1 00:01:23,028 --> 00:01:43,048 ・~ 2 00:01:43,048 --> 00:02:01,048 ・~ 3 00:02:07,072 --> 00:02:21,072 ・~ 4 00:02:23,021 --> 00:02:28,026 <武蔵 50歳 養子 伊織と共に 細川忠利の招きにより江戸へ出た> 5 00:02:28,026 --> 00:02:33,031 <兵法指南 山川蒼竜軒となった かつての甚内と巡り合う> 6 00:02:33,031 --> 00:02:39,037 <足利将軍の孫娘 由利姫を担ぐ 浪人 岩田富岳 松山主水一味は・ 7 00:02:39,037 --> 00:02:43,041 将軍家御指南番に推挙された 武蔵を殺そうと 付け狙う> 8 00:02:43,041 --> 00:02:48,041 <そして 将軍 家光公に お目通りの日が迫ってきた> 9 00:02:56,054 --> 00:03:03,054 (琵琶) 10 00:03:05,063 --> 00:03:08,066 (武蔵)森都か 11 00:03:08,066 --> 00:03:13,071 (森都)明日は いよいよ 将軍 家光公と対面でございますな 12 00:03:13,071 --> 00:03:17,075 御指南番には ならんと この琵琶の音が 13 00:03:17,075 --> 00:03:20,078 フフフ… 笑っては いられません 14 00:03:20,078 --> 00:03:24,015 迫る女の影 私に女? 15 00:03:24,015 --> 00:03:31,022 由利姫が 深く関わってくる気配 由利姫か 16 00:03:31,022 --> 00:03:34,025 立ち直ってほしい 17 00:03:34,025 --> 00:03:37,025 誠の愛に 飢えておられる姫 18 00:03:39,030 --> 00:03:44,035 ああ そうそう おりんが この湯島の岡場所にいるそうで 19 00:03:44,035 --> 00:03:46,037 おりんが? 20 00:03:46,037 --> 00:03:51,042 (おりん) とうとう 見つかっちゃったねぇ 21 00:03:51,042 --> 00:03:55,042 お悠様の敵を討ちに 来たんだろう 22 00:03:57,048 --> 00:04:01,048 あたしゃ お前さんに 斬られるんなら 本望だよ 23 00:04:08,059 --> 00:04:14,065 さあ すっぱり やっとくれよ 24 00:04:14,065 --> 00:04:16,067 すっぱりと! 25 00:04:16,067 --> 00:04:22,007 いま一度 生き直してくれ 武蔵の頼みだ 26 00:04:22,007 --> 00:04:27,012 (おりん) やめて! やめておくれよ・ 27 00:04:27,012 --> 00:04:34,019 そんな優しいこと言われたら… 死ぬより つらいじゃないか 28 00:04:34,019 --> 00:04:41,026 私を憎んで 憎み抜いてくれた方が 救われる 29 00:04:41,026 --> 00:04:49,034 お悠様の呪いは 一生 付いて回るんだ 30 00:04:49,034 --> 00:04:53,038 あたしゃ 罪深い女 31 00:04:53,038 --> 00:04:59,044 恋に狂った女の 成れの果て 32 00:04:59,044 --> 00:05:05,050 泥沼を はいずるのに ふさわしいんだよ ハハハ… 33 00:05:05,050 --> 00:05:12,057 (泣き声) 34 00:05:12,057 --> 00:05:17,062 (おりん) どんなに つらくったって・ 35 00:05:17,062 --> 00:05:21,066 この世に ほれきった武蔵様がいるから・ 36 00:05:21,066 --> 00:05:25,003 あたしゃ 生きていたかった 37 00:05:25,003 --> 00:05:29,003 数知れぬ男に抱かれたが… 38 00:05:31,009 --> 00:05:34,012 心は…・ 39 00:05:34,012 --> 00:05:40,018 心だけは 武蔵様のものだと思って・ 40 00:05:40,018 --> 00:05:45,023 生きてきたんだ… 41 00:05:45,023 --> 00:05:48,026 もう 死んでもいい 42 00:05:48,026 --> 00:05:54,032 このまま 死んでしまいたい 43 00:05:54,032 --> 00:06:08,032 (泣き声) 44 00:06:10,048 --> 00:06:12,048 強く生きてくだされ 45 00:06:17,055 --> 00:06:21,993 (おりん)武蔵様! 武蔵様! 46 00:06:21,993 --> 00:06:24,996 (主水)姫! 47 00:06:24,996 --> 00:06:31,002 私は 姫なくしては 生きていくことができませぬ 48 00:06:31,002 --> 00:06:35,006 どうか この主水の思いを お受けください 49 00:06:35,006 --> 00:06:38,009 (由利姫)くどい! そなたの妻には ならぬ! 50 00:06:38,009 --> 00:06:42,013 姫! 富岳は 明日 武蔵を討ち果たすべく・ 51 00:06:42,013 --> 00:06:46,017 数十人の浪人を 駆り集めている 52 00:06:46,017 --> 00:06:53,024 姫のお指図ならば 私は 武蔵の味方にもなりまする 53 00:06:53,024 --> 00:06:56,027 (由利姫)主水! (主水)富岳をも 斬りまするぞ 54 00:06:56,027 --> 00:06:58,029 (由利姫)何ということを (主水)どうか! 55 00:06:58,029 --> 00:07:03,034 どうか 主水の思いを! どうか… 56 00:07:03,034 --> 00:07:08,039 (由利姫)主水! 主水… そなたの顔は見とうもない 57 00:07:08,039 --> 00:07:11,042 (由利姫) 下がれ 下がれ! 下がりおろう! 58 00:07:11,042 --> 00:07:14,042 姫! (岩田)どうなされた 59 00:07:22,987 --> 00:07:27,987 (岩田)姫 主水を なぶり者になさるな 60 00:07:30,995 --> 00:07:39,003 (岩田)武蔵が現れて以来 姫は すっかり変わられましたな 61 00:07:39,003 --> 00:07:45,009 目が覚めました 私は 新しく 生き直しまする 62 00:07:45,009 --> 00:07:47,011 (岩田)ハハハ… 63 00:07:47,011 --> 00:07:51,015 (岩田) そのようなことは できません 64 00:07:51,015 --> 00:07:55,019 武蔵は 明日 将軍に お目通りの後・ 65 00:07:55,019 --> 00:08:00,024 常教寺原にて 我らの手で 血祭りに挙げる 66 00:08:00,024 --> 00:08:04,028 武蔵が負けるとは思われぬ (岩田)我々には 策がある 67 00:08:04,028 --> 00:08:12,036 今度は いかな武蔵といえども 逃れる すべはない 68 00:08:12,036 --> 00:08:20,044 ただ 武蔵を斬り 姫の恨みを 買いとうはござりません 69 00:08:20,044 --> 00:08:24,983 姫 今夜かぎり・ 70 00:08:24,983 --> 00:08:28,987 武蔵は お諦めくださりませ 71 00:08:28,987 --> 00:08:34,993 一生 由利を縛りつけ そなたの道具にするつもりか? 72 00:08:34,993 --> 00:08:37,996 姫! 73 00:08:37,996 --> 00:08:44,002 私は 足利将軍の孫姫様 というだけではなく・ 74 00:08:44,002 --> 00:08:48,006 赤子の時から お育てしてまいり・ 75 00:08:48,006 --> 00:08:55,013 我が娘とも いや 掌中の玉とも 思うておりまするぞ 76 00:08:55,013 --> 00:09:01,019 よくぞ ここまで育ててくれました その恩は忘れぬ 77 00:09:01,019 --> 00:09:04,022 なれど 由利も そなたに 力添えをいたし・ 78 00:09:04,022 --> 00:09:08,026 恩は返したつもりです (岩田)姫! 79 00:09:08,026 --> 00:09:14,032 富岳! 恩人の そなたの命 むざむざ 捨てさせとうはない 80 00:09:14,032 --> 00:09:17,035 愚かな果たし合いなど おやめなされ 81 00:09:17,035 --> 00:09:20,038 武蔵に勝てるわけはない 82 00:09:20,038 --> 00:09:22,974 (伊豆守)飛騨守 (飛騨守)はっ 83 00:09:22,974 --> 00:09:26,978 (伊豆守)上様は 柳生 宮本の両家 手を携えて・ 84 00:09:26,978 --> 00:09:32,984 将軍家御指南番として 兵法の隆盛に尽くすようにと・ 85 00:09:32,984 --> 00:09:34,986 申されたではないか 86 00:09:34,986 --> 00:09:38,990 (飛騨守)なれど 武蔵の腕前 しかとは分かりかねまする 87 00:09:38,990 --> 00:09:46,998 (伊豆守)うーむ 上様は 試合は お許しにはならぬが・ 88 00:09:46,998 --> 00:09:55,006 武蔵の兵法 人物を試みる 何か 面白い手だてを考えよと仰せじゃ 89 00:09:55,006 --> 00:09:58,009 <ついに 10月1日> 90 00:09:58,009 --> 00:10:03,014 <武蔵は 江戸城へ 登城の朝を迎えた> 91 00:10:03,014 --> 00:10:05,016 (寺尾)先生・ 92 00:10:05,016 --> 00:10:10,021 これは 主君 忠利公よりの 贈り物でございます 93 00:10:10,021 --> 00:10:13,024 忠利公より? (寺尾)はっ・ 94 00:10:13,024 --> 00:10:18,029 本日 上様へのお目通りを祝っての おぼし召しで 95 00:10:18,029 --> 00:10:21,032 かたじけない 96 00:10:21,032 --> 00:10:25,970 家宝にいたしますと 殿に 申し上げてくれ 97 00:10:25,970 --> 00:10:28,973 (寺尾)ははっ 98 00:10:28,973 --> 00:10:36,981 長の滞在 世話になった 心温まる おもてなし 礼を申す 99 00:10:36,981 --> 00:10:40,985 求馬助 兵法に励め 100 00:10:40,985 --> 00:10:45,990 (求馬助)はい 先生のように 強くなりとうございます 101 00:10:45,990 --> 00:10:51,996 新太郎 わしは 将軍家へ お目通りを済ませた後・ 102 00:10:51,996 --> 00:10:54,999 そのまま 江戸を出立いたす 103 00:10:54,999 --> 00:10:59,999 (寺尾)先生 では お召し抱えの儀は? 104 00:11:02,006 --> 00:11:07,011 (伊織)父上 岩田富岳の使者が 果たし状を持ってまいりました 105 00:11:07,011 --> 00:11:11,015 使いの者に 承知したと申せ (伊織)父上!・ 106 00:11:11,015 --> 00:11:14,018 時と場所を確かめなくても よろしいのですか? 107 00:11:14,018 --> 00:11:16,018 よい (伊織)はっ 108 00:11:20,024 --> 00:11:22,026 先生! 109 00:11:22,026 --> 00:11:26,030 本日の江戸城こそ 私にとって 厳しい戦い 110 00:11:26,030 --> 00:11:33,037 将軍の権威と わしの兵法との対決じゃ 111 00:11:33,037 --> 00:11:53,057 ・~ 112 00:11:53,057 --> 00:12:13,077 ・~ 113 00:12:13,077 --> 00:12:33,031 ・~ 114 00:12:33,031 --> 00:12:36,034 (家臣たち)うわーっ! 115 00:12:36,034 --> 00:12:41,034 (家臣たちのうめき声) 116 00:12:58,056 --> 00:13:03,061 作州 浪人 宮本武蔵にござりまする 117 00:13:03,061 --> 00:13:07,061 (家光)武蔵 近う はっ 118 00:13:18,076 --> 00:13:20,078 (家光)武蔵・ 119 00:13:20,078 --> 00:13:24,015 聞きしに勝る そちの胆力 頼もしく思うぞ 120 00:13:24,015 --> 00:13:30,021 麗しき 御尊顔を拝し 一代の面目にござりまする 121 00:13:30,021 --> 00:13:32,023 (家光)その方・ 122 00:13:32,023 --> 00:13:37,028 立ち合いに いまだ 一度も 敗れたことがないと申すが 誠か 123 00:13:37,028 --> 00:13:41,032 はっ 兵法者と立ち合うこと 六十数度・ 124 00:13:41,032 --> 00:13:47,038 いまだ 敗れたことはございませぬ (家光)ふーむ・ 125 00:13:47,038 --> 00:13:49,040 そちの師は? 126 00:13:49,040 --> 00:13:52,043 幼少より 師についたことは ございませぬ 127 00:13:52,043 --> 00:13:56,047 修行の相手も 人ばかりとは限りませぬ 128 00:13:56,047 --> 00:13:59,050 (家光)しからば 何を相手に? 129 00:13:59,050 --> 00:14:05,056 万物 自然 全て 我が師 我が修行の相手にございました 130 00:14:05,056 --> 00:14:11,062 他流試合も 修行の一つと 申されましょう (家光)なるほど 131 00:14:11,062 --> 00:14:15,066 私にとりましては 一切が 戦いの相手 132 00:14:15,066 --> 00:14:21,072 相手が何であろうと 負ければ 死あるのみでございました 133 00:14:21,072 --> 00:14:24,008 (家光)なれば 父母も敵か? 134 00:14:24,008 --> 00:14:30,014 兵法者になるためには 父母の愛をも敵として 戦いました 135 00:14:30,014 --> 00:14:32,016 世間も敵か? 136 00:14:32,016 --> 00:14:38,016 義理人情に流されては 厳しい兵法の修行にはなりません 137 00:14:41,025 --> 00:14:45,029 いまだ 妻をめとらんと聞くが 女も敵か? 138 00:14:45,029 --> 00:14:50,034 恋慕の情が募っては 修行の心が鈍ります 139 00:14:50,034 --> 00:14:52,036 所詮は 1人 行く道 140 00:14:52,036 --> 00:14:58,042 しかし それは 私自身 弱い人間ゆえ・ 141 00:14:58,042 --> 00:15:02,046 そう決めつけておるのかも しれません 142 00:15:02,046 --> 00:15:04,048 心を許した友も敵か? 143 00:15:04,048 --> 00:15:08,052 友の情も らちを越えては 修行のあだ 144 00:15:08,052 --> 00:15:11,055 敵として 避けねばなりません 145 00:15:11,055 --> 00:15:13,057 神仏は? 146 00:15:13,057 --> 00:15:20,064 神仏と勝負を決することが 最後の念願にござりまする 147 00:15:20,064 --> 00:15:22,064 何? 神仏とも? 148 00:15:27,004 --> 00:15:31,008 武蔵! そちは 余も 敵と見なしておるのじゃな 149 00:15:31,008 --> 00:15:36,013 畏れながら お言葉どおりにござりまする 150 00:15:36,013 --> 00:15:40,017 訳を申せ! 修行の敵にござりますれば 151 00:15:40,017 --> 00:15:43,020 何? 修行の敵? 152 00:15:43,020 --> 00:15:46,023 余は そちを兵法指南として 召し抱え・ 153 00:15:46,023 --> 00:15:50,027 そちの兵法を天下に広めたいと 望んでいる 154 00:15:50,027 --> 00:15:53,030 何故 修行の敵と申すか! 155 00:15:53,030 --> 00:15:57,034 私の修行は 兵法を広めることでは ございませぬ 156 00:15:57,034 --> 00:16:00,037 深く秘められた 天地間の理法を・ 157 00:16:00,037 --> 00:16:04,041 剣をもって 捜し出すことにございまする 158 00:16:04,041 --> 00:16:08,045 人の道を究めるための 剣の道と申すか 159 00:16:08,045 --> 00:16:13,050 将軍の権威も 容赦なく切り捨て 進まねばなりません 160 00:16:13,050 --> 00:16:17,054 そちは 君臣の情義までも 敵と見なすか 161 00:16:17,054 --> 00:16:19,056 はっ 162 00:16:19,056 --> 00:16:22,994 武蔵 そちは命の尊さを知らぬ 剣の鬼と申すが? 163 00:16:22,994 --> 00:16:24,996 御意 164 00:16:24,996 --> 00:16:26,998 傲岸不遜 不逞なやからと申すが? 165 00:16:26,998 --> 00:16:29,000 御意 166 00:16:29,000 --> 00:16:35,006 余は そちの兵法を惜しむ 故に そちを兵法指南として… 167 00:16:35,006 --> 00:16:42,013 重々の不徳 何とぞ お許しくださりませ 168 00:16:42,013 --> 00:16:46,017 断ると申すか はい 169 00:16:46,017 --> 00:16:53,024 武蔵! 情を知れ 情を! 知らぬと申すか! 170 00:16:53,024 --> 00:16:55,024 畏れながら 171 00:16:58,029 --> 00:17:02,033 13の年より 兵法を志して 37年 172 00:17:02,033 --> 00:17:06,037 ようやく会得いたしました 兵法の極意・ 173 00:17:06,037 --> 00:17:12,043 本日 ただいま 上様に 御伝授 申し上げましてござります 174 00:17:12,043 --> 00:17:16,047 (家光)何? 余に極意を? 175 00:17:16,047 --> 00:17:18,047 まさに 伝授 176 00:17:26,991 --> 00:17:29,991 うむ! 授かったぞ 177 00:17:31,996 --> 00:17:33,998 上様 178 00:17:33,998 --> 00:17:37,001 <家光は悟った> 179 00:17:37,001 --> 00:17:40,004 <武蔵が 将軍の権威をも恐れずに・ 180 00:17:40,004 --> 00:17:44,008 ただ一筋に 剣の道を求めて 偽らぬ心> 181 00:17:44,008 --> 00:17:49,013 <己をさらけ出した裸の姿に 家光の心も 裸となり・ 182 00:17:49,013 --> 00:17:55,019 己を取り巻く 偽りに満ちた姿に 思い当たったのである> 183 00:17:55,019 --> 00:17:58,022 (家光)皆の者 分かったか・ 184 00:17:58,022 --> 00:18:01,025 兵法の極意とは・ 185 00:18:01,025 --> 00:18:08,032 己の命を 裸となし 敵の命をも 裸となすことじゃ 186 00:18:08,032 --> 00:18:14,038 (家光の笑い声) 187 00:18:14,038 --> 00:18:18,042 武蔵 余は知らなかったぞ 188 00:18:18,042 --> 00:18:23,981 兵法が かくがごとく厳しく 深いものとは 189 00:18:23,981 --> 00:18:29,987 両名とも よくぞ 武蔵を 余に引き合わせてくれた 190 00:18:29,987 --> 00:18:33,987 礼を申すぞ (小笠原・忠利)ははっ 191 00:18:35,993 --> 00:18:41,999 (忠利)首尾よき お目通り 面目の至りにござります 192 00:18:41,999 --> 00:18:45,002 うむ 193 00:18:45,002 --> 00:18:51,008 武蔵 本日のこと 終生 忘れぬぞ 194 00:18:51,008 --> 00:18:56,008 私も 生涯 忘れません 195 00:18:59,016 --> 00:19:02,019 何? 武蔵が仕官を断った? 196 00:19:02,019 --> 00:19:06,023 将軍は 怒るどころか 武蔵に感服なされたそうじゃ 197 00:19:06,023 --> 00:19:09,026 (浪人)何ということじゃ (由利姫)それでこそ 武蔵様 198 00:19:09,026 --> 00:19:14,031 皆の者には まねのできぬことじゃ アハハ… 199 00:19:14,031 --> 00:19:17,034 (浪人)武蔵め うぬぼれおって 200 00:19:17,034 --> 00:19:20,037 仕官をしようが しまいが 既に 果たし状は突きつけてある 201 00:19:20,037 --> 00:19:23,974 是が非でも 武蔵を倒さねばならん (浪人たち)そうだ! 殺せ! 202 00:19:23,974 --> 00:19:26,977 主水を呼べ (浪人)一足先にと 出ていきました 203 00:19:26,977 --> 00:19:28,979 ばかめ! はやりおって 204 00:19:28,979 --> 00:19:33,984 いざ 常教寺原へ (岩田)よし 205 00:19:33,984 --> 00:19:40,991 姫 武蔵を 血祭りに挙げてまいりまするぞ 206 00:19:40,991 --> 00:19:44,991 富岳 この世の別れじゃのう 207 00:19:47,998 --> 00:19:50,998 姫を頼む (浪人)はっ 208 00:19:56,006 --> 00:20:00,010 (琵琶) 209 00:20:00,010 --> 00:20:03,010 琵琶の音 210 00:20:07,017 --> 00:20:11,021 (侍) 姫様 森都様が待っておられます 211 00:20:11,021 --> 00:20:14,021 既に 支度は出来ておる 212 00:20:23,968 --> 00:20:29,974 わしにとっても 伊織にとっても こたびの江戸入りは 大きな転機 213 00:20:29,974 --> 00:20:34,979 これから また新しい道を歩むのだ (伊織)はい 214 00:20:34,979 --> 00:20:39,984 なれど父上 岩田富岳の果たし状を そのままにしては 捨て置け 215 00:20:39,984 --> 00:20:42,987 しかし それでは 世の そしりを受けましょう 216 00:20:42,987 --> 00:20:46,991 そしりも 甘んじて受ける (伊織)父上 217 00:20:46,991 --> 00:20:51,996 それは 思うがまま 無の境地に 心を置くことでござりまするか? 218 00:20:51,996 --> 00:21:00,004 悟りを開くまでにはいかぬが 万里一空 精進したい 219 00:21:00,004 --> 00:21:03,007 (岩田) 何? 武蔵が 品川へ向かった? 220 00:21:03,007 --> 00:21:05,009 (浪人)はっ (浪人)逃げおったな 221 00:21:05,009 --> 00:21:07,011 (岩田)よーし 追え!・ 222 00:21:07,011 --> 00:21:10,014 どこまでも追って 斬り捨てるのじゃ (浪人たち)はっ 223 00:21:10,014 --> 00:21:22,026 ・~ 224 00:21:22,026 --> 00:21:24,028 (堀)町奉行 堀三左衛門・ 225 00:21:24,028 --> 00:21:27,031 その方らを 不審のかどにより 召し捕りに参った 226 00:21:27,031 --> 00:21:34,038 何? 我らは 足利将軍の孫 由利姫を擁する 岩田富岳の一党 227 00:21:34,038 --> 00:21:37,041 町奉行ごときに召し捕られる 覚えはない! 228 00:21:37,041 --> 00:21:40,044 (堀)老中筆頭 松平伊豆守様の 命により 参ったのじゃ 229 00:21:40,044 --> 00:21:46,050 松平伊豆? おのれ 計りおったか! 230 00:21:46,050 --> 00:21:48,050 召し捕れい! 231 00:21:57,061 --> 00:22:02,061 富岳と手を切り どうやら 運が向いてきたようだ 232 00:22:13,077 --> 00:22:15,079 姫! 233 00:22:15,079 --> 00:22:20,084 今頃 常教寺原では… 234 00:22:20,084 --> 00:22:23,020 武蔵様は… 235 00:22:23,020 --> 00:22:28,025 ・ 富岳一味を相手にせず 236 00:22:28,025 --> 00:22:31,028 …と琵琶占いに (由利姫)まあ 237 00:22:31,028 --> 00:22:35,028 姫は もう過去を断ち切られたので ございましたな 238 00:22:37,034 --> 00:22:39,034 そうであった 239 00:22:41,038 --> 00:22:46,043 (由利姫)森都 そなたは変わり者と 聞きましたが・ 240 00:22:46,043 --> 00:22:49,046 なぜ 私を親身に思うてくれるのです 241 00:22:49,046 --> 00:22:53,050 親の顔も 御存じない姫 242 00:22:53,050 --> 00:22:58,055 森都も みなしごなのですか? (森都)いいえ 243 00:22:58,055 --> 00:23:00,055 では 子を亡くしたのか? 244 00:23:10,067 --> 00:23:17,074 許しておくれ 誰にも 知られたくない過去は あるもの 245 00:23:17,074 --> 00:23:21,078 (笑い声) 246 00:23:21,078 --> 00:23:26,016 森都 私は 武蔵様が仕官を断ったと聞き・ 247 00:23:26,016 --> 00:23:30,020 うれしくなりました (森都)私も同様で 248 00:23:30,020 --> 00:23:32,022 (おりん)お助けください・ 249 00:23:32,022 --> 00:23:38,028 おりんは 武蔵様のお言葉どおり 真面目に 生き直します・ 250 00:23:38,028 --> 00:23:42,032 どうか… どうか お守りください 251 00:23:42,032 --> 00:23:56,032 ・~ 252 00:24:00,050 --> 00:24:03,053 <旅を重ねて 武蔵親子は 京へ入り・ 253 00:24:03,053 --> 00:24:08,058 森都 由利姫の一行も 主水も そして おりんも また・ 254 00:24:08,058 --> 00:24:11,061 武蔵の後を追って 京へ入った> 255 00:24:11,061 --> 00:24:17,067 森都は 清水寺に 何を願うたのです 256 00:24:17,067 --> 00:24:24,007 姫の願いは この京で 武蔵様に お目にかかりたいことですな・ 257 00:24:24,007 --> 00:24:26,009 フフフッ 258 00:24:26,009 --> 00:24:30,013 道中 武蔵様の夢ばかり見るのです 259 00:24:30,013 --> 00:24:32,015 武蔵様には 長崎へ落ち着いて・ 260 00:24:32,015 --> 00:24:35,015 しっかりと 生きがいを見つけられてからに 261 00:24:37,020 --> 00:24:41,024 伊織様も 小倉へ仕官 262 00:24:41,024 --> 00:24:46,029 きっと 九州で 武蔵様に お会いできましょう 263 00:24:46,029 --> 00:24:48,031 お松さんじゃな 264 00:24:48,031 --> 00:24:50,031 ・(お松)はい 265 00:24:53,036 --> 00:24:57,040 (お松)まあ! 森都さん! (森都)フフフフフッ 266 00:24:57,040 --> 00:25:00,043 いつもながら 森都さんの心眼は 鋭いこと 267 00:25:00,043 --> 00:25:05,048 熊本の 長岡佐渡様のお使いで 江戸の武蔵様の元へ? 268 00:25:05,048 --> 00:25:07,050 そのとおり 269 00:25:07,050 --> 00:25:10,053 将軍家御指南番になられる お祝いに参ります 270 00:25:10,053 --> 00:25:14,057 御指南番は お断りになった (お松)まあ 271 00:25:14,057 --> 00:25:16,057 まあ 待ちなさい 272 00:25:21,999 --> 00:25:34,011 (琵琶) 273 00:25:34,011 --> 00:25:37,014 鷹峰 274 00:25:37,014 --> 00:25:44,014 武蔵様は どうやら 刀鍛冶 永国の元に 275 00:25:52,029 --> 00:25:55,032 よく打てた 276 00:25:55,032 --> 00:25:59,036 浮いていた殺気が 底に沈んだ 277 00:25:59,036 --> 00:26:04,041 今日より わしの差料にいたす 278 00:26:04,041 --> 00:26:07,044 (永国)ありがとうございます・ 279 00:26:07,044 --> 00:26:12,049 これも 皆 3年前に 先生に 巡り合ったおかげで 280 00:26:12,049 --> 00:26:32,002 ・~ 281 00:26:32,002 --> 00:26:41,011 ・~ 282 00:26:41,011 --> 00:26:46,011 《何やつ!》 (永国)《お… お見逃しを》 283 00:26:51,021 --> 00:26:53,021 《新身の一刀》 284 00:26:55,025 --> 00:26:57,027 《名は?》 285 00:26:57,027 --> 00:27:03,033 (永国)《私は 永国と申す 野鍛冶でございます》 286 00:27:03,033 --> 00:27:06,036 《刀の切れ味を 試したいばっかりに》 287 00:27:06,036 --> 00:27:08,038 《ばか者!》 288 00:27:08,038 --> 00:27:13,043 《これまでに 幾度も このようなことを いたしたのか》 289 00:27:13,043 --> 00:27:17,047 《今夜が 初めてでございます》 290 00:27:17,047 --> 00:27:20,050 《これほどの刀を打ちながら・ 291 00:27:20,050 --> 00:27:24,050 己で打った刀の切れ味が 分からんとは》 292 00:27:26,990 --> 00:27:29,993 《いやあ 見事な》 293 00:27:29,993 --> 00:27:32,996 《焦らず 修業するがよい》 294 00:27:32,996 --> 00:27:38,996 《会心の作が出来れば わしの差料にいたす》 295 00:27:42,005 --> 00:27:46,005 《わしは 宮本武蔵》 296 00:27:48,011 --> 00:27:51,014 《宮本武蔵》 297 00:27:51,014 --> 00:27:54,017 (永国)先生のおかげで 人を あやめず・ 298 00:27:54,017 --> 00:27:58,021 誠の刀鍛冶になることが できたのでございます 299 00:27:58,021 --> 00:28:02,021 この3年で よくぞ精進いたした 300 00:28:12,035 --> 00:28:15,038 (おりん)あっ 切れちゃった 301 00:28:15,038 --> 00:28:20,043 御苦労さん よーく 歩いたものねぇ 302 00:28:20,043 --> 00:28:26,984 どうせ 武蔵様と 共に暮らせるわけじゃないけどさ 303 00:28:26,984 --> 00:28:33,991 あのお方の住む 同じ京に 暮らせるだけでも 幸せだよね 304 00:28:33,991 --> 00:28:36,994 私だって 生き直せるさ 305 00:28:36,994 --> 00:28:38,994 おりん 306 00:28:41,999 --> 00:28:45,002 お前は! お前は… 307 00:28:45,002 --> 00:28:50,007 悪運の強いやつ まだ生きておったか 308 00:28:50,007 --> 00:28:53,010 フンッ 死んで たまるかい 309 00:28:53,010 --> 00:28:57,014 あたしゃ お前に 突き落とされた泥沼から・ 310 00:28:57,014 --> 00:29:00,017 武蔵様に 助け出してもらったんだよ 311 00:29:00,017 --> 00:29:03,020 何? 武蔵に? 312 00:29:03,020 --> 00:29:07,024 (おりん) 武蔵様は 心の温かいお方・ 313 00:29:07,024 --> 00:29:10,027 お前なんか うじ虫だよ (主水)うるさい! 314 00:29:10,027 --> 00:29:15,032 もう お前の思いどおりになんか ならないよ・ 315 00:29:15,032 --> 00:29:18,035 さっさと 地獄に落ちるがいいや 316 00:29:18,035 --> 00:29:21,038 (主水)地獄に落ちるのは お前だ (おりん)何だって? 317 00:29:21,038 --> 00:29:27,978 (主水)夫 小次郎を殺した武蔵に ほれやがって! 業の深い女め 318 00:29:27,978 --> 00:29:33,984 業の深いのは お互いさまさ (主水)生かしておいては 邪魔な女 319 00:29:33,984 --> 00:29:37,988 ちくしょう 殺されて たまるかい (主水)おのれ! 320 00:29:37,988 --> 00:29:53,003 ・~ 321 00:29:53,003 --> 00:29:57,007 女ばかり いじめやがって 322 00:29:57,007 --> 00:29:59,009 武蔵様に 勝ってみろ! 323 00:29:59,009 --> 00:30:02,009 おのれ! (おりん)あーっ! 324 00:30:05,015 --> 00:30:11,021 あたしゃ 出直すんだ あたしゃ… 今 死んで たまるか 325 00:30:11,021 --> 00:30:14,024 (主水)往生際の悪いやつだ! 326 00:30:14,024 --> 00:30:16,026 (おりん) あーっ! 死んで たまるか! 327 00:30:16,026 --> 00:30:18,026 死ね! 328 00:30:22,966 --> 00:30:24,966 (主水)あーっ! 329 00:30:28,972 --> 00:30:31,975 (お松)しっかりなされ 330 00:30:31,975 --> 00:30:33,975 おりんさん! 331 00:30:35,979 --> 00:30:37,979 お松さん… 332 00:30:39,983 --> 00:30:44,983 も… 主水 主水… (お松)今のは 松山主水? 333 00:30:46,990 --> 00:30:50,994 あたしゃね… あたしゃ・ 334 00:30:50,994 --> 00:30:55,999 しっかり 生き直すところだったの 335 00:30:55,999 --> 00:30:59,999 しっかりなさい しっかりなさい 336 00:31:04,007 --> 00:31:09,007 め… 目が見えない 337 00:31:13,016 --> 00:31:16,016 む… 武蔵様… むさ… 338 00:31:19,022 --> 00:31:22,025 武蔵… 339 00:31:22,025 --> 00:31:26,025 おりんさん! おりんさーん! 340 00:31:47,050 --> 00:31:52,055 何という巡り合わせなので ございましょうか 341 00:31:52,055 --> 00:32:00,063 武蔵様を お慕いなされた お孝様 お悠様・ 342 00:32:00,063 --> 00:32:07,070 そして また おりんさんの死を みとることになりましょうとは 343 00:32:07,070 --> 00:32:19,082 ・~ 344 00:32:19,082 --> 00:32:25,021 <おりんの死後 突然 武蔵は 激しい胃の痛みに倒れた> 345 00:32:25,021 --> 00:32:29,025 <医師 玄願の見立てにより 胃腸の病と分かったが・ 346 00:32:29,025 --> 00:32:34,030 ふたつき余り 鷹峰の ある寺で 寝込んでしまった> 347 00:32:34,030 --> 00:32:41,037 <お松 伊織の手厚い看病で 元気を取り戻し 年の瀬を迎えた> 348 00:32:41,037 --> 00:32:44,037 (お松) まあ 冷えると お体に障ります 349 00:32:46,042 --> 00:32:51,047 御家老の長岡様から 我が屋敷で ゆっくり養生なさるように・ 350 00:32:51,047 --> 00:32:54,050 是非とも 武蔵様を 熊本にお連れ申せと・ 351 00:32:54,050 --> 00:32:59,055 また お便りがございました ありがたいことじゃ 352 00:32:59,055 --> 00:33:04,060 この寺にも 一方ならぬ世話になった 353 00:33:04,060 --> 00:33:08,064 一時は どうなることかと 心配いたしましたが・ 354 00:33:08,064 --> 00:33:13,069 武蔵様は 重い病にも 闘って勝つ・ 355 00:33:13,069 --> 00:33:17,073 本当に 不動明王の 生まれ変わりのように・ 356 00:33:17,073 --> 00:33:19,075 お強い お方でございますね 357 00:33:19,075 --> 00:33:21,077 お松さんには・ 358 00:33:21,077 --> 00:33:28,018 私の看病をするために 熊本から 出てきたようで・ 359 00:33:28,018 --> 00:33:32,022 すまないことをした いいえ 360 00:33:32,022 --> 00:33:37,027 亡き お孝様 お悠様が 武蔵様を案じて・ 361 00:33:37,027 --> 00:33:41,027 私を遣わされたように思われて なりません 362 00:33:47,037 --> 00:33:50,037 (お松) 本当に 不思議な御縁でございます 363 00:33:53,043 --> 00:34:01,043 お孝様と 武蔵様を訪ねて 小倉をたちましたのが 17年前 364 00:34:03,053 --> 00:34:08,053 あれから さまざまなことが ございました 365 00:34:12,062 --> 00:34:19,069 人には 節目がある 過去を脱ぎ捨てて 進まねばならぬ 366 00:34:19,069 --> 00:34:27,010 お松さんも 良縁を得て 幸せになってもらいたい 367 00:34:27,010 --> 00:34:29,012 いいえ・ 368 00:34:29,012 --> 00:34:33,016 お日様が 西から昇るようなことが ございましても・ 369 00:34:33,016 --> 00:34:38,016 お松は 嫁には参りません お松さん 370 00:34:40,023 --> 00:34:45,028 私は 亡き お孝様に代わって・ 371 00:34:45,028 --> 00:34:49,028 武蔵様の行く末を見届ける お役目がございます 372 00:34:51,034 --> 00:34:56,039 父上 江戸の黒田左膳様より 書状が参りました 373 00:34:56,039 --> 00:34:58,039 読んでみい (伊織)はっ 374 00:35:11,054 --> 00:35:14,057 小笠原公が 参勤交代を終え・ 375 00:35:14,057 --> 00:35:18,061 年が明けた2月には 国元の小倉へ 戻られるそうです 376 00:35:18,061 --> 00:35:22,999 年が明けたら そなたと共に 小倉へたとう 377 00:35:22,999 --> 00:35:27,003 (伊織)父上 お体は? 大事ない 378 00:35:27,003 --> 00:35:30,006 道中で また 胃が痛まれては 一大事 379 00:35:30,006 --> 00:35:33,006 私が お供いたします 380 00:35:36,012 --> 00:35:39,015 <武蔵は 佐々木小次郎との対決以来・ 381 00:35:39,015 --> 00:35:43,015 21年ぶりに 小倉の地を踏んだ> 382 00:35:47,023 --> 00:35:51,027 <若き日の思い出が 走馬灯のように 浮かんでは消え・ 383 00:35:51,027 --> 00:35:54,030 なぜか 由利姫を思った> 384 00:35:54,030 --> 00:35:58,034 <そのころ 長崎の日見峠では> 385 00:35:58,034 --> 00:36:03,039 武蔵様 由利は この長崎で 生まれ変わります 386 00:36:03,039 --> 00:36:06,042 どうか 見守っていてくださいませ 387 00:36:06,042 --> 00:36:10,046 (黒田) 武蔵様 本日より 伊織殿は・ 388 00:36:10,046 --> 00:36:14,050 300石にて お召し抱えと 決まりましたぞ 389 00:36:14,050 --> 00:36:17,053 ありがたき幸せに存じまする 390 00:36:17,053 --> 00:36:22,992 (小笠原)うむ 伊織 小笠原家のために 尽くしてくれ 391 00:36:22,992 --> 00:36:25,995 (伊織)ははっ 392 00:36:25,995 --> 00:36:31,000 殿 これなるは 永国に打たせましたる1ふり 393 00:36:31,000 --> 00:36:34,003 どうか お納めくださりませ 394 00:36:34,003 --> 00:36:40,009 (小笠原)わざわざ 余のために 打たせてくれたのか はい 395 00:36:40,009 --> 00:36:45,014 (小笠原)武蔵 余の差料として 愛用いたすぞ 396 00:36:45,014 --> 00:36:47,016 はい! 397 00:36:47,016 --> 00:36:53,022 (小笠原)武蔵 しばらくは 小倉にとどまり 兵法指南を頼む・ 398 00:36:53,022 --> 00:36:58,027 そなたが参るのを 家中一同 待っておったぞ・ 399 00:36:58,027 --> 00:37:02,031 特に 待ちかねていた者がおる・ 400 00:37:02,031 --> 00:37:05,031 これへ! ・(家臣)ははっ 401 00:37:13,042 --> 00:37:15,042 又兵衛殿 402 00:37:18,047 --> 00:37:24,988 (高田)武蔵殿 一日千秋の思いで お待ちいたしておりました・ 403 00:37:24,988 --> 00:37:30,988 あの 小城街道での お手合わせ いまだ 忘れることはございません 404 00:37:33,997 --> 00:37:37,000 (高田)殿! どうか いま一たび・ 405 00:37:37,000 --> 00:37:43,006 武蔵殿との試合 お許し願いとう存じまする 406 00:37:43,006 --> 00:37:47,010 (小笠原)うむ 考えておこう 407 00:37:47,010 --> 00:37:51,014 まず 伊織と浪の祝言じゃ 408 00:37:51,014 --> 00:38:11,034 ・~ 409 00:38:11,034 --> 00:38:30,987 ・~ 410 00:38:30,987 --> 00:38:50,006 ・~ 411 00:38:50,006 --> 00:38:56,012 御縁が深うございます 祝言の日に 来合わせるとは 412 00:38:56,012 --> 00:38:59,015 よく来てくれた 413 00:38:59,015 --> 00:39:02,015 おめでたい日に 泣いてばかり 414 00:39:04,020 --> 00:39:09,020 花婿 花嫁の姿を見ておりますと 415 00:39:11,027 --> 00:39:16,032 娘のことが思い出されまして 416 00:39:16,032 --> 00:39:20,036 娘があったのか (森都)はい 417 00:39:20,036 --> 00:39:25,975 隠れ切支丹として 捕らえられました時に・ 418 00:39:25,975 --> 00:39:33,983 生まれたばかりの娘を 下女に託して 逃がしました 419 00:39:33,983 --> 00:39:40,990 その後 陰ながらでも 娘に会いたいと・ 420 00:39:40,990 --> 00:39:43,993 下女の里を訪ねましたが・ 421 00:39:43,993 --> 00:39:47,997 下女は 里には戻っておりませんでした 422 00:39:47,997 --> 00:39:53,997 以来 行方が分からんのか? (森都)八方 捜しましたが 423 00:39:57,006 --> 00:40:00,009 こんな親のこと 424 00:40:00,009 --> 00:40:04,013 もちろん 名乗り出る気はございませぬが・ 425 00:40:04,013 --> 00:40:11,020 万一 不幸せなら 何としても 助けてやりたい 426 00:40:11,020 --> 00:40:17,026 何か 手がかりになる物を 付けてやらなかったのか? 427 00:40:17,026 --> 00:40:21,964 親の身元が知れてはならんと・ 428 00:40:21,964 --> 00:40:27,970 この同じ袋に 私と妻の髪の毛を 入れて 付けてやったのが・ 429 00:40:27,970 --> 00:40:30,973 ただ一つの手がかりで 430 00:40:30,973 --> 00:40:38,973 生きておる きっと生きておる 幸せに暮らしておる 431 00:40:42,985 --> 00:40:46,989 そう信じてまいりましたが・ 432 00:40:46,989 --> 00:40:53,996 生きておりますれば もう 嫁入りしておりましょう 433 00:40:53,996 --> 00:40:59,996 浪殿の美しい花嫁姿は… 434 00:41:04,006 --> 00:41:06,006 娘のことが… 435 00:41:10,012 --> 00:41:12,012 娘! 436 00:41:16,018 --> 00:41:18,020 <それから数日後・ 437 00:41:18,020 --> 00:41:22,024 森都は 新しい人生を歩き始めた 由利姫の元へ・ 438 00:41:22,024 --> 00:41:27,024 お松も 熊本の長岡佐渡の元へと 旅立った> 439 00:41:31,033 --> 00:41:36,033 <ついに 武蔵と又兵衛の 御前試合の日が来た> 440 00:41:45,047 --> 00:41:52,054 両名ともに 兵法 隆盛のため 秘術を尽くして 試合をいたせ 441 00:41:52,054 --> 00:42:04,054 (太鼓) 442 00:42:36,032 --> 00:42:56,052 ・~ 443 00:42:56,052 --> 00:43:16,072 ・~ 444 00:43:16,072 --> 00:43:36,025 ・~ 445 00:43:36,025 --> 00:43:41,030 ・~ 446 00:43:41,030 --> 00:43:44,030 伊織! 試合を止めい! (伊織)はっ 447 00:43:48,037 --> 00:43:51,037 (伊織)上意! 試合をやめい! 448 00:43:56,045 --> 00:44:01,045 見事! 両名とも見事であったぞ 449 00:44:13,062 --> 00:44:15,062 武蔵殿 450 00:44:21,070 --> 00:44:23,005 <小笠原公は・ 451 00:44:23,005 --> 00:44:27,009 武蔵と又兵衛の試合を止めた 伊織の力量を見込み・ 452 00:44:27,009 --> 00:44:30,012 直ちに 大番頭に任じた> 453 00:44:30,012 --> 00:44:36,018 <大番頭とは 藩軍の頭となる 重い役目である> 454 00:44:36,018 --> 00:44:39,021 (伊織)父上 若輩の私が・ 455 00:44:39,021 --> 00:44:44,026 長年 勤め上げた大番頭の方々と 同様に 勤まりましょうか 456 00:44:44,026 --> 00:44:50,032 勤まる そなたの本日の働き わしも 目を見張った 457 00:44:50,032 --> 00:44:52,034 父上! 458 00:44:52,034 --> 00:44:57,039 小笠原家の大番頭として 立派に 独り立ちいたしたのだ 459 00:44:57,039 --> 00:44:59,041 (伊織)はい 460 00:44:59,041 --> 00:45:06,048 宮本伊織 しかと 己の道を歩め 461 00:45:06,048 --> 00:45:08,050 はい! 462 00:45:08,050 --> 00:45:11,053 <伊織は 立派に巣立ったのだ> 463 00:45:11,053 --> 00:45:15,057 <武蔵も また 果てしなき剣の道を求めて・ 464 00:45:15,057 --> 00:45:18,060 新たな旅立ちである> 465 00:45:18,060 --> 00:45:21,060 <命あるかぎり 進むのだ> 466 00:45:29,005 --> 00:45:49,025 ・~ 467 00:45:49,025 --> 00:46:09,045 ・~ 468 00:46:09,045 --> 00:46:28,998 ・~ 469 00:46:28,998 --> 00:46:45,998 ・~