1 00:00:14,260 --> 00:00:15,180 記憶を 2 00:00:16,380 --> 00:00:17,880 思い出を 捨てたいんです 3 00:00:21,240 --> 00:00:21,960 思い出を? 4 00:00:26,500 --> 00:00:27,280 彼女 5 00:00:27,820 --> 00:00:29,440 その依頼者は2年前 6 00:00:29,760 --> 00:00:33,760 死別という形で 最愛の恋人を 失ったということだった 7 00:00:38,740 --> 00:00:39,540 いや でも 8 00:00:40,600 --> 00:00:41,760 大切な思い出でしょう? 9 00:00:42,580 --> 00:00:44,220 捨てることを考えるんじゃなくて 10 00:00:44,760 --> 00:00:48,780 胸にしまってその人のために精一杯生きることが 11 00:00:48,780 --> 00:00:50,380 もちろん大事な思い出です! 12 00:00:51,720 --> 00:00:53,380 決まってるじゃありませんか! 13 00:00:54,140 --> 00:00:56,200 だからこそ思い出したくないんです 14 00:00:59,420 --> 00:01:01,420 あれから2年も経つのに 15 00:01:03,040 --> 00:01:05,760 今でも 彼を忘れられないんです 16 00:01:10,220 --> 00:01:11,400 毎朝起きると 17 00:01:13,020 --> 00:01:14,820 彼がそばにいるような気がして 18 00:01:17,580 --> 00:01:19,460 それから いないことに気づくんです 19 00:01:23,860 --> 00:01:25,220 その度に 20 00:01:26,740 --> 00:01:29,800 彼がもう永遠にいないことを 21 00:01:29,980 --> 00:01:33,320 繰り返し繰り返し 感じるんです 22 00:01:36,620 --> 00:01:40,460 その時の胸の痛みは 決して慣れることはなく 23 00:01:41,420 --> 00:01:43,760 いつも初めてのように襲ってきます 24 00:01:47,340 --> 00:01:49,440 それは希望のない痛みなんです 25 00:01:52,080 --> 00:01:54,060 その痛みの向こうにあるのは 26 00:01:54,160 --> 00:01:56,560 ただ死っていうまっくらな闇なんです! 27 00:01:57,040 --> 00:01:57,880 あなたは 28 00:02:02,780 --> 00:02:05,940 大切な人に 死なれたことがないからわからないんです! 29 00:02:14,480 --> 00:02:15,300 すいません 30 00:02:18,760 --> 00:02:20,280 知ったようなこと言ってしまって 31 00:02:22,120 --> 00:02:24,780 いえ 私こそ 32 00:02:34,080 --> 00:02:35,200 僕に 33 00:02:36,560 --> 00:02:39,300 もし何かできることがあれば 34 00:02:43,040 --> 00:02:44,960 私の 思い出のお葬式に 35 00:02:46,280 --> 00:02:47,620 付き合って欲しいんです 36 00:02:50,540 --> 00:02:53,660 思い出の...お葬式? 37 00:02:59,180 --> 00:03:02,460 川崎にある「探偵事務所5」は 38 00:03:02,680 --> 00:03:06,960 創立60年を迎える 格式ある探偵事務所である 39 00:03:08,960 --> 00:03:11,540 この探偵事務所をめぐる物語に 40 00:03:11,600 --> 00:03:13,920 主人公は存在しない 41 00:03:14,740 --> 00:03:18,780 ここに登場するすべての探偵が主人公である 42 00:03:20,360 --> 00:03:21,800 あえて言うなら 43 00:03:22,480 --> 00:03:25,040 この探偵事務所5こそが 44 00:03:25,100 --> 00:03:29,720 この物語の主人公であるといえるかもしれない 45 00:03:30,860 --> 00:03:33,180 その探偵たちに名前はない 46 00:03:34,300 --> 00:03:37,620 5を先頭にする 3桁の番号をそれぞれが持ち 47 00:03:38,180 --> 00:03:41,280 互いをその番号で認識しあっている 48 00:03:42,760 --> 00:03:45,760 弊社をお選びくださってありがとうございます 49 00:03:46,260 --> 00:03:49,360 依頼人の秘密は絶対厳守いたします 50 00:03:50,100 --> 00:03:52,700 弊社ではご依頼の案件に 51 00:03:52,700 --> 00:03:56,400 最もふさわしい能力を持つ 探偵が調査を担当いたします 52 00:03:56,940 --> 00:03:59,720 今回 弊社が選んだのは... 53 00:04:10,900 --> 00:04:13,280 調査報告書 終わらない別れ 54 00:04:15,960 --> 00:04:17,760 彼女のいうことは こうだった 55 00:04:18,840 --> 00:04:20,960 彼を思い出す物が残っているから 56 00:04:21,520 --> 00:04:23,740 彼を思い出してしまうに 違いない 57 00:04:25,160 --> 00:04:26,880 彼のいた痕跡を消せば 58 00:04:27,480 --> 00:04:30,120 彼を思い出すこともなくなるのではないか と 59 00:04:31,120 --> 00:04:32,040 だから 60 00:04:32,240 --> 00:04:34,300 思い出の物をすべて捨て 61 00:04:34,620 --> 00:04:36,540 それから新しい町に移り住み 62 00:04:37,200 --> 00:04:41,100 生活のすべてを新しくしたい のだと 彼女は言った 63 00:04:44,120 --> 00:04:45,640 ごめんなさい 64 00:04:45,960 --> 00:04:47,620 こんなことに付き合わせるなんて 65 00:04:48,700 --> 00:04:49,300 いえ 66 00:04:50,220 --> 00:04:53,000 普段やってることと違うんで かえって新鮮です 67 00:04:57,520 --> 00:04:59,260 ばかみたいな女だと思ってるでしょ 68 00:05:00,120 --> 00:05:00,920 いえ 69 00:05:01,340 --> 00:05:02,940 そんなことは絶対にありません 70 00:05:04,300 --> 00:05:06,200 でも ひとりでは勇気がなかったんです 71 00:05:07,240 --> 00:05:10,000 今までも何度も彼の物を捨てようとして 72 00:05:11,000 --> 00:05:12,840 その度に思いとどまってましたから 73 00:05:15,000 --> 00:05:18,420 誰かに見ていてもらわないと 出来る自信がなかったんです 74 00:05:21,480 --> 00:05:23,960 僕でお役に立てるなら 光栄です 75 00:05:51,020 --> 00:05:53,600 これは? 76 00:05:53,940 --> 00:05:55,780 初めていった旅行先で 77 00:05:55,960 --> 00:05:59,420 二人でひとつ頼んだ アイスクリームに刺さっていた飾りです 78 00:06:00,660 --> 00:06:03,520 変でしょう?こんなものとっとくなんて 79 00:06:05,840 --> 00:06:10,500 「今日この時間を思い出せるなにかを とっておきたいんだ」って言って 彼が 80 00:06:12,900 --> 00:06:16,500 きっと夏子さんのこと すごく大事にしてくれてたんでしょうね 81 00:06:17,840 --> 00:06:18,700 ええ 82 00:06:19,860 --> 00:06:21,580 私 幸せでした 83 00:06:22,880 --> 00:06:24,580 手につかめるくらい 84 00:06:26,220 --> 00:06:27,500 はっきりと 85 00:06:30,560 --> 00:06:31,880 彼女がいう 86 00:06:32,240 --> 00:06:34,880 「手につかめるくらいはっきりとした幸せ」に 87 00:06:35,300 --> 00:06:36,660 すこし憧れた 88 00:06:39,420 --> 00:06:41,940 私 やっぱり馬鹿なことをしてるんでしょうね 89 00:06:43,460 --> 00:06:45,800 でも 思い出の物を失えば 90 00:06:45,800 --> 00:06:47,800 思い出すきっかけをも失う 91 00:06:48,700 --> 00:06:52,520 そうして小さなところから すこしずつ忘れていけるんじゃないかって 92 00:06:55,140 --> 00:06:56,240 思い出を 93 00:06:57,900 --> 00:07:01,740 あなたのところから 彼のところに届けてあげるんですね 94 00:07:08,160 --> 00:07:09,820 きっと 彼も喜んでくれますよ 95 00:07:48,820 --> 00:07:49,980 夏子さん! 96 00:07:50,400 --> 00:07:51,220 夏子さん! 97 00:07:54,400 --> 00:07:55,560 夏子さん! 98 00:07:57,460 --> 00:07:58,800 夏子さん!だめだ! 99 00:07:59,140 --> 00:08:01,500 だめ 怖い! 100 00:08:01,500 --> 00:08:04,060 自分からなにかが抜け落ちるみたい! 101 00:08:04,060 --> 00:08:06,400 あたし 生きていけない! 102 00:08:06,560 --> 00:08:08,180 生きていけますよ! 103 00:08:08,180 --> 00:08:10,960 そんなのわからない!だれが保証してくれるの! 104 00:08:15,180 --> 00:08:17,520 僕が保証します! -嘘つき! 105 00:08:17,800 --> 00:08:19,740 離してよ! 106 00:08:25,660 --> 00:08:27,400 夏子さん -還給我 107 00:09:18,760 --> 00:09:21,340 あの…夏子さん 108 00:09:22,960 --> 00:09:25,720 このお葬式 やっぱり辞めたらどうですか? 109 00:09:27,440 --> 00:09:30,320 無理に忘れなくても 夏子さんならきっと 110 00:09:30,560 --> 00:09:34,100 彼との思い出も一緒に まるごと愛してくれる人がいますよ 111 00:09:34,500 --> 00:09:35,300 僕は 112 00:09:36,880 --> 00:09:37,880 そう思います 113 00:09:40,200 --> 00:09:42,280 でも やっぱりどうしても やらなくてはいけないんです 114 00:09:46,680 --> 00:09:48,720 自分がこの先生きていくために 115 00:09:49,400 --> 00:09:50,420 どうしてですか? 116 00:09:53,020 --> 00:09:54,480 あなたにはわからない 117 00:10:12,540 --> 00:10:13,820 ごめんなさい 118 00:10:20,880 --> 00:10:21,680 わかりました 119 00:10:23,060 --> 00:10:24,240 明日 もう一度やりましょう 120 00:10:26,000 --> 00:10:27,520 なにかいい方法がないか 121 00:10:27,940 --> 00:10:29,720 一晩だけ考えさせてください 122 00:10:56,300 --> 00:11:00,140 濡れた彼女の 細い肩を抱いた感触が 123 00:11:00,580 --> 00:11:02,020 まだ手に残っていた 124 00:11:03,820 --> 00:11:05,840 何かしてあげなくてはならない 125 00:11:06,560 --> 00:11:08,040 守ってあげなくてはならない 126 00:11:09,400 --> 00:11:11,180 そんな気持ちにさせられた 127 00:11:12,780 --> 00:11:16,360 これは探偵としてだろうか 128 00:11:17,640 --> 00:11:18,600 それとも... 129 00:11:26,720 --> 00:11:28,320 昨日は本当にごめんなさい 130 00:11:29,420 --> 00:11:31,120 私のためにやってくれてるのに 131 00:11:31,880 --> 00:11:32,500 いえ 132 00:11:33,540 --> 00:11:37,860 たぶんまだ取り戻せるって 思えるのがいけないんだと思います 133 00:11:39,160 --> 00:11:40,140 よし 134 00:11:43,720 --> 00:11:47,840 これなら一度決心したら もう戻ることはできませんから 135 00:11:54,280 --> 00:11:54,860 じゃ 136 00:11:56,800 --> 00:11:57,780 いいですね? 137 00:13:45,240 --> 00:13:46,260 大丈夫です 138 00:13:48,420 --> 00:13:49,560 大丈夫 139 00:13:56,820 --> 00:13:58,280 僕が 140 00:14:00,500 --> 00:14:02,260 ついてます 141 00:14:29,020 --> 00:14:31,860 なぜ そんなことをしてしまったのか 142 00:14:51,120 --> 00:14:53,500 沸き上がってくる自分の感情を 143 00:14:54,000 --> 00:14:56,120 押さえることが出来なかった 144 00:15:48,500 --> 00:15:49,340 止まってる 145 00:15:51,740 --> 00:15:53,000 死んだ人の時間は 146 00:15:54,540 --> 00:15:55,880 そこで止まってしまっているんだ 147 00:16:00,860 --> 00:16:02,120 君は 生きなくちゃ 148 00:16:36,980 --> 00:16:37,680 終わったね 149 00:16:45,160 --> 00:16:46,260 なんだか…怖い 150 00:17:01,240 --> 00:17:02,660 もしよかったら 151 00:17:07,960 --> 00:17:09,820 僕のところに来ないか 152 00:17:22,360 --> 00:17:23,720 依頼者に恋をする 153 00:17:25,360 --> 00:17:29,140 探偵としてもっとも やってはいけないとされることだ 154 00:17:31,100 --> 00:17:34,740 でも 僕は 踏み出してしまった 155 00:17:36,760 --> 00:17:37,420 それから 156 00:17:38,260 --> 00:17:39,860 ふたりの生活がはじまった 157 00:19:03,260 --> 00:19:05,320 とても楽しそうに笑った後 158 00:19:06,020 --> 00:19:09,920 彼女は いつものようにあの表情に沈みこむ 159 00:19:11,800 --> 00:19:15,040 まるで自分が笑ってしまっては いけない人間かのように 160 00:19:16,300 --> 00:19:18,460 自分に罰を与えているかのように 161 00:19:20,160 --> 00:19:21,640 それが僕には不思議だった 162 00:19:41,260 --> 00:19:42,400 おいしい 163 00:19:59,260 --> 00:20:00,880 こんな目をする時 164 00:20:01,700 --> 00:20:04,880 きっと彼女は“彼”と話している 165 00:20:07,080 --> 00:20:08,560 僕の目の前で 166 00:20:09,940 --> 00:20:11,740 僕のことを忘れてしまう 167 00:20:27,760 --> 00:20:28,780 私.. 168 00:20:54,400 --> 00:20:56,260 まだ依頼は続いているのかしら 169 00:20:59,820 --> 00:21:05,020 あなたは 私から彼を忘れさせようとしているの? 170 00:21:06,940 --> 00:21:08,460 なに言ってんだよ 171 00:21:14,180 --> 00:21:15,480 ごめんなさい 172 00:21:17,240 --> 00:21:19,000 あたし ひどいこといったわね 173 00:21:27,720 --> 00:21:29,060 あなたは 本当に… 174 00:21:33,700 --> 00:21:35,140 優しすぎるわ 175 00:21:47,060 --> 00:21:48,040 もしもし 176 00:21:50,240 --> 00:21:52,940 そんなことでいちいち電話してくんな! 177 00:22:12,400 --> 00:22:15,640 午後3時 ターゲット 定刻どおり事務所到着 178 00:22:25,160 --> 00:22:28,440 急に 街の中に いるはずのない彼女の匂いを感じた 179 00:22:38,440 --> 00:22:41,660 その時僕は 彼女が もう 180 00:22:42,180 --> 00:22:45,080 完全に僕の身体の中に住んでいるのを感じた 181 00:22:46,280 --> 00:22:47,220 だが 182 00:24:07,000 --> 00:24:07,920 なに これ? 183 00:24:09,200 --> 00:24:10,400 なんでよごれてんの? 184 00:24:14,600 --> 00:24:15,880 なんでもない 185 00:24:17,420 --> 00:24:18,500 なんでもなくない 186 00:24:30,060 --> 00:24:30,880 これ... 187 00:24:37,020 --> 00:24:37,880 なんで? 188 00:24:40,260 --> 00:24:41,300 わからない 189 00:24:45,320 --> 00:24:46,400 どうしてだよ 190 00:24:47,960 --> 00:24:48,920 見ろよ! 191 00:24:50,080 --> 00:24:51,760 こんな時計 もう止まってんだよ! 192 00:25:09,360 --> 00:25:10,840 これじゃ君まで 193 00:25:13,760 --> 00:25:16,780 死んだ時間の中に 閉じこもった幽霊じゃないか!! 194 00:25:21,060 --> 00:25:21,780 幽霊 195 00:25:35,760 --> 00:25:36,740 僕を見てくれ 196 00:25:38,740 --> 00:25:39,720 僕はここにいる 197 00:25:41,160 --> 00:25:42,600 僕は現実なんだよ 198 00:25:47,900 --> 00:25:48,840 君の目の前 199 00:25:50,500 --> 00:25:51,680 ここにいるんだよ! 200 00:25:58,080 --> 00:26:01,940 君を愛してるんだ! 201 00:26:13,800 --> 00:26:16,140 君のためになりたいんだ 202 00:26:24,020 --> 00:26:25,420 君を幸せにしたい 203 00:26:33,180 --> 00:26:33,960 無理よ 駄目だわ 204 00:26:36,980 --> 00:26:38,020 なんで? 205 00:26:49,220 --> 00:26:50,620 僕が年下だから? 206 00:26:53,660 --> 00:26:56,060 そんなことじゃないの -だったらなんだよ! 207 00:26:56,300 --> 00:26:57,860 もうわかんないよ! 208 00:27:10,940 --> 00:27:12,760 どうしたらいいか 言ってくれよ 209 00:27:16,200 --> 00:27:20,940 君が彼のことを完全に忘れて 210 00:27:23,360 --> 00:27:27,300 心の底から笑えるようになってくれるなら 211 00:27:32,560 --> 00:27:34,960 僕の全部を賭けて なんでもする! 212 00:27:39,740 --> 00:27:40,520 だから 213 00:27:43,540 --> 00:27:45,180 僕を…信じてくれ! 214 00:28:08,640 --> 00:28:10,980 信じられないのは あなたじゃないの 215 00:28:14,000 --> 00:28:15,020 私なのよ 216 00:28:28,560 --> 00:28:30,460 あなたは 私には似合わない 217 00:28:32,840 --> 00:28:35,000 あなたは きっと 私を幸せにしてくれる 218 00:28:36,340 --> 00:28:38,520 私から彼のことを忘れさせてくれる 219 00:28:39,640 --> 00:28:42,000 でも 私は 忘れちゃいけないのよ 220 00:28:47,720 --> 00:28:48,480 なぜ 221 00:28:54,920 --> 00:28:56,760 私を 警察に連れて行ってください 222 00:29:06,460 --> 00:29:08,400 私は 彼を殺しました 223 00:29:34,900 --> 00:29:36,420 協力 ご苦労様です! 224 00:29:40,800 --> 00:29:41,520 どうぞ 225 00:30:10,200 --> 00:30:11,100 どうした? 226 00:30:11,580 --> 00:30:12,900 ワケありか? 227 00:30:14,780 --> 00:30:15,400 いえ 228 00:30:19,800 --> 00:30:21,200 大人の顔になったな 229 00:30:27,060 --> 00:30:28,740 彼女は振り返らなかった 230 00:30:30,540 --> 00:30:34,060 あまりにあっけない別れだった 231 00:30:48,160 --> 00:30:51,640 彼女は なぜ あんな依頼をしたのだろう 232 00:30:52,840 --> 00:30:55,660 もしかしたら 誰かに捕まえて欲しかったのだろうか 233 00:30:56,920 --> 00:30:58,280 それは わからない 234 00:30:59,940 --> 00:31:00,660 ただ 235 00:31:01,560 --> 00:31:03,860 彼女があの時振り返らなかったのは 236 00:31:04,980 --> 00:31:06,420 もしかしたら 彼女の 237 00:31:07,540 --> 00:31:12,400 精一杯の私への愛だったのかもしれないと 238 00:31:13,660 --> 00:31:15,500 ずいぶん経ってから思った 239 00:31:21,800 --> 00:31:25,760 たった一瞬しか過ごさなかった彼女と私に 240 00:31:25,980 --> 00:31:28,400 思い出の品は存在しない 241 00:31:29,880 --> 00:31:30,700 それなら 242 00:31:31,180 --> 00:31:33,940 私はいったい何を捨てたらいいんだろう 243 00:31:35,820 --> 00:31:39,160 どうやって彼女を忘れることができるのだろう 244 00:31:40,640 --> 00:31:46,900 この胸の痛みが いつか消えてなくなる日が 来るんだろうか 245 00:31:59,760 --> 00:32:00,460 はい 246 00:32:02,460 --> 00:32:03,200 了解です 247 00:32:04,780 --> 00:32:07,500 大丈夫です ただちに戻ります 248 00:32:08,700 --> 00:32:10,280 依頼は次々にやってくる 249 00:32:11,640 --> 00:32:14,880 今の私は とりあえず 250 00:32:16,040 --> 00:32:17,820 前に進むことしかできない