1 00:00:06,540 --> 00:00:08,476 {\an8}(紅子) 逃げんのか? (麗華) 眞一には わたしより→ 2 00:00:08,542 --> 00:00:10,478 {\an8}あなたの方が ふさわしいわ。 (紅子) もう いい。 3 00:00:10,544 --> 00:00:13,481 {\an8}あたしが 眞一の 本当の母親になる。 4 00:00:13,547 --> 00:00:15,483 {\an8}(麗華) これが わたしの選んだ道。 5 00:00:15,549 --> 00:00:17,485 {\an8}(紅子) 笑ってりゃあ 何とかなる。 (眞一) うん。 6 00:00:17,551 --> 00:00:20,488 {\an8}(紅子) やっと 眞一に 笑顔が戻ってきた。 7 00:00:20,554 --> 00:00:22,490 {\an8}(兵士) ハウ トゥー コール ユー? 8 00:00:22,556 --> 00:00:26,494 {\an8}(女性) アイ アム アイコ。 (兵士) アイ ラブ ユー アイコ。 9 00:00:26,560 --> 00:00:28,562 {\an8}(女性) フフッ。 10 00:00:32,566 --> 00:00:34,568 {\an8}(藍子) お姉ちゃん…? 11 00:00:37,571 --> 00:00:39,507 {\an8}(紅子) 藍子か!? 12 00:00:39,573 --> 00:00:42,510 {\an8}《血が つながっていようが いまいが→ 13 00:00:42,576 --> 00:00:46,514 {\an8}藍子は アタイの 大事な妹だからな》 14 00:00:46,580 --> 00:00:49,583 {\an8}(藍子)《また 来てよね》 15 00:00:52,586 --> 00:00:55,589 {\an8}ソーリー。 (兵士) ノー ウォーリー。 16 00:01:02,530 --> 00:01:04,465 (紅子) 藍子か? 17 00:01:04,532 --> 00:01:10,538 ホントに 藍子なのか? 生きてたんだな。 18 00:01:14,542 --> 00:01:17,478 (紅子) 藍子。 19 00:01:17,545 --> 00:01:20,548 よく 生きててくれたな 藍子。 20 00:01:22,550 --> 00:01:29,490 生きててくれて よかった。 ホントに よかった。 21 00:01:29,557 --> 00:01:35,563 生きててくれて ありがとな。 藍子。 22 00:01:39,567 --> 00:01:43,504 (杏子) 藍子ちゃんが 生きていたなんて。 23 00:01:43,571 --> 00:01:46,507 (紅子) まだ 夢 見てるみたいだ。 24 00:01:46,574 --> 00:01:50,511 藍子。 清瀬の お母さんだよ。 25 00:01:50,578 --> 00:01:53,514 病気は もう いいのか? 26 00:01:53,581 --> 00:01:57,585 今 どこに住んでる? 母さんも 一緒か? 27 00:02:01,589 --> 00:02:05,526 >> 母さんは 死んだよ。 (紅子) えっ? 28 00:02:07,995 --> 00:02:14,935 6年前。 働いてる最中に 倒れて。 29 00:02:15,002 --> 00:02:18,005 わたしは 結核の療養所にいた。 30 00:02:20,007 --> 00:02:25,012 母さん わたしのために 死ぬ思いで 働いたんだ。 31 00:02:27,014 --> 00:02:31,952 (紅子) そうか。 母さん…。 32 00:02:32,019 --> 00:02:37,958 (杏子) 6年前っていったら 藍子ちゃんは まだ 14?→ 33 00:02:38,025 --> 00:02:40,027 苦労したのねえ。 34 00:02:41,962 --> 00:02:43,898 (紅子) すまなかったな 藍子。 35 00:02:43,964 --> 00:02:49,904 でも これからは あたしが お前を守ってやるからな。 36 00:02:49,970 --> 00:02:51,906 全部 あんたのせいじゃない!→ 37 00:02:51,972 --> 00:02:55,910 あんたのせいで… あんたが 罪を犯したせいで→ 38 00:02:55,976 --> 00:02:58,913 わたしたちは 長屋の人たちからも 白い目で見られてたのよ。→ 39 00:02:58,979 --> 00:03:02,917 父さんは わたしたちを 捨てて 消えてしまった。 40 00:03:02,983 --> 00:03:06,921 母さんと2人 どこにも行くあても なくて。→ 41 00:03:06,987 --> 00:03:10,925 お金も 無くて。 野ざらしの 冷たい地面で→ 42 00:03:10,991 --> 00:03:14,929 何日も… 何日も 抱き合って 眠ったこともある。→ 43 00:03:14,995 --> 00:03:20,935 その後 母さん 死ぬ思いで 働いて わたしを療養所に入れてくれた。 44 00:03:21,001 --> 00:03:26,941 でも 過労が たたって 母さんは 死んだ。→ 45 00:03:27,007 --> 00:03:28,943 あんたが 刑務所に入らなかったら→ 46 00:03:29,009 --> 00:03:32,012 母さんは 死ななかった。 47 00:03:35,015 --> 00:03:37,952 (紅子) そんな…。 48 00:03:38,018 --> 00:03:42,890 母さん すまない。 ホントに すまない。 49 00:03:42,957 --> 00:03:46,894 謝ったって 母さんは 帰ってこない。→ 50 00:03:46,961 --> 00:03:49,897 母さんを殺した あんたが 勝手に 悲しまないで。 51 00:03:49,964 --> 00:03:54,969 勝手に 哀れまないで! 同情なんか しないでよ! 52 00:03:56,971 --> 00:03:59,907 (藍子) どうせ 軽蔑してるんでしょ。→ 53 00:03:59,974 --> 00:04:02,910 軽蔑するなら しなさいよ。→ 54 00:04:02,977 --> 00:04:06,981 娼婦なんかをやってる妹を持って 恥ずかしいってね。 55 00:04:08,983 --> 00:04:13,921 (紅子) 何が 恥ずかしいんだ。 56 00:04:13,988 --> 00:04:17,925 藍子が 今 生きてる人生は 藍子が決めて 選んだ道だろ。 57 00:04:17,992 --> 00:04:20,928 だったら 他人の目なんか 気にするな。 58 00:04:20,995 --> 00:04:23,931 どんな生き方をしてたって 誇りを持って生きてればいい。 59 00:04:23,998 --> 00:04:25,933 ふざけないで! 60 00:04:26,000 --> 00:04:30,938 こんな人生の どこに誇りを持って 生きろっていうのよ。→ 61 00:04:31,005 --> 00:04:33,941 あんたは 何不自由なく 暮らしてるもんね。 62 00:04:34,008 --> 00:04:36,944 家族もいて 食べ物もあって。→ 63 00:04:37,011 --> 00:04:38,946 罪を犯した あんたが→ 64 00:04:39,013 --> 00:04:42,883 何で わたしよりも 幸せになってんのよ!→ 65 00:04:42,950 --> 00:04:47,888 あんたが 罪さえ犯さなければ こんなことにはならなかった。 66 00:04:47,955 --> 00:04:51,892 わたしの人生 返してよ。 わたしの幸せ 返してよ! 67 00:04:51,959 --> 00:04:55,896 (杏子) 藍子ちゃん。 紅子は 罪なんて犯しちゃいない。 68 00:04:55,963 --> 00:04:57,898 あれは ぬれぎぬだった…。 (紅子) お母さん! 69 00:04:57,965 --> 00:05:00,901 何が ぬれぎぬよ。 70 00:05:00,968 --> 00:05:03,904 自分が いい暮らししたくて 凛子さんに成り代わったんでしょ。 71 00:05:03,971 --> 00:05:06,907 それで 詐欺罪で 捕まったんじゃない。 72 00:05:06,974 --> 00:05:11,912 こっちはね あんたのせいで 散々だったんだから。 73 00:05:11,979 --> 00:05:16,984 (紅子) あたしが 逮捕されたせいで 苦労を掛けて すまなかったな。 74 00:05:18,986 --> 00:05:21,922 (杏子) あっ。 75 00:05:21,989 --> 00:05:24,925 会いたくなんか なかった。→ 76 00:05:24,992 --> 00:05:27,928 もう わたしのことは忘れて。 77 00:05:27,995 --> 00:05:31,932 (紅子) わたしも 娼婦をやってる。 だから 藍子と おんなじだ。 78 00:05:31,999 --> 00:05:33,934 だからって 許してくれなんて 言わない。 79 00:05:34,001 --> 00:05:36,937 お前が もう 会いたくないって 言うんなら それでもいい。 80 00:05:37,004 --> 00:05:42,876 でも あたしは お前を待ってる。 81 00:05:42,943 --> 00:05:48,882 お前が来るのを いつまでも 待ってる。 82 00:05:48,949 --> 00:05:51,885 あたしは 武蔵野の別邸にいる。 83 00:05:51,952 --> 00:05:54,888 困ったことがあったら 何でも言え。 84 00:05:54,955 --> 00:05:59,960 藍子は あたしの 大事な妹だ。 85 00:06:03,964 --> 00:06:05,899 (杏子) このままで いいの? 86 00:06:05,966 --> 00:06:09,970 母さん 連れ戻してこようか? (紅子) いや いいんだ。 87 00:06:11,972 --> 00:06:17,911 藍子だって もう 大人だ。 自分で 判断できるだろう。 88 00:06:17,978 --> 00:06:20,914 生きててくれただけで 十分だよ。 89 00:06:20,981 --> 00:06:22,916 >> でも…。 (紅子) 今は 眞一だ。 90 00:06:22,983 --> 00:06:27,921 早く 眞一の 本当の母親に なってやらなくちゃな。 91 00:06:27,988 --> 00:06:30,924 それに 麗華のこともある。 92 00:06:30,991 --> 00:06:34,995 あたしは 麗華にも 本心から笑ってほしいんだよ。 93 00:06:37,998 --> 00:06:54,948 ♪~ 94 00:06:54,948 --> 00:06:58,952 (麗華)《違うわ。 あなたなんて わたしの子供じゃない》 95 00:07:00,954 --> 00:07:03,891 (紅子)《紅子母さんは どんなことがあっても→ 96 00:07:03,957 --> 00:07:06,960 眞一を 見捨てたりしないからな》 97 00:07:08,962 --> 00:07:12,900 (眞一) 僕には 紅子母さんがいる。 98 00:07:12,966 --> 00:07:14,902 \(康助) やあ。→ 99 00:07:14,968 --> 00:07:17,905 眞一君 おじさんのこと 分かるかな? 100 00:07:17,971 --> 00:07:19,907 何? 何か 用ですか? 101 00:07:19,973 --> 00:07:23,911 (康助) 君の お母さんに 頼まれてね。 102 00:07:23,977 --> 00:07:25,979 麗華母さんからだよ。 103 00:07:31,985 --> 00:07:41,929 ♪~ 104 00:07:41,929 --> 00:07:45,866 紅子。 あなた まだ 辞めてなかったの? 105 00:07:45,933 --> 00:07:50,871 (紅子) ここは 辞めない。 ここを出るときは お前と一緒だ。 106 00:07:50,938 --> 00:07:56,877 >> あなた…。 (紅子) それと これは返す。 107 00:07:56,944 --> 00:08:00,881 お前が 眞一に送ってきた金だ。 108 00:08:00,948 --> 00:08:02,883 母親であることを放棄した お前から もらうのは→ 109 00:08:02,950 --> 00:08:05,886 理屈に合わねえからな。 110 00:08:05,953 --> 00:08:09,890 お前もさあ 抱かれることが 贖罪だなんて 言ってないで→ 111 00:08:09,957 --> 00:08:12,893 この金で 好きなように 生きたらどうだ。 112 00:08:12,960 --> 00:08:14,895 余計な お世話よ。 113 00:08:14,962 --> 00:08:16,964 (紅子) 待てよ。 114 00:08:18,966 --> 00:08:20,968 眞一。 115 00:08:22,970 --> 00:08:25,906 (康助) ほら。 (眞一) お母さん。→ 116 00:08:25,973 --> 00:08:27,975 お母さん ごめんなさい。 117 00:08:29,977 --> 00:08:32,913 (眞一) 僕 お母さんのこと 誤解してたんだ。 118 00:08:32,980 --> 00:08:34,982 誤解? 119 00:08:41,922 --> 00:08:48,862 「眞一へ。 眞一 あんなことを 言ってしまい ごめんなさい」 120 00:08:48,929 --> 00:08:52,866 「お母さんは 眞一を 愛しています」 121 00:08:52,933 --> 00:08:56,870 「何よりも 誰よりも あなたを 愛しています」 これ…。 122 00:08:56,937 --> 00:09:00,874 僕 うれしかったんだ。 嫌われたんじゃなかったんだね。 123 00:09:00,941 --> 00:09:03,877 見捨てられたんじゃ なかったんだね。 124 00:09:03,944 --> 00:09:05,879 当たり前じゃない。 125 00:09:05,946 --> 00:09:10,951 お母さん。 お母さん…。 126 00:09:10,951 --> 00:09:19,960 ♪~ 127 00:09:24,197 --> 00:09:27,134 (紅子) 勝手に出てきて きっと ばあばも 心配してる。 128 00:09:27,200 --> 00:09:31,138 眞一は ばあばに ちゃんと謝るんだぞ。 129 00:09:31,204 --> 00:09:34,141 うん。 分かってる。 130 00:09:34,207 --> 00:09:39,146 (紅子) じゃあ 父さん。 悪いけど 武蔵野まで 眞一 よろしくな。 131 00:09:39,212 --> 00:09:42,082 (孝太郎) ああ。 千鶴にも とりなしてやるよ。 132 00:09:42,149 --> 00:09:46,153 さっ 眞一 帰ろう。 (眞一) うん。 133 00:09:49,156 --> 00:09:52,092 やっぱり 本当の母親には かなわないみたいですね。→ 134 00:09:52,159 --> 00:09:56,096 眞一君は これからも こちらに 遊びに来てくれるみたいです。 135 00:09:56,163 --> 00:09:58,098 あなたは どうしますか? 136 00:09:58,165 --> 00:10:03,170 (紅子) あたしは あたし。 麗華が出るまでは ここにいる。 137 00:10:07,174 --> 00:10:14,181 真彦を愛した女には 苦しみが よく似合う。 138 00:10:16,183 --> 00:10:18,118 (麗華) マリアさま。 139 00:10:18,185 --> 00:10:21,188 ひとときの幸せを ありがとうございました。 140 00:10:23,190 --> 00:10:26,126 眞一君 今 帰っていったよ。 141 00:10:26,193 --> 00:10:30,130 あの手紙を書いたのは 久我山さまですね。 142 00:10:30,197 --> 00:10:32,132 どうして あのようなことを? 143 00:10:32,199 --> 00:10:36,136 親子で 誤解したままなんて 君も眞一君も つらいだろう。 144 00:10:36,203 --> 00:10:40,140 ありがとうございます。 久我山さまの おかげで→ 145 00:10:40,207 --> 00:10:43,076 あの子を 抱き締めてあげることが できました。 146 00:10:43,143 --> 00:10:48,081 それで 君は 眞一君のところに 戻るのかい? 147 00:10:48,148 --> 00:10:52,085 眞一のことは 紅子に 託しました。 148 00:10:52,152 --> 00:10:57,090 あの子にとっても 父親を殺した母親といるよりは→ 149 00:10:57,157 --> 00:11:00,093 紅子といた方が 幸せなんです。 150 00:11:00,160 --> 00:11:02,095 えっ? 151 00:11:02,162 --> 00:11:07,100 わたしが殺してしまったのは 夫です。→ 152 00:11:07,167 --> 00:11:14,107 清瀬 太一。 眞一の 清瀬の父親です。 153 00:11:14,174 --> 00:11:20,113 あの人は 血のつながらない眞一を 心から 愛してくれていました。 154 00:11:20,180 --> 00:11:25,118 わたしは その あの子の父親を 殺してしまったんです。 155 00:11:25,185 --> 00:11:29,122 もともと ここは 眞一君が 継ぐはずだったんだね。 156 00:11:29,189 --> 00:11:33,126 はい。 あの子が 清瀬の跡取りでした。 157 00:11:33,193 --> 00:11:35,195 そうだったんだね。 158 00:11:37,197 --> 00:11:40,133 だったら なおのこと 眞一君は ここに来る権利がある。 159 00:11:40,200 --> 00:11:44,071 きっと また 来てくれる。 眞一君さえ よかったら→ 160 00:11:44,137 --> 00:11:48,141 わたしは ここに住んでもらっても 構わないよ。 161 00:11:56,149 --> 00:12:02,089 (康助) 麗華。 君は 何て 清らかなんだ。→ 162 00:12:02,155 --> 00:12:08,161 まさに マリア。 君こそ 僕の マリアだ。 163 00:12:25,178 --> 00:12:27,180 (紅子) ただいま。 164 00:12:32,185 --> 00:12:36,189 \(紅子 足音) 165 00:12:38,191 --> 00:12:41,061 ゆうべは ばあばに しかられなかったか? 166 00:12:41,128 --> 00:12:46,066 (眞一) 大丈夫。 清瀬の おじいちゃんが いてくれたから。 167 00:12:46,133 --> 00:12:49,069 (紅子) そっか。 (眞一) うん。 168 00:12:49,136 --> 00:12:55,075 (紅子) 眞一。 麗華母さんを 連れ戻してやれなくて ごめんな。 169 00:12:55,142 --> 00:12:58,078 ううん。 別に 何てことないよ。 170 00:12:58,145 --> 00:13:00,080 僕には 紅子母さんが いてくれてる。 171 00:13:00,147 --> 00:13:03,150 僕は それで いいんだからね。 172 00:13:07,154 --> 00:13:11,091 (紅子) ハァー。 やっぱり あたしじゃ→ 173 00:13:11,158 --> 00:13:14,094 眞一に ホントの笑顔を 取り戻させてやれないのかな。 174 00:13:14,161 --> 00:13:16,163 (藤堂) あきらめるのか? 175 00:13:18,165 --> 00:13:21,101 (藤堂) あきらめるなんて お前らしくないぞ。 176 00:13:21,168 --> 00:13:24,104 (紅子) 色々 考えちゃってさ。 177 00:13:24,171 --> 00:13:27,107 あたしの してきたことのせいで→ 178 00:13:27,174 --> 00:13:30,110 みんなが 不幸せに なってるんじゃないかって。 179 00:13:30,177 --> 00:13:33,113 (藤堂) 藍子ちゃん どうした? 180 00:13:33,180 --> 00:13:40,120 (紅子) ああ。 もう 会いに来てくれないかもな。 181 00:13:40,187 --> 00:13:42,055 フッ。 当然だよな。 182 00:13:42,122 --> 00:13:46,059 あたしの選択で 母さんまで 死なせてしまって→ 183 00:13:46,126 --> 00:13:49,062 藍子にも 苦労を掛けてしまった。 184 00:13:49,129 --> 00:13:55,068 全部 あたしの責任だ。 背負わなければいけない十字架だ。 185 00:13:55,135 --> 00:13:59,072 なのに また あの子の手を 離しちまった。 186 00:13:59,139 --> 00:14:03,143 (藍子)《お姉ちゃん。 行かないで お姉ちゃん》 187 00:14:05,145 --> 00:14:07,147 (藍子)《お姉ちゃん!》 188 00:14:10,150 --> 00:14:13,086 (紅子) しんどいなあ。 189 00:14:13,153 --> 00:14:17,157 何で こんなことに なっちまったのかな。 190 00:14:19,159 --> 00:14:26,099 でも 藍子が生きててくれただけで うれしい。 191 00:14:26,166 --> 00:14:29,102 もし 頼ってくれるなら→ 192 00:14:29,169 --> 00:14:35,175 何があっても 今度こそ あの子を 幸せにしてやりたい。 193 00:14:38,178 --> 00:14:42,048 (紅子) さっ。 今日も 行ってくるか。 194 00:14:42,115 --> 00:14:44,050 (藤堂) やっぱり 行くか。 195 00:14:44,117 --> 00:14:48,054 (紅子) ああ。 あたしは 麗華も あきらめない。 196 00:14:48,121 --> 00:14:52,125 あいつが 笑える日が来るまで そばにいてやりたいんだ。 197 00:14:54,127 --> 00:14:57,130 じゃあな。 行ってくる。 198 00:15:10,610 --> 00:15:13,546 (藤堂) あいつを 楽にしてやれたらな。 199 00:15:13,613 --> 00:15:16,616 \(ドアの開く音) 200 00:15:19,619 --> 00:15:23,623 藤堂さんだね。 久しぶりだね。 201 00:15:25,625 --> 00:15:27,627 (藤堂) 藍子ちゃんなのか? 202 00:15:29,629 --> 00:15:33,566 久しぶりだな。 10年ぶりだ。 よく来たな。 203 00:15:33,633 --> 00:15:37,570 >> 藤堂さんは 変わらないね。 (藤堂) いや 年を取るはずだ。 204 00:15:37,637 --> 00:15:40,573 あんなに小さかった藍子ちゃんが こんなに奇麗になってるなんてな。 205 00:15:40,640 --> 00:15:42,575 >> フフッ。 (藤堂) まあ 座ってくれ。 206 00:15:42,642 --> 00:15:45,578 あっ 真彦さんは? 今 どうしてるの? 207 00:15:45,645 --> 00:15:49,582 (藤堂) 真彦か。 真彦は 死んだよ。 208 00:15:49,649 --> 00:15:53,586 真彦さん 死んじゃったんだ。 209 00:15:53,653 --> 00:15:59,592 (藤堂) ああ。 6年前にな。 海の藻くずと消えた。 210 00:15:59,659 --> 00:16:05,598 遺体も見つからなくて 墓にも入れてやれなかったそうだ。 211 00:16:05,665 --> 00:16:07,600 そうなんだ。 212 00:16:07,667 --> 00:16:10,537 (藤堂) 俺は 戦争に行ってたから 話でしか知らないが→ 213 00:16:10,603 --> 00:16:12,539 紅子は さぞ つらかったと思う。 214 00:16:12,605 --> 00:16:15,542 でも 藍子ちゃんも 戻ってきてくれたんだ。 215 00:16:15,608 --> 00:16:18,545 あいつも 喜ぶだろう。 216 00:16:18,611 --> 00:16:21,548 藤堂さんが お姉ちゃんと 結婚したんだよね 10年前。 217 00:16:21,614 --> 00:16:25,552 (藤堂) ああ。 でも あの事件で 別れたからな。 218 00:16:25,618 --> 00:16:27,554 あいつとの 二度目の結婚は これからだ。 219 00:16:27,620 --> 00:16:30,557 これからなんだ。 220 00:16:30,623 --> 00:16:33,560 藤堂さんと お姉ちゃん 幸せになるんだ。 221 00:16:33,626 --> 00:16:38,631 (藤堂) 幸せにしてやらなきゃな。 あいつにも 色々あったからな。 222 00:16:40,633 --> 00:16:44,571 ねえ 藤堂さん。 お願いがあるんだけど。 223 00:16:44,637 --> 00:16:47,574 (藤堂) お願い? 何だい? 224 00:16:47,640 --> 00:16:50,643 (藍子) 許さない。 225 00:16:53,646 --> 00:16:56,583 許さない。 許さない。 許さない。 226 00:16:56,649 --> 00:16:59,586 許さない。 許さない。 許さない! 227 00:16:59,652 --> 00:17:01,588 あいつに 幸せなんて。 228 00:17:01,654 --> 00:17:03,656 絶対に 与えない。 229 00:17:08,661 --> 00:17:11,598 (紅子) ただいま。 230 00:17:11,664 --> 00:17:13,600 藍子! 231 00:17:13,666 --> 00:17:16,603 藤堂さんに ここで 働かせてもらうことにしたから。 232 00:17:16,669 --> 00:17:21,608 (紅子) よく 来たな。 その服 藤堂に 買ってもらったのか? 233 00:17:21,674 --> 00:17:24,611 よく似合ってる。 234 00:17:24,677 --> 00:17:27,680 お姉ちゃん。 また よろしくね。 235 00:17:32,685 --> 00:17:35,622 (紅子) こっちこそ よろしくな 藍子。 236 00:17:35,688 --> 00:17:39,692 もう 絶対 お前を離さないからな。 237 00:17:44,697 --> 00:17:48,635 >> 藍子ちゃんが 生きてた? (紅子) ああ。 今 別邸にいる。 238 00:17:48,701 --> 00:17:52,639 これからは あいつのことを 守ってやりたい。 239 00:17:52,705 --> 00:17:57,644 そうね。 血は つながらなくても 姉妹だものね。 240 00:17:57,710 --> 00:18:03,650 (紅子) なあ 麗華。 子供を産むって どんな感じだ? 241 00:18:03,716 --> 00:18:05,652 (麗華) えっ? 242 00:18:05,718 --> 00:18:07,654 (紅子) あたしは 子供を産んだことないからさ→ 243 00:18:07,720 --> 00:18:09,656 よく 分かんねえんだよな。 244 00:18:09,722 --> 00:18:14,594 血が つながってるとか つながってないとかいうことがさ。 245 00:18:14,661 --> 00:18:18,598 おなかの中で ミツおばあさまが きせるを振り回してる感じ。 246 00:18:18,665 --> 00:18:20,600 (ミツ)《何やってる お前は!》→ 247 00:18:20,667 --> 00:18:22,602 《お前だなあ?》→ 248 00:18:22,669 --> 00:18:24,604 《お前か!》 249 00:18:24,671 --> 00:18:26,606 (紅子) はあ? 250 00:18:26,673 --> 00:18:31,611 あの子を産むとき ホントに 死ぬかと思うくらい 痛かったわ。 251 00:18:31,678 --> 00:18:34,614 いっそ 殺してって 何度も思ったもの。 252 00:18:34,681 --> 00:18:39,619 でもね 生まれてきてくれた あの子の顔を 見た途端→ 253 00:18:39,686 --> 00:18:41,621 全部 すっ飛んじゃった。 254 00:18:41,688 --> 00:18:46,626 わたしは この子に出会うために 生まれてきた。 そう 思った。 255 00:18:46,693 --> 00:18:49,629 (紅子) 麗華。 256 00:18:49,696 --> 00:18:53,633 だから あの子には 誰よりも 幸せになってほしいの。 257 00:18:53,700 --> 00:18:57,704 それだけが わたしの望みなの。 258 00:19:02,709 --> 00:19:08,648 (千鶴) 眞一。 もう二度と 娼館に行っちゃ 駄目だよ。 259 00:19:08,715 --> 00:19:12,585 ばあばと 約束してちょうだい。 もう 絶対に行かないって。→ 260 00:19:12,652 --> 00:19:16,589 ばあばには 眞一だけなの。 261 00:19:16,656 --> 00:19:18,591 うん。 262 00:19:18,658 --> 00:19:20,660 (千鶴) さっ 寝よう。 263 00:19:41,681 --> 00:19:44,617 (麗華)《わたしは この子に 出会うために 生まれてきた》 264 00:19:44,684 --> 00:19:46,619 《そう 思った》 265 00:19:46,686 --> 00:19:50,623 《だから あの子には 誰よりも 幸せになってほしいの》 266 00:19:50,690 --> 00:19:54,627 (麗華)《それだけが わたしの望みなの》 267 00:19:54,694 --> 00:19:58,631 \(藍子) わたしが やるわ。 疲れてるんでしょう? 268 00:19:58,698 --> 00:20:00,633 (紅子) 藍子…。 269 00:20:00,700 --> 00:20:03,636 千鶴さんが 少しは 休ませてやれって。 270 00:20:03,703 --> 00:20:05,638 ちょっとでも 横になれば。 271 00:20:05,705 --> 00:20:10,643 (紅子) 悪いな 藍子。 じゃあ ちょっと休ませてもらうな。 272 00:20:20,653 --> 00:20:22,589 (千鶴) 何て人だろうね。→ 273 00:20:22,655 --> 00:20:28,595 自分のせいで 苦労させた妹だろ。 なのに 自分は 寝転んで。→ 274 00:20:28,661 --> 00:20:31,598 何やってるんだい。 何て 姉だい! 275 00:20:31,664 --> 00:20:33,600 (藍子) お姉ちゃんを 責めないでください。 276 00:20:33,666 --> 00:20:35,602 こんなこと 何てことないんです。 277 00:20:35,668 --> 00:20:37,604 今までの苦労に比べたら→ 278 00:20:37,670 --> 00:20:40,607 洗濯物干しなんて 何てことないの。 279 00:20:40,673 --> 00:20:42,609 わたしは ここで お姉ちゃんに 働かせてもらってるだけで→ 280 00:20:42,675 --> 00:20:47,614 うれしいんです。 感謝してるんです。 281 00:20:47,680 --> 00:20:49,616 (藤堂) 子供たちが いないみたいだけど どっかに行ったのか? 282 00:20:49,682 --> 00:20:52,619 (藍子) 千鶴さんが 外に 遊びに 連れて出たみたい。 283 00:20:52,685 --> 00:20:55,622 (藤堂) そっか。 これ 子供たちに お土産な。 284 00:20:55,688 --> 00:20:58,625 (藍子) ありがとう。 285 00:20:58,691 --> 00:21:01,628 (藤堂) 紅子は? まだ いるんだろ? 286 00:21:01,694 --> 00:21:03,630 奥で 休んでるわ。 287 00:21:03,696 --> 00:21:07,634 (藤堂) そっか。 あいつも 昼も夜も 働いて 疲れてるからな。 288 00:21:07,700 --> 00:21:11,571 休めるときには 休んだ方がいい。 289 00:21:11,638 --> 00:21:17,577 藤堂さんも よく許してるよね。 娼婦になった あの人を。 290 00:21:17,644 --> 00:21:19,579 お姉ちゃんも お姉ちゃんよ。 291 00:21:19,646 --> 00:21:22,582 もうすぐ結婚する 婚約者が いるっていうのに。 292 00:21:22,649 --> 00:21:25,652 藤堂さんが かわいそうだわ。 293 00:21:27,654 --> 00:21:29,589 (藤堂) どうした? 藍子ちゃん。 294 00:21:29,656 --> 00:21:35,595 わたし… わたし 藤堂さんが好きなの。 295 00:21:35,662 --> 00:21:39,599 だから お姉ちゃんに裏切られてる 藤堂さんを 見てるのが つらいの。 296 00:21:39,666 --> 00:21:41,668 (藤堂) 藍子ちゃん…。 297 00:21:43,670 --> 00:21:45,672 ハッ。