1 00:01:23,124 --> 00:01:43,144 ♬~ 2 00:01:43,144 --> 00:02:01,144 ♬~ 3 00:02:07,168 --> 00:02:21,168 ♬~ 4 00:02:23,117 --> 00:02:26,120 <武蔵は 岩戸観音の洞窟に籠もり➡ 5 00:02:26,120 --> 00:02:28,122 お孝と お松は 武蔵を追って 旅を重ね➡ 6 00:02:28,122 --> 00:02:31,125 森都も 少年 与市を伴い 熊本へ> 7 00:02:31,125 --> 00:02:35,129 <武蔵は 与市に代わり 父の敵 大川平蔵を倒す> 8 00:02:35,129 --> 00:02:38,132 <そして お孝を我が妻にと 訪ねたが➡ 9 00:02:38,132 --> 00:02:41,135 仏に すがると 泣き崩れた> 10 00:02:41,135 --> 00:02:44,138 <武蔵は 丸目蔵人佐に 二刀流の教えを請い➡ 11 00:02:44,138 --> 00:02:48,138 剣の道に生き抜く決意を 新たにした> 12 00:03:04,158 --> 00:03:08,162 (お松)おはようございます 妙舜様 (妙舜尼)おはよう➡ 13 00:03:08,162 --> 00:03:11,162 御病人の具合 いかがですか? 14 00:03:13,167 --> 00:03:18,172 (お松)それが まだ 熱が下がらないのです 15 00:03:18,172 --> 00:03:21,175 <お孝は 武蔵の求愛を退けたことを➡ 16 00:03:21,175 --> 00:03:24,111 激しく 後悔していた> 17 00:03:24,111 --> 00:03:30,117 <昨夜来の高熱は そんなお孝の 心の痛みのせいであった> 18 00:03:30,117 --> 00:03:33,117 (お孝)武蔵様… 19 00:03:37,124 --> 00:03:39,124 (お孝)武蔵様… 20 00:03:43,130 --> 00:03:47,130 (お松)お孝様 妙舜様ですよ 21 00:03:54,141 --> 00:03:58,145 (妙舜尼)夢を見てらしたのね➡ 22 00:03:58,145 --> 00:04:02,149 お孝さん あなたは やっぱり➡ 23 00:04:02,149 --> 00:04:05,152 武蔵様を お忘れられないのでは ありませんか?➡ 24 00:04:05,152 --> 00:04:10,157 み仏は お見通しですよ➡ 25 00:04:10,157 --> 00:04:14,161 武蔵様が好きならば 好きと その気持ちを通してこそ➡ 26 00:04:14,161 --> 00:04:19,166 み仏のお慈悲に あずかれるのです 27 00:04:19,166 --> 00:04:22,103 (お孝)そんな…➡ 28 00:04:22,103 --> 00:04:30,111 私は 法華経の教えのとおりに 生きようとしたのでございます➡ 29 00:04:30,111 --> 00:04:36,117 私は み仏に この身をささげて➡ 30 00:04:36,117 --> 00:04:40,117 罪深い 恋の妄執から 逃れようとしたのでございます 31 00:04:43,124 --> 00:04:47,128 (お孝)そうでしょう? 妙舜様 32 00:04:47,128 --> 00:04:55,136 だからこそ 武蔵様を 非情の剣の道に追い返し➡ 33 00:04:55,136 --> 00:04:59,140 もはや この世では 二度と会うまいと… 34 00:04:59,140 --> 00:05:02,143 (妙舜尼)人を恋することが 罪深いのなら➡ 35 00:05:02,143 --> 00:05:08,149 恋する苦しみを み仏が許さないはずがありません 36 00:05:08,149 --> 00:05:14,155 その業火の中に 身を焼いてこそ 武蔵様も み仏も➡ 37 00:05:14,155 --> 00:05:20,161 あなたには やがて 1つのお顔に 見えてくるはずですよ 38 00:05:20,161 --> 00:05:26,161 武蔵様と み仏が 1つ お顔に… 39 00:05:33,107 --> 00:05:37,107 (村人たちの悲鳴) 40 00:05:41,115 --> 00:05:44,115 (村人たちの悲鳴) 41 00:06:00,134 --> 00:06:05,134 (緒方)野盗風情に 後れを取る 緒方一族ではない! 来い! 42 00:06:28,095 --> 00:06:32,099 (お照)父上! 父上!➡ 43 00:06:32,099 --> 00:06:35,102 父上! 44 00:06:35,102 --> 00:06:39,102 お… お照 (お照)あっ! 45 00:06:42,109 --> 00:06:44,109 (お照)父上! 46 00:06:49,116 --> 00:06:53,120 (子分たち)ヘヘヘ… (子分)おい もう一本くれ 47 00:06:53,120 --> 00:06:59,126 (狒々丸)者ども! 聞け! (子分)おう 何だ おい 48 00:06:59,126 --> 00:07:03,130 (狒々丸)俺は こよい この緒方の娘を 妻に迎えるぞ 49 00:07:03,130 --> 00:07:07,134 球磨の狒々丸は もはや ただの山賊ではない 50 00:07:07,134 --> 00:07:11,138 五家荘の豪族 緒方家の娘を めとったからには➡ 51 00:07:11,138 --> 00:07:15,142 豊前 豊後 日向 薩摩を股に掛けた 王者のしるしと思え! 52 00:07:15,142 --> 00:07:17,142 (一同)おう! 53 00:07:24,085 --> 00:07:27,088 何やつだ! 54 00:07:27,088 --> 00:07:29,090 (子分)やいやい!➡ 55 00:07:29,090 --> 00:07:34,095 狒々丸様のお通りだ! そこを のけい! 56 00:07:34,095 --> 00:07:36,095 (狒々丸)たたっ斬れ! 57 00:07:42,103 --> 00:07:44,103 (狒々丸)くそーっ! 58 00:08:17,138 --> 00:08:21,138 (お照)お侍様! お侍様! 59 00:08:23,077 --> 00:08:29,077 <この時 武蔵は 原因不明の高熱に 侵されていたのである> 60 00:08:32,086 --> 00:08:37,091 (源蔵)狒々丸と申しますのは 球磨の山奥に 山塞を構え➡ 61 00:08:37,091 --> 00:08:40,094 球磨 葦北のみならず➡ 62 00:08:40,094 --> 00:08:46,094 日向 薩摩を股に掛けて荒らし回る 山賊の首魁でございました 63 00:08:48,102 --> 00:08:52,106 (源蔵) お侍様は お嬢様の命の恩人➡ 64 00:08:52,106 --> 00:08:57,111 私 緒方家に 幼少より仕えまする 源蔵と申す者でございますが… 65 00:08:57,111 --> 00:09:00,114 (お照)源蔵 宮本様は お熱があるのです お下がりなさい 66 00:09:00,114 --> 00:09:06,114 (源蔵)はい では どうぞ ごゆるりと御養生ください 67 00:09:11,125 --> 00:09:16,125 (障子の開閉音) 68 00:09:20,134 --> 00:09:22,134 (子供)《母ちゃん!》 69 00:09:31,078 --> 00:09:37,084 《武蔵様 あなたは また 人をお斬りになったのですね》 70 00:09:37,084 --> 00:09:41,088 《ひどい! あなたは何という ひどいお方!》 71 00:09:41,088 --> 00:09:44,091 (武蔵)《違う! お孝! 武蔵は兵法者だ》 72 00:09:44,091 --> 00:09:49,091 (武蔵)《我が前に立ち塞がる 荊棘を蹴散らすが 我が定め》 73 00:09:52,099 --> 00:09:57,104 《武蔵様 剣をお捨てなされませ》 《何を言う お孝!》 74 00:09:57,104 --> 00:10:03,104 《あなたの剣は 殺人剣です》 《いや 活人剣だ》 75 00:10:18,125 --> 00:10:21,125 (お悠)《武蔵様》 76 00:10:23,063 --> 00:10:29,063 お悠様 お悠様 77 00:10:33,073 --> 00:10:35,075 お苦しいのでしょう 78 00:10:35,075 --> 00:10:39,075 何をして差し上げたら よろしいのでしょうか 79 00:10:45,085 --> 00:10:52,092 私は 女人の愛を 受けることをできぬ男 80 00:10:52,092 --> 00:11:12,112 ♬~ 81 00:11:12,112 --> 00:11:15,112 ♬~ 82 00:11:17,117 --> 00:11:21,121 <そのころ 武蔵を敵と狙う おりんは➡ 83 00:11:21,121 --> 00:11:26,121 武蔵の行方を突き止めるために 熊本に現れていた> 84 00:11:29,129 --> 00:11:31,131 (お松)お孝様➡ 85 00:11:31,131 --> 00:11:35,135 このお方は 佐々木小次郎様から お目をかけられて➡ 86 00:11:35,135 --> 00:11:40,140 同じうちに住んでおられた おりんさんでございます 87 00:11:40,140 --> 00:11:43,143 佐々木様の? (おりん)ハハッ お松様➡ 88 00:11:43,143 --> 00:11:47,147 そんな 奥歯に物の挟まったような おっしゃり方をなさらなくたって➡ 89 00:11:47,147 --> 00:11:52,152 あたしゃ つまり 小次郎さんの 陰の女だったんですよ フフッ➡ 90 00:11:52,152 --> 00:11:57,157 女房なら ともかく 夫の敵と 宮本様を付け狙いもしましょうが➡ 91 00:11:57,157 --> 00:12:00,160 あたしゃ そんな大それたことは 考えちゃいませんのさ 92 00:12:00,160 --> 00:12:04,164 (お松)そうですとも! 佐々木様とて 承知の上➡ 93 00:12:04,164 --> 00:12:07,167 武芸の果たし合いの上で 命を落とされたのです 94 00:12:07,167 --> 00:12:10,170 武蔵様を憎む筋合いは ないはずです 95 00:12:10,170 --> 00:12:16,176 (おりん)そうですとも! ハハハ… 96 00:12:16,176 --> 00:12:22,116 それは お言葉の上だけのことでしょう 97 00:12:22,116 --> 00:12:28,116 頼みに思う方を失った あなたの悲しみは よく分かります 98 00:12:30,124 --> 00:12:37,131 勝つも負けるも 兵法者の道は 厳しいものとは いいながら➡ 99 00:12:37,131 --> 00:12:43,137 女の身には とても耐えられぬ 非情の道です 100 00:12:43,137 --> 00:12:45,139 (おりん) お孝様の おっしゃるとおり➡ 101 00:12:45,139 --> 00:12:51,145 残された女は 仏様の菩提を 弔うしか 道はございません 102 00:12:51,145 --> 00:12:55,149 まっ 今度も この本妙寺に お参りしたいばかりに➡ 103 00:12:55,149 --> 00:12:58,152 熊本に来たのでございます 104 00:12:58,152 --> 00:13:02,156 (お孝)それは お奇特な➡ 105 00:13:02,156 --> 00:13:10,164 お松さん おりん様に 上人様を お引き合わせて差し上げましょうよ 106 00:13:10,164 --> 00:13:14,168 (お松)はい (おりん)ありがとうございます➡ 107 00:13:14,168 --> 00:13:20,174 あの… それで あの つかぬことを お伺いしますが➡ 108 00:13:20,174 --> 00:13:26,113 お孝様は 宮本様と みょうとに なられたのでございましょう? 109 00:13:26,113 --> 00:13:28,115 (お孝)えっ? 110 00:13:28,115 --> 00:13:30,117 (おりん)いえね 小倉の御城下では➡ 111 00:13:30,117 --> 00:13:34,117 口さがない すずめたちが そんなうわさを しておりますのよ 112 00:13:36,123 --> 00:13:41,128 (お孝)私と武蔵様のことが そんな うわさに 113 00:13:41,128 --> 00:13:43,130 (おりん)何しろ 宮本様は➡ 114 00:13:43,130 --> 00:13:48,135 今をときめく 九州一の いえ 日本一の武芸者ですもの➡ 115 00:13:48,135 --> 00:13:50,137 どんなことでも うわさになりますよ➡ 116 00:13:50,137 --> 00:13:53,140 ねえ? お松様 117 00:13:53,140 --> 00:13:57,144 (お松)世間の人は よほど 暇な人が多いんですよ 118 00:13:57,144 --> 00:14:03,144 (おりんの笑い声) 119 00:14:05,152 --> 00:14:12,159 おりん様 佐々木様は お優しい方でした? 120 00:14:12,159 --> 00:14:14,159 はい? 121 00:14:17,164 --> 00:14:23,103 そう… あなたは幸せな方ですね 122 00:14:23,103 --> 00:14:29,109 武蔵様は 女を寄せつけない お方なのです 123 00:14:29,109 --> 00:14:32,109 特に 私のように弱い女は 124 00:14:34,114 --> 00:14:42,122 あの方に ふさわしいのは もっと強い 賢い女性なのです 125 00:14:42,122 --> 00:14:47,127 へえ! そんなお方が いるんですかね 126 00:14:47,127 --> 00:14:50,127 います (お松)お孝様 127 00:14:52,132 --> 00:14:56,136 小倉の御城下に (おりん)小倉に? 128 00:14:56,136 --> 00:15:00,140 それは 一体 どなたなんです 129 00:15:00,140 --> 00:15:04,144 長岡佐渡様の養女 お悠様です➡ 130 00:15:04,144 --> 00:15:11,151 誠は 細川興秋様の御息女 (お松)お孝様! 131 00:15:11,151 --> 00:15:14,154 あの… 興秋様っていえば あの➡ 132 00:15:14,154 --> 00:15:19,159 関ヶ原の合戦で 細川一族の中で ただ一人 徳川に弓 引いた➡ 133 00:15:19,159 --> 00:15:21,159 あの興秋様ですか? 134 00:15:25,098 --> 00:15:29,102 お悠様は お父上の血を引いて➡ 135 00:15:29,102 --> 00:15:34,107 それは りりしく お美しい方です 136 00:15:34,107 --> 00:15:39,112 武蔵様には きっと あのようなお嬢様が ふさわしい 137 00:15:39,112 --> 00:15:44,117 武蔵様のお心にも お悠様が 住んでいらっしゃるのです 138 00:15:44,117 --> 00:15:47,120 何をおっしゃるんです 139 00:15:47,120 --> 00:15:50,123 御自分をいたぶるのは おやめなされませ 140 00:15:50,123 --> 00:15:55,128 妙舜様のお言葉を お忘れになったんですか? 141 00:15:55,128 --> 00:15:57,128 ごめんなさい 142 00:15:59,132 --> 00:16:04,137 おりんさん お孝様は御病気なのです 143 00:16:04,137 --> 00:16:06,139 ただいま お孝様が おっしゃったこと➡ 144 00:16:06,139 --> 00:16:08,141 ここだけのことにして 忘れてください 145 00:16:08,141 --> 00:16:11,144 (おりん) あの… お悠様のことですか? 146 00:16:11,144 --> 00:16:18,151 お悠様は 長岡佐渡様の御息女 それ以上の詮索は 一切 無用です 147 00:16:18,151 --> 00:16:22,151 あっ… はい 分かっております 148 00:16:26,093 --> 00:16:30,097 (佐渡)お悠 新太郎の話を聞いたか? 149 00:16:30,097 --> 00:16:36,103 (お悠)新太郎様の? (佐渡)武蔵のことじゃ 150 00:16:36,103 --> 00:16:38,105 (佐渡)武蔵は➡ 151 00:16:38,105 --> 00:16:43,110 相良藩の山里に隠せいする 丸目蔵人佐徹斎に➡ 152 00:16:43,110 --> 00:16:46,113 試合を挑んだそうじゃ 153 00:16:46,113 --> 00:16:51,118 徹斎といえば 柳生石舟斎にも勝る達人だ 154 00:16:51,118 --> 00:16:57,124 既に 世を捨て 晴耕雨読の毎日を 過ごしている この老人と➡ 155 00:16:57,124 --> 00:17:01,128 今や 脂の乗りきっている 武蔵の対決 156 00:17:01,128 --> 00:17:08,135 一体 いかが相なったと思う? (お悠)さあ 存じません➡ 157 00:17:08,135 --> 00:17:11,138 多分 お二人とも➡ 158 00:17:11,138 --> 00:17:15,142 剣をお抜きにならなかったのでは ございませんか? 159 00:17:15,142 --> 00:17:19,146 うーん さすがに読めておるな お悠 160 00:17:19,146 --> 00:17:23,083 この勝負 武蔵は 徹斎に負けたと言い➡ 161 00:17:23,083 --> 00:17:26,086 徹斎は 武蔵の力に 舌を巻いたと言う 162 00:17:26,086 --> 00:17:31,091 いやあ 新太郎め まるで 見てきたようなことを言うやつじゃ 163 00:17:31,091 --> 00:17:35,095 (笑い声) 164 00:17:35,095 --> 00:17:38,098 いや いずれにしても➡ 165 00:17:38,098 --> 00:17:44,104 早う 武蔵に会うて 真相を聞きたいものよ のう お悠 166 00:17:44,104 --> 00:17:47,107 (お悠) 叔父様は 武蔵様のことになると➡ 167 00:17:47,107 --> 00:17:52,112 まるで 恋人のように思って いらっしゃるのでございますね 168 00:17:52,112 --> 00:17:57,117 (佐渡)うん? 何? 恋人? ハハハッ➡ 169 00:17:57,117 --> 00:18:00,117 いやあ そうかもしれん 170 00:18:02,122 --> 00:18:06,126 (佐渡)何しろ この年じゃあな➡ 171 00:18:06,126 --> 00:18:09,129 女子に懸想するより よっぽど よかろうが 172 00:18:09,129 --> 00:18:12,132 (佐渡の笑い声) 173 00:18:12,132 --> 00:18:20,140 それにしても 武蔵様は どこで どうしていらっしゃるのでしょう 174 00:18:20,140 --> 00:18:39,140 ♬~ 175 00:18:42,095 --> 00:18:46,099 (甚内)どうした おりん 武蔵の行方は つかめたか? 176 00:18:46,099 --> 00:18:49,102 いや つかめたわけじゃないけどさ➡ 177 00:18:49,102 --> 00:18:54,107 武蔵に 幾年も 性懲りもなく 恋い焦がれてる女なんて➡ 178 00:18:54,107 --> 00:18:58,111 どんな顔してるか 拝ませてもらった 179 00:18:58,111 --> 00:19:01,114 拝ませてもらっただけの かいは あったよ 180 00:19:01,114 --> 00:19:06,119 (甚内)ほう お孝か どんな女だった 181 00:19:06,119 --> 00:19:12,125 初めはね 何だか高慢ちきな女だと 思ったけど➡ 182 00:19:12,125 --> 00:19:16,129 話してるうちに かわいそうになっちまってさ 183 00:19:16,129 --> 00:19:20,133 どこか患ってるらしくてね 184 00:19:20,133 --> 00:19:23,069 ありゃ きっと 武蔵に 恋い焦がれてるうちに➡ 185 00:19:23,069 --> 00:19:28,074 精も根も 吸い取られちまったんだねぇ 186 00:19:28,074 --> 00:19:32,078 誰かが支えていてやらなきゃ 今にも 消え入りそうな女なのさ 187 00:19:32,078 --> 00:19:36,082 (甚内)誰かさんとは だいぶ違うってわけか 188 00:19:36,082 --> 00:19:38,084 私のことかい? (甚内)ヘヘッ 189 00:19:38,084 --> 00:19:41,087 分かってりゃ 世話ねえや (おりん)何だよ 190 00:19:41,087 --> 00:19:45,087 (甚内)まあ いいから 先を話しな 191 00:19:47,093 --> 00:19:51,097 あたしゃね あの女を見てるうちに➡ 192 00:19:51,097 --> 00:19:54,100 ますます 武蔵が憎らしくなってきたんだ 193 00:19:54,100 --> 00:20:00,106 武蔵のために不幸になったのは 私ばかりじゃない 194 00:20:00,106 --> 00:20:04,106 武蔵は 女の敵なんだってね 195 00:20:13,119 --> 00:20:19,125 (雷鳴) 196 00:20:19,125 --> 00:20:26,125 おや 雷 (甚内)また 一雨 来るらしいぜ 197 00:20:28,068 --> 00:20:33,073 (おりん)どうしたのさ 鴨さん さっきから 浮かぬ顔して 198 00:20:33,073 --> 00:20:41,081 傷の痕が 痛みやがんのさ こういう天気の日は 199 00:20:41,081 --> 00:20:44,084 (おりん)鴨さんだって 武蔵が憎いだろう➡ 200 00:20:44,084 --> 00:20:46,086 その腕を斬られたんだ 201 00:20:46,086 --> 00:20:50,090 当たり前だ! 分かりきったこと言うな! 202 00:20:50,090 --> 00:20:55,095 ばか野郎 (おりん)ごめんよ➡ 203 00:20:55,095 --> 00:20:58,095 あたしゃ そんな… そんなつもりで 言ったんじゃないんだ 204 00:21:04,104 --> 00:21:13,104 (雷鳴) 205 00:21:15,115 --> 00:21:23,123 (雷鳴) 206 00:21:23,123 --> 00:21:28,128 (女性)相部屋ですけど 勘弁してね お坊さん (森都)いや 結構 結構➡ 207 00:21:28,128 --> 00:21:32,132 ああ お邪魔しますよ (男性)ハハッ どうぞどうぞ 208 00:21:32,132 --> 00:21:35,135 (森都)ハハッ よう降りますなぁ 209 00:21:35,135 --> 00:21:37,137 (男性)この降りでは お坊さんも難儀でしょう 210 00:21:37,137 --> 00:21:40,140 (森都)こじき坊主 殺すには 刃物はいらぬ➡ 211 00:21:40,140 --> 00:21:44,144 雨の3日も降ればよいってね (男性)ハハハ…➡ 212 00:21:44,144 --> 00:21:48,148 それは 私たち行商人も御同様です 213 00:21:48,148 --> 00:21:51,151 (森都・男性の笑い声) 214 00:21:51,151 --> 00:21:54,154 (おりん)しっかりおしよ 鴨さん➡ 215 00:21:54,154 --> 00:22:00,154 腕の1本が なくなったからって 意気地がなくなって どうすんのさ 216 00:22:03,163 --> 00:22:07,167 (甚内)俺は まだ生きてる 217 00:22:07,167 --> 00:22:10,170 蛇のように 武蔵に食らいついて➡ 218 00:22:10,170 --> 00:22:14,174 いつか きっと やつの息の根を止めてやる 219 00:22:14,174 --> 00:22:20,180 俺は まだ生きてるんだ 武蔵! 220 00:22:20,180 --> 00:22:22,180 武蔵! 221 00:22:26,119 --> 00:22:29,122 武蔵! 222 00:22:29,122 --> 00:22:32,125 私だって かんに障るんだ 223 00:22:32,125 --> 00:22:35,128 冷酷 無残 224 00:22:35,128 --> 00:22:40,133 しかも 己の修行のためには 殺人を繰り返す 225 00:22:40,133 --> 00:22:42,133 生かしちゃおけないよ! 226 00:22:45,138 --> 00:22:52,145 私一人でも 一生かかっても➡ 227 00:22:52,145 --> 00:22:54,147 殺してやる 228 00:22:54,147 --> 00:22:56,147 その意気 その意気 229 00:22:58,151 --> 00:23:04,157 ところで おりん さっきの話 もうひとつ 詳しく話してくれ 230 00:23:04,157 --> 00:23:07,160 (おりん)さっきの話って? 231 00:23:07,160 --> 00:23:11,164 武蔵が ほれてる 何とかいう お姫様のことだ 232 00:23:11,164 --> 00:23:14,167 (おりん)ああ お悠様? (甚内)うん そのお悠様 233 00:23:14,167 --> 00:23:20,167 確か 細川興秋の娘とかいったな (おりん)でも 本当かね 234 00:23:23,109 --> 00:23:25,111 (おりん)武蔵が あんな世間知らずな お姫様に➡ 235 00:23:25,111 --> 00:23:30,116 ほれるなんてさ (甚内)それは ありうることだ 236 00:23:30,116 --> 00:23:34,120 武蔵は あれで なかなかの野心家よ 237 00:23:34,120 --> 00:23:41,127 細川 39万石の家老 長岡佐渡の 婿になれば➡ 238 00:23:41,127 --> 00:23:46,132 格として 将軍家 御指南番 柳生家に匹敵する地位に➡ 239 00:23:46,132 --> 00:23:49,135 上がることができる 240 00:23:49,135 --> 00:23:52,138 その上で 柳生を打ち負かせば… 241 00:23:52,138 --> 00:23:57,143 だけど そんなことになったら もう 私たちの手には負えやしないよ➡ 242 00:23:57,143 --> 00:24:00,146 ねえ どうしたらいいだろう 243 00:24:00,146 --> 00:24:05,146 ああ 武蔵のこと考えると いらいらしてくるよ 244 00:24:07,153 --> 00:24:12,158 おい 待てよ いい手があるぞ 245 00:24:12,158 --> 00:24:18,164 お悠様の実の父親は 確か 京で浪人している細川興秋 246 00:24:18,164 --> 00:24:24,104 そう 一族の中で ただ一人 豊臣方に くみしたために➡ 247 00:24:24,104 --> 00:24:26,106 御本家から勘当されてるんだ 248 00:24:26,106 --> 00:24:30,110 そのお悠様を 御本家の家老が➡ 249 00:24:30,110 --> 00:24:35,115 めいと偽り 養女にしていることが 分かったとしたら➡ 250 00:24:35,115 --> 00:24:38,115 徳川も 黙って見過ごすまい 251 00:24:40,120 --> 00:24:46,126 なるほど 細川家にとっちゃ お家の一大事 252 00:24:46,126 --> 00:24:48,128 武蔵にしてみりゃ➡ 253 00:24:48,128 --> 00:24:52,132 知らんふりするわけには いかないって寸法か 254 00:24:52,132 --> 00:24:54,134 (甚内)そうよ 255 00:24:54,134 --> 00:24:59,134 お悠様は 俺たちにとって またとない おとりだぜ 256 00:25:01,141 --> 00:25:06,146 お悠様 かどわかそうってのかい (甚内)ヘヘッ 257 00:25:06,146 --> 00:25:13,153 そう手荒に出なくたって 手は いろいろ あらあな 258 00:25:13,153 --> 00:25:21,161 とにかく 武蔵を 義理人情の泥沼に 追い込んでやる 259 00:25:21,161 --> 00:25:26,099 あれで 武蔵は 国のお政にも無関心 260 00:25:26,099 --> 00:25:31,104 徳川も 豊臣もなかったが お悠様がらみで攻めれば➡ 261 00:25:31,104 --> 00:25:35,108 徳川に弓を引かせることだって できる 262 00:25:35,108 --> 00:25:39,112 そうじゃねえか? おりん (おりん)ハハハ…➡ 263 00:25:39,112 --> 00:25:43,112 考えたね お前さん 264 00:25:53,126 --> 00:25:57,130 (男性)お坊さん こっちへ来て 一杯やりませんか 265 00:25:57,130 --> 00:26:04,137 (森都)うん? ああ わしは ここが結構➡ 266 00:26:04,137 --> 00:26:08,141 こうして うたた寝をしてると この世は極楽➡ 267 00:26:08,141 --> 00:26:11,144 雨の音も 花祭りの 甘茶のしぶきのように➡ 268 00:26:11,144 --> 00:26:15,148 聞こえてくるようでな (男性)へえ➡ 269 00:26:15,148 --> 00:26:17,150 せっかく 布団があるのにね 270 00:26:17,150 --> 00:26:22,088 一晩中 そうやっているつもりですか? 271 00:26:22,088 --> 00:26:26,088 (森都)はい (男性)こりゃ 変わったお坊さんだ 272 00:26:28,094 --> 00:26:31,097 ≪(甚内)よーし こうしちゃいられねえ➡ 273 00:26:31,097 --> 00:26:36,102 早速 小倉に行かなくちゃ ≪(おりん)お待ちよ 慌てない➡ 274 00:26:36,102 --> 00:26:42,102 まず 何から 手を付けたらいいか 2人で考えようじゃないか 275 00:26:47,113 --> 00:26:51,117 では お照さんは お父上を亡くなされ➡ 276 00:26:51,117 --> 00:26:55,121 天涯孤独の身になられたのか (お照)はい 277 00:26:55,121 --> 00:26:59,125 ちそうになった (お照)お口に合いましたでしょうか 278 00:26:59,125 --> 00:27:02,128 お父上を亡くされた 悲しいやさきに➡ 279 00:27:02,128 --> 00:27:06,132 病人の私が 転がり込んで とんだ迷惑をかけた 280 00:27:06,132 --> 00:27:10,136 申し訳ない (お照)いいえ! 281 00:27:10,136 --> 00:27:15,141 この5日間 宮本様が いらっしゃればこそ➡ 282 00:27:15,141 --> 00:27:20,146 私の くじける心も 立ち直ることができました 283 00:27:20,146 --> 00:27:26,085 ありがとうございます 5日? 私は そんなに… 284 00:27:26,085 --> 00:27:31,090 あなたは その間 私のそばに いてくれたのか 285 00:27:31,090 --> 00:27:36,095 (お照)命をお助けいただいた 御恩返しが 少しでもできました 286 00:27:36,095 --> 00:27:38,097 うれしゅうございます 287 00:27:38,097 --> 00:27:41,100 (源蔵) 宮本先生 お客人でございますが 288 00:27:41,100 --> 00:27:45,104 私に客? (源蔵)はい 289 00:27:45,104 --> 00:27:47,106 (男性)あっ どうも➡ 290 00:27:47,106 --> 00:27:49,108 実は 先生➡ 291 00:27:49,108 --> 00:27:55,114 一昨日 熊本の宿で あるお人に 先生に 言づけを頼まれました 292 00:27:55,114 --> 00:27:59,118 それは 誰です? (男性)はい 座頭の森都さんです 293 00:27:59,118 --> 00:28:03,122 森都? して その言づけとは? 294 00:28:03,122 --> 00:28:05,124 はい 何でも➡ 295 00:28:05,124 --> 00:28:10,129 宮本先生を敵と狙う2人の男女が 何かをたくらんでいる 296 00:28:10,129 --> 00:28:15,134 それが どうも 宮本先生と 縁故の深い さるお姫様に➡ 297 00:28:15,134 --> 00:28:17,136 関わりのあることらしい 298 00:28:17,136 --> 00:28:21,140 一刻も早く 小倉へ お立ち戻りくださいますように➡ 299 00:28:21,140 --> 00:28:25,078 とのことでございました 小倉へ? 300 00:28:25,078 --> 00:28:29,082 よく知らせてくれた かたじけない (男性)いやあ もう➡ 301 00:28:29,082 --> 00:28:32,085 そんな お礼なんて言われると もったいない 302 00:28:32,085 --> 00:28:37,085 2人の 男と女 303 00:28:53,106 --> 00:28:56,109 道中 御無事を お祈りいたしております 304 00:28:56,109 --> 00:28:58,111 ありがとう 305 00:28:58,111 --> 00:29:06,119 あの… 小倉のお姫様というのは お悠様のことでございましょう? 306 00:29:06,119 --> 00:29:10,123 何故 お悠様のことを? 307 00:29:10,123 --> 00:29:13,126 先生は お熱に浮かされながら➡ 308 00:29:13,126 --> 00:29:19,132 時々 お悠様って そう呼んでらっしゃいました 309 00:29:19,132 --> 00:29:23,069 お好きなのですね お悠様のことが 310 00:29:23,069 --> 00:29:25,069 お幸せに 311 00:29:30,076 --> 00:29:33,079 (金剛)武蔵! よくも兄者を殺したな!➡ 312 00:29:33,079 --> 00:29:38,084 狒々丸の弟 金剛だ うぬの命 もらった! 313 00:29:38,084 --> 00:29:58,104 ♬~ 314 00:29:58,104 --> 00:30:18,124 ♬~ 315 00:30:18,124 --> 00:30:37,124 ♬~ 316 00:30:40,079 --> 00:30:43,082 お照さん さらば 317 00:30:43,082 --> 00:30:57,096 ♬~ 318 00:30:57,096 --> 00:31:00,099 お嬢様 319 00:31:00,099 --> 00:31:06,105 源蔵 かわいそうな方ね 武蔵様って 320 00:31:06,105 --> 00:31:26,125 ♬~ 321 00:31:26,125 --> 00:31:35,125 ♬~ 322 00:31:40,139 --> 00:31:43,142 (女性)お客様です (甚内)ああ 岸さん➡ 323 00:31:43,142 --> 00:31:48,147 ちょうどよいところに みえられた お引き合わせしよう 324 00:31:48,147 --> 00:31:52,151 これなる3人は 佐々木小次郎殿の 旧門弟たちより➡ 325 00:31:52,151 --> 00:31:54,153 よりすぐった使い手です 326 00:31:54,153 --> 00:31:57,156 (工藤)工藤吉郎と申す 327 00:31:57,156 --> 00:32:00,159 (恩田)恩田一栄です (木倉)木倉左内 328 00:32:00,159 --> 00:32:07,166 (岸)岸 孫六と申す お見知り置きを 329 00:32:07,166 --> 00:32:12,171 (甚内)岸さん この3人は 雌伏3年➡ 330 00:32:12,171 --> 00:32:16,175 いずれも 武蔵に 恩師の遺恨を晴らさんものと➡ 331 00:32:16,175 --> 00:32:18,177 剣の修行に励んできた➡ 332 00:32:18,177 --> 00:32:22,114 我々にとっては 強力な味方です (岸)相手は武蔵 333 00:32:22,114 --> 00:32:27,119 味方は何人いても 余ると いうことには ならんでしょう 334 00:32:27,119 --> 00:32:33,125 (甚内)ごもっとも 佐々木先生 御一門のみならず➡ 335 00:32:33,125 --> 00:32:37,129 長崎で 武蔵に討たれた 筑紫栄門の一門➡ 336 00:32:37,129 --> 00:32:44,136 古くは 京の吉岡一門の残党までが この度の 我々の企てを聞いて➡ 337 00:32:44,136 --> 00:32:47,139 続々と この小倉に 集まってくる予定です 338 00:32:47,139 --> 00:32:52,144 そちらのお膳立ては それで よしとして 私の方だが 339 00:32:52,144 --> 00:32:54,146 (甚内)例の一件ですね➡ 340 00:32:54,146 --> 00:32:57,149 所司代 板倉様のお意向は いかがなもので 341 00:32:57,149 --> 00:33:03,155 お悠様の一件 板倉様は 事を荒だてぬ御意向のようだ 342 00:33:03,155 --> 00:33:06,158 えっ!? それでは! 343 00:33:06,158 --> 00:33:08,158 まっ 最後まで聞け! 344 00:33:10,162 --> 00:33:14,166 事を荒だてぬといっても 放置するわけではない 345 00:33:14,166 --> 00:33:19,171 お悠様には てい髪し 尼になっていただく 346 00:33:19,171 --> 00:33:24,110 それが 板倉様が 細川に対する 思いやりというものよ 347 00:33:24,110 --> 00:33:27,113 (甚内)手ぬるい! そんなことでは 武蔵を罠に はめることも 348 00:33:27,113 --> 00:33:31,117 お悠様が おとなしく 尼になればだな 349 00:33:31,117 --> 00:33:38,124 だが 恐らくは そうはなるまい 長岡佐渡にしてもだ 350 00:33:38,124 --> 00:33:42,128 むざむざ 御公儀の言うなりに なるかどうか 351 00:33:42,128 --> 00:33:47,133 そして 武蔵が (岸)そう 武蔵とて男 352 00:33:47,133 --> 00:33:53,139 ほれた女が尼になるのを 黙って 見過ごすようなやつではなかろう 353 00:33:53,139 --> 00:33:56,142 (寺尾)御家老 何事でございますか 354 00:33:56,142 --> 00:34:00,142 (佐渡)これを読んでみよ 新太郎 (寺尾)はっ 355 00:34:03,149 --> 00:34:08,149 (佐渡)京都所司代 板倉様よりの 沙汰書じゃ 356 00:34:11,157 --> 00:34:16,162 お悠様が仏門に… なぜでございますか!➡ 357 00:34:16,162 --> 00:34:18,164 御家老! 358 00:34:18,164 --> 00:34:24,103 何者かが お悠の素性を 御公儀へ告げたのであろう 359 00:34:24,103 --> 00:34:27,106 (寺尾) 何やつが そのような卑劣なことを 360 00:34:27,106 --> 00:34:29,108 分からん 361 00:34:29,108 --> 00:34:33,108 一体 いかなる目的をもって したことか 362 00:34:41,120 --> 00:34:44,120 (琴) 363 00:34:46,125 --> 00:34:51,130 (琴) 364 00:34:51,130 --> 00:35:04,143 ♬~ 365 00:35:04,143 --> 00:35:08,143 お悠様は まだ このことを? 366 00:35:10,149 --> 00:35:12,149 知らぬ 367 00:35:14,153 --> 00:35:19,158 (琴) 368 00:35:19,158 --> 00:35:34,106 ♬~ 369 00:35:34,106 --> 00:35:37,106 (琵琶) 370 00:35:39,111 --> 00:35:44,116 (琵琶) 371 00:35:44,116 --> 00:35:58,130 ♬~ 372 00:35:58,130 --> 00:36:04,136 美しい音色じゃな (お悠)叔父様 373 00:36:04,136 --> 00:36:10,136 あの琵琶は そなたの琴に合わせて 弾いているのではないかな? 374 00:36:12,144 --> 00:36:16,148 何者か 見てまいります 375 00:36:16,148 --> 00:36:21,153 (琵琶) 376 00:36:21,153 --> 00:36:29,153 ♬~ 377 00:36:32,097 --> 00:36:35,100 御坊 378 00:36:35,100 --> 00:36:38,103 (森都)お耳障りでございましたか (寺尾)いや 379 00:36:38,103 --> 00:36:43,108 (森都)私は 森都と申す 流浪の法師でござりますが➡ 380 00:36:43,108 --> 00:36:46,111 御主人様に お伝えください 381 00:36:46,111 --> 00:36:54,119 天上より 災い降るといえども 南より 援軍あり 382 00:36:54,119 --> 00:36:56,119 御免 383 00:37:02,127 --> 00:37:06,127 南より 援軍あり 384 00:37:09,134 --> 00:37:29,088 ♬~ 385 00:37:29,088 --> 00:37:39,098 ♬~ 386 00:37:39,098 --> 00:37:42,101 (三十郎)あっ 失礼いたした 387 00:37:42,101 --> 00:37:46,105 旅の兵法者だ 怪しい者ではない 388 00:37:46,105 --> 00:37:53,112 いやあ 見事だ 私も 絵が好きでね 389 00:37:53,112 --> 00:37:55,114 どなたか 師に ついておられるのか 390 00:37:55,114 --> 00:37:58,117 (三十郎)いいえ 先生には ついておりません➡ 391 00:37:58,117 --> 00:38:03,122 ただ 雪舟先生の絵が大好きです 私も 雪舟が好きだ 392 00:38:03,122 --> 00:38:06,125 (三十郎)あなた様も 絵をお描きになるのですか? 393 00:38:06,125 --> 00:38:09,125 下手な横好きでね 394 00:38:15,134 --> 00:38:21,140 絵は 剣の修行と 相通じるものがある 395 00:38:21,140 --> 00:38:24,076 (三十郎)それは何ですか 396 00:38:24,076 --> 00:38:30,082 さあ 何と言えばよいか 397 00:38:30,082 --> 00:38:32,084 ≪(四郎)兄上! 398 00:38:32,084 --> 00:38:34,086 (四郎) 道場に みんなが集まっている 399 00:38:34,086 --> 00:38:37,089 兄上も来ないか? (三十郎)道場に? 400 00:38:37,089 --> 00:38:40,092 何か 一大事があったらしくて 梅軒先生が すぐ来いって 401 00:38:40,092 --> 00:38:43,095 (三十郎)俺は行かないよ (四郎)なぜ? 402 00:38:43,095 --> 00:38:47,099 (三十郎)絵を描いているんだ (四郎)フンッ 兄上は駄目だな 403 00:38:47,099 --> 00:38:51,103 絵ばっかり描いていて 今に 先生に破門されるぞ 404 00:38:51,103 --> 00:38:58,110 弟御か 剣が好きなのか 先生は 誰についておる 405 00:38:58,110 --> 00:39:01,113 横田梅軒先生だ! 横田梅軒? 406 00:39:01,113 --> 00:39:04,116 おじさん 先生の弟子になりたかったら➡ 407 00:39:04,116 --> 00:39:07,119 私が 口を利いてあげるよ (三十郎)四郎! 408 00:39:07,119 --> 00:39:09,119 いや 結構 409 00:39:11,123 --> 00:39:16,128 面白い弟御だな 利かん坊で 困るんです 410 00:39:16,128 --> 00:39:20,132 あっ 申し遅れました 私は 矢野三十郎 411 00:39:20,132 --> 00:39:25,132 弟は 四郎といいます 手前は 宮本武蔵 412 00:39:27,072 --> 00:39:32,077 どうした? あなた様が 宮本武蔵様?➡ 413 00:39:32,077 --> 00:39:35,080 大変です! こんなとこに ぐずぐずしていては➡ 414 00:39:35,080 --> 00:39:37,082 横田先生一門が➡ 415 00:39:37,082 --> 00:39:40,085 あなた様を討とうと 待ち構えているのです 416 00:39:40,085 --> 00:39:43,085 今 弟が言っていたのは そのことです 417 00:39:45,090 --> 00:39:50,095 <横田梅軒 筑紫栄門の弟弟子で➡ 418 00:39:50,095 --> 00:39:54,095 当時 北九州に その人ありと 知られる剣豪である> 419 00:39:58,103 --> 00:40:00,105 (横田)よいか!➡ 420 00:40:00,105 --> 00:40:05,110 ある事情があって 武蔵は 必ず 小倉に乗り込んでくる➡ 421 00:40:05,110 --> 00:40:07,112 この機会こそ➡ 422 00:40:07,112 --> 00:40:10,115 恩師 佐々木小次郎の復しゅうを 遂げる時だ➡ 423 00:40:10,115 --> 00:40:13,118 既に 小倉には➡ 424 00:40:13,118 --> 00:40:19,124 同門の浪人 兵法者 二十数名が 満を持して待機している➡ 425 00:40:19,124 --> 00:40:25,064 ここにおられる工藤吉郎殿も その一人だ 426 00:40:25,064 --> 00:40:27,066 (門弟たち)おう!➡ 427 00:40:27,066 --> 00:40:30,066 よし! そうか よし! なるほど! うん 428 00:40:35,074 --> 00:40:37,076 (三十郎) 私の家は すぐ この先です➡ 429 00:40:37,076 --> 00:40:40,079 母 一人ですから どうぞ 今夜のお宿を 430 00:40:40,079 --> 00:40:44,083 いやあ かたじけない しかし そうもしておられん 431 00:40:44,083 --> 00:40:50,089 三十郎さん すまぬが 小倉まで 使いを頼まれてくれぬか 432 00:40:50,089 --> 00:40:52,089 (三十郎)はっ? 433 00:40:55,094 --> 00:41:00,099 (森都)そうですか 先生が鳥旗に➡ 434 00:41:00,099 --> 00:41:03,102 うん まずは これで一安心だ 435 00:41:03,102 --> 00:41:05,104 (三十郎)先生が 今夜 お泊まりになるのは➡ 436 00:41:05,104 --> 00:41:08,107 鳥旗の才助という漁師の家です➡ 437 00:41:08,107 --> 00:41:13,112 才助は 私の父が存命で 一家そろって 大坂にいた頃➡ 438 00:41:13,112 --> 00:41:19,118 若党をしていた実直な男です (森都)ありがとう ありがとう➡ 439 00:41:19,118 --> 00:41:23,122 だがな 三十郎さん わしは 宮本先生のことなぞ➡ 440 00:41:23,122 --> 00:41:27,126 これっぽっちも 心配しては おらんのじゃよ (三十郎)はっ? 441 00:41:27,126 --> 00:41:30,129 あの先生は そんじょそこらの剣術使いが➡ 442 00:41:30,129 --> 00:41:34,133 束になって かかったって とても かないやせん 443 00:41:34,133 --> 00:41:39,138 わしが心配なのは お悠様のことじゃ 444 00:41:39,138 --> 00:41:42,141 お悠様? (森都)そう 445 00:41:42,141 --> 00:41:46,145 きれいな きれいな お姫様のことじゃよ 446 00:41:46,145 --> 00:41:49,148 花も恥じらう そのお姫様が➡ 447 00:41:49,148 --> 00:41:53,152 わしのように 頭を丸めてしまわれるなんて➡ 448 00:41:53,152 --> 00:41:57,152 許されることと思うかい? 三十郎さん! 449 00:42:01,160 --> 00:42:05,164 <長岡佐渡は 1夜 思い悩んだあげく➡ 450 00:42:05,164 --> 00:42:08,167 悲痛な決意に達していた> 451 00:42:08,167 --> 00:42:16,175 悠 このお方は 中津 月光寺の 秀月禅尼様じゃ 452 00:42:16,175 --> 00:42:18,177 悠と申します 453 00:42:18,177 --> 00:42:23,115 (秀月) 佐渡様より よく伺っておりました 454 00:42:23,115 --> 00:42:31,123 (秀月)お悠様 私の身の上は よく あなたに似ておりました 455 00:42:31,123 --> 00:42:34,126 母には 幼くして 死に別れ➡ 456 00:42:34,126 --> 00:42:41,133 父は 一族の反逆者として ついに 身を滅ぼした不遇の一家 457 00:42:41,133 --> 00:42:46,138 私は つくづく 世の無常を感じ➡ 458 00:42:46,138 --> 00:42:51,143 この上は ただ 父母の菩提を弔う他はないと➡ 459 00:42:51,143 --> 00:42:56,148 仏の慈悲に おすがり申したのです 460 00:42:56,148 --> 00:42:58,148 叔父様 461 00:43:00,152 --> 00:43:03,155 何を お隠しになってるので ございますか 462 00:43:03,155 --> 00:43:08,155 おっしゃってくださいませ (佐渡)うん? うん… 463 00:43:10,162 --> 00:43:13,165 何を 悲しんでいらっしゃるのですか 464 00:43:13,165 --> 00:43:15,165 昨日から お一人で 465 00:43:18,170 --> 00:43:23,108 私には よく分かっております 466 00:43:23,108 --> 00:43:27,112 きっと 私の身に 何か… 467 00:43:27,112 --> 00:43:32,117 お悠 許してくれ 468 00:43:32,117 --> 00:43:39,124 実は 何者かが そなたを興秋殿の息女と見破り➡ 469 00:43:39,124 --> 00:43:44,129 京都所司代 板倉勝重殿に 告げたのじゃ 470 00:43:44,129 --> 00:43:47,132 細川家にも 敵がいて➡ 471 00:43:47,132 --> 00:43:52,137 将軍家との間を裂こうと 狙っている者もある 472 00:43:52,137 --> 00:43:55,140 だから 御公儀としても この一件を➡ 473 00:43:55,140 --> 00:44:00,140 そのまま見過ごすわけにはいかぬ 立場にあるんだ 474 00:44:02,147 --> 00:44:09,154 叔父様 よく分かりました 475 00:44:09,154 --> 00:44:15,160 だから 私に仏門に入るように 勧めてくださったのでございますね 476 00:44:15,160 --> 00:44:18,163 お悠 すまん 477 00:44:18,163 --> 00:44:24,163 わしは悲しい 興秋殿にも 顔向けがならん 478 00:44:26,104 --> 00:44:32,104 わしは どれほど そなたを愛し 行く末を楽しみにしていたことか 479 00:44:35,113 --> 00:44:38,116 仏門に入る他に➡ 480 00:44:38,116 --> 00:44:43,121 そなたの無事を図る 手だてがないのだ 481 00:44:43,121 --> 00:44:45,123 はい 482 00:44:45,123 --> 00:44:55,133 (琵琶) 483 00:44:55,133 --> 00:45:01,133 <お悠は この琵琶の音を 武蔵の励ましの声と聞いた> 484 00:45:03,141 --> 00:45:05,143 <武蔵は お悠様を盾に➡ 485 00:45:05,143 --> 00:45:08,146 佐渡を苦しめ 自分をおびき寄せんと➡ 486 00:45:08,146 --> 00:45:13,151 必殺の復しゅう剣を磨く 甚内一派の陰謀の渦に➡ 487 00:45:13,151 --> 00:45:16,154 今 武蔵は立つ> 488 00:45:16,154 --> 00:45:21,154 <武蔵は行く 小倉へ 小倉へ> 489 00:45:27,099 --> 00:45:47,119 ♬~ 490 00:45:47,119 --> 00:46:07,139 ♬~ 491 00:46:07,139 --> 00:46:27,092 ♬~ 492 00:46:27,092 --> 00:46:45,092 ♬~