133 00:08:40,787 --> 00:08:43,724 (紅子) ああ 分かってる。 134 00:08:43,790 --> 00:08:46,727 あたしは あいつと ちゃんと向き合っていくつもりだ。 135 00:08:46,793 --> 00:08:50,731 >> うん。 (紅子) でも…。 136 00:08:50,797 --> 00:08:53,734 でも… 何だい? 137 00:08:53,800 --> 00:08:56,803 (紅子) フッ。 いや 何でもない。 138 00:08:58,805 --> 00:09:01,742 (千鶴) もう いいのかい? (眞一) うん。 139 00:09:01,808 --> 00:09:03,810 (千鶴) うん。 140 00:09:07,814 --> 00:09:12,819 (紅子) 眞一。 髪の毛 まだ ぬれてるぞ。 風邪ひいちゃうぞ。 141 00:09:14,821 --> 00:09:20,827 《あした 麗華が帰ってきたら この子は もう…》 142 00:09:23,830 --> 00:09:29,770 (紅子) 眞一。 今夜は 紅子母さんと 一緒に寝るか。 143 00:09:29,836 --> 00:09:31,838 やだ。 144 00:09:34,841 --> 00:09:37,778 (紅子) フッ。 嫌われちまった。 145 00:09:37,844 --> 00:09:40,781 (千鶴) 子供ってのは 敏感だからね。 146 00:09:40,847 --> 00:09:43,784 あんたが 離れていきそうなのが 分かるんだよ。 147 00:09:43,850 --> 00:09:49,723 (紅子) 眞一は あたしの子だ。 だけど 麗華の子供でもある。 148 00:09:49,790 --> 00:09:53,727 麗華が帰ってきたら ちゃんと 返すつもりだ。 149 00:09:53,794 --> 00:09:56,730 わたしは 嫌だよ。 麗華さんには 渡さない。 150 00:09:56,797 --> 00:10:00,734 出所しても 顔も見せず 金だけ送ってよこすような女を→ 151 00:10:00,801 --> 00:10:03,804 母親だなんて 認めないからね。 152 00:10:12,813 --> 00:10:16,750 (紅子) きっちり 麗華が借りた分だ。 これで 麗華を返してもらうぞ。 153 00:10:16,817 --> 00:10:18,752 (康助) それは できませんね。 154 00:10:18,819 --> 00:10:21,755 (紅子) 何だと? これじゃ 足りねえっていうのか。 155 00:10:21,822 --> 00:10:25,759 金の問題ではない。 麗華も 帰る気はないらしいから→ 156 00:10:25,826 --> 00:10:27,761 余計なことは やめてもらえるかな。 157 00:10:27,828 --> 00:10:29,763 (紅子) 余計なことだと? 158 00:10:29,830 --> 00:10:34,768 しかし 君も 片っぽでは あくどい金貸し→ 159 00:10:34,835 --> 00:10:37,771 一方では 聖者ぶって 孤児院ですか。 160 00:10:37,838 --> 00:10:41,775 弱い人間から 金を むしり取る。 161 00:10:41,842 --> 00:10:47,714 君も 罪深い人間だねえ。 そんな金じゃ 麗華は救われない。 162 00:10:47,781 --> 00:10:50,717 (紅子) お前だって 同じ穴の むじなだろ。 163 00:10:50,784 --> 00:10:52,719 弱い人間の 生き血を吸って 生きてるじゃないか。 164 00:10:52,786 --> 00:10:55,722 彼女たちは いろんな罪を抱えて ここに 来ています。 165 00:10:55,789 --> 00:10:58,725 麗華だって 抱かれることが→ 166 00:10:58,792 --> 00:11:00,727 人を殺してしまった 贖罪だと思っている。 167 00:11:00,794 --> 00:11:05,732 ですから わたしは 麗華を救っているんです。 168 00:11:05,799 --> 00:11:08,735 救っている分 君よりは ましだと思いますがね。 169 00:11:08,802 --> 00:11:10,737 (紅子) 何が 救ってるだ。 170 00:11:10,804 --> 00:11:13,740 お前は 罪の意識を利用して 金を稼いでるだけじゃないか。 171 00:11:13,807 --> 00:11:17,744 君が あくどく稼ぐ金とは違って わたしが得る金は→ 172 00:11:17,811 --> 00:11:19,746 ここで働く 聖女たちによって 浄化されている。 173 00:11:19,813 --> 00:11:21,748 皆が 幸せになるための 金になっている。 174 00:11:21,815 --> 00:11:24,751 それに比べて 君の金は不浄だ。 175 00:11:24,818 --> 00:11:27,754 そんな金で 孤児院の子供たちを 育てて 幸せなのか? 176 00:11:27,821 --> 00:11:30,757 君にも 眞一という子供が いるみたいだが→ 177 00:11:30,824 --> 00:11:32,759 その子は 幸せなのか? 178 00:11:32,826 --> 00:11:35,762 (紅子) 金に 奇麗も汚いもない。 おんなじ ただの金だよ。 179 00:11:35,829 --> 00:11:39,766 どんな方法で得た金だろうと 食っていければ それでいい。 180 00:11:39,833 --> 00:11:41,768 食わせていければ それでいい。 181 00:11:41,835 --> 00:11:43,770 お前に とやかく言われる 筋合いはない。 182 00:11:43,837 --> 00:11:47,707 そんなに大事なら ちゃんと 守った方がいい。 183 00:11:47,774 --> 00:11:50,710 よそ見をしていると 大ケガをすることもある。 184 00:11:50,777 --> 00:11:55,715 (紅子) お前。 子供たちに 手 出したら 許さねえぞ! 185 00:11:55,782 --> 00:12:01,721 とにかく 麗華は ここを出ていく気はない。 186 00:12:01,788 --> 00:12:04,791 君には 帰っていただきましょう。 187 00:12:12,799 --> 00:12:17,737 (麗華) 眞一。 迎えに行けなくて ごめんね。 188 00:12:17,804 --> 00:12:20,807 母さんを 許して。 189 00:12:23,810 --> 00:12:27,747 (友造) よしっ。 (桃子) 紅子母さん おかえり。 190 00:12:27,814 --> 00:12:29,749 (紅子) ただいま。 191 00:12:29,816 --> 00:12:31,751 桜子。 眞一は どうした? 192 00:12:31,818 --> 00:12:33,753 (桜子) 奥に いるみたい。 193 00:12:33,820 --> 00:12:36,756 何だか あの子 まだ すねてるみたい。 194 00:12:36,823 --> 00:12:38,758 (紅子) そっか。 195 00:12:38,825 --> 00:12:40,760 (友造) ホント どうしようもねえよな あいつ。→ 196 00:12:40,827 --> 00:12:43,763 俺たちの親は もう 死んじまったっていうのによ。 197 00:12:43,830 --> 00:12:45,765 あいつの母さんは まだ 生きてんだぜ。→ 198 00:12:45,832 --> 00:12:48,702 それだけでも ましじゃねえか。 199 00:12:48,768 --> 00:12:52,706 (紅子) まあ そう言うな 友造。 仲良くしてやってくれよ。 200 00:12:52,772 --> 00:12:55,709 (友造) 紅子母さんが ちょっと 甘やかし過ぎたんじゃねえのか? 201 00:12:55,775 --> 00:12:58,712 (紅子) 悪い。 紅子母さんに免じて 許してやってくれ。 202 00:12:58,778 --> 00:13:00,714 ホント 甘いよなあ。 203 00:13:00,780 --> 00:13:03,717 (桃子) 眞一お兄ちゃん 桃子には いつも優しいよ。 204 00:13:03,783 --> 00:13:05,719 (紅子) そうか 優しいか。 205 00:13:05,785 --> 00:13:08,788 >> うん! (紅子) フフッ。 206 00:13:08,788 --> 00:13:19,799 ♪~ 207 00:13:19,799 --> 00:13:22,802 (紅子) 麗華母さんの写真か? 208 00:13:26,806 --> 00:13:29,743 (紅子) 何だよ。 いつもみたいに まねしろよ。 209 00:13:29,809 --> 00:13:31,745 やらない。 210 00:13:31,811 --> 00:13:33,747 (紅子) 笑ってりゃ いいこともあるぞ。 211 00:13:33,813 --> 00:13:36,750 笑ってても いいことなんてない。 212 00:13:36,816 --> 00:13:41,821 (紅子) じゃ 眞一は ずーっと そんな顔して生きてくのか。 213 00:13:44,825 --> 00:13:48,695 (紅子) 会いたいか? 麗華母さんに。 214 00:13:48,762 --> 00:13:51,698 会いたくったって いないんだ。 215 00:13:51,765 --> 00:13:54,701 麗華母さんは 僕のことなんて どうでもいいんだ。 216 00:13:54,768 --> 00:13:58,705 (紅子) そんなことはないと思うぞ。 麗華だって お前に会いたいんだ。 217 00:13:58,772 --> 00:14:00,707 ホントは 会いたくて 仕方ないんだ。 218 00:14:00,774 --> 00:14:02,709 だったら 何で 会いに来ないんだよ! 219 00:14:02,776 --> 00:14:06,713 (紅子) だから それは 満州から 戻ってきてないからだって→ 220 00:14:06,780 --> 00:14:08,715 お前にも 言っただろう。 >> 嘘だ! 221 00:14:08,782 --> 00:14:11,718 紅子母さんの言うことなんて 信じられない。 222 00:14:11,785 --> 00:14:13,720 だって 母さんは 藤堂の おじちゃんと結婚して→ 223 00:14:13,787 --> 00:14:15,722 僕を捨てるんだ。 224 00:14:15,789 --> 00:14:18,725 麗華母さんと同じように 僕の前から 消えるんだ。 225 00:14:18,792 --> 00:14:20,727 (紅子) お前のこと 捨てたりしないって。 226 00:14:20,794 --> 00:14:23,730 麗華だって お前のこと 捨てたわけじゃない。 227 00:14:23,797 --> 00:14:25,732 もう いいよ。 228 00:14:25,799 --> 00:14:27,801 (紅子) 眞一! 229 00:14:32,806 --> 00:14:38,745 紅子さん。 あんた 藤堂さんと結婚するのかい? 230 00:14:38,812 --> 00:14:41,748 あんたが もし 眞一を見捨てるようなら→ 231 00:14:41,815 --> 00:14:45,752 わたしは あんたの幸せを 全部 壊してやるからね。 232 00:14:45,819 --> 00:14:48,688 眞一を育てることが→ 233 00:14:48,755 --> 00:14:52,759 太一を死なせた あんたの 責任なんだからね。 234 00:14:57,764 --> 00:14:59,699 (眞一)《笑ってりゃ いいこと あるんだよね》 235 00:14:59,766 --> 00:15:01,701 (紅子)《ああ。 きっと いいことある》 236 00:15:01,768 --> 00:15:03,770 (2人の笑い声) 237 00:15:11,678 --> 00:15:13,680 \(杏子) ありがとうございました! 238 00:15:19,619 --> 00:15:23,556 (杏子) あら 紅子。 239 00:15:23,623 --> 00:15:27,560 (紅子) 麗華が 見つかった。 >> 麗華さんが!? どこにいたの? 240 00:15:27,627 --> 00:15:30,563 (紅子) 元 清瀬家で 娼婦をやってた。 241 00:15:30,630 --> 00:15:33,566 娼婦って…。 242 00:15:33,633 --> 00:15:36,569 (紅子) 久我山の息子が 経営してたんだ。 243 00:15:36,636 --> 00:15:39,572 麗華は あいつに前借りした金を 送ってきてたんだ。 244 00:15:39,639 --> 00:15:44,577 久我山の息子? 何で麗華さんが そんなところに。 245 00:15:44,644 --> 00:15:48,581 (紅子) 分からない。 金を用意して 迎えに行ったんだけど→ 246 00:15:48,648 --> 00:15:51,584 久我山の息子が 麗華を手放そうとしないんだ。 247 00:15:51,651 --> 00:15:53,586 麗華も 様子が変なんだよ。 248 00:15:53,653 --> 00:15:56,589 罪深い自分を 久我山が救ってくれたって。 249 00:15:56,656 --> 00:15:59,592 だから あそこにいるのが 幸せなんだって。 250 00:15:59,659 --> 00:16:02,595 まるで あいつに 洗脳されてるみたいだ。 251 00:16:02,662 --> 00:16:09,669 また 久我山が現れるなんて…。 これは あの人の呪い? 252 00:16:11,671 --> 00:16:15,608 (紅子) どうすれば 麗華の気持ちを 変えることが できるんだろう。 253 00:16:15,675 --> 00:16:19,546 ねえ。 麗華さんに 戻ってくる気がないのなら→ 254 00:16:19,612 --> 00:16:23,550 このまま 紅子が 眞一と 生きてけば いいんじゃない? 255 00:16:23,616 --> 00:16:26,553 (紅子) 麗華が見つかった以上 それは できない。 256 00:16:26,619 --> 00:16:30,557 今の眞一には 本当の母親が… 麗華が必要なんだ。 257 00:16:30,623 --> 00:16:33,560 そうかもしれないけど→ 258 00:16:33,626 --> 00:16:37,564 でも わたしは もう 久我山とは かかわってほしくないの。 259 00:16:37,630 --> 00:16:41,568 久我山の息子は 久我山とは 違うかもしれないけど→ 260 00:16:41,634 --> 00:16:44,571 でも また何か 悪いことが 起きるんじゃないかって→ 261 00:16:44,637 --> 00:16:47,574 不安なのよ。 (紅子) 母さん。 262 00:16:47,640 --> 00:16:50,577 お願いだから 久我山とは かかわらないで。 263 00:16:50,643 --> 00:16:52,579 (紅子) ハァ…。 264 00:16:52,645 --> 00:16:55,582 このごろ 眞一が 笑ってくれないんだよ。 265 00:16:55,648 --> 00:16:59,586 あたしは 眞一に 笑顔を取り戻してやりたい。 266 00:16:59,652 --> 00:17:02,589 何が 娼婦にまで 身を落とした母親だ。 267 00:17:02,655 --> 00:17:04,591 上等じゃねえか。 268 00:17:04,657 --> 00:17:08,661 何をしてでも あたしが 麗華を取り戻す。 269 00:17:13,666 --> 00:17:16,669 (藤堂) こんな時間に どうした? 270 00:17:22,675 --> 00:17:24,677 (藤堂) 紅子? 271 00:17:29,682 --> 00:17:31,684 (紅子) 抱いてくれ。 272 00:17:33,686 --> 00:17:38,691 今 お前に抱かれたいんだ。 273 00:17:43,696 --> 00:17:46,633 (藤堂) 何が あったんだ? 274 00:17:46,699 --> 00:17:49,636 (紅子) 何も聞かずに 抱いてくれ。 275 00:17:49,702 --> 00:17:54,641 (藤堂) フフ。 相変わらずだな お前は。 276 00:17:54,707 --> 00:17:57,710 6年たっても 何にも 変わっちゃいない。 277 00:17:59,712 --> 00:18:05,718 (紅子) お前に… 抱かれたい。 278 00:18:05,718 --> 00:18:14,727 ♪~ 279 00:18:14,727 --> 00:18:19,666 (紅子) ああ…。 280 00:18:19,666 --> 00:18:29,676 ♪~ 281 00:18:29,676 --> 00:18:35,615 (紅子) お前の 心臓の音が聞こえる。 282 00:18:35,682 --> 00:18:41,621 やっぱり ここが 一番 落ち着くな。 283 00:18:41,688 --> 00:18:45,692 (藤堂) 何を考えてるんだ? 今 この頭で。 284 00:18:47,694 --> 00:18:51,631 (紅子) この胸に 戻ってくる。 285 00:18:51,698 --> 00:18:58,638 ここが あたしの 安住の地だと思ってる。 286 00:18:58,705 --> 00:19:02,642 (藤堂) また 何か やるつもりか。 287 00:19:02,709 --> 00:19:09,649 (紅子) 信じて待っててくれ。 必ず ここに戻ってくる。 288 00:19:09,716 --> 00:19:13,653 お前の ここに… 戻ってくる。 289 00:19:13,720 --> 00:19:17,657 (藤堂) 何をするつもりだ? 紅子。 290 00:19:20,660 --> 00:19:23,596 (娼婦) 久我山さま。 わたし ざんげしたいことが。 291 00:19:23,663 --> 00:19:26,666 (チエミ) 何を言ってるの? 今日は わたしの番でしょ。 292 00:19:31,671 --> 00:19:35,608 (ナオミ) まだ 何か用? (紅子) 今日は あんたの用じゃない。 293 00:19:35,675 --> 00:19:37,610 >> また 来たの? (紅子) 言っただろ。 294 00:19:37,677 --> 00:19:40,680 お前を 絶対 取り戻すって。 295 00:19:42,682 --> 00:19:44,617 何度 来ても 同じですよ。 296 00:19:44,684 --> 00:19:48,621 いくら 金を積まれても 麗華を渡す気はない。 297 00:19:48,688 --> 00:19:51,624 麗華だって ここを出ていく気は ないと言っている。→ 298 00:19:51,691 --> 00:19:54,627 そうだったよね? 299 00:19:54,694 --> 00:20:00,633 ええ。 わたしは 戻るつもりは ないのよ 紅子。 300 00:20:00,700 --> 00:20:04,637 あなたが 何度 ここに来ても わたしは ここを出ていかない。 301 00:20:04,704 --> 00:20:08,641 ここが わたしの 贖罪の場所なの。 302 00:20:08,708 --> 00:20:12,645 そういうことですから お帰りいただけますか? 303 00:20:12,712 --> 00:20:14,647 (紅子) 今日は そういう話で 来たんじゃない。 304 00:20:14,714 --> 00:20:16,649 と いいますと? 305 00:20:16,716 --> 00:20:19,652 (紅子) あんたと 2人だけで 話がある。 306 00:20:23,656 --> 00:20:27,594 (康助) いったい どんな お話でしょう? 307 00:20:27,660 --> 00:20:29,596 あまり 無茶は 言わないでくださいよ。 308 00:20:29,662 --> 00:20:34,601 わたしは 麗華の気持ちを 大事にしているだけですからねえ。 309 00:20:34,667 --> 00:20:38,605 ここにいることも 強制など していることではない。 310 00:20:38,671 --> 00:20:41,608 麗華は 自分の意思で ここにいるんです。 311 00:20:41,674 --> 00:20:47,614 そして 本能のままに 肉欲をむさぼる 男性客たちに→ 312 00:20:47,680 --> 00:20:49,616 自らの体を捧げている。 313 00:20:49,682 --> 00:20:51,618 男女の愛など そこには 存在しない。 314 00:20:51,684 --> 00:20:57,624 贖罪の心で ただ男たちの肉欲を 満たしてやっているだけです。 315 00:20:57,690 --> 00:21:01,628 ああ… あー 素晴らしい! 316 00:21:01,694 --> 00:21:06,633 彼女こそが まさに聖女。 わたしの聖母… 聖母マリアだ。 317 00:21:06,699 --> 00:21:08,635 何と 素晴らしい女性なんだ。 318 00:21:08,701 --> 00:21:12,639 わたしに 彼女を与えてくださった マリアさまに 感謝いたします。 319 00:21:12,705 --> 00:21:16,643 これからも 私を 私たちを お見守りください。 320 00:21:16,709 --> 00:21:20,647 麗華の心が 少しでも 救われますように。 321 00:21:22,649 --> 00:21:24,651 アーメン。 322 00:21:26,653 --> 00:21:28,655 (紅子) 終わったか? 323 00:21:31,658 --> 00:21:35,595 (紅子) 言いたいことは それだけか。 324 00:21:35,662 --> 00:21:40,600 いや 申し訳ない。 少々 熱くなってしまいました。 325 00:21:40,667 --> 00:21:42,669 どうぞ。 326 00:21:44,671 --> 00:21:47,607 (紅子) あんたに 頼みがある。 327 00:21:47,674 --> 00:21:50,677 あたしを ここで雇え。 328 00:21:52,679 --> 00:21:55,682 あたしに 娼婦をやらせてくれ。