1 00:00:02,067 --> 00:00:05,000 あの夜 本当は何があったの? 2 00:00:05,000 --> 00:00:09,600 四国でやった菊比古 助六の落語会が フィルムで残ってるそうなんだ。 3 00:00:09,600 --> 00:00:14,133 「仏壇のお線香が 今… 4 00:00:14,133 --> 00:00:16,933 たちきりました」。 5 00:00:16,933 --> 00:00:18,967 -師匠! -オッサン! 6 00:00:40,133 --> 00:00:45,467 やっぱり 師匠を 待ってからの方がよろしいかと。 7 00:00:45,467 --> 00:00:49,567 でも 師匠には そんなもの捨てろ って言われたんでしょ? 8 00:00:50,200 --> 00:00:52,767 師匠は 今日 退院 9 00:00:52,767 --> 00:00:55,333 あと2時間もしたら 迎えに行かなきゃなんねえ。 10 00:00:55,333 --> 00:00:58,167 ないしょで見るなら 今しかねえ。 11 00:00:58,667 --> 00:01:00,433 どうする アネさん。 12 00:01:01,967 --> 00:01:04,167 私は… 13 00:01:04,167 --> 00:01:05,767 見たい。 14 00:01:32,033 --> 00:01:34,200 本日は いっぱいの お運び様で。 15 00:01:34,200 --> 00:01:37,600 師匠 若ぇ! 16 00:01:37,600 --> 00:01:40,167 声も若ぇなぁ…! 17 00:01:40,167 --> 00:01:41,967 お懐かしい…。 18 00:01:41,967 --> 00:01:43,467 ちょっと 静かに! 19 00:01:44,233 --> 00:01:46,045 男と生まれて 世の中に 20 00:01:46,075 --> 00:01:49,333 ご婦人が嫌いなんてえ方は 一人もないんだそうで。 21 00:01:49,967 --> 00:01:54,400 「ばあさん 倅はどうしました 時次郎は? 22 00:01:54,400 --> 00:01:57,767 出かけてます? こりゃよかった。 23 00:01:57,767 --> 00:02:02,500 まっ青な顔してな ひと間に閉じ こもって 本ばかり読んでたんじゃ 24 00:02:02,500 --> 00:02:06,533 かえって こっちは…。 帰ってきた?」。 25 00:02:14,000 --> 00:02:16,333 お迎えが いらっしゃるんじゃ? 26 00:02:17,433 --> 00:02:19,800 お世話になりました。 27 00:02:29,533 --> 00:02:32,500 「あっしは先に帰りますから」。 28 00:02:32,500 --> 00:02:37,100 「あなた方 帰れるもんなら 帰ってごらんなさい。 29 00:02:37,100 --> 00:02:40,700 大門で止められますから」。 30 00:02:44,367 --> 00:02:46,833 こんなに楽しそうに…。 31 00:02:48,267 --> 00:02:52,900 こんなに楽しそうに 落語やってる師匠 初めて見たぜ。 32 00:03:09,167 --> 00:03:10,667 あの扇子 33 00:03:10,667 --> 00:03:12,800 倒れた時に持ってた…。 34 00:03:20,300 --> 00:03:23,000 たくさんの お運びで。 35 00:03:23,000 --> 00:03:24,733 まあ こんなシャンとした格好も…。 36 00:03:24,733 --> 00:03:27,033 助六師匠 37 00:03:27,033 --> 00:03:29,000 八雲の羽織 着てらぁ。 38 00:03:29,000 --> 00:03:30,400 なに? 39 00:03:30,400 --> 00:03:34,200 あれは替え紋で 八雲しか着らんねぇ。 40 00:03:34,200 --> 00:03:37,233 あたしゃ 東京で 噺家を やっておりましてね。 41 00:03:37,233 --> 00:03:39,900 あら 見える? 見えない? 42 00:03:40,567 --> 00:03:43,500 まあ どっちにしろ 気分は悪ぃもんでね。 43 00:03:52,267 --> 00:03:57,667 東京は芝の浜に まだ河岸が ございました時分のお話で…。 44 00:03:58,533 --> 00:04:02,867 助六の芝浜なんて 聞いたことないぜ。 45 00:04:02,867 --> 00:04:05,167 「お前さん」。 46 00:04:05,167 --> 00:04:08,133 オイラ… 47 00:04:08,133 --> 00:04:10,033 これ知ってる。 48 00:04:11,567 --> 00:04:17,000 東京は芝の浜に まだ河岸が ございました時分のお話で…。 49 00:04:18,333 --> 00:04:25,333 「ちょいと お前さん 起きとくれよ お前さん。 50 00:04:25,333 --> 00:04:27,567 お財布かい?」。 51 00:04:27,567 --> 00:04:29,967 「芝の浜で拾ったんだい」。 52 00:04:32,267 --> 00:04:33,933 師匠…。 53 00:04:39,400 --> 00:04:41,400 「本当に いいんだな?」。 54 00:04:48,900 --> 00:04:50,533 「よそう」。 55 00:04:51,200 --> 00:04:53,167 「呑まないのかい?」。 56 00:04:53,167 --> 00:04:56,900 「また 夢になるといけねえ」。 57 00:05:01,633 --> 00:05:03,033 名演だ! 58 00:05:03,033 --> 00:05:05,000 奇跡みたいな高座だ! 59 00:05:06,400 --> 00:05:08,500 父ちゃん 日本一! 60 00:05:21,600 --> 00:05:23,500 私…? 61 00:05:52,800 --> 00:05:54,967 助六師匠は… 62 00:05:57,167 --> 00:06:03,136 本当に幸せだったんだなぁ。 63 00:06:03,166 --> 00:06:07,567 みよ吉さんとアネさんと過ごした 数年間がさ。 64 00:06:11,433 --> 00:06:14,267 じゃなきゃ 65 00:06:14,267 --> 00:06:16,733 こんな落語は できねえ。 66 00:06:18,100 --> 00:06:20,833 だけど この夜に 67 00:06:20,833 --> 00:06:24,233 助六師匠と みよ吉さんは…。 68 00:06:24,233 --> 00:06:26,600 何があったか分からねえ…。 69 00:06:26,600 --> 00:06:28,200 けど… 70 00:06:29,933 --> 00:06:32,500 オイラにしか 分からねえことがある。 71 00:06:34,233 --> 00:06:37,800 この高座 72 00:06:37,800 --> 00:06:41,933 途中で助六師匠は遠くの方を見て… 73 00:06:41,933 --> 00:06:45,100 -あら 見える? 見えない? -何かに気付いた。 74 00:06:45,100 --> 00:06:48,333 まあ どっちにしろ 気分は悪ぃもんでね。 75 00:06:49,700 --> 00:06:52,400 みよ吉さんが居たんだ…。 76 00:06:53,967 --> 00:06:55,733 オイラには分かる。 77 00:07:09,867 --> 00:07:12,367 東京は芝の浜に…。 78 00:07:21,033 --> 00:07:22,633 東京は芝の浜に…。 79 00:07:23,233 --> 00:07:26,200 「俺が 甲斐性がねえばかりに 80 00:07:26,200 --> 00:07:28,567 おめえに つれえ思いさしたなぁ。 81 00:07:30,233 --> 00:07:34,833 俺が馬鹿だった。 おめえは悪くねえよ。 82 00:07:34,833 --> 00:07:36,900 俺が悪かった。 83 00:07:39,033 --> 00:07:41,033 勘弁してくれ…」。 84 00:07:51,633 --> 00:07:54,600 そろそろ 師匠を お迎えに。 85 00:07:59,100 --> 00:08:01,033 思い出した。 86 00:08:04,300 --> 00:08:11,300 私 思い出した… あの夜のこと。 87 00:08:33,200 --> 00:08:40,200 お前さんも よぅく頑張ったねぇ。 88 00:09:27,367 --> 00:09:34,000 最後に一席 つきあっとくれるかい…。 89 00:09:35,900 --> 00:09:38,933 どこまで やれるか…。 90 00:09:57,600 --> 00:10:03,400 「やだ やだ 弱っちゃったなぁ どうも。 91 00:10:04,700 --> 00:10:09,200 仕事はねえ 銭はねえから 92 00:10:09,200 --> 00:10:14,667 借金まみれでもって にっちもさっちもいかねえや」。 93 00:10:16,667 --> 00:10:19,867 「おせえてやろうか」。 94 00:10:20,567 --> 00:10:23,033 「なんだい てめえは」。 95 00:10:26,567 --> 00:10:29,467 「死神だよ」。 96 00:10:31,100 --> 00:10:34,705 「ありがてえ 寝ちまえ…」。 97 00:10:34,735 --> 00:10:39,400 「ありがてえ 寝ちまえ 寝ちまえよ」。 98 00:10:39,400 --> 00:10:44,000 祈るように見ておりますと 頭が がくんと前に下がりましたんで 99 00:10:44,000 --> 00:10:47,233 ここだなっ 目配せをする。 膝をぽ~んって打ちますってえと 100 00:10:47,233 --> 00:10:48,567 布団が半分 くるっと回る。 101 00:10:48,567 --> 00:10:50,767 頭だった方に足 足だった方に頭。 102 00:10:50,767 --> 00:10:52,000 あじゃらかもくれん…。 103 00:10:52,000 --> 00:10:57,133 あじゃらかもくれん てけれっつのぱあ。 104 00:11:01,900 --> 00:11:06,667 死神が ハッと気づくってえと 105 00:11:06,667 --> 00:11:11,367 てめえが 足元に おりますんで。 106 00:11:17,133 --> 00:11:22,367 そのまんま す~っと消えてしまう。 107 00:11:23,033 --> 00:11:28,467 「勘弁してくれ 死にたくねえ」。 108 00:11:29,633 --> 00:11:32,567 「みっともねえ野郎だ」。 109 00:11:37,100 --> 00:11:40,133 「これを お前に やらあ」。 110 00:11:40,133 --> 00:11:44,667 「今にも消えそうな命の火を 111 00:11:45,733 --> 00:11:49,833 こっちに つなぐことができりゃ 112 00:11:51,233 --> 00:11:57,200 今度 これが おめえの寿命だ」。 113 00:11:59,400 --> 00:12:05,200 「ただ 消えると死ぬぞ」。 114 00:12:10,167 --> 00:12:12,933 「やってやろうじゃねえか」。 115 00:12:17,300 --> 00:12:22,600 「こんなところで 死んでたまるかってんだい」。 116 00:12:25,000 --> 00:12:31,500 「消えるぞ 消えるぞ」。 117 00:12:33,433 --> 00:12:42,100 「ほら ほら… ほ~ら… 118 00:12:43,700 --> 00:12:45,833 ほら」。 119 00:12:48,767 --> 00:12:51,167 「消えた」。 120 00:13:06,767 --> 00:13:08,633 イヨッ 八代目! 121 00:13:12,600 --> 00:13:15,133 どうして しゃべってんだい…。 122 00:13:16,567 --> 00:13:18,400 聞こえてんのかい? 123 00:13:21,433 --> 00:13:24,900 坊 いい「死神」だったぜ。 124 00:13:27,133 --> 00:13:31,000 声が出ねえんだ…。 125 00:13:31,000 --> 00:13:35,100 一席やるだけで クタクタ…。 126 00:13:36,300 --> 00:13:39,133 舌も回らねえ。 127 00:13:40,400 --> 00:13:43,333 アタシぁ… 128 00:13:43,333 --> 00:13:47,733 落語を道連れにしようと してるんだよ。 129 00:13:50,733 --> 00:13:53,633 …にしちゃ 詰めが甘ぇな。 130 00:13:53,633 --> 00:13:59,800 小夏 与太郎 松田さんに 信之助…。 131 00:13:59,800 --> 00:14:02,133 情に ほだされる。 132 00:14:02,133 --> 00:14:05,167 それがおめえさんの一番深ぇ業だ。 133 00:14:11,867 --> 00:14:14,367 最後ぐれえ… 134 00:14:17,000 --> 00:14:20,267 手前で きっちり落とし前つけな。 135 00:14:22,700 --> 00:14:25,000 未練を断ち切れ。 136 00:14:28,200 --> 00:14:30,567 これが おめえの望みなんだろ。 137 00:14:55,967 --> 00:14:58,167 怖ぇか? 138 00:15:04,533 --> 00:15:07,867 死ぬってのは 139 00:15:07,867 --> 00:15:10,333 こういうもんだ…。 140 00:15:11,500 --> 00:15:13,900 お前は… 141 00:15:15,633 --> 00:15:17,867 死神。 142 00:15:27,033 --> 00:15:33,200 ようやく… お会いできた…。 143 00:16:05,967 --> 00:16:07,800 師匠! 144 00:16:13,200 --> 00:16:15,200 -師匠! -オッサン! 145 00:16:19,200 --> 00:16:20,433 師匠! 146 00:16:20,433 --> 00:16:22,467 嫌だ… 147 00:16:22,467 --> 00:16:24,900 死にたくねえ…。 148 00:16:25,433 --> 00:16:27,467 師匠 早く つかまって! 149 00:16:39,433 --> 00:16:45,067 アタシには まだ 伝えなきゃならねえことが…。 150 00:16:59,967 --> 00:17:02,367 思い出したの…。 151 00:17:04,600 --> 00:17:12,933 私 あの夜 松田さんと一緒に あの部屋に行ったよね? 152 00:17:21,533 --> 00:17:24,500 事故だったんだよ…。 153 00:17:24,500 --> 00:17:29,033 菊さん… 私と一緒に逃げて…。 154 00:17:31,633 --> 00:17:33,900 じゃなかったら…。 155 00:17:38,333 --> 00:17:40,233 お前 それ…。 156 00:17:41,733 --> 00:17:42,933 よせ! 157 00:17:48,533 --> 00:17:49,833 助六…! 158 00:17:49,833 --> 00:17:51,500 助六! 159 00:17:53,033 --> 00:17:56,033 ごめん… ごめんよ…。 160 00:18:00,567 --> 00:18:02,333 その子を どこかへ! 161 00:18:02,333 --> 00:18:06,233 大した傷じゃねえはずだ! なんでもない ただの事故なんだ! 162 00:18:06,233 --> 00:18:09,567 ごめんなさい… 163 00:18:09,567 --> 00:18:11,733 そんなつもりじゃ…。 164 00:18:11,733 --> 00:18:13,567 助六! 165 00:18:16,733 --> 00:18:22,367 父ちゃん… 父ちゃん…。 166 00:18:25,000 --> 00:18:27,567 なんで…? 167 00:18:28,500 --> 00:18:30,700 小夏…。 168 00:18:31,933 --> 00:18:35,700 ごめんね… 許して! 169 00:18:36,500 --> 00:18:38,667 嫌だぁ! 170 00:18:38,667 --> 00:18:41,033 父ちゃんを返せ! 171 00:18:41,033 --> 00:18:44,367 バカ! バカー! 172 00:18:44,367 --> 00:18:46,000 小夏 よせっ! 173 00:18:54,133 --> 00:18:57,633 私が 母さんを突き飛ばした…。 174 00:18:58,500 --> 00:19:02,533 私が落とした… そうだね? 175 00:19:09,100 --> 00:19:14,867 その記憶を失ってて アンタのせいにしてた…。 176 00:19:14,867 --> 00:19:20,800 なのに アンタ 私に思い出 させないために ずっと今まで…。 177 00:19:22,467 --> 00:19:26,000 私は 母さんに疎まれてた。 178 00:19:26,000 --> 00:19:29,933 母さんは 私なんか 産まなきゃよかったと思ってた。 179 00:19:29,933 --> 00:19:34,633 だから 私も 母さんを憎んだ。 180 00:19:34,633 --> 00:19:38,967 それで 母さんを殺して… そうなんでしょ? 181 00:19:40,733 --> 00:19:45,067 嫌なら産まなきゃよかったんだ 子供なんか… 182 00:19:45,067 --> 00:19:48,333 -私なんか。 -そうじゃない。 183 00:19:56,100 --> 00:20:03,933 お前さんが あの夜のことを 思い出せなかったのは…。 184 00:20:06,667 --> 00:20:10,200 記憶が飛んじまったのは… 185 00:20:11,400 --> 00:20:15,433 お前さんも 気を失ってたからなんだ。 186 00:20:18,367 --> 00:20:21,500 一緒に落ちたからなんだよ。 187 00:20:24,233 --> 00:20:25,600 小夏! 188 00:20:28,267 --> 00:20:29,667 助六! 189 00:20:44,100 --> 00:20:47,867 アンタ 小夏を お願い…! 190 00:20:47,867 --> 00:20:51,767 私はいい! この子を… 191 00:20:51,767 --> 00:20:55,200 小夏だけは助けて! お願い! 192 00:20:56,800 --> 00:20:59,067 小夏を坊に渡せ! 193 00:20:59,600 --> 00:21:02,167 坊 頼む…! 194 00:21:13,033 --> 00:21:15,233 片手じゃ無理だ! 195 00:21:15,233 --> 00:21:17,267 はなせ! 196 00:21:17,900 --> 00:21:19,667 嫌だ…! 197 00:21:19,667 --> 00:21:21,300 なら アタシも連れてけ! 198 00:21:21,300 --> 00:21:23,100 ダメだ! 199 00:21:25,267 --> 00:21:29,500 小夏… ごめん…。 200 00:21:29,500 --> 00:21:31,300 ごめんね…。 201 00:21:35,033 --> 00:21:36,867 頼んだよ…。 202 00:21:40,567 --> 00:21:44,672 やめろ… やめろ…。 203 00:21:44,702 --> 00:21:47,800 やめろ…! やめ…。 204 00:22:15,633 --> 00:22:19,967 父ちゃんと母さんが 私を…。 205 00:22:21,900 --> 00:22:26,933 お嬢さんも 同じことを おっしゃったんですよ…。 206 00:22:30,300 --> 00:22:32,400 信之助…? 207 00:22:34,700 --> 00:22:37,900 私はいい! お願い! 208 00:22:37,900 --> 00:22:39,767 この子を… 209 00:22:39,767 --> 00:22:41,933 この子だけは助けてっ! 210 00:22:43,633 --> 00:22:47,500 私はいい! この子を… 211 00:22:47,500 --> 00:22:51,000 小夏だけは助けて… お願い! 212 00:22:55,100 --> 00:22:57,800 お母ちゃん…。 213 00:23:09,333 --> 00:23:11,800 松田さん。 214 00:23:16,400 --> 00:23:20,433 長い間 すまなかったね。 215 00:23:55,467 --> 00:24:00,067 うれしいよなぁ 息子が通う 小学校から頼まれるなんて。 216 00:24:00,633 --> 00:24:02,133 頑張ろうね。 217 00:24:04,633 --> 00:24:07,067 師匠も来れりゃよかったんだけど。 218 00:24:07,067 --> 00:24:10,367 本当は入院してなきゃ いけない体なんだ。 219 00:24:10,367 --> 00:24:13,000 当分は出かけるのも ダメ。 220 00:24:13,000 --> 00:24:14,500 よし! 221 00:24:20,900 --> 00:24:25,700 どうも~! 222 00:24:30,567 --> 00:24:31,767 みんな 元気? 223 00:24:31,767 --> 00:24:34,200 元気! 224 00:24:34,200 --> 00:24:37,633 そこにいる信ちゃんの お父ちゃんです! よろしく! 225 00:24:40,000 --> 00:24:43,767 今日はね~ みんなの大好きな アレをやろうと思います。 226 00:24:43,767 --> 00:24:46,000 アレ? 227 00:24:46,000 --> 00:24:47,867 じゅげむ! 聞きたい人! 228 00:24:47,867 --> 00:24:49,467 は~い! 229 00:24:49,467 --> 00:24:50,967 いい返事! 230 00:24:50,967 --> 00:24:53,800 こんな いいお客には めったに会えません。 231 00:24:55,167 --> 00:24:57,000 じゃあ 落語の前に 232 00:24:57,000 --> 00:25:00,400 みんなで大きな声で じゅげむの練習をしましょう! 233 00:25:00,400 --> 00:25:02,067 さんはい! 234 00:25:02,067 --> 00:25:04,400 寿限無…。 235 00:25:04,400 --> 00:25:05,933 あおるねぇ。 236 00:25:05,933 --> 00:25:07,933 五劫の擦り切れ 237 00:25:07,933 --> 00:25:12,767 海砂利水魚の水行末。 238 00:25:12,767 --> 00:25:15,200 よくできました~! 239 00:25:15,200 --> 00:25:17,067 では 少々お待ち下さい。 240 00:25:17,067 --> 00:25:19,367 次は いよいよ じゅげむです! 241 00:25:27,967 --> 00:25:28,667 なに? 242 00:25:28,667 --> 00:25:31,067 アネさん 落語やってこい! 243 00:25:31,067 --> 00:25:32,767 ここなら いける! 244 00:25:32,767 --> 00:25:33,767 何が! 245 00:25:33,767 --> 00:25:35,600 こんな上客 めったにいねえ 246 00:25:35,600 --> 00:25:38,067 何やっても笑うもん! なっ! 247 00:25:38,567 --> 00:25:39,600 だけど…。 248 00:25:39,600 --> 00:25:40,900 いいから いいから! 249 00:25:40,900 --> 00:25:42,300 -ちょっと! やめてよ! -いいから! 250 00:25:42,300 --> 00:25:43,833 早く! 251 00:25:45,100 --> 00:25:46,633 ほい。 252 00:26:26,067 --> 00:26:27,333 どうも… 253 00:26:27,333 --> 00:26:31,133 出番 代わりまして 信ちゃんの母でございます。 254 00:26:32,167 --> 00:26:34,200 頑張れ~! 255 00:26:38,667 --> 00:26:40,800 名前というのは大事なもんで 256 00:26:40,800 --> 00:26:42,900 子供が生まれる 名前をつける。 257 00:26:42,900 --> 00:26:45,400 どういうふうに 名前をつけようかなんてえのは 258 00:26:45,400 --> 00:26:49,433 いつの時代になっても 頭を悩ます というところでございまして。 259 00:26:50,167 --> 00:26:53,067 「こんちはあ 和尚さんいますか 260 00:26:53,067 --> 00:26:55,067 和尚さん こんちはあ」。 261 00:26:55,067 --> 00:26:56,533 「はいはい 262 00:26:56,533 --> 00:26:58,967 お~ 八っつぁんじゃないか 珍しいな 263 00:26:58,967 --> 00:27:01,067 なんか用かい」。 264 00:27:01,067 --> 00:27:02,900 「おはよお~ 265 00:27:02,900 --> 00:27:06,600 寿~限無 寿限無 五劫の擦り切れ」。 266 00:27:06,600 --> 00:27:08,767 「何だい何だい それじゃ 何かい 267 00:27:08,767 --> 00:27:11,333 うちの 寿限無 寿限無 五劫の擦り切れ 268 00:27:11,333 --> 00:27:13,767 海砂利水魚の 水行末 雲来末 風来末 269 00:27:13,767 --> 00:27:16,867 食う寝る処に住む処 藪ら柑子のブラ柑子 270 00:27:16,867 --> 00:27:19,412 パイポ パイポ パイポの シューリンガン グーリンダイ 271 00:27:19,442 --> 00:27:21,800 ポンポコピーのポンポコナーの 長久命の長助が 272 00:27:21,800 --> 00:27:25,433 金ちゃんの頭ぶって 大きなコブをこしらえたんだって。 273 00:27:25,433 --> 00:27:27,300 お前さん ちょいと来ておくれ!」。 274 00:27:27,300 --> 00:27:29,133 「何だい何だい それじゃ 何かい 275 00:27:29,133 --> 00:27:31,733 うちの 寿限無 寿限無 五劫の擦り切れ 276 00:27:31,733 --> 00:27:34,300 海砂利水魚の 水行末 雲来末 風来末 277 00:27:34,300 --> 00:27:37,500 食う寝る処に住む処 藪ら柑子のブラ柑子」。 278 00:27:39,567 --> 00:27:44,400 「あんまり名前が長いから コブが引っ込んじゃった」。 279 00:27:50,000 --> 00:27:52,033 よっ 日本一! 280 00:28:03,633 --> 00:28:06,167 アネさん! バッチシ! 281 00:28:06,167 --> 00:28:08,867 どうしよ… 人前で 落語やっちゃったよ。 282 00:28:08,867 --> 00:28:11,400 楽しいべ 落語! 283 00:28:20,733 --> 00:28:24,133 言わなきゃいけないこと あるんだ。 284 00:28:26,400 --> 00:28:29,500 いつ言おう いつ言おうって。 285 00:28:36,800 --> 00:28:39,933 あかんぼ… できた。 286 00:28:42,667 --> 00:28:45,000 アンタの子だよ。 287 00:28:49,367 --> 00:28:51,167 アネさ~ん! 288 00:28:52,500 --> 00:28:54,567 よかったなぁ…。 289 00:28:55,100 --> 00:28:57,000 家族が増えるんだから 290 00:28:57,000 --> 00:28:58,933 しっかりおしよ! 291 00:29:04,400 --> 00:29:05,800 -アネさ…。 -もういい! 292 00:29:16,867 --> 00:29:19,133 起きてて平気? 293 00:29:24,667 --> 00:29:27,600 そのラジオは何なんでぇ…。 294 00:29:28,267 --> 00:29:30,633 このあと 与太が出るんだよ。 295 00:29:32,767 --> 00:29:34,633 そうかい。 296 00:29:35,500 --> 00:29:37,433 髪ボサボサ。 297 00:29:37,433 --> 00:29:39,567 櫛 やる? 298 00:29:57,567 --> 00:29:59,967 小さいころ 299 00:29:59,967 --> 00:30:03,500 一度だけ 散髪してもらったことあったね。 300 00:30:04,467 --> 00:30:06,867 そうだったねぇ。 301 00:30:09,300 --> 00:30:16,133 他にも いろいろしてやりゃあ よかったことがたくさん あらぁな。 302 00:30:17,467 --> 00:30:22,000 こうして ぼんやり過ごしていると 303 00:30:22,000 --> 00:30:26,067 そういうことばっかに 気がいくんだ。 304 00:30:27,433 --> 00:30:30,400 落語以外のことに。 305 00:30:34,533 --> 00:30:37,267 落語は もうおしまい? 306 00:30:37,267 --> 00:30:40,167 もう怖くてね。 307 00:30:42,100 --> 00:30:45,700 怖いって 母さんのこと? 308 00:30:47,300 --> 00:30:49,467 そうじゃない。 309 00:30:51,400 --> 00:30:59,000 みよ吉さんは アタシと居る時は たいそう優しかったよ…。 310 00:31:01,267 --> 00:31:08,938 あの人には 女の人の酸いも甘いも 311 00:31:08,968 --> 00:31:15,500 ぬくもりも冷たさも みぃんな教わった…。 312 00:31:18,400 --> 00:31:21,900 魅力的な人だったよ。 313 00:31:27,933 --> 00:31:32,767 落語を与えてくれたのは助六さ…。 314 00:31:34,533 --> 00:31:39,800 アタシの味気ない人生に 315 00:31:39,800 --> 00:31:43,867 色を与えてくれた二人…。 316 00:31:47,667 --> 00:31:52,200 永遠に手が届かない二人…。 317 00:32:03,867 --> 00:32:06,533 私が居なけりゃ 318 00:32:06,533 --> 00:32:09,467 そんなに苦しまなかった? 319 00:32:16,067 --> 00:32:20,267 お前さんのおかげで 320 00:32:20,267 --> 00:32:24,800 後悔してる暇なんざ なかったよ。 321 00:32:27,500 --> 00:32:35,700 子供ってのは 本当に 毎日 毎日 せわしなくて 322 00:32:37,333 --> 00:32:41,200 いくら眺めてたって飽きねぇんだ。 323 00:32:44,967 --> 00:32:48,833 なんてぇ顔してるんだい。 324 00:32:51,067 --> 00:32:54,500 そんな目で見ないでおくれ…。 325 00:33:16,733 --> 00:33:22,967 見捨てないで 育ててくれて ありがとう。 326 00:33:24,833 --> 00:33:26,767 アイヨ。 327 00:33:43,733 --> 00:33:46,600 「よくこの趣味道楽なんてえことを 申しますが。 328 00:33:46,600 --> 00:33:50,567 中でこの 釣りが趣味だという方 こりゃあ大勢いらっしゃいます。 329 00:33:52,867 --> 00:33:55,067 「開けてくれ 開けてくれい! 330 00:33:55,067 --> 00:33:56,600 先生!」。 331 00:33:56,600 --> 00:34:00,567 ずいぶん威勢のよすぎる 八っつぁんだねぇ。 332 00:34:00,567 --> 00:34:02,900 与太の野ざらし おっかしいのよ。 333 00:34:02,900 --> 00:34:05,200 どこまでも バカバカしくってさ。 334 00:34:05,933 --> 00:34:09,667 「待ちな 待ちな そうドンドン叩いちゃいかん。 335 00:34:09,667 --> 00:34:11,633 ご近所に迷惑だ」。 336 00:34:13,733 --> 00:34:15,733 「待ちよ 337 00:34:15,733 --> 00:34:17,833 「うちの戸は やわに出来てんだから 338 00:34:17,833 --> 00:34:19,533 そんなに 戸を ドンドン ドンドン」。 339 00:34:19,533 --> 00:34:22,767 「方への葦が ガサガサガサー。 カラスが す~っと出てくりゃ 340 00:34:22,767 --> 00:34:25,167 こっちのもんなんだよ」。 341 00:34:25,167 --> 00:34:27,433 「鐘が」 342 00:34:27,433 --> 00:34:29,167 信之助! 343 00:34:29,167 --> 00:34:32,067 じいじが お花見したいって 言ってたもん。 344 00:34:32,067 --> 00:34:36,333 信之助 もっとやんな。 345 00:34:36,333 --> 00:34:38,167 きれいだねぇ! 346 00:34:38,967 --> 00:34:40,833 も~っと集めてくる! 347 00:34:43,533 --> 00:34:47,233 「あの あなたね 何があったか知りませんけど 348 00:34:47,264 --> 00:34:49,168 気をしっかり持たないと いけません」。 349 00:34:49,600 --> 00:34:51,967 お願いがあるんだけど。 350 00:34:55,267 --> 00:34:58,767 私のこと… 351 00:34:58,767 --> 00:35:01,167 弟子にして下さい。 352 00:35:03,800 --> 00:35:07,933 そんな格好で言うやつがあるかい。 353 00:35:09,000 --> 00:35:10,833 いいのね? 354 00:35:14,667 --> 00:35:16,567 ハイ。 355 00:35:17,400 --> 00:35:19,067 やった。 356 00:36:02,933 --> 00:36:04,867 遅かったねぇ! 357 00:36:04,867 --> 00:36:07,100 待ちくたびれたぜ。 358 00:36:07,100 --> 00:36:09,633 ようこそ 冥土へ! 359 00:36:11,500 --> 00:36:13,733 ここは…? 360 00:36:13,733 --> 00:36:16,733 いろいろと ふに落ちねえだろうけど 361 00:36:16,733 --> 00:36:18,867 手っとり早く言やあ 362 00:36:19,500 --> 00:36:21,767 おめさんは死んだんだ。 363 00:36:22,367 --> 00:36:24,367 死んだ…? 364 00:36:24,367 --> 00:36:26,833 まさか…!? 365 00:36:26,833 --> 00:36:29,867 アタシは 自分んちの縁側で… 366 00:36:30,700 --> 00:36:36,267 そうだ 桜を見ながら 与太の野ざらしを聞いてたんだよ。 367 00:36:36,267 --> 00:36:39,367 そう そう 見てたよ 368 00:36:39,367 --> 00:36:42,033 小夏も信之助もな。 369 00:36:44,467 --> 00:36:47,133 おめさんは幸せもんだなぁ。 370 00:36:54,467 --> 00:36:58,200 アタシぁ… 371 00:36:58,200 --> 00:37:01,133 死んだんだね。 372 00:37:02,333 --> 00:37:05,467 落語と心中は できなかったなぁ。 373 00:37:11,400 --> 00:37:13,300 なあ 坊 374 00:37:15,200 --> 00:37:20,100 おめさんは落語が好きで 人を愛した。 375 00:37:22,133 --> 00:37:24,733 そして よく生き抜いた。 376 00:37:28,733 --> 00:37:31,267 おかげで 俺も成仏できらぁ。 377 00:37:32,067 --> 00:37:35,167 さあ 行こうぜ。 378 00:37:42,867 --> 00:37:45,933 イテッ… お~ イタッ。 379 00:37:58,333 --> 00:38:00,000 菊さん。 380 00:38:01,667 --> 00:38:04,267 アンタも死んじゃったのねぇ。 381 00:38:05,100 --> 00:38:07,167 ご愁傷さま。 382 00:38:40,833 --> 00:38:44,733 東西 東西! 383 00:38:45,933 --> 00:38:48,967 演芸なかばにて 御座 高うはございますが 384 00:38:48,967 --> 00:38:53,133 助六改め 九代目有楽亭八雲 385 00:38:53,133 --> 00:38:56,400 襲名披露口上を申し上げます。 386 00:38:56,400 --> 00:39:04,200 この度は めでたく 助六が 九代目八雲を襲名致しました。 387 00:39:04,200 --> 00:39:06,700 さらに めでたいことに 388 00:39:06,700 --> 00:39:12,700 その長男であります 信之助も 二ツ目に昇進致しまして 389 00:39:12,700 --> 00:39:17,833 二代目有楽亭菊比古を 名乗らせて頂くこととなりました。 390 00:39:18,667 --> 00:39:22,500 落語界も いろんなことがございまして 391 00:39:22,500 --> 00:39:27,833 一時期は本当に落語というものが なくなってしまうのではないか 392 00:39:27,863 --> 00:39:29,600 そんな時期もございましたが…。 393 00:39:32,367 --> 00:39:34,867 小雪 どこ ほっつき歩いてたんだい? 394 00:39:34,867 --> 00:39:35,933 下座さんとこ。 395 00:39:35,933 --> 00:39:38,167 母さん 私 松田さんと見てるから。 396 00:39:42,133 --> 00:39:45,500 将来は 下座になるのかねぇ。 397 00:39:45,500 --> 00:39:50,667 それとも アンタみたいに 落語家かね。 398 00:39:50,667 --> 00:39:55,800 今や 押しも押されぬ 女性真打だもんね。 399 00:39:55,800 --> 00:39:58,033 やめて下さいよ。 400 00:40:01,367 --> 00:40:05,567 最近 ふと思うんだけどね… 401 00:40:05,567 --> 00:40:09,733 信ちゃんの本当の父親…。 402 00:40:11,133 --> 00:40:14,567 いまさら どうでもいいようなことだけど…。 403 00:40:17,733 --> 00:40:19,333 どうなんでしょうね? 404 00:40:22,200 --> 00:40:25,667 アタクシの師匠の八代目八雲は時折 405 00:40:25,667 --> 00:40:29,967 落語と心中すると申すことが ありました。 406 00:40:29,967 --> 00:40:36,267 落語は たった一人の意志でも 滅びうる 危ういものなのだと。 407 00:40:36,267 --> 00:40:43,100 けれども 師匠は 大勢の噺家に 勇気や憧れを与えてくれました。 408 00:40:44,767 --> 00:40:49,700 気まぐれに アタシのような弟子も 残してくれました。 409 00:40:52,500 --> 00:40:55,300 たった一人で滅ぼせるなら 410 00:40:55,300 --> 00:40:58,167 たった一人でも つないでいける。 411 00:40:58,167 --> 00:41:01,200 師匠は 落語と心中どころか 412 00:41:01,200 --> 00:41:05,500 落語を支えて つないでくれた気がします。 413 00:41:07,400 --> 00:41:11,567 何より お客様皆様の おかげでございますが…。 414 00:41:15,033 --> 00:41:16,500 ただねぇ… 415 00:41:16,500 --> 00:41:20,000 オイラは 頭がよくなくってねぇ。 416 00:41:20,600 --> 00:41:22,267 本当のとこ言うと 417 00:41:22,267 --> 00:41:27,567 オイラは落語がなくなるなんざ いっぺんも考えたことがねぇんです。 418 00:41:27,567 --> 00:41:30,133 だってね 皆さん 419 00:41:30,133 --> 00:41:34,100 こんな いいもんが なくなるわけはねえんですよね! 420 00:41:34,131 --> 00:41:35,236 そうだ! 421 00:41:35,267 --> 00:41:37,833 ねえ! そうですよねぇ? 422 00:41:47,433 --> 00:41:49,600 有楽亭! 助六! 423 00:41:49,600 --> 00:41:51,433 与太さん…! 424 00:41:51,433 --> 00:41:53,200 日本一! 425 00:41:58,033 --> 00:42:01,667 そいじゃ 一席 おつきあい頂いて。 426 00:42:01,667 --> 00:42:06,867 「披露目の日に それかい」ってんで お叱りを受けるかもしれませんが 427 00:42:06,867 --> 00:42:09,633 この噺に出会わなかったら 428 00:42:09,633 --> 00:42:12,067 オイラは 今 ここに居ないんでねぇ。 429 00:42:15,500 --> 00:42:19,533 困った時の神頼みなんてえことを 申しますが 430 00:42:19,533 --> 00:42:23,800 あんまり おつきあいしたくない 神様ってえのがあるもんで。 431 00:42:25,800 --> 00:42:29,500 「やだ やだ 弱っちまったなぁ どうも。 432 00:42:29,500 --> 00:42:32,100 仕事はねえし 銭はねえし 433 00:42:32,100 --> 00:42:36,433 借金まみれでもって にっちもさっちもいかねえや。 434 00:42:36,433 --> 00:42:40,833 や~ また 嬶が やいのやいの うるせえからなぁ。 435 00:42:40,833 --> 00:42:44,167 いっそのこと死んじまおうかなぁ。 436 00:42:45,233 --> 00:42:48,567 それがいい 死のう。 437 00:42:48,567 --> 00:42:55,267 死のうったってなぁ 俺 初めて死ぬんだからなぁ 438 00:42:55,267 --> 00:42:57,767 死にようが わからねえけど 439 00:42:57,767 --> 00:43:00,600 どうやったら死ねんだろうなぁ」。 440 00:43:06,133 --> 00:43:08,833 「おせえてやろうか」。 441 00:43:10,367 --> 00:43:12,333 「なんでぇ おめえは」。 442 00:43:18,100 --> 00:43:20,300 「死神だよ」。 443 00:43:24,967 --> 00:43:28,333 © NHK / TELEPACK