1 00:01:33,090 --> 00:01:38,095 (捕り方たち)御用だ! 御用だ 御用だ 御用だ 御用だ➡ 2 00:01:38,095 --> 00:01:40,097 うわ~! (捕り方)御用だ! 3 00:01:40,097 --> 00:01:43,097 (捕り方たち)御用だ 御用だ 御用だ 御用だ 御用だ 御用だ 4 00:01:53,110 --> 00:02:13,130 ♬~ 5 00:02:13,130 --> 00:02:33,084 ♬~ 6 00:02:33,084 --> 00:02:53,084 ♬~ 7 00:02:57,108 --> 00:03:01,112 <丹下左膳 彼ほど この乱れた世の中を➡ 8 00:03:01,112 --> 00:03:05,116 清く生き抜こうと努力した男は なかったであろう> 9 00:03:05,116 --> 00:03:08,119 <花を愛し 人を尊ぶ 彼 左膳は➡ 10 00:03:08,119 --> 00:03:11,122 悪を嫌った 不正を憎んだ> 11 00:03:11,122 --> 00:03:15,126 <それ故に 武士をも捨てて 孤独の身となった> 12 00:03:15,126 --> 00:03:18,129 <だが かたくなな世の仕組みに 押し出された➡ 13 00:03:18,129 --> 00:03:23,134 左膳の反骨と その素直さに 心引かれる女 お藤がいた> 14 00:03:23,134 --> 00:03:27,138 <一方 司馬道場の婿養子として 乗り込んだ➡ 15 00:03:27,138 --> 00:03:31,142 柳生源三郎の手にある こけ猿の壺は➡ 16 00:03:31,142 --> 00:03:36,080 数百万両の秘図を隠した壺から 偽の壺へと取り替わる> 17 00:03:36,080 --> 00:03:39,083 <柳生家秘宝のこけ猿の壺は➡ 18 00:03:39,083 --> 00:03:42,086 人の世の醜さと美しさを 交差させながら➡ 19 00:03:42,086 --> 00:03:47,091 手から手へ 人から人へと 転々と移る> 20 00:03:47,091 --> 00:03:51,095 <そして今 浄楽寺 五重塔の下に➡ 21 00:03:51,095 --> 00:03:58,102 丹下左膳 対 柳生源三郎との 剣の舞の幕が開いたのである> 22 00:03:58,102 --> 00:04:10,114 ♬~ 23 00:04:10,114 --> 00:04:13,117 (与吉)危ねえ 24 00:04:13,117 --> 00:04:15,117 (左膳)与吉 余計な声出すねい 25 00:04:20,124 --> 00:04:24,128 おい 源の字 どうする この勝負は俺の勝ちだが➡ 26 00:04:24,128 --> 00:04:28,132 殺すには惜しいじじいだぜ 27 00:04:28,132 --> 00:04:31,135 (源三郎)俺が相手になる そうこなくちゃ面白くねえ 28 00:04:31,135 --> 00:04:35,072 おう じいさん 年寄りは 見物してた方が無難だろうぜ 29 00:04:35,072 --> 00:04:38,075 おう (玄心斉)あっ! おう! 30 00:04:38,075 --> 00:04:42,075 じい 大之進 下がっておれ 31 00:04:46,083 --> 00:04:48,085 旦那 一杯やって 景気づけてくんねえ 32 00:04:48,085 --> 00:04:50,085 ハハッ 待ってたんだい 33 00:04:59,096 --> 00:05:02,096 ハァ… うめえ 34 00:05:10,107 --> 00:05:12,107 うん 35 00:05:22,119 --> 00:05:25,119 源の字 待たせたな 36 00:05:43,073 --> 00:05:45,073 やー! 37 00:05:51,081 --> 00:05:54,084 ハハハッ やるやる やるやる 38 00:05:54,084 --> 00:05:57,087 おう 源の字 俺は相馬中村の国を出てから➡ 39 00:05:57,087 --> 00:06:00,090 お前ほどの使い手に 会ったのは初めてだい 40 00:06:00,090 --> 00:06:02,092 (源三郎)俺も同じだ 41 00:06:02,092 --> 00:06:04,094 そうかそうか そんなら俺もやりがいがあらあ 42 00:06:04,094 --> 00:06:06,096 いくぜ 43 00:06:06,096 --> 00:06:26,116 ♬~ 44 00:06:26,116 --> 00:06:44,068 ♬~ 45 00:06:44,068 --> 00:06:46,070 《ええい じれってえ》 46 00:06:46,070 --> 00:06:51,070 《安公のやつは 何だって こんな所へ来やがったんだい》 47 00:06:55,079 --> 00:06:57,079 (ちょび安)あっ 48 00:07:10,094 --> 00:07:12,096 (ちょび安)父上! 49 00:07:12,096 --> 00:07:14,096 安 来るんじゃねえぞ 50 00:07:17,101 --> 00:07:20,104 あっ! (ちょび安)えい! 51 00:07:20,104 --> 00:07:24,108 安坊! 痛っ 痛え 痛えな 52 00:07:24,108 --> 00:07:26,110 ええい やめたい 53 00:07:26,110 --> 00:07:30,110 (源三郎)惜しいところだったな お主が子持ちとは恐れ入った 54 00:07:33,050 --> 00:07:35,052 父上 安 どうしてここへ 55 00:07:35,052 --> 00:07:38,055 屋敷にあった手紙に 五重塔って書いてあったんだよ 56 00:07:38,055 --> 00:07:40,057 ハハッ そうか 57 00:07:40,057 --> 00:07:44,061 だが 安 父はまだ このお方と話があるんだ 58 00:07:44,061 --> 00:07:48,061 おう 与吉 へい 安坊 こっち来な 59 00:07:50,067 --> 00:07:54,071 父上 もうけんかしない? ああ しやしねえよ 60 00:07:54,071 --> 00:07:57,071 (与吉)さあ なっ 61 00:08:02,079 --> 00:08:06,083 若 肝心のこけ猿の壺はどうなる 62 00:08:06,083 --> 00:08:08,085 捜すしかあるまい 63 00:08:08,085 --> 00:08:10,087 盗まれたにしろ すり替えられたにしろ➡ 64 00:08:10,087 --> 00:08:14,087 本物のこけ猿はどこかにあるはず (大之進)しかし… 65 00:08:16,093 --> 00:08:19,096 何だ何だ その顔は まだ俺を疑ってるのか? 66 00:08:19,096 --> 00:08:22,099 左膳 話がある 67 00:08:22,099 --> 00:08:24,101 何でい 68 00:08:24,101 --> 00:08:28,101 今後 我らへの御助勢は 固くお断りしたい 69 00:08:30,107 --> 00:08:33,043 断るも断らねえも こっちの方で御免被らい 70 00:08:33,043 --> 00:08:36,046 では また会おうぞ 71 00:08:36,046 --> 00:08:38,048 おう 源の字 72 00:08:38,048 --> 00:08:41,051 2度あることは3度の例えだ 73 00:08:41,051 --> 00:08:45,055 まあせいぜい 後ろの敵に 気をつけた方がいいぜ 74 00:08:45,055 --> 00:08:49,055 峰 丹波か ハハハ… 75 00:08:58,068 --> 00:09:01,071 (丹波)何? こけ猿を 丹下左膳に奪われたと? 76 00:09:01,071 --> 00:09:04,074 (お蓮)確かに1度は お前が手に入れたのだね? 77 00:09:04,074 --> 00:09:09,079 (伝八)はっ あの化け物め どこからつけてきたのか➡ 78 00:09:09,079 --> 00:09:13,083 まるで風のように現れ (丹波)分かった 79 00:09:13,083 --> 00:09:15,085 それで源三郎は こけ猿を奪い返すべく➡ 80 00:09:15,085 --> 00:09:17,085 左膳の所へ向かったのだ 81 00:09:29,099 --> 00:09:33,036 何が侍でい 何が柳生だい 82 00:09:33,036 --> 00:09:35,036 ばか野郎! 83 00:09:37,040 --> 00:09:40,040 父上 そんな悲しい顔 しないでおくれよ 84 00:09:43,046 --> 00:09:47,050 安 人間はな 怒りたいときには怒り➡ 85 00:09:47,050 --> 00:09:52,055 悲しいときには悲しむ それが一番の自由ってもんだい 86 00:09:52,055 --> 00:09:55,058 だって父上は 男は泣くもんじゃないって➡ 87 00:09:55,058 --> 00:09:58,061 言ったじゃないか 88 00:09:58,061 --> 00:10:00,063 父は泣いてなぞおらん 89 00:10:00,063 --> 00:10:03,066 あまりばからしいから どなったまでだ 90 00:10:03,066 --> 00:10:06,069 ふ~ん 91 00:10:06,069 --> 00:10:10,073 父上は 偉くなりたくないの? 92 00:10:10,073 --> 00:10:13,076 偉くなるって 仕官をしろってことかい? 93 00:10:13,076 --> 00:10:16,079 うん 父上なら きっと偉くなれるよ 94 00:10:16,079 --> 00:10:19,082 大名にだって 何にだってなれるよ 95 00:10:19,082 --> 00:10:22,085 そうはいかねえよ 96 00:10:22,085 --> 00:10:25,088 なぜ? どうしてなの? 97 00:10:25,088 --> 00:10:29,092 安公 お前 大名が偉いと思うのか? 98 00:10:29,092 --> 00:10:34,031 うん ハハハ… ところが大違えだ 99 00:10:34,031 --> 00:10:39,036 昔は やつら 押し込み強盗も 同じ類いだったんだ 100 00:10:39,036 --> 00:10:42,039 強えやつ 声のでけえやつ➡ 101 00:10:42,039 --> 00:10:45,042 ただ力で押し切ったやつが 大将になってよ➡ 102 00:10:45,042 --> 00:10:50,047 罪もねえ 弱い民百姓や 町人を尻の下へ敷きやがったのさ 103 00:10:50,047 --> 00:10:54,051 ふ~ん じゃあ ちっとも偉かないんだね 104 00:10:54,051 --> 00:10:59,056 そうだとも ただ力の強いやつが 将軍だの大将だのになってよ➡ 105 00:10:59,056 --> 00:11:02,056 威張り散らしているだけだい 106 00:11:05,062 --> 00:11:10,067 ふ~ん じゃあ将軍様も 大したことはないんだね 107 00:11:10,067 --> 00:11:12,069 ハハッ そうだとも 108 00:11:12,069 --> 00:11:15,072 将軍将軍って言ったところが なあに➡ 109 00:11:15,072 --> 00:11:20,077 徳川のたぬきじじいが残した 権力をどうやったら守れるかと➡ 110 00:11:20,077 --> 00:11:24,081 朝から晩まで そればっかり気にしている➡ 111 00:11:24,081 --> 00:11:26,083 七光りの気にしやぞくよ 112 00:11:26,083 --> 00:11:29,086 気にしやぞくって何なの? 113 00:11:29,086 --> 00:11:32,089 親の光で 偉くなったやつらのこった 114 00:11:32,089 --> 00:11:36,093 将軍だってそうだ 大名だってそうだ 115 00:11:36,093 --> 00:11:39,096 いいか 安 116 00:11:39,096 --> 00:11:44,101 この世の中はな 上から下まで その辺のうじ虫みてえな➡ 117 00:11:44,101 --> 00:11:49,106 木っ端役人までが ろくな野郎は いやしねえんだい 118 00:11:49,106 --> 00:11:51,108 ふ~ん あっ 119 00:11:51,108 --> 00:11:54,111 (権八)おい もう一度言ってみろい 120 00:11:54,111 --> 00:12:00,117 あっ 権八親分だ 安 この男もその一人だ 121 00:12:00,117 --> 00:12:03,120 あっ てめえ 焼き芋屋のちょび安だな 122 00:12:03,120 --> 00:12:09,126 違わい それはこないだまでだよ 今は丹下左膳の一人息子だい 123 00:12:09,126 --> 00:12:13,130 ハハハ… 親分 そういうわけだ 124 00:12:13,130 --> 00:12:16,133 おとなしく帰った方が 身のためだぜ 125 00:12:16,133 --> 00:12:20,137 ええい 御用だ 黙って聞いてりゃ 将軍様の悪口並べやがって 126 00:12:20,137 --> 00:12:23,140 不敬罪で しょっぴくから 覚悟しろい➡ 127 00:12:23,140 --> 00:12:25,140 野郎 この野郎 128 00:12:27,144 --> 00:12:30,147 おい 帰れ 帰れ 129 00:12:30,147 --> 00:12:32,082 (権八)てやんでい ちきしょう 帰れ 130 00:12:32,082 --> 00:12:34,084 帰って 母ちゃんの肩でももんだ方が➡ 131 00:12:34,084 --> 00:12:38,084 お前の幸せだい ええい ばかにしくさって こら 132 00:12:43,093 --> 00:12:45,095 あ痛 あ痛 あ痛 あ痛 さあ 安 133 00:12:45,095 --> 00:12:47,097 あ~ 痛… 134 00:12:47,097 --> 00:12:49,099 (泰軒)ハハハ… 135 00:12:49,099 --> 00:12:53,103 心配するな かみつきゃしねえよ 136 00:12:53,103 --> 00:12:55,105 (泰軒)いやあ 気に入った 137 00:12:55,105 --> 00:13:00,110 貴公 尊皇大義の志が あるようじゃな 138 00:13:00,110 --> 00:13:03,113 ヘッ そんなものはありゃしねえ 139 00:13:03,113 --> 00:13:08,118 いやいや 戦国騒乱の世から 形成され来たった➡ 140 00:13:08,118 --> 00:13:10,120 弱肉強食の歴史 141 00:13:10,120 --> 00:13:16,126 上は 将軍一同 大名に至るまで ことごとく権力の亡者たること 142 00:13:16,126 --> 00:13:18,128 我が輩も同感じゃ 143 00:13:18,128 --> 00:13:22,132 一体お前は 俺に何の用があるんでい 144 00:13:22,132 --> 00:13:25,135 第一に興味がある 何だって? 145 00:13:25,135 --> 00:13:29,139 第二に その腕を惜しむ ケッ 勝手にほざけ 146 00:13:29,139 --> 00:13:32,075 さあ 安 うん 147 00:13:32,075 --> 00:13:37,080 (泰軒)ハハハ… 148 00:13:37,080 --> 00:13:39,080 また会おうぞ 149 00:13:41,084 --> 00:13:44,087 惜しい 実に惜しい男だ 150 00:13:44,087 --> 00:13:54,097 ♬~ 151 00:13:54,097 --> 00:13:56,099 うっ… 御用だ! 152 00:13:56,099 --> 00:13:58,101 ハハハ… 153 00:13:58,101 --> 00:14:00,103 (権八)御用だ! 154 00:14:00,103 --> 00:14:03,103 父上 どうして屋敷へ入らないの? 155 00:14:05,108 --> 00:14:08,111 実はな 父は屋敷替えを しようと思ってる 156 00:14:08,111 --> 00:14:11,114 え? 157 00:14:11,114 --> 00:14:13,116 あっ 分かった 158 00:14:13,116 --> 00:14:17,120 母上の勘当を許してあげるんだね 159 00:14:17,120 --> 00:14:20,123 お藤も 寂しがってるだろうからな 160 00:14:20,123 --> 00:14:24,127 (ちょび安)わあ すごいや すごいや すごいや すごいや 161 00:14:24,127 --> 00:14:28,131 じゃあ 今夜から 母上の家で暮らすんだね 162 00:14:28,131 --> 00:14:30,133 ハハッ 安 案内しろ 163 00:14:30,133 --> 00:14:34,071 俺はどうも 方角のこととなると とんとめくらだ 164 00:14:34,071 --> 00:14:38,075 うん ハハハ… 165 00:14:38,075 --> 00:14:40,075 ≪(ちょび安)父上 早く! うん ハハハ… 166 00:14:44,081 --> 00:14:47,084 (お藤)どこにいるんだよ 担いだら承知しないよ 167 00:14:47,084 --> 00:14:52,089 あれ? 一緒に来たんだよ いないってことはないよ 168 00:14:52,089 --> 00:14:55,092 父上 父上! 169 00:14:55,092 --> 00:14:59,092 お前さん どこにいるんだよ 170 00:15:01,098 --> 00:15:03,098 お前さん 171 00:15:05,102 --> 00:15:07,104 まあ 172 00:15:07,104 --> 00:15:11,108 何してんだよ そんなとこで 173 00:15:11,108 --> 00:15:14,111 久しぶりだったな 174 00:15:14,111 --> 00:15:18,115 本当だね もう3日もたつんだもの 175 00:15:18,115 --> 00:15:22,119 一日会わねば千日のっての 本当だね 176 00:15:22,119 --> 00:15:25,122 といって 俺はお前が恋しくって やって来たわけじゃねえ 177 00:15:25,122 --> 00:15:28,125 誤解しないでくれ 何言ってんだよ 178 00:15:28,125 --> 00:15:30,060 空き巣狙いじゃあるまいし➡ 179 00:15:30,060 --> 00:15:33,063 そんなとこ突っ立ってないで お入りよ 180 00:15:33,063 --> 00:15:38,068 じゃあ せっかくだから 勘当は許してやる 181 00:15:38,068 --> 00:15:41,071 ただし 安坊のためだぞ 182 00:15:41,071 --> 00:15:46,076 はい いいな? 分かってるよ 183 00:15:46,076 --> 00:15:50,076 ウフフ まるで赤ん坊なんだから 184 00:16:05,095 --> 00:16:07,097 どこへ雲隠れしちまったんだろね 185 00:16:07,097 --> 00:16:10,100 まさかお藤姉御んとこへ 来てるわけでもなし 186 00:16:10,100 --> 00:16:12,100 ≪(三味線) (与吉)ん? 187 00:16:14,104 --> 00:16:17,107 いつの間に こんな看板出したのかな 188 00:16:17,107 --> 00:16:22,112 ≪(歌声) (与吉)まさか左膳の旦那… 189 00:16:22,112 --> 00:16:27,117 (三味線・歌声) 190 00:16:27,117 --> 00:16:35,058 ♬~ 191 00:16:35,058 --> 00:16:44,067 ♬ 大小 192 00:16:44,067 --> 00:16:51,074 ♬ 棄てて 193 00:16:51,074 --> 00:17:00,083 ♬~ 194 00:17:00,083 --> 00:17:02,085 ♬ 腰… 195 00:17:02,085 --> 00:17:06,089 ん~… 196 00:17:06,089 --> 00:17:08,091 何でい この野郎 197 00:17:08,091 --> 00:17:10,093 あんたって どうして そう音痴なの? 198 00:17:10,093 --> 00:17:12,095 そんなこと てめえで分かるかい もう一度やって 199 00:17:12,095 --> 00:17:15,098 「大小 棄てて」からのあと ああ やるよ 200 00:17:15,098 --> 00:17:18,101 (三味線) 201 00:17:18,101 --> 00:17:21,104 ハァ… 202 00:17:21,104 --> 00:17:23,106 あ~あ 203 00:17:23,106 --> 00:17:30,046 ♬ 大小 204 00:17:30,046 --> 00:17:38,054 ♬ 棄てて 205 00:17:38,054 --> 00:17:47,063 ♬~ 206 00:17:47,063 --> 00:17:50,066 ♬ 腰… アハハッ! 207 00:17:50,066 --> 00:17:52,068 駄目 駄目 やる気があるのかい 208 00:17:52,068 --> 00:17:56,072 あるからやってるんじゃねえか 弟子はそんな口を利きませんよ 209 00:17:56,072 --> 00:17:59,075 開業初めてのお稽古なんだから ちゃんとやったらどうなんだい 210 00:17:59,075 --> 00:18:02,078 あ… そうか 俺はお前の弟子だったな 211 00:18:02,078 --> 00:18:04,080 ハハハ… 212 00:18:04,080 --> 00:18:07,083 与の公 遅かったな 冗談じゃござんせんよ 213 00:18:07,083 --> 00:18:09,085 あれから司馬道場へ突っ走って➡ 214 00:18:09,085 --> 00:18:12,088 敵さんの情勢探って戻ってみりゃ 旦那は行方不明だ 215 00:18:12,088 --> 00:18:15,091 そんなとこにいないで こっちへお入りよ 216 00:18:15,091 --> 00:18:17,093 (与吉)へい 217 00:18:17,093 --> 00:18:20,096 旦那 あっしはまた 誰かさんに襲われたかと思って➡ 218 00:18:20,096 --> 00:18:24,100 ヘヘッ 随分心配しやしたぜ ハハッ そいつはすまなかったな 219 00:18:24,100 --> 00:18:27,103 ところで ちょび公はどうしました? 220 00:18:27,103 --> 00:18:30,040 偽の壺を持って とんがり長屋の 恋人んとこへ遊びに行ったよ 221 00:18:30,040 --> 00:18:33,043 そいつは危ねえや たとえ偽だろうとなかろうと➡ 222 00:18:33,043 --> 00:18:36,046 柳生の一統は 今日から 猿に似た壺という壺を➡ 223 00:18:36,046 --> 00:18:38,048 かき集めるんだとかいって 大変な騒ぎですぜ 224 00:18:38,048 --> 00:18:41,051 じゃあ何か 峰 丹波の一統は➡ 225 00:18:41,051 --> 00:18:44,054 俺がかっつぁらった壺が 偽だってことを知ったのかい 226 00:18:44,054 --> 00:18:47,057 さあ そこんところがどうも➡ 227 00:18:47,057 --> 00:18:49,059 あっしも探りようが なかったんでござんすが 228 00:18:49,059 --> 00:18:52,059 おう お藤 酒の方がいいぞ 229 00:18:54,064 --> 00:18:59,069 よいか こけ猿の件 あくまでも内密にしておくのだ 230 00:18:59,069 --> 00:19:02,072 左膳が奪った壺が偽なら➡ 231 00:19:02,072 --> 00:19:05,075 丹波に渡した壺こそ 誠のこけ猿に違いない 232 00:19:05,075 --> 00:19:08,078 今 騒ぎ立ててはまずいぞ 233 00:19:08,078 --> 00:19:10,080 (大八) 返してもらったらいかがです 234 00:19:10,080 --> 00:19:12,082 あれは婿引き出物として 渡したものだ 235 00:19:12,082 --> 00:19:16,086 それも 偽物だから渡したのだ 門之亟 そうであろう 236 00:19:16,086 --> 00:19:18,088 (門之亟)はい 237 00:19:18,088 --> 00:19:22,092 (門之亟)私が偽物を用意し 若君の手から本物のこけ猿は➡ 238 00:19:22,092 --> 00:19:26,096 高 大之進殿にお渡しになりました 239 00:19:26,096 --> 00:19:31,034 間違うわけはないのですが どうも合点がいかぬ 240 00:19:31,034 --> 00:19:35,038 じいは こけ猿の素肌を 見たことがあるのか? 241 00:19:35,038 --> 00:19:37,040 残念ながらございません 242 00:19:37,040 --> 00:19:43,046 こけ猿の真偽を確かめうる者は 大殿の他にはただ2人 243 00:19:43,046 --> 00:19:46,049 城代家老 田丸主水正殿と➡ 244 00:19:46,049 --> 00:19:49,052 一風宗匠しかおりません 245 00:19:49,052 --> 00:19:51,054 若君はいかがで? 246 00:19:51,054 --> 00:19:54,057 俺は残念ながら 風流の好みはないのでな 247 00:19:54,057 --> 00:19:57,060 それでは 確かめようが ないではありませんか 248 00:19:57,060 --> 00:20:02,065 (玄心斉)ある 壺は朝鮮渡り しかも耳が欠けている➡ 249 00:20:02,065 --> 00:20:06,069 更に 何よりの証拠は 壺の中に封じ込められたる➡ 250 00:20:06,069 --> 00:20:08,071 黄金の秘図 251 00:20:08,071 --> 00:20:12,075 よし 俺があとでお蓮の元にある 壺を確かめてみる 252 00:20:12,075 --> 00:20:15,078 …とまあ くるのが 芝居の本筋ってもんですかね 253 00:20:15,078 --> 00:20:20,083 うん お前なかなか読みが深えな ヘヘヘ… 254 00:20:20,083 --> 00:20:24,087 それにしても 丹波の方じゃ どうなのかな 255 00:20:24,087 --> 00:20:28,091 あの伝八が舞い戻りゃ 嫌でもこけ猿は➡ 256 00:20:28,091 --> 00:20:32,028 俺の手に入ったと思うだろ へい 257 00:20:32,028 --> 00:20:36,032 ん~ 左膳が割り込んできたのでは まずいな 258 00:20:36,032 --> 00:20:40,036 それで源三郎が出かけたのだね? (伝八)まあ待ちましょう 259 00:20:40,036 --> 00:20:43,039 もし源三郎が こけ猿を取り返してきたら➡ 260 00:20:43,039 --> 00:20:46,042 そいつを我とすり替えりゃ 手間が省けるってもんですよ 261 00:20:46,042 --> 00:20:48,044 (お蓮)フフフ 262 00:20:48,044 --> 00:20:53,049 <今 誠のこけ猿を前にしながらも それを偽と信じた彼らは➡ 263 00:20:53,049 --> 00:20:58,054 本物はどこにあるかと 捜しているのです> 264 00:20:58,054 --> 00:21:02,054 <そして これと同じ錯覚は ここにも> 265 00:21:06,062 --> 00:21:08,062 <ここにも> 266 00:21:10,066 --> 00:21:13,069 どうも分からねえな 267 00:21:13,069 --> 00:21:16,072 何がよ 旦那のかっさらった壺が➡ 268 00:21:16,072 --> 00:21:20,076 偽物だとすりゃ やっぱり本物は司馬道場ですぜ 269 00:21:20,076 --> 00:21:23,079 もし その他に 本物があるとすりゃ➡ 270 00:21:23,079 --> 00:21:25,081 なにも 源三郎や 高 大之進たちが➡ 271 00:21:25,081 --> 00:21:29,085 命懸けで取り返しに 来るわけはござんせんよ 272 00:21:29,085 --> 00:21:33,089 私もそう思うよ そうかなあ 273 00:21:33,089 --> 00:21:37,093 そんなことあるめえ 司馬道場へ 持ってったものが本物なら➡ 274 00:21:37,093 --> 00:21:41,097 それこそなにも 俺を襲って 斬り合うことはねえはずだい 275 00:21:41,097 --> 00:21:44,100 そうなんだな おかしいですね そりゃ 276 00:21:44,100 --> 00:21:46,100 うん 277 00:21:49,105 --> 00:21:51,107 どうも銭ってやつは不届きだい 278 00:21:51,107 --> 00:21:56,112 こう迷わされちゃ 頭がこんがらがっていけねえや 279 00:21:56,112 --> 00:21:58,114 お前さんの柄じゃないんだよ 280 00:21:58,114 --> 00:22:01,117 もう こんな事件から 手を引いたらどうなんだい 281 00:22:01,117 --> 00:22:04,120 乗りかかった船だい そう簡単にやめられるか 282 00:22:04,120 --> 00:22:06,122 おう 283 00:22:06,122 --> 00:22:10,126 この太平の世に こんな面白え➡ 284 00:22:10,126 --> 00:22:14,130 こんなへちゃむくれな話が そう ざらにあるもんじゃねえや 285 00:22:14,130 --> 00:22:17,133 そもそも 最初の話を持ってきたのは➡ 286 00:22:17,133 --> 00:22:20,136 ヘッ 姉御なんですからね 287 00:22:20,136 --> 00:22:23,139 私のせいにしないでおくれよ 288 00:22:23,139 --> 00:22:26,142 ねえ あんた 安坊もいることだし➡ 289 00:22:26,142 --> 00:22:31,080 もういいかげんに危ない仕事から 手を引いておくれよ 290 00:22:31,080 --> 00:22:33,082 あんな つまんない壺なんか ほっといて➡ 291 00:22:33,082 --> 00:22:37,086 かわいそうな安坊のために 本当の二親を捜してやる方が➡ 292 00:22:37,086 --> 00:22:40,086 ずっとお前さんらしいと 思わないかい? 293 00:22:46,095 --> 00:22:48,097 なにも柳生に 義理があるわけじゃなし➡ 294 00:22:48,097 --> 00:22:50,099 潰れようと潰れまいと 295 00:22:50,099 --> 00:22:54,103 第一 そんなお金が隠されてるか どうかも分かんないんだしさ 296 00:22:54,103 --> 00:23:00,103 安坊の親を捜しながら 3人で仲良く平和に暮らそうよ 297 00:23:03,112 --> 00:23:05,114 旦那 ハァ… 298 00:23:05,114 --> 00:23:08,117 ねえ そうしておくれよ 299 00:23:08,117 --> 00:23:11,120 よし 300 00:23:11,120 --> 00:23:14,123 お前さん うれしいよ 301 00:23:14,123 --> 00:23:17,126 与吉 司馬道場だい え? 302 00:23:17,126 --> 00:23:19,128 お前の勘が どうやら当たっていそうだ 303 00:23:19,128 --> 00:23:22,131 じゃあ 源三郎が持ち込んだ偽の壺 304 00:23:22,131 --> 00:23:24,133 そうだともよ 柳生の家ん中に➡ 305 00:23:24,133 --> 00:23:29,072 どっかに黒いねずみが いるに違えねえ 306 00:23:29,072 --> 00:23:33,076 お前さん 人を小ばかにおしでないよ 307 00:23:33,076 --> 00:23:35,078 ハハハ… 308 00:23:35,078 --> 00:23:38,081 怒りついでに 刀取ってくれ 309 00:23:38,081 --> 00:23:41,084 俺がわがまま言えんのは お前一人じゃねえか 310 00:23:41,084 --> 00:23:43,086 チェッ 311 00:23:43,086 --> 00:23:45,088 (お藤)フンッ 312 00:23:45,088 --> 00:23:48,088 さあ 与吉 案内しろ へい 313 00:23:50,093 --> 00:23:52,095 おう そうだ おう お藤 314 00:23:52,095 --> 00:23:56,099 お前に これ預けとくぜ 315 00:23:56,099 --> 00:23:59,102 伝八 参るぞ (伝八)はっ 316 00:23:59,102 --> 00:24:02,105 今日こそ必ず (お蓮)油断は禁物です 317 00:24:02,105 --> 00:24:07,110 ああいう暴れ者には 策をもって当たるのが得策です 318 00:24:07,110 --> 00:24:09,112 左膳の弱いのは右だ 319 00:24:09,112 --> 00:24:12,115 大勢をもって右を攻めれば 恐るることはない 320 00:24:12,115 --> 00:24:14,117 はっ 321 00:24:14,117 --> 00:24:18,121 若君 峰 丹波が一統を率いて 出かけましたぞ 322 00:24:18,121 --> 00:24:21,124 よし じい ちょっと行ってくるぞ 323 00:24:21,124 --> 00:24:26,129 若 相手は色事に慣れたる古ぎつね だまされぬように 御警戒たもれ 324 00:24:26,129 --> 00:24:28,131 俺もその道では引けは取らぬ 安心して待っとれ 325 00:24:28,131 --> 00:24:30,066 若! 326 00:24:30,066 --> 00:24:50,086 ♬~ 327 00:24:50,086 --> 00:25:08,086 ♬~ 328 00:25:12,108 --> 00:25:16,112 まあ これはこれは またどうした風の吹き回しなのか 329 00:25:16,112 --> 00:25:19,115 さあ どうぞこちらへ 330 00:25:19,115 --> 00:25:21,117 いやいや 母上こそそのまま 331 00:25:21,117 --> 00:25:23,119 まあ 母上などと 332 00:25:23,119 --> 00:25:27,123 そのような呼ばれ方をされると 急に老けてしまいます 333 00:25:27,123 --> 00:25:29,058 しかし まさか お名前を呼ぶわけにも 334 00:25:29,058 --> 00:25:33,062 それは時と場所によりけりで こうして水入らずの場合は➡ 335 00:25:33,062 --> 00:25:37,066 かえって名前を呼んでもらった方が 私も気楽です 336 00:25:37,066 --> 00:25:39,066 ハハハ 337 00:25:44,073 --> 00:25:46,075 では その気楽な方でひとつ➡ 338 00:25:46,075 --> 00:25:48,077 拙者の頼みを お聞き入れくださいませぬか 339 00:25:48,077 --> 00:25:51,080 私に頼みとおっしゃると? 340 00:25:51,080 --> 00:25:55,080 あなたでなければ かなえていただけぬことです 341 00:25:58,087 --> 00:26:02,087 人に聞かれては まずいことなら あちらへ 342 00:26:06,095 --> 00:26:08,095 およろしければ 343 00:26:16,105 --> 00:26:18,105 どうぞ 344 00:26:32,054 --> 00:26:44,066 ♬~ 345 00:26:44,066 --> 00:26:46,068 (与吉)旦那 正面から 乗り込むつもりですかい 346 00:26:46,068 --> 00:26:51,073 そうよ 御当家にある茶壺 本物か偽物か確かめたい 347 00:26:51,073 --> 00:26:54,076 そう言ったところで 見せるわけもあるめえ 348 00:26:54,076 --> 00:26:56,078 ということは 司馬道場の一統と 柳生の一統と➡ 349 00:26:56,078 --> 00:26:58,080 この2つを相手に 戦うことになりやすがね 350 00:26:58,080 --> 00:27:02,084 ハハッ 望むところだ 相手が多けりゃ多いほど➡ 351 00:27:02,084 --> 00:27:05,087 俺の濡れ燕が喜ぶってもんだい 352 00:27:05,087 --> 00:27:08,090 さあ 与吉 性根を据えて乗り込もうぜ 353 00:27:08,090 --> 00:27:10,092 へい 合点でさ 354 00:27:10,092 --> 00:27:21,092 ♬~