1 00:00:03,974 --> 00:00:05,993 雨が弱まっている所も、今後、 2 00:00:05,993 --> 00:00:09,763 少しの雨で川の氾濫や土砂災害の 危険性があるとして、 3 00:00:09,763 --> 00:00:13,533 最大級の警戒を続けるよう呼びか けています。 4 00:00:37,724 --> 00:00:40,560 おい 何してやがる? 5 00:00:40,560 --> 00:00:43,463 木綿問屋仲間の見張り人 利十郎と申します。 6 00:00:43,463 --> 00:00:45,899 荷の中身を あらためさせてもらえませんか? 7 00:00:45,899 --> 00:00:47,834 何だと! 邪魔だ どいてろ! 8 00:00:47,834 --> 00:00:52,134 中は 白木綿ですよね。 何事だ! 9 00:00:54,908 --> 00:00:57,577 (板垣)それは 当家御用の荷物だ。 10 00:00:57,577 --> 00:01:00,914 問屋仲間を通さない直買いは ご法度です。 11 00:01:00,914 --> 00:01:04,785 (五代)無礼を申すと 容赦せぬぞ。 12 00:01:04,785 --> 00:01:15,262 ♬~ 13 00:01:15,262 --> 00:01:18,165 お帰りなさいませ。 (矢藤太)おう! 14 00:01:18,165 --> 00:01:22,936 はいはい はいはい。 皆さん お待たせしました! 15 00:01:22,936 --> 00:01:25,439 今度は いい話だろうな? 16 00:01:25,439 --> 00:01:28,108 ええ 飛び切りの。 そりゃ どこだい? 17 00:01:28,108 --> 00:01:31,945 醤油問屋の老舗 広国屋です。 18 00:01:31,945 --> 00:01:35,916 広国屋といやあ 大店じゃないか! で どんな仕事だい? 19 00:01:35,916 --> 00:01:39,753 主人を手伝って 帳簿を 見てくれる者が欲しいそうですよ。 20 00:01:39,753 --> 00:01:42,889 払いは? 半季で2両。 21 00:01:42,889 --> 00:01:48,228 働きぶりに応じて 1~2分 上乗せだい! どうだ? 22 00:01:48,228 --> 00:01:50,731 2両? この景気のいいご時世に➡ 23 00:01:50,731 --> 00:01:53,233 天下の広国屋も ケチな事しやがるなあ。 24 00:01:53,233 --> 00:01:55,168 そんな事 言わないで下さいよ。 25 00:01:55,168 --> 00:01:58,105 実は お給金は 広国屋さんではなく➡ 26 00:01:58,105 --> 00:02:00,907 ご本家から 手伝いに来られている方が➡ 27 00:02:00,907 --> 00:02:02,843 自腹で お支払いになるんです。 28 00:02:02,843 --> 00:02:06,713 自腹? それにしては 気張られたと思いますよ。 29 00:02:06,713 --> 00:02:10,250 …って事は 本家と もめてるって事か。 30 00:02:10,250 --> 00:02:15,922 しみったれた給金で 火中の栗を拾わせるって訳か…。 31 00:02:15,922 --> 00:02:18,825 俺は やんねえよ。 俺もだ。 32 00:02:18,825 --> 00:02:24,525 もっと いい仕事 回してくんな。 ええ~。 ちょっ おい…。 33 00:02:26,266 --> 00:02:29,603 市兵衛さん どうだい? 34 00:02:29,603 --> 00:02:34,207 米びつも すっかり底をついたって 言ってたじゃねえか。 35 00:02:34,207 --> 00:02:37,878 給金はともかく 広国屋さんに お世話になれば➡ 36 00:02:37,878 --> 00:02:41,214 食うには困らないよ。 37 00:02:41,214 --> 00:02:43,550 (鳴き声) 38 00:02:43,550 --> 00:02:47,850 猫の介 仕事だ。 39 00:02:49,422 --> 00:02:55,162 あの… 広国屋の美早と申します。 40 00:02:55,162 --> 00:02:59,399 何とぞ よろしくお願い申し上げます。 41 00:02:59,399 --> 00:03:02,435 本家から来ている手伝いって…。 42 00:03:02,435 --> 00:03:06,135 女か。 43 00:03:09,576 --> 00:03:19,876 ♬~ 44 00:03:25,125 --> 00:03:29,262 すみません 妙なお願いで…。 45 00:03:29,262 --> 00:03:32,866 美早さんは 本家の方なのですね。 46 00:03:32,866 --> 00:03:38,738 はい。 でも これは 本家と 分家のもめ事ではありません。 47 00:03:38,738 --> 00:03:42,209 では どういった? 48 00:03:42,209 --> 00:03:47,080 店の事で 少し気になる事があるんです。 49 00:03:47,080 --> 00:03:50,083 気になる事? 50 00:03:50,083 --> 00:03:54,788 いとこの勘七郎が 広国屋の三代目なのですが➡ 51 00:03:54,788 --> 00:04:01,228 近頃 商売に身が入らない様子で なかなか取り合ってもらえません。 52 00:04:01,228 --> 00:04:03,163 それで あなたが? 53 00:04:03,163 --> 00:04:08,101 私は 醤油蔵元の娘で 少しは そろばんもできるのですが➡ 54 00:04:08,101 --> 00:04:13,240 商売には まるで疎くて…。 55 00:04:13,240 --> 00:04:17,110 だから 一緒に お店の事を 見てもらえる方をと➡ 56 00:04:17,110 --> 00:04:20,580 宰領屋さんに。 という事は…➡ 57 00:04:20,580 --> 00:04:26,880 私の雇い主は 美早さんという事になるのですね。 58 00:04:28,922 --> 00:04:34,194 宰領屋さんが おっしゃってたとおりでした。 59 00:04:34,194 --> 00:04:37,530 この仕事を受けるやつはいない。 60 00:04:37,530 --> 00:04:40,433 でも ほかの人が断っても➡ 61 00:04:40,433 --> 00:04:45,405 唐木様なら 必ず引き受けて下さると。 62 00:04:45,405 --> 00:04:50,543 ♬~ 63 00:04:50,543 --> 00:04:55,215 唐木様は なぜ そろばんを学ばれたのですか? 64 00:04:55,215 --> 00:05:00,553 たしなみの一つです。 たしなみ… ですか。 65 00:05:00,553 --> 00:05:07,227 剣術や学問の方は? これまた たしなむくらいには…。 66 00:05:07,227 --> 00:05:19,572 ♬~ 67 00:05:19,572 --> 00:05:22,242 こちらです。 68 00:05:22,242 --> 00:05:24,911 (手代たち)お帰りなさいませ。 69 00:05:24,911 --> 00:05:27,580 どうぞ。 70 00:05:27,580 --> 00:05:32,185 ただいま戻りました。 (手代たち)お帰りなさいませ。 71 00:05:32,185 --> 00:05:34,885 いらっしゃいませ。 72 00:05:36,523 --> 00:05:40,860 毎度 ありがとうございます。 こんにちは。 73 00:05:40,860 --> 00:05:44,860 うちは 小売りもやってるんです。 74 00:05:51,204 --> 00:05:55,504 おい こっちだ こっちだ。 はい よっし! 75 00:05:57,544 --> 00:06:01,844 (勘七郎) 主人の勘七郎でございます。 76 00:06:04,217 --> 00:06:10,390 まさか お侍様がお見えになるとは 思いませんでしたので➡ 77 00:06:10,390 --> 00:06:15,562 手前どものお頼みを 申し上げてよいものやら。 78 00:06:15,562 --> 00:06:20,900 ご遠慮なく。 侍とはいえ 浪々の身です。 79 00:06:20,900 --> 00:06:26,573 取り柄は そろばんを 多少 心得ている事くらいです。 80 00:06:26,573 --> 00:06:31,244 私は 大した事ではないと 思っているのですが➡ 81 00:06:31,244 --> 00:06:35,944 この美早が どうしてもと申すもので…。 82 00:06:37,517 --> 00:06:41,187 手前どもは 一介の商人です。 83 00:06:41,187 --> 00:06:45,525 内輪の者から お縄付きが 出るような事があっては➡ 84 00:06:45,525 --> 00:06:48,862 商いの信用にも関わります。 85 00:06:48,862 --> 00:06:55,862 お縄付きとは ただごとではありませんね。 86 00:06:57,537 --> 00:07:01,408 ともあれ 店の者に唐木様は➡ 87 00:07:01,408 --> 00:07:07,547 本家筋の縁者という事に して頂けませんでしょうか? 88 00:07:07,547 --> 00:07:13,547 はあ… 分かりました。 89 00:07:19,893 --> 00:07:22,562 かわいいお嬢さんですね。 90 00:07:22,562 --> 00:07:26,733 (美早)女将さんの忘れ形見 お昌ちゃんです。 91 00:07:26,733 --> 00:07:31,033 おいくつですか? 4つになりました。 92 00:07:32,539 --> 00:07:39,379 私は この子が大きくなって 広国屋を誇りに思える➡ 93 00:07:39,379 --> 00:07:45,379 そういう お店であってほしいんです。 94 00:07:56,529 --> 00:07:59,432 こちらは 唐木市兵衛様でございます。 95 00:07:59,432 --> 00:08:02,869 土浦の本家の縁者にあたられます。 96 00:08:02,869 --> 00:08:08,208 唐木市兵衛と申します。 しばらく ごやっかいになります。 97 00:08:08,208 --> 00:08:12,545 頭取を務めます 伊右衛門と申します。 98 00:08:12,545 --> 00:08:16,216 副番頭の三枝吉でございます。 99 00:08:16,216 --> 00:08:22,088 こちらが 手代や小僧。 そちらが 下男 下女でございます。 100 00:08:22,088 --> 00:08:28,795 唐木様は 江戸へは どのような 御用で参られたのですか? 101 00:08:28,795 --> 00:08:33,700 はい。 見聞を広めるために こちらへ。 102 00:08:33,700 --> 00:08:39,172 …と言うと 聞こえはよいのですが このとおり 浪々の身でして➡ 103 00:08:39,172 --> 00:08:42,842 できれば こちらで 仕官の口が見つかればと。 104 00:08:42,842 --> 00:08:44,777 さようでございますか。 105 00:08:44,777 --> 00:08:48,715 ご仕官の先が見つかるまで 江戸見物でもなさり➡ 106 00:08:48,715 --> 00:08:54,854 この広国屋で どうぞ ごゆるりとお過ごし下さい。 107 00:08:54,854 --> 00:09:00,527 旦那様は 今日も 京橋へお出かけで? 108 00:09:00,527 --> 00:09:05,398 多分 そうだと思います。 (伊右衛門)さようでございますか。 109 00:09:05,398 --> 00:09:12,138 まあ 旦那様もお忙しいお方だから 息抜きも肝心でございます。 110 00:09:12,138 --> 00:09:16,075 大目に見てあげて下さいませ。 111 00:09:16,075 --> 00:09:20,847 みんな ご苦労だった。 今日は よく働いてくれた。 112 00:09:20,847 --> 00:09:24,217 唐木様も いらっしゃった事だから➡ 113 00:09:24,217 --> 00:09:27,887 夕餉には お酒をつけてあげましょう。 114 00:09:27,887 --> 00:09:31,587 (奉公人たち) ありがとうございます! 115 00:09:34,160 --> 00:09:37,830 (笑い声) 116 00:09:37,830 --> 00:09:42,702 (彦助)仕官を望んでるというのは 本当なんですかね? 117 00:09:42,702 --> 00:09:47,840 (平次)今どき この江戸で仕官を なんて言ってるようじゃ…➡ 118 00:09:47,840 --> 00:09:51,711 世間知らずも いいところですね。 119 00:09:51,711 --> 00:09:56,182 ああいう手合いが 侍でございと 威張ってられるんだから➡ 120 00:09:56,182 --> 00:10:01,521 世の中… 悪くなるはずだ。 (笑い声) 121 00:10:01,521 --> 00:10:05,858 (文蔵)まあ 私は気にするほどの事 ではないと思います。 122 00:10:05,858 --> 00:10:10,196 ニコニコと 世間知らずの まぬけ面ですし。 123 00:10:10,196 --> 00:10:15,868 いや 用心を怠ってはならん。 油断は禁物だ。 124 00:10:15,868 --> 00:10:17,804 はい。 125 00:10:17,804 --> 00:10:22,208 それにしても 美早と組んで 勘ぐりを入れられたら➡ 126 00:10:22,208 --> 00:10:25,878 あんまり 面白くありませんね。 127 00:10:25,878 --> 00:10:29,749 平次 美早の動きから 目を離すんじゃねえぞ。 128 00:10:29,749 --> 00:10:32,218 承知致しました。 129 00:10:32,218 --> 00:10:37,918 皆 頼むよ。 広国屋の行く末のために。 130 00:10:43,229 --> 00:10:51,904 樽の空いたの ございませんか? 明樽屋でござ~い! 131 00:10:51,904 --> 00:10:56,242 これは 醤油の明樽です。 中身は空で➡ 132 00:10:56,242 --> 00:10:59,579 これを 行徳河岸から 船で土浦まで運び➡ 133 00:10:59,579 --> 00:11:04,250 醤油を詰めて また船に積んで 江戸に戻ってきます。 134 00:11:04,250 --> 00:11:09,122 明樽は どれほどの値段で 取り引きされるのですか? 135 00:11:09,122 --> 00:11:14,594 相場では 40文で買い取って 45文で売ります。 136 00:11:14,594 --> 00:11:20,294 明樽の売り買いも 広国屋にとって 大切な商いなんです。 137 00:11:23,269 --> 00:11:26,939 (昌)あっ お父っつぁん! 138 00:11:26,939 --> 00:11:29,609 お父っつぁんは 出かけるからね。 139 00:11:29,609 --> 00:11:34,447 美早さんの言う事を聞いて いい子にしてるんだよ。 140 00:11:34,447 --> 00:11:38,217 どこへ行くの? ちょっと御用だよ。 141 00:11:38,217 --> 00:11:40,553 お土産を買ってきてあげるからね。 142 00:11:40,553 --> 00:11:42,488 勘七郎さん…。 143 00:11:42,488 --> 00:11:46,893 後の事は 美早に任せてありますので。 144 00:11:46,893 --> 00:11:49,693 あっ ええ…。 145 00:12:20,793 --> 00:12:25,932 この蔵は 文化3年の 丙寅の大火事にも耐えて➡ 146 00:12:25,932 --> 00:12:30,269 広国屋のお醤油とお酢を 守ったのだそうです。 147 00:12:30,269 --> 00:12:34,140 この樽は 七升五合入りですか? 148 00:12:34,140 --> 00:12:38,544 はい。 よくご存じですね。 149 00:12:38,544 --> 00:12:42,215 上方で修業していた時に 聞いた事があります。 150 00:12:42,215 --> 00:12:47,553 あちらでは 醤油は七升入りですが 江戸では七升五合だと。 151 00:12:47,553 --> 00:12:52,553 そうでしたか。 どうぞ。 152 00:12:56,562 --> 00:12:59,899 よいしょ よいしょ。 153 00:12:59,899 --> 00:13:03,770 ほっ! よいしょ。 すみません。 よいしょ。 154 00:13:03,770 --> 00:13:06,773 はい。 155 00:13:06,773 --> 00:13:14,247 これ な~に? ん? 開けてごらん。 156 00:13:14,247 --> 00:13:18,117 そろばんだ! よく知ってるね お昌ちゃん。 157 00:13:18,117 --> 00:13:22,922 うん。 美早さんも使ってるもん。 158 00:13:22,922 --> 00:13:26,259 何で そろばん持ってるの? 159 00:13:26,259 --> 00:13:30,596 あ… そろばん侍だから。 160 00:13:30,596 --> 00:13:34,567 そろばん侍! 161 00:13:34,567 --> 00:13:37,203 さあ こちらへ。 162 00:13:37,203 --> 00:13:45,545 ♬~ 163 00:13:45,545 --> 00:13:50,216 勘七郎さんの連れ合いが はやり病で亡くなったのは➡ 164 00:13:50,216 --> 00:13:55,555 お昌ちゃんが ようやく 2つになったばかりの頃でした。 165 00:13:55,555 --> 00:14:00,726 私は お昌ちゃんの面倒と お店の手伝いをするために➡ 166 00:14:00,726 --> 00:14:06,065 本家より やって参りました。 せめて 勘七郎さんに➡ 167 00:14:06,065 --> 00:14:09,902 後添えが見つかるまで 仕えるようにと 父に言われ➡ 168 00:14:09,902 --> 00:14:14,774 ここへ来て もう3年になります。 169 00:14:14,774 --> 00:14:19,912 しかし 母親代わりをしながら➡ 170 00:14:19,912 --> 00:14:21,948 お店の手伝いもされるのは➡ 171 00:14:21,948 --> 00:14:25,785 骨の折れる事ではないですか? 172 00:14:25,785 --> 00:14:28,921 お昌ちゃんも お店も➡ 173 00:14:28,921 --> 00:14:34,621 育ってゆくのを見守るのは 楽しゅうございます。 174 00:14:43,436 --> 00:14:49,736 あれが筑波のお山で 土浦は この方角にあります。 175 00:14:59,218 --> 00:15:06,893 私は常陸国 土浦で 生まれ育ちました。 176 00:15:06,893 --> 00:15:12,231 広国屋の先代の命で 勘七郎さんは商いを学ぶために➡ 177 00:15:12,231 --> 00:15:16,903 よく我が家へも見えられました。 178 00:15:16,903 --> 00:15:23,776 私は 勘七郎兄さんと呼んで よく一緒に遊んだものです。 179 00:15:23,776 --> 00:15:29,916 そのころから 商売は 人の道に外れてはならないと➡ 180 00:15:29,916 --> 00:15:36,188 勘七郎さんは 大真面目な顔で言って…。 181 00:15:36,188 --> 00:15:56,876 ♬~ 182 00:15:56,876 --> 00:16:01,547 勘定は間違いありませんね。 そうですか。 183 00:16:01,547 --> 00:16:07,420 間違いはないが…。 何か? 184 00:16:07,420 --> 00:16:12,191 明樽の買い付け量が 10年前より減っているのに➡ 185 00:16:12,191 --> 00:16:14,727 買い付け額は変わっていない。 186 00:16:14,727 --> 00:16:16,662 そうなんです。 187 00:16:16,662 --> 00:16:21,862 明樽の買値が 年々 上がっているのでしょうか。 188 00:16:23,903 --> 00:16:26,238 勘七郎さんは 何と? 189 00:16:26,238 --> 00:16:30,576 商売では よくある事だと。 190 00:16:30,576 --> 00:16:35,181 では このままでいいのですかと 尋ねましたら➡ 191 00:16:35,181 --> 00:16:40,052 今年の締めが出てから 確かめると言っただけで…➡ 192 00:16:40,052 --> 00:16:45,524 それで 伊右衛門さんに 訳を尋ねました。 193 00:16:45,524 --> 00:16:49,862 この景気で 醤油の売れ行きが 伸びていましてね➡ 194 00:16:49,862 --> 00:16:54,533 明樽が品薄になって 値が上がっているのです。 195 00:16:54,533 --> 00:16:58,404 でも 幸い 醤油とお酢の本業の方は➡ 196 00:16:58,404 --> 00:17:01,874 着々と売れ行きを 伸ばしております。 197 00:17:01,874 --> 00:17:05,745 店の者らは みんな 頑張っております。 198 00:17:05,745 --> 00:17:09,749 ご心配には及びません。 199 00:17:09,749 --> 00:17:12,518 伊右衛門さんが 頼りになる方なので➡ 200 00:17:12,518 --> 00:17:17,223 広国屋が成り立っている事も 分かっています。 201 00:17:17,223 --> 00:17:23,896 けど… 勘七郎さんは 伊右衛門さんに任せっきりで。 202 00:17:23,896 --> 00:17:29,196 もし 店に何かあったら…。 203 00:17:32,171 --> 00:17:36,509 伊右衛門さんのほかで お店に長く勤めていて➡ 204 00:17:36,509 --> 00:17:39,845 信用の置ける人はいませんか? 205 00:17:39,845 --> 00:17:44,183 以前 帳簿を調べる際に 手伝ってくれた➡ 206 00:17:44,183 --> 00:17:47,086 圭助さんという手代が いたのですが…➡ 207 00:17:47,086 --> 00:17:53,859 お気の毒に 災難に遭って 亡くなったので…。 208 00:17:53,859 --> 00:17:58,197 亡くなった? はい。 209 00:17:58,197 --> 00:18:01,867 土浦へ行った帰りの江戸川で➡ 210 00:18:01,867 --> 00:18:06,867 船から 誤って落ちたと。 211 00:18:11,877 --> 00:18:16,177 その事で 何か ご不審があるのですね。 212 00:18:17,750 --> 00:18:26,425 きっと 圭助さんも 帳簿が変だと 気が付いていたと思うのです。 213 00:18:26,425 --> 00:18:32,498 唐木様 私は 広国屋の商いが➡ 214 00:18:32,498 --> 00:18:35,835 間違った道を進んでいるような 気がしてなりませぬ。 215 00:18:35,835 --> 00:18:39,171 誤っているならば 正したいのです。 216 00:18:39,171 --> 00:18:44,871 どうか お力を貸して頂けないでしょうか。 217 00:18:48,180 --> 00:18:51,851 主人である勘七郎さんが 動かなければ➡ 218 00:18:51,851 --> 00:18:55,721 どうにもならないのでは ないのですか? 219 00:18:55,721 --> 00:18:58,190 美早さんが動いても➡ 220 00:18:58,190 --> 00:19:03,490 奉公人たちから 疎んじられるだけだと思います。 221 00:19:25,885 --> 00:19:32,691 こちらは 美早様の親戚筋の 唐木市兵衛様。 222 00:19:32,691 --> 00:19:41,367 こちらは北町奉行所 定町廻同心の 吉岡又三郎様でございます。 223 00:19:41,367 --> 00:19:45,067 ご苦労さまにございます。 224 00:19:51,844 --> 00:19:57,716 このご時世に 侍が職探しの居候か。 225 00:19:57,716 --> 00:20:00,853 いい気なもんだ。 226 00:20:00,853 --> 00:20:08,153 それだけ 世の中 太平という事でございます。 227 00:20:11,197 --> 00:20:14,867 (助弥)あっ すみません 旦那! お待たせしました! 228 00:20:14,867 --> 00:20:17,536 (渋井)遅い! 遅すぎる! 229 00:20:17,536 --> 00:20:20,206 いや~ 待っててくれるなんて 優しいな 旦那! 230 00:20:20,206 --> 00:20:23,206 この野郎! 俺だい。 231 00:20:27,880 --> 00:20:30,382 今 朝湯かい。 え? 232 00:20:30,382 --> 00:20:32,885 それ以上 色男になって どうするんだ? 233 00:20:32,885 --> 00:20:36,755 鬼渋の旦那こそ お勤め中じゃないのですか? 234 00:20:36,755 --> 00:20:40,059 いいんだよ。 刻限どおりに勤めて➡ 235 00:20:40,059 --> 00:20:42,094 「うむ ご苦労」って 仕事じゃねえんだ。 236 00:20:42,094 --> 00:20:45,231 お主こそ 勤め先は 見つかったのか? 237 00:20:45,231 --> 00:20:48,567 はい。 醤油問屋の広国屋に。 238 00:20:48,567 --> 00:20:50,903 ほう…。 239 00:20:50,903 --> 00:20:53,239 何か? いや。 240 00:20:53,239 --> 00:20:56,575 えっ 呉服屋の次は 醤油屋か? 241 00:20:56,575 --> 00:21:00,746 旦那は 近頃は 何をお調べなのですか? 242 00:21:00,746 --> 00:21:04,583 お上の御用を 話す訳にはいかねえよ。 243 00:21:04,583 --> 00:21:08,254 お主こそ どういう訳で 広国屋で働いてるんだ? 244 00:21:08,254 --> 00:21:10,589 私だって 勤め先の事を➡ 245 00:21:10,589 --> 00:21:12,524 おいそれと 教える訳にはいきませんよ。 246 00:21:12,524 --> 00:21:14,760 お主だったら 広国屋なんかより➡ 247 00:21:14,760 --> 00:21:16,795 もっと いい所に 勤められるだろうに…。 248 00:21:16,795 --> 00:21:21,533 私は その日その日の食事が できればよいのです。 249 00:21:21,533 --> 00:21:28,607 それに… 仕事は酷な方が 面白い事にも出会えるでしょ。 250 00:21:28,607 --> 00:21:30,943 鬼渋の旦那だって…。 251 00:21:30,943 --> 00:21:33,943 ハハッ 分かってんじゃねえか。 252 00:21:35,547 --> 00:21:39,847 じゃ お先に。 おう。 253 00:21:47,559 --> 00:21:51,430 見ろよ 助弥 見事な体だぜ。 254 00:21:51,430 --> 00:21:54,233 やめて下さいよ。 誤解されますよ。 255 00:21:54,233 --> 00:21:56,568 バカ そんなんじゃねえよ。 256 00:21:56,568 --> 00:22:02,241 あのとおり 腕も立つやつだ。 頭も切れるし 家柄もいい。 257 00:22:02,241 --> 00:22:07,112 ところが 肝心の世渡りの術が 身についてねえ。 258 00:22:07,112 --> 00:22:11,312 神様も 明らかに手抜かりだな。 アッハハハハ! 259 00:22:18,257 --> 00:22:22,428 (房)あの~ お食事を お持ちしました。 260 00:22:22,428 --> 00:22:26,228 どうぞ。 ≪失礼します。 261 00:22:34,073 --> 00:22:37,773 すみません 遅くなって。 262 00:22:41,547 --> 00:22:47,419 おなかが すいたでしょ。 しっかり食べて下さい。 263 00:22:47,419 --> 00:22:52,257 ほう…。 いつも こんな ごちそうなのですか? 264 00:22:52,257 --> 00:22:56,562 頭取さんは 気前がいいもんで。 265 00:22:56,562 --> 00:23:01,262 さあ 飲んで下さい。 266 00:23:10,109 --> 00:23:12,578 お房さんでしたよね? 267 00:23:12,578 --> 00:23:15,414 あれ! もう覚えてくれたんですね。 268 00:23:15,414 --> 00:23:18,317 ひとつ どうですか? 私にですか? 269 00:23:18,317 --> 00:23:22,117 一杯くらいなら いいじゃありませんか。 270 00:23:24,123 --> 00:23:30,123 じゃあ お言葉に甘えて…。 271 00:23:34,533 --> 00:23:37,870 ≪(笑い声) 272 00:23:37,870 --> 00:23:40,773 皆さん ご機嫌ですね。 273 00:23:40,773 --> 00:23:43,675 私らが こんなに いい思いができるのも➡ 274 00:23:43,675 --> 00:23:46,879 み~んな 売倍方の 皆さんのおかげなんです。 275 00:23:46,879 --> 00:23:51,216 売倍方とは どういう仕事を する人たちなんですか? 276 00:23:51,216 --> 00:23:56,889 大店や お大名屋敷の賄い方から 注文をもらって➡ 277 00:23:56,889 --> 00:23:59,792 醤油を まとめて卸すんです。 278 00:23:59,792 --> 00:24:06,231 その売り上げが大きいんで この店は繁盛してるんです。 279 00:24:06,231 --> 00:24:09,902 大口の取り引きを扱う 掛なんですね。 280 00:24:09,902 --> 00:24:11,902 はい。 281 00:24:14,573 --> 00:24:18,243 伊右衛門さんは どういう方なんですか? 282 00:24:18,243 --> 00:24:23,582 頼りになる人ですよ。 売倍方の商いが増えたのも➡ 283 00:24:23,582 --> 00:24:27,920 伊右衛門さんが取りしきるように なってからですし…。 284 00:24:27,920 --> 00:24:32,191 旦那様と頭取さんが 一緒にいると➡ 285 00:24:32,191 --> 00:24:36,528 どっちが旦那様だか 分からないくらいで。 286 00:24:36,528 --> 00:24:40,866 でも それで広国屋は 繁盛してんだから➡ 287 00:24:40,866 --> 00:24:46,038 悪いのは 商いほったらかして 妾の家に入り浸る➡ 288 00:24:46,038 --> 00:24:48,874 旦那様の方かもしれないねえ。 289 00:24:48,874 --> 00:24:52,744 お房さんは 勘七郎さんの お妾さんを知っているのですか? 290 00:24:52,744 --> 00:24:58,217 妾っつったって… こんななんですよ。 291 00:24:58,217 --> 00:25:02,554 アハハッ どうぞ。 すみません。 292 00:25:02,554 --> 00:25:08,894 美早様は気立てもよくて そろばんだって できなさる。 293 00:25:08,894 --> 00:25:11,230 本当は 美早様が➡ 294 00:25:11,230 --> 00:25:15,100 旦那様の後添えになってくれたら いいんだけどもねえ。 295 00:25:15,100 --> 00:25:18,904 きれいで 男勝りなところがあるから➡ 296 00:25:18,904 --> 00:25:24,204 旦那様は気後れしてるのかも しれないねえ。 297 00:25:30,516 --> 00:25:33,216 さあ。 298 00:25:34,853 --> 00:25:40,526 あっ! あっ これは! えらい事を…。 299 00:25:40,526 --> 00:25:43,428 いいんですよ。 勧めたのは こっちですから。 300 00:25:43,428 --> 00:25:46,398 本当に すみません。 301 00:25:46,398 --> 00:25:52,137 お房さん 教えてほしい事が あるんですけど。 302 00:25:52,137 --> 00:25:55,137 はい 何でも。 303 00:26:06,552 --> 00:26:08,852 ツボ。 304 00:26:10,422 --> 00:26:13,422 ツボ かぶります。 305 00:26:16,562 --> 00:26:20,232 どうぞ。 さあ どうぞ。 306 00:26:20,232 --> 00:26:22,901 さあ 張った 張った。 307 00:26:22,901 --> 00:26:27,573 半! ええい 半だ! 308 00:26:27,573 --> 00:26:30,242 丁方ないか。 丁! 丁方ないか。 309 00:26:30,242 --> 00:26:34,542 丁。 丁半 コマ そろいました。 勝負! 310 00:26:36,048 --> 00:26:39,518 ニロクの丁! ヘヘヘヘヘヘッ…。 311 00:26:39,518 --> 00:26:42,854 クソ ついてねえや! 312 00:26:42,854 --> 00:26:46,191 お侍さん 強いねえ! 313 00:26:46,191 --> 00:26:49,528 いや~ それほどではござらん。 314 00:26:49,528 --> 00:26:51,828 はい ツボ。 315 00:26:53,865 --> 00:26:56,535 ツボ かぶります。 316 00:26:56,535 --> 00:27:00,205 半! 丁。 317 00:27:00,205 --> 00:27:02,541 勝負! 318 00:27:02,541 --> 00:27:06,241 ニゾロの丁! 319 00:27:09,414 --> 00:27:12,884 半。 320 00:27:12,884 --> 00:27:15,787 丁! 勝負! 321 00:27:15,787 --> 00:27:18,757 グニの半! 322 00:27:18,757 --> 00:27:21,457 丁! 323 00:27:23,228 --> 00:27:26,898 半。 勝負! 324 00:27:26,898 --> 00:27:30,598 サブロクの半! 325 00:27:37,175 --> 00:27:40,078 ちょっと! どう? 326 00:27:40,078 --> 00:27:44,850 今夜は スッカラカンだ。 またな。 327 00:27:44,850 --> 00:27:50,188 平次さん。 あっ 唐木様 先ほどは…。 328 00:27:50,188 --> 00:27:54,059 だいぶ 熱くなっていましたね。 今夜は ツキがありませんでした。 329 00:27:54,059 --> 00:27:56,528 あれは ツキではありませんよ。 330 00:27:56,528 --> 00:27:59,431 サイコロに細工をした イカサマです。 331 00:27:59,431 --> 00:28:04,202 イカサマ? 振り方に 癖がありました。 332 00:28:04,202 --> 00:28:09,875 その癖さえ読めれば ほら…。 333 00:28:09,875 --> 00:28:13,745 ムシャクシャした気分で 床につくのも面白くないでしょう。 334 00:28:13,745 --> 00:28:19,551 壺振りの癖 教えてあげますよ。 一杯 お近づきに どうですか? 335 00:28:19,551 --> 00:28:22,851 お代は 私が…。 336 00:28:26,224 --> 00:28:29,728 あいつら そんなイカサマ していやがったのか! 337 00:28:29,728 --> 00:28:36,228 ええ。 その癖を見逃さなければ 間違いなく勝てますよ。 338 00:28:40,839 --> 00:28:45,711 平次さん 私が賭場に出入りしていた事は➡ 339 00:28:45,711 --> 00:28:47,713 美早さんには ご内密に…。 340 00:28:47,713 --> 00:28:52,713 それは 私もお願いします。 あっ どうぞ。 341 00:28:57,389 --> 00:29:01,159 唐木様は 仕官がお望みでしたよね。 342 00:29:01,159 --> 00:29:07,065 何か 当てがおありですか? いや~ これから探します。 343 00:29:07,065 --> 00:29:13,205 あのね 仕官の口なんて 今どき なかなかありませんよ。 344 00:29:13,205 --> 00:29:18,076 土浦の田舎にいても 浪人の私に 奉公先はないのです。 345 00:29:18,076 --> 00:29:21,079 江戸にいれば なんとかなるでしょう。 346 00:29:21,079 --> 00:29:26,079 お侍様には 生きにくい世の中ですからね。 347 00:29:27,753 --> 00:29:32,691 どこぞに よい働き口があれば 教えて頂けませんか。 348 00:29:32,691 --> 00:29:35,460 はい? あるいは➡ 349 00:29:35,460 --> 00:29:38,830 何か 金を稼げる 面白い話があれば➡ 350 00:29:38,830 --> 00:29:42,501 私も 一口 乗せて頂けると ありがたい。 351 00:29:42,501 --> 00:29:45,837 多少 危ない橋でも渡りますよ。 352 00:29:45,837 --> 00:29:47,773 ある訳ないでしょう! 353 00:29:47,773 --> 00:29:52,773 口入れ屋で 地道に お仕事を探して下さい! 354 00:29:55,180 --> 00:29:59,050 そりゃ 私は博打が好きで 賭場にも出入りしてますがね➡ 355 00:29:59,050 --> 00:30:02,521 これでも 一流の商家の 手代なんです! 356 00:30:02,521 --> 00:30:06,691 あっ いや これは失礼! 私は 金を稼ぐためなら➡ 357 00:30:06,691 --> 00:30:08,627 何でもしますと 言いたかったのです。 358 00:30:08,627 --> 00:30:13,427 今の話は 聞き流して下さい。 さあさあ。 359 00:30:17,202 --> 00:30:21,902 平次 美早の動きから 目を離すんじゃねえぞ。 360 00:30:28,213 --> 00:30:33,885 まあ 唐木様のご事情も 分からないではないし➡ 361 00:30:33,885 --> 00:30:37,756 心当たりが 少しありますので 聞いてあげますよ。 362 00:30:37,756 --> 00:30:41,056 一両日 待って下さい。 363 00:30:53,572 --> 00:30:55,507 唐木様。 364 00:30:55,507 --> 00:30:58,243 平次さん ゆうべは どうも。 365 00:30:58,243 --> 00:31:04,943 ちょっと お話が…。 こちらから どうぞ。 366 00:31:11,256 --> 00:31:14,593 (文蔵)唐木様が稼ぎたいと おっしゃっていると➡ 367 00:31:14,593 --> 00:31:19,464 平次から聞いたもので。 そういう仕事があるなら 是非。 368 00:31:19,464 --> 00:31:24,936 ない訳じゃないんですがね。 いいんですか? 369 00:31:24,936 --> 00:31:29,608 旦那様や美早さんに隠れて そういう事をやっても…。 370 00:31:29,608 --> 00:31:32,511 それを言われると面目ないが➡ 371 00:31:32,511 --> 00:31:37,415 私も浪々の身 背に腹は代えられません。 372 00:31:37,415 --> 00:31:40,415 しかしなあ…。 373 00:31:43,154 --> 00:31:46,892 あの…➡ 374 00:31:46,892 --> 00:31:54,566 実を言うと 私は 本家の縁者ではないのです。 375 00:31:54,566 --> 00:31:59,237 美早さんに雇われた 渡り用人なんです。 376 00:31:59,237 --> 00:32:01,907 ならば 私どもの…! 377 00:32:01,907 --> 00:32:05,777 いや いつ言おうか ずっと迷っていたんですが➡ 378 00:32:05,777 --> 00:32:09,781 これで 胸のつかえが取れました。 379 00:32:09,781 --> 00:32:12,250 (そろばんを振る音) 380 00:32:12,250 --> 00:32:14,920 ならば かえって好都合。 381 00:32:14,920 --> 00:32:19,257 こちらも 仕事がやりやすくなりました。 382 00:32:19,257 --> 00:32:23,929 じゃあ 試しに 一度やってみますか。 ええ。 383 00:32:23,929 --> 00:32:25,929 平次。 へい。 384 00:32:27,599 --> 00:32:32,203 伊勢町堀の五十八の所へ 唐木様をお連れしろ。 385 00:32:32,203 --> 00:32:34,539 それで? 386 00:32:34,539 --> 00:32:37,876 例の事 頼んで頂いたら いいだろう。 387 00:32:37,876 --> 00:32:40,545 無理ですよ! 相手が誰だろうが➡ 388 00:32:40,545 --> 00:32:43,882 聞く耳 持たない 頑固おやじなんですから。 389 00:32:43,882 --> 00:32:47,552 圭助でも無理だったんですから…。 390 00:32:47,552 --> 00:32:50,889 圭助さんという手代が いたのですが➡ 391 00:32:50,889 --> 00:32:54,559 災難に遭って 亡くなったので…。 392 00:32:54,559 --> 00:32:56,859 圭助? 393 00:32:58,430 --> 00:33:03,568 そうです。 圭助という手代が その掛でした。 394 00:33:03,568 --> 00:33:05,503 掛…。 395 00:33:05,503 --> 00:33:09,908 明樽の買い付け証文の 書き換えです。 396 00:33:09,908 --> 00:33:16,247 例えば 本当は 10樽買ったのに 8樽売った事にしてもらって➡ 397 00:33:16,247 --> 00:33:22,587 2樽を こっそり売り払って その金を山分けするんです。 398 00:33:22,587 --> 00:33:25,256 横流しですね。 399 00:33:25,256 --> 00:33:28,159 ま そう言うと 人聞き 悪いんですけど➡ 400 00:33:28,159 --> 00:33:30,595 以前からの商いの習わしで➡ 401 00:33:30,595 --> 00:33:34,199 うちが買い付けをしている 明樽買いの行商の皆に➡ 402 00:33:34,199 --> 00:33:36,134 お願いしてる事なんです。 403 00:33:36,134 --> 00:33:38,536 でも 五十八だけは 言う事を聞かなくて➡ 404 00:33:38,536 --> 00:33:40,472 ああいう手合いがいると➡ 405 00:33:40,472 --> 00:33:43,875 ほかの行商に 示しがつかないんですよ。 406 00:33:43,875 --> 00:33:49,875 もし あのへそ曲がりじじいを うまく説き伏せられたら…。 407 00:33:52,884 --> 00:33:58,556 売り上げの5分を 差し上げましょう。 408 00:33:58,556 --> 00:34:04,429 5分とは ケチくさい。 ここは…➡ 409 00:34:04,429 --> 00:34:06,431 1割でしょう。 410 00:34:06,431 --> 00:34:11,569 全く 欲の深いお侍様だ。 411 00:34:11,569 --> 00:34:16,569 (笑い声と そろばんを振る音) 412 00:34:18,443 --> 00:34:22,213 (五十八)これ以上 ほざきやがると ただじゃおかねえぞ! 413 00:34:22,213 --> 00:34:25,583 堪忍! 堪忍して下さい! 414 00:34:25,583 --> 00:34:30,455 てめえ それでも商人か! 415 00:34:30,455 --> 00:34:34,859 およしなさい。 何すんだ! まあ こらえて。 416 00:34:34,859 --> 00:34:38,530 仲間か! この…。 417 00:34:38,530 --> 00:34:40,465 うわ~っ! 418 00:34:40,465 --> 00:34:44,402 すまん。 クソ~! 419 00:34:44,402 --> 00:34:47,702 食らえ~! 危ない! 420 00:34:59,818 --> 00:35:02,554 ああああっ… うわ~っ! 421 00:35:02,554 --> 00:35:04,489 うわ~っ! うわっ うわっ うわっ…! 422 00:35:04,489 --> 00:35:14,165 ♬~ 423 00:35:14,165 --> 00:35:17,102 うわっ うわ~っ! うわわわっ! 424 00:35:17,102 --> 00:35:19,104 ♬~ 425 00:35:19,104 --> 00:35:21,239 うわ~っ! 426 00:35:21,239 --> 00:35:27,112 ♬~ 427 00:35:27,112 --> 00:35:29,114 この辺りで 時々➡ 428 00:35:29,114 --> 00:35:31,249 不審な荷が揚がってるって 噂は聞いたんだが➡ 429 00:35:31,249 --> 00:35:33,518 何か知らねえか? 不審な荷ですかい? 430 00:35:33,518 --> 00:35:36,421 やたらに しっかりと 荷造りされてるとか。 431 00:35:36,421 --> 00:35:39,190 ん~…。 おめえさん どうだい? 432 00:35:39,190 --> 00:35:44,062 さあ? あっしも。 あまり見かけないお侍が➡ 433 00:35:44,062 --> 00:35:47,532 怖い顔して 荷揚げを見張っていた なんてこたあ なかったかい? 434 00:35:47,532 --> 00:35:53,532 ん~… 見かけたこたあ ねえです。 435 00:35:57,876 --> 00:36:00,876 鬼渋! あ! 436 00:36:03,748 --> 00:36:08,520 貴様 何で ここにいる? この辺りは 俺の持ち場だぞ! 437 00:36:08,520 --> 00:36:14,425 いや~ 大した訳はねえっすよ。 その…。 その? どうした! 438 00:36:14,425 --> 00:36:17,228 この陽気ですからね。 昼間っから飲んで➡ 439 00:36:17,228 --> 00:36:20,064 けんかしてるって聞いたもんで つい こっちまで来ちまいまして。 440 00:36:20,064 --> 00:36:24,903 口から出任せ言いやがって。 早々に立ち去れ! 441 00:36:24,903 --> 00:36:29,774 けんかだ けんかだ! おう あっちだ! 442 00:36:29,774 --> 00:36:31,776 ほらね。 443 00:36:31,776 --> 00:36:34,512 ごめんなすって! 444 00:36:34,512 --> 00:36:39,851 ♬~ 445 00:36:39,851 --> 00:36:43,521 では また。 御免。 446 00:36:43,521 --> 00:36:47,692 おい 何だ 市兵衛じゃねえか! けんかか? 447 00:36:47,692 --> 00:36:50,728 いえいえ。 積んであった醤油の明樽が➡ 448 00:36:50,728 --> 00:36:52,864 急に崩れ落ちてきましてね。 449 00:36:52,864 --> 00:36:59,204 はあ? 助弥 中 調べろ。 へい。 450 00:36:59,204 --> 00:37:01,139 おう 御免よ! 451 00:37:01,139 --> 00:37:04,375 市兵衛 医者んとこ行くぞ。 452 00:37:04,375 --> 00:37:08,546 お侍さん お大事にね。 453 00:37:08,546 --> 00:37:24,546 ♬~ 454 00:37:48,186 --> 00:38:26,886 ♬~