1 00:01:23,020 --> 00:01:43,040 ・~ 2 00:01:43,040 --> 00:02:01,040 ・~ 3 00:02:07,064 --> 00:02:20,064 ・~ 4 00:02:22,013 --> 00:02:28,019 <武蔵は 将軍 家光公に 兵法の極意を伝授 江戸を去る> 5 00:02:28,019 --> 00:02:33,024 <由利姫は森都の助けにより 新しい人生を求めて長崎へ旅立つ> 6 00:02:33,024 --> 00:02:38,029 <おりんは 松山主水に殺され 武蔵と お松に葬られる> 7 00:02:38,029 --> 00:02:42,033 <伊織は 小笠原家に仕官 大番頭に任じられ・ 8 00:02:42,033 --> 00:02:45,036 武蔵の元から 伊織は巣立った> 9 00:02:45,036 --> 00:02:47,036 <武蔵もまた 新たな旅立ちである> 10 00:02:55,046 --> 00:02:57,048 <徳川幕府のキリシタン弾圧は・ 11 00:02:57,048 --> 00:03:02,053 三代 家光の時代 その頂点に達していた> 12 00:03:02,053 --> 00:03:04,055 <由利姫が訪れた長崎の地は・ 13 00:03:04,055 --> 00:03:08,055 当時 その渦中の真っただ中にあった> 14 00:03:13,064 --> 00:03:16,064 (子供たち)サンタマリア様 15 00:03:26,010 --> 00:03:31,015 (由利姫)まあ 森都 伊織様も・ 16 00:03:31,015 --> 00:03:33,015 さあ どうぞ 17 00:03:41,025 --> 00:03:44,028 (伊織)姫 私が長崎に参りましたのは・ 18 00:03:44,028 --> 00:03:46,030 殿の内命により・ 19 00:03:46,030 --> 00:03:49,033 キリシタンの動向を 探査するためでございます 20 00:03:49,033 --> 00:03:53,037 (由利姫)それは やりがいのある仕事と思います・ 21 00:03:53,037 --> 00:03:56,040 幕府の今のやり方で・ 22 00:03:56,040 --> 00:03:59,043 このまま キリシタンが 滅びるとは思えません 23 00:03:59,043 --> 00:04:02,046 (伊織)ということは 姫 24 00:04:02,046 --> 00:04:06,050 (由利姫)今日 私は・ 25 00:04:06,050 --> 00:04:09,053 幼い子供たちが 刑場に引かれていくのを・ 26 00:04:09,053 --> 00:04:12,056 目の当たりにしました・ 27 00:04:12,056 --> 00:04:16,060 あまりに むごいことです・ 28 00:04:16,060 --> 00:04:19,063 あのような むごいことを 続けていたら・ 29 00:04:19,063 --> 00:04:21,999 キリシタンでない人々まで・ 30 00:04:21,999 --> 00:04:25,002 御公儀に背を向けることに なるでしょう 31 00:04:25,002 --> 00:04:27,004 (伊織)御公儀だって 好んで・ 32 00:04:27,004 --> 00:04:29,006 極刑を科してるわけでは ありません 33 00:04:29,006 --> 00:04:33,010 転べば すぐ許してくれるし そうなることを望んで・ 34 00:04:33,010 --> 00:04:35,012 見せしめのために やっていることです 35 00:04:35,012 --> 00:04:38,015 (由利姫)見せしめ? 36 00:04:38,015 --> 00:04:40,017 恐ろしいことです 37 00:04:40,017 --> 00:04:44,021 (森都) 恐ろしいのは耶蘇教の力です 38 00:04:44,021 --> 00:04:46,023 信者たちは・ 39 00:04:46,023 --> 00:04:50,027 水責め 火責めにしても てこでも転びません 40 00:04:50,027 --> 00:04:53,030 伊織様 お父上様は・ 41 00:04:53,030 --> 00:04:56,033 キリシタンのことを どう考えておられるのでしょう 42 00:04:56,033 --> 00:05:00,037 父にとっては 耶蘇教も仏教もありません 43 00:05:00,037 --> 00:05:02,039 あるのはただ 剣のみです 44 00:05:02,039 --> 00:05:04,041 剣? 45 00:05:04,041 --> 00:05:07,041 私も剣が欲しい 46 00:05:09,046 --> 00:05:12,049 私は両方とも嫌いです 47 00:05:12,049 --> 00:05:18,055 キリシタンを弾圧する役人も キリシタンの殉教者たちも・ 48 00:05:18,055 --> 00:05:21,992 どちらも けだもののように頑固です 49 00:05:21,992 --> 00:05:23,992 できることなら 斬って捨てたい 50 00:05:25,996 --> 00:05:30,000 (由利姫)無心な子供たちの 命を奪う権利は・ 51 00:05:30,000 --> 00:05:33,003 誰にもないはずです 52 00:05:33,003 --> 00:05:35,003 姫 (障子の開く音) 53 00:05:41,011 --> 00:05:43,013 (おきぬ)いらっしゃいませ 54 00:05:43,013 --> 00:05:45,015 (由利姫)あっ お引き合わせしましょう・ 55 00:05:45,015 --> 00:05:49,019 こちらは 紺屋町の藤木屋さんの お嬢さんで・ 56 00:05:49,019 --> 00:05:53,023 お茶のお稽古ついでに 私の身の回りのことを 57 00:05:53,023 --> 00:05:56,026 (おきぬ)きぬと申します 58 00:05:56,026 --> 00:05:59,029 (森都)おきぬさんか・ 59 00:05:59,029 --> 00:06:01,031 おいくつになられる 60 00:06:01,031 --> 00:06:04,034 (おきぬ)はい 19になります 61 00:06:04,034 --> 00:06:07,034 ほう 10… 62 00:06:11,041 --> 00:06:14,041 どうかしましたか 森都 63 00:06:16,046 --> 00:06:18,046 いや 64 00:06:21,051 --> 00:06:24,989 (子供) えい! やっ! えい! やっ!・ 65 00:06:24,989 --> 00:06:30,995 えい! やっ! えい! やっ! えい! やっ! 66 00:06:30,995 --> 00:06:34,999 <そのころ 武蔵は 小倉の宮本伊織の屋敷で・ 67 00:06:34,999 --> 00:06:38,002 平和な毎日を送っていた> 68 00:06:38,002 --> 00:06:42,006 (子供)やっ! えい! やっ! 69 00:06:42,006 --> 00:06:44,008 (藩士) 宮本先生は どうなされたんだ 70 00:06:44,008 --> 00:06:47,011 近頃は めったに 道場に おみえにならんではないか 71 00:06:47,011 --> 00:06:51,015 お年なんじゃ さすがの先生も年には勝てんて 72 00:06:51,015 --> 00:06:53,017 <ところが ある日 そんな うわさをしている・ 73 00:06:53,017 --> 00:06:55,019 若い藩士たちが・ 74 00:06:55,019 --> 00:06:58,019 ぞっと身震いするような事件が 起きた> 75 00:07:01,025 --> 00:07:04,028 (青木)あいや お女中・ 76 00:07:04,028 --> 00:07:07,031 御当家に 宮本武蔵殿はおられるかな 77 00:07:07,031 --> 00:07:10,034 (お浪)はい (青木)それがし・ 78 00:07:10,034 --> 00:07:14,038 旅の兵法者にて 青木条右衛門と申す者 79 00:07:14,038 --> 00:07:17,038 (青木)是非とも 先生に お目にかかりたい 80 00:07:23,981 --> 00:07:27,985 (武蔵)青木氏 修行は いかになされた 81 00:07:27,985 --> 00:07:31,989 (青木)はっ 心貫流にござりまする・ 82 00:07:31,989 --> 00:07:35,993 拙者 今日まで いまだ かつて・ 83 00:07:35,993 --> 00:07:39,997 敗北を喫したることは ござりません 84 00:07:39,997 --> 00:07:45,002 (武蔵)その袋は? (青木)はっ 85 00:07:45,002 --> 00:07:48,005 これは お目に留まって恐縮 86 00:07:48,005 --> 00:07:54,011 実は 拙者愛用の木太刀でござる・ 87 00:07:54,011 --> 00:08:00,011 相手によっては これをもって試合をつかまつる 88 00:08:05,022 --> 00:08:08,025 宮本殿 89 00:08:08,025 --> 00:08:10,027 一手 御指南を 90 00:08:10,027 --> 00:08:29,980 ・~ 91 00:08:29,980 --> 00:08:47,998 ・~ 92 00:08:47,998 --> 00:08:51,998 (青木)お… 恐れ入りました 93 00:08:56,006 --> 00:08:58,008 (武蔵)ああ 新太郎 94 00:08:58,008 --> 00:09:00,008 (寺尾)お久しぶりでございます 95 00:09:09,019 --> 00:09:12,022 (寺尾)先生 96 00:09:12,022 --> 00:09:18,028 殿は先生を 熊本の地に お招きしたいお心なのです 97 00:09:18,028 --> 00:09:22,966 所定めぬ行脚僧も 時至れば・ 98 00:09:22,966 --> 00:09:28,972 聖地を探して 一山を開いて 定住すると 99 00:09:28,972 --> 00:09:31,975 武蔵も ついに老いたか 100 00:09:31,975 --> 00:09:35,979 何をおっしゃいます 101 00:09:35,979 --> 00:09:37,981 熊本か 102 00:09:37,981 --> 00:09:42,981 先生 是非 お出かけくださいませ 103 00:09:49,993 --> 00:09:51,995 (森都)伊織様・ 104 00:09:51,995 --> 00:09:55,999 由利姫のお考えをどう思われます 105 00:09:55,999 --> 00:09:59,002 (伊織)立派だと思います 神にもくみせず・ 106 00:09:59,002 --> 00:10:03,006 権力にもこびず ただひたすらに 人の命をいとおしむ・ 107 00:10:03,006 --> 00:10:07,010 真の正義は 姫のような お考えの中にこそ・ 108 00:10:07,010 --> 00:10:09,012 あるのではないかと思いました 109 00:10:09,012 --> 00:10:12,015 (森都)姫が御立派なのは・ 110 00:10:12,015 --> 00:10:17,020 御自分のお考えを 必ず実行なさることです・ 111 00:10:17,020 --> 00:10:20,023 この血生臭い長崎の町に・ 112 00:10:20,023 --> 00:10:24,962 姫は 新しい風を巻き起こすでしょう 113 00:10:24,962 --> 00:10:28,966 (伊織)新しい風? (森都)その風の中で・ 114 00:10:28,966 --> 00:10:33,971 憎しみや 恨みつらみから 解脱した人間だけが・ 115 00:10:33,971 --> 00:10:36,974 手を取り合って生きていく 116 00:10:36,974 --> 00:10:42,980 森都さん そのようなことが この世にあるものでしょうか 117 00:10:42,980 --> 00:10:44,980 ある 118 00:10:56,994 --> 00:10:59,997 (森都)私どもに御用でしょうか 119 00:10:59,997 --> 00:11:04,001 (浪人)座頭の森都 いかにも貴様に用がある 120 00:11:04,001 --> 00:11:08,005 (森都)ほう 私めに? (浪人)とぼけるな 犬め 121 00:11:08,005 --> 00:11:11,008 (浪人)貴様は長年 幕府の隠密を務め・ 122 00:11:11,008 --> 00:11:16,008 我らキリシタンの秘密を探り 何千人もの人の命を売った 123 00:11:18,015 --> 00:11:20,017 なるほど 124 00:11:20,017 --> 00:11:23,020 お手前たち キリシタンの痩せ浪人か 125 00:11:23,020 --> 00:11:25,022 言うな! 126 00:11:25,022 --> 00:11:30,027 (浪人)いずれの方か存ぜぬが 訳は ただいま申したとおりです 127 00:11:30,027 --> 00:11:34,031 座頭の一味 あるいは役人でなくば 身を引かれたい 128 00:11:34,031 --> 00:11:40,037 ほほう 物の分かった方々だ 129 00:11:40,037 --> 00:11:43,040 お察しのとおり これなるお方は・ 130 00:11:43,040 --> 00:11:47,040 私の仲間でもなければ 役人でもない 131 00:11:49,046 --> 00:11:51,046 御遠慮願おう 132 00:11:56,053 --> 00:11:59,053 相手つかまつる 133 00:12:11,068 --> 00:12:15,068 (呼び子) 134 00:12:17,074 --> 00:12:20,074 (呼び子) 135 00:12:31,021 --> 00:12:34,024 (森都)いやぁ お恥ずかしい・ 136 00:12:34,024 --> 00:12:38,028 とんだ茶番をお見せしました (伊織)茶番? 137 00:12:38,028 --> 00:12:41,031 どうしてどうして 並の腕ではない 138 00:12:41,031 --> 00:12:43,033 感心しました (森都)いや もうおっしゃるな 139 00:12:43,033 --> 00:12:46,036 いや 実は あなたの目が見えることは・ 140 00:12:46,036 --> 00:12:49,039 父上から聞いて知っていました 141 00:12:49,039 --> 00:12:53,043 しかし それにしても… (森都)伊織様・ 142 00:12:53,043 --> 00:12:58,048 私は汚い人間でございますゆえ・ 143 00:12:58,048 --> 00:13:01,051 フフフ… 144 00:13:01,051 --> 00:13:13,063 ・~ 145 00:13:13,063 --> 00:13:18,068 どうやら私にも 年貢の納め時が 来たのかもしれません 146 00:13:18,068 --> 00:13:20,068 人それぞれに生き方がある 147 00:13:24,007 --> 00:13:27,007 御公儀にしてみれば怖いんです キリシタンは 148 00:13:29,012 --> 00:13:32,015 だからこそ 森都さんに 149 00:13:32,015 --> 00:13:44,027 ・~ 150 00:13:44,027 --> 00:13:47,027 さあ 今夜は飲み明かしましょう 151 00:13:51,034 --> 00:13:53,036 はい 152 00:13:53,036 --> 00:13:59,042 <翌日 由利姫は 長崎奉行 神尾内記を訪れた> 153 00:13:59,042 --> 00:14:02,045 (神尾)これは姫 内記でござりまする 154 00:14:02,045 --> 00:14:04,047 (由利姫)神尾殿か (神尾)はっ 155 00:14:04,047 --> 00:14:08,051 (由利姫)御挨拶 痛み入ります 156 00:14:08,051 --> 00:14:12,055 承れば 姫には市井にて・ 157 00:14:12,055 --> 00:14:16,059 茶道の師範を なされておられるとのこと・ 158 00:14:16,059 --> 00:14:18,061 そのようなことをなされずとも・ 159 00:14:18,061 --> 00:14:21,064 しかるべき屋敷を 求めまするにつき・ 160 00:14:21,064 --> 00:14:25,001 すぐさま お移り願いとう存じまする 161 00:14:25,001 --> 00:14:29,005 いえ それには及びませぬ 162 00:14:29,005 --> 00:14:33,009 そのような お心遣いを頂くより 神尾殿 163 00:14:33,009 --> 00:14:37,013 私が本日 お伺いしたのは・ 164 00:14:37,013 --> 00:14:42,018 あなた様に たって お願いしたいことがあるからです 165 00:14:42,018 --> 00:14:45,021 (神尾)はっ それは? 166 00:14:45,021 --> 00:14:48,024 キリシタンの取締り・ 167 00:14:48,024 --> 00:14:52,028 処刑を13歳以上の者と 限っていただきたいのです 168 00:14:52,028 --> 00:14:55,031 (神尾)な… 何と仰せられます 169 00:14:55,031 --> 00:14:58,034 子供には罪はありませぬ 170 00:14:58,034 --> 00:15:02,038 耶蘇教に殉じて 死んでいく大人たちだとて・ 171 00:15:02,038 --> 00:15:05,041 何も分からぬ子供を 道連れにすることは・ 172 00:15:05,041 --> 00:15:08,044 本心ではありますまい 173 00:15:08,044 --> 00:15:13,049 子供は国の宝とも いうではありませぬか 174 00:15:13,049 --> 00:15:33,003 ・~ 175 00:15:33,003 --> 00:15:35,005 ・~ 176 00:15:35,005 --> 00:15:37,007 (子供)お代わり! (おきぬ)はい・ 177 00:15:37,007 --> 00:15:40,007 みんな たくさん食べるのよ 178 00:15:42,012 --> 00:15:46,016 (由利姫)みんな おいしかった? (子供たち)おいしい おいしかった 179 00:15:46,016 --> 00:15:49,019 (子供)はい ごちそうさま (子供)ごちそうさまでした 180 00:15:49,019 --> 00:15:53,023 (子供)あの… おば様とお呼びして いいのでございますか? 181 00:15:53,023 --> 00:15:55,025 (由利姫)ええ いいんですよ 182 00:15:55,025 --> 00:15:59,029 (子供)では おば様 お伺いしたいことがございます・ 183 00:15:59,029 --> 00:16:03,033 神父様をはじめ 私たちの父母や 兄や姉様方は・ 184 00:16:03,033 --> 00:16:06,036 あれから どうなったのでしょう 185 00:16:06,036 --> 00:16:09,039 (由利姫)お気の毒に・ 186 00:16:09,039 --> 00:16:13,043 皆さん お奉行所に連れられていきました 187 00:16:13,043 --> 00:16:16,046 (子供)おお サンタマリア様 188 00:16:16,046 --> 00:16:19,046 (子供たち)おお サンタマリア様 189 00:16:25,989 --> 00:16:42,005 (おきぬの泣き声) 190 00:16:42,005 --> 00:16:45,008 (森都)おきぬちゃん・ 191 00:16:45,008 --> 00:16:47,008 なぜ そんなに泣く 192 00:16:55,018 --> 00:17:03,018 (おきぬ)私の… 父も 母もキリシタンで… 193 00:17:05,028 --> 00:17:07,030 お仕置きになったの 194 00:17:07,030 --> 00:17:09,030 (森都)うん? 195 00:17:13,036 --> 00:17:16,036 私が 生まれたばかりの時だったんです 196 00:17:19,042 --> 00:17:25,982 私… 私も一緒に 火あぶりになればよかった 197 00:17:25,982 --> 00:17:27,982 何を言うんだ 198 00:17:29,986 --> 00:17:32,986 なんてことを 199 00:17:34,991 --> 00:17:39,991 お前 本気で そんなこ… 200 00:17:48,004 --> 00:18:01,017 ・~ 201 00:18:01,017 --> 00:18:03,017 このお守りは? 202 00:18:05,021 --> 00:18:10,026 父と母の髪の毛が 入っているんです 203 00:18:10,026 --> 00:18:13,029 (赤ん坊の泣き声) 204 00:18:13,029 --> 00:18:15,031 何? 205 00:18:15,031 --> 00:18:20,036 (赤ん坊の泣き声) 206 00:18:20,036 --> 00:18:39,989 ・~ 207 00:18:39,989 --> 00:18:48,998 ・~ 208 00:18:48,998 --> 00:18:52,001 (おきぬ)どうなさったの 森都さん 209 00:18:52,001 --> 00:19:09,018 ・~ 210 00:19:09,018 --> 00:19:12,021 (森都)そうか 211 00:19:12,021 --> 00:19:16,021 おきぬちゃんは みなしごだったんだな 212 00:19:18,027 --> 00:19:22,965 いくつの時から 藤木屋さんで? 213 00:19:22,965 --> 00:19:25,968 おまささんという女の人が・ 214 00:19:25,968 --> 00:19:29,972 赤ちゃんの私を連れて 藤木屋に奉公したんですって 215 00:19:29,972 --> 00:19:32,975 その おまささんは? 216 00:19:32,975 --> 00:19:37,975 (おきぬ)今年の春 隠れキリシタンで火あぶりに 217 00:19:41,984 --> 00:19:43,986 おきぬちゃん 218 00:19:43,986 --> 00:19:46,989 いけないよ 219 00:19:46,989 --> 00:19:50,989 自分も火あぶりになれば よかったなんて 220 00:19:52,995 --> 00:19:55,998 口が裂けても言っちゃいけない 221 00:19:55,998 --> 00:20:10,012 ・~ 222 00:20:10,012 --> 00:20:21,012 それじゃ お前を助けた お父さんや お母さんが… 223 00:20:22,958 --> 00:20:25,958 あんまり かわいそうじゃないか 224 00:20:28,964 --> 00:20:32,968 はい 言いません 225 00:20:32,968 --> 00:20:35,971 (森都)うん (おきぬ)ごめんなさい 226 00:20:35,971 --> 00:20:55,991 ・~ 227 00:20:55,991 --> 00:21:01,991 ・~ 228 00:21:26,021 --> 00:21:29,021 ・(由利姫)何をしているのです? 229 00:21:32,027 --> 00:21:36,031 (森都)家康公より頂いた お墨付きです 230 00:21:36,031 --> 00:21:38,033 (由利姫)お墨付き? 231 00:21:38,033 --> 00:21:42,037 (森都) キリシタン目付けの お墨付きです 232 00:21:42,037 --> 00:21:45,040 この紙切れ一枚で・ 233 00:21:45,040 --> 00:21:48,043 今日まで 私が 刑場に送ったキリシタンは・ 234 00:21:48,043 --> 00:21:51,046 数千人に及ぶでしょう 235 00:21:51,046 --> 00:21:54,049 姫 236 00:21:54,049 --> 00:22:00,055 私はようやく 自分のしたことの 恐ろしさが分かってきたのです 237 00:22:00,055 --> 00:22:03,058 キリシタンだろうが 邪教徒だろうが・ 238 00:22:03,058 --> 00:22:07,058 その人の命は等しく立つ 239 00:22:10,065 --> 00:22:13,068 姫 240 00:22:13,068 --> 00:22:17,072 姫には初めて申しますが・ 241 00:22:17,072 --> 00:22:24,013 私は 元 キリシタンでございます 242 00:22:24,013 --> 00:22:30,013 もう 二十何年も 昔のことでございます 243 00:22:33,022 --> 00:22:36,025 (戸をたたく音) 244 00:22:36,025 --> 00:22:39,028 《キリシタン狩りだ》 245 00:22:39,028 --> 00:22:41,028 ・(おまさ)《旦那様》 246 00:22:48,037 --> 00:22:52,041 (森都)《おまさ この子を頼む》・ 247 00:22:52,041 --> 00:22:54,043 《裏から逃げろ》 (おまさ)《はい》 248 00:22:54,043 --> 00:22:56,043 (森都)《早く》 249 00:22:58,047 --> 00:23:00,049 (女性の泣き声) 250 00:23:00,049 --> 00:23:04,053 (森都)私は危うく その子を助けたのです 251 00:23:04,053 --> 00:23:08,057 妻は 心からキリシタンでしたから・ 252 00:23:08,057 --> 00:23:15,064 我が子を連れて 神のみもとに参る 覚悟をしていたのですが・ 253 00:23:15,064 --> 00:23:18,067 私には… 254 00:23:18,067 --> 00:23:21,070 私には そこまで 神を信じることが・ 255 00:23:21,070 --> 00:23:23,070 できませんでした 256 00:23:26,008 --> 00:23:29,008 あの子が生きていてくれたら… 257 00:23:33,015 --> 00:23:36,018 神も仏もあるものかと そう思った途端に・ 258 00:23:36,018 --> 00:23:40,022 私はキリシタンが憎くなりました 259 00:23:40,022 --> 00:23:46,022 森都 よく そこまで話してくれました 260 00:23:48,030 --> 00:23:55,030 赤子を助けた あなたこそ 最も人間らしいのですよ 261 00:23:57,039 --> 00:24:03,045 その子が おきぬさんだったのですね 262 00:24:03,045 --> 00:24:05,047 はい 263 00:24:05,047 --> 00:24:08,050 なぜ 親子の名乗りをしないのです 264 00:24:08,050 --> 00:24:11,053 それは… 265 00:24:11,053 --> 00:24:16,058 姫 お察しください 266 00:24:16,058 --> 00:24:23,999 私は おきぬに 罪に汚れた私の半生を・ 267 00:24:23,999 --> 00:24:26,999 知られたくないのです 268 00:24:30,005 --> 00:24:34,009 どうして人間って こうも悲しいのでしょう 269 00:24:34,009 --> 00:24:54,029 ・~ 270 00:24:54,029 --> 00:25:07,029 ・~ 271 00:25:11,046 --> 00:25:14,049 (伊織)父上 ただいま帰りました 272 00:25:14,049 --> 00:25:18,053 長崎は いかがであった 273 00:25:18,053 --> 00:25:20,055 (伊織)何から申し上げてよいか 274 00:25:20,055 --> 00:25:22,991 わしが心配なのは戦じゃ 戦? 275 00:25:22,991 --> 00:25:25,994 戦が始まるのでございますか 276 00:25:25,994 --> 00:25:27,996 実は先日 新太郎が・ 277 00:25:27,996 --> 00:25:33,001 細川様の意を体して 当地へ参った 278 00:25:33,001 --> 00:25:38,006 細川様は 父上をお召し抱えに なりたいのではありませぬか 279 00:25:38,006 --> 00:25:43,011 わしに 仕官の気持ちはない 280 00:25:43,011 --> 00:25:49,017 <その数日後 武蔵は小倉をたって 熊本に向かった> 281 00:25:49,017 --> 00:25:53,021 <その同じ頃 武蔵を宿敵とする1人の男が・ 282 00:25:53,021 --> 00:25:56,021 同じ肥後への道を急いでいた> 283 00:26:03,031 --> 00:26:09,037 <細川家が 小倉から肥後54万石の 大守に転封された時・ 284 00:26:09,037 --> 00:26:13,041 細川三斎公忠興は 忠利へ跡目を譲って・ 285 00:26:13,041 --> 00:26:16,044 八代に隠居していた> 286 00:26:16,044 --> 00:26:29,992 ・~ 287 00:26:29,992 --> 00:26:32,995 (藩士)参った 288 00:26:32,995 --> 00:26:35,998 (主水)次 289 00:26:35,998 --> 00:26:38,998 (江口)江口源之進 参る! 290 00:26:55,017 --> 00:26:58,020 (江口)やーっ!・ 291 00:26:58,020 --> 00:27:01,020 参った (忠興)見事じゃ 292 00:27:05,027 --> 00:27:10,032 (忠興)主水 そちは 佐々木小次郎の弟子と申したな 293 00:27:10,032 --> 00:27:15,037 (主水)はい 幼少の時より 先生をお慕いし・ 294 00:27:15,037 --> 00:27:18,040 直接 御教示を受ける暇もなく・ 295 00:27:18,040 --> 00:27:22,978 先生は武蔵の術策に陥り 御他界 296 00:27:22,978 --> 00:27:27,983 無念の涙をのみました (忠興)そうであったか 297 00:27:27,983 --> 00:27:31,987 師と仰ぐのは 佐々木小次郎先生のみ 298 00:27:31,987 --> 00:27:37,993 また 生涯の敵と目するのは・ 299 00:27:37,993 --> 00:27:40,993 宮本武蔵めにござりまする 300 00:27:50,005 --> 00:27:53,008 (寺尾)お呼びでございますか (佐渡)うん・ 301 00:27:53,008 --> 00:27:57,012 そなた 松山主水を知っているか 302 00:27:57,012 --> 00:28:01,016 (寺尾)はい 主水が何か? 303 00:28:01,016 --> 00:28:04,019 (佐渡)八代の老公が・ 304 00:28:04,019 --> 00:28:07,022 この度 兵法指南として お召し抱えになったそうじゃ 305 00:28:07,022 --> 00:28:09,024 (寺尾)老公が? 306 00:28:09,024 --> 00:28:12,027 (佐渡)腕は一流じゃそうだが・ 307 00:28:12,027 --> 00:28:15,030 武蔵をきゅう敵として 付け狙っていると聞いた 308 00:28:15,030 --> 00:28:18,033 (佐渡)誠か? (寺尾)はい 309 00:28:18,033 --> 00:28:21,036 先生とは格が違います 310 00:28:21,036 --> 00:28:25,974 主水は今日まで 幾たびとなく 先生へ闇討ちを仕掛けましたが・ 311 00:28:25,974 --> 00:28:28,977 いつも 先生は 見逃してこられたのです 312 00:28:28,977 --> 00:28:31,980 ああ そうか 313 00:28:31,980 --> 00:28:35,984 兵法いちずの武蔵とはいえ 寛大なことよのう 314 00:28:35,984 --> 00:28:38,987 いや しかし 先生は いつも申されます 315 00:28:38,987 --> 00:28:41,990 主水には油断は禁物と 316 00:28:41,990 --> 00:28:44,993 うん わしもそう思う 317 00:28:44,993 --> 00:28:49,998 御老公が お気に入りなのが 心配じゃ (寺尾)主水め 318 00:28:49,998 --> 00:28:53,001 老公に うまく 取り入ったのでございましょう 319 00:28:53,001 --> 00:28:55,003 (佐渡)うん… 320 00:28:55,003 --> 00:28:58,006 御老公の目を覚まさせるには・ 321 00:28:58,006 --> 00:29:03,011 主水と武蔵を お目の前で 対決させるに限るのじゃが 322 00:29:03,011 --> 00:29:05,013 私も そう思います 323 00:29:05,013 --> 00:29:08,016 それにしても武蔵め 324 00:29:08,016 --> 00:29:10,018 5日も前に 小倉をたったはずじゃが・ 325 00:29:10,018 --> 00:29:12,020 一体 何をしておるのじゃ 326 00:29:12,020 --> 00:29:14,022 <そのころ 武蔵は・ 327 00:29:14,022 --> 00:29:19,022 長崎に近い島原の漁港 船津名にさしかかっていた> 328 00:29:21,029 --> 00:29:25,968 <当時 長崎地方は 夏以来の干ばつで 青田は枯れ・ 329 00:29:25,968 --> 00:29:28,971 領主 松倉の 農漁民に対する暴圧は・ 330 00:29:28,971 --> 00:29:30,971 過酷を極めていた> 331 00:29:32,975 --> 00:29:36,979 (与市)武蔵様 武蔵様じゃありませんか・ 332 00:29:36,979 --> 00:29:39,982 与市です 与市でございますよ 333 00:29:39,982 --> 00:29:41,984 (与市)お忘れでしょうか 334 00:29:41,984 --> 00:29:46,989 ほら 18年前 先生に父の敵を取っていただいた 335 00:29:46,989 --> 00:29:49,989 おお 与市 336 00:30:00,002 --> 00:30:03,005 (与市) あの時は ありがとうございました 337 00:30:03,005 --> 00:30:06,008 すっかり見違えてしまった 338 00:30:06,008 --> 00:30:09,011 ああ… いくつになった 339 00:30:09,011 --> 00:30:11,013 (与市)29になりました 340 00:30:11,013 --> 00:30:13,015 女房 子供はどうした 341 00:30:13,015 --> 00:30:15,017 (与市)今の長崎では・ 342 00:30:15,017 --> 00:30:18,020 自分が一人生きていくのに 精いっぱいなんです 343 00:30:18,020 --> 00:30:20,022 そうか 344 00:30:20,022 --> 00:30:24,960 与市 長崎で白百合寮というのを 存じておるか 345 00:30:24,960 --> 00:30:26,962 聞いております 346 00:30:26,962 --> 00:30:29,965 何でも さるお姫様が・ 347 00:30:29,965 --> 00:30:33,969 キリシタンのみなしごたちを 大勢 引き取っていらっしゃるとか 348 00:30:33,969 --> 00:30:36,972 そうだ そこに座頭の森都がいるはずだ 349 00:30:36,972 --> 00:30:39,975 えっ 本当ですか 350 00:30:39,975 --> 00:30:54,990 (森都)・ 君は 万乗のあるじと 生まれさせ給えども 351 00:30:54,990 --> 00:31:00,996 (琵琶) 352 00:31:00,996 --> 00:31:13,008 ・ 御運 既に尽きさせ給いぬ・ 353 00:31:13,008 --> 00:31:25,020 ・ はやはや お念仏 唱え給え・ 354 00:31:25,020 --> 00:31:41,036 ・ 浪の下にも 都の候ぞと 355 00:31:41,036 --> 00:31:54,049 ・ 幼き みかど もろともに 356 00:31:54,049 --> 00:32:07,062 ・ 千尋の海へぞ… 357 00:32:07,062 --> 00:32:09,064 (おきぬ)もうやめて! 358 00:32:09,064 --> 00:32:11,066 (おきぬの泣き声) 359 00:32:11,066 --> 00:32:14,069 どうしました 360 00:32:14,069 --> 00:32:18,073 壇ノ浦は悲しすぎるのです 森都 361 00:32:18,073 --> 00:32:24,073 ここにいる子供たちは みんな 気持ちが優しいのです 362 00:32:34,022 --> 00:32:38,026 (由利姫)何者です (浪人)女には用はない・ 363 00:32:38,026 --> 00:32:41,029 田原森都 幕府の犬め 364 00:32:41,029 --> 00:32:43,031 来たか キリシタンの痩せ犬が 365 00:32:43,031 --> 00:32:47,031 こよいこそ 貴様の命をもらうぞ 366 00:32:49,037 --> 00:32:53,041 いかにも わしはキリシタンの敵だ 367 00:32:53,041 --> 00:32:57,045 わしの手によって 十字架に はりつけた邪教徒は・ 368 00:32:57,045 --> 00:33:00,048 およそ数千人 369 00:33:00,048 --> 00:33:03,048 討たれてやりたいが そうはいかぬ 370 00:33:06,054 --> 00:33:09,057 神聖なる殉教者の子弟を・ 371 00:33:09,057 --> 00:33:14,062 なんじらごとき悪魔の手に いつまで渡しておこうぞ 372 00:33:14,062 --> 00:33:17,065 今夜こそ 俺たちが連れていく 373 00:33:17,065 --> 00:33:21,065 フフフ… 374 00:33:23,004 --> 00:33:38,019 ・~ 375 00:33:38,019 --> 00:33:40,021 斬れ 376 00:33:40,021 --> 00:33:42,023 (浪人)この! 377 00:33:42,023 --> 00:34:02,043 ・~ 378 00:34:02,043 --> 00:34:21,997 ・~ 379 00:34:21,997 --> 00:34:42,017 ・~ 380 00:34:42,017 --> 00:35:02,037 ・~ 381 00:35:02,037 --> 00:35:12,047 ・~ 382 00:35:12,047 --> 00:35:14,049 (浪人)おのれ 383 00:35:14,049 --> 00:35:34,002 ・~ 384 00:35:34,002 --> 00:35:46,002 ・~ 385 00:35:51,019 --> 00:35:53,019 (浪人)何やつ! 386 00:36:09,037 --> 00:36:12,037 宮本武蔵 387 00:36:26,988 --> 00:36:29,991 あっ お父様!・ 388 00:36:29,991 --> 00:36:35,997 死んじゃ嫌! お父様! 嫌!・ 389 00:36:35,997 --> 00:36:37,999 お父様… 390 00:36:37,999 --> 00:36:48,009 (おきぬの泣き声) 391 00:36:48,009 --> 00:36:51,009 おきぬ (おきぬ)お父様 392 00:36:56,017 --> 00:37:03,024 (おきぬの泣き声) 393 00:37:03,024 --> 00:37:06,027 武蔵様 394 00:37:06,027 --> 00:37:09,030 姫 395 00:37:09,030 --> 00:37:17,038 私の目は 悪いもの 醜いものだけを見て・ 396 00:37:17,038 --> 00:37:22,038 善なるもの 美しいものを見まいとした 397 00:37:23,978 --> 00:37:31,986 若い頃 武蔵様を慕うている お孝さんという・ 398 00:37:31,986 --> 00:37:35,990 笛の名人がいました・ 399 00:37:35,990 --> 00:37:39,994 美しい人に違いなかった・ 400 00:37:39,994 --> 00:37:44,999 しかし 私は見なかった・ 401 00:37:44,999 --> 00:37:51,005 細川家の一族で お悠様という姫がござった・ 402 00:37:51,005 --> 00:37:55,009 この姫も私は見まいとした 403 00:37:55,009 --> 00:38:00,009 そして 姫 あなた様も 404 00:38:04,018 --> 00:38:08,022 でも今は もう悔いはない 405 00:38:08,022 --> 00:38:13,027 一生 見つめた悪い顔は消えて・ 406 00:38:13,027 --> 00:38:16,027 美しい姫の顔が… 407 00:38:18,032 --> 00:38:21,035 いっぱいに広がっていく 408 00:38:21,035 --> 00:38:23,972 森都 409 00:38:23,972 --> 00:38:31,980 あなたにとって おきぬさんこそ 一番美しい顔でしょう 410 00:38:31,980 --> 00:38:52,000 ・~ 411 00:38:52,000 --> 00:38:54,000 (森都)美しい 412 00:39:03,011 --> 00:39:08,016 (おきぬの泣き声) 413 00:39:08,016 --> 00:39:27,969 ・~ 414 00:39:27,969 --> 00:39:29,969 ・~ 415 00:39:36,978 --> 00:39:40,978 ・(神尾)姫 姫はおられるか 416 00:39:42,984 --> 00:39:47,989 (神尾)姫 この様子 いかがなされた 417 00:39:47,989 --> 00:39:50,992 (由利姫) 暴漢数人が乱入してきたのです 418 00:39:50,992 --> 00:39:53,995 森都が 子供たちを守って戦いましたが 419 00:39:53,995 --> 00:39:56,998 (神尾)森都も死んだのか? 420 00:39:56,998 --> 00:40:01,002 不幸なことです 421 00:40:01,002 --> 00:40:06,007 して 神尾殿 突然の御来意は? 422 00:40:06,007 --> 00:40:11,012 姫 御老中よりの沙汰書でござる 423 00:40:11,012 --> 00:40:14,012 謹んで お聴きくだされ 424 00:40:21,022 --> 00:40:26,961 「足利由利 その方儀 幕命をないがしろにし・ 425 00:40:26,961 --> 00:40:32,967 せん越の所業 これあり候は 甚だ 不埒なることに候」・ 426 00:40:32,967 --> 00:40:34,969 「よって 丑の年 10月末日まで・ 427 00:40:34,969 --> 00:40:40,975 長崎より10里方 所払いの儀 きっと申しつくるものなり」 428 00:40:40,975 --> 00:40:44,979 「松平伊豆守」 429 00:40:44,979 --> 00:40:49,984 お疑いあらば 御一覧くだされ 430 00:40:49,984 --> 00:40:55,990 沙汰書の趣 由利 承っておきます 431 00:40:55,990 --> 00:40:58,993 なんと 432 00:40:58,993 --> 00:41:00,995 ならば 姫 433 00:41:00,995 --> 00:41:03,998 御老中の沙汰書に 背くと申されるか 434 00:41:03,998 --> 00:41:06,000 神尾殿 435 00:41:06,000 --> 00:41:11,005 沙汰書にある期限は 本月末日でございましょう 436 00:41:11,005 --> 00:41:14,008 それまで 由利は自由の身 437 00:41:14,008 --> 00:41:19,013 奉行とて 足利将軍の孫娘に 指図がましいまねは無礼であろう 438 00:41:19,013 --> 00:41:21,015 はっ 439 00:41:21,015 --> 00:41:23,017 姫 440 00:41:23,017 --> 00:41:27,017 本月末日をお忘れあるな 441 00:41:37,031 --> 00:41:39,031 姫 442 00:41:51,045 --> 00:41:54,048 <寛永14年 10月23日・ 443 00:41:54,048 --> 00:41:59,053 島原領 有馬村の農民たちが 暴動を起こしたのをきっかけに・ 444 00:41:59,053 --> 00:42:04,053 天草の乱は 燎原の火のように 肥前国を席けんした> 445 00:42:09,063 --> 00:42:11,063 (由利姫)大丈夫ですか (おきぬ)はい 446 00:42:17,071 --> 00:42:19,073 (与市)さあ みんな ちょっと… (由利姫)あっ みんなで・ 447 00:42:19,073 --> 00:42:23,010 手伝いましょう ねっ (与市)よいしょ・ 448 00:42:23,010 --> 00:42:28,015 よいしょ よいしょ さあ 引っ張れ・ 449 00:42:28,015 --> 00:42:30,017 よいしょ よっ 450 00:42:30,017 --> 00:42:35,022 <由利姫は 10月末日を待たず 子供たちを連れて 長崎を逃れ・ 451 00:42:35,022 --> 00:42:39,026 戦火の及ばぬ安全な場所へ 避難した> 452 00:42:39,026 --> 00:42:41,026 (子供)それ (子供)待て 453 00:42:52,039 --> 00:42:54,041 (おきぬ)あっ 武蔵様 454 00:42:54,041 --> 00:42:56,043 姫はおいでか (おきぬ)はい 455 00:42:56,043 --> 00:43:01,048 天草四郎を頭領とする 反乱軍の勢いは・ 456 00:43:01,048 --> 00:43:04,051 侮り難いと聞いております 457 00:43:04,051 --> 00:43:06,053 本当ですか 武蔵様 458 00:43:06,053 --> 00:43:08,055 事実です 459 00:43:08,055 --> 00:43:12,059 幕府は ようやく 事の重大さに気付き・ 460 00:43:12,059 --> 00:43:19,066 改めて城主として 松平伊豆守様を 当地に遣わす由にござりまする 461 00:43:19,066 --> 00:43:21,068 伊豆守様を? 462 00:43:21,068 --> 00:43:27,008 原城が落ちるのも 遠い日ではありますまい 463 00:43:27,008 --> 00:43:29,010 武蔵様 464 00:43:29,010 --> 00:43:33,014 反乱軍の総勢は 3万と聞いています 465 00:43:33,014 --> 00:43:38,019 その中に 何人の幼い子供たちがいるのか 466 00:43:38,019 --> 00:43:43,019 私 伊豆守様に お願いに参ります 467 00:43:46,027 --> 00:43:49,030 由利の考えは 間違っておりましょうか 468 00:43:49,030 --> 00:43:51,032 姫 469 00:43:51,032 --> 00:43:58,039 戦とは さように甘いものではありません 470 00:43:58,039 --> 00:44:03,044 主義主張を異にしたる者が 命を的に戦う以上・ 471 00:44:03,044 --> 00:44:09,050 敗者は 地の果てに追われるのが定め 472 00:44:09,050 --> 00:44:16,050 私と あなたとでは 戦う目的が違うのです 473 00:44:26,000 --> 00:44:31,005 言葉が尽くせず 残念です 474 00:44:31,005 --> 00:44:33,007 御自愛くださりませ 475 00:44:33,007 --> 00:44:53,027 ・~ 476 00:44:53,027 --> 00:44:56,030 ・~ 477 00:44:56,030 --> 00:45:00,034 ・(与市)先生! 先生! 478 00:45:00,034 --> 00:45:03,037 先生 もう二度と ここには来ないんですか? 479 00:45:03,037 --> 00:45:06,037 姫と子供たちを頼む 480 00:45:15,049 --> 00:45:23,049 <武蔵は 再び孤高の人となり しゅん烈な剣の道に向かってゆく> 481 00:45:27,995 --> 00:45:48,015 ・~ 482 00:45:48,015 --> 00:46:08,035 ・~ 483 00:46:08,035 --> 00:46:27,989 ・~ 484 00:46:27,989 --> 00:46:45,989 ・~