1 00:00:34,039 --> 00:00:37,042 (一同)エイ エイ オー! 2 00:00:37,042 --> 00:00:40,696 (源頼朝)<文治元年 我が源氏は→ 3 00:00:40,696 --> 00:00:46,996 壇ノ浦の海にて 平家を滅ぼし 武士の頂点に立った> 4 00:00:49,705 --> 00:00:53,875 草薙の剣が見つからぬじゃと? 5 00:00:53,875 --> 00:00:57,045 海の底に沈んだという事か? 6 00:00:57,045 --> 00:01:03,051 八咫の鏡と八尺瓊勾玉は お救い参らせましたが→ 7 00:01:03,051 --> 00:01:05,370 草薙の剣だけが いまだ…。 8 00:01:05,370 --> 00:01:09,207 何をしておるのじゃ?! 早う お探しせねば! 9 00:01:09,207 --> 00:01:11,907 はっ。 構わぬ。 10 00:01:15,197 --> 00:01:21,053 見つからぬのも 無理からぬ事じゃ。 11 00:01:21,053 --> 00:01:27,053 <剣の行方が分からぬと聞いて 清盛だと思った> 12 00:01:29,044 --> 00:01:33,715 <今も 平清盛が どこかで生きていて→ 13 00:01:33,715 --> 00:01:37,215 剣を振り回しているのだと> 14 00:01:47,712 --> 00:01:51,049 (平太)さあさあ さあ! 15 00:01:51,049 --> 00:01:54,536 さあ さあ さあ さあ さあ! 16 00:01:54,536 --> 00:01:58,039 それ! 17 00:01:58,039 --> 00:02:01,209 ひい ふう みい よう いつ むう! ひい! 18 00:02:01,209 --> 00:02:07,032 ハハハハハハ! 俺の勝ちだ~! 19 00:02:07,032 --> 00:02:09,718 こいつは もらっていくぞ。 20 00:02:09,718 --> 00:02:13,705 待て。 ひとり勝ちは許さん。 21 00:02:13,705 --> 00:02:18,376 負けたやつの許しなど要らん! 22 00:02:18,376 --> 00:02:20,376 てめえ~! 23 00:02:24,866 --> 00:02:28,203 あっ! こいつ 高平太。→ 24 00:02:28,203 --> 00:02:32,874 無頼の… 無頼の高平太だ! 25 00:02:32,874 --> 00:02:37,028 お前か。 珍妙な格好して 京を うろついている→ 26 00:02:37,028 --> 00:02:39,714 平氏の御曹司ってのは。 27 00:02:39,714 --> 00:02:42,717 あぁ?! 薄気味悪いんだよ! 28 00:02:42,717 --> 00:03:28,380 ♪♪~ 29 00:03:28,380 --> 00:03:33,435 お~い ここだよ! 早う来い! 30 00:03:33,435 --> 00:03:40,208 ♪♪~ 31 00:03:40,208 --> 00:03:43,712 この野郎! くそ~ 待て~! 32 00:03:43,712 --> 00:03:47,215 (2人)あっ。 33 00:03:47,215 --> 00:03:53,538 (笑い声) 34 00:03:53,538 --> 00:03:55,540 ばか~! 35 00:03:55,540 --> 00:04:00,378 (笑い声) 36 00:04:00,378 --> 00:04:17,362 ♪♪~(テーマ音楽) 37 00:04:17,362 --> 00:06:35,662 ♪♪~ 38 00:06:37,385 --> 00:06:40,872 (平忠正)全く 平太には 困ったものじゃ。→ 39 00:06:40,872 --> 00:06:44,876 博打場を荒らし 洛中の民を 惑わせておると申すではないか。 40 00:06:44,876 --> 00:06:50,715 (平盛康)申し訳ござりませぬ。 乳父の私が至らぬばかりに。 41 00:06:50,715 --> 00:06:52,867 あやつの どこが→ 42 00:06:52,867 --> 00:06:55,537 平氏の嫡男に ふさわしいと申すのだ? 43 00:06:55,537 --> 00:06:59,874 (平家貞)まあまあ。 まだ 跡継ぎに すると決めた訳ではありますまい。 44 00:06:59,874 --> 00:07:03,044 それでもだ! 45 00:07:03,044 --> 00:07:08,867 平太には 平氏の血が 流れておらぬのだぞ。→ 46 00:07:08,867 --> 00:07:13,371 あのような者を 当てにせずとも 兄上には 平次という→ 47 00:07:13,371 --> 00:07:16,207 れっきとした正妻の子が あるのだから。 48 00:07:16,207 --> 00:07:20,545 ≪(平次)兄上 お待ちしておりました。→ 49 00:07:20,545 --> 00:07:25,550 ほら 兄上 早う 早う。 何かあるのか? 50 00:07:25,550 --> 00:07:28,052 (平次)兄上が お帰りになりました。 51 00:07:28,052 --> 00:07:33,052 ほら お座り下さい。 何じゃ…。 52 00:07:35,376 --> 00:07:42,217 (平忠盛)お前の元服が決まった。 年が明けたら すぐに行う。 53 00:07:42,217 --> 00:07:47,705 (家貞)おめでとうござりまする。 (一同)おめでとうござりまする。 54 00:07:47,705 --> 00:07:52,043 (盛康)やがて 位を授かれば 貴族の仲間入りでござる。→ 55 00:07:52,043 --> 00:07:54,712 舞も歌も 香の道も→ 56 00:07:54,712 --> 00:07:58,049 殿のように しかと 身につけねばなりませぬぞ。 57 00:07:58,049 --> 00:08:01,035 兄上 私も あとに続きまする。 58 00:08:01,035 --> 00:08:05,540 共に 舞の稽古に 励みましょう。 59 00:08:05,540 --> 00:08:09,340 舞などせぬ! (宗子)平次。 60 00:08:12,881 --> 00:08:17,869 どうしました? 母上。 俺を たたかぬのですか? 61 00:08:17,869 --> 00:08:21,873 「平次に何かあれば許さぬ」と 言って 俺をたたかぬのですか?! 62 00:08:21,873 --> 00:08:25,376 何じゃ その口のきき方は?! 平太を責めないで下さりませ。 63 00:08:25,376 --> 00:08:31,533 そうして甘やかすゆえ ますます つけあがるのじゃ。 64 00:08:31,533 --> 00:08:34,052 申し訳ござりませぬ。 65 00:08:34,052 --> 00:08:40,708 平太様! 元服なさるので ござりまするから→ 66 00:08:40,708 --> 00:08:42,710 平氏の男子として→ 67 00:08:42,710 --> 00:08:48,533 ふさわしい振る舞いを 身につけて下さりませ。 68 00:08:48,533 --> 00:08:54,205 俺は 父上のようにはならぬ! 貴族にも 王家の犬にも! 69 00:08:54,205 --> 00:08:56,541 平氏の犬にもなる気はない! 70 00:08:56,541 --> 00:09:02,741 いっそ たくましい野良犬となって 生きていく! 71 00:09:08,720 --> 00:09:12,056 さようか。 72 00:09:12,056 --> 00:09:14,709 好きにせよ。 73 00:09:14,709 --> 00:09:22,009 お前と次に会うは 博打場か? それとも 盗賊の隠れ家か? 74 00:09:24,035 --> 00:09:27,372 言うておくが→ 75 00:09:27,372 --> 00:09:30,372 わしは 容赦はせぬぞ! 76 00:09:32,710 --> 00:09:34,879 くそっ。 平太! 77 00:09:34,879 --> 00:09:36,879 (忠盛)ほっておけ。 78 00:09:39,934 --> 00:09:45,134 あやつが 自ら はい上がってくるほかないのだ。 79 00:09:47,208 --> 00:09:50,695 (叫び声) 80 00:09:50,695 --> 00:09:52,695 うわっ。 81 00:09:56,868 --> 00:09:59,871 くそ~! 82 00:09:59,871 --> 00:10:03,708 くそ~! くそ~! 83 00:10:03,708 --> 00:10:06,008 誰なんだ 俺は?! 84 00:10:09,047 --> 00:10:17,055 俺は… 俺は~! 誰なんだ~?! 85 00:10:17,055 --> 00:10:19,040 ≪誰でもよ~い! 86 00:10:19,040 --> 00:10:21,042 えっ? 87 00:10:21,042 --> 00:10:25,697 ≪誰でもよいゆえ 助けてくれ! 88 00:10:25,697 --> 00:10:45,997 ♪♪~ 89 00:10:48,870 --> 00:10:53,041 あっ。 おお よう通りかかった。 90 00:10:53,041 --> 00:10:56,044 ささ 早う 出してくれ。 91 00:10:56,044 --> 00:10:59,030 …はい。 92 00:10:59,030 --> 00:11:02,700 うんしょ… っと。 93 00:11:02,700 --> 00:11:09,874 おお~ うむうむ 助かった。 礼を申すぞ。 94 00:11:09,874 --> 00:11:12,377 そんな 偉そうに…。 95 00:11:12,377 --> 00:11:16,531 この穴は 今の世を表しておる。 96 00:11:16,531 --> 00:11:18,883 いや これは 俺が掘った落とし穴で…。 97 00:11:18,883 --> 00:11:21,536 この地へ 都を遷してより三百余年。 98 00:11:21,536 --> 00:11:25,540 ひららか かつ 安らかなる世が 続くと思いきや→ 99 00:11:25,540 --> 00:11:27,709 いつの間にやら 世は かように→ 100 00:11:27,709 --> 00:11:30,528 穴ぼこだらけ 隙だらけに なっておる。 101 00:11:30,528 --> 00:11:37,869 更に 見よ あの月を覆う煙を。 102 00:11:37,869 --> 00:11:41,706 輝く月を どす黒く染める煙。 103 00:11:41,706 --> 00:11:47,006 あれも また 闇の続く今の世を 表してると言えよう。 104 00:11:52,383 --> 00:11:57,055 さようにござりましょうか。 うん? 105 00:11:57,055 --> 00:12:02,043 俺には あの煙が あがいておるように見える。 106 00:12:02,043 --> 00:12:04,195 あがいて? 107 00:12:04,195 --> 00:12:10,051 己の どす黒さに もだえ苦しみ 月の光に染まりたいと→ 108 00:12:10,051 --> 00:12:17,709 必死で昇っている。 そんな姿に見える。 109 00:12:17,709 --> 00:12:20,211 ハハハハハ! 110 00:12:20,211 --> 00:12:26,033 あれが何の煙か存じて かように申すか? えっ? 111 00:12:26,033 --> 00:12:31,556 かすかに香る 磯の香り。 火元の方角。 112 00:12:31,556 --> 00:12:35,710 御所で 漁網が焼かれているのであろう。 113 00:12:35,710 --> 00:12:39,410 白河の院による 殺生禁断令じゃ。 114 00:12:41,048 --> 00:12:48,055 まこと 白河の院は 太平の世が生んだ怪物よ。 115 00:12:48,055 --> 00:12:52,210 か… 怪物? 116 00:12:52,210 --> 00:12:57,510 「現に生ける もののけ」とでも 申すもの。 117 00:13:01,052 --> 00:13:04,038 もののけ…。 118 00:13:04,038 --> 00:13:09,544 <平太こと清盛の血を分けた父 白河院は→ 119 00:13:09,544 --> 00:13:14,344 依然 世の頂点に君臨されていた> 120 00:13:17,034 --> 00:13:22,373 <その白河院が晩年に出した 殺生禁断令は→ 121 00:13:22,373 --> 00:13:27,879 御仏の教えに従ったもので 狩りや漁をも禁じて→ 122 00:13:27,879 --> 00:13:34,079 魚を取る網は 京に送らせ 御所の門前で焼かせたという> 123 00:13:42,210 --> 00:13:55,706 (祇園女御)♪♪「遊びをせんとや」 124 00:13:55,706 --> 00:14:05,032 ♪♪「生まれけむ」 125 00:14:05,032 --> 00:14:17,862 ♪♪「戯れせんとや」 126 00:14:17,862 --> 00:14:20,047 ♪♪「生まれ」 127 00:14:20,047 --> 00:14:25,703 (祇園女御)忠盛は よう仕えておりまするな。→ 128 00:14:25,703 --> 00:14:31,503 あなた様に あのような思いを させられたというのに。 129 00:14:33,711 --> 00:14:38,766 (白河法皇)武士が王家に仕えるは 道理じゃ。 130 00:14:38,766 --> 00:14:42,703 ほかに生きる道はない。 131 00:14:42,703 --> 00:14:49,403 それを 忠盛は わきまえておるのだ。 132 00:14:51,379 --> 00:14:56,079 あの時から 身をもってな。 133 00:14:59,053 --> 00:15:06,878 年が明ければ 元服だそうにござりまする。 134 00:15:06,878 --> 00:15:11,678 あの時の赤子 平太が。 135 00:15:15,536 --> 00:15:18,873 会うてやってはいかがです? 136 00:15:18,873 --> 00:15:25,073 さすれば 漁網など焼かずとも 極楽往生が かないましょう。 137 00:15:27,031 --> 00:15:29,216 出過ぎた事を申すな! 138 00:15:29,216 --> 00:15:33,721 <何かが動き出すには→ 139 00:15:33,721 --> 00:15:41,362 まだ 白河院の存在が あまりに絶大だった> 140 00:15:41,362 --> 00:15:43,362 堀河。 141 00:15:46,450 --> 00:15:54,650 そちは 朕を 愚かな男と思うておるであろう。 142 00:15:57,044 --> 00:16:00,047 (鳥羽上皇) 白河の院に 妻をめとられ→ 143 00:16:00,047 --> 00:16:03,050 早々に 帝の座を退かされ→ 144 00:16:03,050 --> 00:16:07,038 しかも 新しい帝の父は→ 145 00:16:07,038 --> 00:16:13,044 表向きは朕であるが まことは 白河の院の…。 146 00:16:13,044 --> 00:16:16,714 (堀河局)上皇様。 147 00:16:16,714 --> 00:16:19,033 かような辱めを受けながら→ 148 00:16:19,033 --> 00:16:22,536 こうして のこのこと 璋子を訪ねてくる朕を→ 149 00:16:22,536 --> 00:16:25,723 腹の底では 笑うておるのであろう?! 150 00:16:25,723 --> 00:16:29,043 そなたも! 璋子も! 151 00:16:29,043 --> 00:16:31,862 めっそうもない事にござりまする。 152 00:16:31,862 --> 00:16:48,379 ♪♪~ 153 00:16:48,379 --> 00:16:51,048 璋子。 154 00:16:51,048 --> 00:16:54,035 上皇様。 155 00:16:54,035 --> 00:16:59,535 お渡り うれしゅうござりまする。 156 00:17:02,043 --> 00:17:04,712 まことか? 157 00:17:04,712 --> 00:17:09,412 (璋子)はい。 お待ち申しておりました。 158 00:17:12,036 --> 00:17:14,372 (鳥羽上皇)璋子。 159 00:17:14,372 --> 00:17:18,072 まあ~ きれい。 160 00:17:33,541 --> 00:17:37,545 <多大な恥辱と屈辱を受けながら→ 161 00:17:37,545 --> 00:17:42,045 鳥羽院は 黙して動かれなかった> 162 00:17:46,370 --> 00:17:49,206 <明けて 大治4年> 163 00:17:49,206 --> 00:17:55,529 (盛康)平太様 なりませぬ! そのような お姿で! 164 00:17:55,529 --> 00:17:59,033 その姿で元服するつもりか? 165 00:17:59,033 --> 00:18:02,033 申し訳ござりませぬ! 166 00:18:04,055 --> 00:18:08,375 藤原家保と申す。→ 167 00:18:08,375 --> 00:18:15,216 本日の加冠役は 我が子 家成にござる。 168 00:18:15,216 --> 00:18:20,271 では 早速 お伺いしたき儀が ござりまする。 169 00:18:20,271 --> 00:18:24,542 おや? 何でござりましょう? 170 00:18:24,542 --> 00:18:32,342 何故 貴族は 白河の院の 悪しき政をいさめられませぬか?! 171 00:18:34,034 --> 00:18:36,537 殺生禁断令が→ 172 00:18:36,537 --> 00:18:41,041 民を苦しめておる事が 分かりませぬか?! 173 00:18:41,041 --> 00:18:44,378 おやおや これは 手厳しい。 174 00:18:44,378 --> 00:18:46,380 (家貞)無礼が過ぎまするぞ 平太様! 175 00:18:46,380 --> 00:18:48,382 お答え頂けぬのならば→ 176 00:18:48,382 --> 00:18:54,882 さようなお方の加冠など 御免被りまする。 ふん! 177 00:18:56,557 --> 00:19:00,027 ご無礼つかまつりまする。 誰じゃ?! 178 00:19:00,027 --> 00:19:03,714 伊勢にて 代々 平氏に お仕えしておりまする→ 179 00:19:03,714 --> 00:19:08,035 伊藤忠清と申します。 180 00:19:08,035 --> 00:19:13,374 本日のご元服 すんなりといかぬ事→ 181 00:19:13,374 --> 00:19:16,861 殿は お見通し。 何をする?! 182 00:19:16,861 --> 00:19:19,213 (忠清)式を滞りなく進めよと→ 183 00:19:19,213 --> 00:19:24,713 この忠清が 仰せつかっておりまする。 184 00:19:27,388 --> 00:19:31,208 (家成)先ほど 問われた事に ござりまするが→ 185 00:19:31,208 --> 00:19:38,532 白河院も 御年76。 少々 お耳が遠くなっておいででしょう。 186 00:19:38,532 --> 00:19:42,703 表で 野良犬が いくら吠えても聞こえませぬ。 187 00:19:42,703 --> 00:19:47,041 せめて 飼い犬となって→ 188 00:19:47,041 --> 00:19:51,545 お耳のそばで 吠えませぬとな。 189 00:19:51,545 --> 00:20:09,864 ♪♪~ 190 00:20:09,864 --> 00:20:16,871 本日より 名を→ 191 00:20:16,871 --> 00:20:20,708 「清盛」と改めよ。 192 00:20:20,708 --> 00:20:27,047 <世に 平清盛が現れた> 193 00:20:27,047 --> 00:20:31,847 お~っ! 194 00:20:33,537 --> 00:20:39,043 やはり 海はいいのう 鱸丸。 195 00:20:39,043 --> 00:20:44,865 ここに来ると いつも 気持ちが晴れ晴れとする。 196 00:20:44,865 --> 00:20:49,065 (鱸丸)そう言うて頂くと うれしゅうござりまする。 197 00:20:53,390 --> 00:20:57,695 出来たようにございますね。 198 00:20:57,695 --> 00:21:00,195 体の軸とやらが。 199 00:21:03,050 --> 00:21:06,387 おっ。 清盛様! 200 00:21:06,387 --> 00:21:11,709 お前が いらぬ事を申すからだぞ! 申し訳ござりませぬ。 201 00:21:11,709 --> 00:21:14,528 ああ~! 202 00:21:14,528 --> 00:21:18,866 俺も 漁師に生まれればよかった。 203 00:21:18,866 --> 00:21:24,555 魚を取って 食って 生きていけたら どんなにか…。 204 00:21:24,555 --> 00:21:26,540 なあ 鱸丸! 205 00:21:26,540 --> 00:21:35,866 ♪♪~ 206 00:21:35,866 --> 00:21:40,704 もしや ここにまで お触れが及んでおるのか? 207 00:21:40,704 --> 00:21:46,877 漁を禁じられ 網を焼かれ→ 208 00:21:46,877 --> 00:21:50,381 どう暮らしておるのだ? 209 00:21:50,381 --> 00:21:52,700 (滝次)草鞋を編んだり→ 210 00:21:52,700 --> 00:21:56,537 菜を摘みに行って うっ…。 211 00:21:56,537 --> 00:21:59,206 滝次 あまり無理をするでない。 212 00:21:59,206 --> 00:22:07,214 わしは ここらの長ですゆえ 皆を飢えさせる訳には…。 213 00:22:07,214 --> 00:22:14,705 何だって法皇様は 殺生の禁断などなさるのかな。 214 00:22:14,705 --> 00:22:19,543 それで俺たちが飢えて死んでも 構わないっていうのか? 215 00:22:19,543 --> 00:22:26,383 よせ 鱸丸! 法皇様の悪口を言うんじゃねえ。→ 216 00:22:26,383 --> 00:22:33,683 平氏の方々は 法皇様に お仕えしておるのだから。 217 00:22:36,710 --> 00:23:06,707 ♪♪~ 218 00:23:06,707 --> 00:23:10,377 大丈夫か?! しっかりせえ! 219 00:23:10,377 --> 00:23:14,715 鱸丸?! 鱸丸ではないか! 220 00:23:14,715 --> 00:23:18,035 どうした? しっかりせえ! 鱸丸! 221 00:23:18,035 --> 00:23:22,039 いかが致しました? 鱸丸が…。 222 00:23:22,039 --> 00:23:25,209 (忠盛)何事じゃ? 223 00:23:25,209 --> 00:23:29,046 お父が… 連れていかれた。 224 00:23:29,046 --> 00:23:33,200 滝次が?! 何故じゃ?! 225 00:23:33,200 --> 00:23:36,700 漁を… 漁をしたんです。 226 00:23:38,288 --> 00:23:44,545 俺や 村の皆が…→ 227 00:23:44,545 --> 00:23:48,549 飢えているのを見かね…。 228 00:23:48,549 --> 00:23:50,534 鱸丸! (家貞)こりゃ いかん。→ 229 00:23:50,534 --> 00:23:52,536 早う 手当てを! はっ。 230 00:23:52,536 --> 00:23:55,536 あとは お任せを。 しっかりせえ! 231 00:24:04,882 --> 00:24:09,870 父上! 早う 滝次を 助けに行きませぬと! 232 00:24:09,870 --> 00:24:14,541 此度の事は 法皇様の命に背いた滝次が過ち。 233 00:24:14,541 --> 00:24:17,541 黙して 沙汰を待つまでじゃ。 234 00:24:21,048 --> 00:24:25,548 話にならぬ! 法皇様に逆らってはならぬ! 235 00:24:29,039 --> 00:24:36,380 ならば… 何故 名付けたんだ? 236 00:24:36,380 --> 00:24:40,080 俺を 清盛と。 237 00:24:47,541 --> 00:24:53,041 何故 「清い」の文字など 与えたんだ?! 238 00:24:57,050 --> 00:25:03,373 罪なき民を泣かせて 武士など名乗れるか~! 239 00:25:03,373 --> 00:25:27,548 ♪♪~ 240 00:25:27,548 --> 00:25:30,048 「武士」と申したぞ。 241 00:25:35,389 --> 00:25:40,444 清盛が…→ 242 00:25:40,444 --> 00:25:45,944 己を… 武士と。 243 00:25:49,036 --> 00:25:54,736 (笑い声) 244 00:25:56,376 --> 00:26:09,389 (読経) 245 00:26:09,389 --> 00:26:12,042 (近習)申し上げまする。→ 246 00:26:12,042 --> 00:26:16,046 拝謁賜りたいと しつこく 申す者が参っておりまして…。 247 00:26:16,046 --> 00:26:19,746 (白河法皇)追い返せ。 (近習)はっ。 248 00:26:23,387 --> 00:26:30,687 いきなり参って このわしに 会えると思うとは どこの…。 249 00:27:02,042 --> 00:27:04,742 (白河法皇)面を上げよ。 250 00:27:13,036 --> 00:27:18,036 平清盛と申す者は そちか? 251 00:27:20,043 --> 00:27:22,029 はい。 252 00:27:22,029 --> 00:27:25,029 平忠盛が子か? 253 00:27:29,703 --> 00:27:34,703 平忠盛は… 父ではござりませぬ。 254 00:27:41,715 --> 00:27:46,015 して 何用あって ここへ来た? 255 00:27:48,038 --> 00:27:53,043 滝次を ご放免下さりませ! 滝次? 256 00:27:53,043 --> 00:27:56,363 西海の漁師にござります。 禁断令に背き→ 257 00:27:56,363 --> 00:27:59,549 殺生をしたかどで 捕らえられましてござりまする。 258 00:27:59,549 --> 00:28:03,036 されど 魚を取るは 漁師には生きる道。 259 00:28:03,036 --> 00:28:05,205 これを捕らえるとは奇っ怪。 260 00:28:05,205 --> 00:28:10,193 すぐに ご放免こそ なされるべき道と存じまする。 261 00:28:10,193 --> 00:28:13,213 ならぬ! 何故にござりまするか?! 262 00:28:13,213 --> 00:28:16,216 示しがつかぬ。 263 00:28:16,216 --> 00:28:20,387 見せしめのためと 仰せられまするか?! 264 00:28:20,387 --> 00:28:24,187 国を治めるためと申しておる! 265 00:28:29,212 --> 00:28:31,912 戯言にござりまする。 266 00:28:36,870 --> 00:28:45,879 法皇様は おびえておいでにござりましょう。 267 00:28:45,879 --> 00:28:53,704 現に生きる もののけがごとき おのが振る舞いに! 268 00:28:53,704 --> 00:29:03,380 それゆえ 今更 仏の教えにすがり 漁網を焼く。 269 00:29:03,380 --> 00:29:08,719 あの どす黒き煙のように→ 270 00:29:08,719 --> 00:29:15,019 月の光に染まろうと 必死に あがいておいでなのです! 271 00:29:18,044 --> 00:29:23,700 これは 面白き事を申す。 272 00:29:23,700 --> 00:29:29,700 わしが 現に生ける もののけとは。 273 00:29:35,712 --> 00:29:41,384 では そちは どうじゃ? 274 00:29:41,384 --> 00:29:45,084 誰が腹から生まれた? 275 00:29:49,042 --> 00:29:51,044 存じませぬ。 276 00:29:51,044 --> 00:29:56,716 そうか。 知らぬか。 277 00:29:56,716 --> 00:30:10,197 ♪♪~ 278 00:30:10,197 --> 00:30:14,997 そちの母は 白拍子じゃ。 279 00:30:17,871 --> 00:30:21,374 卑しき遊び女じゃ。 おやめ下さりませ。 280 00:30:21,374 --> 00:30:24,194 その女…。 聞きとうござりませぬ! 281 00:30:24,194 --> 00:30:27,047 陰陽師が申すに→ 282 00:30:27,047 --> 00:30:34,721 王家に災いをなす者を 腹に宿しておった。 283 00:30:34,721 --> 00:30:41,361 それゆえ 腹の子を流すよう命じた。 284 00:30:41,361 --> 00:30:46,883 だが 従わず逃げおったゆえ→ 285 00:30:46,883 --> 00:30:50,083 わしが殺した。 286 00:30:54,040 --> 00:30:59,040 そちの座っておる その場所でな。 287 00:31:08,388 --> 00:31:11,088 その腹より出でた赤子の…。 288 00:31:15,378 --> 00:31:18,378 そちの目の前での。 289 00:32:12,035 --> 00:32:17,557 ♪♪~ 290 00:32:17,557 --> 00:32:21,057 何故…。 291 00:32:24,047 --> 00:32:29,347 ならば 何故 私は…。 292 00:32:33,373 --> 00:32:36,073 生きておるのですか? 293 00:32:43,049 --> 00:32:48,049 王家に 災いをもたらす者と言われ…。 294 00:32:51,207 --> 00:32:54,407 母を殺されて なお…。 295 00:33:00,717 --> 00:33:05,722 何故 私は…→ 296 00:33:05,722 --> 00:33:08,375 生きておるのですか? 297 00:33:08,375 --> 00:33:17,033 ♪♪~ 298 00:33:17,033 --> 00:33:21,204 それはのう→ 299 00:33:21,204 --> 00:33:27,210 そちにも この もののけの血が→ 300 00:33:27,210 --> 00:33:30,710 流れておるからじゃ。 301 00:33:33,366 --> 00:33:35,666 分かったか? 302 00:33:38,438 --> 00:33:40,874 清盛! 303 00:33:40,874 --> 00:33:54,037 ♪♪~ 304 00:33:54,037 --> 00:34:10,053 (白河法皇の笑い声) 305 00:34:10,053 --> 00:34:18,044 ♪♪~ 306 00:34:18,044 --> 00:34:20,044 鱸丸。 307 00:34:24,868 --> 00:34:29,368 すまぬ! もう いいのです。 もう…。 308 00:34:35,361 --> 00:34:39,365 お父は もう…。 309 00:34:39,365 --> 00:34:44,871 (泣き声) 310 00:34:44,871 --> 00:34:47,874 鱸丸…。 311 00:34:47,874 --> 00:34:52,374 すまぬ! すまぬ! 312 00:34:57,534 --> 00:34:59,734 (忠盛)清盛。 313 00:35:14,701 --> 00:35:16,701 父上。 314 00:35:21,374 --> 00:35:25,879 舞の稽古を…→ 315 00:35:25,879 --> 00:35:28,179 つけて下さりませ。 316 00:35:32,719 --> 00:35:41,211 ♪♪~ 317 00:35:41,211 --> 00:35:45,215 本日の祭りは 見ものでござりまするぞ。 318 00:35:45,215 --> 00:35:48,034 見もの… と申しますと? 319 00:35:48,034 --> 00:35:52,205 平清盛殿が 舞人を務めまする。 320 00:35:52,205 --> 00:35:54,207 平清盛…? 321 00:35:54,207 --> 00:36:16,713 ♪♪~ 322 00:36:16,713 --> 00:36:21,768 どこまで図に乗れば 気が済むのだ 平氏め! 323 00:36:21,768 --> 00:36:25,038 (鎌田通清) 殿 お声が高うござります。 324 00:36:25,038 --> 00:36:39,738 ♪♪~ 325 00:36:45,041 --> 00:37:15,371 ♪♪~ 326 00:37:15,371 --> 00:37:20,710 さすが 白河院の落とし胤と 噂されるだけはある。 327 00:37:20,710 --> 00:37:22,712 落とし胤?! 328 00:37:22,712 --> 00:37:25,715 (家成)噂ですよ 噂。 329 00:37:25,715 --> 00:38:06,015 ♪♪~ 330 00:38:09,375 --> 00:38:13,713 ♪♪~ 331 00:38:13,713 --> 00:38:15,698 殿。 332 00:38:15,698 --> 00:38:21,871 ♪♪~ 333 00:38:21,871 --> 00:38:25,571 随分と 型破りな趣向ですな。 334 00:38:27,210 --> 00:38:30,713 あの男 いつかの…。 335 00:38:30,713 --> 00:38:34,550 ♪♪~ 336 00:38:34,550 --> 00:38:38,721 それはのう そちにも→ 337 00:38:38,721 --> 00:38:45,044 この もののけの血が 流れておるからじゃ。 338 00:38:45,044 --> 00:38:48,715 分かったか? 清盛! 339 00:38:48,715 --> 00:38:51,050 うわ~っ! 340 00:38:51,050 --> 00:39:11,750 ♪♪~ 341 00:39:21,047 --> 00:39:24,347 何じゃ? 今のは。 舞の手か? 342 00:39:37,380 --> 00:39:43,380 (白河法皇)なかなかに 面白き舞であった。 343 00:39:51,527 --> 00:39:55,698 まこと 武士の子らしゅうての。 344 00:39:55,698 --> 00:40:45,548 ♪♪~ 345 00:40:45,548 --> 00:40:49,548 俺は 父上のようにはならぬ。 346 00:40:52,722 --> 00:40:58,022 王家の犬にも 平氏の犬にもならぬ。 347 00:41:03,716 --> 00:41:08,016 されど 俺は生きる。 348 00:41:11,040 --> 00:41:14,544 野良犬の声が→ 349 00:41:14,544 --> 00:41:18,044 この面白うもない世を変えるまで。 350 00:41:20,716 --> 00:41:25,916 面白う… 生きてやる。 351 00:41:29,709 --> 00:41:33,713 さようか。 352 00:41:33,713 --> 00:41:35,698 好きにせよ。 353 00:41:35,698 --> 00:42:02,998 ♪♪~ 354 00:42:08,214 --> 00:42:10,216 (武者丸)父上。 355 00:42:10,216 --> 00:42:13,369 武者丸。 何をしておる? 356 00:42:13,369 --> 00:42:19,208 ここから見ておったのですよ。 実に よう見えました。 357 00:42:19,208 --> 00:42:23,008 あれが 平清盛。 358 00:42:29,552 --> 00:42:36,542 <これより四月後の 大治4年7月7日> 359 00:42:36,542 --> 00:42:38,711 (読経) 360 00:42:38,711 --> 00:42:41,881 ああ~…。 361 00:42:41,881 --> 00:42:44,381 ああ~っ! 362 00:42:46,936 --> 00:42:50,936 <白河院 崩御> 363 00:42:55,711 --> 00:42:59,382 <白河院を頂く事により→ 364 00:42:59,382 --> 00:43:04,370 よくも悪くも保たれていた均衡が 崩れ→ 365 00:43:04,370 --> 00:43:11,377 世は 乱世へと なだれ込んでいく事になる> 366 00:43:11,377 --> 00:43:21,077 ♪♪~ 367 00:43:22,705 --> 00:43:26,042 弱い者いじめ してんじゃねえよ! 368 00:43:26,042 --> 00:43:28,210 俺は 一人で生きておるのだ! 369 00:43:28,210 --> 00:43:30,713 平清盛だな? 俺と勝負せえ。 370 00:43:30,713 --> 00:43:34,216 我が子のように慈しめと申すか?! 371 00:43:34,216 --> 00:43:37,053 花は盛りに 咲き誇りけり。 372 00:43:37,053 --> 00:43:39,053 清盛は 私の子でございます! 373 00:43:42,375 --> 00:43:46,375 俺は どうしようもない男じゃ。 374 00:43:48,714 --> 00:43:52,368 <京都府の南 八幡市に→ 375 00:43:52,368 --> 00:43:54,870 清盛が舞を奉納した→ 376 00:43:54,870 --> 00:43:59,041 石清水八幡宮があります。→ 377 00:43:59,041 --> 00:44:05,865 都の守り神として崇められ 源氏にも重んじられてきました。→ 378 00:44:05,865 --> 00:44:09,035 清盛の祖父 正盛も→ 379 00:44:09,035 --> 00:44:14,874 一部 造営に加わったと されています。→ 380 00:44:14,874 --> 00:44:19,362 大治4年 1129年。→ 381 00:44:19,362 --> 00:44:26,035 清盛が 臨時祭で 舞を舞ったと される記録が残されています。→ 382 00:44:26,035 --> 00:44:30,373 清盛一行の装束が美しく贅沢で→ 383 00:44:30,373 --> 00:44:37,046 人々を驚かせたと 伝えられています。→ 384 00:44:37,046 --> 00:44:42,551 多くの貴族を前にして 舞を奉納した このころから→ 385 00:44:42,551 --> 00:44:48,551 清盛は 目覚ましい出世を 果たしていくのです>