1 00:01:23,091 --> 00:01:43,111 ・~ 2 00:01:43,111 --> 00:02:01,111 ・~ 3 00:02:07,135 --> 00:02:21,135 ・~ 4 00:02:23,085 --> 00:02:26,088 <武蔵は 亡き お孝の冥福を祈っていた> 5 00:02:26,088 --> 00:02:29,091 <武蔵への報復と恋慕の 板挟みに苦しむ おりんは・ 6 00:02:29,091 --> 00:02:34,096 嵯峨野にいた お悠を 武蔵の身代わりのように殺害した> 7 00:02:34,096 --> 00:02:37,099 <お孝 お悠を失って 旅に出た 武蔵は・ 8 00:02:37,099 --> 00:02:41,103 山伏一味に 父を殺された少年 伊織と出会い・ 9 00:02:41,103 --> 00:02:44,106 その山伏たちを倒し 伊織を養子にした> 10 00:02:44,106 --> 00:02:48,106 <そして 伊織を伴って 京へ向かった> 11 00:02:52,114 --> 00:03:04,126 ・~ 12 00:03:04,126 --> 00:03:09,131 <武蔵は 各地の諸大名に招かれて 兵法を伝えていたが・ 13 00:03:09,131 --> 00:03:13,135 時は流れ はや 50歳を迎え・ 14 00:03:13,135 --> 00:03:17,139 養子の伊織も 21歳の青年となった> 15 00:03:17,139 --> 00:03:21,143 <この年 細川忠利の招きにより・ 16 00:03:21,143 --> 00:03:25,080 伊織を伴い 久しぶりに 江戸の地を踏んだ> 17 00:03:25,080 --> 00:03:27,080 <そのころ 江戸城では> 18 00:03:29,084 --> 00:03:35,090 (土井)小笠原殿 度々 高価な品を頂き 痛み入る 19 00:03:35,090 --> 00:03:37,092 (小笠原)御老中の土井様には・ 20 00:03:37,092 --> 00:03:41,096 相良公のために お骨折りを 願うのでござりまするから 21 00:03:41,096 --> 00:03:46,101 貴公も 相良の藩主に やっかいなことを頼まれて・ 22 00:03:46,101 --> 00:03:48,103 大変なことじゃ 23 00:03:48,103 --> 00:03:51,106 (小笠原)若い相良公に 泣きつかれましてはのう 24 00:03:51,106 --> 00:03:57,112 相良藩の 藩主と家老の争いには 頭を痛めておる 25 00:03:57,112 --> 00:04:02,117 (小笠原)若い相良公にしてみれば 己をしのぐ家老の勢力に恐れ・ 26 00:04:02,117 --> 00:04:06,121 今のうち 家老を処断したいと 考えるのは当然 27 00:04:06,121 --> 00:04:08,123 (土井)しかしながら・ 28 00:04:08,123 --> 00:04:11,126 若い相良公では とても 処断できかねる 29 00:04:11,126 --> 00:04:17,132 家老 井上重左衛門は 三代の藩主に仕えた功臣 30 00:04:17,132 --> 00:04:21,136 何とか幕府に その処置をと 申すのであろう 31 00:04:21,136 --> 00:04:23,071 さよう 32 00:04:23,071 --> 00:04:27,075 御老中の土井様に 何としても お願いしていただきたいと・ 33 00:04:27,075 --> 00:04:30,078 再三 泣きついてまいります 34 00:04:30,078 --> 00:04:35,083 何とぞ よしなに お取り計らいくださりませ 35 00:04:35,083 --> 00:04:38,086 困ったのう 36 00:04:38,086 --> 00:04:40,088 相良藩の家老の方も・ 37 00:04:40,088 --> 00:04:45,093 由利姫殿を介して わしに依頼してきておる 38 00:04:45,093 --> 00:04:48,096 由利姫殿が? (土井)さよう 39 00:04:48,096 --> 00:04:53,101 由利姫殿は 足利将軍の孫娘じゃからのう 40 00:04:53,101 --> 00:04:59,107 (小笠原)土井様 何とぞ 若い相良公に お力添えを 41 00:04:59,107 --> 00:05:03,111 悪いようには いたさん (小笠原)お願いいたします・ 42 00:05:03,111 --> 00:05:07,111 では 御免くださりませ 43 00:05:25,067 --> 00:05:28,070 (伊豆守)土井殿 (土井)伊豆守様 44 00:05:28,070 --> 00:05:33,075 (伊豆守)そなたも 相良の件では 御苦労なことじゃ (土井)はっ 45 00:05:33,075 --> 00:05:37,079 (伊豆守)本来ならば 相良藩は 取り潰すところであるが・ 46 00:05:37,079 --> 00:05:41,083 神君 家康公が お目をかけられた 相良藩のこと 47 00:05:41,083 --> 00:05:43,085 (土井) 潰すわけには まいりませんな 48 00:05:43,085 --> 00:05:47,089 (伊豆守)何としても 丸く収めてもらいたい (土井)はっ 49 00:05:47,089 --> 00:05:55,097 なれど 間に立つ 小笠原殿と 由利姫殿に責めたてられましては 50 00:05:55,097 --> 00:05:58,100 (伊豆守)うーむ 由利姫殿も また・ 51 00:05:58,100 --> 00:06:02,104 神君 家康公が ひごをなされた 足利家の孫娘 52 00:06:02,104 --> 00:06:07,109 粗略な扱いもできぬのう (土井)ははっ 53 00:06:07,109 --> 00:06:12,114 土井殿 相良の件 くれぐれも頼みましたぞ 54 00:06:12,114 --> 00:06:17,119 左膳 とくと 土井様に お願いしてまいったと・ 55 00:06:17,119 --> 00:06:20,119 相良公に伝えてくれ (黒田)はっ 56 00:06:22,057 --> 00:06:26,061 (黒田)殿! 土井様には 何か また御挨拶を? 57 00:06:26,061 --> 00:06:30,065 (小笠原)良きに計らえ (黒田)ははっ 58 00:06:30,065 --> 00:06:32,065 (小笠原)細川殿 59 00:06:34,069 --> 00:06:38,073 (忠利)これは 小笠原殿 お久しぶりでござる 60 00:06:38,073 --> 00:06:40,075 昨年は お国替え・ 61 00:06:40,075 --> 00:06:45,080 肥後 54万石に任ぜられ おめでとうござる 62 00:06:45,080 --> 00:06:48,083 (忠利)恐れ入ります 63 00:06:48,083 --> 00:06:53,088 実は 例の 宮本武蔵の一件でござるが 64 00:06:53,088 --> 00:06:58,093 武蔵を 将軍家御指南番に推挙の件で? 65 00:06:58,093 --> 00:07:04,099 反対しておった老中方も ようやく折れて あと一押し 66 00:07:04,099 --> 00:07:06,101 それは ありがたい 67 00:07:06,101 --> 00:07:11,106 いや 実は 武蔵と伊織を 江戸へ 呼び寄せましたのでな 68 00:07:11,106 --> 00:07:13,108 好都合じゃ 69 00:07:13,108 --> 00:07:17,112 伊織は 我が小笠原家に 仕官いたさせる所存 70 00:07:17,112 --> 00:07:19,114 あっ それは! 71 00:07:19,114 --> 00:07:25,114 先を越されましたな ハハハ… 72 00:07:30,058 --> 00:07:33,061 (忠利)そなたの描いた達磨じゃ 73 00:07:33,061 --> 00:07:36,064 (武蔵)これは お悠様に私が 74 00:07:36,064 --> 00:07:41,069 悠から 長岡佐渡がもらい受け 珍重しておったのを・ 75 00:07:41,069 --> 00:07:45,073 わしが 無理やり 所望したのじゃ 76 00:07:45,073 --> 00:07:50,078 (武蔵)お悠様のこと 何と おわびしてよいやら 77 00:07:50,078 --> 00:07:56,084 お悠様を 死に追いやったのは 私でございます 78 00:07:56,084 --> 00:08:03,091 悠の死は 哀れではあったが それも定めじゃ 79 00:08:03,091 --> 00:08:06,094 武蔵が わびることはないぞ 80 00:08:06,094 --> 00:08:13,101 殿 この絵は 私が頂戴いたします (忠利)何? 81 00:08:13,101 --> 00:08:17,105 そのかわり きっと 会心の達磨を描いて・ 82 00:08:17,105 --> 00:08:22,043 お届けいたします (忠利)さようか・ 83 00:08:22,043 --> 00:08:26,043 本物の達磨を待っておるぞ 84 00:08:31,052 --> 00:08:34,052 (忠利)蒼竜軒を これへ (家臣)はっ 85 00:08:38,059 --> 00:08:43,064 そなたに引き合わせたい兵法者が 今 ここに参るぞ 86 00:08:43,064 --> 00:08:45,066 兵法者? 87 00:08:45,066 --> 00:08:51,072 「神国武鑑」を書いた 山川蒼竜軒じゃ・ 88 00:08:51,072 --> 00:08:54,075 変わった兵法者で・ 89 00:08:54,075 --> 00:08:59,080 剣は 絶対に取らぬが 諸派の兵法に通じており・ 90 00:08:59,080 --> 00:09:04,085 慶長から 現今に至るまで 多少 名のある兵法者なら・ 91 00:09:04,085 --> 00:09:08,089 全国にわたって 調べておる・ 92 00:09:08,089 --> 00:09:12,093 武蔵のことは 殊の外 詳しいのじゃ・ 93 00:09:12,093 --> 00:09:15,096 のう 新太郎 (寺尾)はい・ 94 00:09:15,096 --> 00:09:18,099 先生のことも 顔見知りでございます 95 00:09:18,099 --> 00:09:20,101 ・(家臣)申し上げます・ 96 00:09:20,101 --> 00:09:23,038 山川蒼竜軒を 召し連れましてございます 97 00:09:23,038 --> 00:09:26,038 (忠利)入れ ・(蒼竜軒)はっ 98 00:09:34,049 --> 00:09:39,054 (蒼竜軒)武蔵様 お久しぶりでございます! 99 00:09:39,054 --> 00:09:41,056 甚内ではないか 100 00:09:41,056 --> 00:09:46,056 (蒼竜軒) はい! 鴨 甚内でございます 101 00:09:56,071 --> 00:10:00,075 不思議な巡り会いじゃの 102 00:10:00,075 --> 00:10:06,081 武蔵 蒼竜軒は もはや恨みを捨て・ 103 00:10:06,081 --> 00:10:10,085 そなたに 心から敬服しておるぞ 104 00:10:10,085 --> 00:10:14,089 (蒼竜軒)これからの 私の務めは 武蔵様を倒すのではなく・ 105 00:10:14,089 --> 00:10:18,093 武蔵様をしのぐ剣士を 育てることです 106 00:10:18,093 --> 00:10:21,096 歳月は 人の心を変えるものか 107 00:10:21,096 --> 00:10:24,032 そりゃあ 長崎で 腕を斬り落とされた時は・ 108 00:10:24,032 --> 00:10:28,036 武蔵め 地獄へ落としてやるぞと 呪う毎日・ 109 00:10:28,036 --> 00:10:34,042 だが 時がたち 腕がうずく度に 武蔵様の言葉が 胸に突き刺さった 110 00:10:34,042 --> 00:10:36,044 《ばか者!》 111 00:10:36,044 --> 00:10:41,049 《兵法者をたきつけ 武蔵に 試合を挑ませるなど もっての外》 112 00:10:41,049 --> 00:10:44,052 《命を 何と思うておる! それほど悔しくば・ 113 00:10:44,052 --> 00:10:48,056 おのが技を磨き 武蔵を倒してみよ》 114 00:10:48,056 --> 00:10:51,059 《いつでも 相手になる》 115 00:10:51,059 --> 00:10:56,064 悔しいが 心も技も 私の負けだ・ 116 00:10:56,064 --> 00:11:00,068 しかし このまま引き下がっちゃ 甚内の男が廃る 117 00:11:00,068 --> 00:11:04,072 (寺尾)そこで 先生を踏み台に 兵法の探究を始めた 118 00:11:04,072 --> 00:11:09,077 そのとおり 宮本武蔵を倒したい一心で・ 119 00:11:09,077 --> 00:11:15,083 どれほど多くの兵法家に会い その剣を探究したことか 120 00:11:15,083 --> 00:11:17,085 (物音) 121 00:11:17,085 --> 00:11:19,087 (主水)痛っ! 122 00:11:19,087 --> 00:11:23,091 (寺尾)くせ者! 待て! 捨て置け 123 00:11:23,091 --> 00:11:25,093 (寺尾)だが 何者でしょう 124 00:11:25,093 --> 00:11:29,097 (蒼竜軒)松山主水と思われます (寺尾)松山主水?・ 125 00:11:29,097 --> 00:11:32,100 いまだに 先生を付け狙っているのか 126 00:11:32,100 --> 00:11:36,104 主水の野望は 武蔵 打倒のみ 惜しい男だ 127 00:11:36,104 --> 00:11:41,109 良き腕を持ちながら 兵法の正道を歩けぬ 128 00:11:41,109 --> 00:11:44,112 (蒼竜軒) 今も 奇っ怪な浪人館のあるじ・ 129 00:11:44,112 --> 00:11:46,114 岩田富岳と 手を組んでるらしい 130 00:11:46,114 --> 00:11:51,119 (寺尾)浪人館の 岩田富岳 131 00:11:51,119 --> 00:11:53,121 <岩田富岳は・ 132 00:11:53,121 --> 00:11:59,127 元将軍 足利義昭の孫娘 由利姫を擁した 浪人どもの首領> 133 00:11:59,127 --> 00:12:04,132 <豪商 大名 幕府高官に食い入り さまざまな事件に暗躍> 134 00:12:04,132 --> 00:12:08,136 <町奉行など 手も出せぬ勢力であった> 135 00:12:08,136 --> 00:12:13,141 (井上)相良藩家老 井上重左衛門にございます・ 136 00:12:13,141 --> 00:12:16,144 御老中 土井様への おとりなし・ 137 00:12:16,144 --> 00:12:22,083 ありがたき幸せに存じます 138 00:12:22,083 --> 00:12:28,089 (岩田)相良藩の功臣 井上殿を 処断するとは もっての外・ 139 00:12:28,089 --> 00:12:33,094 相良公に そのような振る舞いは させませんぞ 140 00:12:33,094 --> 00:12:38,099 (井上)何とぞ 何とぞ お力添えを 141 00:12:38,099 --> 00:12:43,104 (岩田)足利将軍の孫娘 由利姫様が お味方なのじゃ・ 142 00:12:43,104 --> 00:12:48,109 御安心なさるがよい (井上)ははっ・ 143 00:12:48,109 --> 00:12:54,109 姫様! どうか お助けくださいませ 144 00:12:57,118 --> 00:13:02,123 (浪人たちの笑い声) 145 00:13:02,123 --> 00:13:06,127 (岩田)相良藩の家老は 金に糸目は つけんと言うのじゃ・ 146 00:13:06,127 --> 00:13:12,133 この際 藩主に力添えをしてる 小笠原公に 脅しをかける 147 00:13:12,133 --> 00:13:15,136 (主水)どのような脅しを? 148 00:13:15,136 --> 00:13:19,140 (岩田)まず 黒田左膳を始末してもらいたい 149 00:13:19,140 --> 00:13:21,142 (主水)黒田左膳? 150 00:13:21,142 --> 00:13:26,080 小笠原公 お気に入りの家臣 相良藩の件で 動き回ってる人物じゃ 151 00:13:26,080 --> 00:13:28,082 黒田を斬り・ 152 00:13:28,082 --> 00:13:33,087 この件から 手を引かねば 第2 第3の犠牲の者が出るぞと・ 153 00:13:33,087 --> 00:13:37,091 脅しをかけるわけですな (岩田)そのとおり 154 00:13:37,091 --> 00:13:40,094 承知いたした 155 00:13:40,094 --> 00:13:46,100 姫 再度 御老中 土井様へ おとりなしを 156 00:13:46,100 --> 00:13:51,105 (由利姫)足利将軍の孫娘が お役に立ちますなら 157 00:13:51,105 --> 00:13:53,107 (浪人)時に 主水殿・ 158 00:13:53,107 --> 00:13:57,111 そなたの宿敵と申す 宮本武蔵が 江戸へ来ておりますぞ 159 00:13:57,111 --> 00:14:00,114 えっ? 武蔵が江戸へ? 160 00:14:00,114 --> 00:14:07,121 主水殿は 先刻 御承知のはず (主水)姫! 161 00:14:07,121 --> 00:14:16,130 (由利姫の笑い声) 162 00:14:16,130 --> 00:14:19,133 土井様の屋敷で 耳にいたしたが・ 163 00:14:19,133 --> 00:14:24,072 武蔵は 将軍家御指南番に 推挙されるようじゃな 164 00:14:24,072 --> 00:14:28,076 何? 将軍家の御指南番に? 165 00:14:28,076 --> 00:14:34,076 宮本武蔵という兵法者 それほどに 腕が立つのか 166 00:14:36,084 --> 00:14:40,084 武蔵を見たいものじゃ 167 00:14:44,092 --> 00:14:49,097 <武蔵は 伊織と共に 門弟 寺尾新太郎の家に滞在し・ 168 00:14:49,097 --> 00:14:52,100 家族同様に過ごしていた> 169 00:14:52,100 --> 00:14:56,104 黒田様 わざわざのお越し 御苦労に存じます 170 00:14:56,104 --> 00:14:59,107 (黒田)お邪魔をいたした・ 171 00:14:59,107 --> 00:15:03,111 伊織殿 とくと 先生と御相談の上・ 172 00:15:03,111 --> 00:15:07,115 小笠原家仕官の儀 良き御返事 下さいますよう・ 173 00:15:07,115 --> 00:15:11,119 お願い申しまするぞ (伊織)はっ 174 00:15:11,119 --> 00:15:14,119 (黒田)では (寺尾)お気を付けて 175 00:15:18,126 --> 00:15:24,065 (求馬助)父上 ただいま戻りました (寺尾)おう 求馬助 176 00:15:24,065 --> 00:15:29,070 今日は 何を学んできた (求馬助)はい 論語でございます 177 00:15:29,070 --> 00:15:32,073 (求馬助)伊織様 剣術の稽古を お願いいたします (伊織)よし 178 00:15:32,073 --> 00:15:37,078 (寺尾)これ! 伊織様はな 先生と 大事なお話があるんだ 179 00:15:37,078 --> 00:15:39,080 わしが稽古をつけてやろう (求馬助)父上! 180 00:15:39,080 --> 00:15:43,084 一休みなさい 大好きな あわ餅がありますよ 181 00:15:43,084 --> 00:15:46,087 (求馬助)わあ! うれしい 早く早く! 182 00:15:46,087 --> 00:15:51,087 (寺尾)しょうがないやつだなぁ ハハハ… 183 00:15:56,097 --> 00:16:00,101 伊織も 独り立ちをする時が来たな 184 00:16:00,101 --> 00:16:02,103 (伊織)父上! 185 00:16:02,103 --> 00:16:07,108 小笠原公は たって 伊織の仕官を望んでおられる 186 00:16:07,108 --> 00:16:12,113 私を仕官させるために 剣を お教えになったのではないはずです 187 00:16:12,113 --> 00:16:16,117 兵法の精神は 心のまま むげな境地を求めるもの 188 00:16:16,117 --> 00:16:20,117 一藩に仕えるためのものではない と お教えくださいました 189 00:16:23,057 --> 00:16:30,064 さよう あくまでも 天地の誠を 心行くまで探る 190 00:16:30,064 --> 00:16:34,068 それが兵法じゃ (伊織)では 何故に仕官を? 191 00:16:34,068 --> 00:16:41,075 わしと同じ道を 歩ませとうはない あまりにも厳しい 剣の道 192 00:16:41,075 --> 00:16:45,079 私は どこまでも 父上に ついてまいります 193 00:16:45,079 --> 00:16:47,081 時世は変わった 194 00:16:47,081 --> 00:16:52,086 浪々の兵法者では 生きることは 容易ではないが・ 195 00:16:52,086 --> 00:16:58,092 父は 己の生き方を 変えぬだけだ 196 00:16:58,092 --> 00:17:03,097 そもそも 兵法とは 事有るとき いつ いかなる場合でも・ 197 00:17:03,097 --> 00:17:07,101 君の馬前に はせ参ずること その心 198 00:17:07,101 --> 00:17:13,107 父は そちの腕を しかと見ておる 199 00:17:13,107 --> 00:17:21,115 武蔵の子として 宮本の姓を 長く伝えてくれ 200 00:17:21,115 --> 00:17:27,054 わしも そちを子として 育てたかいがあったというものだ 201 00:17:27,054 --> 00:17:30,057 (伊織)父上! 202 00:17:30,057 --> 00:17:38,057 伊織 父のように 苦しく生きることはない 203 00:17:40,067 --> 00:17:42,067 伊織 204 00:17:44,071 --> 00:17:50,071 幸せに生きよ 人並みの幸せをな 205 00:17:53,080 --> 00:17:55,082 (伊織)父上! 206 00:17:55,082 --> 00:18:15,102 ・~ 207 00:18:15,102 --> 00:18:35,056 ・~ 208 00:18:35,056 --> 00:18:39,056 ・~ 209 00:18:43,064 --> 00:18:51,072 <武蔵は 山川蒼竜軒の招きにより 神田明神裏の道場を訪ねた> 210 00:18:51,072 --> 00:18:53,074 (蒼竜軒)先生 211 00:18:53,074 --> 00:18:56,077 拙者の師範代を務める 波多野二郎左衛門 212 00:18:56,077 --> 00:18:58,079 お見知り置きください 213 00:18:58,079 --> 00:19:01,082 (波多野) 私は 元明智勇馬と申しまして・ 214 00:19:01,082 --> 00:19:04,085 佐々木小次郎の 門弟でございました・ 215 00:19:04,085 --> 00:19:11,092 あれから十数年 修行いたし 一伝流の兵法を編み出しました 216 00:19:11,092 --> 00:19:15,096 (蒼竜軒)他に 何か 新しい工夫を凝らして・ 217 00:19:15,096 --> 00:19:17,098 お目にかけるそうでございます 218 00:19:17,098 --> 00:19:22,036 (波多野)先生 一手 御指南 願いたく存じます 219 00:19:22,036 --> 00:19:42,056 ・~ 220 00:19:42,056 --> 00:19:56,070 ・~ 221 00:19:56,070 --> 00:19:58,072 波多野 222 00:19:58,072 --> 00:20:00,072 波多野! 223 00:20:05,079 --> 00:20:07,079 伊織! (伊織)はっ 224 00:20:12,086 --> 00:20:14,086 (伊織)フンッ! (波多野)うっ… 225 00:20:18,092 --> 00:20:20,092 含み針 226 00:20:22,029 --> 00:20:25,032 (波多野)恐れ入りました! (蒼竜軒)どうか 御勘弁を 227 00:20:25,032 --> 00:20:30,037 先生が 含み針を打ち払う瞬間の 動きを見たいと・ 228 00:20:30,037 --> 00:20:33,040 波多野に 含み針を許したのでございます 229 00:20:33,040 --> 00:20:35,042 (波多野)面目もございません 230 00:20:35,042 --> 00:20:39,046 含み針などと 邪心を起こしたのは 一伝流に 行き詰まってのこと 231 00:20:39,046 --> 00:20:42,046 どうか 御勘弁を! 232 00:20:44,051 --> 00:20:49,056 (蒼竜軒)人の世とは 不思議なものでございますなぁ・ 233 00:20:49,056 --> 00:20:56,063 私は 敵と付け狙った 武蔵様のおかげで 花 開いたが・ 234 00:20:56,063 --> 00:20:59,066 おりんは 不幸せに 235 00:20:59,066 --> 00:21:04,066 今 どうしておる (蒼竜軒)どこに おりますやら 236 00:21:06,073 --> 00:21:11,078 (蒼竜軒)おりんは 武蔵様を殺すという心と・ 237 00:21:11,078 --> 00:21:16,083 愛するという心が1つになり 燃え狂っていた 238 00:21:16,083 --> 00:21:24,091 私は おりんが死ぬほど好きだった 武蔵様が妬ましかった 239 00:21:24,091 --> 00:21:31,091 私が あなたを憎む心の中には 嫉妬が大きかったのですよ 240 00:21:33,100 --> 00:21:36,103 (蒼竜軒)許してやってください・ 241 00:21:36,103 --> 00:21:42,109 おりんは 武蔵様に愛された お悠様が妬ましく・ 242 00:21:42,109 --> 00:21:45,112 とうとう あやめてしまったのです・ 243 00:21:45,112 --> 00:21:48,115 だが おりんは・ 244 00:21:48,115 --> 00:21:52,119 お悠様に ほれ込んだ松山主水に 売り飛ばされ・ 245 00:21:52,119 --> 00:21:57,119 愛憎の泥沼に落ちたと聞きました 246 00:21:59,126 --> 00:22:07,134 姫 前々から申し入れました 私との縁組み 御返答 頂きたい 247 00:22:07,134 --> 00:22:12,139 ウフフフフッ お急ぎですこと 248 00:22:12,139 --> 00:22:18,145 実は 仕官が決まりましたので (由利姫)いずれに仕官を? 249 00:22:18,145 --> 00:22:22,083 肥後 八代の城主 細川忠興公でござる 250 00:22:22,083 --> 00:22:24,085 禄高は? 251 00:22:24,085 --> 00:22:29,090 350石 おいおい御加増のお約束 252 00:22:29,090 --> 00:22:34,095 主水殿は 志は天下にあり・ 253 00:22:34,095 --> 00:22:37,098 敗れて 悔いなき一生と 申されておりましたが 254 00:22:37,098 --> 00:22:43,104 いえ! 仕官は 大望成就の手段 (由利姫)なれば 武蔵のように・ 255 00:22:43,104 --> 00:22:47,108 将軍家の御指南番に 推挙されるがよい 256 00:22:47,108 --> 00:22:51,112 武蔵が何だ! この主水の目の黒いうちは・ 257 00:22:51,112 --> 00:22:55,116 将軍家の御指南番などには させませぬぞ 258 00:22:55,116 --> 00:23:00,121 (由利姫)由利は 僅かな禄で 田舎大名に仕官する男に・ 259 00:23:00,121 --> 00:23:04,121 恋は いたしませぬ (主水)姫! 260 00:23:07,128 --> 00:23:14,128 (笑い声) 261 00:23:20,141 --> 00:23:27,081 (琵琶) 262 00:23:27,081 --> 00:23:29,081 入れ 263 00:23:43,097 --> 00:23:46,100 由利姫の素性が分かったのか (森都)はい・ 264 00:23:46,100 --> 00:23:48,102 いろいろと探りましたが・ 265 00:23:48,102 --> 00:23:54,108 足利義昭の孫ではないという 証しは 何一つございませんので 266 00:23:54,108 --> 00:23:56,110 (伊豆守)うーむ 267 00:23:56,110 --> 00:24:02,116 孫娘と認めざるをえんか (森都)はい 268 00:24:02,116 --> 00:24:06,120 岩田富岳は? (森都)素性は分かりませんが・ 269 00:24:06,120 --> 00:24:12,126 由利姫を赤子の時から 利用せんと 育てましたようで・ 270 00:24:12,126 --> 00:24:17,131 なまじ 足利将軍の孫などに 生まれて お気の毒な姫・ 271 00:24:17,131 --> 00:24:22,069 お救い申したいもので (伊豆守)ほう 272 00:24:22,069 --> 00:24:28,069 人嫌いの森都が 珍しいことを申す 273 00:24:30,077 --> 00:24:35,082 (森都) みなしごで 親の顔も知らぬ姫が・ 274 00:24:35,082 --> 00:24:38,085 哀れでなりませぬゆえ 275 00:24:38,085 --> 00:24:42,089 いずれ 富岳一味は潰す その前に 姫を 276 00:24:42,089 --> 00:24:46,093 一日も早く 江戸を 立ち退くことでございますな 277 00:24:46,093 --> 00:24:48,095 それは よい 278 00:24:48,095 --> 00:24:51,098 他の老中方は 富岳を利用し・ 279 00:24:51,098 --> 00:24:57,104 毒をもって 毒を制する政略をと 申すが 余は反対じゃ 280 00:24:57,104 --> 00:25:00,107 (黒田) いやあ めでたい めでたい・ 281 00:25:00,107 --> 00:25:03,110 伊織様 仕官の儀 黒田左膳に お任せいただき・ 282 00:25:03,110 --> 00:25:05,112 こんなに うれしいことはない 283 00:25:05,112 --> 00:25:10,117 ふつつかな伊織に 度々の おぼし召し 284 00:25:10,117 --> 00:25:15,122 小笠原公には ありがたいと思うております 285 00:25:15,122 --> 00:25:21,128 何とぞ よろしく お願い申しまする 286 00:25:21,128 --> 00:25:23,063 (黒田)いずれ 吉日をもって・ 287 00:25:23,063 --> 00:25:28,068 殿より じきじきのお言葉が ございましょう (伊織)はい 288 00:25:28,068 --> 00:25:34,074 (黒田)こよいは ぶしつけに 娘を 連れてまいりまして 御勘弁の程 289 00:25:34,074 --> 00:25:39,079 (黒田)浪 これにて失礼いたすぞ 御挨拶を (お浪)はい 290 00:25:39,079 --> 00:25:47,087 (お浪)先生 伊織様 御免くださいませ 291 00:25:47,087 --> 00:25:51,087 伊織 お送りいたせ (伊織)はい 292 00:25:56,096 --> 00:26:01,101 伊織様 親ばかと 笑われるかもしれませんが・ 293 00:26:01,101 --> 00:26:04,104 浪は 気立てのいい しっかり者でしてな 294 00:26:04,104 --> 00:26:06,104 ハハハ… (伊織)はい 295 00:26:13,113 --> 00:26:15,115 (寺尾)先生・ 296 00:26:15,115 --> 00:26:19,119 伊織様の仕官が決まったというのに どうなされたのです 297 00:26:19,119 --> 00:26:26,060 立派に務めるとは 信じているが それでも 案じられてな 298 00:26:26,060 --> 00:26:29,063 伊織様なら 大丈夫です 299 00:26:29,063 --> 00:26:32,066 しかし 黒田左膳様は なかなかの策士・ 300 00:26:32,066 --> 00:26:38,072 伊織様に あの娘を 嫁がせるつもりでございます 301 00:26:38,072 --> 00:26:41,075 良き娘御ではないか 302 00:26:41,075 --> 00:26:53,087 ・~ 303 00:26:53,087 --> 00:26:55,089 何者だ! 304 00:26:55,089 --> 00:26:59,089 小笠原藩 藩士 黒田左膳! 人違いをいたすな 305 00:27:01,095 --> 00:27:05,095 (伊織)黒田様 浪殿を早く (黒田)うむ! 浪! 306 00:27:10,104 --> 00:27:12,106 何者だ! 307 00:27:12,106 --> 00:27:15,109 (侍)森都様の使いで参りました (寺尾)何? 森都の使い? 308 00:27:15,109 --> 00:27:18,112 はい 黒田左膳が襲われます・ 309 00:27:18,112 --> 00:27:20,114 屋敷への帰り道 何? 310 00:27:20,114 --> 00:27:23,050 相良藩の件で 岩田富岳に恨みを買い 311 00:27:23,050 --> 00:27:28,055 岩田富岳? 先生! 私も参ります ならん! 312 00:27:28,055 --> 00:27:33,060 そなたは 細川家に仕える者 一切 関わってはならん! 313 00:27:33,060 --> 00:27:53,080 ・~ 314 00:27:53,080 --> 00:28:05,092 ・~ 315 00:28:05,092 --> 00:28:07,094 (浪人)行け! 316 00:28:07,094 --> 00:28:27,047 ・~ 317 00:28:27,047 --> 00:28:43,047 ・~ 318 00:28:45,065 --> 00:28:48,068 黒田様! 319 00:28:48,068 --> 00:28:50,068 (岩田)今だ! 320 00:28:54,074 --> 00:28:56,076 父上! (主水)武蔵! 321 00:28:56,076 --> 00:28:58,078 あれが武蔵か 322 00:28:58,078 --> 00:29:04,078 岩田富岳の一味とみた 武蔵 お相手いたす 323 00:29:06,086 --> 00:29:10,086 (岩田)引け! 引け! 引け! 324 00:29:20,100 --> 00:29:26,039 激しい斬り合いの最中に 突然 宮本武蔵が現れまして 325 00:29:26,039 --> 00:29:29,042 何? 宮本武蔵が? (由利姫)はい 326 00:29:29,042 --> 00:29:31,044 武蔵の ひとにらみで・ 327 00:29:31,044 --> 00:29:36,049 覆面のくせ者どもは たちまち逃げ去りました 328 00:29:36,049 --> 00:29:40,053 誠 武蔵は 類いまれな男でございます 329 00:29:40,053 --> 00:29:43,056 (老中)ほほう 武蔵に 一目ぼれのようじゃな 330 00:29:43,056 --> 00:29:45,058 (由利姫)ウフフフフッ 331 00:29:45,058 --> 00:29:51,064 (土井)姫 その覆面の者どもに 心当たりがあろう 332 00:29:51,064 --> 00:29:56,069 これは 肥後 相良辺りに 関わりがありますようで 333 00:29:56,069 --> 00:29:58,071 (土井)うむ 334 00:29:58,071 --> 00:30:03,076 藩に長年 尽くした家老に 味方する者もございます 335 00:30:03,076 --> 00:30:07,080 浪人どもは 弱い者に 侠気を起こすもの 336 00:30:07,080 --> 00:30:10,083 暗殺も平然と やってのける 337 00:30:10,083 --> 00:30:17,090 そのような騒ぎになっては 御老中方も お困りと存じまして 338 00:30:17,090 --> 00:30:20,093 (老中)うーむ (土井)ハハハ…・ 339 00:30:20,093 --> 00:30:26,033 姫の脅しは 堂に入っておるのう (由利姫)ハハハ… 340 00:30:26,033 --> 00:30:28,035 (土井)分かった 分かった 341 00:30:28,035 --> 00:30:30,037 気の毒な家老があらば・ 342 00:30:30,037 --> 00:30:35,042 主君との仲を取り持ち 丸く収めるように 尽力いたそう 343 00:30:35,042 --> 00:30:38,045 ありがとうございます 344 00:30:38,045 --> 00:30:44,051 お土産の 黒田左膳の娘 しばらく お預かりくださいませ 345 00:30:44,051 --> 00:30:46,053 (笑い声) 346 00:30:46,053 --> 00:30:49,056 (主水)姫! ゆうべは どこに行かれた! 347 00:30:49,056 --> 00:30:51,058 (岩田)黒田の娘を どうなされた 348 00:30:51,058 --> 00:30:57,064 (由利姫)娘を連れ さる御老中に 相良藩の話を付けてきたのです 349 00:30:57,064 --> 00:30:59,066 (主水)姫! (浪人)何? 350 00:30:59,066 --> 00:31:02,069 (岩田の笑い声) 351 00:31:02,069 --> 00:31:06,073 それはそれは 恐れ入りました 352 00:31:06,073 --> 00:31:12,079 して その娘は? (由利姫)娘は お任せなさい 353 00:31:12,079 --> 00:31:17,084 そなたは 相良藩の家老から ふんだんに 礼金を受け取ればよい 354 00:31:17,084 --> 00:31:21,088 (岩田)たんまりと 頂くことにいたしましょう 355 00:31:21,088 --> 00:31:28,095 主水殿 伊織と申す若者 爽やかな腕前 胸が躍りましたぞ 356 00:31:28,095 --> 00:31:30,097 武蔵親子は このままは 放っておかぬ 357 00:31:30,097 --> 00:31:32,099 (浪人たち)そうだ! (浪人)復しゅうだ! 358 00:31:32,099 --> 00:31:34,101 (浪人)同志が斬りつけられて 黙っておられん! 359 00:31:34,101 --> 00:31:36,103 富岳一門の恥ですぞ! 360 00:31:36,103 --> 00:31:38,105 ・(お光)申し上げます (由利姫)何事じゃ 361 00:31:38,105 --> 00:31:42,109 (お光)ただいま 宮本武蔵様 御子息と共に・ 362 00:31:42,109 --> 00:31:47,114 当館のあるじ 由利姫様に お目にかかりたいと参られました 363 00:31:47,114 --> 00:31:51,118 武蔵が姫に? (岩田)おのれ 斬り捨ててくれる 364 00:31:51,118 --> 00:31:53,120 (由利姫)ならぬ! 365 00:31:53,120 --> 00:31:56,123 武蔵様は 由利に 会いにみえたのじゃ 366 00:31:56,123 --> 00:32:01,123 お光 奥の間に お通し申せ 367 00:32:04,131 --> 00:32:10,137 よくぞ お訪ねくださいました 由利でございます・ 368 00:32:10,137 --> 00:32:15,142 伊織様 昨夜のお手並み とくと拝見いたしました 369 00:32:15,142 --> 00:32:18,145 黒田左膳様の娘御を 御存じでございましょう 370 00:32:18,145 --> 00:32:20,147 お帰しくださいませ 371 00:32:20,147 --> 00:32:27,087 (由利姫)浪殿は 伊織様に お似合いの娘御 アハハ… 372 00:32:27,087 --> 00:32:35,095 姫は 足利将軍の孫娘と承りました その姫を信じて 参りました 373 00:32:35,095 --> 00:32:39,099 まあ 手厳しいこと 374 00:32:39,099 --> 00:32:45,099 誠 孫娘であるのやら 父 母の顔も 存じません 375 00:32:47,107 --> 00:32:50,110 なれど 今の由利は・ 376 00:32:50,110 --> 00:32:55,115 出生を信じるより他に 何も 生きる支えはございませぬ 377 00:32:55,115 --> 00:32:58,118 出生よりも どう生きるかが肝心 378 00:32:58,118 --> 00:33:06,126 天地の間に 我一人 我より 始めるのですぞ 379 00:33:06,126 --> 00:33:11,126 天地の間に 我一人 我より 始める? 380 00:33:14,134 --> 00:33:18,138 天地の間に 我一人 381 00:33:18,138 --> 00:33:23,138 でも 私の生きる道は うつろな道 382 00:33:25,078 --> 00:33:29,082 陰謀や反逆に 憂さを晴らすのみ 383 00:33:29,082 --> 00:33:36,089 その若さで… 己の道を生きるのです 384 00:33:36,089 --> 00:33:40,093 岩田富岳の人形になるなと 申されるか 385 00:33:40,093 --> 00:33:42,095 さよう 386 00:33:42,095 --> 00:33:48,101 男の人形や道具にはならぬ 私は 男を操って生きる 387 00:33:48,101 --> 00:33:50,103 それは 間違っています 388 00:33:50,103 --> 00:33:53,106 (由利姫)伊織様のような 良き弟でもあれば・ 389 00:33:53,106 --> 00:33:58,111 このような女には ならなかったかもしれませぬなぁ 390 00:33:58,111 --> 00:34:05,118 こんな私にも ただ一つ 求める誠がございます 391 00:34:05,118 --> 00:34:08,121 (伊織)その誠とは? (由利姫)愛! 392 00:34:08,121 --> 00:34:13,126 私を取り巻く愛は まやかしの愛ばかり 393 00:34:13,126 --> 00:34:17,126 生まれて この方 誠の愛を知りませぬ 394 00:34:19,132 --> 00:34:23,132 私は 誠の愛が欲しい 395 00:34:25,071 --> 00:34:28,074 愛が欲しい! 396 00:34:28,074 --> 00:34:48,094 ・~ 397 00:34:48,094 --> 00:34:55,101 ・~ 398 00:34:55,101 --> 00:34:59,105 武蔵様 お送り申します 399 00:34:59,105 --> 00:35:14,120 ・~ 400 00:35:14,120 --> 00:35:19,125 姫! 武蔵をかばうとは 401 00:35:19,125 --> 00:35:24,064 (伊織)父上 姫は 浪殿を帰してくれるでしょうか 402 00:35:24,064 --> 00:35:29,069 わしは 姫を信じる (伊織)はい・ 403 00:35:29,069 --> 00:35:35,075 人の世とは 巡り合う人によって 姫のように狂ってしまうのですね 404 00:35:35,075 --> 00:35:39,075 人の世とは 計り難いものだ 405 00:35:41,081 --> 00:35:44,084 (伊織)父上 御心配なされている黒田様に・ 406 00:35:44,084 --> 00:35:46,084 今日のことを お知らせしてまいります 407 00:35:52,092 --> 00:36:09,109 ・~ 408 00:36:09,109 --> 00:36:15,115 《天地の間に 我一人 我より 始めるのですぞ》 409 00:36:15,115 --> 00:36:19,115 《己の道を 生きるのです》 410 00:36:28,061 --> 00:36:36,069 姫の… 姫の心を奪いおって 411 00:36:36,069 --> 00:36:39,072 武蔵め! 412 00:36:39,072 --> 00:36:47,072 (笑い声) 413 00:36:53,086 --> 00:36:55,088 お光! 414 00:36:55,088 --> 00:37:00,088 主水様 (主水)斬ってやろうか 415 00:37:02,095 --> 00:37:06,095 はい! どうぞ… 416 00:37:08,101 --> 00:37:11,101 (主水)何? (お光)主水様! 417 00:37:13,106 --> 00:37:16,109 肥後 八代へ参りましょう 418 00:37:16,109 --> 00:37:23,049 私は 一生 あなた様のおそばに お仕えいたします 419 00:37:23,049 --> 00:37:27,053 この館にいては 身を滅ぼされます 420 00:37:27,053 --> 00:37:34,060 姫は… 姫は あなた様のお心を 弄んでおられるのです 421 00:37:34,060 --> 00:37:40,060 もう… もう 姫様のことを忘れて 422 00:37:42,068 --> 00:37:46,072 忘れてくださいませ! 423 00:37:46,072 --> 00:37:48,074 (お光の泣き声) 424 00:37:48,074 --> 00:37:54,080 ハハハ… えーい! 425 00:37:54,080 --> 00:37:59,085 <武蔵は どのような方法で 由利姫が お浪を帰すか・ 426 00:37:59,085 --> 00:38:02,088 興味深く 待った> 427 00:38:02,088 --> 00:38:06,092 <しかし その後 姫からは 何の沙汰もなかった> 428 00:38:06,092 --> 00:38:09,095 <その間に 姫の働きにより・ 429 00:38:09,095 --> 00:38:13,099 相良藩の争いは 解決の兆しを見せた> 430 00:38:13,099 --> 00:38:18,104 <数日後 武蔵は 小笠原忠真公の招きを受けた> 431 00:38:18,104 --> 00:38:22,042 武蔵 よう伊織を預けてくれた・ 432 00:38:22,042 --> 00:38:28,048 過日は 黒田左膳を救うてくれて かたじけない・ 433 00:38:28,048 --> 00:38:31,051 伊織 引き出物を取らせるぞ・ 434 00:38:31,051 --> 00:38:34,051 これへ! ・(侍女)はっ 435 00:38:41,061 --> 00:38:45,061 (黒田)な… 浪! (お浪)父上! 436 00:38:48,068 --> 00:38:53,073 (小笠原)ハハハ… これ 皆 由利殿の計らいじゃ 437 00:38:53,073 --> 00:38:58,078 (由利姫)お気に召しましたか? 恐れ入りまする 438 00:38:58,078 --> 00:39:00,080 (小笠原)どうじゃ 武蔵・ 439 00:39:00,080 --> 00:39:05,080 伊織の嫁に 浪を もらい受けてはくれまいか 440 00:39:07,087 --> 00:39:09,089 (伊織)はい 441 00:39:09,089 --> 00:39:14,094 (黒田)ありがとうございます (小笠原)ハハハッ めでたいのう・ 442 00:39:14,094 --> 00:39:19,099 いまひとつ 武蔵に めでたい話じゃ・ 443 00:39:19,099 --> 00:39:25,099 将軍家御指南番として 武蔵 お召し抱えの儀 444 00:39:27,040 --> 00:39:30,040 将軍家御指南番に? 445 00:39:34,047 --> 00:39:37,050 (小笠原) 細川殿と わしの推挙じゃが・ 446 00:39:37,050 --> 00:39:45,058 昨日 上様より 柳生と同格の 指南番として迎えたいと・ 447 00:39:45,058 --> 00:39:48,061 お言葉を下された 448 00:39:48,061 --> 00:39:53,066 良き日に 上様に お目通りを たまうことになっておる 449 00:39:53,066 --> 00:39:59,072 その場において じきじきに 御返事 申し上げるよう 450 00:39:59,072 --> 00:40:02,075 はっ 451 00:40:02,075 --> 00:40:15,088 ・ 幼き みかど もろともに 452 00:40:15,088 --> 00:40:26,032 ・ 千尋の海へぞ 453 00:40:26,032 --> 00:40:29,035 (琵琶) 454 00:40:29,035 --> 00:40:48,035 ・ 入り給う 455 00:40:52,058 --> 00:40:58,064 滅びゆく 物の哀れが 身にしみました 456 00:40:58,064 --> 00:41:02,068 いつ聴いても 心に迫るのう 457 00:41:02,068 --> 00:41:07,073 (森都)武蔵様も 壇ノ浦が お好きなようで 458 00:41:07,073 --> 00:41:11,077 武蔵様は 遅うございますな 459 00:41:11,077 --> 00:41:14,080 (森都) ここへは おいでになりませぬ 460 00:41:14,080 --> 00:41:18,084 森都とやら 私を偽って 連れ出したのか? 461 00:41:18,084 --> 00:41:22,088 姫! この伊豆が申しつけたのじゃ 462 00:41:22,088 --> 00:41:26,092 富岳のことでございましょう (伊豆守)そうじゃ 463 00:41:26,092 --> 00:41:30,096 あのような浪人どもから 手を切られるがよい 464 00:41:30,096 --> 00:41:33,099 みなしごの私を 育ててくれたは富岳 465 00:41:33,099 --> 00:41:36,102 仮にも 今日まで 生きてこられたのは・ 466 00:41:36,102 --> 00:41:38,104 あの男のおかげでございます 467 00:41:38,104 --> 00:41:40,106 だが 岩田富岳は 姫を道具に 468 00:41:40,106 --> 00:41:44,110 富岳の やっておりますこと 必ずしも 良いとは申せませぬ 469 00:41:44,110 --> 00:41:49,115 しかし 多くの浪人が 路頭に迷い 悪事を働きますのは… 470 00:41:49,115 --> 00:41:53,119 徳川の政の なせる技と 申されるのであろう 471 00:41:53,119 --> 00:41:59,125 はい! 富岳はじめ 浪人のことも お考えくださいませ 472 00:41:59,125 --> 00:42:02,128 富岳らのことは 余に任せて・ 473 00:42:02,128 --> 00:42:08,134 姫 そなたは まず 浪人館から 抜け出すことを考えるべきじゃ 474 00:42:08,134 --> 00:42:15,141 姫 親代わりの富岳へのお気持ち よう分かりますが・ 475 00:42:15,141 --> 00:42:19,145 情けに流されては なりませぬ 476 00:42:19,145 --> 00:42:22,081 今が 一生の大事な瀬戸際 477 00:42:22,081 --> 00:42:25,084 そのとおりじゃ 478 00:42:25,084 --> 00:42:29,088 余は 利発な姫に 幸せをと願うておる 479 00:42:29,088 --> 00:42:32,088 新しく 出直されるがよい 480 00:42:34,093 --> 00:42:37,096 森都が 力になる 481 00:42:37,096 --> 00:42:41,100 この際 江戸を去り 長崎へ 立ち退くのじゃ 482 00:42:41,100 --> 00:42:43,102 長崎へ? 483 00:42:43,102 --> 00:42:48,107 新しい地で 姫の生きがいを お探しなさるがよい 484 00:42:48,107 --> 00:42:51,110 武蔵様も それを望んでおられましょう 485 00:42:51,110 --> 00:42:59,118 武蔵様のお言葉は 汚れた私の心を むち打ち・ 486 00:42:59,118 --> 00:43:03,118 明るい火を ともしてくださいました 487 00:43:05,124 --> 00:43:08,127 もう 過去は断ち切ります 488 00:43:08,127 --> 00:43:28,081 ・~ 489 00:43:28,081 --> 00:43:43,096 ・~ 490 00:43:43,096 --> 00:43:46,096 (岩田)どう! 止まれ! 491 00:43:49,102 --> 00:43:53,106 (岩田)決まった! 決まったぞ! (主水)何が決まったのです 492 00:43:53,106 --> 00:43:56,109 (岩田)武蔵が将軍家へ お目通りの日が決まったのじゃ 493 00:43:56,109 --> 00:43:58,111 (主水)お目通りの日が? 494 00:43:58,111 --> 00:44:01,114 来る 10月1日だ (浪人)あと数日ではないか 495 00:44:01,114 --> 00:44:03,116 腰抜け幕府の やることは分からん (浪人たち)うむ! 496 00:44:03,116 --> 00:44:06,119 指南番にさせて たまるか 497 00:44:06,119 --> 00:44:09,122 目通り前に 武蔵を斬る! (浪人たち)そうだ! 498 00:44:09,122 --> 00:44:13,126 (岩田)待て! 待て待て 待て! 待てー! 499 00:44:13,126 --> 00:44:17,130 武蔵が指南番を受けてから 斬り殺すのだ 500 00:44:17,130 --> 00:44:23,069 それでこそ 将軍にも 当てつけになり・ 501 00:44:23,069 --> 00:44:28,069 我々 浪人が 天下に 意地を通すことにもなるのだ 502 00:44:31,077 --> 00:44:38,084 武蔵に 果たし状じゃ 503 00:44:38,084 --> 00:44:51,097 ・~ 504 00:44:51,097 --> 00:44:55,101 <武蔵を取り巻く波紋が 広がった今・ 505 00:44:55,101 --> 00:44:57,103 来る 10月1日・ 506 00:44:57,103 --> 00:45:04,110 将軍 家光との会見は かつてない 厳しい戦いの場> 507 00:45:04,110 --> 00:45:07,113 <どう戦うか> 508 00:45:07,113 --> 00:45:12,118 <武蔵は 静かに 己に対していた> 509 00:45:12,118 --> 00:45:26,118 ・~ 510 00:45:28,067 --> 00:45:48,087 ・~ 511 00:45:48,087 --> 00:46:08,107 ・~ 512 00:46:08,107 --> 00:46:28,060 ・~ 513 00:46:28,060 --> 00:46:46,060 ・~