1 00:00:03,916 --> 00:00:05,935 した。 こうした処分案は、 2 00:00:05,935 --> 00:00:09,688 あす開かれる日本ボクシング連盟 の理事会で承認され、今後、 3 00:00:09,688 --> 00:00:11,724 総会で審議されたうえで、 4 00:00:13,375 --> 00:00:17,129 来年2月に正式に決まる見通しで す。 5 00:00:33,979 --> 00:00:36,715 (小夏)あの夜 本当は何があったの? 6 00:00:36,715 --> 00:00:39,618 (萬月)四国でやった 菊比古 助六の落語会が➡ 7 00:00:39,618 --> 00:00:41,587 フィルムで残ってるそうなんだ。 8 00:00:41,587 --> 00:00:45,724 (八雲)「仏壇のお線香が 今…➡ 9 00:00:45,724 --> 00:00:48,627 たちきりました」。 10 00:00:48,627 --> 00:00:51,597 (与太郎)師匠! (小夏)オッサン! 11 00:00:51,597 --> 00:01:10,749 ♬~ 12 00:01:10,749 --> 00:01:13,419 (松田)ああ… やっぱり➡ 13 00:01:13,419 --> 00:01:17,089 師匠を待ってからの方が よろしいかと。 14 00:01:17,089 --> 00:01:21,961 でも 師匠には そんなもの捨てろって 言われたんでしょ? ああ…。 15 00:01:21,961 --> 00:01:27,433 師匠は 今日 退院 あと2時間もしたら 迎えに行かなきゃなんねえ。 16 00:01:27,433 --> 00:01:32,133 ないしょで見るなら 今しかねえ。 どうする アネさん。 17 00:01:33,706 --> 00:01:37,706 私は… 見たい。 18 00:01:57,396 --> 00:02:02,067 (拍手) 19 00:02:02,067 --> 00:02:05,938 え~ 本日は いっぱいの お運び様で。 20 00:02:05,938 --> 00:02:11,410 師匠 若ぇ! 声も若ぇなぁ…! 21 00:02:11,410 --> 00:02:16,081 あ~ お懐かしい…。 ちょっと 静かに! 22 00:02:16,081 --> 00:02:19,752 男と生まれて 世の中に ご婦人が嫌いなんてえ方は➡ 23 00:02:19,752 --> 00:02:21,687 一人もないんだそうで。 24 00:02:21,687 --> 00:02:26,091 「ばあさん 倅はどうしました 時次郎は?➡ 25 00:02:26,091 --> 00:02:29,762 出かけてます? あ こりゃよかった。➡ 26 00:02:29,762 --> 00:02:34,033 まっ青な顔してな ひと間に閉じこもって 本ばかり読んでたんじゃ➡ 27 00:02:34,033 --> 00:02:38,733 かえって こっちは…。 帰ってきた?」。 28 00:02:44,376 --> 00:02:48,714 (看護師)あら お迎えが いらっしゃるんじゃ? 29 00:02:48,714 --> 00:02:52,014 お世話になりました。 30 00:03:01,060 --> 00:03:03,962 「あっしは先に帰りますから」。 31 00:03:03,962 --> 00:03:08,934 「あなた方 帰れるもんなら 帰ってごらんなさい。➡ 32 00:03:08,934 --> 00:03:12,671 大門で止められますから」。 33 00:03:12,671 --> 00:03:15,607 (客の笑い声と拍手) 34 00:03:15,607 --> 00:03:19,411 こんなに楽しそうに…。 35 00:03:19,411 --> 00:03:25,111 こんなに楽しそうに落語やってる師匠 初めて見たぜ。 36 00:03:31,423 --> 00:03:40,232 (拍手) 37 00:03:40,232 --> 00:03:44,703 あの扇子 倒れた時に持ってた…。 38 00:03:44,703 --> 00:03:50,042 (拍手) 39 00:03:50,042 --> 00:03:53,912 (助六)え~ たくさんの お運びで。 40 00:03:53,912 --> 00:03:56,915 まあ こんなシャンとした格好も…。 41 00:03:56,915 --> 00:04:01,653 助六師匠 八雲の羽織 着てらぁ。 なに? 42 00:04:01,653 --> 00:04:06,058 あれは 替え紋で 八雲しか着らんねぇ。 43 00:04:06,058 --> 00:04:08,961 あたしゃ 東京で 噺家を やっておりましてね。 44 00:04:08,961 --> 00:04:11,730 あら 見える? 見えない? 45 00:04:11,730 --> 00:04:15,430 まあ どっちにしろ 気分は悪ぃもんでね。 46 00:04:23,742 --> 00:04:30,082 東京は芝の浜に まだ河岸がございました時分のお話で…。 47 00:04:30,082 --> 00:04:34,686 助六の芝浜なんて 聞いたことないぜ。 48 00:04:34,686 --> 00:04:36,622 「お前さん」。 49 00:04:36,622 --> 00:04:41,622 オイラ… これ知ってる。 50 00:04:43,362 --> 00:04:49,701 東京は芝の浜に まだ河岸がございました時分のお話で…。 51 00:04:49,701 --> 00:04:56,575 「ちょいと お前さん 起きとくれよ。 お前さん。➡ 52 00:04:56,575 --> 00:04:59,044 お財布かい?」。 53 00:04:59,044 --> 00:05:02,044 「芝の浜で拾ったんだい」。 54 00:05:03,715 --> 00:05:06,015 師匠…。 55 00:05:10,589 --> 00:05:13,725 「本当に いいんだな?」。 56 00:05:13,725 --> 00:05:20,065 ♬~ 57 00:05:20,065 --> 00:05:22,401 「よそう」。 58 00:05:22,401 --> 00:05:25,070 「呑まないのかい?」。 59 00:05:25,070 --> 00:05:29,070 「また 夢になるといけねえ」。 60 00:05:30,742 --> 00:05:32,678 (拍手) 61 00:05:32,678 --> 00:05:37,349 (萬月)名演だ! 奇跡みたいな高座だ! 62 00:05:37,349 --> 00:05:40,252 (小夏)父ちゃん 日本一! 63 00:05:40,252 --> 00:05:52,898 ♬~ (拍手) 64 00:05:52,898 --> 00:05:55,701 私…? 65 00:05:55,701 --> 00:06:10,716 ♬~ (拍手) 66 00:06:10,716 --> 00:06:24,263 ♬~ 67 00:06:24,263 --> 00:06:28,267 助六師匠は…➡ 68 00:06:28,267 --> 00:06:32,567 本当に幸せだったんだなぁ。 69 00:06:34,673 --> 00:06:39,973 みよ吉さんと アネさんと過ごした 数年間がさ。 70 00:06:43,015 --> 00:06:49,688 じゃなきゃ こんな落語は できねえ。 71 00:06:49,688 --> 00:06:55,560 (萬月)だけど この夜に 助六師匠と みよ吉さんは…。 72 00:06:55,560 --> 00:06:58,697 何があったか分からねえ…。 73 00:06:58,697 --> 00:07:03,997 けど… オイラにしか 分からねえことがある。 74 00:07:05,570 --> 00:07:11,710 この高座 途中で 助六師匠は➡ 75 00:07:11,710 --> 00:07:16,581 遠くの方を見て… 何かに気付いた。 76 00:07:16,581 --> 00:07:20,719 まあ どっちにしろ 気分は悪ぃもんでね。 77 00:07:20,719 --> 00:07:23,719 みよ吉さんが居たんだ…。 78 00:07:25,390 --> 00:07:28,060 オイラには分かる。 79 00:07:28,060 --> 00:07:39,671 ♬~ 80 00:07:39,671 --> 00:07:44,009 え~ 東京は芝の浜に…。 81 00:07:44,009 --> 00:07:51,883 ♬~ 82 00:07:51,883 --> 00:07:55,020 東京は芝の浜に…。 83 00:07:55,020 --> 00:08:01,360 「俺が 甲斐性がねえばかりに おめえに つれえ思いさしたなぁ。➡ 84 00:08:01,360 --> 00:08:06,698 俺が馬鹿だった。 おめえは悪くねえよ。➡ 85 00:08:06,698 --> 00:08:10,035 俺が悪かった。➡ 86 00:08:10,035 --> 00:08:13,335 勘弁してくれ…」。 87 00:08:22,614 --> 00:08:26,614 そろそろ 師匠を お迎えに。 88 00:08:30,055 --> 00:08:33,055 思い出した。 89 00:08:35,861 --> 00:08:43,161 私 思い出した… あの夜のこと。 90 00:09:04,689 --> 00:09:12,389 お前さんも よぅく頑張ったねぇ。 91 00:09:20,238 --> 00:09:58,877 ♬~ 92 00:09:58,877 --> 00:10:07,018 最後に一席 つきあっとくれるかい…。 93 00:10:07,018 --> 00:10:10,889 どこまで やれるか…。 94 00:10:10,889 --> 00:10:29,040 ♬~ 95 00:10:29,040 --> 00:10:36,381 「やだ やだ 弱っちゃったなぁ どうも。➡ 96 00:10:36,381 --> 00:10:41,052 仕事はねえ 銭はねえから➡ 97 00:10:41,052 --> 00:10:46,752 借金まみれでもって にっちもさっちもいかねえや」。 98 00:10:48,393 --> 00:10:52,264 「おせえてやろうか」。 99 00:10:52,264 --> 00:10:55,264 「なんだい てめえは」。 100 00:10:58,403 --> 00:11:02,741 「死神だよ」。 101 00:11:02,741 --> 00:11:06,611 「ありがてえ 寝ちまえ…」。 102 00:11:06,611 --> 00:11:10,615 「ありがてえ 寝ちまえ 寝ちまえよ」。 103 00:11:10,615 --> 00:11:15,754 祈るように見ておりますと 頭が がくんと前に下がりましたんで➡ 104 00:11:15,754 --> 00:11:17,689 ここだなっ 目配せをする。 105 00:11:17,689 --> 00:11:20,625 膝をぽ~んって打ちますってえと 布団が半分 くるっと回る。 106 00:11:20,625 --> 00:11:23,628 頭だった方に足 足だった方に頭。 あじゃらかもくれん…。 107 00:11:23,628 --> 00:11:29,301 あじゃらかもくれん てけれっつのぱあ。 108 00:11:29,301 --> 00:11:32,001 (手をたたく音) 109 00:11:33,705 --> 00:11:38,376 死神が ハッと気づくってえと➡ 110 00:11:38,376 --> 00:11:43,248 てめえが 足元に おりますんで。 111 00:11:43,248 --> 00:11:46,248 「ぎゃああああ…」。 112 00:11:49,020 --> 00:11:54,726 そのまんま す~っと消えてしまう。 113 00:11:54,726 --> 00:12:01,399 「勘弁してくれ 死にたくねえ」。 114 00:12:01,399 --> 00:12:04,699 「みっともねえ野郎だ」。 115 00:12:08,740 --> 00:12:12,077 「これを お前に やらあ」。 116 00:12:12,077 --> 00:12:22,721 「今にも消えそうな命の火を こっちに つなぐことができりゃ➡ 117 00:12:22,721 --> 00:12:29,421 今度 これが おめえの寿命だ」。 118 00:12:31,429 --> 00:12:37,429 「ただ 消えると死ぬぞ」。 119 00:12:41,706 --> 00:12:45,406 「やってやろうじゃねえか」。 120 00:12:49,047 --> 00:12:55,047 「こんなところで 死んでたまるかってんだい」。 121 00:12:56,921 --> 00:13:02,921 「消えるぞ 消えるぞ」。 122 00:13:05,063 --> 00:13:10,735 「ほら ほら…➡ 123 00:13:10,735 --> 00:13:17,735 ほ~ら… ほら」。 124 00:13:20,412 --> 00:13:23,712 「消えた」。 125 00:13:33,358 --> 00:13:38,229 (拍手) 126 00:13:38,229 --> 00:13:40,929 イヨッ 八代目! 127 00:13:44,002 --> 00:13:47,372 どうして しゃべってんだい…。 128 00:13:47,372 --> 00:13:50,372 おっ 聞こえてんのかい? 129 00:13:52,711 --> 00:13:56,711 坊 いい「死神」だったぜ。 130 00:13:58,583 --> 00:14:02,721 声が出ねえんだ…。 131 00:14:02,721 --> 00:14:07,592 一席やるだけで クタクタ…。 132 00:14:07,592 --> 00:14:11,730 舌も回らねえ。 133 00:14:11,730 --> 00:14:19,730 アタシぁ… 落語を 道連れにしようとしてるんだよ。 134 00:14:22,073 --> 00:14:25,410 …にしちゃ 詰めが甘ぇな。 135 00:14:25,410 --> 00:14:31,282 小夏 与太郎 松田さんに 信之助…。 136 00:14:31,282 --> 00:14:37,582 情に ほだされる。 それが おめえさんの一番深ぇ業だ。 137 00:14:43,695 --> 00:14:48,366 最後ぐれえ…➡ 138 00:14:48,366 --> 00:14:52,366 手前で きっちり落とし前つけな。 139 00:14:54,038 --> 00:14:57,038 未練を断ち切れ。 140 00:14:59,377 --> 00:15:03,047 これが おめえの望みなんだろ。 141 00:15:03,047 --> 00:15:27,071 ♬~ 142 00:15:27,071 --> 00:15:29,741 怖ぇか? 143 00:15:29,741 --> 00:15:36,347 ♬~ 144 00:15:36,347 --> 00:15:41,647 死ぬってのは こういうもんだ…。 145 00:15:43,221 --> 00:15:49,894 お前は… 死神。 146 00:15:49,894 --> 00:15:59,037 ♬~ 147 00:15:59,037 --> 00:16:04,909 ようやく… お会いできた…。 148 00:16:04,909 --> 00:16:37,675 ♬~ 149 00:16:37,675 --> 00:16:39,975 ≪師匠! 150 00:16:44,349 --> 00:16:47,649 師匠! オッサン! 151 00:16:50,021 --> 00:16:52,357 師匠! 152 00:16:52,357 --> 00:16:56,694 嫌だ… 死にたくねえ…。 153 00:16:56,694 --> 00:16:59,694 師匠 早く つかまって! 154 00:17:11,042 --> 00:17:17,342 <アタシには まだ 伝えなきゃならねえことが…> 155 00:17:31,362 --> 00:17:34,362 (小夏)思い出したの…。 156 00:17:36,000 --> 00:17:41,673 私 あの夜 松田さんと一緒に➡ 157 00:17:41,673 --> 00:17:45,673 あの部屋に行ったよね? 158 00:17:53,017 --> 00:17:56,354 事故だったんだよ…。 159 00:17:56,354 --> 00:18:00,654 (みよ吉)菊さん… 私と一緒に逃げて…。 160 00:18:02,694 --> 00:18:05,694 じゃなかったら…。 161 00:18:09,367 --> 00:18:11,667 お前 それ…。 162 00:18:13,237 --> 00:18:15,237 よせ! 163 00:18:18,710 --> 00:18:21,613 (みよ吉)ああ…! 助六…! 164 00:18:21,613 --> 00:18:24,382 助六! 165 00:18:24,382 --> 00:18:28,082 ごめん… ごめんよ…。 166 00:18:31,723 --> 00:18:35,593 その子を どこかへ! 大した傷じゃねえはずだ! 167 00:18:35,593 --> 00:18:39,330 なんでもない ただの事故なんだ! 168 00:18:39,330 --> 00:18:43,201 ごめんなさい… そんなつもりじゃ…。 169 00:18:43,201 --> 00:18:45,501 助六! 170 00:18:48,339 --> 00:18:53,639 父ちゃん… 父ちゃん…。 171 00:18:56,214 --> 00:18:58,514 なんで…? 172 00:19:00,351 --> 00:19:03,254 小夏…。 173 00:19:03,254 --> 00:19:08,026 ごめんね… 許して! 174 00:19:08,026 --> 00:19:12,897 嫌だぁ! 父ちゃんを返せ! 175 00:19:12,897 --> 00:19:15,900 バカ! バカー! 176 00:19:15,900 --> 00:19:17,900 小夏 よせっ! 177 00:19:25,576 --> 00:19:30,048 私が 母さんを突き飛ばした…。 178 00:19:30,048 --> 00:19:34,748 私が落とした… そうだね? 179 00:19:40,658 --> 00:19:46,531 その記憶を失ってて アンタのせいにしてた…。➡ 180 00:19:46,531 --> 00:19:52,531 なのに アンタ 私に思い出させないために ずっと今まで…。 181 00:19:54,205 --> 00:19:57,675 私は 母さんに疎まれてた。 182 00:19:57,675 --> 00:20:02,013 母さんは 私なんか 産まなきゃよかったと思ってた。 183 00:20:02,013 --> 00:20:05,883 だから 私も 母さんを憎んだ。 184 00:20:05,883 --> 00:20:10,883 それで 母さんを殺して… そうなんでしょ? 185 00:20:12,657 --> 00:20:17,562 嫌なら産まなきゃよかったんだ 子供なんか… 私なんか。 186 00:20:17,562 --> 00:20:20,562 そうじゃない。 187 00:20:27,705 --> 00:20:36,005 お前さんが あの夜のことを 思い出せなかったのは…。 188 00:20:38,049 --> 00:20:42,920 記憶が飛んじまったのは…➡ 189 00:20:42,920 --> 00:20:47,620 お前さんも気を失ってたからなんだ。 190 00:20:50,061 --> 00:20:53,761 一緒に落ちたからなんだよ。 191 00:20:55,733 --> 00:20:57,733 小夏! 192 00:20:59,604 --> 00:21:02,073 助六! 193 00:21:02,073 --> 00:21:15,419 ♬~ 194 00:21:15,419 --> 00:21:19,757 アンタ 小夏を お願い…! 195 00:21:19,757 --> 00:21:23,628 私はいい! この子を…➡ 196 00:21:23,628 --> 00:21:27,431 小夏だけは助けて! お願い! 197 00:21:27,431 --> 00:21:31,102 ああ…! 小夏を坊に渡せ! 198 00:21:31,102 --> 00:21:34,372 坊 頼む…! 199 00:21:34,372 --> 00:21:44,382 ♬~ 200 00:21:44,382 --> 00:21:49,053 片手じゃ無理だ! はなせ! 201 00:21:49,053 --> 00:21:51,722 嫌だ…! 202 00:21:51,722 --> 00:21:55,022 なら アタシも連れてけ! ダメだ! 203 00:21:57,061 --> 00:22:00,932 小夏… ごめん…。➡ 204 00:22:00,932 --> 00:22:03,232 ごめんね…。 205 00:22:06,404 --> 00:22:09,104 頼んだよ…。 206 00:22:12,076 --> 00:22:15,947 やめろ… やめろ…。 207 00:22:15,947 --> 00:22:19,947 やめろ…! やめ…。 208 00:22:24,655 --> 00:22:26,955 あぁ~! 209 00:22:46,911 --> 00:22:51,911 父ちゃんと母さんが 私を…。 210 00:22:53,684 --> 00:22:58,984 お嬢さんも 同じことを おっしゃったんですよ…。 211 00:23:02,059 --> 00:23:04,359 信之助…? 212 00:23:06,397 --> 00:23:10,067 [ 回想 ] (小夏)私はいい! お願い➡ 213 00:23:10,067 --> 00:23:13,767 この子を… この子だけは助けてっ! 214 00:23:15,406 --> 00:23:19,076 [ 回想 ] (みよ吉)私はいい! この子を…➡ 215 00:23:19,076 --> 00:23:23,076 小夏だけは助けて… お願い! 216 00:23:26,417 --> 00:23:29,417 お母ちゃん…。 217 00:23:40,698 --> 00:23:43,698 松田さん。 218 00:23:48,039 --> 00:23:52,339 長い間 すまなかったね。 219 00:24:16,067 --> 00:24:26,711 ♬~ 220 00:24:26,711 --> 00:24:32,016 うれしいよなぁ 息子が通う小学校から頼まれるなんて。 221 00:24:32,016 --> 00:24:35,686 頑張ろうね。 おう。 222 00:24:35,686 --> 00:24:38,589 師匠も来れりゃよかったんだけど。 223 00:24:38,589 --> 00:24:44,695 本当は入院してなきゃいけない体なんだ。 当分は出かけるのもダメ。 224 00:24:44,695 --> 00:24:46,630 よし! 225 00:24:46,630 --> 00:24:52,570 ♬~(出囃子) 226 00:24:52,570 --> 00:24:55,706 や~! (拍手と歓声) 227 00:24:55,706 --> 00:24:57,641 どうも~! 228 00:24:57,641 --> 00:25:02,046 ♬~ (拍手) 229 00:25:02,046 --> 00:25:05,716 みんな 元気? (子供たち)元気! 230 00:25:05,716 --> 00:25:09,587 そこにいる信ちゃんの お父ちゃんです! よろしく! 231 00:25:09,587 --> 00:25:11,589 (拍手) 232 00:25:11,589 --> 00:25:15,726 今日はね~ みんなの大好きな アレをやろうと思います。 233 00:25:15,726 --> 00:25:17,661 (子供たち)アレ? 234 00:25:17,661 --> 00:25:20,598 じゅげむ! 聞きたい人! (子供たち)は~い! 235 00:25:20,598 --> 00:25:26,070 あ~ いい返事! こんな いいお客には めったに会えません。 236 00:25:26,070 --> 00:25:30,408 あっ じゃあ 落語の前に みんなで大きな声で➡ 237 00:25:30,408 --> 00:25:34,278 じゅげむの練習をしましょう! さんはい! 238 00:25:34,278 --> 00:25:37,681 (一同)寿限無 寿限無…。 あおるねぇ。 239 00:25:37,681 --> 00:25:44,555 (子供たち)五劫の擦り切れ 海砂利水魚の水行末。 240 00:25:44,555 --> 00:25:47,358 よくできました~! 241 00:25:47,358 --> 00:25:51,695 では 少々お待ち下さい。 次は いよいよ じゅげむです! 242 00:25:51,695 --> 00:25:55,395 (拍手) 243 00:25:58,035 --> 00:26:00,371 えっ… なに? 244 00:26:00,371 --> 00:26:03,040 アネさん 落語やってこい! はぁ? 245 00:26:03,040 --> 00:26:05,709 ここなら いける! 何が! 246 00:26:05,709 --> 00:26:10,047 こんな上客 めったにいねえ 何やっても笑うもん! なっ! 247 00:26:10,047 --> 00:26:12,716 だけど…。 いいから いいから! 248 00:26:12,716 --> 00:26:16,387 ちょっと! やめてよ! いいから! 早く! 249 00:26:16,387 --> 00:26:18,687 ほい。 250 00:26:37,675 --> 00:26:41,345 ♬~(出囃子) 251 00:26:41,345 --> 00:26:52,690 ♬~(出囃子) (拍手) 252 00:26:52,690 --> 00:26:56,360 (拍手) 253 00:26:56,360 --> 00:27:03,033 え… どうも… 出番 代わりまして 信ちゃんの母でございます。 254 00:27:03,033 --> 00:27:07,033 (拍手) 頑張れ~! 255 00:27:09,707 --> 00:27:14,578 え~ 名前というのは大事なもんで 子供が生まれる 名前をつける。 256 00:27:14,578 --> 00:27:17,581 どういうふうに 名前をつけようかなんてえのは➡ 257 00:27:17,581 --> 00:27:22,052 いつの時代になっても 頭を悩ますというところでございまして。 258 00:27:22,052 --> 00:27:26,924 「こんちはあ 和尚さんいますか 和尚さん こんちはあ」。 259 00:27:26,924 --> 00:27:32,997 「はいはい お~ 八っつぁんじゃないか 珍しいな なんか用かい」。 260 00:27:32,997 --> 00:27:38,335 「おはよお~ 寿~限無 寿限無 五劫の擦り切れ」。 261 00:27:38,335 --> 00:27:41,005 「何だい 何だい それじゃ 何かい➡ 262 00:27:41,005 --> 00:27:45,676 うちの 寿限無 寿限無 五劫の擦り切れ 海砂利水魚の水行末 雲来末 風来末➡ 263 00:27:45,676 --> 00:27:48,579 食う寝る処に住む処 藪ら柑子のブラ柑子➡ 264 00:27:48,579 --> 00:27:51,348 パイポ パイポ パイポのシューリンガン グーリンダイ➡ 265 00:27:51,348 --> 00:27:54,251 ポンポコピーのポンポコナーの 長久命の長助が➡ 266 00:27:54,251 --> 00:27:57,221 金ちゃんの頭ぶって 大きなコブをこしらえたんだって。➡ 267 00:27:57,221 --> 00:27:59,223 お前さん ちょいと来ておくれ!」。 268 00:27:59,223 --> 00:28:01,358 「何だい 何だい それじゃ 何かい➡ 269 00:28:01,358 --> 00:28:06,230 うちの 寿限無 寿限無 五劫の擦り切れ 海砂利水魚の水行末 雲来末 風来末➡ 270 00:28:06,230 --> 00:28:10,034 食う寝る処に住む処 藪ら柑子のブラ柑子」。 271 00:28:10,034 --> 00:28:15,906 「ええ~ん あんまり名前が長いから コブが引っ込んじゃった」。 272 00:28:15,906 --> 00:28:18,709 (笑い声) 273 00:28:18,709 --> 00:28:21,378 (拍手) 274 00:28:21,378 --> 00:28:24,281 よっ 日本一! 275 00:28:24,281 --> 00:28:34,658 ♬~ (拍手) 276 00:28:34,658 --> 00:28:37,561 アネさん! バッチシ! 277 00:28:37,561 --> 00:28:40,998 どうしよ… 人前で 落語やっちゃったよ。 278 00:28:40,998 --> 00:28:43,698 楽しいべ 落語! 279 00:28:46,870 --> 00:28:48,870 おっ…。 280 00:28:52,009 --> 00:28:56,009 (小夏)言わなきゃいけないこと あるんだ。 281 00:28:57,881 --> 00:29:02,019 (小夏)いつ言おう いつ言おうって。 282 00:29:02,019 --> 00:29:04,319 えっ? 283 00:29:07,891 --> 00:29:11,891 あかんぼ… できた。 284 00:29:14,031 --> 00:29:17,031 アンタの子だよ。 285 00:29:20,904 --> 00:29:26,043 アネさ~ん! よかったなぁ…。 286 00:29:26,043 --> 00:29:30,743 家族が増えるんだから しっかりおしよ! 287 00:29:32,316 --> 00:29:35,653 うん… うん…。 288 00:29:35,653 --> 00:29:37,953 アネさ…。 もういい! 289 00:29:47,998 --> 00:29:52,998 起きてて平気? ああ。 290 00:29:56,340 --> 00:30:02,640 そのラジオは何なんでぇ…。 このあと 与太が出るんだよ。 291 00:30:04,682 --> 00:30:07,351 そうかい。 292 00:30:07,351 --> 00:30:11,051 髪ボサボサ。 櫛 やる? 293 00:30:29,039 --> 00:30:35,913 小さいころ 一度だけ 散髪してもらったことあったね。 294 00:30:35,913 --> 00:30:38,913 そうだったねぇ。 295 00:30:41,051 --> 00:30:45,723 他にも いろいろ してやりゃあよかったことが➡ 296 00:30:45,723 --> 00:30:49,059 たくさん あらぁな。 297 00:30:49,059 --> 00:30:53,397 こうして ぼんやり過ごしていると➡ 298 00:30:53,397 --> 00:30:59,069 そういうことばっかに気がいくんだ。 299 00:30:59,069 --> 00:31:02,769 落語以外のことに。 300 00:31:05,743 --> 00:31:09,079 落語は もうおしまい? 301 00:31:09,079 --> 00:31:12,950 もう怖くてね。 302 00:31:12,950 --> 00:31:17,250 怖いって 母さんのこと? 303 00:31:19,089 --> 00:31:22,960 そうじゃない。 304 00:31:22,960 --> 00:31:32,636 みよ吉さんは アタシと居る時は たいそう優しかったよ…。 305 00:31:32,636 --> 00:31:40,711 あの人には 女の人の酸いも甘いも➡ 306 00:31:40,711 --> 00:31:48,011 ぬくもりも冷たさも みぃんな教わった…。 307 00:31:50,053 --> 00:31:54,053 魅力的な人だったよ。 308 00:31:59,730 --> 00:32:05,602 落語を与えてくれたのは 助六さ…。 309 00:32:05,602 --> 00:32:11,074 アタシの味気ない人生に➡ 310 00:32:11,074 --> 00:32:16,074 色を与えてくれた二人…。 311 00:32:18,949 --> 00:32:24,649 永遠に手が届かない二人…。 312 00:32:35,265 --> 00:32:41,565 私が居なけりゃ そんなに苦しまなかった? 313 00:32:47,377 --> 00:32:51,715 お前さんのおかげで➡ 314 00:32:51,715 --> 00:32:57,015 後悔してる暇なんざ なかったよ。 315 00:32:59,056 --> 00:33:08,398 子供ってのは 本当に 毎日 毎日 せわしなくて➡ 316 00:33:08,398 --> 00:33:13,698 いくら眺めてたって 飽きねぇんだ。 317 00:33:16,273 --> 00:33:20,273 なんてぇ顔してるんだい。 318 00:33:22,946 --> 00:33:26,946 そんな目で見ないでおくれ…。 319 00:33:48,372 --> 00:33:55,072 見捨てないで 育ててくれて ありがとう。 320 00:33:56,713 --> 00:33:59,413 アイヨ。 321 00:34:14,731 --> 00:34:18,602 「よくこの趣味道楽なんてえことを 申しますが。➡ 322 00:34:18,602 --> 00:34:23,073 中でこの 釣りが趣味だという方 こりゃあ大勢いらっしゃいます。➡ 323 00:34:23,073 --> 00:34:27,945 『おお~う! 開けてくれ 開けてくれい! 先生!』」。 324 00:34:27,945 --> 00:34:32,349 ずいぶん威勢のよすぎる 八っつぁんだねぇ。 325 00:34:32,349 --> 00:34:37,688 与太の野ざらし おっかしいのよ。 どこまでもバカバカしくってさ。 326 00:34:37,688 --> 00:34:41,358 「『待ちな 待ちな そうドンドン叩いちゃいかん。➡ 327 00:34:41,358 --> 00:34:43,293 ご近所に迷惑だ』。➡ 328 00:34:43,293 --> 00:34:46,229 『…んわ~!』」。 (2人の笑い声) 329 00:34:46,229 --> 00:34:49,232 「『うちの戸は やわに出来てんだから➡ 330 00:34:49,232 --> 00:34:51,702 そんなに 戸を ドンドン ドンドン』。➡ 331 00:34:51,702 --> 00:34:55,038 『方への葦が ガサガサガサー。 カラスが す~っと出てくりゃ➡ 332 00:34:55,038 --> 00:34:56,974 こっちのもんなんだよ』」。 333 00:34:56,974 --> 00:35:00,711 ♬「鐘が」 信之助! 334 00:35:00,711 --> 00:35:04,047 じいじが お花見したいって言ってたもん。 335 00:35:04,047 --> 00:35:09,920 信之助 もっとやんな。 きれいだねぇ! 336 00:35:09,920 --> 00:35:13,056 うん! も~っと集めてくる! 337 00:35:13,056 --> 00:35:16,927 ♬「ほら すちゃらかちゃん ほら すちゃらかちゃん」 338 00:35:16,927 --> 00:35:21,398 「『何があったか知りませんけど 気をしっかり持たないといけません』」。 339 00:35:21,398 --> 00:35:24,398 お願いがあるんだけど。 340 00:35:26,737 --> 00:35:33,037 私のこと… 弟子にして下さい。 341 00:35:35,345 --> 00:35:40,017 そんな格好で言うやつがあるかい。 342 00:35:40,017 --> 00:35:43,017 いいのね? 343 00:35:46,356 --> 00:35:49,026 ハイ。 344 00:35:49,026 --> 00:35:51,695 やった。 345 00:35:51,695 --> 00:36:04,995 (ラジオから聞こえる与太郎の落語) 346 00:36:34,271 --> 00:36:38,675 遅かったねぇ! 待ちくたびれたぜ。 347 00:36:38,675 --> 00:36:41,675 ようこそ 冥土へ! 348 00:36:43,346 --> 00:36:48,685 ここは…? いろいろと ふに落ちねえだろうけど➡ 349 00:36:48,685 --> 00:36:54,024 手っとり早く言やあ おめさんは死んだんだ。 350 00:36:54,024 --> 00:36:56,693 死んだ…? 351 00:36:56,693 --> 00:37:02,032 まさか…!? アタシは 自分んちの縁側で…➡ 352 00:37:02,032 --> 00:37:07,904 そうだ 桜を見ながら 与太の野ざらしを聞いてたんだよ。 353 00:37:07,904 --> 00:37:13,604 そう そう 見てたよ 小夏も信之助もな。 354 00:37:16,046 --> 00:37:18,949 おめさんは幸せもんだなぁ。 355 00:37:18,949 --> 00:37:26,056 ♬~ 356 00:37:26,056 --> 00:37:32,356 アタシぁ… 死んだんだね。 357 00:37:33,864 --> 00:37:37,667 落語と心中は できなかったなぁ。 358 00:37:37,667 --> 00:37:43,006 ♬~ 359 00:37:43,006 --> 00:37:46,676 なあ 坊➡ 360 00:37:46,676 --> 00:37:51,976 おめさんは落語が好きで 人を愛した。 361 00:37:53,550 --> 00:37:56,850 そして よく生き抜いた。 362 00:38:00,223 --> 00:38:03,693 おかげで 俺も成仏できらぁ。 363 00:38:03,693 --> 00:38:07,564 さあ 行こうぜ。 364 00:38:07,564 --> 00:38:14,337 ♬~ 365 00:38:14,337 --> 00:38:18,241 おっ… お~ イテッ… お~ イタッ。 366 00:38:18,241 --> 00:38:29,719 ♬~ 367 00:38:29,719 --> 00:38:32,989 (みよ吉)菊さん。 368 00:38:32,989 --> 00:38:36,860 アンタも死んじゃったのねぇ。 369 00:38:36,860 --> 00:38:39,863 ご愁傷さま。 370 00:38:39,863 --> 00:38:54,863 ♬~ 371 00:38:58,014 --> 00:39:03,353 ♬~(太鼓) 372 00:39:03,353 --> 00:39:12,362 ♬~ (拍手) 373 00:39:12,362 --> 00:39:15,662 東西 東西! 374 00:39:17,234 --> 00:39:21,037 演芸なかばにて 御座 高うはございますが➡ 375 00:39:21,037 --> 00:39:24,708 助六改め 九代目有楽亭八雲➡ 376 00:39:24,708 --> 00:39:28,378 襲名披露口上を申し上げます。 377 00:39:28,378 --> 00:39:35,986 この度は めでたく 助六が 九代目八雲を襲名致しました。 378 00:39:35,986 --> 00:39:38,889 さらに めでたいことに➡ 379 00:39:38,889 --> 00:39:44,327 その長男であります 信之助も 二ツ目に昇進致しまして➡ 380 00:39:44,327 --> 00:39:50,200 二代目有楽亭菊比古を 名乗らせて頂くこととなりました。➡ 381 00:39:50,200 --> 00:39:54,337 落語界も いろんなことがございまして➡ 382 00:39:54,337 --> 00:40:00,010 一時期は 本当に 落語というものが なくなってしまうのではないか➡ 383 00:40:00,010 --> 00:40:03,346 そんな時期もございましたが…。 384 00:40:03,346 --> 00:40:06,683 小雪 どこ ほっつき歩いてたんだい? 385 00:40:06,683 --> 00:40:10,983 (小雪)下座さんとこ。 母さん 私 松田さんと見てるから。 386 00:40:13,556 --> 00:40:17,694 (お栄)将来は 下座になるのかねぇ。 387 00:40:17,694 --> 00:40:22,565 それとも アンタみたいに 落語家かね。 388 00:40:22,565 --> 00:40:27,704 今や 押しも押されぬ 女性真打だもんね。 389 00:40:27,704 --> 00:40:30,404 やめて下さいよ。 390 00:40:33,043 --> 00:40:36,913 最近 ふと思うんだけどね…➡ 391 00:40:36,913 --> 00:40:41,213 信ちゃんの本当の父親…。 392 00:40:43,053 --> 00:40:47,053 (お栄)いまさら どうでもいいようなことだけど…。 393 00:40:48,925 --> 00:40:51,925 どうなんでしょうね? 394 00:40:54,064 --> 00:41:01,738 アタクシの師匠の 八代目八雲は 時折 落語と心中すると申すことがありました。 395 00:41:01,738 --> 00:41:08,078 落語は たった一人の意志でも滅びうる 危ういものなのだと。 396 00:41:08,078 --> 00:41:15,952 けれども 師匠は 大勢の噺家に 勇気や憧れを与えてくれました。 397 00:41:15,952 --> 00:41:21,952 気まぐれに アタシのような弟子も 残してくれました。 398 00:41:24,094 --> 00:41:29,966 たった一人で滅ぼせるなら たった一人でも つないでいける。 399 00:41:29,966 --> 00:41:33,370 師匠は 落語と心中どころか➡ 400 00:41:33,370 --> 00:41:38,708 落語を支えて つないでくれた気がします。 401 00:41:38,708 --> 00:41:43,380 何より お客様皆様の おかげでございますが…。 402 00:41:43,380 --> 00:41:46,282 (拍手) 403 00:41:46,282 --> 00:41:52,055 ただねぇ… オイラは 頭がよくなくってねぇ。 404 00:41:52,055 --> 00:41:56,726 本当のとこ言うと オイラは落語がなくなるなんざ➡ 405 00:41:56,726 --> 00:41:59,629 いっぺんも考えたことがねぇんです。 406 00:41:59,629 --> 00:42:06,069 だってね 皆さん こんな いいもんが なくなるわけはねえんですよね! 407 00:42:06,069 --> 00:42:09,739 そうだ! ねえ! そうですよねぇ? 408 00:42:09,739 --> 00:42:18,748 (拍手と歓声) 409 00:42:18,748 --> 00:42:22,419 有楽亭! 助六! 410 00:42:22,419 --> 00:42:25,088 日本一! 411 00:42:25,088 --> 00:42:29,426 ♬~ (拍手) 412 00:42:29,426 --> 00:42:33,029 そいじゃ 一席 おつきあい頂いて。 413 00:42:33,029 --> 00:42:35,932 「披露目の日に それかい」ってんで➡ 414 00:42:35,932 --> 00:42:38,902 お叱りを受けるかもしれませんが➡ 415 00:42:38,902 --> 00:42:41,704 この噺に出会わなかったら➡ 416 00:42:41,704 --> 00:42:44,704 オイラは 今 ここに居ないんでねぇ。 417 00:42:46,376 --> 00:42:51,247 え~ 困った時の神頼みなんてえことを 申しますが➡ 418 00:42:51,247 --> 00:42:55,718 あんまり おつきあいしたくない 神様ってえのがあるもんで。 419 00:42:55,718 --> 00:43:01,391 「は~ やだ やだ 弱っちまったなぁ どうも。➡ 420 00:43:01,391 --> 00:43:04,294 仕事はねえし 銭はねえし➡ 421 00:43:04,294 --> 00:43:08,064 借金まみれでもって にっちもさっちもいかねえや。➡ 422 00:43:08,064 --> 00:43:12,735 や~ また 嬶が やいのやいの うるせえからなぁ。➡ 423 00:43:12,735 --> 00:43:16,606 いっそのこと死んじまおうかなぁ。➡ 424 00:43:16,606 --> 00:43:20,410 それがいい 死のう。➡ 425 00:43:20,410 --> 00:43:23,746 死のうったってなぁ➡ 426 00:43:23,746 --> 00:43:27,083 俺 初めて死ぬんだからなぁ➡ 427 00:43:27,083 --> 00:43:30,420 死にようが わからねえけど➡ 428 00:43:30,420 --> 00:43:33,720 どうやったら死ねんだろうなぁ」。 429 00:43:38,027 --> 00:43:41,364 「おせえてやろうか」。 430 00:43:41,364 --> 00:43:44,364 「なんでぇ おめえは」。 431 00:43:49,706 --> 00:43:52,706 「死神だよ」。 432 00:43:55,578 --> 00:43:58,878 (拍手) 433 00:45:42,051 --> 00:45:48,751 広島市の町なかに 働くという文字を掲げる店がある。 434 00:45:51,728 --> 00:45:54,397 やって来るのは…。 435 00:45:54,397 --> 00:45:56,397 びっくりした!