1 00:01:57,237 --> 00:01:58,105 2 00:01:58,105 --> 00:02:02,109 ・~ 3 00:02:02,109 --> 00:02:05,112 (ナレーター) <どこかで誰かが泣いている> 4 00:02:05,112 --> 00:02:12,119 <誰が助けてくれようか この世は人情 紙風船> 5 00:02:12,119 --> 00:02:18,125 <耳を澄ませた奴は誰 泣き声 目指して走る影> 6 00:02:18,125 --> 00:02:22,129 <この世は闇の助け人> 7 00:02:22,129 --> 00:02:26,129 ・~ 8 00:02:28,135 --> 00:02:31,138 (しの)はい すいません おまちどおさま 9 00:02:31,138 --> 00:02:36,138 どうも ありがとうございました また どうぞ 10 00:02:43,150 --> 00:02:45,152 (利吉)文さんたちに知らせてくれ 11 00:02:45,152 --> 00:02:48,155 棟梁が みんなに すぐ来てくれって… 12 00:02:48,155 --> 00:03:08,108 ・~ 13 00:03:08,108 --> 00:03:17,117 ・~ 14 00:03:17,117 --> 00:03:21,121 (平内)大丈夫だったかい? (文十郎)ああ 15 00:03:21,121 --> 00:03:24,124 (清兵衛) 今度は ちょっと危ねえ仕事なんだ 16 00:03:24,124 --> 00:03:27,127 ひょっとすると 命を懸けて もらわなくちゃならねえんだが・ 17 00:03:27,127 --> 00:03:30,130 是非とも引き受けてもらいたいと 思いましてね 18 00:03:30,130 --> 00:03:36,136 ほう …で 一体 どこの誰を どうしようってんで? 19 00:03:36,136 --> 00:03:38,136 大奥ですよ 20 00:03:41,141 --> 00:03:44,144 大奥ねえ 21 00:03:44,144 --> 00:03:46,144 そう… 22 00:03:48,148 --> 00:03:52,152 騙されて 江戸城本丸の大奥の 奥女中にさせられた女を1人・ 23 00:03:52,152 --> 00:03:55,155 助け出してもらいてえんだがね 24 00:03:55,155 --> 00:04:15,108 ・~ 25 00:04:15,108 --> 00:04:18,111 (おちさ)おみの… (おみの)ただいま戻りました 26 00:04:18,111 --> 00:04:22,111 …で 首尾は? 首尾は どうでした? 27 00:04:25,118 --> 00:04:28,118 快く引き受けてくださいました 28 00:04:30,123 --> 00:04:35,128 必ず この大奥から 助け出してくださると… 29 00:04:35,128 --> 00:04:38,131 きっと その日が来るのを お待ちくださるようにと 30 00:04:38,131 --> 00:04:42,135 (おちさ)本当なのですね? 必ず助け出してくださると・ 31 00:04:42,135 --> 00:04:45,138 そう申されたのですね? (おみの)はい! 32 00:04:45,138 --> 00:04:49,142 お嬢さま もう少しの辛抱でございますよ 33 00:04:49,142 --> 00:04:52,145 もう少しの間 どんなに つらくとも・ 34 00:04:52,145 --> 00:04:56,149 もう少しの間 辛抱してくださいませ! 35 00:04:56,149 --> 00:04:59,085 おみの… 36 00:04:59,085 --> 00:05:11,085 ・~ 37 00:05:16,102 --> 00:05:19,105 そうすると その奥女中っていうのは… 38 00:05:19,105 --> 00:05:23,109 (清兵衛)そう 将軍さまの おとぎをする 「お手付中ろう」 39 00:05:23,109 --> 00:05:26,112 おちさという お方なんだそうだがね 40 00:05:26,112 --> 00:05:30,116 棟梁… そいつは いくら なんぼなんでも… 41 00:05:30,116 --> 00:05:32,118 いくら 人助けをするからったって 42 00:05:32,118 --> 00:05:35,121 将軍の女じゃ 万一 足がついた場合… 43 00:05:35,121 --> 00:05:40,126 だからよ だから なんとか 足のつかねえようにやるんだな 44 00:05:40,126 --> 00:05:42,128 (龍)ああ そうだ 45 00:05:42,128 --> 00:05:46,132 将軍の女だろうと そこいらの小娘だろうと・ 46 00:05:46,132 --> 00:05:50,136 仕事には変わりはねえよ (平内)ヘヘッ! そうはいくか 47 00:05:50,136 --> 00:05:53,139 なあ 文さん あんた そう簡単に言うけどね 48 00:05:53,139 --> 00:05:55,141 それでなくったって 俺たちは・ 49 00:05:55,141 --> 00:05:57,077 奉行所から 目をつけられてるんだぜ 50 00:05:57,077 --> 00:06:01,081 それを今度は その上 大奥に手を出そうってんだ 51 00:06:01,081 --> 00:06:04,084 そうなりゃ 奉行所ばかりじゃねえ 将軍家を相手に 俺たちは・ 52 00:06:04,084 --> 00:06:08,088 命のやり取りをしなきゃ ならなくなるかもしれねえんだ 53 00:06:08,088 --> 00:06:11,091 (利吉) つまり嫌なんですね 平内さん 54 00:06:11,091 --> 00:06:15,095 そうですか 惜しいなぁ 55 00:06:15,095 --> 00:06:18,098 大奥といえば 男子禁制 56 00:06:18,098 --> 00:06:21,101 女ばかりが3000人も 住んでいようという女護島 57 00:06:21,101 --> 00:06:23,103 そこへ男が入っていく 58 00:06:23,103 --> 00:06:29,109 しかも 是非 助けてくれという かわいそうな女を連れ出しに行く 59 00:06:29,109 --> 00:06:33,113 その女と どういうことになりますか 60 00:06:33,113 --> 00:06:37,117 男冥利に 尽きるんじゃないですかね 61 00:06:37,117 --> 00:06:43,123 いや… 俺は それ… 嫌だってわけじゃねえけどな 62 00:06:43,123 --> 00:06:49,129 しかし… 将軍の女となるとなぁ 63 00:06:49,129 --> 00:06:52,132 しかし 棟梁… おかしいじゃないか? 64 00:06:52,132 --> 00:06:55,135 その女が大奥から逃げたいんなら 65 00:06:55,135 --> 00:06:58,071 大奥から出てきたときに 逃げ出せばいい 66 00:06:58,071 --> 00:07:01,074 なぜ 自分から 逃げ出そうとしねえんだ? 67 00:07:01,074 --> 00:07:04,077 いや あんたは まだ若いから 知らんのかもしれんが・ 68 00:07:04,077 --> 00:07:08,081 将軍と顔を合わせられる お目見え以上の奥女中ともなると 69 00:07:08,081 --> 00:07:12,085 たとえ 親が死んでも 大奥からは下がれねえんだよ 70 00:07:12,085 --> 00:07:15,088 つまり おちさの方ともなれば 一生奉公 71 00:07:15,088 --> 00:07:20,093 金輪際 外へは出られねえ仕組みに なってるんだよ 72 00:07:20,093 --> 00:07:25,098 仲間の棟梁から 借りてきた図面があるんだがね 73 00:07:25,098 --> 00:07:31,104 ・~ 74 00:07:31,104 --> 00:07:35,108 (清兵衛)ここが 大奥女中の住んでいる 「長局」だ 75 00:07:35,108 --> 00:07:37,110 どうだい この広いこと 76 00:07:37,110 --> 00:07:41,114 この廊下の長さだけで 100間は あるっていうんだからな 77 00:07:41,114 --> 00:07:46,119 …で ここへ入るには お錠口といってな・ 78 00:07:46,119 --> 00:07:49,122 ほれ… ここと ここ 79 00:07:49,122 --> 00:07:52,125 出入り口 この2つっきゃ ねえんだ 80 00:07:52,125 --> 00:07:55,128 もちろん ここには ふだん厳重な見張りがついてるし 81 00:07:55,128 --> 00:07:58,064 合図がなかったら 決して開けるどころじゃねえ 82 00:07:58,064 --> 00:08:01,067 しかも ここを 通ることのできる男は・ 83 00:08:01,067 --> 00:08:04,070 将軍さま ただおひとりと きてるからな 84 00:08:04,070 --> 00:08:07,073 とても 俺たち助け人が 通ることのできる所じゃねえんだ 85 00:08:07,073 --> 00:08:13,079 ただし 天井裏ともなれば これは話は別だ 86 00:08:13,079 --> 00:08:19,085 いいか ほら ここ… なあ ここにもあるぞ 87 00:08:19,085 --> 00:08:23,089 明かり取り ここから忍び込みゃいいんだよ 88 00:08:23,089 --> 00:08:25,091 いや もっとも・ 89 00:08:25,091 --> 00:08:28,094 ここへ たどりつくだけでも そらもう ちょっとや そっと・ 90 00:08:28,094 --> 00:08:31,097 並大抵の仕事じゃねえとは 思うけれどもな 91 00:08:31,097 --> 00:08:34,100 ・(戸をたたく音) 92 00:08:34,100 --> 00:08:36,102 おい 93 00:08:36,102 --> 00:08:39,102 ・(戸をたたく音) 94 00:08:41,107 --> 00:08:45,107 ・(戸を壊す音) 95 00:08:49,115 --> 00:08:52,118 (庄八) おう! 奴ら来やがっただろう! 96 00:08:52,118 --> 00:08:57,118 はぁ? 何かの お間違いじゃございませんか 97 00:08:59,058 --> 00:09:02,058 確かに奴ら うろうろするのは… 98 00:09:04,063 --> 00:09:06,065 いいか 清兵衛! 99 00:09:06,065 --> 00:09:09,068 今度 ここへ集まりやがったら きっと ふん捕まえてやる! 100 00:09:09,068 --> 00:09:12,071 てめえらをさらし首にするのは 造作もねえんだ 101 00:09:12,071 --> 00:09:16,071 それをよく覚えておくんだな! いいか! 102 00:09:24,083 --> 00:09:27,086 (浦尾)おちさ… お喜びなさい 103 00:09:27,086 --> 00:09:30,089 上さまは 今宵も・ 104 00:09:30,089 --> 00:09:34,089 そなたに お夜とぎを お申しつけられましたぞ 105 00:09:36,095 --> 00:09:40,099 (浦尾) なんと めでたいことではないか 106 00:09:40,099 --> 00:09:43,102 まだ 大奥へ 上がって間もない そなたに・ 107 00:09:43,102 --> 00:09:47,106 このように 夜ごと お申しつけになる 108 00:09:47,106 --> 00:09:51,110 育ての親たる土屋さまは もちろんのこと・ 109 00:09:51,110 --> 00:09:58,051 世話親たる わらわも これほど面目を施したことは… 110 00:09:58,051 --> 00:10:00,053 のぅ? おちさ 111 00:10:00,053 --> 00:10:19,072 ・~ 112 00:10:19,072 --> 00:10:31,084 ・~ 113 00:10:31,084 --> 00:10:38,091 ・(女中)上さま お成り~ 114 00:10:38,091 --> 00:10:40,093 (利吉) とにかく この大奥へ潜り込むには 115 00:10:40,093 --> 00:10:43,096 4つも 御門を 通り抜けなきゃならねえ 116 00:10:43,096 --> 00:10:47,100 それに大奥へ潜り込んで 誰かを ばらすというんなら別だが・ 117 00:10:47,100 --> 00:10:49,102 助け出すとなると・ 118 00:10:49,102 --> 00:10:52,105 女連れで この4つの御門を どう くぐり抜けるか 119 00:10:52,105 --> 00:10:55,108 それに それぞれの門には見張りが ついているっていうんだから・ 120 00:10:55,108 --> 00:10:58,044 とても尋常一様なことじゃ… 121 00:10:58,044 --> 00:11:02,048 だから どうして そんな仕事を引き受けたんだと… 122 00:11:02,048 --> 00:11:04,050 言ってるんだよ 123 00:11:04,050 --> 00:11:09,055 土台 最初から無理だってことは 棟梁だって分かっていながら… 124 00:11:09,055 --> 00:11:14,060 いや 人ができねえことを するのが 俺たちじゃねえか 125 00:11:14,060 --> 00:11:17,063 きっと 何か手がかりがあるはずだよ 126 00:11:17,063 --> 00:11:20,066 きっと 何かな! 127 00:11:20,066 --> 00:11:22,068 (お吉)ねえねえ こういうの どうかしら? 128 00:11:22,068 --> 00:11:26,072 わたしのお座敷にね よく碇屋の旦那が来るのよ 129 00:11:26,072 --> 00:11:30,076 碇屋? 何でい? そりゃ 大奥出入りの御用商人 130 00:11:30,076 --> 00:11:33,079 うん? 御用商人・ (お吉)うん 131 00:11:33,079 --> 00:11:36,082 まあ でっぷり太った いやらしい はげなんだけどさ 132 00:11:36,082 --> 00:11:39,085 大奥の女中さん方は そう簡単に 出入りができないでしょう 133 00:11:39,085 --> 00:11:42,088 だから 碇屋に注文して 届けさせるのよ 134 00:11:42,088 --> 00:11:44,090 だからさ その碇屋さんに頼んでよ 135 00:11:44,090 --> 00:11:47,093 大きな つづらか何かをしょってって・ 136 00:11:47,093 --> 00:11:50,093 その中に 女中さんたち入ってもらうの 137 00:11:57,103 --> 00:12:00,106 いいか 碇屋の話じゃ・ 138 00:12:00,106 --> 00:12:03,109 大奥に入れるといっても その出入り口 139 00:12:03,109 --> 00:12:05,111 七つ口という所までだそうだ 140 00:12:05,111 --> 00:12:08,114 しかし 棟梁がな その おちさって人に・ 141 00:12:08,114 --> 00:12:12,118 今日 お前たちが訪ねていくって ことを それとなく知らせてある 142 00:12:12,118 --> 00:12:17,123 いいな その おちさって人の顔を しっかり覚えてくるんだよ 143 00:12:17,123 --> 00:12:19,125 (龍)ああ 分かってる 144 00:12:19,125 --> 00:12:23,129 もし うまくいったら その女を このつづらの中へ 145 00:12:23,129 --> 00:12:25,131 無理するんじゃねえぜ 146 00:12:25,131 --> 00:12:30,136 俺たちは ここで待ってはいるが 斬り合いになったら多勢に無勢だ 147 00:12:30,136 --> 00:12:33,139 よほど大丈夫と 見極めがつかないかぎり・ 148 00:12:33,139 --> 00:12:35,141 顔を見るだけにして 帰ってくるんだ 149 00:12:35,141 --> 00:12:37,143 へい 150 00:12:37,143 --> 00:12:42,148 利吉! 見張りは みんな 伊賀 甲賀の連中だそうだ 151 00:12:42,148 --> 00:12:45,151 手ごわいぞ 気をつけろよ 152 00:12:45,151 --> 00:12:57,096 ・~ 153 00:12:57,096 --> 00:12:59,098 (利吉)碇屋の者でございますが・ 154 00:12:59,098 --> 00:13:04,098 今日は いつもの手代が 出かけておりますもので 155 00:13:06,105 --> 00:13:08,107 (戸田)荷を下ろせ! (利吉)はぁ? 156 00:13:08,107 --> 00:13:12,111 中をあらためる! 下ろさんか! (利吉)ははっ! はいはい 157 00:13:12,111 --> 00:13:27,126 ・~ 158 00:13:27,126 --> 00:13:29,128 (井上)待て! 何者だ? 159 00:13:29,128 --> 00:13:31,130 はっ! 碇屋の者でございますが 160 00:13:31,130 --> 00:13:34,133 (井上)手形を見せろ 手形を! 161 00:13:34,133 --> 00:13:36,135 荷を下ろすんだ! 162 00:13:36,135 --> 00:13:40,139 はぁ? でも さっき 平川門でも 下梅林御門でも・ 163 00:13:40,139 --> 00:13:42,141 それに 御切手御門でもですね… 164 00:13:42,141 --> 00:13:44,143 (井上)四の五の申すな! 165 00:13:44,143 --> 00:13:47,146 いずれの門でも 行き帰りには あらためることになっておる! 166 00:13:47,146 --> 00:13:50,149 下ろせ! (番人)早くしろ! 167 00:13:50,149 --> 00:13:59,092 ・~ 168 00:13:59,092 --> 00:14:01,092 (斎藤)どこへ行く! 169 00:14:04,097 --> 00:14:06,099 (斎藤)碇屋の者だな? 170 00:14:06,099 --> 00:14:09,102 はい! 171 00:14:09,102 --> 00:14:11,104 こっちだ! 172 00:14:11,104 --> 00:14:30,123 ・~ 173 00:14:30,123 --> 00:14:34,127 ええ 飛鳥井さまはと… 174 00:14:34,127 --> 00:14:38,131 櫛と笄と紅… 白粉でございますね 175 00:14:38,131 --> 00:14:41,134 あっ! それから 絵草紙でございました 176 00:14:41,134 --> 00:14:44,137 ・(女中)おことさま このほうが お似合いに 177 00:14:44,137 --> 00:14:48,141 ・(女中)あら こちらのほうが… 178 00:14:48,141 --> 00:14:51,141 清兵衛どのの? 179 00:14:53,146 --> 00:14:56,146 いつ… いつ? 180 00:15:00,086 --> 00:15:02,086 (せきばらい) 181 00:15:05,091 --> 00:15:08,094 あ… もうしばらく お待ちを… 182 00:15:08,094 --> 00:15:13,099 ご注文の品々が そろいませず もうしばらくの間… 必ず! 183 00:15:13,099 --> 00:15:17,103 そいつは ちっとや そっとじゃ 連れ出せんな 184 00:15:17,103 --> 00:15:23,109 (龍)ああ… どうする? 185 00:15:23,109 --> 00:15:26,112 こうなりゃ やはり いちかばちか忍び込んで・ 186 00:15:26,112 --> 00:15:30,116 おちささんを 連れ出すより方法はねえな 187 00:15:30,116 --> 00:15:33,119 見張りの侍たちは あんたたちで なんとか つぶし・ 188 00:15:33,119 --> 00:15:35,121 俺と利吉が忍び込んでだな 189 00:15:35,121 --> 00:15:39,125 (平内) もし やり損なったら どうする? 190 00:15:39,125 --> 00:15:42,128 しかたがなかったじゃ 済まされねえんだぞ 191 00:15:42,128 --> 00:15:46,132 じゃ どうしろってんだい! ええ? 192 00:15:46,132 --> 00:15:51,137 2人が無事に出られる 前将軍の 命日まで待てっていうのか? 193 00:15:51,137 --> 00:15:57,076 それも半年先の しかも 侍たちが 山ほど詰めかける寛永寺だ 194 00:15:57,076 --> 00:16:00,079 そっちのほうが よっぽど危ねえじゃねえか 195 00:16:00,079 --> 00:16:05,084 こうなりゃ やはり のるかそるか 忍び込んでだな… 196 00:16:05,084 --> 00:16:07,086 文さん! 197 00:16:07,086 --> 00:16:11,090 大奥へ潜り込める方法が 分かりましたぜ なに・ 198 00:16:11,090 --> 00:16:14,093 ゆうべさ! お座敷で碇屋の 旦那のこと しゃべってたのよ 199 00:16:14,093 --> 00:16:17,096 「将軍さま以外で大奥へ入れるのは 碇屋の旦那ぐらいなもんだろう」と 200 00:16:17,096 --> 00:16:21,100 そしたらさ そのお座敷にいた 大百姓の旦那が言うじゃない 201 00:16:21,100 --> 00:16:24,103 「おらっちだって入れるぜ」って 202 00:16:24,103 --> 00:16:27,106 それは どういうこったい? (お吉)まあまあまあ 聞いてよ 203 00:16:27,106 --> 00:16:30,109 その旦那はね 葛西の権左衛門っつってね・ 204 00:16:30,109 --> 00:16:32,111 葛西船の元締めなのよ 205 00:16:32,111 --> 00:16:35,114 葛西船・ 206 00:16:35,114 --> 00:16:37,116 肥船 …のか? 207 00:16:37,116 --> 00:16:49,128 ・~ 208 00:16:49,128 --> 00:16:52,131 葛西船か… 209 00:16:52,131 --> 00:16:55,134 江戸城を落とすにも いろいろと方法があるもんだな 210 00:16:55,134 --> 00:16:58,070 俺は天守閣しか 見上げたことはなかったが・ 211 00:16:58,070 --> 00:17:01,073 下から行く方法があるとは… 212 00:17:01,073 --> 00:17:05,077 ヘッ! お釈迦さまでも ご存じあるめえ フフフ… 213 00:17:05,077 --> 00:17:07,079 なあ 平さんよ 214 00:17:07,079 --> 00:17:10,082 大奥といや なんとなく きらきらしたものが目に浮かぶが 215 00:17:10,082 --> 00:17:14,086 お女中さまも俺たちも することは 同じってわけだい 216 00:17:14,086 --> 00:17:18,090 それにしても そのおちさって人に うまく会えるかなぁ 217 00:17:18,090 --> 00:17:22,094 待ち合わせの場所は 吹上御庭の下の堀だったな 218 00:17:22,094 --> 00:17:24,096 ああ… 219 00:17:24,096 --> 00:17:36,108 ・~ 220 00:17:36,108 --> 00:17:45,117 ・~ 221 00:17:45,117 --> 00:17:47,117 その船 ここへ止めろ! 222 00:17:52,124 --> 00:17:55,127 (山崎)葛西の者か? へい! 223 00:17:55,127 --> 00:17:57,127 (山崎)鑑札を見せろ! 224 00:18:00,066 --> 00:18:05,071 おちさどの! どこへ行かれるのじゃ! 225 00:18:05,071 --> 00:18:07,073 山崎! 226 00:18:07,073 --> 00:18:16,082 ・~ 227 00:18:16,082 --> 00:18:20,086 (山崎)葛西の者! 本日は城へ入ることはならん! 228 00:18:20,086 --> 00:18:23,086 戻れ! 戻るんだ! 229 00:18:26,092 --> 00:18:30,092 さあ 早う戻るのじゃ 230 00:18:39,105 --> 00:18:41,107 (龍)お吉さん! (お吉)えっ・ 231 00:18:41,107 --> 00:18:45,107 あっ! 龍! 聞いた? ねえ 232 00:18:47,113 --> 00:18:50,116 (龍)棟梁! 将軍が死んだって本当ですか・ 233 00:18:50,116 --> 00:18:52,118 (お吉)本当ですか・ (清兵衛)うん 234 00:18:52,118 --> 00:18:54,120 つてを頼んで いろいろ調べてみたんだが・ 235 00:18:54,120 --> 00:18:56,122 まず間違いはねえ 236 00:18:56,122 --> 00:18:59,058 それに頼み人の おみのさんが さっき・ 237 00:18:59,058 --> 00:19:02,061 使いの者に 手紙を言づけてきたんだがね ほら 238 00:19:02,061 --> 00:19:06,065 「突然のこと出来し くだんのこと そのように・ 239 00:19:06,065 --> 00:19:09,068 及ばざることになりましたゆえ よしなに」とある 240 00:19:09,068 --> 00:19:12,071 つまり 将軍が死んじまったんだから・ 241 00:19:12,071 --> 00:19:15,074 頼んだことは取り消してくれと こういうことなんだ 242 00:19:15,074 --> 00:19:17,076 取り消しねえ (お吉)それじゃ・ 243 00:19:17,076 --> 00:19:19,078 おちささまたちは 実家へ帰れるんですね? 244 00:19:19,078 --> 00:19:21,080 そりゃそうだよ お手付中ろうだ 245 00:19:21,080 --> 00:19:24,083 肝心の将軍さまが死んじまったら もう用がねえや 246 00:19:24,083 --> 00:19:27,086 それぞれ お支度金と一緒に それぞれの親もとの所へ・ 247 00:19:27,086 --> 00:19:31,090 送り帰される しきたりに なってるんだそうだよ 将軍家じゃ 248 00:19:31,090 --> 00:19:34,090 そうですかい そいつは良かった 249 00:19:36,095 --> 00:19:38,097 なあ 平さん うん? 250 00:19:38,097 --> 00:19:42,101 その帰させる しきたりってのは 本当にあるのかね? 251 00:19:42,101 --> 00:19:46,105 あの人たちは本当に… 252 00:19:46,105 --> 00:19:50,109 おう 平さん! 平さん! 253 00:19:50,109 --> 00:19:57,049 馬鹿な! そなたたちが 里へ戻れると思うのか・ 254 00:19:57,049 --> 00:19:59,051 なるほど… 255 00:19:59,051 --> 00:20:04,056 わらわたちは用済みゆえ 親もとや つてを頼って・ 256 00:20:04,056 --> 00:20:09,061 この大奥から 出ることになりましょう 257 00:20:09,061 --> 00:20:12,064 しかし そなたたちは 仮にも・ 258 00:20:12,064 --> 00:20:15,067 上さまの お手のついた体ではないか! 259 00:20:15,067 --> 00:20:18,070 それが そのまま 里へ帰れると思うのですか? 260 00:20:18,070 --> 00:20:20,072 では… 261 00:20:20,072 --> 00:20:23,075 (浦尾)そなたたち お手付中ろうは 262 00:20:23,075 --> 00:20:28,080 来る4日 上さまご葬儀 相済めば・ 263 00:20:28,080 --> 00:20:33,085 髪を切り 虎ノ門養生所へ入り・ 264 00:20:33,085 --> 00:20:36,088 そこで 御殿医さまのお見立てを受け・ 265 00:20:36,088 --> 00:20:40,092 誰ぞ上さまの お種を 宿している者が いはせぬか・ 266 00:20:40,092 --> 00:20:47,099 しばらく様子を見たうえで もし 懐妊の兆しがないとなれば・ 267 00:20:47,099 --> 00:20:53,105 それぞれ 寛永寺において 戒名を与えられ… 268 00:20:53,105 --> 00:20:56,108 (大僧正) これは 亡き上さまのお位牌 269 00:20:56,108 --> 00:21:03,108 心して 日夜 上さまの 菩提をお弔い申し上げるですぞ 270 00:21:07,052 --> 00:21:10,055 (浦尾)こうして 一生 上さまのお位牌を守り・ 271 00:21:10,055 --> 00:21:16,061 そこからは決して出ることの できない場所へと移されるのじゃ 272 00:21:16,061 --> 00:21:21,066 これが お手付中ろうに対する 将軍家のしきたり 273 00:21:21,066 --> 00:21:26,071 そして その場所は… 274 00:21:26,071 --> 00:21:29,071 ・(壺振り)勝負! 二六の丁! 275 00:21:34,079 --> 00:21:39,084 桜田御用屋敷… そこへ移されたってのかい? 276 00:21:39,084 --> 00:21:42,087 (中盆)さあ 張った張った! 平さん! 277 00:21:42,087 --> 00:21:45,090 半だ! (平内)よし 丁! 278 00:21:45,090 --> 00:21:50,095 あの桜田御用屋敷は 別の名を 比丘尼屋敷といわれてましてね 279 00:21:50,095 --> 00:22:09,114 ・~ 280 00:22:09,114 --> 00:22:11,114 (龍)セイヤッ! 281 00:22:16,121 --> 00:22:18,123 見損なったぜ 282 00:22:18,123 --> 00:22:21,126 お前さん こうなっても まだ 目をつぶろうっていうのか 283 00:22:21,126 --> 00:22:23,128 (平内)いや 違う 284 00:22:23,128 --> 00:22:26,131 第一 おちささんたちは・ 285 00:22:26,131 --> 00:22:29,134 もう助け出してくれる 必要はないと・ 286 00:22:29,134 --> 00:22:31,136 はっきり そう言って 断ってきてる… 287 00:22:31,136 --> 00:22:34,139 それはな 将軍家のしきたりを知らずに・ 288 00:22:34,139 --> 00:22:38,143 帰してもらえると 思ったからじゃねえか 文さん 289 00:22:38,143 --> 00:22:40,145 あんたは なぜ頼まれもしねえのに 290 00:22:40,145 --> 00:22:43,148 今度のことに そんなに肩入れするんだ? 291 00:22:43,148 --> 00:22:47,152 俺たち助け人は 頼まれもしねえ 仕事を引き受けるってことは… 292 00:22:47,152 --> 00:22:49,154 だから そこが違うんだよ! 293 00:22:49,154 --> 00:22:52,157 平さん 大体 あんた・ 294 00:22:52,157 --> 00:22:56,161 今度の仕事は どうも はなから乗り気じゃなかった 295 00:22:56,161 --> 00:22:59,098 なぜだい? どうしてなんだよ! 296 00:22:59,098 --> 00:23:01,100 それはだな 前にも言ったとおり・ 297 00:23:01,100 --> 00:23:04,103 今度の相手は 将軍の手がかかった女だ 298 00:23:04,103 --> 00:23:08,107 そりゃ 助け出すのもいいだろう しかし それから どうなる? 299 00:23:08,107 --> 00:23:11,110 奉行所だけじゃねえ 将軍家という とてつもない でっかい相手に・ 300 00:23:11,110 --> 00:23:14,113 一生 追い回されることに なるかもしれねえんだ 301 00:23:14,113 --> 00:23:17,113 俺は それが 怖いと言ってるんじゃねえんだ 302 00:23:21,120 --> 00:23:26,125 それだけの 覚悟があるか どうかってことだ 303 00:23:26,125 --> 00:23:28,127 今更 何言ってんだよ! 304 00:23:28,127 --> 00:23:32,131 平さん それが怖くて こんな仕事ができるか! 305 00:23:32,131 --> 00:23:37,136 まあまあ お2人とも… そりゃね 文十郎さんの言うことも 306 00:23:37,136 --> 00:23:40,139 平内さんの言うことも いちいち もっともだよ 307 00:23:40,139 --> 00:23:46,145 だけどな 今度の仕事は 相手が将軍家だからこそ・ 308 00:23:46,145 --> 00:23:49,148 引き受けようとしてるところが あるんですぜ 309 00:23:49,148 --> 00:23:51,150 (平内)棟梁! 310 00:23:51,150 --> 00:23:54,153 とにかく もう一度 頼み人に 会ってみようじゃありませんか 311 00:23:54,153 --> 00:23:58,153 その上で どうするか決めたって 遅くはありますまい 312 00:24:05,097 --> 00:24:10,102 ねえ おみの… 私をどう思います? 313 00:24:10,102 --> 00:24:15,107 大奥から いったんは 逃げ出そうと思った私です 314 00:24:15,107 --> 00:24:20,112 それが 今こうして 上さまのお位牌を前に祈っている 315 00:24:20,112 --> 00:24:23,112 私は一体… 316 00:24:26,118 --> 00:24:30,122 私は罪深い女だと思います… 317 00:24:30,122 --> 00:24:33,125 たとえ 人身御供同然だったとはいえ・ 318 00:24:33,125 --> 00:24:36,128 幾度か おしとねを共にした・ 319 00:24:36,128 --> 00:24:41,133 その上さまが お亡くなりになったのです 320 00:24:41,133 --> 00:24:48,140 やはり私は 一生 上さまの お位牌を守っていくのが… 321 00:24:48,140 --> 00:24:52,140 それが 女の務めなのでしょうね 322 00:24:56,148 --> 00:24:59,084 お嬢さま… 323 00:24:59,084 --> 00:25:02,087 そう思おうと心に決めたのに・ 324 00:25:02,087 --> 00:25:07,092 なぜ 時々 ふっと 我が身が悲しくなってくるのか… 325 00:25:07,092 --> 00:25:10,095 それが どうしても 分からないのです おみの… 326 00:25:10,095 --> 00:25:16,101 ・(おりょう)上さま お成り~! 327 00:25:16,101 --> 00:25:22,101 ・ 上さま お成り~! 328 00:25:26,111 --> 00:25:34,119 (おりょう)上さま お成り~! 329 00:25:34,119 --> 00:25:39,124 上さま… おりょうでございます 330 00:25:39,124 --> 00:25:44,129 おりょうは 上さまを お待ち申し上げておりました 331 00:25:44,129 --> 00:25:51,129 さあ 上さま… さあ… さあ… 332 00:25:54,139 --> 00:26:01,079 上さまの お成り~! 333 00:26:01,079 --> 00:26:04,082 浄心院さま! 334 00:26:04,082 --> 00:26:07,085 浄心院さま! (おりょう)何をするのじゃ! 335 00:26:07,085 --> 00:26:10,085 (おりょう)離せ! 離せ! 336 00:26:14,092 --> 00:26:22,100 (笑い声) 337 00:26:22,100 --> 00:26:24,100 (英心尼)浄心院! 338 00:26:28,106 --> 00:26:34,112 怖い… 上さま… 怖い… 339 00:26:34,112 --> 00:26:37,115 ええい! こなたの部屋に 閉じ込めておきや! 340 00:26:37,115 --> 00:26:39,117 はい! 341 00:26:39,117 --> 00:26:51,129 ・~ 342 00:26:51,129 --> 00:26:54,132 待ちや! 343 00:26:54,132 --> 00:26:58,070 よう見たであろうな? フフフ… 344 00:26:58,070 --> 00:27:06,078 あれはのぅ 先々代将軍さまの お手付中ろう 345 00:27:06,078 --> 00:27:09,081 もう20年にもなろうか 346 00:27:09,081 --> 00:27:12,084 先々代将軍さまが 亡くなられるとともに・ 347 00:27:12,084 --> 00:27:17,089 その お手付中ろうが 皆と同じく この屋敷に来た 348 00:27:17,089 --> 00:27:23,095 ほかの者は 皆 死に絶えて あの浄心院ひとりが残ったが・ 349 00:27:23,095 --> 00:27:28,100 御仏の道に 身が入らねばこそ あのように… 350 00:27:28,100 --> 00:27:47,119 ・~ 351 00:27:47,119 --> 00:27:49,119 お嬢さま! 352 00:27:54,126 --> 00:27:57,062 (おこと)今ごろ 何を… 353 00:27:57,062 --> 00:28:00,065 わらわたちを このような身に落としたのは・ 354 00:28:00,065 --> 00:28:04,069 光妙院さま あなたのせいではありませぬか 355 00:28:04,069 --> 00:28:06,071 どうして 私が… 356 00:28:06,071 --> 00:28:08,073 (笑い声) 357 00:28:08,073 --> 00:28:13,078 (おふで) 大奥では毎夜毎夜 上さまを えろう お疲れに導かれたとか 358 00:28:13,078 --> 00:28:16,081 そのようなことさえ なければ 上さまが あのように・ 359 00:28:16,081 --> 00:28:19,084 お亡くなりになられることは なかったのです 360 00:28:19,084 --> 00:28:23,088 (おたみ)光妙院さま わらわたちは忘れませぬぞ 361 00:28:23,088 --> 00:28:26,088 そなたゆえに わらわたちは! 362 00:28:33,098 --> 00:28:37,102 いや… いや… 363 00:28:37,102 --> 00:28:39,102 もう嫌! 364 00:28:41,106 --> 00:28:45,106 お嬢さま… (おちさ)もう嫌… 365 00:28:48,113 --> 00:28:54,119 (土屋)それは大奥とは違い 気詰まりのことも多かろう 366 00:28:54,119 --> 00:29:01,059 しかし おちさは 亡き上さまの お手がついた体ではないか 367 00:29:01,059 --> 00:29:04,062 しかし まあ それほどまでに申すならば・ 368 00:29:04,062 --> 00:29:10,068 英心尼さまに お願いして 命日には せめて半日だけでも・ 369 00:29:10,068 --> 00:29:15,073 桜田屋敷から下がれるよう お頼みしてみよう 370 00:29:15,073 --> 00:29:22,080 何といっても おちさには 父の命日なのだからのぅ 371 00:29:22,080 --> 00:29:24,082 ありがとうございます 372 00:29:24,082 --> 00:29:27,085 それを お嬢さまにお知らせすれば・ 373 00:29:27,085 --> 00:29:30,088 どのように お喜びになりますことか 374 00:29:30,088 --> 00:29:32,090 おみの! 375 00:29:32,090 --> 00:29:36,094 その 「お嬢さま」というのは やめぬか 376 00:29:36,094 --> 00:29:41,099 おちさは 上さまの菩提を 弔うて 今は桜田屋敷にいる身 377 00:29:41,099 --> 00:29:45,103 「光妙院さま」と お呼びいたせ 378 00:29:45,103 --> 00:29:47,105 はい 379 00:29:47,105 --> 00:29:49,107 しかし まあ… 380 00:29:49,107 --> 00:29:54,112 光妙院どのには よしなに伝えてくれよ 381 00:29:54,112 --> 00:30:00,052 光妙院どのが 亡き上さまの ご寵愛を 一身に受けたればこそ・ 382 00:30:00,052 --> 00:30:03,055 わしも一介の小普請役から・ 383 00:30:03,055 --> 00:30:08,060 こうして 若年寄にまで 取り立てられたのじゃ 384 00:30:08,060 --> 00:30:12,064 これも ひとえに 光妙院どののおかげ 385 00:30:12,064 --> 00:30:15,067 心から喜んでおると… 386 00:30:15,067 --> 00:30:20,072 光妙院どのにのぅ チッチッチッ… 387 00:30:20,072 --> 00:30:22,072 (笑い声) 388 00:30:47,099 --> 00:30:57,042 ・(雷鳴) 389 00:30:57,042 --> 00:31:00,045 うわぁ ひでえ降りだな 390 00:31:00,045 --> 00:31:04,049 お女中 しばらく 中で休んだら どうだい? ええ? 391 00:31:04,049 --> 00:31:07,052 怪しい者じゃねえや 助け人だよ 392 00:31:07,052 --> 00:31:09,052 さあ! 393 00:31:13,058 --> 00:31:16,061 まあ 余計な 詮索だったかもしれんが・ 394 00:31:16,061 --> 00:31:19,064 一度は助け出してくれと 頼まれた俺たちだ 395 00:31:19,064 --> 00:31:23,068 何にもしねえで 金もらうのは どうも気が とがめてよ 396 00:31:23,068 --> 00:31:25,070 しかし なんにしても良かった… 397 00:31:25,070 --> 00:31:28,073 今は 桜田屋敷に おいでのようだが・ 398 00:31:28,073 --> 00:31:32,077 こうして 町にも出かけることができるし・ 399 00:31:32,077 --> 00:31:35,080 気ままと言っちゃ 失礼かもしんねえが… 400 00:31:35,080 --> 00:31:37,082 大奥にいることを思えばな 401 00:31:37,082 --> 00:31:40,085 いや 俺もな お会いできて 少しは気が楽になった 402 00:31:40,085 --> 00:31:43,088 どうぞ お達者で 403 00:31:43,088 --> 00:31:49,094 お待ちくださいませ! 今しばらく 私どものことを! 404 00:31:49,094 --> 00:31:51,094 おう… 405 00:31:53,098 --> 00:31:56,101 私どもは 決して あなたさまが・ 406 00:31:56,101 --> 00:31:59,104 申されるような毎日では ございません 407 00:31:59,104 --> 00:32:02,107 今日とても ようよう父の命日のため・ 408 00:32:02,107 --> 00:32:04,109 やっと屋敷を出られただけ 409 00:32:04,109 --> 00:32:07,112 また こうして 出ることがかなうのは・ 410 00:32:07,112 --> 00:32:12,117 来る年 年に一度のことで ございましょう 411 00:32:12,117 --> 00:32:16,121 あの桜田屋敷は地獄… 412 00:32:16,121 --> 00:32:20,125 あの桜田屋敷は! 413 00:32:20,125 --> 00:32:23,128 すべては 身から出た愚かさとはいえ・ 414 00:32:23,128 --> 00:32:27,128 養父が… 伯父が… 415 00:32:29,134 --> 00:32:32,134 お聞きくださいまし! 416 00:32:35,140 --> 00:32:39,144 お嬢さまが大奥に 上がられることに なりましたのは 417 00:32:39,144 --> 00:32:41,146 お嬢さまの実家が 没落したために・ 418 00:32:41,146 --> 00:32:44,149 土屋さまが お嬢さまをお引き取りになり・ 419 00:32:44,149 --> 00:32:48,153 行儀見習にと申されて 大奥に上がることを・ 420 00:32:48,153 --> 00:32:51,156 強く お勧めに なったからでございます 421 00:32:51,156 --> 00:32:53,158 武家の家に生まれた娘が・ 422 00:32:53,158 --> 00:32:57,095 大奥に 行儀作法の見習いに まいりますことは よくあること 423 00:32:57,095 --> 00:33:00,098 でも 土屋さまは ご自分の出世を図るために・ 424 00:33:00,098 --> 00:33:05,103 お中ろうとして差し出すことを 既に届け出ていたのでございます 425 00:33:05,103 --> 00:33:07,105 お願いでございます! 426 00:33:07,105 --> 00:33:11,109 二度と お願いできる筋で ないことは よく存じております 427 00:33:11,109 --> 00:33:14,109 でも! でも! 428 00:33:18,116 --> 00:33:21,119 五二の半! (平内)よっ! 429 00:33:21,119 --> 00:33:25,123 なに・ 連れ出した? (利吉)とにかく すぐに… 430 00:33:25,123 --> 00:33:29,127 しょうがねえな! この ついてるときに もう… 431 00:33:29,127 --> 00:33:32,130 (平内)おっ 頼むぞ 432 00:33:32,130 --> 00:33:35,130 これを金に換えてくれ 急ぐんだ! 433 00:33:53,151 --> 00:33:56,154 文さん! (清兵衛)これでいいんだよ 434 00:33:56,154 --> 00:33:59,090 頼まれたとおりのことをしたんだ 435 00:33:59,090 --> 00:34:03,094 ところで おみのさん あんた 前に・ 436 00:34:03,094 --> 00:34:07,098 「大奥を抜け出すことができたら いとこを頼って 堺へ行きたい」 437 00:34:07,098 --> 00:34:10,101 「そこならば 誰にも知られずに 身を隠すことができる」 438 00:34:10,101 --> 00:34:12,103 そう言いましたね? 439 00:34:12,103 --> 00:34:15,106 よし… じゃ とにかく・ 440 00:34:15,106 --> 00:34:18,109 あんたたちを その堺へ落とすことにしましょう 441 00:34:18,109 --> 00:34:20,109 その上で… 442 00:34:26,117 --> 00:34:29,117 (清兵衛)利吉! つけられたな! (利吉)あ… いや… 443 00:34:32,123 --> 00:34:36,127 さあ あんたたち おちささんを 守って 早く逃げてくれ 444 00:34:36,127 --> 00:34:39,130 ・(呼子の音) さあ 早く! 445 00:34:39,130 --> 00:34:43,134 ・(呼子の音) 446 00:34:43,134 --> 00:34:46,134 ・(足音) 447 00:34:50,141 --> 00:34:53,144 ヤーッ! 448 00:34:53,144 --> 00:34:55,144 ウワッ… 449 00:35:01,086 --> 00:35:04,089 (捕り方たち)御用だ! 御用だ! 450 00:35:04,089 --> 00:35:18,103 ・~ 451 00:35:18,103 --> 00:35:21,103 おっ! (捕り方)ヤッ! 452 00:35:27,112 --> 00:35:30,115 (捕り方たち)御用だ! 御用だ! 453 00:35:30,115 --> 00:35:34,119 おちさ! 戻れ! 454 00:35:34,119 --> 00:35:37,122 己は おそれおおくも上さまの! (おちさ)戻りませぬ! 455 00:35:37,122 --> 00:35:41,126 私はもう 伯父上の 意のままになる人形では! 456 00:35:41,126 --> 00:35:44,129 おのれ! おちさ! 457 00:35:44,129 --> 00:35:46,131 斬れ! 458 00:35:46,131 --> 00:36:00,078 ・~ 459 00:36:00,078 --> 00:36:03,081 (刺す音) アアッ! 460 00:36:03,081 --> 00:36:05,081 ウウッ! 461 00:36:07,085 --> 00:36:09,085 ウワッ! 462 00:36:12,090 --> 00:36:14,092 アアッ! 463 00:36:14,092 --> 00:36:34,112 ・~ 464 00:36:34,112 --> 00:36:53,131 ・~ 465 00:36:53,131 --> 00:36:55,133 ちさ! 466 00:36:55,133 --> 00:36:58,069 アッ! おのれ! 467 00:36:58,069 --> 00:37:00,069 (おみの)お嬢さま! アッ! 468 00:37:02,073 --> 00:37:10,081 ・~ 469 00:37:10,081 --> 00:37:14,085 ウッ! ウワッ… 470 00:37:14,085 --> 00:37:16,087 ウウッ… 471 00:37:16,087 --> 00:37:22,093 ・~ 472 00:37:22,093 --> 00:37:25,096 (刺す音) ウウッ! 473 00:37:25,096 --> 00:37:39,110 ・~ 474 00:37:39,110 --> 00:37:43,114 ・ 追い詰めた! 斬れ! 斬るんだ! 475 00:37:43,114 --> 00:37:47,118 ・ 早く斬れ! 斬るんだ! 476 00:37:47,118 --> 00:37:58,062 ・~ 477 00:37:58,062 --> 00:38:00,064 ターッ! 478 00:38:00,064 --> 00:38:03,067 御用だ! 御用だ! 479 00:38:03,067 --> 00:38:14,078 ・~ 480 00:38:14,078 --> 00:38:34,098 ・~ 481 00:38:34,098 --> 00:38:46,110 ・~ 482 00:38:46,110 --> 00:38:51,110 (利吉)おい! さあさあ! 早く早く 乗って! 483 00:38:58,056 --> 00:39:01,059 (平内)龍! 早く来い! 484 00:39:01,059 --> 00:39:07,065 ・~ 485 00:39:07,065 --> 00:39:09,067 (利吉)さあ 早く早く 早く! 486 00:39:09,067 --> 00:39:12,070 (龍)棟梁! この舟は もう いっぱいですぜ! 487 00:39:12,070 --> 00:39:16,074 (清兵衛)なんとかなる! 早く乗るんだ! 早く! 488 00:39:16,074 --> 00:39:20,078 棟梁! ここは俺に任せて さあ 早く! 489 00:39:20,078 --> 00:39:22,080 (清兵衛)おい 龍! 490 00:39:22,080 --> 00:39:25,083 龍! (利吉)龍! 491 00:39:25,083 --> 00:39:27,085 棟梁! (清兵衛)龍! 492 00:39:27,085 --> 00:39:30,088 ヤーッ! テヤッ! 493 00:39:30,088 --> 00:39:49,107 ・~ 494 00:39:49,107 --> 00:39:51,107 棟梁! 495 00:39:55,113 --> 00:39:57,048 龍! 496 00:39:57,048 --> 00:40:02,053 ・~ 497 00:40:02,053 --> 00:40:05,053 ウワーッ! 498 00:40:32,083 --> 00:40:35,083 (おちさ)おみの… おみの! 499 00:40:38,089 --> 00:40:40,091 おちささま… 500 00:40:40,091 --> 00:40:43,094 しっかりするんだよ 501 00:40:43,094 --> 00:40:47,098 いいえ もう… 502 00:40:47,098 --> 00:40:51,102 本当に お世話を… 503 00:40:51,102 --> 00:40:55,106 でも お嬢さまだけは必ず… 504 00:40:55,106 --> 00:40:57,041 (清兵衛)おみのさん・ 505 00:40:57,041 --> 00:41:01,045 お嬢さまのことは きっと引き受けましたよ 506 00:41:01,045 --> 00:41:06,045 ありがとうございます… 何と お礼を… 507 00:41:08,052 --> 00:41:14,052 お嬢さま やっと これで大奥から… 508 00:41:16,060 --> 00:41:20,060 本当に これで… 509 00:41:23,067 --> 00:41:27,071 (おちさ)おみの… おみの! 510 00:41:27,071 --> 00:41:34,078 (泣き声) 511 00:41:34,078 --> 00:41:54,098 ・~ 512 00:41:54,098 --> 00:41:57,098 (清兵衛)さあ… 513 00:42:03,107 --> 00:42:06,110 (清兵衛)おい 利吉 (利吉)へい 514 00:42:06,110 --> 00:42:11,115 頼んだぞ (利吉)それじゃ… 515 00:42:11,115 --> 00:42:21,115 ・~ 516 00:42:23,127 --> 00:42:26,127 しの… 何してるんだよ? 517 00:42:29,133 --> 00:42:32,136 利吉と行くんだ 518 00:42:32,136 --> 00:42:35,139 兄さん… 519 00:42:35,139 --> 00:42:39,139 利吉… よろしく頼むわ 520 00:42:44,148 --> 00:42:47,148 文十郎さん 521 00:42:50,154 --> 00:42:52,156 元気でな 522 00:42:52,156 --> 00:42:57,094 さあ 早く行くんだ 夜が明けると人目につく 523 00:42:57,094 --> 00:42:59,096 じゃ… 524 00:42:59,096 --> 00:43:19,116 ・~ 525 00:43:19,116 --> 00:43:39,136 ・~ 526 00:43:39,136 --> 00:43:47,144 ・~ 527 00:43:47,144 --> 00:43:52,144 (平内)さてと… じゃ 棟梁 528 00:43:59,090 --> 00:44:01,090 文さん 529 00:44:24,115 --> 00:44:26,115 棟梁 530 00:44:41,132 --> 00:45:01,085 ・~ 531 00:45:01,085 --> 00:45:21,105 ・~ 532 00:45:21,105 --> 00:45:35,119 ・~ 533 00:45:35,119 --> 00:45:40,124 <助け人の存在を証明する記録は 何も現存していない> 534 00:45:40,124 --> 00:45:44,128 <ただ 江戸の庶民たちは 彼らを 「義賊」という名で 535 00:45:44,128 --> 00:45:49,133 あるいは 「世直し」という名で ひそかに語り続けた> 536 00:45:49,133 --> 00:45:54,138 <伝えられる 闇の助け人の 総数26人> 537 00:45:54,138 --> 00:46:14,091 ・~ 538 00:46:14,091 --> 00:46:31,091 ・~ 539 00:46:36,113 --> 00:46:56,133 ・~ 540 00:46:56,133 --> 00:47:16,087 ・~ 541 00:47:16,087 --> 00:47:36,107 ・~ 542 00:47:36,107 --> 00:47:46,117 ・~ 543 00:47:46,117 --> 00:47:58,117 ・~