1 00:00:35,950 --> 00:00:40,605 (源頼朝)<久安5年3月。→ 2 00:00:40,605 --> 00:00:45,443 平氏は 鳥羽院の 熊野詣での警固をつとめ→ 3 00:00:45,443 --> 00:00:48,613 無事 参詣を 済ませた後→ 4 00:00:48,613 --> 00:00:50,913 帰途に着いた> 5 00:00:54,435 --> 00:00:56,621 (平家盛)兄上…。 6 00:00:56,621 --> 00:01:02,610 ♪♪~ 7 00:01:02,610 --> 00:01:05,613 (馬のいななき) 8 00:01:05,613 --> 00:01:10,601 (泣き声) 9 00:01:10,601 --> 00:01:42,433 ♪♪~ 10 00:01:42,433 --> 00:01:44,433 (宗子)家盛。 11 00:01:46,270 --> 00:01:51,270 家盛。 …家盛。 12 00:01:54,612 --> 00:01:59,934 嘘じゃ。 家盛? 13 00:01:59,934 --> 00:02:02,270 家盛! 14 00:02:02,270 --> 00:02:04,939 いや いや! いや いや いや いや! 15 00:02:04,939 --> 00:02:08,609 家盛! 嘘じゃ 嘘じゃ!→ 16 00:02:08,609 --> 00:02:12,309 家盛。 家盛…。 17 00:02:14,282 --> 00:02:17,935 いや いや いや いや! いやじゃ いやじゃ いやじゃ!→ 18 00:02:17,935 --> 00:02:22,235 家盛! 家盛! 家盛~! 19 00:02:33,768 --> 00:02:36,604 (平清盛)家盛…。 20 00:02:36,604 --> 00:02:39,104 (宗子)触るでない! 21 00:02:42,610 --> 00:02:48,616 家盛に… 触るでない! 22 00:02:48,616 --> 00:02:50,935 (平家貞)北の方様。 23 00:02:50,935 --> 00:03:00,261 ♪♪~ 24 00:03:00,261 --> 00:03:02,280 (平忠正)お前じゃ! 25 00:03:02,280 --> 00:03:08,102 お前が この家に 災いを持ち込んだ! 26 00:03:08,102 --> 00:03:13,775 お前が 神輿に矢など射たゆえ→ 27 00:03:13,775 --> 00:03:16,775 家盛に神罰が被ったのじゃ! 28 00:03:20,615 --> 00:03:25,603 (伊藤忠清)忠正様! 忠正様 おやめ下さい! 29 00:03:25,603 --> 00:03:30,942 お前が… お前が死ねばよかったのじゃ!→ 30 00:03:30,942 --> 00:03:38,599 家盛の代わりに お前が死ねば よかったのじゃ! 31 00:03:38,599 --> 00:03:44,105 (平維綱)家盛様。 とこしえに→ 32 00:03:44,105 --> 00:03:48,905 維綱は 家盛様のおそばに おりまする。 33 00:03:51,279 --> 00:03:56,267 (泣き声) 34 00:03:56,267 --> 00:04:07,111 ♪♪~ 35 00:04:07,111 --> 00:04:24,278 ♪♪~(テーマ音楽) 36 00:04:24,278 --> 00:06:42,278 ♪♪~ 37 00:06:48,272 --> 00:06:54,261 (平盛国)秀子様は 親元へ 戻られるそうにござりまする。 38 00:06:54,261 --> 00:06:56,461 (時子)さようか。 39 00:07:05,106 --> 00:07:07,942 殿! 何を?! 40 00:07:07,942 --> 00:07:10,277 (盛国)殿! 41 00:07:10,277 --> 00:07:13,977 殿! 何故 そのような…。 42 00:07:17,284 --> 00:07:20,284 (平頼盛)何をしておいでです?! 43 00:07:26,110 --> 00:07:30,110 どうも兄上は やる事が いちいち仰々しい。 44 00:07:36,937 --> 00:07:40,274 落馬の寸前→ 45 00:07:40,274 --> 00:07:45,274 家盛の兄上は 確かに つぶやかれましてござります。 46 00:07:49,266 --> 00:07:51,566 「兄上」と。 47 00:07:59,326 --> 00:08:04,949 思い違いを なさりませぬよう。 48 00:08:04,949 --> 00:08:09,120 正直に申しまして→ 49 00:08:09,120 --> 00:08:15,609 私は 兄上… あなたが苦手です。 50 00:08:15,609 --> 00:08:21,615 騒々しく何かをしでかしては そうして くよくよと悩まれる。 51 00:08:21,615 --> 00:08:23,951 代わりに死ねばよかった。 52 00:08:23,951 --> 00:08:26,620 …とまでは思いませぬが→ 53 00:08:26,620 --> 00:08:31,275 家盛の兄上は 私にとって ただ一人→ 54 00:08:31,275 --> 00:08:35,775 父と母を同じくする 心安い兄でした。 55 00:08:38,099 --> 00:08:42,899 家盛の兄上の 最期の言葉を…。 56 00:08:45,940 --> 00:08:52,613 最期に伝えたかった相手に お知らせするは→ 57 00:08:52,613 --> 00:08:55,613 私のつとめにござりましょう。 58 00:08:59,437 --> 00:09:05,109 (平忠盛)しばらく出仕もかなわず ご無礼をば致しました。 59 00:09:05,109 --> 00:09:09,780 (鳥羽法皇)そちには 子→ 60 00:09:09,780 --> 00:09:15,269 清盛には 弟の にわかなる死。→ 61 00:09:15,269 --> 00:09:20,941 つとめに気が入らぬも 無理からぬ事。 62 00:09:20,941 --> 00:09:26,614 いましばらく 休むがよい。 63 00:09:26,614 --> 00:09:30,267 身に余る お心遣い。 64 00:09:30,267 --> 00:09:36,273 されど 所詮は 取るに足らぬ 我が身内の事。 65 00:09:36,273 --> 00:09:40,444 一刻も早く つとめに戻り 忠義を尽くすが→ 66 00:09:40,444 --> 00:09:44,281 家盛にとっても 本望にござりましょう。 67 00:09:44,281 --> 00:09:47,935 (鳥羽法皇)あっぱれな心掛けじゃ。 68 00:09:47,935 --> 00:09:56,235 せんだっての落雷により 高野山内の大塔や金堂が炎上した。 69 00:09:58,946 --> 00:10:01,646 建て直したいが…。 70 00:10:04,268 --> 00:10:08,105 是非 私めに ご命じ下さりませ。 71 00:10:08,105 --> 00:10:14,111 (藤原家成)財をなげうっての 大仕事となりますよ。 72 00:10:14,111 --> 00:10:16,411 おそれながら。 73 00:10:18,449 --> 00:10:22,269 高野山の宝塔再建は→ 74 00:10:22,269 --> 00:10:30,277 この清盛を 私の名代としては頂けませぬか? 75 00:10:30,277 --> 00:10:33,948 ほう~。 76 00:10:33,948 --> 00:10:38,269 清盛を名代に。 77 00:10:38,269 --> 00:10:43,969 何とぞ お願い申し上げまする。 78 00:10:47,778 --> 00:10:54,285 <7月9日 高野山の大塔造営の 事始めが行われ→ 79 00:10:54,285 --> 00:10:58,285 清盛が その代官として臨んだ> 80 00:11:00,274 --> 00:11:03,611 (盛国)ここに 塔を 建て直すのでござりまするか。 81 00:11:03,611 --> 00:11:09,311 うむ。 数年がかりとなろう。 82 00:11:10,951 --> 00:11:12,951 ん? 何じゃ? 83 00:11:14,772 --> 00:11:16,774 坊主か。 84 00:11:16,774 --> 00:11:20,277 ♪♪~ 85 00:11:20,277 --> 00:11:22,930 くせ者! 待て 清盛! 86 00:11:22,930 --> 00:11:24,930 ん? 87 00:11:28,452 --> 00:11:30,452 私だ。 88 00:11:33,107 --> 00:11:35,276 義清! 89 00:11:35,276 --> 00:11:42,116 坊主のくせに 武士の如き殺気を漂わせおって。 90 00:11:42,116 --> 00:11:47,605 姿は変わられても やはり 義清様にござりまするな。 91 00:11:47,605 --> 00:11:51,442 今は 西行と名乗りまする。 92 00:11:51,442 --> 00:11:53,442 ほう~。 93 00:11:55,613 --> 00:11:57,598 いつから ここに? 94 00:11:57,598 --> 00:12:00,100 つい せんだってにござります。 95 00:12:00,100 --> 00:12:02,620 長らく 旅に出ておりましたゆえ。 96 00:12:02,620 --> 00:12:05,940 旅? 陸奥の国まで。 97 00:12:05,940 --> 00:12:10,240 さような遠くまで 何の用があって? 98 00:12:23,774 --> 00:12:25,776 ん? 99 00:12:25,776 --> 00:12:28,946 平泉にて詠んだ歌にござります。 100 00:12:28,946 --> 00:12:34,601 雪は降るは 嵐は激しいは 空は えらく荒れておりましたが→ 101 00:12:34,601 --> 00:12:37,621 早う 衣川が見とうて参りました。 102 00:12:37,621 --> 00:12:40,941 いや もう 心も凍る寒さにござりました。 103 00:12:40,941 --> 00:12:43,944 ハハハハハ! 104 00:12:43,944 --> 00:12:48,932 何をやっておるのじゃ? お前は! はるばる さような所まで行き→ 105 00:12:48,932 --> 00:12:53,937 震えながら 歌なんぞ詠んでおるとは! 106 00:12:53,937 --> 00:12:59,943 その どこか ふわふわとした風情→ 107 00:12:59,943 --> 00:13:01,945 変わらぬのう。 108 00:13:01,945 --> 00:13:05,645 あの~。 ん? 109 00:13:07,284 --> 00:13:10,604 西行様! 麓で取れた 菜にござりまする。 110 00:13:10,604 --> 00:13:13,440 お召し上がり下さりませ! 何じゃ?! 111 00:13:13,440 --> 00:13:16,610 うちで取れた芋が とりわけ おいしゅうござりまする! 112 00:13:16,610 --> 00:13:20,280 これは いつも 痛み入りまする。 113 00:13:20,280 --> 00:13:23,434 こちらに置かせて頂きまする! 114 00:13:23,434 --> 00:13:27,104 まこと 変わらぬ。 115 00:13:27,104 --> 00:13:33,444 ♪♪~ 116 00:13:33,444 --> 00:13:36,930 (平時忠)やはり あの時→ 117 00:13:36,930 --> 00:13:40,601 出ていけばよかったと 思うておるのでしょう? 118 00:13:40,601 --> 00:13:42,601 (時子)時忠。 119 00:13:46,290 --> 00:13:51,612 家盛様が死んだのは 清盛様のせいだって→ 120 00:13:51,612 --> 00:13:54,264 専らの噂ですよ。 121 00:13:54,264 --> 00:13:56,283 つまらぬ事を 言うのではありませぬ! 122 00:13:56,283 --> 00:13:58,936 あれの どこが 光る君にござりますか?! 123 00:13:58,936 --> 00:14:10,280 ♪♪~ 124 00:14:10,280 --> 00:14:16,103 確かに 思い描いていたお方とは 違います。 125 00:14:16,103 --> 00:14:18,605 でしょう? 126 00:14:18,605 --> 00:14:25,305 思うておったよりも ずっと… 寂しいお方。 127 00:14:28,432 --> 00:14:34,232 誰よりも 人恋しく生きてこられたお方。 128 00:14:37,608 --> 00:14:44,281 私は 断じて おそばを離れはしませぬ。 129 00:14:44,281 --> 00:14:49,336 蔵のものは 要るだけ清盛に与えよ。 はっ。 130 00:14:49,336 --> 00:14:52,940 大工も仏師も 皆 極上の者を求めるのじゃ。 131 00:14:52,940 --> 00:14:54,940 ははっ。 132 00:14:57,111 --> 00:15:00,614 この宝塔再建→ 133 00:15:00,614 --> 00:15:04,618 我が積年の志を遂げる機会と 心得よ。 134 00:15:04,618 --> 00:15:07,618 承知致しましてござります。 135 00:15:14,278 --> 00:15:20,934 全く… どういうつもりなのだ? 136 00:15:20,934 --> 00:15:24,271 義姉上のお気持ちも考えず→ 137 00:15:24,271 --> 00:15:29,610 この期に及んで 清盛を名代とするは。 138 00:15:29,610 --> 00:15:35,115 大事ないのでござりましょうか? ん? 139 00:15:35,115 --> 00:15:41,271 あれほどのお強さを 持ち続けてきた殿ゆえにこそ→ 140 00:15:41,271 --> 00:15:48,071 張り詰めてきたものが ぷつりと切れてしまったら…。 141 00:15:52,115 --> 00:15:57,104 兄上に限って さような事はござらぬ。 142 00:15:57,104 --> 00:16:07,948 ♪♪~ 143 00:16:07,948 --> 00:16:10,648 <1月4日> 144 00:16:12,936 --> 00:16:17,436 <近衛帝が ご元服なされた> 145 00:16:19,943 --> 00:16:23,280 <その僅か数日の後に→ 146 00:16:23,280 --> 00:16:26,283 左大臣 頼長様の養女→ 147 00:16:26,283 --> 00:16:29,283 多子様が入内された> 148 00:16:31,622 --> 00:16:37,110 一層 華やかな入内となるよう 意を尽くせよ。 149 00:16:37,110 --> 00:16:43,600 <摂政 忠通様は これに警戒の念を募らせ→ 150 00:16:43,600 --> 00:16:47,938 ご自分の養女 呈子様の入内に向けて→ 151 00:16:47,938 --> 00:16:50,774 動き始めた> 152 00:16:50,774 --> 00:16:56,074 お父上様 左大臣様 お見えにござりまする。 153 00:16:58,115 --> 00:17:01,451 頼長との養子縁組みを 反故にしただけでは→ 154 00:17:01,451 --> 00:17:03,651 飽きたらぬか。 155 00:17:06,940 --> 00:17:12,940 何度も申したはずじゃ。 頼長に摂政の座を譲れ。 156 00:17:16,600 --> 00:17:19,600 (藤原頼長)祝いの品を。 はっ。 157 00:17:21,605 --> 00:17:25,275 結構! 158 00:17:25,275 --> 00:17:31,949 父上 かような事で いちいち 宇治から出てこられるは→ 159 00:17:31,949 --> 00:17:36,620 大儀にござりましょう。 160 00:17:36,620 --> 00:17:39,320 お話は これまで。 161 00:17:44,278 --> 00:17:51,278 <藤原摂関家のご兄弟の争いは 激しさを増していった> 162 00:17:55,939 --> 00:18:03,613 (雅仁親王) ♪♪「われを頼めて来ぬ男」 163 00:18:03,613 --> 00:18:11,772 ♪♪「角三つ 生ひたる鬼になれ」 164 00:18:11,772 --> 00:18:15,108 <一方 こちらには…> 165 00:18:15,108 --> 00:18:20,180 (笑い声) 166 00:18:20,180 --> 00:18:26,436 <権力争いから 最も遠い所に はじかれた お二人が→ 167 00:18:26,436 --> 00:18:29,940 共に暮らしておられた> 168 00:18:29,940 --> 00:18:32,440 (雅仁親王)これは 上皇様。 169 00:18:35,762 --> 00:18:40,062 (崇徳上皇)よい。 面を上げよ。 170 00:18:42,602 --> 00:18:45,602 我ら 兄弟ではないか。 171 00:18:48,275 --> 00:18:54,114 摂政と左大臣が争うて→ 172 00:18:54,114 --> 00:18:57,267 娘を入内させておるそうな。 173 00:18:57,267 --> 00:19:01,967 (雅仁親王)ほう~ それは存じませなんだ。 174 00:19:08,278 --> 00:19:12,978 そなたは 帝の座は 望んだ事はないのか? 175 00:19:14,601 --> 00:19:21,441 今の帝さえ お生まれにならなければ→ 176 00:19:21,441 --> 00:19:24,611 そなたとて…。 177 00:19:24,611 --> 00:19:31,268 (笑い声) 178 00:19:31,268 --> 00:19:34,604 まるで ござりませぬ。 179 00:19:34,604 --> 00:19:41,604 帝とならば こう 日がな一日 歌うてはおられますまい。 180 00:19:45,766 --> 00:19:53,106 ♪♪「われを頼めて来ぬ男」 181 00:19:53,106 --> 00:20:01,932 ♪♪「角三つ生ひたる鬼になれ」 182 00:20:01,932 --> 00:20:04,232 いっそ…。 183 00:20:06,269 --> 00:20:09,969 そなたほど潔ければのう。 184 00:20:14,611 --> 00:20:20,784 (信西)こちらが 当代きっての絵師 常明じゃ。 185 00:20:20,784 --> 00:20:23,103 来てもろうたは ほかでもない。 186 00:20:23,103 --> 00:20:27,274 高野山の金堂にお納めする 曼荼羅を描いてほしいのじゃ。 187 00:20:27,274 --> 00:20:33,447 (常明)身に余る誉れ。 身命を賭して つとめまする。 188 00:20:33,447 --> 00:20:37,951 信西殿 痛み入る。 よう 連れてきてくれた。 189 00:20:37,951 --> 00:20:42,456 なに。 雅仁様が 常明の絵を 大層 お好みゆえ→ 190 00:20:42,456 --> 00:20:45,942 少しばかり見知っておったのだ。 あの風狂なお方が? 191 00:20:45,942 --> 00:20:48,242 これこれ。 これ。 192 00:20:49,930 --> 00:20:51,930 殿。 193 00:20:54,601 --> 00:20:56,937 そろそろ刻限かと。 194 00:20:56,937 --> 00:20:59,456 すぐに参る。 195 00:20:59,456 --> 00:21:03,276 今日は 家盛の一周忌にて→ 196 00:21:03,276 --> 00:21:08,276 供養のため 正倉院に 愛用の品々を納めるのじゃ。 197 00:21:13,603 --> 00:21:17,103 これも お納めになって下さりませ。 198 00:21:22,612 --> 00:21:28,612 この志のために 家盛は死んだのですから。 199 00:21:39,279 --> 00:21:44,334 それで そなたの気が済むならば→ 200 00:21:44,334 --> 00:21:46,834 好きに致すがよい。 201 00:21:55,278 --> 00:22:19,269 ♪♪~ 202 00:22:19,269 --> 00:22:21,288 (忠正)何事じゃ? 203 00:22:21,288 --> 00:22:48,281 ♪♪~ 204 00:22:48,281 --> 00:22:53,603 (盛国)殿。 お客人にござりまする。 205 00:22:53,603 --> 00:22:55,603 西行! 206 00:22:57,274 --> 00:23:01,274 (盛国)西行様。 北の方様にござりまする。 207 00:23:07,100 --> 00:23:09,452 どうしたのじゃ? 208 00:23:09,452 --> 00:23:15,152 高野山 宝塔再建の勧進のため 山を下りてまいりましたもので。 209 00:23:18,278 --> 00:23:21,264 すまぬが 西行→ 210 00:23:21,264 --> 00:23:26,953 俺には 宝塔再建のつとめは かなわぬ。 211 00:23:26,953 --> 00:23:30,440 いかがなされました? 212 00:23:30,440 --> 00:23:35,779 今 一門は ひどい嵐の ただ中におる。 213 00:23:35,779 --> 00:23:38,765 そして→ 214 00:23:38,765 --> 00:23:43,965 その嵐のもとは… 俺なのじゃ。 215 00:23:45,605 --> 00:23:50,610 俺という よそ者が 平氏の子となった時から→ 216 00:23:50,610 --> 00:23:54,310 この嵐は 巻き起こり始めておった。 217 00:23:56,599 --> 00:24:00,937 家盛の亡骸に 触れる事も許されず→ 218 00:24:00,937 --> 00:24:06,609 「家盛の代わりに死ねばよかった」 とまで言われ…。 219 00:24:06,609 --> 00:24:11,681 そんな俺が このつとめを果たしたとて→ 220 00:24:11,681 --> 00:24:16,603 どうして家盛が浮かばれる? 221 00:24:16,603 --> 00:24:18,603 殿…。 222 00:24:29,265 --> 00:24:34,938 ♪♪~ 223 00:24:34,938 --> 00:24:39,609 平泉にて あの寒さの中→ 224 00:24:39,609 --> 00:24:45,309 あの吹雪の衣川を 私は 飽く事なく眺めておりました。 225 00:24:48,268 --> 00:24:55,608 凍りそうな身と心を抱えて それでも 目を離せなんだ。 226 00:24:55,608 --> 00:24:58,111 それは そこに→ 227 00:24:58,111 --> 00:25:05,602 何か 美しきものが 潜んでいたからにござりましょう。 228 00:25:05,602 --> 00:25:07,771 美しきもの? 229 00:25:07,771 --> 00:25:17,614 ♪♪~ 230 00:25:17,614 --> 00:25:22,268 (西行)今は 嵐の中に身を置き→ 231 00:25:22,268 --> 00:25:26,606 このつとめを 一心に果たされよ。 232 00:25:26,606 --> 00:25:32,445 さすれば きっと見られましょう。 233 00:25:32,445 --> 00:25:37,945 風雪を耐え忍んだ者だけが 見られる 美しきものを。 234 00:25:40,270 --> 00:25:42,939 嵐の中の一門のため→ 235 00:25:42,939 --> 00:25:49,612 よそ者のお手前にしか できぬ事が きっと ござります。 236 00:25:49,612 --> 00:26:14,270 ♪♪~ 237 00:26:14,270 --> 00:26:19,108  回想  (西行)今は 嵐の中に身を置き→ 238 00:26:19,108 --> 00:26:23,429 このつとめを 一心に果たされよ。→ 239 00:26:23,429 --> 00:26:26,266 嵐の中の一門のため→ 240 00:26:26,266 --> 00:26:33,266 よそ者のお手前にしか できぬ事が きっと ござります。 241 00:26:49,439 --> 00:26:51,941 (源為義)義朝 どこへ行く?! 242 00:26:51,941 --> 00:26:56,613 左大臣様の警固を 仰せつかっておるのだぞ! 243 00:26:56,613 --> 00:27:00,313 (源義朝)父上は あの日の事を お忘れか? 244 00:27:03,453 --> 00:27:10,443 摂関家に唆され 平氏の棟梁を 闇討ちしようとした日の事を。 245 00:27:10,443 --> 00:27:12,445 あんな目に遭っても なお→ 246 00:27:12,445 --> 00:27:16,445 摂関家に従う父上の気持ちが 分かりませぬ! 247 00:27:19,102 --> 00:27:22,402 (鎌田通清 由良御前)殿! 来なくてよい! 248 00:27:29,178 --> 00:27:32,265 (茂貞)言い聞かせますので いましばらく お待ち下さいませ。 249 00:27:32,265 --> 00:27:34,450 (常磐)お許し下さいませ! 250 00:27:34,450 --> 00:27:37,287 (茂貞)これ 常磐! 無理を申すでない! 251 00:27:37,287 --> 00:27:40,773 何事じゃ?! ああ…。 252 00:27:40,773 --> 00:27:45,261 義朝様! ご貴殿は? 253 00:27:45,261 --> 00:27:48,948 源氏が棟梁 為義の嫡男 義朝と申す者。 254 00:27:48,948 --> 00:27:52,435 日頃 お世話頂いているお方に ござります。→ 255 00:27:52,435 --> 00:27:57,507 こちらは 摂政様のお使いです。 摂政様の? 256 00:27:57,507 --> 00:28:00,443 いかなるご用向きにて? 257 00:28:00,443 --> 00:28:07,267 都中から 見目麗しき女子を 集めよと 我が主の仰せ。 258 00:28:07,267 --> 00:28:11,104 何故じゃ? 間もなく 入内あそばされるご息女→ 259 00:28:11,104 --> 00:28:13,940 呈子様の雑仕女とするために ござります。 260 00:28:13,940 --> 00:28:16,276 さような所へは 参りとうありませぬ! 261 00:28:16,276 --> 00:28:21,276 (茂貞)これ! それに かか様は どうなります?! 262 00:28:24,267 --> 00:28:28,967 病癒えぬ母を ほうってはゆけませぬ! 263 00:28:31,274 --> 00:28:33,943 かか様の事はのう…。 264 00:28:33,943 --> 00:28:43,286 ♪♪~ 265 00:28:43,286 --> 00:28:50,276 常磐。 そなたが 呈子様に お仕えすれば→ 266 00:28:50,276 --> 00:28:54,597 父御の暮らしぶりは ようなる。 267 00:28:54,597 --> 00:29:00,397 母御の病も きっと早う治せよう。 されど…。 268 00:29:06,943 --> 00:29:11,764 親の役に立てるなら→ 269 00:29:11,764 --> 00:29:15,268 それは 何より うれしい事であろう。 270 00:29:15,268 --> 00:29:21,624 ♪♪~ 271 00:29:21,624 --> 00:29:25,762 <常磐と呼ばれた そのお方は→ 272 00:29:25,762 --> 00:29:30,616 都中から集められた 1,000人もの女たちの中で→ 273 00:29:30,616 --> 00:29:34,287 随一の美女に選ばれた> 274 00:29:34,287 --> 00:29:47,950 ♪♪~ 275 00:29:47,950 --> 00:29:52,288 <美女たちを従えた 呈子様の入内は→ 276 00:29:52,288 --> 00:29:57,276 大層 華やかで 評判になったという> 277 00:29:57,276 --> 00:30:08,271 ♪♪~ 278 00:30:08,271 --> 00:30:13,276 <このころ 得子様は 院号宣下を受け→ 279 00:30:13,276 --> 00:30:17,096 美福門院と称されていた> 280 00:30:17,096 --> 00:30:20,600 (御影)面を上げよ。→ 281 00:30:20,600 --> 00:30:25,605 そなたの進めておる 高野山内の再建→ 282 00:30:25,605 --> 00:30:29,275 美福門院様は いたくご満足。→ 283 00:30:29,275 --> 00:30:33,279 また 感じ入られておいでじゃ。 284 00:30:33,279 --> 00:30:37,100 この上なき誉れにござります。 285 00:30:37,100 --> 00:30:40,953 (得子)見事なる大塔が 落成した暁には→ 286 00:30:40,953 --> 00:30:46,953 きっと そなたを公卿とするよう 私からも口添え致そう。 287 00:30:48,945 --> 00:30:51,645 ありがたきお言葉。 288 00:30:57,453 --> 00:31:01,653 あと一息じゃ。 あと一息! 289 00:31:11,284 --> 00:31:17,106 近頃 美福門院様の覚え めでたいようじゃな。 290 00:31:17,106 --> 00:31:21,277 身に余る事と存じておりまする。 291 00:31:21,277 --> 00:31:25,264 もう 一年を過ぎたか。 292 00:31:25,264 --> 00:31:28,951 家盛が落命してから。 293 00:31:28,951 --> 00:31:34,941 せんだって 一周忌の供養を してまいりました。 294 00:31:34,941 --> 00:31:39,428 私も残念でならぬ。 295 00:31:39,428 --> 00:31:43,099 まこと 優れた男子だったゆえ→ 296 00:31:43,099 --> 00:31:47,270 とりわけ 目をかけておったのだが。 297 00:31:47,270 --> 00:31:50,773 ありがたきお言葉。 298 00:31:50,773 --> 00:31:54,944 身の程をわきまえぬ 野心を持つ者は→ 299 00:31:54,944 --> 00:31:59,282 苦しみぬいて死ぬという事よ。 300 00:31:59,282 --> 00:32:04,270 ♪♪~ 301 00:32:04,270 --> 00:32:06,956 知らず知らず→ 302 00:32:06,956 --> 00:32:11,944 生まれ怪しき兄への鬱屈が たまっておったのであろう。 303 00:32:11,944 --> 00:32:18,267 家盛こそが跡継ぎの器と 少しばかり おだててやると→ 304 00:32:18,267 --> 00:32:22,438 何もかも 差し出しおった。 305 00:32:22,438 --> 00:32:24,440 つまるところ→ 306 00:32:24,440 --> 00:32:29,512 平氏の足並みを乱したにすぎぬと 気が付いたようであったが→ 307 00:32:29,512 --> 00:32:32,949 今更 後へは引けぬ→ 308 00:32:32,949 --> 00:32:37,286 死ぬまで 私に くみするしかない。 309 00:32:37,286 --> 00:32:41,986 そう思い悩んで おったのであろうのう。 310 00:32:44,093 --> 00:32:47,947 返す返すも 惜しまれる。 311 00:32:47,947 --> 00:32:52,268 家盛と私は 全てにおいて→ 312 00:32:52,268 --> 00:32:56,606 しかと結ばれた仲であったゆえ。 313 00:32:56,606 --> 00:33:02,445 ♪♪~ 314 00:33:02,445 --> 00:33:05,598 何じゃ? 公春。 315 00:33:05,598 --> 00:33:10,269 もう 死んだ者の話ぞ。 316 00:33:10,269 --> 00:33:15,341 ♪♪~ 317 00:33:15,341 --> 00:33:19,428 私が父なら 褒めてやるがのう。 318 00:33:19,428 --> 00:33:24,116 家盛 あっぱれであった。 319 00:33:24,116 --> 00:33:28,788 さすが 武士の子。 320 00:33:28,788 --> 00:33:31,988 見事なる犬死にじゃ。 321 00:33:46,939 --> 00:34:09,278 ♪♪~ 322 00:34:09,278 --> 00:34:13,278 筆を お入れになりまするか? 323 00:34:15,935 --> 00:34:17,937 よいのか? 324 00:34:17,937 --> 00:34:23,009 どうぞ。 弟君への 何よりの供養になりましょう。 325 00:34:23,009 --> 00:34:25,945 さあさあ こちらへ。 326 00:34:25,945 --> 00:34:52,938 ♪♪~ 327 00:34:52,938 --> 00:34:54,940 家盛…。 328 00:34:54,940 --> 00:35:18,114 ♪♪~ 329 00:35:18,114 --> 00:35:21,951 やめよ! 330 00:35:21,951 --> 00:35:25,788 今すぐ やめよ! 331 00:35:25,788 --> 00:35:27,788 父上。 332 00:35:31,277 --> 00:35:37,600 もうよい。 もう 財をなげうって→ 333 00:35:37,600 --> 00:35:40,269 このようなものを 寄進せずともよい! 334 00:35:40,269 --> 00:35:43,606 (家貞)殿…。 335 00:35:43,606 --> 00:35:45,606 (忠盛)わしじゃ。 336 00:35:48,277 --> 00:35:51,777 わしが 家盛を殺したのじゃ。 337 00:35:54,600 --> 00:36:03,109 清盛。 お前がいたからこそ この世を変えるため→ 338 00:36:03,109 --> 00:36:09,448 我が志を遂げるまではと 鬼にも蛇にもなれた! 339 00:36:09,448 --> 00:36:14,503 一門の者たち 宗子にも家盛にも 無理を強いてきた。 340 00:36:14,503 --> 00:36:18,607 それでよいと思うてきた! 341 00:36:18,607 --> 00:36:23,612 いつか 志を遂げれば 全てが報われる。 342 00:36:23,612 --> 00:36:27,112 家盛の忍耐も報われると。 343 00:36:31,604 --> 00:36:34,304 だが 違うた。 344 00:36:36,675 --> 00:36:40,175 家盛は 断じて報われぬ。 345 00:36:43,282 --> 00:36:48,771 武士は 己の分をわきまえて 生きておれば…→ 346 00:36:48,771 --> 00:36:50,971 それで よいのだ! 347 00:36:53,843 --> 00:36:56,343 今すぐ やめ~い! 348 00:37:03,836 --> 00:37:07,336 お話は それだけにござりますか? 349 00:37:11,610 --> 00:37:17,766 ならば お帰りになって下さりませ。 350 00:37:17,766 --> 00:37:22,066 私は 忙しゅうござりまする。 351 00:37:25,441 --> 00:37:28,241 「やめよ」と言うておる。 352 00:37:30,262 --> 00:37:33,933 聞こえぬか?! 清盛! 353 00:37:33,933 --> 00:37:36,285 (盛国)大殿! 354 00:37:36,285 --> 00:37:41,273 ♪♪~ 355 00:37:41,273 --> 00:37:46,278 ええい! よさぬか! 356 00:37:46,278 --> 00:37:50,266 (盛国)おやめ下さりませ! 離せ! 357 00:37:50,266 --> 00:37:54,270 わしの言う事が聞けぬか?! 清盛! 358 00:37:54,270 --> 00:37:56,272 (盛国)殿! 359 00:37:56,272 --> 00:38:05,948 ♪♪~ 360 00:38:05,948 --> 00:38:11,270 父上が どう お考えになろうと…。 361 00:38:11,270 --> 00:38:22,264 ♪♪~ 362 00:38:22,264 --> 00:38:28,437 私は 家盛の…→ 363 00:38:28,437 --> 00:38:31,290 兄にござります! 364 00:38:31,290 --> 00:38:48,290 ♪♪~ 365 00:39:25,277 --> 00:40:49,595 ♪♪~ 366 00:40:49,595 --> 00:40:51,613 殿! 367 00:40:51,613 --> 00:41:47,913 ♪♪~ 368 00:41:49,772 --> 00:41:54,093 家盛が…→ 369 00:41:54,093 --> 00:41:57,593 兄上に よろしゅうと言うておるな。 370 00:42:00,282 --> 00:42:04,286 掛けがえなき→ 371 00:42:04,286 --> 00:42:07,286 たった一人の兄上に。 372 00:42:11,276 --> 00:42:46,261 ♪♪~ 373 00:42:46,261 --> 00:42:55,788 <平氏一門が嵐を乗り越え 絆を強めた一方で→ 374 00:42:55,788 --> 00:43:01,109 我ら源氏一門の絆を 変事が→ 危うくする 375 00:43:01,109 --> 00:43:05,280 起きようとしていた> 376 00:43:05,280 --> 00:43:09,284 では 者ども! 参る! 377 00:43:09,284 --> 00:43:11,603 (一同)お~っ! 378 00:43:11,603 --> 00:43:21,303 ♪♪~ 379 00:43:22,948 --> 00:43:25,100 武士の世をつくるためじゃ。 380 00:43:25,100 --> 00:43:29,104 最も強き男から授かった。 381 00:43:29,104 --> 00:43:32,608 父上のした事は ただの盗賊と同じにござります。 382 00:43:32,608 --> 00:43:37,613 父上のご恩情 しかと頂きましてござります。 383 00:43:37,613 --> 00:43:40,282 (せきこみ) 384 00:43:40,282 --> 00:43:42,282 強うなったな。 385 00:43:44,937 --> 00:43:46,937 清盛。 386 00:43:48,941 --> 00:43:52,277 <弘法大師が 修行の場として開いた→ 387 00:43:52,277 --> 00:43:56,448 真言密教の聖地 高野山。→ 388 00:43:56,448 --> 00:44:03,105 久安5年 1149年に落雷で焼失した 大塔の再建を→ 389 00:44:03,105 --> 00:44:08,594 平清盛は 父 忠盛の代わりに行いました。→ 390 00:44:08,594 --> 00:44:14,449 大塔再建にあたり 清盛は 曼荼羅を奉納します。→ 391 00:44:14,449 --> 00:44:20,272 「平家物語」には 清盛が 頭の血を絵の具に混ぜ→ 392 00:44:20,272 --> 00:44:24,276 大日如来の冠に 色塗りをしたとあり→ 393 00:44:24,276 --> 00:44:28,976 血曼荼羅として 今に伝わります> 394 00:44:31,617 --> 00:44:34,770 <また 奥の院を参拝した清盛は→ 395 00:44:34,770 --> 00:44:38,607 弘法大師が姿を変えた 老僧に出会い→ 396 00:44:38,607 --> 00:44:43,262 「厳島神社の改修をすれば 出世する」と言われます。→ 397 00:44:43,262 --> 00:44:49,262 そして 清盛は 見事な出世を果たすのです>