1 00:00:33,750 --> 00:00:35,919 (時子) そなたは 平氏の棟梁の義妹。→ 2 00:00:35,919 --> 00:00:38,088 進んで 一門のお役に立つ事をせよ。 3 00:00:38,088 --> 00:00:42,426 滋子の心は 滋子のもの。 誰の勝手にもできませぬ。 4 00:00:42,426 --> 00:00:45,929 <清盛の義妹 滋子。→ 5 00:00:45,929 --> 00:00:49,433 後白河院が唯一愛した后です。→ 6 00:00:49,433 --> 00:00:54,922 権勢を手に入れた滋子は 我が子を帝の座につけ→ 7 00:00:54,922 --> 00:01:00,577 清盛の娘 徳子を その妃に迎えます> 8 00:01:00,577 --> 00:01:04,248 平家の財 惜しみなく 使うておくれ。 9 00:01:04,248 --> 00:01:07,751 <平家一門のために 立ち回る一方で→ 10 00:01:07,751 --> 00:01:12,589 平家の財を王家にもたらし 双方を支えてきました> 11 00:01:12,589 --> 00:01:14,758 (後白河法皇) ここは わしの世じゃ。→ 12 00:01:14,758 --> 00:01:17,094 朝廷を そなたの勝手にはさせぬ。 13 00:01:17,094 --> 00:01:21,081 (平清盛)赤子に この国を託す訳にはゆかぬ! 14 00:01:21,081 --> 00:01:26,153 <清盛と後白河院。 2人の権力者の均衡は→ 15 00:01:26,153 --> 00:01:31,758 滋子によって かろうじて 保たれていたのです> 16 00:01:31,758 --> 00:01:49,092 ♪♪~(テーマ音楽) 17 00:01:49,092 --> 00:04:07,792 ♪♪~ 18 00:04:15,755 --> 00:04:20,827 (源頼朝)<承安4年 清盛悲願の大輪田泊が完成し→ 19 00:04:20,827 --> 00:04:25,827 宋との交易が 盛んに行われるようになった> 20 00:04:30,420 --> 00:04:37,077 西光殿。 何か 気に入った品はござりますか? 21 00:04:37,077 --> 00:04:40,747 (西光)では これを。 22 00:04:40,747 --> 00:04:46,920 うむ。 さすが お目が高い。 それは 馬一頭の値のもの。 23 00:04:46,920 --> 00:04:49,920 されど 宋銭にすれば 10貫。 24 00:04:51,758 --> 00:04:55,458 これだけにござります。 うむ。 25 00:05:01,084 --> 00:05:05,088 なるほど。 これが 都で当たり前になれば→ 26 00:05:05,088 --> 00:05:09,259 物の売り買いが 速やかに流れましょうな。 27 00:05:09,259 --> 00:05:12,762 (平盛国) これを お預け致しまする。→ 28 00:05:12,762 --> 00:05:17,100 法皇様の側近であらせられる 西光殿が→ 29 00:05:17,100 --> 00:05:19,753 宋銭の値打ちを 請け負って下さり→ 30 00:05:19,753 --> 00:05:22,923 その使いよさを 知らしめて下さいますれば→ 31 00:05:22,923 --> 00:05:27,427 銭での商いも 速やかに広まりましょう。 32 00:05:27,427 --> 00:05:33,427 お肩入れ下されば これほど 心強い事はござりませぬ。 33 00:05:35,101 --> 00:05:42,409 無論 亡き我が主が生きておれば そうしたでしょうからな。 34 00:05:42,409 --> 00:05:57,709 ♪♪~ 35 00:06:01,761 --> 00:06:05,098 兎丸。 36 00:06:05,098 --> 00:06:08,768 博多を都の隣に→ 37 00:06:08,768 --> 00:06:11,468 持ってきたぞ。 38 00:06:13,089 --> 00:06:15,825 おお 春夜 着いておったか。 39 00:06:15,825 --> 00:06:19,579 (春夜)これは 清盛様。 お久しゅうございます。 40 00:06:19,579 --> 00:06:23,750 おお 小兎。 元気そうじゃな。 (小兎丸)はい! 41 00:06:23,750 --> 00:06:26,436 そなたに来てもろうたは ほかでもない。 42 00:06:26,436 --> 00:06:30,423 近く 厳島の社へ 参詣を考えておる。 43 00:06:30,423 --> 00:06:32,759 粗相なきよう 支度を進めよ。 44 00:06:32,759 --> 00:06:40,433 どなたが参詣なさるのですか? 法皇様ならびに建春門院様じゃ。 45 00:06:40,433 --> 00:06:44,087 この大輪田泊より 唐船に乗って頂き→ 46 00:06:44,087 --> 00:06:49,092 厳島まで渡って頂くつもりに ござりまする。 47 00:06:49,092 --> 00:06:53,763 泊が出来 音戸の瀬戸を削った事により→ 48 00:06:53,763 --> 00:06:58,752 唐船が自在に 心地よく 西海を行き来できる事を→ 49 00:06:58,752 --> 00:07:00,937 御身をもって知って頂き→ 50 00:07:00,937 --> 00:07:06,593 そして 厳島の社で 祈願して頂きたい。 51 00:07:06,593 --> 00:07:09,079 何を…? 52 00:07:09,079 --> 00:07:16,252 まことに 武士が頂に立つ世となるために→ 53 00:07:16,252 --> 00:07:19,452 欠かせぬものの誕生をじゃ。 54 00:07:22,092 --> 00:07:24,092 義母上。 55 00:07:28,098 --> 00:07:31,101 申し訳ござりませぬ。 56 00:07:31,101 --> 00:07:33,901 何を仰せになります? 57 00:07:36,423 --> 00:07:41,423 入内して3年 いまだ お役目が果たせませぬ。 58 00:07:43,079 --> 00:07:45,079 アハハハ! 59 00:07:47,083 --> 00:07:53,089 帝は いまだ 御年 十四。 焦る事はござりませぬ。 60 00:07:53,089 --> 00:07:55,091 されど…。 61 00:07:55,091 --> 00:08:01,598 近く 法皇様と共に 厳島へ参ります。 62 00:08:01,598 --> 00:08:03,598 厳島? 63 00:08:11,424 --> 00:08:14,427 <同年3月。→ 64 00:08:14,427 --> 00:08:21,427 後白河院と建春門院様ご一行が 厳島の社に ご参詣あそばされた> 65 00:08:23,436 --> 00:08:26,423 <厳島明神は観音様で→ 66 00:08:26,423 --> 00:08:32,095 子宝の祈願にも ふさわしい社である。→ 67 00:08:32,095 --> 00:08:34,748 この ご参詣を契機に→ 68 00:08:34,748 --> 00:08:39,085 厳島の社は 平家の氏神たるにとどまらず→ 69 00:08:39,085 --> 00:08:44,085 すなわち 国のための神となっていった> 70 00:08:53,767 --> 00:08:56,753 (佐伯景弘) ようこそ おいで頂きました。→ 71 00:08:56,753 --> 00:09:00,590 田舎ゆえ 諸事 行き届きませぬが→ 72 00:09:00,590 --> 00:09:02,759 海 山の幸と→ 73 00:09:02,759 --> 00:09:08,748 あれなる 大鳥居の景色にて おもてなしつかまつりまする。 74 00:09:08,748 --> 00:09:13,586 どうぞ ごゆるりと お楽しみ下さりませ。 75 00:09:13,586 --> 00:09:19,576 (後白河法皇)まこと 面白き趣向の社じゃ。 76 00:09:19,576 --> 00:09:26,750 古来 寺の塔などは 上へ上へと のぼるように築かれておる。 77 00:09:26,750 --> 00:09:34,924 されど この社 横へ横へと広がっておる。 78 00:09:34,924 --> 00:09:37,927 それこそが→ 79 00:09:37,927 --> 00:09:42,627 私の目指す 国の姿にござりますゆえ。 80 00:09:50,757 --> 00:09:56,913 この 小さきものが 西へ東へ行き渡れば→ 81 00:09:56,913 --> 00:10:01,985 国は めざましく豊かになりましょう。 82 00:10:01,985 --> 00:10:06,990 そして この厳島明神のご加護があり→ 83 00:10:06,990 --> 00:10:11,077 帝に 皇子様が お生まれになれば→ 84 00:10:11,077 --> 00:10:17,100 王家と平家の絆は 一層 盤石。 85 00:10:17,100 --> 00:10:22,922 成親殿の義理の弟たる 嫡男 重盛は無論の事→ 86 00:10:22,922 --> 00:10:28,122 ここにおります 宗盛 知盛 重衡。 87 00:10:30,430 --> 00:10:32,932 我ら平家一門→ 88 00:10:32,932 --> 00:10:38,755 どこまでも おそばにあって お支えする所存にござります。 89 00:10:38,755 --> 00:10:48,748 ♪♪~ 90 00:10:48,748 --> 00:10:52,085 盛国。 はっ。 91 00:10:52,085 --> 00:11:00,760 気が付いておったか? 年が明ければ わしは 58になる。 92 00:11:00,760 --> 00:11:04,260 我が父 忠盛が 世を去った年じゃ。 93 00:11:07,083 --> 00:11:11,254 時は過ぎたものよ。 94 00:11:11,254 --> 00:11:15,425 父上が世を去って 21年。 95 00:11:15,425 --> 00:11:22,749 保元の戦より 18年 平治の戦より 15年。 96 00:11:22,749 --> 00:11:27,587 時は移り 思い描く 新しき国の姿も→ 97 00:11:27,587 --> 00:11:35,929 少しずつ 少しずつ変転しながら 形づくられておる。 98 00:11:35,929 --> 00:11:41,251 今 わしには はっきりと見えているのだ。 99 00:11:41,251 --> 00:11:45,088 北は蝦夷地から 南は鎮西まで→ 100 00:11:45,088 --> 00:11:51,761 人や物が連なり 豊かに暮らす この国の姿が。 101 00:11:51,761 --> 00:12:01,754 ♪♪~ 102 00:12:01,754 --> 00:12:06,092 (後白河法皇)どうにも思い描けぬ。 103 00:12:06,092 --> 00:12:15,585 あの社の如き 横へ横へと広がる 国の形というものが。 104 00:12:15,585 --> 00:12:22,759 (滋子)誰も見た事のないものを 思い描けませぬは道理。 105 00:12:22,759 --> 00:12:30,433 だが あやつは思い描いておる。 106 00:12:30,433 --> 00:12:33,086 いつの間にか→ 107 00:12:33,086 --> 00:12:38,157 あやつは わしの先へ 行ってしもうておるのか? 108 00:12:38,157 --> 00:12:46,933 よいではござりませぬか。 入道殿が 何を思うていようと。 109 00:12:46,933 --> 00:12:52,633 法皇様は法皇様の思い描く世を 目指せばよいのです。 110 00:12:54,757 --> 00:12:57,093 わしの? 111 00:12:57,093 --> 00:13:03,416 ご案じなされますな。 滋子が おります。 112 00:13:03,416 --> 00:13:08,216 王家と平家を取り持つは 我がつとめにござります。 113 00:13:59,422 --> 00:14:05,595 ♪♪~ 114 00:14:05,595 --> 00:14:08,915 まことの武士は いかなるものか→ 115 00:14:08,915 --> 00:14:11,084 見せてやる。 116 00:14:11,084 --> 00:14:23,763 ♪♪~ 117 00:14:23,763 --> 00:14:25,748 (藤九郎)ああ 殿。 118 00:14:25,748 --> 00:14:28,267 道具の手入れならば 私が致します。 119 00:14:28,267 --> 00:14:33,322 よいのだ。 ほかに やる事もないし。 120 00:14:33,322 --> 00:14:37,260 時に 殿。 上総常澄殿が→ 121 00:14:37,260 --> 00:14:40,263 亡くなられたそうにござります。 122 00:14:40,263 --> 00:14:42,248 常澄殿? 123 00:14:42,248 --> 00:14:49,589 (佐々木秀義) まこと 急な事であったのう。 124 00:14:49,589 --> 00:14:55,428 (三浦義明)大番役のつとめが 老体に こたえたのであろう。 125 00:14:55,428 --> 00:14:59,582 おのれは飢えても 家人たちは飢えさせぬ。→ 126 00:14:59,582 --> 00:15:02,101 そういうお方に ござりましたゆえな。 127 00:15:02,101 --> 00:15:05,938 (義明)都と東国を 行き来すればするほど→ 128 00:15:05,938 --> 00:15:08,591 我らの暮らしは苦しゅうなる。 129 00:15:08,591 --> 00:15:13,646 それが 都暮らしの平家には 分からぬのじゃ。 130 00:15:13,646 --> 00:15:17,416 (藤九郎)ごめんくださりませ! 131 00:15:17,416 --> 00:15:19,435 (時政)おお これは。 132 00:15:19,435 --> 00:15:22,421 しばらくの御無沙汰に ござりました。→ 133 00:15:22,421 --> 00:15:28,721 どうぞ これを 弔い酒のお供に。 ああ それは わざわざ痛み入る。 134 00:15:31,764 --> 00:15:34,417 では これにて。 135 00:15:34,417 --> 00:15:36,717 (義明)佐殿! 136 00:15:39,755 --> 00:15:44,243 源氏の棟梁 義朝様のご嫡男→ 137 00:15:44,243 --> 00:15:47,243 頼朝殿にござりましょう? 138 00:15:49,081 --> 00:15:56,422 亡くなった常澄殿も 長らく 義朝様に お仕えしてきた武将。→ 139 00:15:56,422 --> 00:15:59,592 このままだと 源氏ゆかりの者は→ 140 00:15:59,592 --> 00:16:03,592 ことごとく 平家に滅ぼされましょう。 141 00:16:11,754 --> 00:16:14,754 私には 関わりのない事にて。 142 00:16:16,826 --> 00:16:18,826 佐殿! 143 00:16:22,748 --> 00:16:26,448 (政子)もし! 佐殿! 144 00:16:28,921 --> 00:16:31,741 (藤九郎)時政殿の 娘御にござります。 145 00:16:31,741 --> 00:16:37,430 まこと このままで よいのでござりますか? 146 00:16:37,430 --> 00:16:41,417 親兄弟を殺され かような僻地へ流され→ 147 00:16:41,417 --> 00:16:43,753 我が子まで殺されて…。 148 00:16:43,753 --> 00:16:47,753 このまま朽ち果てていく おつもりでござりますか!? 149 00:16:50,426 --> 00:16:54,247 なんと ぶしつけな女子じゃ! 150 00:16:54,247 --> 00:16:56,749 お待ち下さりませ! 151 00:16:56,749 --> 00:16:59,049 失敬な。 離せ! 152 00:17:02,255 --> 00:17:04,590 すまぬ。 大事ないか? 153 00:17:04,590 --> 00:17:08,594 あっ… こちらこそ ご無礼を。 申し訳ござりませぬ。 154 00:17:08,594 --> 00:17:10,594 触るでない! 155 00:17:14,250 --> 00:17:18,754 藤九郎 しもうておけ。 はい。 156 00:17:18,754 --> 00:17:31,918 ♪♪~ 157 00:17:31,918 --> 00:17:47,118 ♪♪~(歌声) 158 00:17:49,418 --> 00:17:52,588 しかと合わせよ。 いま一度。 159 00:17:52,588 --> 00:18:05,388 ♪♪~ 160 00:18:08,921 --> 00:18:11,590 (平重盛)叔父上 ありがとうございます。 161 00:18:11,590 --> 00:18:18,581 なに 維盛も資盛も筋がよいゆえ わしも 心楽しいわ。 162 00:18:18,581 --> 00:18:21,434 恐れ入ります。 163 00:18:21,434 --> 00:18:25,271 今や 我らは 王家に連なる一門。 164 00:18:25,271 --> 00:18:30,593 いかなる場でも恥をかかぬよう 孫の代には しかと仕込めと→ 165 00:18:30,593 --> 00:18:35,431 福原の兄上より 仰せつかっておるゆえ。 166 00:18:35,431 --> 00:18:41,087 とりわけ 法皇様は 芸事を好まれるお方。 167 00:18:41,087 --> 00:18:45,758 いつか きっと ご披露できるよう しかと 稽古せよ。 168 00:18:45,758 --> 00:18:59,755 ♪♪~ 169 00:18:59,755 --> 00:19:04,427 お二人とも お見事にござります。 170 00:19:04,427 --> 00:19:07,413 されど 戦の折には→ 171 00:19:07,413 --> 00:19:14,420 敵は この的のように じっとしていては くれませぬ。 172 00:19:14,420 --> 00:19:18,924 戦なんぞ 起きるのか? 173 00:19:18,924 --> 00:19:23,429 今や 平家の力で王家を支え→ 174 00:19:23,429 --> 00:19:27,750 宋との交易も始まって 世は治まろうとしておる。 175 00:19:27,750 --> 00:19:32,421 一体 いつ 誰が何のために 戦なんぞ起こすというのじゃ? 176 00:19:32,421 --> 00:19:36,092 されど 平家は武門。 177 00:19:36,092 --> 00:19:39,929 武士ならば いつ いかなる世においても→ 178 00:19:39,929 --> 00:19:44,433 鍛錬は怠るべきではござりませぬ。 179 00:19:44,433 --> 00:19:46,919 忠清の申すとおりじゃ。 180 00:19:46,919 --> 00:19:49,422 おお 知盛様。 181 00:19:49,422 --> 00:19:53,592 だが 武芸一辺倒の暮らしからの 脱却を目指して→ 182 00:19:53,592 --> 00:19:57,092 一門が ここまで のぼってきたも また まこと。 183 00:20:00,416 --> 00:20:03,419 許せ。 武力だけでは→ 184 00:20:03,419 --> 00:20:06,919 平家の男子として つとまらぬのだ。 185 00:20:16,415 --> 00:20:21,420 (源頼政)忠清殿 何となされた? アハハハ。 何でもござりませぬ。→ 186 00:20:21,420 --> 00:20:25,091 頼政殿こそ 本日は? 187 00:20:25,091 --> 00:20:29,428 法皇様より 今様合わせのお召しが ござりましたゆえ→ 188 00:20:29,428 --> 00:20:33,416 経盛様を お誘いに。 189 00:20:33,416 --> 00:20:40,116 まこと 武力だけでは 渡っていけぬ世になったのですな。 190 00:20:48,414 --> 00:20:53,752 見事なものじゃ。 法皇様も お喜びになろう。 191 00:20:53,752 --> 00:20:57,752 (絵師)ありがとうござります。 御苦労であった。 192 00:21:03,746 --> 00:21:10,102 5貫 確かに 頂戴致しましてござります。 193 00:21:10,102 --> 00:21:12,755 まこと 銭とは便利なもの。→ 194 00:21:12,755 --> 00:21:16,258 もっと使うて 世に巡らせるがよい。 195 00:21:16,258 --> 00:21:20,262 ご尽力 痛み入る。 196 00:21:20,262 --> 00:21:23,766 なに。 時に 入道殿。 197 00:21:23,766 --> 00:21:30,256 今日 伺うたは ほかでもない 相撲節会の事にござりまする。 198 00:21:30,256 --> 00:21:32,758 相撲節会? 199 00:21:32,758 --> 00:21:35,761 かつての 保元の戦の後→ 200 00:21:35,761 --> 00:21:39,748 亡き我が主 信西入道が よみがえらせたもの。 201 00:21:39,748 --> 00:21:46,088 この夏 再び 内裏にて 行う運びとなりました。 202 00:21:46,088 --> 00:21:48,090 あの時の如く→ 203 00:21:48,090 --> 00:21:51,911 趣向を凝らした膳の支度を 請け合うてくれましょうな?→ 204 00:21:51,911 --> 00:21:56,749 ここにおりますは 我が子 師高 師経。 205 00:21:56,749 --> 00:21:59,585 師高にござります。 206 00:21:59,585 --> 00:22:01,587 師経にござります。 207 00:22:01,587 --> 00:22:06,075 申し訳ござりませぬが 西光殿→ 208 00:22:06,075 --> 00:22:08,594 わしは 今 宮中行事に→ 209 00:22:08,594 --> 00:22:12,294 うつつを抜かしている暇は ござらぬ。 210 00:22:14,583 --> 00:22:17,586 「うつつを… 抜かす」ですと? 211 00:22:17,586 --> 00:22:20,923 私のつとめは この福原にて→ 212 00:22:20,923 --> 00:22:24,760 宋との取り引きを 一層 盛んにする事。 213 00:22:24,760 --> 00:22:30,749 形ばかりの行事なんぞに なげうつ財も時もござりませぬ。 214 00:22:30,749 --> 00:22:33,752 「形ばかり」とは何事ぞ! 215 00:22:33,752 --> 00:22:38,591 内裏を安泰に保つ事は 何よりの大事と 我が主 信西は…。 216 00:22:38,591 --> 00:22:42,891 さよう。 信西殿が生きておられれば…。 217 00:22:44,930 --> 00:22:49,768 我が国づくりこそが 何よりの大事と→ 218 00:22:49,768 --> 00:22:52,568 お分かり下されたでしょう。 219 00:23:10,422 --> 00:23:22,585 ♪♪「よるひるあけこしたまくらは」 220 00:23:22,585 --> 00:23:35,080 ♪♪「あけてもひさしくなりにけり」 221 00:23:35,080 --> 00:23:46,425 ♪♪「なにとてよるひるむつれけむ」 222 00:23:46,425 --> 00:23:57,125 ♪♪「なからへさりけるものゆへに」 223 00:23:58,771 --> 00:24:04,760 まあ 恋の歌など お歌いになって。 滋子。 224 00:24:04,760 --> 00:24:07,246 しかも かつての思い人を→ 225 00:24:07,246 --> 00:24:11,767 恋しがって歌う歌では ござりませぬか。 226 00:24:11,767 --> 00:24:16,822 どこの どなたを 思うておられるのやら。 227 00:24:16,822 --> 00:24:20,622 おい これは今様ぞ。 228 00:24:23,746 --> 00:24:25,746 ふふっ。 229 00:24:27,750 --> 00:24:30,753 さては戯れか? 230 00:24:30,753 --> 00:24:34,753 (笑い声) (後白河法皇)こやつめ。 231 00:24:38,927 --> 00:24:43,927 わしは 今 今様を書きためておる。 232 00:24:47,436 --> 00:24:51,924 (後白河法皇)「梁塵秘抄」じゃ。 233 00:24:51,924 --> 00:24:54,760 「梁塵秘抄」? 234 00:24:54,760 --> 00:24:59,081 ああ 宋の故事にござりますね。 235 00:24:59,081 --> 00:25:02,584 梁の塵を 動かすほどの声→ 236 00:25:02,584 --> 00:25:05,754 すなわち 美しき歌声の奥義を集めた→ 237 00:25:05,754 --> 00:25:12,054 歌集という事でござりましょう。 うむ。 それも あるが…。 238 00:25:14,096 --> 00:25:22,087 今様など 梁に積もる塵の如きもの。 239 00:25:22,087 --> 00:25:27,159 吹けば飛ぶようなものじゃ。 240 00:25:27,159 --> 00:25:33,415 清盛の泊のように 世に役立つようなものではない。 241 00:25:33,415 --> 00:25:39,415 何より 歌声は 後の世に遺す事はできぬ。 242 00:25:42,925 --> 00:25:49,748 だが それゆえにこそ→ 243 00:25:49,748 --> 00:25:53,048 わしは 今様が好きじゃ。 244 00:25:55,421 --> 00:26:00,426 誰にも顧みられる事なくとも→ 245 00:26:00,426 --> 00:26:08,934 いつも そこにあり そこにいる者を慰めてくれる。→ 246 00:26:08,934 --> 00:26:12,234 楽しませてくれる。 247 00:26:14,256 --> 00:26:19,595 わしは 今様が好きじゃ。 248 00:26:19,595 --> 00:26:30,923 ♪♪~ 249 00:26:30,923 --> 00:26:36,762 それが 法皇様の目指す世にござりますね。 250 00:26:36,762 --> 00:26:45,921 ♪♪~ 251 00:26:45,921 --> 00:26:49,758 滋子。 252 00:26:49,758 --> 00:26:53,095 法皇様。 253 00:26:53,095 --> 00:26:59,084 滋子の心は 滋子のもの。 254 00:26:59,084 --> 00:27:06,425 そして 滋子の心は いつも 法皇様のおそばに。 255 00:27:06,425 --> 00:27:13,765 法皇様の世が絶えぬ事が 滋子の望みにござります。 256 00:27:13,765 --> 00:27:30,265 ♪♪~ 257 00:27:32,751 --> 00:27:41,093 <同年7月8日 重盛が 右近衛大将に任ぜられた。→ 258 00:27:41,093 --> 00:27:46,098 大臣となるには 必ず経ねばならない重職である> 259 00:27:46,098 --> 00:27:51,798 此度は おめでとうござりまする。 ありがとうござります。 260 00:27:58,594 --> 00:28:01,580 これは 成親様。 261 00:28:01,580 --> 00:28:06,652 重盛殿。 此度は ご昇進 おめでとうござります。 262 00:28:06,652 --> 00:28:08,754 ありがとうござります。 263 00:28:08,754 --> 00:28:13,425 右近衛大将といえば かつて 中納言 信頼様が欲し→ 264 00:28:13,425 --> 00:28:17,746 それがために 戦にまでなった官職。 265 00:28:17,746 --> 00:28:21,250 それが こうして 我が義弟の手に入り→ 266 00:28:21,250 --> 00:28:24,086 感慨深うござります。 267 00:28:24,086 --> 00:28:28,423 まこと 身に余るつとめと 心得ております。 268 00:28:28,423 --> 00:28:32,723 一心に働く所存にござります。 では。 269 00:28:44,423 --> 00:28:53,415 相撲人の控えの座は 左は ここ 右は こことする。 270 00:28:53,415 --> 00:28:58,437 西光殿 ご精が出ますな。 271 00:28:58,437 --> 00:29:04,426 相撲節会ですか。 懐かしゅうござりますな。 272 00:29:04,426 --> 00:29:08,580 あのころとは 何もかも違うておるわ。 273 00:29:08,580 --> 00:29:12,780 何より違うは 平家のありよう。 274 00:29:15,921 --> 00:29:18,740 やはり 西光殿も。 275 00:29:18,740 --> 00:29:25,580 実は 私も いささか 面白うない事がござりましてな。 276 00:29:25,580 --> 00:29:29,101 どう 転んでも おのれの身は安泰。 277 00:29:29,101 --> 00:29:32,421 …では ござりませなんだかな? 278 00:29:32,421 --> 00:29:38,093 我が身が ないがしろに なるとなれば 話は別。 279 00:29:38,093 --> 00:29:43,593 つまるところ 平家は慢心しておるのだ。 280 00:29:50,756 --> 00:29:54,556 遠慮する事はないぞ。 飲むがよい。 281 00:29:57,579 --> 00:30:01,917 私が酌を致さねば飲めぬか? (2人)いや いや いや いや。 282 00:30:01,917 --> 00:30:05,217 めっそうもない事にござります。 頂きます。 283 00:30:10,092 --> 00:30:14,079 そなたたちは 長年 よう仕えてくれておる。 284 00:30:14,079 --> 00:30:16,431 さような事は…。 285 00:30:16,431 --> 00:30:23,088 入道殿の娘御が中宮となり 平家の力は強まるばかり。→ 286 00:30:23,088 --> 00:30:27,743 そなたたちにも 面白い事ばかりではあるまい。 287 00:30:27,743 --> 00:30:31,747 されど どうか くさらず→ 288 00:30:31,747 --> 00:30:40,088 共に 法皇様と入道殿の間を 取り持ってはくれぬか? 289 00:30:40,088 --> 00:30:49,081 成親の柔和さ 西光の聡明さは 法皇様を頂く世に欠かせぬもの。 290 00:30:49,081 --> 00:30:53,881 どうか この私に 力を貸しておくれ。 291 00:30:57,589 --> 00:31:00,889 女院様の仰せとあらば。 292 00:31:03,762 --> 00:31:07,933 さあ そなたたちも 存分に飲むがよい。 293 00:31:07,933 --> 00:31:10,085 このまま 宴としようぞ。 294 00:31:10,085 --> 00:31:17,092 ♪♪~ 295 00:31:17,092 --> 00:31:33,425 ♪♪~(歌声) 296 00:31:33,425 --> 00:31:35,927 <安元2年。→ 297 00:31:35,927 --> 00:31:41,750 後白河院の御年50の祝いの宴が 盛大に催された> 298 00:31:41,750 --> 00:31:57,749 ♪♪~ 299 00:31:57,749 --> 00:32:00,585 <芸事好きの後白河院らしく→ 300 00:32:00,585 --> 00:32:06,758 歌や楽を楽しむ宴が 幾日にもわたって行われた> 301 00:32:06,758 --> 00:32:13,765 ♪♪~ 302 00:32:13,765 --> 00:32:19,754 <平家一門も 皆 参じ 祝いの楽や舞などを献上した> 303 00:32:19,754 --> 00:32:24,426 ♪♪~ 304 00:32:24,426 --> 00:32:28,747 <平家が 押しも押されもせぬ公卿となり→ 305 00:32:28,747 --> 00:32:32,751 それが 後白河院の世を支えている。→ 306 00:32:32,751 --> 00:32:37,756 その形が はっきりと示された宴でもあった> 307 00:32:37,756 --> 00:32:42,577 ♪♪~ 308 00:32:42,577 --> 00:32:47,082 この度は おめでとうござります。 309 00:32:47,082 --> 00:32:51,419 (時子)おめでとうござります。 310 00:32:51,419 --> 00:32:58,593 私に似ず 我が子や孫たちは 歌も舞も よう致します。 311 00:32:58,593 --> 00:33:02,793 今後とも 何とぞ お引き立てを…。 312 00:33:45,423 --> 00:34:19,925 ♪♪~ 313 00:34:19,925 --> 00:34:24,930 この世に生まれて 50年。 314 00:34:24,930 --> 00:34:31,937 そなたと出会うて 40年近うなる。 315 00:34:31,937 --> 00:34:37,425 ようよう 分かった事は→ 316 00:34:37,425 --> 00:34:43,415 わしの目指す世に そなたは欠かせず→ 317 00:34:43,415 --> 00:34:49,754 そなたの目指す世に わしは欠かせぬ。 318 00:34:49,754 --> 00:35:03,251 ♪♪~ 319 00:35:03,251 --> 00:35:09,424 これより先も 共に のぼろうぞ。 320 00:35:09,424 --> 00:35:12,427 誰も見た事のない高みへ。 321 00:35:12,427 --> 00:35:17,415 ♪♪~ 322 00:35:17,415 --> 00:35:22,253 この上なき誉れにて。 323 00:35:22,253 --> 00:35:40,088 ♪♪~ 324 00:35:40,088 --> 00:35:44,592 法皇様の世が 末永く栄えますよう→ 325 00:35:44,592 --> 00:35:51,266 我が孫 維盛 資盛より 祝いの舞を献上し奉ります。 326 00:35:51,266 --> 00:37:22,590 ♪♪~ 327 00:37:22,590 --> 00:37:25,927  回想  (滋子)法皇様。→ 328 00:37:25,927 --> 00:37:29,264 滋子の心は 滋子のもの。 329 00:37:29,264 --> 00:37:36,421 ♪♪~ 330 00:37:36,421 --> 00:37:40,758  回想  そして 滋子の心は→ 331 00:37:40,758 --> 00:37:44,095 いつも 法皇様のおそばに…。 332 00:37:44,095 --> 00:37:50,768 ♪♪~ 333 00:37:50,768 --> 00:37:54,768 (雷鳴) 334 00:38:17,929 --> 00:38:19,929 (統子)滋子…。 335 00:39:06,094 --> 00:39:09,430 (成親)法皇様。 336 00:39:09,430 --> 00:39:19,757 ♪♪~ 337 00:39:19,757 --> 00:39:25,413 <安元2年7月8日。→ 338 00:39:25,413 --> 00:39:34,422 建春門院滋子様が 35歳の若さで 突如 世を去られた> 339 00:39:34,422 --> 00:39:42,413 ♪♪~ 340 00:39:42,413 --> 00:39:44,413 (宗盛)母上。 341 00:39:48,586 --> 00:39:52,386 (時子) 悔いなき人生だったであろう。 342 00:39:56,077 --> 00:40:02,077 おのが光る君のために ささげたのじゃから。 343 00:40:05,436 --> 00:40:09,424 (平時忠)姉上。→ 344 00:40:09,424 --> 00:40:13,424 事は それだけの事では ござりませぬぞ。 345 00:40:16,748 --> 00:40:20,918 今 世を去るには…→ 346 00:40:20,918 --> 00:40:25,990 滋子は あまりにも優れた…→ 347 00:40:25,990 --> 00:40:29,744 治天の君の后にござりました。 348 00:40:29,744 --> 00:40:47,245 ♪♪~ 349 00:40:47,245 --> 00:40:52,583 盛国。 はっ。 350 00:40:52,583 --> 00:41:00,908 建春門院様の死は 朝廷の在り方を大きく変えよう。 351 00:41:00,908 --> 00:41:03,261 はい。 352 00:41:03,261 --> 00:41:11,085 だが 我が政は 断じて変わらぬ。 353 00:41:11,085 --> 00:41:15,923 変わらぬ道を進みゆくのみ。 354 00:41:15,923 --> 00:41:22,413 それこそが 我ら平家と王家のつながりに→ 355 00:41:22,413 --> 00:41:28,713 心を砕いてこられた 建春門院様への弔いじゃ。 356 00:41:31,589 --> 00:41:44,769 ♪♪「よるひるあけこしたまくらは」 357 00:41:44,769 --> 00:41:58,766 ♪♪「あけてもひさしくなりにけり」 358 00:41:58,766 --> 00:42:11,929 ♪♪「なにとてよるひるむつれけむ」 359 00:42:11,929 --> 00:42:23,729 ♪♪「なからへさりけるものゆへに」 360 00:42:34,752 --> 00:42:46,431 (後白河法皇の笑い声) 361 00:42:46,431 --> 00:42:50,752 <建春門院様の死という賽の目が→ 362 00:42:50,752 --> 00:42:57,742 清盛と後白河院の双六遊びの 行方を 大きく変える事となる> 363 00:42:57,742 --> 00:43:06,742 (笑い声) 364 00:43:08,419 --> 00:43:19,719 (さいころを振る音) 365 00:43:22,416 --> 00:43:24,769 立ち上がれ! 源氏の御曹司! 366 00:43:24,769 --> 00:43:30,758 平清盛は この国を思うままに 操ろうと たくらんでおるのじゃ。 367 00:43:30,758 --> 00:43:37,765 法皇様のお力を抑えねばならぬ。 その時が来たようじゃのう。 368 00:43:37,765 --> 00:43:40,585 よりよい目を出すよりほかに→ 369 00:43:40,585 --> 00:43:45,385 勝つ道は ござりませぬ。 370 00:43:47,425 --> 00:43:50,761 <時子の妹 滋子は→ 371 00:43:50,761 --> 00:43:52,747 天皇の母となり→ 372 00:43:52,747 --> 00:43:57,084 女性として 最高の地位を得ました。→ 373 00:43:57,084 --> 00:44:02,924 平氏出身の滋子は 平野神社が 平氏の氏神であった縁により→ 374 00:44:02,924 --> 00:44:08,429 この神社を訪れ 舞を奉納したといいます。→ 375 00:44:08,429 --> 00:44:12,433 滋子は 政にも権勢を振るいました。→ 376 00:44:12,433 --> 00:44:16,254 女官の日記には 「どんな事でも→ 377 00:44:16,254 --> 00:44:19,423 女院の思いどおりに ならない事はなかった」と→ 378 00:44:19,423 --> 00:44:22,093 記されています。→ 379 00:44:22,093 --> 00:44:25,429 東山区にある…> 380 00:44:25,429 --> 00:44:30,434 <滋子が 摂津国の 三嶋大明神に子宝を祈願し→ 381 00:44:30,434 --> 00:44:33,754 高倉天皇が生まれます。→ 382 00:44:33,754 --> 00:44:38,426 喜んだ後白河院は この地に 同じ神を祀らせ→ 383 00:44:38,426 --> 00:44:42,079 都の守り神としたと伝わります。→ 384 00:44:42,079 --> 00:44:46,250 35歳で生涯を閉じた滋子は→ 385 00:44:46,250 --> 00:44:50,421 後白河院と清盛の 親密な関係を築き→ 386 00:44:50,421 --> 00:44:55,421 平家の繁栄に 大きく貢献したのです>