1 00:00:10,661 --> 00:00:29,680 ・~ 2 00:04:31,655 --> 00:04:45,669 ・~ 3 00:04:45,669 --> 00:04:58,615 ・~ 4 00:04:58,615 --> 00:05:18,635 ・~ 5 00:05:18,635 --> 00:05:38,655 ・~ 6 00:05:38,655 --> 00:05:51,668 ・~ 7 00:05:51,668 --> 00:06:04,668 ・~ 8 00:06:06,617 --> 00:06:09,620 (伊佐子)私 どうしても 不思議でならないんだけど 9 00:06:09,620 --> 00:06:13,624 あなた 随分 簡単に比羅夫さんを 忘れることができたわね 10 00:06:13,624 --> 00:06:15,626 (美百合)忘れる? 11 00:06:15,626 --> 00:06:18,629 あなたって人は 比羅夫との恋に殉じても・ 12 00:06:18,629 --> 00:06:21,632 おかしくないくらいの女だって 思ってたけど・ 13 00:06:21,632 --> 00:06:25,636 そんなに安易に 男の肌に溺れてもいいわけ? 14 00:06:25,636 --> 00:06:28,639 ホントに こんなんでいいの? 15 00:06:28,639 --> 00:06:33,644 精神的な愛から肉体的な愛へ 16 00:06:33,644 --> 00:06:36,647 そんなに… そんなに 簡単に乗り換えてもいいわけ? 17 00:06:36,647 --> 00:06:40,651 今でも比羅夫を愛してるわ 昔と変わらず愛してるわよ 18 00:06:40,651 --> 00:06:43,654 じゃ どういうことなのよ? 比羅夫を愛しながら・ 19 00:06:43,654 --> 00:06:46,657 津田山さんとも 愛し合うことってできるの? 20 00:06:46,657 --> 00:06:50,661 (津田山)伊佐ちゃん 俺たちはね いつも比羅夫と3人なんだよ 21 00:06:50,661 --> 00:06:52,663 比羅夫は いつも俺たちのそばにいて・ 22 00:06:52,663 --> 00:06:54,665 俺たちの愛を見つめてるんだ 23 00:06:54,665 --> 00:06:58,602 なんですって? そんな愛し方が 成立するとでもいうの? 24 00:06:58,602 --> 00:07:00,604 (津田山)ああ 立派に成立するさ 25 00:07:00,604 --> 00:07:03,607 比羅夫のこと愛してる美百合が 俺は好きで・ 26 00:07:03,607 --> 00:07:05,609 いとおしくて しかたがないんだ 27 00:07:05,609 --> 00:07:08,612 (伊佐子) じゃ 美百合は使い分けてるわけ? 28 00:07:08,612 --> 00:07:12,616 精神的な愛は比羅夫 肉体的な愛は津田山さん 29 00:07:12,616 --> 00:07:14,618 そういうわけなの? 別に そういうわけじゃ… 30 00:07:14,618 --> 00:07:18,622 津田山さんと愛し合いながらも いつも比羅夫は そばにいるのよ 31 00:07:18,622 --> 00:07:21,625 じゃ どういうことなのよ? 32 00:07:21,625 --> 00:07:24,628 あなたたちは 一体 どういうセックスしてるの? 33 00:07:24,628 --> 00:07:26,630 伊佐ちゃん 34 00:07:26,630 --> 00:07:29,633 分からない… 分からない 分からないわ! 35 00:07:29,633 --> 00:07:31,635 こんなこと 説明したって分かんないさ 36 00:07:31,635 --> 00:07:36,640 私はね 比羅夫のことをまだ永遠に 愛し続けてるはずの美百合が・ 37 00:07:36,640 --> 00:07:39,643 身も心も ほかの男のものに なってしまうなんて・ 38 00:07:39,643 --> 00:07:41,645 そんなこと ありえるはずが ないって思ってるのよ 39 00:07:41,645 --> 00:07:45,649 だけど 今の話じゃ 比羅夫と3人だなんて・ 40 00:07:45,649 --> 00:07:47,651 そんなのフェアじゃないわ! (津田山)フェアじゃないなんて・ 41 00:07:47,651 --> 00:07:49,653 君が決めつけるのは 僭越じゃないのか 42 00:07:49,653 --> 00:07:51,655 俺たちには 俺たちの愛し方があるんだよ 43 00:07:51,655 --> 00:07:53,657 俺たちが満足してたら それでいいんだよ! 44 00:07:53,657 --> 00:07:55,592 満足してるの? 45 00:07:55,592 --> 00:07:58,595 津田山さん あなた まだ心の中に・ 46 00:07:58,595 --> 00:08:02,599 比羅夫のことを思ってる美百合を 抱いてて 満足してるっていうの? 47 00:08:02,599 --> 00:08:04,601 ああ これ以上の満足はないよ 48 00:08:04,601 --> 00:08:08,605 俺はな 美百合だけじゃなくて 比羅夫のことも愛してるんだ 49 00:08:08,605 --> 00:08:10,607 2人の人間を 同時に愛せるんだからな 50 00:08:10,607 --> 00:08:12,609 喜びだって2倍だ 51 00:08:12,609 --> 00:08:15,612 いや それ以上といっても いいぐらいなんだよ 52 00:08:15,612 --> 00:08:20,617 そうなのよ 私たち いつも3人なの 53 00:08:20,617 --> 00:08:23,620 愛し合うときも 比羅夫と3人なのよ 54 00:08:23,620 --> 00:08:27,624 イヤ! そんなこと 絶対に許せないわよ 55 00:08:27,624 --> 00:08:29,626 そんなの 絶対 許せないわよ! 56 00:08:29,626 --> 00:08:31,628 君に許してもらわなくたって かまわないよ! 57 00:08:31,628 --> 00:08:33,630 あなたはね 58 00:08:33,630 --> 00:08:36,633 まだ心の中にいる比羅夫を 払拭してみせる 59 00:08:36,633 --> 00:08:39,636 自分のものだけにしてみせるって そう言ったじゃない 60 00:08:39,636 --> 00:08:43,640 こんなの詐欺だわ まやかしだわよ 61 00:08:43,640 --> 00:08:46,643 こんな結婚なんか不純だわ 62 00:08:46,643 --> 00:08:49,646 ひどい! 許せないわ! (津田山)俺たちが幸せなんだから 63 00:08:49,646 --> 00:08:52,649 君は ひと言も言うな! 放っといてくれ! 64 00:08:52,649 --> 00:08:54,651 そういうわけには いかないのよ! 65 00:08:54,651 --> 00:08:57,587 あなたたちのことは 関係ないじゃ済まされないの! 66 00:08:57,587 --> 00:08:59,589 君とはな 結婚の約束だって してないじゃないか 67 00:08:59,589 --> 00:09:01,591 おまけに 肉体関係だって ありゃしないんだよ! 68 00:09:01,591 --> 00:09:04,594 下品ね よく そんな下卑たことが 言えるわね! 69 00:09:04,594 --> 00:09:06,596 君が言わせんだから しかたがないだろう! 70 00:09:06,596 --> 00:09:09,599 私はね あなたたちが そんな簡単に・ 71 00:09:09,599 --> 00:09:12,602 比羅夫を共有してもらったんじゃ とっても困るって言ってんの! 72 00:09:12,602 --> 00:09:14,604 困るっつったってな こっちは そんなもん 73 00:09:14,604 --> 00:09:16,606 勝手に困ればいいとしか 言いようがないんだよ! 74 00:09:16,606 --> 00:09:19,609 じゃ 私は どうしたらいいの? (津田山)どうしたらいいなんて… 75 00:09:19,609 --> 00:09:23,613 そんなこと分かるか! ハァ… 76 00:09:23,613 --> 00:09:26,616 (伊佐子)美百合の心だけじゃなく 77 00:09:26,616 --> 00:09:31,616 津田山さんの心の中にも 比羅夫のことが生きてきたら… 78 00:09:33,623 --> 00:09:40,630 私にとってはね 比羅夫のことは とっても恐ろしい思い出 79 00:09:40,630 --> 00:09:44,634 今も夜中に うなされるくらいの思い出なのよ 80 00:09:44,634 --> 00:09:48,638 なのに あなたたちは 3人で愛し合うだなんて… 81 00:09:48,638 --> 00:09:51,641 そんな結婚 祝福なんかできないわよ 82 00:09:51,641 --> 00:09:55,579 比羅夫のことを 全部 忘れてくれなきゃ・ 83 00:09:55,579 --> 00:09:59,583 私は あなたたちの結婚なんか 祝福なんかできないわ! 84 00:09:59,583 --> 00:10:02,586 なぜって… 85 00:10:02,586 --> 00:10:05,589 比羅夫を殺したのは私だからよ 86 00:10:05,589 --> 00:10:07,589 えっ・ 87 00:10:09,593 --> 00:10:11,593 私が殺したのよ 88 00:10:14,598 --> 00:10:17,601 私が比羅夫を… 89 00:10:17,601 --> 00:10:19,601 殺したの 90 00:10:24,608 --> 00:10:26,610 伊佐子 もう飲むの やめましょう 91 00:10:26,610 --> 00:10:30,614 (津田山)なあ 伊佐ちゃん もうよそう 今夜は なっ? 92 00:10:30,614 --> 00:10:33,617 冗談じゃない! 93 00:10:33,617 --> 00:10:35,619 何すんだよ・ (ママ)どうしたんですか? 94 00:10:35,619 --> 00:10:38,622 すいません あの… 酔っ払っちゃって すいません 95 00:10:38,622 --> 00:10:41,625 (津田山)もう すぐ帰しますから 96 00:10:41,625 --> 00:10:44,625 (伊佐子) 何をくだらないこと言ってるんだ 97 00:10:46,630 --> 00:10:52,636 大事な話なんだから 真剣に聞いたら どうなのよ・ 98 00:10:52,636 --> 00:10:55,572 伊佐子 もう… いい? 99 00:10:55,572 --> 00:10:59,576 私はね 比羅夫を殺した 100 00:10:59,576 --> 00:11:03,580 間接的にだけど 殺したも同じよ 101 00:11:03,580 --> 00:11:07,584 だって あのとき あなたたちが 駆け落ちしようとして・ 102 00:11:07,584 --> 00:11:10,587 日立のアパートに隠れていたとき 103 00:11:10,587 --> 00:11:13,590 ホテルの人に いきなり襲われたのはね 104 00:11:13,590 --> 00:11:15,590 私が密告したからよ! 105 00:11:17,594 --> 00:11:22,599 何言ってるの? (伊佐子)分からないの? 106 00:11:22,599 --> 00:11:26,603 あなた あの夜のこと 忘れちゃったの? 107 00:11:26,603 --> 00:11:32,609 忘れやしないわ 忘れるわけないわよ! 108 00:11:32,609 --> 00:11:36,613 お兄ちゃん もう死んだっていいの 109 00:11:36,613 --> 00:11:40,617 後悔しないわ このまま死んでも 110 00:11:40,617 --> 00:11:43,620 (伊佐子) 私は腹立たしくてならなかった 111 00:11:43,620 --> 00:11:46,623 最初は 私だけボイコットされて・ 112 00:11:46,623 --> 00:11:49,626 あなたが ホテルから救い出されたことが・ 113 00:11:49,626 --> 00:11:51,628 悔しくてならなかったけど・ 114 00:11:51,628 --> 00:11:56,566 だんだん あなたたちそのものが 妬ましくなって… 115 00:11:56,566 --> 00:12:01,571 比羅夫 比羅夫 私の比羅夫 116 00:12:01,571 --> 00:12:04,574 (伊佐子)許せないと思ったのよ 117 00:12:04,574 --> 00:12:09,579 このまま放置すれば 私自身が生きていけないと・ 118 00:12:09,579 --> 00:12:13,583 そこまで思い詰めて それで… 119 00:12:13,583 --> 00:12:17,583 これから申し上げることを 注意深く聞いてください 120 00:12:19,589 --> 00:12:23,593 美百合さんは 比羅夫さんと一緒に・ 121 00:12:23,593 --> 00:12:26,596 現在 日立市内にいます 122 00:12:26,596 --> 00:12:30,600 これから申し上げますので メモを 123 00:12:30,600 --> 00:12:35,605 そうだったの? あなたが電話を… 124 00:12:35,605 --> 00:12:41,611 そうよ 私が密告したのよ 125 00:12:41,611 --> 00:12:48,618 ・~ 126 00:12:48,618 --> 00:12:51,621 (伊佐子)私が駆けつけたとき 127 00:12:51,621 --> 00:12:54,624 あなたたちは 崖っぷちに追い詰められていたわ 128 00:12:54,624 --> 00:13:07,570 ・~ 129 00:13:07,570 --> 00:13:10,573 (彩)美百合 いけないよ 130 00:13:10,573 --> 00:13:15,573 ・~ 131 00:13:23,586 --> 00:13:25,586 美百合ーっ! 132 00:13:29,592 --> 00:13:33,592 まさか死ぬとは 思ってなかったのよ 133 00:13:35,598 --> 00:13:40,603 あなたたちの仲を 引き裂くだけでよかったのに… 134 00:13:40,603 --> 00:13:43,606 まさか! 135 00:13:43,606 --> 00:13:50,613 (泣き声) 136 00:13:50,613 --> 00:13:55,613 だから… だから 私は贖罪のつもりで… 137 00:13:57,620 --> 00:14:03,626 美百合のためなら 自分が どんなに犠牲になってもいいと… 138 00:14:03,626 --> 00:14:09,626 だけどね 今度の結婚は筋が違うわよ 139 00:14:11,634 --> 00:14:14,637 だって そうでしょう 140 00:14:14,637 --> 00:14:16,639 津田山さんが・ 141 00:14:16,639 --> 00:14:21,644 美百合の心の中から 比羅夫の影を 抜き取ってくれなきゃ・ 142 00:14:21,644 --> 00:14:25,648 こんな結婚は したって意味がないわ! 143 00:14:25,648 --> 00:14:30,653 ・~ 144 00:14:30,653 --> 00:14:33,653 いつまでも 比羅夫のことを引きずって… 145 00:14:35,658 --> 00:14:39,662 私は いつまでも責め続けられて… 146 00:14:39,662 --> 00:14:43,666 もうイヤなのよ! 147 00:14:43,666 --> 00:14:46,669 こんな人生は もうイヤ! 148 00:14:46,669 --> 00:14:52,669 (泣き声) 149 00:14:54,677 --> 00:15:01,618 私はね こんなこと 告白したくなんかなかったけど・ 150 00:15:01,618 --> 00:15:04,621 あなたたちが言わせたのよ 151 00:15:04,621 --> 00:15:07,624 あなたたちのせいよ 152 00:15:07,624 --> 00:15:10,627 あなたたちが悪いのよ! 153 00:15:10,627 --> 00:15:16,633 ・~ 154 00:15:16,633 --> 00:15:18,635 ・(ドアの閉まる音) 155 00:15:18,635 --> 00:15:21,638 ハァハァ… 怖い… 156 00:15:21,638 --> 00:15:25,642 怖いわ 私… 157 00:15:25,642 --> 00:15:27,644 怖い… 158 00:15:27,644 --> 00:15:33,650 大丈夫だ 俺がついてる 大丈夫だよ 159 00:15:33,650 --> 00:15:40,657 ・~ 160 00:18:59,656 --> 00:19:03,656 (泣き声) 161 00:19:05,595 --> 00:19:09,599 (泣き声) 162 00:19:09,599 --> 00:19:13,603 さあ これを飲んで 163 00:19:13,603 --> 00:19:16,606 ハチミツとミルク 温まるから 164 00:19:16,606 --> 00:19:19,609 もし… 165 00:19:19,609 --> 00:19:25,615 もし伊佐子が密告さえしなきゃ… 166 00:19:25,615 --> 00:19:30,620 比羅夫は… お兄ちゃんは… 167 00:19:30,620 --> 00:19:32,620 忘れよう 168 00:19:34,624 --> 00:19:37,627 今夜のことは忘れるしかないよ 169 00:19:37,627 --> 00:19:41,631 なっ? 美百合 もう考えないようにしよう 170 00:19:41,631 --> 00:19:44,634 考えないでいられる? 171 00:19:44,634 --> 00:19:47,637 比羅夫は 死ななくてもよかったのよ! 172 00:19:47,637 --> 00:19:52,642 私たち 心中しなくても… 美百合… 173 00:19:52,642 --> 00:19:54,644 (泣き声) 174 00:19:54,644 --> 00:20:00,583 私は生き残ったけど お兄ちゃんは かわいそう 175 00:20:00,583 --> 00:20:03,586 あんなに若い命を… 176 00:20:03,586 --> 00:20:07,586 分かるよ その気持ちは よ~く分かるけど… 177 00:20:09,592 --> 00:20:13,596 もし伊佐子が密告しなければ・ 178 00:20:13,596 --> 00:20:19,602 この部屋に 比羅夫と 一緒に住んでたはずなんだわ 179 00:20:19,602 --> 00:20:24,607 恨むわ! 伊佐子を恨むわ! 180 00:20:24,607 --> 00:20:27,610 でも 今更 どうしようもないんだし 181 00:20:27,610 --> 00:20:30,613 あの女が言ったとおりなのよ 182 00:20:30,613 --> 00:20:36,619 殺したのよ 比羅夫を お兄ちゃんを あの女が! 183 00:20:36,619 --> 00:20:40,623 美百合 もう そういう話は 聞かなかったことにするより… 184 00:20:40,623 --> 00:20:46,629 聞いちゃったんじゃない! 聞いちゃった以上 もう離れない 185 00:20:46,629 --> 00:20:51,634 頭の中に こびりついて もう離れない… 186 00:20:51,634 --> 00:20:55,638 (泣き声) 187 00:20:55,638 --> 00:20:58,641 とにかく ほら 冷めないうちに これ飲んで 188 00:20:58,641 --> 00:21:00,641 やっと分かったわ 189 00:21:02,578 --> 00:21:07,583 こ… これは伊佐子の復讐なのね 190 00:21:07,583 --> 00:21:09,585 復讐? 191 00:21:09,585 --> 00:21:14,585 そうよ だから… 192 00:21:16,592 --> 00:21:21,597 私たちの結婚を妬んでんのよ 193 00:21:21,597 --> 00:21:25,601 だから 7年間も沈黙してきた秘密を・ 194 00:21:25,601 --> 00:21:31,607 今になって ぶちまけたんだわ 私たちへの嫌がらせに! 195 00:21:31,607 --> 00:21:34,610 それは… 196 00:21:34,610 --> 00:21:37,613 そういうこともあるかもしれない 197 00:21:37,613 --> 00:21:39,615 だったら なおのこと 198 00:21:39,615 --> 00:21:42,618 俺たちは そんな嫌がらせに 屈しないようにしなくちゃ 199 00:21:42,618 --> 00:21:45,621 なっ? 美百合 200 00:21:45,621 --> 00:21:49,625 大切なのは俺たちの愛なんだから なっ? そうだろう? 201 00:21:49,625 --> 00:21:52,628 イヤ! やめてよ! 美百合 202 00:21:52,628 --> 00:21:54,630 ごめんなさい… 203 00:21:54,630 --> 00:21:56,632 (泣き声) 204 00:21:56,632 --> 00:22:03,573 私 どうかしてる… もう何も考えられない… 205 00:22:03,573 --> 00:22:06,576 (泣き声) 206 00:22:06,576 --> 00:22:10,580 美百合 寝たほうがいいよ なっ? 207 00:22:10,580 --> 00:22:15,585 こういうときは静かにしてさ なっ? そうしよう 208 00:22:15,585 --> 00:22:18,588 (泣き声) 209 00:22:18,588 --> 00:22:20,590 美百合 210 00:22:20,590 --> 00:22:23,590 (泣き声) 211 00:22:29,599 --> 00:22:34,604 じゃ 俺 帰るけど 212 00:22:34,604 --> 00:22:38,604 大丈夫だね? ひとりで寝られるね? 213 00:22:42,612 --> 00:22:46,612 じゃ ゆっくりお休み 214 00:22:49,619 --> 00:22:52,622 イヤ! 行っちゃイヤ! 行かないでよ… 215 00:22:52,622 --> 00:22:54,622 美百合… 216 00:22:56,626 --> 00:23:01,564 こんな夜に ひとりでいたら 私 何するか分からない 217 00:23:01,564 --> 00:23:03,566 カミソリで手首 切るかも… 218 00:23:03,566 --> 00:23:07,566 おい 脅かすなよ 219 00:23:11,574 --> 00:23:15,578 どうにもならないって 分かってても… 220 00:23:15,578 --> 00:23:19,582 考えずにいられない… 221 00:23:19,582 --> 00:23:25,588 もし… もし伊佐子が 密告さえしなければって 222 00:23:25,588 --> 00:23:28,591 悔しい! 223 00:23:28,591 --> 00:23:32,595 そのこと思うと たまらないのよ! 224 00:23:32,595 --> 00:23:34,597 美百合! 225 00:23:34,597 --> 00:23:39,602 かわいそうに… もう悩むな もう悩むな 226 00:23:39,602 --> 00:23:48,611 (泣き声) 227 00:23:48,611 --> 00:23:56,619 ・~ 228 00:23:56,619 --> 00:24:01,619 考えてみたら 伊佐子も随分 苦しんだのよね 229 00:24:03,559 --> 00:24:06,562 そりゃ 良心の呵責を感じないでは 済まなかったろうさ 230 00:24:06,562 --> 00:24:09,565 伊佐子を 一生 苦しめてやりたいような… 231 00:24:09,565 --> 00:24:12,568 えっ? 232 00:24:12,568 --> 00:24:17,573 いいえ そんなことしません ハァ… 安心したよ 233 00:24:17,573 --> 00:24:23,579 だからね 私 比羅夫の骨壺 お寺に持っていって 234 00:24:23,579 --> 00:24:27,583 供養してもらって 納骨しようと思って 235 00:24:27,583 --> 00:24:31,587 それから これもね 236 00:24:31,587 --> 00:24:33,589 どうして そんな… 237 00:24:33,589 --> 00:24:36,592 伊佐子のためにも あなたのためにも・ 238 00:24:36,592 --> 00:24:39,595 私が あんまり比羅夫を 生身の人間のように思ってると・ 239 00:24:39,595 --> 00:24:42,598 どんどん不幸にしてしまいそうで 240 00:24:42,598 --> 00:24:45,601 あなたも そのほうがいいでしょう? 241 00:24:45,601 --> 00:24:48,604 いや 俺は比羅夫のこと愛してんだから 242 00:24:48,604 --> 00:24:52,608 だから そういう私たちの愛し方が 伊佐子を苦しめてきたんですもの 243 00:24:52,608 --> 00:24:54,610 そりゃそうだけど… 244 00:24:54,610 --> 00:24:59,615 比羅夫の骨と別れんのは なんだか切ないよ 245 00:24:59,615 --> 00:25:02,551 ホントはね 私もそうなの 246 00:25:02,551 --> 00:25:17,566 ・~ 247 00:25:17,566 --> 00:25:19,568 (朝倉)美百合さん 248 00:25:19,568 --> 00:25:22,571 結婚すると 不思議と 人形の表情が変わるものなの 249 00:25:22,571 --> 00:25:24,573 それも楽しみね あら 結婚って? 250 00:25:24,573 --> 00:25:26,575 いやぁね しらばっくれちゃって 251 00:25:26,575 --> 00:25:29,578 もうすぐだから 準備で慌ただしいんでしょう 252 00:25:29,578 --> 00:25:31,580 準備だなんて 253 00:25:31,580 --> 00:25:34,583 お相手は いつかのカメラマン ちゃんと分かってるのよ 254 00:25:34,583 --> 00:25:38,587 帰ってらしたら こちらの アトリエで お祝いの パーティーを開きますからね 255 00:25:38,587 --> 00:25:40,589 いいんです そんなこと (朝倉)よくないわよ 256 00:25:40,589 --> 00:25:44,593 このアトリエの希望の星が 結婚するっていうのに 257 00:25:44,593 --> 00:25:46,595 段取りは任せときなさい 258 00:25:46,595 --> 00:25:53,602 ・~ 259 00:25:53,602 --> 00:25:55,604 (津田山)ほら! 260 00:25:55,604 --> 00:25:58,607 一生に一度のことだからと思って ファーストクラス取っちゃった 261 00:25:58,607 --> 00:26:01,544 うわ 贅沢ね 262 00:26:01,544 --> 00:26:05,548 それ 君に渡しとこうか? あなたが持ってて 263 00:26:05,548 --> 00:26:08,551 ねえ ウエディングドレスの 出来栄え どうだった? 264 00:26:08,551 --> 00:26:11,554 とってもステキよ 少しだけ手直しして・ 265 00:26:11,554 --> 00:26:14,557 すぐに届けてくださるって へえ~ 早く見たいな 266 00:26:14,557 --> 00:26:18,561 当日のお楽しみ あっ そっか フフフッ… 267 00:26:18,561 --> 00:26:22,565 あっ あれから 伊佐子 どうしてるのかしら? 268 00:26:22,565 --> 00:26:26,569 うん… ずっと出版社を欠勤したままで・ 269 00:26:26,569 --> 00:26:29,572 休職届が出てるっていうんだよ 田舎に帰ってるらしい 270 00:26:29,572 --> 00:26:31,574 五浦に? うん 271 00:26:31,574 --> 00:26:34,577 あれ以来 少し ノイローゼ気味だったみたいだから・ 272 00:26:34,577 --> 00:26:36,579 静養してるんじゃないのかな 273 00:26:36,579 --> 00:26:40,583 まあ どっちにしろ 結婚式の知らせは出さないほうが 274 00:26:40,583 --> 00:26:42,583 そうね 275 00:26:44,587 --> 00:26:51,594 ねえ お寺に お骨持ってったの? いえ まだ… 276 00:26:51,594 --> 00:26:55,598 あっ そうか やっぱり手元から離せないんだ 277 00:26:55,598 --> 00:26:57,600 いや いいんだよ 278 00:26:57,600 --> 00:27:00,603 別にムリすることないんだから ねっ? 279 00:27:00,603 --> 00:27:04,607 あなたの そういう心遣い とってもうれしい ありがとう 280 00:27:04,607 --> 00:27:06,609 フフッ… 281 00:27:06,609 --> 00:27:09,612 時の流れと あなたの愛で・ 282 00:27:09,612 --> 00:27:13,616 過去の愛は 静かな眠りの中に 入っていくんだわ 283 00:27:13,616 --> 00:27:18,621 それまでの間 もう少し身に着けさせてね 284 00:27:18,621 --> 00:27:22,625 でも 比羅夫も寂しいだろうな 285 00:27:22,625 --> 00:27:25,628 今まで ず~っと美百合の肌で 温めてもらってたのに 286 00:27:25,628 --> 00:27:28,631 骨は やっぱり 冷たい土の中が似合ってるのよ 287 00:27:28,631 --> 00:27:31,634 フフッ… もうすぐお別れ 288 00:27:31,634 --> 00:27:34,634 それまでの間 温めてあげるね 289 00:27:38,641 --> 00:27:41,641 フフッ… 食べよう 冷めちゃう 290 00:27:52,655 --> 00:27:56,659 ・ 291 00:27:56,659 --> 00:27:58,659 はい 磐城です 292 00:28:00,596 --> 00:28:02,598 私ですけど 293 00:28:02,598 --> 00:28:04,600 どなた? 294 00:28:04,600 --> 00:28:08,604 ・(伊佐子)私よ… 伊佐子よ… 295 00:28:08,604 --> 00:28:13,609 伊佐子なの? だって 声が… 296 00:28:13,609 --> 00:28:16,612 私ね 今ひどい風邪で… 297 00:28:16,612 --> 00:28:20,616 (せきこみ) ・ まあ… 大丈夫なの? 298 00:28:20,616 --> 00:28:23,619 なんとか熱は下がったから 299 00:28:23,619 --> 00:28:27,623 今ね 元のあなたの家… 300 00:28:27,623 --> 00:28:30,626 ハァ~ッ… 五浦の南山荘から かけてるんだけど 301 00:28:30,626 --> 00:28:32,628 あなたに どうしても・ 302 00:28:32,628 --> 00:28:35,631 知らせておかなきゃ ならないことがあって 303 00:28:35,631 --> 00:28:37,633 何かしら? 304 00:28:37,633 --> 00:28:42,633 ・ 実はね 美百合 驚かせて悪いんだけど… 305 00:28:44,640 --> 00:28:46,642 どうしたの? 306 00:28:46,642 --> 00:28:48,644 比羅夫さんが生きてるのよ 307 00:28:48,644 --> 00:28:50,644 えっ? 308 00:28:52,648 --> 00:28:56,652 それは 生きてるって ウワサなんでしょう? 309 00:28:56,652 --> 00:28:58,654 ・ ウワサなんかじゃないわ 310 00:28:58,654 --> 00:29:01,654 ・ 比羅夫さん自身が ある漁村にいるのよ 311 00:29:04,593 --> 00:29:08,597 そのことだったら 津田山さんが そっちに行ったときに・ 312 00:29:08,597 --> 00:29:10,599 おたねさんに聞いたって 313 00:29:10,599 --> 00:29:14,603 比羅夫に瓜二つの人が いるらしいって 314 00:29:14,603 --> 00:29:17,606 なに のんきなこと言ってるのよ 315 00:29:17,606 --> 00:29:22,611 私 自分の目で確かめてきたのよ 相馬の町の近くの漁村へ行って 316 00:29:22,611 --> 00:29:28,611 あれは どう見たって比羅夫さんよ 本人以外に考えられないわ 317 00:29:30,619 --> 00:29:32,621 まさか… 318 00:29:32,621 --> 00:29:46,621 ・~ 319 00:29:51,640 --> 00:30:03,585 ・~