1 00:00:03,170 --> 00:00:06,607 (岡本太郎) 私は この万博のテーマに反対である。 2 00:00:06,607 --> 00:00:09,943 「人類の進歩と 調和」なんて くそ食らえだ! 3 00:00:09,943 --> 00:00:11,912 人類は 進歩なんかしていない! 4 00:00:11,912 --> 00:00:15,249 万博のプロデューサーを 引き受けた理由は 何ですか? 5 00:00:15,249 --> 00:00:18,552 危険だからだ! 6 00:00:18,552 --> 00:00:20,854 人間は 生きる 瞬間 瞬間で➡ 7 00:00:20,854 --> 00:00:22,856 自分の進むべき 道を選ぶ。 8 00:00:22,856 --> 00:00:25,225 「その時 私は いつだって➡ 9 00:00:25,225 --> 00:00:29,763 まずいと判断する方 危険な方に かけることにしている。➡ 10 00:00:29,763 --> 00:00:32,666 それが私の 生き方の筋だ!」。 11 00:00:35,102 --> 00:00:37,671 (丹下健三)我々が構想する このシンボルゾーンに➡ 12 00:00:37,671 --> 00:00:41,174 何かしら テーマ展示が つくられるかもしれない。 13 00:00:41,174 --> 00:00:46,413 我々は よくよく注意して それを迎え撃たねばならないよ。 14 00:00:46,413 --> 00:00:50,317 岡本太郎は 何をしでかすか 分からないからね。 15 00:00:50,317 --> 00:00:53,921 出来たぞ! 16 00:00:53,921 --> 00:00:56,757 (岡本敏子)何だ これは…。 17 00:00:56,757 --> 00:01:00,961 ベラボーだ。 これで 万博と闘ってやる! 18 00:01:05,465 --> 00:01:08,302 (丹下)万博を 木に例えると➡ 19 00:01:08,302 --> 00:01:11,672 このシンボルゾーンは 会場全体の幹に相当し➡ 20 00:01:11,672 --> 00:01:16,643 そっから伸びていく装置道路 いわゆる「動く歩道」が枝で➡ 21 00:01:16,643 --> 00:01:21,481 各国のパビリオンが 色とりどりの花 というふうに 考えてるんだ。 22 00:01:21,481 --> 00:01:24,351 テーマ展示も ここに置くのが 最適だと思うよ。 23 00:01:24,351 --> 00:01:27,554 太郎さんが何をつくるのか 分からないけど。 24 00:01:27,554 --> 00:01:32,693 この全体を覆ってる 屋根の お化けみたいなものは何だ? 25 00:01:32,693 --> 00:01:37,531 大屋根ですよ。 世界中の人々が 集まってくる このシンボルゾーンは➡ 26 00:01:37,531 --> 00:01:39,800 ひとつ屋根の下にある というわけ。➡ 27 00:01:39,800 --> 00:01:43,503 また この屋根は 空中都市にも なっているんだよ。空中都市? 28 00:01:43,503 --> 00:01:47,074 つまり 未来都市の在り方を 提案してるんだ。 29 00:01:47,074 --> 00:01:49,676 面白い! 30 00:01:54,281 --> 00:01:57,317 う~ん…。 31 00:01:57,317 --> 00:02:18,472 ♬~ 32 00:02:18,472 --> 00:02:25,078 <青春は 無限に明るく また 無限に暗い。➡ 33 00:02:25,078 --> 00:02:30,917 僕の青春は パリにあった。➡ 34 00:02:30,917 --> 00:02:32,919 風刺漫画家として➡ 35 00:02:32,919 --> 00:02:35,055 時代の寵児と なった父が➡ 36 00:02:35,055 --> 00:02:42,829 僕と母を引き連れて ヨーロッパに旅立ったのは 1929年。➡ 37 00:02:42,829 --> 00:02:46,833 僕が 18の時だった> 38 00:02:49,569 --> 00:02:53,140 (鐘の音) 39 00:02:53,140 --> 00:02:55,075 (岡本かの子) ああ…。 40 00:02:55,075 --> 00:03:01,381 ♬~ 41 00:03:01,381 --> 00:03:04,384 とうとう パリへ 来ましたね。 42 00:03:04,384 --> 00:03:07,187 お前 覚えてるの? 43 00:03:07,187 --> 00:03:10,090 忘れません。 何度 聞かされたことか。 44 00:03:10,090 --> 00:03:14,961 あのころは お父さんに絶望して 夢みてたけど➡ 45 00:03:14,961 --> 00:03:18,398 結局 お父さんに 連れてきてもらったのね。 46 00:03:18,398 --> 00:03:23,703 そうだ! これからは 「パパ」と呼びましょう。 47 00:03:23,703 --> 00:03:27,107 漫画も パパぐらいになれば 立派な芸術だわね。 48 00:03:28,675 --> 00:03:31,978 <そのころ 僕は画家を志し➡ 49 00:03:31,978 --> 00:03:35,382 母は 歌人から小説家を目指し➡ 50 00:03:35,382 --> 00:03:40,187 父は 漫画を描きながら 2人の夢を支えていた> 51 00:03:44,124 --> 00:04:00,240 ♬~(シャンソン) 52 00:04:00,240 --> 00:04:03,810 (岡本一平)これはね 「白いバラ」という➡ 53 00:04:03,810 --> 00:04:06,847 ある娼婦のことを歌った シャンソンだ。 54 00:04:06,847 --> 00:04:10,584 彼女は 自分を売ろうとする男に恋をし➡ 55 00:04:10,584 --> 00:04:15,155 客を取るのを嫌がったために その男に殺されてしまうんだよ。 56 00:04:15,155 --> 00:04:20,894 まあ! そんな冷たい白いバラは嫌ね。 57 00:04:20,894 --> 00:04:24,698 私なら 赤いバラのように死にたいわ。 58 00:04:24,698 --> 00:04:28,335 (笑い声) 59 00:04:28,335 --> 00:04:35,575 <僕には 生涯 母親を持った記憶がない。➡ 60 00:04:35,575 --> 00:04:39,346 ただ ひたすら 自らの芸術に身をささげ➡ 61 00:04:39,346 --> 00:04:42,883 甘えたい時だけ 僕に甘える。➡ 62 00:04:42,883 --> 00:04:45,252 彼女は 僕にとって➡ 63 00:04:45,252 --> 00:04:49,856 無邪気で残酷な 芸術そのものだ> 64 00:04:49,856 --> 00:05:06,439 ♬~ 65 00:05:06,439 --> 00:05:14,047 <父と母は パリで短い間を過ごし 父の仕事のため ロンドンへ たった> 66 00:05:14,047 --> 00:05:22,522 ♬~ 67 00:05:22,522 --> 00:05:30,797 <僕は一人 パリに残った。 絵の勉強をするためだ> 68 00:05:30,797 --> 00:06:18,211 ♬~ 69 00:06:28,221 --> 00:06:34,027 (石原)さあ 出来たよ! もうじき ご飯も炊けるからね。 70 00:06:34,027 --> 00:06:37,230 フフッ! さあ 遠慮すんなよ。 71 00:06:37,230 --> 00:06:41,034 君のお父さんは学校の先輩で 君は後輩のよしみじゃないか。 72 00:06:43,103 --> 00:06:46,940 あの… フランス語は どれぐらい 話せるようになりました? 73 00:06:46,940 --> 00:06:53,346 話す必要ないだろ。 俺たちは 絵描きなんだからな。 大丈夫だよ。 74 00:06:53,346 --> 00:06:58,051 じゃあ あの フランス語を覚えずに こう 日本人と話してばっかりで➡ 75 00:06:58,051 --> 00:07:01,254 で こうして みそ汁と 米 食べて➡ 76 00:07:01,254 --> 00:07:06,359 それで あの フランスでは 何を勉強してるんですか? 77 00:07:11,264 --> 00:07:18,738 俺たちはね パリに来るまでに 随分 日本で努力したんだ。 78 00:07:18,738 --> 00:07:22,676 パリに渡れたのは いわば その成功報酬だろう。➡ 79 00:07:22,676 --> 00:07:25,145 帰れば また➡ 80 00:07:25,145 --> 00:07:29,950 日本で生き残りを懸けて 闘わなくちゃならないんだ。➡ 81 00:07:29,950 --> 00:07:34,654 パリ帰りの画家なんて もう 珍しくも何ともないからね。 82 00:07:34,654 --> 00:07:38,758 どうして パリで闘わないんです? 83 00:07:42,862 --> 00:07:51,571 太郎君 パリには 闘う場所なんて どこにもないよ。➡ 84 00:07:51,571 --> 00:07:54,474 パリが 本気で俺たちを 受け入れてくれると思うか? 85 00:07:54,474 --> 00:07:56,743 いや どうして そう へりくだるんです? 86 00:07:56,743 --> 00:07:58,745 中に入っていけばいいじゃないか。 87 00:07:58,745 --> 00:08:04,084 (和田)君は 本当に 世間知らずの お坊ちゃんなんだな。➡ 88 00:08:04,084 --> 00:08:06,186 坊やが描いた絵 見せてごらん。 89 00:08:10,824 --> 00:08:15,729 あ~ なるほど。 画学生らしい絵だね。 90 00:08:17,464 --> 00:08:24,037 太郎君 君も 風刺漫画でも描いたらどうだい? 91 00:08:24,037 --> 00:08:28,875 その方が 向いてると思うよ。 92 00:08:28,875 --> 00:08:32,178 さあ 冷めないうちに食べちゃおう。 93 00:08:32,178 --> 00:08:50,563 ♬~ 94 00:08:50,563 --> 00:08:54,067 <そして 2年が過ぎた> 95 00:08:57,270 --> 00:09:02,575 <1932年 ヨーロッパを外遊した父と母が➡ 96 00:09:02,575 --> 00:09:07,580 日本へ帰国する前に 再び パリへやって来た> 97 00:09:09,416 --> 00:09:12,685 (かの子)お前は もうすっかり パリジャンのようだね。 98 00:09:12,685 --> 00:09:16,523 母さんも すっかり ピエロのようですね。ピエロ? 99 00:09:16,523 --> 00:09:21,127 母さんは 昔から 無邪気で寂しい人でしたから。 100 00:09:23,363 --> 00:09:27,167 そこに欧風が加わって すっかり ピエロというわけです。 101 00:09:27,167 --> 00:09:34,774 まあ お前は フランス語と パリ風の毒舌まで覚えたんだね。 102 00:09:34,774 --> 00:09:36,709 この2年間➡ 103 00:09:36,709 --> 00:09:42,048 僕は 芸術家の前に この国の 人間になろうとしたんです。 104 00:09:42,048 --> 00:09:44,317 (花火の音) 105 00:09:44,317 --> 00:09:57,797 ♬~(歌声) 106 00:09:57,797 --> 00:10:00,700 <父は パリでの仕事に追われて➡ 107 00:10:00,700 --> 00:10:06,072 僕と母は 恋人のように 毎日 2人で過ごした> 108 00:10:06,072 --> 00:10:16,983 ♬~ 109 00:10:22,522 --> 00:10:25,725 (笑い声) 110 00:10:28,394 --> 00:10:32,198 あんた とても大胆ね。 111 00:10:32,198 --> 00:10:34,868 どんな冗談を言ったのか 分からないけど➡ 112 00:10:34,868 --> 00:10:36,803 こんな 人なかで…。 113 00:10:36,803 --> 00:10:39,339 お母さん また おびえてますよ。 114 00:10:39,339 --> 00:10:42,542 僕たちは もっと 世間に対して 平気にならないと。 115 00:10:42,542 --> 00:10:46,446 誰だって 同じ人間です。 116 00:10:46,446 --> 00:10:58,858 ♬~ 117 00:10:58,858 --> 00:11:04,631 行きましょう。 えっ? 118 00:11:04,631 --> 00:11:10,303 ♬~ (拍手) 119 00:11:10,303 --> 00:11:26,219 ♬~ 120 00:11:26,219 --> 00:11:32,859 ♬~ (かの子の笑い声) 121 00:11:32,859 --> 00:11:40,233 ♬~ 122 00:11:40,233 --> 00:11:42,769 太郎! 123 00:11:42,769 --> 00:11:49,609  回想 (かの子) あの子には 絵を描かせるわ。➡ 124 00:11:49,609 --> 00:11:53,980 絵描きにするのよ。 125 00:11:53,980 --> 00:12:05,258 ♬~ 126 00:12:05,258 --> 00:12:07,193 (拍手) 127 00:12:07,193 --> 00:12:15,268 ⚟♬~(ピアノ) 128 00:12:15,268 --> 00:12:22,775 ♬~ 129 00:12:22,775 --> 00:12:28,081 まあ お前 どこで こんなものを? 130 00:12:28,081 --> 00:12:32,952 ああ 友達のフランス人が のみの市で 見つけてきて 僕にくれたんです。 131 00:12:32,952 --> 00:12:38,157 夏になったら これで ジョキンジョキンやるんだね。 132 00:12:40,026 --> 00:12:42,929 何だか 官能的だわ。 133 00:12:44,597 --> 00:12:49,102 この部屋は すっかり母さんの 好みに変えられてしまいましたね。 134 00:12:49,102 --> 00:12:57,944 だって あなたが この部屋で どうやって暮らすのか➡ 135 00:12:57,944 --> 00:13:10,256 朝起きて夜寝るまで どんなふうに 過ごしているのか 日本にいても➡ 136 00:13:10,256 --> 00:13:16,929 それが鮮明に思い出せるように しておきたいのだもの。 137 00:13:16,929 --> 00:13:21,768 あなたと離れている間➡ 138 00:13:21,768 --> 00:13:26,339 片ときだって あなたを 思わないではいられないのよ。 139 00:13:26,339 --> 00:13:28,741 お母さんも 創作に打ち込んで下さい。 140 00:13:28,741 --> 00:13:31,744 その方が ず~っと身近に感じられます。 141 00:13:34,080 --> 00:13:38,384 これからは小説を書くつもりよ。 142 00:13:38,384 --> 00:13:42,889 いよいよ本格的に始めるんですね。 143 00:13:44,824 --> 00:13:49,662 ♬~ 144 00:13:49,662 --> 00:13:58,204 それでも… あなたを奪われるようで➡ 145 00:13:58,204 --> 00:14:03,676 この街が 少し憎らしい。 146 00:14:03,676 --> 00:14:10,583 あと2~3年の辛抱です。 2~3年? 147 00:14:10,583 --> 00:14:14,587 2~3年で あんたの絵が どうにかなるとでも? 148 00:14:16,289 --> 00:14:25,531 太郎! そんな覚悟では 描きたい 絵など見つかるわけないわよ。 149 00:14:25,531 --> 00:14:27,467 フランス語を覚えたのは➡ 150 00:14:27,467 --> 00:14:31,304 あなたが ここの土地の人間に なるためじゃないの。 151 00:14:31,304 --> 00:14:33,773 ここで生きる人間になって➡ 152 00:14:33,773 --> 00:14:37,577 ここで生きる苦しみや喜びを 描けなければ➡ 153 00:14:37,577 --> 00:14:40,546 誰の心も打てやしないわよ。 154 00:14:40,546 --> 00:14:43,850 フランス人になんか なれるわけないんです。 155 00:14:43,850 --> 00:14:47,220 あいつらは こう… おどけてる 僕を見て 近づいてはくれるけど➡ 156 00:14:47,220 --> 00:14:49,188 中には 入れてくれません。 157 00:14:49,188 --> 00:14:53,593 そう… あの この土地の人間は 排他的なんです。 158 00:14:53,593 --> 00:14:56,796 それは あなたの絵に魅力がないからよ。 159 00:14:59,966 --> 00:15:04,670 私だって 本当に分かり合える人とは➡ 160 00:15:04,670 --> 00:15:07,206 作品を通してでしか 出会えなかったわ。 161 00:15:07,206 --> 00:15:10,309 最初から僕には才能なんて ないんです。 あなたとは違う! 162 00:15:14,480 --> 00:15:21,220 ほら これ。 この絵も この絵も…。 163 00:15:21,220 --> 00:15:25,224 ほら! あなたの息子は こんな絵しか描けない! 164 00:15:25,224 --> 00:15:29,796 これが現実だ! 誰が こんな絵 評価する? 165 00:15:29,796 --> 00:15:32,799 誰が認めるもんか! 166 00:15:32,799 --> 00:15:39,906 太郎。 あなたには才能がある。 167 00:15:39,906 --> 00:15:44,644 それは 私があげたんだから。 あなたから 何も もらってない! 168 00:15:44,644 --> 00:15:46,979 もらったのは孤独だけだ! 169 00:15:46,979 --> 00:15:50,516 それを持ってない人間の方が よっぽど悲劇だわ。 170 00:15:50,516 --> 00:16:01,194 ♬~ 171 00:16:01,194 --> 00:16:05,598 太郎。 172 00:16:05,598 --> 00:16:14,140 お前の絵を最初に認めるのは お前しかないんだよ。 173 00:16:14,140 --> 00:16:17,743 人の評価に 自分を委ねては駄目! 174 00:16:19,812 --> 00:16:26,919 太郎。 不遇を恐れてはいけないわ。 175 00:16:28,588 --> 00:16:37,196 孤独を恐れては 本当に欲しいものに手が届かない。 176 00:16:41,534 --> 00:16:44,737 あなたの 迷っていることは よく分かる。 177 00:16:46,873 --> 00:16:51,711 お前の 苦しみが分かれば分かるほど➡ 178 00:16:51,711 --> 00:16:56,549 私だって苦しい。 179 00:16:56,549 --> 00:17:02,655 だけど あなたは やっぱり 絵描きになりなさい! 180 00:17:04,657 --> 00:17:12,832 他の 自分に絶望して 絵に専念なさい! 181 00:17:12,832 --> 00:17:25,711 ♬~ 182 00:17:25,711 --> 00:17:30,683 初めから 当てのないことを してるのだから➡ 183 00:17:30,683 --> 00:17:35,755 迷うことを恐れず➡ 184 00:17:35,755 --> 00:17:42,562 ひたすら 手を動かしながら考えることよ。 185 00:17:46,933 --> 00:17:49,569 太郎…。 186 00:17:49,569 --> 00:18:10,756 ♬~ 187 00:18:10,756 --> 00:18:17,330 今夜は私も 孤独に過ごすわ。 188 00:18:17,330 --> 00:18:38,584 ♬~ 189 00:18:38,584 --> 00:18:43,990 <しかし 描きたい絵など見つからなかった> 190 00:18:43,990 --> 00:19:05,878 ♬~ 191 00:19:08,180 --> 00:19:24,930 ⚟(鐘の音と人の声) 192 00:19:24,930 --> 00:19:31,337 ⚟(人の声) 193 00:19:31,337 --> 00:19:47,353 (鐘の音) 194 00:19:47,353 --> 00:19:52,124  心の声  それは パブロ・ピカソの絵だった。 195 00:19:52,124 --> 00:19:54,126 (鐘の音) 196 00:19:54,126 --> 00:20:30,863 ♬~ 197 00:20:30,863 --> 00:20:34,467  心の声 僕は ピカソに感動した。➡ 198 00:20:34,467 --> 00:20:36,502 絶望的に感動した。➡ 199 00:20:36,502 --> 00:20:40,172 いや 僕は ピカソの絵に感動したんじゃない。➡ 200 00:20:40,172 --> 00:20:42,742 そこに己の運命を見たのだ。➡ 201 00:20:42,742 --> 00:20:45,978 絶望の中で ピカソを乗り越える決意をする。➡ 202 00:20:45,978 --> 00:20:50,316 それは 人間誕生の一瞬であった! 203 00:20:50,316 --> 00:21:14,707 ♬~ 204 00:21:23,349 --> 00:21:28,354 <父と母が 日本へ旅立つ日が やって来た> 205 00:21:36,762 --> 00:21:42,034 うん。 とっても似合ってます お母さん。 きれいです。 206 00:21:42,034 --> 00:21:46,939 ありがとう。 大切にするわ。 207 00:21:49,375 --> 00:21:53,145 とりあえず 達者でな。 208 00:21:53,145 --> 00:21:57,750 タゴシは この国で 生きていく覚悟をしたんだろ? 209 00:21:59,819 --> 00:22:01,821 はい。 210 00:22:03,689 --> 00:22:10,696 (一平)金のことなら心配するな。 必要だと思ったことは何でもやれ。 211 00:22:12,398 --> 00:22:14,333 はい。 212 00:22:14,333 --> 00:22:19,839 (すすり泣く声) 213 00:22:19,839 --> 00:22:21,774 (汽笛) 214 00:22:21,774 --> 00:22:42,061 (発車の鐘の音) 215 00:22:42,061 --> 00:22:44,029 太郎! 216 00:22:44,029 --> 00:22:53,172 ♬~ 217 00:22:53,172 --> 00:22:57,042 お母さん お父さん 僕 分かったんです。 218 00:22:57,042 --> 00:23:00,913 僕たちは 別れて初めて親子になれる。 219 00:23:00,913 --> 00:23:03,549 それを 実感できると。 220 00:23:03,549 --> 00:23:08,387 お父さん お母さんが小説を書けるように➡ 221 00:23:08,387 --> 00:23:12,925 これからは お父さんが 支えていってあげて下さい。 222 00:23:12,925 --> 00:23:19,098 今まで お父さんは お母さんを 食べてきました。 だから今度は➡ 223 00:23:19,098 --> 00:23:21,600 お母さんが お父さんを食べる番です。 224 00:23:23,269 --> 00:23:26,272 分かった そうしよう。 約束するよ。 225 00:23:26,272 --> 00:23:29,475 お母さんのそばには いつだって 私がいる。 安心しなさい。 226 00:23:31,410 --> 00:23:33,345 (汽笛) 227 00:23:33,345 --> 00:23:37,816 (泣き声) 228 00:23:37,816 --> 00:23:43,922 ♬~ 229 00:23:43,922 --> 00:23:45,925 お母さん…。 230 00:23:48,727 --> 00:23:51,230 (かの子)太郎…。 お母さん。 231 00:23:51,230 --> 00:23:53,832 太郎。 お母さん…。 232 00:23:56,068 --> 00:23:58,671 太郎! お母さん。太郎! 233 00:24:00,372 --> 00:24:06,178 太郎! 太郎! 234 00:24:06,178 --> 00:24:11,016 太郎! 太郎! 235 00:24:11,016 --> 00:24:13,319 お母さん! 236 00:24:13,319 --> 00:24:15,554 芸術が僕たちを待ってます! 237 00:24:15,554 --> 00:24:20,192 お母さんは 僕の芸術です! 238 00:24:20,192 --> 00:24:23,095 僕の誇りです! 239 00:24:23,095 --> 00:24:43,415 ♬~ 240 00:24:43,415 --> 00:24:49,822 (汽笛) 241 00:24:55,461 --> 00:26:28,987 ♬~ 242 00:26:28,987 --> 00:26:31,890 太郎さん どう? 調子は。 243 00:26:31,890 --> 00:26:36,528 ああ。 いいよ。 一度 見に来るかい? 244 00:26:36,528 --> 00:26:40,899 いやあ 僕はね なかなか 手が離せなくてね。 245 00:26:40,899 --> 00:26:43,702 一度 うちの若い者を勉強にやらせるよ。 246 00:26:45,471 --> 00:26:48,173 ああ。 じゃあ 待ってるよ。 247 00:26:49,808 --> 00:26:51,810 (電話を切る音) 248 00:27:07,025 --> 00:27:10,829 (谷村武彦)倉田君たち ちょっと。(一同)はい。 249 00:27:12,464 --> 00:27:14,433 君たちには これから➡ 250 00:27:14,433 --> 00:27:16,735 岡本太郎さんのアトリエに 行ってもらいたい。➡ 251 00:27:16,735 --> 00:27:19,238 太郎さんが 何をつくっているかを➡ 252 00:27:19,238 --> 00:27:21,940 見てくればいいんだよ。 (一同)はい。 253 00:27:28,413 --> 00:27:31,116 ここですね。 ですね。はい。 254 00:27:32,818 --> 00:27:34,753 お忙しいところ すいません。 いえいえいえ。 255 00:27:34,753 --> 00:27:38,991 こちらのドアから お入り下さい。 はい。は~い! 256 00:27:38,991 --> 00:27:41,293 失礼します。 257 00:27:41,293 --> 00:27:44,530 (一同)わあ~! わあ~! 258 00:27:44,530 --> 00:27:47,432 (一同)わあ~! 259 00:27:47,432 --> 00:27:51,703 これでもう君たちは 何を見ても 大概驚かない。 260 00:27:51,703 --> 00:27:55,574 もし この先 驚いたら それは 感動だよ。 261 00:27:55,574 --> 00:27:57,910 どうぞ。 262 00:27:57,910 --> 00:28:06,018 ♬~ 263 00:28:06,018 --> 00:28:11,590 どうだ。 これが テーマだ。 驚いたか? 264 00:28:11,590 --> 00:28:13,525 何ですか これは? 265 00:28:13,525 --> 00:28:15,961 それだよ! それでいいんだよ。 266 00:28:15,961 --> 00:28:19,965 誰もが 「何だ これは?」と驚き 感動するものでなければならない。 267 00:28:19,965 --> 00:28:22,401 感動はしていません。 でも 驚いたじゃないか。 268 00:28:22,401 --> 00:28:24,903 驚きましたが…。 269 00:28:24,903 --> 00:28:28,840 ただ… これは何かと思って。 270 00:28:28,840 --> 00:28:32,644 ♬~ 271 00:28:32,644 --> 00:28:37,149 これを芸術だと思うかい? 272 00:28:37,149 --> 00:28:40,752 僕には分かりません。 それでいいんだよ。 273 00:28:40,752 --> 00:28:44,590 「これは芸術だから」という 分かり方が 一番 卑しいんだ。 274 00:28:44,590 --> 00:28:47,492 芸術に頭を下げるなんて 滑稽なことだよ。 275 00:28:47,492 --> 00:28:51,863 真の芸術は 芸術であってはならない。 276 00:28:51,863 --> 00:28:55,734 それでは 真の芸術家は 芸術家で あってはならないんですか? 277 00:28:55,734 --> 00:28:57,736 当たり前だ! 278 00:28:57,736 --> 00:29:00,639 真の人間でなければならない。 279 00:29:04,910 --> 00:29:06,912 (砲声) 280 00:29:09,881 --> 00:29:15,287 <ヨーロッパでは 一人のファシストが 猛威を振るい始めていた> 281 00:29:21,360 --> 00:29:28,734 <パリでは ファシズムに対抗する集会が 開かれるようになった> 282 00:29:28,734 --> 00:29:40,846 ♬~ 283 00:30:10,776 --> 00:30:15,781 <そんな時 私は 思想家のジョルジュ・バタイユと出会った> 284 00:31:32,057 --> 00:31:36,328 <バタイユに出会った よくとし パリで万博が開かれる。➡ 285 00:31:36,328 --> 00:31:43,401 ピカソは スペイン内戦に異を唱える 「ゲルニカ」を発表した。➡ 286 00:31:43,401 --> 00:31:50,175 僕は パリ大学で 民俗学を学び始めた> 287 00:31:50,175 --> 00:31:52,177 ⚟(かの子)太郎。 288 00:31:52,177 --> 00:32:05,490 ♬~ 289 00:32:08,126 --> 00:32:11,630 どうだ? いいだろう? 290 00:32:11,630 --> 00:32:14,232 (栗原智也) これは何を意味してるんですか? 291 00:32:14,232 --> 00:32:16,568 意味なんかないよ。 あったら駄目なんだ。 292 00:32:16,568 --> 00:32:18,837 まるで古代の人間が つくったんじゃないか➡ 293 00:32:18,837 --> 00:32:21,740 というものを つくることに 意味があるんだ。 294 00:32:21,740 --> 00:32:26,445 太郎さん これは シンボルゾーンには 置けないよ。どうして? 295 00:32:29,014 --> 00:32:32,918 大屋根に ぶつかってしまうもの。 296 00:32:32,918 --> 00:32:36,221 おい。 皆さん どうぞ こちらへ。 297 00:32:48,300 --> 00:32:50,802 どうだ? 298 00:32:50,802 --> 00:32:53,705 いいだろう? 299 00:32:53,705 --> 00:33:01,580 ♬~ 300 00:33:01,580 --> 00:33:03,682 大屋根を 壊す気か? 301 00:33:05,417 --> 00:33:08,887 我々が積み上げてきたプランは 一体どうなるんだ? 302 00:33:08,887 --> 00:33:11,489 第一 ここは 会場の入り口だ。 303 00:33:11,489 --> 00:33:13,792 メインゲートから続く広場だよ 太郎さん。 304 00:33:13,792 --> 00:33:15,727 そこに こんなバカでかいものを 置いて どうするんだ? 305 00:33:15,727 --> 00:33:18,029 壊すんじゃない 調和だよ。 306 00:33:19,965 --> 00:33:22,901 君のモダニズムと 僕のベラボーが ぶつかり合うことで➡ 307 00:33:22,901 --> 00:33:24,903 お互いが生きてくるんだ。 308 00:33:24,903 --> 00:33:27,372 引き裂かれる力が 強ければ強いほど➡ 309 00:33:27,372 --> 00:33:29,975 逆に お互いが強く輝くんだよ。 310 00:33:32,978 --> 00:33:37,249 この塔は テーマ館でもあるんだよ。 人々は この中に入れるんだ。 311 00:33:37,249 --> 00:33:42,654 人の流れを スムーズにする空間でもあるわけだ。 312 00:33:42,654 --> 00:33:47,058 その線で 考え直してくれないか? 313 00:33:47,058 --> 00:33:50,362 この塔は置いていくから。 314 00:33:54,232 --> 00:33:56,635 じゃあ また。 315 00:34:00,539 --> 00:34:03,141 では 失礼いたします。 316 00:34:07,245 --> 00:34:11,182 いいか この 太郎の塔には 絶対に触るなよ。 317 00:34:11,182 --> 00:34:17,555 放っておくんだ。 いいな? (一同)はい。 318 00:34:17,555 --> 00:35:18,750 ♬~ 319 00:36:12,337 --> 00:36:14,339 先生! 320 00:36:16,007 --> 00:36:21,379 それは… すいません。 勝手に かきました。 321 00:36:21,379 --> 00:36:23,581 (丹下)なぜ かいた? 322 00:36:26,751 --> 00:36:31,689 先生 こうなったら 言ってしまいますが➡ 323 00:36:31,689 --> 00:36:36,928 あの大屋根には 何か足りないと思っていました。 324 00:36:36,928 --> 00:36:43,068 構造体としては すばらしいですが 祭りの会場としては何だか…。 325 00:36:43,068 --> 00:36:48,339 遊びに欠ける というか…。 326 00:36:48,339 --> 00:36:54,512 この塔の模型だけ見た時は あまり感心しませんでしたが➡ 327 00:36:54,512 --> 00:36:57,282 この大屋根と 合わさった時には➡ 328 00:36:57,282 --> 00:37:02,554 ものを作る人間の本能を 刺激されたというか…。 329 00:37:02,554 --> 00:37:04,556 心が躍りました! 330 00:37:08,460 --> 00:37:10,962 それでは なぜ捨てた? 331 00:37:16,201 --> 00:37:19,104 (丹下)最後まで完成させなさい。 332 00:37:21,239 --> 00:37:28,780 私が ゴミ箱をあさるのは 君たちが捨てたものの中に➡ 333 00:37:28,780 --> 00:37:33,618 大いなる可能性が 埋まっているかもしれないからだ。 334 00:37:33,618 --> 00:37:36,521 それに 気付けなくなるようであれば➡ 335 00:37:36,521 --> 00:37:40,024 私自身に 可能性がないということだ。 336 00:37:44,062 --> 00:37:46,064 すいませんでした! 337 00:37:55,106 --> 00:37:59,010 先生 ありがとうございます! 338 00:37:59,010 --> 00:38:04,782 (ドアの開閉音) 339 00:38:04,782 --> 00:38:13,591 ♬~ 340 00:38:13,591 --> 00:38:17,028 ☎(丹下)太郎さん どう? 調子は。 341 00:38:17,028 --> 00:38:22,133 うん いいよ。 そっちは どうだい? 342 00:38:23,802 --> 00:38:28,640 悪くはないよ。 343 00:38:28,640 --> 00:38:30,642 太郎さん。 344 00:38:34,546 --> 00:38:39,117 私は これまで芸術というものは➡ 345 00:38:39,117 --> 00:38:44,923 建築の中にしか存在しえないもの と思ってきたんだよ。 346 00:38:44,923 --> 00:38:53,665 正直に言えば 建築家が 芸術家を食うものだと思ってきた。 347 00:38:53,665 --> 00:39:00,405 それが 食い破られるとは思わなかったよ。 348 00:39:00,405 --> 00:39:02,941 ☎あんたが 気に入らないのは分かってたよ。➡ 349 00:39:02,941 --> 00:39:09,147 分かっててやったんだ。 謝らないけどね。 350 00:39:09,147 --> 00:39:12,050 言っておくが 太郎さん➡ 351 00:39:12,050 --> 00:39:16,888 あの大屋根に あんな 大きな穴を開けるというのは➡ 352 00:39:16,888 --> 00:39:22,560 構造上 とても 危険なことなんだよ。 353 00:39:22,560 --> 00:39:24,495 ☎だから俺みたいな やつにしか➡ 354 00:39:24,495 --> 00:39:27,265 思いつけなかったろう? 355 00:39:27,265 --> 00:39:32,103 うん。 356 00:39:32,103 --> 00:39:34,038 だから…➡ 357 00:39:34,038 --> 00:39:38,576 太郎さんじゃなきゃ 駄目だったんだ。 358 00:39:38,576 --> 00:39:55,994 ♬~ 359 00:39:55,994 --> 00:40:01,332 ☎やっぱり 食われたのは俺だろ? 360 00:40:01,332 --> 00:40:16,147 ♬~ 361 00:40:17,782 --> 00:40:22,987 敏子さん! 丹下さんが シンボルゾーンの 設計変更 受け入れてくれました。 362 00:40:22,987 --> 00:40:24,923 大屋根に穴を開ける方向で 着手すると➡ 363 00:40:24,923 --> 00:40:26,858 報告がありました。 そう。 364 00:40:26,858 --> 00:40:31,829 では早速 私は基本構想の 原稿をまとめます。 あ…。 365 00:40:31,829 --> 00:40:40,405 ♬~(ピアノ) 366 00:40:40,405 --> 00:40:45,243 あの~… 聞いてもいいですか? うん? 367 00:40:45,243 --> 00:40:48,079 もしかして 太郎さんの原稿は全部➡ 368 00:40:48,079 --> 00:40:50,815 敏子さんが お書きになってるんですか? 369 00:40:50,815 --> 00:40:55,353 私は秘書として 先生の言葉を記録しているだけよ。 370 00:40:55,353 --> 00:40:59,223 だけど 文章にまとめているのも 敏子さんなんでしょ? 371 00:40:59,223 --> 00:41:02,827 あなた 岡本かの子の小説 読んだことある? 372 00:41:04,562 --> 00:41:06,931 ああ いや そんなには。 373 00:41:06,931 --> 00:41:09,834 あれは 一平さんと二人で 書いてるんじゃないかって➡ 374 00:41:09,834 --> 00:41:12,470 私は 思ってるのよ。 375 00:41:12,470 --> 00:41:14,472 それを先生に聞いたら➡ 376 00:41:14,472 --> 00:41:17,308 そんなことは どっちだって関係ないって。 377 00:41:17,308 --> 00:41:25,216 どっちが書いたにしろ それは 岡本かの子に違いないんだって。 378 00:41:37,962 --> 00:41:47,005 (太郎が彫刻を削る音) 379 00:41:47,005 --> 00:41:57,648 ♬~ 380 00:41:57,648 --> 00:42:03,321 これ ちょっと直してみたよ。 読んでみて。 381 00:42:03,321 --> 00:42:22,673 ♬~ 382 00:42:22,673 --> 00:42:26,677 どうした? うっ…。 383 00:42:26,677 --> 00:42:32,183 このごろ あの子に 会いたくなると➡ 384 00:42:32,183 --> 00:42:35,286 ああ… 頭痛がするのよ。 385 00:42:37,021 --> 00:42:42,326 俺に甘えるなって あいつが怒ってるんだろ。 386 00:42:42,326 --> 00:42:45,863 まあ 憎らしい。 387 00:42:45,863 --> 00:42:55,173 ♬~ 388 00:43:03,948 --> 00:43:08,453 <それは ジョルジュ・バタイユが主宰する 秘密結社➡ 389 00:43:08,453 --> 00:43:11,756 アセファルからの 招待状だった> 390 00:43:56,834 --> 00:44:04,375 <それは 「死を前にした歓喜」 という神秘思想の儀式だった> 391 00:44:04,375 --> 00:44:53,591 ♬~ 392 00:44:53,591 --> 00:44:58,329 (かの子)「太郎 お前は孤独に➡ 393 00:44:58,329 --> 00:45:03,167 自分の芸術に没頭してるんだね。➡ 394 00:45:03,167 --> 00:45:07,872 芸術家の血を流しているんだね」。 395 00:45:14,312 --> 00:45:20,451 (かの子)「太郎 お前も 今 学んでいることを➡ 396 00:45:20,451 --> 00:45:24,855 私もパリにいて 一緒に学びえたら➡ 397 00:45:24,855 --> 00:45:33,231 どんな すばらしい小説が 書けるかと 羨ましく思えます。➡ 398 00:45:33,231 --> 00:45:39,870 たくさん たくさん お前の歌ができるよ。➡ 399 00:45:39,870 --> 00:45:44,542 お前のことばかり思っているよ」。 400 00:45:44,542 --> 00:45:59,056 ♬~ 401 00:45:59,056 --> 00:46:01,392 あ…。 402 00:46:01,392 --> 00:46:03,861 ♬~ 403 00:46:03,861 --> 00:46:10,201 うっ… うう…。 404 00:46:10,201 --> 00:46:14,372 う う…。 うううう…。 405 00:46:14,372 --> 00:46:20,278 う… ああ…。 406 00:46:20,278 --> 00:46:24,048 (柱時計の音) 407 00:46:24,048 --> 00:46:28,753 (柱時計の 音)太郎…。 408 00:46:28,753 --> 00:46:31,555 (柱時計の 音) 409 00:47:12,797 --> 00:47:15,499 うん? 410 00:47:28,279 --> 00:48:12,790 ♬~ 411 00:48:12,790 --> 00:48:15,559 (かの子) 「不遇を恐れてはいけないわ。➡ 412 00:48:15,559 --> 00:48:20,564 孤独を恐れては 本当に 欲しいものに手が届かない」。 413 00:48:22,299 --> 00:48:25,102 かの子…。 414 00:48:27,138 --> 00:48:29,840 かの子…! 415 00:48:29,840 --> 00:48:31,942 かの子! 416 00:48:37,314 --> 00:48:42,686 (かの子) 「お前の絵を最初に認めるのは➡ 417 00:48:42,686 --> 00:48:46,290 お前しかないんだよ。➡ 418 00:48:46,290 --> 00:48:51,128 人の評価に 自分を委ねては駄目!」。 419 00:48:51,128 --> 00:49:19,723 ♬~ 420 00:49:19,723 --> 00:49:23,594 (かの子)「あなたの 迷っていることは よく分かる。➡ 421 00:49:23,594 --> 00:49:30,434 だけど あなたは やっぱり 絵描きになりなさい!➡ 422 00:49:30,434 --> 00:49:37,141 他の自分に絶望して 絵に専念なさい!」。 423 00:49:37,141 --> 00:49:53,157 ♬~ 424 00:50:26,190 --> 00:50:55,085 (鐘の音) 425 00:50:59,757 --> 00:51:01,692 <やがて 僕は➡ 426 00:51:01,692 --> 00:51:05,629 この国に ベラボーなものをたてる> 427 00:51:05,629 --> 00:51:08,899 ♬~(「水に流して」) 428 00:51:08,899 --> 00:51:18,909 ♬~ 429 00:51:18,909 --> 00:51:21,211 絵画の石器時代は終わった! 430 00:51:21,211 --> 00:51:24,114 これからの芸術は 岡本太郎から始まる! 431 00:51:24,114 --> 00:51:26,050 (一同)いち に さ~ん! 432 00:51:26,050 --> 00:51:29,086 (一平)太郎は かの子の 聖火を受け継いだんだ。➡ 433 00:51:29,086 --> 00:51:32,923 その火と つきあって いくには 覚悟が必要だよ。 434 00:51:32,923 --> 00:51:36,327 君に一番足りないのは仲間を 尊重する気持ちなんだよ! 435 00:51:36,327 --> 00:51:38,996 恥を知れ! 436 00:51:38,996 --> 00:51:41,632 新しい岡本太郎を つくるの。 437 00:51:41,632 --> 00:51:43,934 二人で…。 438 00:51:43,934 --> 00:51:47,604 ♬~(「水に流して」) 439 00:51:47,604 --> 00:52:54,671 ♬~ 440 00:52:54,671 --> 00:52:57,274 ♬~