1 00:00:33,395 --> 00:00:37,232 (寧温)私は もう一度 王宮へ戻らねばなりません。 2 00:00:37,232 --> 00:00:40,853 琉球を 列強から 救わなければなりません! 3 00:00:40,853 --> 00:00:43,906 何でもいい 戻れさえすれば。 4 00:00:43,906 --> 00:00:46,859 なんとかして もう一度 王宮へ! 5 00:00:46,859 --> 00:00:55,601 ♪♪~ 6 00:00:55,601 --> 00:00:59,655 (在番筆者)おい こっちだ。 はい。 7 00:00:59,655 --> 00:01:01,990 (男1)また 来やっさ。 (男2)今日は ちゅらカーギばかり→ 8 00:01:01,990 --> 00:01:04,426 通るな。 (男3)ゆりの花のようや。 9 00:01:04,426 --> 00:01:07,930 (男4)ちゅらっさよ。 10 00:01:07,930 --> 00:01:10,199 (多嘉良)知ってる。 11 00:01:10,199 --> 00:01:13,535 わしは あの娘を 絶対 夢で見た事がある。 12 00:01:13,535 --> 00:01:17,289 何でか 懐かしいさ。 13 00:01:17,289 --> 00:01:19,341 あの… お役人様。 うん? 14 00:01:19,341 --> 00:01:22,561 私は 首里天加那志の前で 踊るだけで よいのですよね? 15 00:01:22,561 --> 00:01:25,981 それは 向こうが お決めになる事だ。 16 00:01:25,981 --> 00:01:29,318 向こうっていうのは 御内原ですか? そうだ。 17 00:01:29,318 --> 00:01:32,020 ここから先は 男は入れぬ。 18 00:01:32,020 --> 00:01:34,156 わしの役目も ここまでだ。 19 00:01:34,156 --> 00:01:39,595 あとは お前が 1人で これを持って くぐるがよい。 20 00:01:39,595 --> 00:01:51,106 ♪♪~ 21 00:01:51,106 --> 00:01:56,028 (大勢頭部)あなたが 真鶴ですか? はい。 22 00:01:56,028 --> 00:02:00,365 私は 女官 大勢頭部だ。 23 00:02:00,365 --> 00:02:03,902 あっ お初に お目にかかります。 24 00:02:03,902 --> 00:02:09,308 八重山の在番殿が あなたを 大層 褒めております。 25 00:02:09,308 --> 00:02:15,798 教養が高く 機織りの名手にして 舞踊にも通じているとの事。 26 00:02:15,798 --> 00:02:18,200 舞踊は 全くの自己流です。 27 00:02:18,200 --> 00:02:20,200 こちらへ参れ。 28 00:02:28,994 --> 00:02:33,899 八重山の娘よ。 ここで控えておりなさい。 29 00:02:33,899 --> 00:02:38,987 あの… 私は 一体 何をすれば…? 30 00:02:38,987 --> 00:02:41,023 聞いてはおらぬのか? 31 00:02:41,023 --> 00:02:44,393 まず 初めに 教養が試される。 32 00:02:44,393 --> 00:02:47,029 教養を試す? 33 00:02:47,029 --> 00:02:50,632 筆記の試験を受けるのです。 34 00:02:50,632 --> 00:02:53,652 まるで お役人になるみたいですね。 35 00:02:53,652 --> 00:02:59,391 側室になるには それに近いものがあると心得よ。 36 00:02:59,391 --> 00:03:04,696 側室? これは 側室の試験なのですか? 37 00:03:04,696 --> 00:03:16,291 ♪♪~ 38 00:03:16,291 --> 00:03:18,527  心の声  どうする? 寧温。→ 39 00:03:18,527 --> 00:03:27,102 ここで 側室になってしまったら 二度と 男に戻れまい。→ 40 00:03:27,102 --> 00:03:30,589 大丈夫。 私が選ばれるわけがない。 41 00:03:30,589 --> 00:03:33,992 (娘1)あれでも きっと 島では一番なのよ。 42 00:03:33,992 --> 00:03:36,028 (娘2)その気にさせられて しまったのね。 43 00:03:36,028 --> 00:03:38,530 (娘3)きっと 字も読めないわよ。 44 00:03:38,530 --> 00:03:42,134 おやめなさいよ。 聞こえるわよ。 45 00:03:42,134 --> 00:03:48,423 (真美那)まあ きれい! 本当に なんてきれいな方なのかしら?! 46 00:03:48,423 --> 00:03:50,526 私は 真美那と申します。 47 00:03:50,526 --> 00:03:53,195 あなたのような きれいな方に お目にかかるのは→ 48 00:03:53,195 --> 00:03:55,931 私 生まれて初めてですわ。 49 00:03:55,931 --> 00:03:58,534 そんな。 こちらこそ。 50 00:03:58,534 --> 00:04:00,986 あの… 真鶴と申します。 51 00:04:00,986 --> 00:04:04,223 真鶴さんね。 ねえ 真鶴さん ちょっと来て下さらない? 52 00:04:04,223 --> 00:04:06,975 えっ? 53 00:04:06,975 --> 00:04:09,995 さあ お好きなものを選んで。 54 00:04:09,995 --> 00:04:13,332 私は この着物で 十分ですから。 55 00:04:13,332 --> 00:04:17,069 遠慮なさってる暇ないから 私が選ぶわね。 56 00:04:17,069 --> 00:04:21,039 じゃ… これ! 57 00:04:21,039 --> 00:04:25,060 さあ お前達。 お前達の 誇りに懸けて 磨き上げなさい。 58 00:04:25,060 --> 00:04:27,095 (使用人達)はい お嬢様! 59 00:04:27,095 --> 00:04:32,801 ♪♪~ 60 00:04:32,801 --> 00:04:36,355 (どよめき) 61 00:04:36,355 --> 00:04:40,759 (娘1)これが さっきの 八重山の娘? 62 00:04:40,759 --> 00:04:42,894 やはり 思ったとおりだわ。 63 00:04:42,894 --> 00:04:49,268 本物を見分ける力を持たざる 人って不憫よね 真鶴さん。 フフフ…。 64 00:04:49,268 --> 00:04:52,220  心の声  ある意味 あなたが 一番本物だ。 65 00:04:52,220 --> 00:04:57,192 だけど 見た目がよくても 教養がなくては無理よね? 66 00:04:57,192 --> 00:05:00,562 あら。 真鶴さんは きっと 頭もよくてよ。 67 00:05:00,562 --> 00:05:03,231 美人は 頭が弱いと 決めつけている→ 68 00:05:03,231 --> 00:05:05,233 世間の鼻を 明かしてくれるはずだわ。 69 00:05:05,233 --> 00:05:10,055 なら 教養試験に落ちたら どうします? 70 00:05:10,055 --> 00:05:13,592 あなたの言う事を 何でも聞いてあげるわ。 71 00:05:13,592 --> 00:05:18,463 みんなの前で 裸踊りをしてもらうわよ。 72 00:05:18,463 --> 00:05:23,168 まあ 幼稚! でも いいわ。 受けて立ちましょう。 73 00:05:23,168 --> 00:05:26,368 私は 真鶴さんを信じるわ。 74 00:05:31,943 --> 00:05:33,929 そんなの…。 何? これ。 75 00:05:33,929 --> 00:05:40,002  心の声  これが 教養試験か。 「孟子」か…。 76 00:05:40,002 --> 00:05:43,322 お静かに! 77 00:05:43,322 --> 00:05:46,391 側室であれば これぐらいの教養を→ 78 00:05:46,391 --> 00:05:49,227 身につけておられるのは 当然の事です! 79 00:05:49,227 --> 00:05:51,897 もし お世継ぎが お生まれになれば→ 80 00:05:51,897 --> 00:05:57,069 当然 その母の聡明さも 受け継がれる事になるのです。 81 00:05:57,069 --> 00:06:02,391 ご聡明でなければ 国が滅びてしまいます。 82 00:06:02,391 --> 00:06:06,391  心の声  今更 四書五経の いろはを解かされるなんて…。 83 00:06:08,463 --> 00:06:12,384  心の声  いや 答えては駄目だ。 84 00:06:12,384 --> 00:06:22,027 ♪♪~ 85 00:06:22,027 --> 00:06:27,032  回想  (娘1)みんなの前で 裸踊りをしてもらうわよ。 86 00:06:27,032 --> 00:06:29,818 私は 真鶴さんを信じるわ。 87 00:06:29,818 --> 00:06:32,521  心の声  余計な事を…。 88 00:06:32,521 --> 00:06:39,628 ♪♪~ 89 00:06:39,628 --> 00:06:43,165  心の声  最終候補に 残ってしまった。→ 90 00:06:43,165 --> 00:06:50,522 女官ならともかく 側室になったら 一生 御内原から出られない。→ 91 00:06:50,522 --> 00:06:54,259 浅倉殿とも会えない。→ 92 00:06:54,259 --> 00:06:58,797 いや 何のために戻ってきた?→ 93 00:06:58,797 --> 00:07:02,300 列強の支配から 琉球を守るためではないか。 94 00:07:02,300 --> 00:07:04,820 大勢頭部にございます。 95 00:07:04,820 --> 00:07:07,739 お二人をお連れいたしました。 96 00:07:07,739 --> 00:07:09,758 ≪(国母)開けよ。 97 00:07:09,758 --> 00:07:13,361 ♪♪~ 98 00:07:13,361 --> 00:07:19,217 (国母)苦しゅうない。 楽にいたせ。 99 00:07:19,217 --> 00:07:23,138  心の声  あの王妃様が 今は 国母様か。 100 00:07:23,138 --> 00:07:25,824 畏れながら 申し上げます。 101 00:07:25,824 --> 00:07:31,296 首席は 八重山在番殿より ご推薦のあった→ 102 00:07:31,296 --> 00:07:34,800 この真鶴嬢でございます。 103 00:07:34,800 --> 00:07:38,470 八重山の娘か。 104 00:07:38,470 --> 00:07:42,691 (大勢頭部)次席は 真美那嬢にございました。 105 00:07:42,691 --> 00:07:51,633 さすがは 宜野湾親方の孫娘であるな。 106 00:07:51,633 --> 00:07:57,155  心の声  この真美那様が 三司官 宜野湾親方の孫娘だったのか。→ 107 00:07:57,155 --> 00:08:00,675 どうりで 育ちも 頭もいいはずだ。 108 00:08:00,675 --> 00:08:05,814 2人とも 面を上げよ。 109 00:08:05,814 --> 00:08:11,837 ♪♪~ 110 00:08:11,837 --> 00:08:14,856 すばらしい。 111 00:08:14,856 --> 00:08:20,629 ここまで美しい娘が 2人もそろうとは。 112 00:08:20,629 --> 00:08:24,499  心の声  首里天加那志 ご立派になられて。 113 00:08:24,499 --> 00:08:30,522 うん? 真鶴とやら。→ 114 00:08:30,522 --> 00:08:38,430 そのまなざしに 何とのう 覚えがあるが…。→ 115 00:08:38,430 --> 00:08:42,717 どこかで 私に会うてはおらぬか? 116 00:08:42,717 --> 00:08:49,357 はい 王宮の事は 何度も 夢に見ておりました。 117 00:08:49,357 --> 00:08:52,761 (国母)夢? 118 00:08:52,761 --> 00:08:54,963 (宜野湾)これ 真美那。 119 00:08:54,963 --> 00:08:58,500 (尚 泰王)ハハハ…。 120 00:08:58,500 --> 00:09:01,102 (国母)ハハハ…。 121 00:09:01,102 --> 00:09:06,157 夢で会うておったか。 122 00:09:06,157 --> 00:09:10,829 しかし その夢をかなえるには もう一つ→ 123 00:09:10,829 --> 00:09:16,001 神の後ろ盾が必要であるぞ。 124 00:09:16,001 --> 00:09:18,420  心の声  神の後ろ盾? 125 00:09:18,420 --> 00:09:23,892 これより お座敷に上がり 好きな所に座りなさい。 126 00:09:23,892 --> 00:09:30,198 いずれかの畳の下に 黄金の はさみが隠されております。 127 00:09:30,198 --> 00:09:34,753 その上に座った者が 天運を授かる事になります。 128 00:09:34,753 --> 00:09:38,523  心の声  そうか。 王妃様を選ぶのと同じだ。 129 00:09:38,523 --> 00:09:44,629 では 首席の真鶴嬢から 座りなさい。 130 00:09:44,629 --> 00:09:46,798 はい。 131 00:09:46,798 --> 00:09:48,867  心の声  これなら 分かる。→ 132 00:09:48,867 --> 00:09:51,920 慣例では 縁起を担ぐために→ 133 00:09:51,920 --> 00:09:55,590 はさみは 奇数番目の畳の下に隠される。→ 134 00:09:55,590 --> 00:10:01,713 1 2 3 4。→ 135 00:10:01,713 --> 00:10:03,899 偶数なら 当てる事はない。 136 00:10:03,899 --> 00:10:13,909 ♪♪~ 137 00:10:13,909 --> 00:10:18,246 次に 真美那嬢が座りなさい。 138 00:10:18,246 --> 00:10:20,265 はい。 139 00:10:20,265 --> 00:10:28,306 ♪♪~ 140 00:10:28,306 --> 00:10:30,308 (大勢頭部)よろしい。 141 00:10:30,308 --> 00:10:33,895 では 畳 開けなさい。 142 00:10:33,895 --> 00:10:40,619 ♪♪~ 143 00:10:40,619 --> 00:10:44,923  心の声  よかった。 これで 出られる。 144 00:10:44,923 --> 00:10:59,187 ♪♪~ 145 00:10:59,187 --> 00:11:04,387 側室は 真美那様と 決定いたしました。 146 00:11:06,695 --> 00:11:10,031 おめでとうございます 真美那様。 147 00:11:10,031 --> 00:11:13,234 (真美那のすすり泣き) 148 00:11:13,234 --> 00:11:17,522 嫌。 えっ? 149 00:11:17,522 --> 00:11:23,795 真鶴さんが居てくれなきゃ 真美那 不安で泣いちゃう。 150 00:11:23,795 --> 00:11:28,333 (宜野湾)これ 真美那。 (尚 泰王)よいではないか。 151 00:11:28,333 --> 00:11:34,606 なら そなたも 一緒に 側室になれ。 152 00:11:34,606 --> 00:11:40,495 首里天加那志 神の託宣を 無視されてはなりませぬ。 153 00:11:40,495 --> 00:11:44,733 母上 王妃の時は それに従いました。 154 00:11:44,733 --> 00:11:50,155 しかし 側室は なにも1人とは限りますまい? 155 00:11:50,155 --> 00:11:56,628 「夫人」と呼ばれる側室の他に 「妻」と呼ばれる側室が居ても→ 156 00:11:56,628 --> 00:11:58,880 おきてを破る事には なりますまい? 157 00:11:58,880 --> 00:12:01,366  心の声  確かに それは 理屈だが。→ 158 00:12:01,366 --> 00:12:05,487 なりませぬ 首里天加那志! 159 00:12:05,487 --> 00:12:08,023 しかたありませんね。 160 00:12:08,023 --> 00:12:11,476  心の声  おい! いつから そんなに物分かりがよくなった。 161 00:12:11,476 --> 00:12:16,965 首里天加那志の仰せのとおりに。 162 00:12:16,965 --> 00:12:19,000 はっ! 163 00:12:19,000 --> 00:12:23,171 ♪♪~ 164 00:12:23,171 --> 00:12:27,192 いいのよ。 おめでとう 真鶴さん。 165 00:12:27,192 --> 00:12:31,262  心の声  この人のわがままは 列強並みだ。 166 00:12:31,262 --> 00:12:37,135 ♪♪~ 167 00:12:37,135 --> 00:12:40,121 (朝薫)側室様の任命書です。 168 00:12:40,121 --> 00:12:42,157 ご苦労。 169 00:12:42,157 --> 00:12:45,860 宜野湾親方 おめでとうございます。 170 00:12:45,860 --> 00:12:48,696 私も 同じ一族として 誇らしく思います。 171 00:12:48,696 --> 00:12:54,769 うん これで 立派に お世継ぎを 産む務めを果たしてくれればな→ 172 00:12:54,769 --> 00:12:57,188 これ以上の喜びはない。 173 00:12:57,188 --> 00:13:01,159 もう一人 真鶴様という方は どんなお方ですか? 174 00:13:01,159 --> 00:13:04,262 それがな 女だてらに→ 175 00:13:04,262 --> 00:13:08,566 教養問題の答えを 見事な漢文で書いたそうだ。 176 00:13:08,566 --> 00:13:12,554 それは すごい。 八重山で どんな育ち方をされたんだ? 177 00:13:12,554 --> 00:13:17,675 八重山の在番も 見事に 株を上げたな。 ハハハ…。 178 00:13:17,675 --> 00:13:25,800 (与那原)しかし あの漢文の筆跡 どこかで見たような…。 179 00:13:25,800 --> 00:13:28,286 嫌な心持ちがした。 180 00:13:28,286 --> 00:13:32,724 まさか 八重山のどこかで 寧温と出会っているような事は? 181 00:13:32,724 --> 00:13:36,094 その名は もう 口にいたすな。 182 00:13:36,094 --> 00:13:41,599 嫌な心持ちがする。 183 00:13:41,599 --> 00:13:44,768 この御内原に入られた限りは→ 184 00:13:44,768 --> 00:13:50,224 外の世界との行き来は 極力 避けて頂かなければなりません。 185 00:13:50,224 --> 00:13:52,493 お里へのお便りなれば→ 186 00:13:52,493 --> 00:13:56,230 この大勢頭部が 責任をもって お届けいたします。 187 00:13:56,230 --> 00:14:00,234 里に限らずとも どこへ 文を認めようが→ 188 00:14:00,234 --> 00:14:02,253 それは 勝手ではありませんか? 189 00:14:02,253 --> 00:14:04,939 (大勢頭部)勝手ではありません。 190 00:14:04,939 --> 00:14:09,326 文であっても 不義を働く事もできます。 191 00:14:09,326 --> 00:14:13,264 恋文を書こうというのでは ありません。 私は ただ…。 192 00:14:13,264 --> 00:14:18,469 ただ? 何をお書きになりたいのです? 193 00:14:18,469 --> 00:14:20,921 それは…。 側室様として→ 194 00:14:20,921 --> 00:14:26,594 普通にお過ごしになれば 決して 不自由な事はないはずです。 195 00:14:26,594 --> 00:14:31,131 ここで 首里天加那志を いちずに思い暮らす事が→ 196 00:14:31,131 --> 00:14:35,486 琉球王国の未来を 明るくするのです。 197 00:14:35,486 --> 00:14:42,560 ♪♪~ 198 00:14:42,560 --> 00:14:44,728  心の声  終わった。→ 199 00:14:44,728 --> 00:14:51,185 これで 孫 寧温に戻る事は 二度と できない。 200 00:14:51,185 --> 00:14:54,455 機織りと 子を産むだけが 御内原の女の務めなんて→ 201 00:14:54,455 --> 00:14:56,590 つまらないわよね。 202 00:14:56,590 --> 00:15:01,328 機を織るより 書物を読むほうが 私は 小さい頃から好きだったわ。 203 00:15:01,328 --> 00:15:04,798 真美那さんも? そうよ。 204 00:15:04,798 --> 00:15:08,769 私のいとこに 喜舎場朝薫という お役人が居るんだけど→ 205 00:15:08,769 --> 00:15:13,290 私だって 女に生まれていなければ あの人にだって 負けないわ。 206 00:15:13,290 --> 00:15:16,694 そうか。 朝薫と同じ一族でしたね。 207 00:15:16,694 --> 00:15:18,963 えっ? 知ってるの? 208 00:15:18,963 --> 00:15:22,566 あっ… いえ。 209 00:15:22,566 --> 00:15:28,366 噂では 優秀な表十五人衆だと 聞いています。 210 00:15:30,507 --> 00:15:35,563 あの… なんとかして その方に会えないでしょうか? 211 00:15:35,563 --> 00:15:39,567 それは 無理よ。 御内原に呼ぶ事はできないのよ。 212 00:15:39,567 --> 00:15:45,422 いくら 優秀だって 私達は 男の 人と 自由に会う事もできない。 213 00:15:45,422 --> 00:15:47,858 そうでしたね。 214 00:15:47,858 --> 00:15:51,428 (真美那)もしかして 真鶴さん→ 215 00:15:51,428 --> 00:15:53,764 朝薫が好きなの? 216 00:15:53,764 --> 00:15:58,402 駄目よ。 あの人には もう 奥方も子も居るんだから。→ 217 00:15:58,402 --> 00:16:01,388 真鶴さんだって もう 妻じゃない? 218 00:16:01,388 --> 00:16:05,075 ♪♪~ 219 00:16:05,075 --> 00:16:09,413  心の声  そう。 そうだよね。→ 220 00:16:09,413 --> 00:16:12,466 おめでとう 朝薫。→ 221 00:16:12,466 --> 00:16:18,155 きっと 浅倉殿だって…。 222 00:16:18,155 --> 00:16:21,292 (王妃)まあ きれいな上布。 223 00:16:21,292 --> 00:16:23,327 これは どっちが織ったのじゃ? 224 00:16:23,327 --> 00:16:25,362 真鶴様でございます。 225 00:16:25,362 --> 00:16:29,600 ああ さすが 八重山の出であるな。 226 00:16:29,600 --> 00:16:32,186 のう? 思戸。 (思戸)はい。→ 227 00:16:32,186 --> 00:16:35,956 貧しく生まれた者は 鍛え方が違いまする。 228 00:16:35,956 --> 00:16:38,993  心の声  思戸? あの思戸か? 229 00:16:38,993 --> 00:16:41,261 王妃様も 見かけによらず→ 230 00:16:41,261 --> 00:16:45,766 ものの価値がお分かりに なるようで 安心いたしました。 231 00:16:45,766 --> 00:16:59,596 ♪♪~ 232 00:16:59,596 --> 00:17:02,149 (思戸)真鶴様に申し上げます。 233 00:17:02,149 --> 00:17:06,837 王妃様は 昨日の八重山上布を 大変 気に入っておられました。 234 00:17:06,837 --> 00:17:11,225 お礼に お菓子を 取らせるとの事です。 235 00:17:11,225 --> 00:17:16,930 ありがとう。 王妃様のお心遣い 痛み入ります。 236 00:17:16,930 --> 00:17:23,620 ♪♪~ 237 00:17:23,620 --> 00:17:25,989 まあ おいしそう。 238 00:17:25,989 --> 00:17:28,942 琉球菓子の薫餅にございます。 239 00:17:28,942 --> 00:17:32,796 中には ゴマと落花生をあえた 餡が入っております。 240 00:17:32,796 --> 00:17:36,066 八重山育ちのお口に 合いますかどうか。 241 00:17:36,066 --> 00:17:39,720 では 早速 頂きます。 242 00:17:39,720 --> 00:17:48,220 ♪♪~ 243 00:17:56,954 --> 00:18:00,758 大変 美味でした。 244 00:18:00,758 --> 00:18:07,364 王妃様に 「お心遣い 感謝します」 とお伝え下さい。 245 00:18:07,364 --> 00:18:20,861 ♪♪~ 246 00:18:20,861 --> 00:18:23,163 (薄戸)大丈夫ですか? 247 00:18:23,163 --> 00:18:26,033 何が入っておりました? 248 00:18:26,033 --> 00:18:29,403 多分 泥でしょう。 249 00:18:29,403 --> 00:18:34,124 これが 御内原の洗礼なのですね? 250 00:18:34,124 --> 00:18:37,027 真鶴様 お見事でした。 251 00:18:37,027 --> 00:18:41,465 私達は 生涯 真鶴様とともに 生きて参ります。 252 00:18:41,465 --> 00:18:44,118 この敵も 必ず取らせて頂きます。 253 00:18:44,118 --> 00:18:47,488 いいのよ。 おやめなさい。 254 00:18:47,488 --> 00:18:50,991 それにしても あの思戸は→ 255 00:18:50,991 --> 00:18:55,112 あの若さで 黄金御殿の 勢頭部にまで上がったのですね。 256 00:18:55,112 --> 00:18:57,765 あれは 恐ろしい女官です。 257 00:18:57,765 --> 00:19:01,585 権謀術数にたけ 裏金を作るのも得意です。 258 00:19:01,585 --> 00:19:04,855 ただ 私欲はなく 自分が ボロ着を着ても→ 259 00:19:04,855 --> 00:19:07,574 下の女官に 惜しみなく 金を配るもので→ 260 00:19:07,574 --> 00:19:10,327 御内原に 一大派閥を 築いております。 261 00:19:10,327 --> 00:19:13,330  心の声  そうか。 思戸は→ 262 00:19:13,330 --> 00:19:17,730 かつての女官 大勢頭部の意思を 受け継いだのか。 263 00:19:23,657 --> 00:19:26,757 思戸よ。 ≪(思戸)はい。 264 00:19:33,233 --> 00:19:35,285 今夜は 側室を呼んでくれ。 265 00:19:35,285 --> 00:19:40,585 はい どなた様を お召しにございますか? 266 00:19:47,264 --> 00:19:50,467 首里天加那志が 側室様をお呼びである。 267 00:19:50,467 --> 00:19:52,886 すぐ 支度せよ。 268 00:19:52,886 --> 00:19:56,290 (女官)どちらの側室様で ございましょう? 269 00:19:56,290 --> 00:19:59,090 真鶴様をご指名だ。 270 00:20:01,261 --> 00:20:04,431 宜野湾親方からの ご伝言がございます。 271 00:20:04,431 --> 00:20:07,317 「時」の占いによりますと 今夜は→ 272 00:20:07,317 --> 00:20:12,306 真美那様が ご懐妊される日と 出たそうでございます。 273 00:20:12,306 --> 00:20:15,993 ♪♪~ 274 00:20:15,993 --> 00:20:23,700 そうか。 三司官殿の頼みであれば しかたあるまい。 275 00:20:23,700 --> 00:20:27,654 真鶴様は お風邪を 召されたという事にしよう。 276 00:20:27,654 --> 00:20:53,263 ♪♪~ 277 00:20:53,263 --> 00:20:57,200 きっと 真美那様がお産みになる お世継ぎなれば→ 278 00:20:57,200 --> 00:21:00,254 立派な琉球王になられるでしょう。 279 00:21:00,254 --> 00:21:03,657 そうなれば 「時」の占いが 見事に的中ね。 280 00:21:03,657 --> 00:21:06,493 「時」? 八重山には→ 281 00:21:06,493 --> 00:21:10,430 「時」と呼ばれる占い師は 居ない? 282 00:21:10,430 --> 00:21:15,569 おじい様が 高名な「時」を雇って 懐妊できる日を占ったのよ。 283 00:21:15,569 --> 00:21:20,207 昨夜は 一晩中 私の一族は祈祷してたんだわ。 284 00:21:20,207 --> 00:21:23,527 それは 心強いですね。 285 00:21:23,527 --> 00:21:27,798 それなら 真鶴さんも 占ってもらえばいいわ。 286 00:21:27,798 --> 00:21:32,886 私には 「時」を雇ってくれるような 人は居りませんから。 287 00:21:32,886 --> 00:21:35,155 ユタでもいいのよ。 288 00:21:35,155 --> 00:21:39,927 そうだ。 辻に 評判のユタが居ると聞いたわ。 289 00:21:39,927 --> 00:21:42,627 辻って 遊郭の? 290 00:21:44,698 --> 00:21:47,868 (聞得大君)次 入れ。 291 00:21:47,868 --> 00:21:52,973 ♪♪~ 292 00:21:52,973 --> 00:21:56,893 お前か? また 来たのか? 293 00:21:56,893 --> 00:22:01,031 ♪♪~ 294 00:22:01,031 --> 00:22:07,955 何じゃ? その暗い顔を見て 占うのは もう飽いたぞ。 295 00:22:07,955 --> 00:22:11,558 (津波古)占いは もう いいんです。 296 00:22:11,558 --> 00:22:18,131 娘達が この辻の どこかに居る。 297 00:22:18,131 --> 00:22:25,472 私の幼い娘達が ゆくゆく悪い 病気にかからぬよう祈って下さい。 298 00:22:25,472 --> 00:22:28,725 お願いします。 299 00:22:28,725 --> 00:22:31,595 暗い。 300 00:22:31,595 --> 00:22:35,098 お前のせいで売られた娘達か…。 301 00:22:35,098 --> 00:22:40,988 あなたも ジュリをしてるなら 分かるはずだ 娘達の気持ちが。 302 00:22:40,988 --> 00:22:45,859 わらわは 客を 1人も 取っておらぬでの。 えっ? 303 00:22:45,859 --> 00:22:52,232 床に入った瞬間 皆 金縛りにしてやったでの。 304 00:22:52,232 --> 00:22:56,303 それで よく ここに居られますね。 305 00:22:56,303 --> 00:22:59,222 こうして 店の評判を 取っておるではないか? 306 00:22:59,222 --> 00:23:02,426 そのかわり 金は取らぬゆえ→ 307 00:23:02,426 --> 00:23:06,496 いつまでたっても ここを出てゆけぬのじゃ。 308 00:23:06,496 --> 00:23:09,399 (津波古)なぜ お金を 取らないんです? 309 00:23:09,399 --> 00:23:15,099 わらわは ユタではない。 これは あくまで 施しじゃ。 310 00:23:18,542 --> 00:23:25,899 あなたは なんて誇り高く 強い人だ?! 311 00:23:25,899 --> 00:23:29,352 人ではない。 神じゃ。 312 00:23:29,352 --> 00:23:32,956 強いのは 神じゃ。 313 00:23:32,956 --> 00:23:34,956 神? 314 00:23:39,963 --> 00:23:45,502 海運業で失敗したのも 女房が 病気で死んだのも→ 315 00:23:45,502 --> 00:23:51,241 娘達が苦労しておるのも みんな 神の力じゃ。 316 00:23:51,241 --> 00:23:59,366 どうじゃ? そう思えば そのうち よい事だってあるやもしれぬぞ。 317 00:23:59,366 --> 00:24:04,688 お前が 自分の強さや弱さに こだわらなければの。 318 00:24:04,688 --> 00:24:10,210 強さや弱さにこだわらず ただ 生きていろと? 319 00:24:10,210 --> 00:24:13,530 そうじゃ。 320 00:24:13,530 --> 00:24:20,954 人間 苦しい時は ただ 生き延びる事だけを考えるのじゃ。 321 00:24:20,954 --> 00:24:34,768 ♪♪~ 322 00:24:34,768 --> 00:24:37,554  心の声  生き延びろ。→ 323 00:24:37,554 --> 00:24:41,858 どうしても 孫 寧温は まだ 生き延びなくてはならない。→ 324 00:24:41,858 --> 00:24:46,229 列強が来る前に どうしたら ここを出られる? 325 00:24:46,229 --> 00:24:50,233 駄目ね。 もっと 透明感のある 緑色を出したいのよ。 326 00:24:50,233 --> 00:24:53,286 琉球の海のような。 327 00:24:53,286 --> 00:24:58,291 透明な緑色なら 若いサトウキビを煮るのが一番です。 328 00:24:58,291 --> 00:25:03,130 本当? 真鶴さんは 何でも知ってるのね。 329 00:25:03,130 --> 00:25:06,716 それじゃ 若いサトウキビを 採りに行けないかしら? 330 00:25:06,716 --> 00:25:11,616 染料を採取するためなら いつでも 外に出られます。 331 00:25:13,957 --> 00:25:17,961 それ 本当? 332 00:25:17,961 --> 00:25:24,401 薄戸 サトウキビ畑には 私が1人で参ります。 333 00:25:24,401 --> 00:25:28,955 あなた達は 町で 買い物でもしてきて下さい。 334 00:25:28,955 --> 00:25:31,825 お心遣いは ありがたいのですが→ 335 00:25:31,825 --> 00:25:35,862 真鶴様を お一人にするわけには 参りません。 336 00:25:35,862 --> 00:25:40,000 お願い。 私を信用して そうしてちょうだい。 337 00:25:40,000 --> 00:25:44,321 あなた達を裏切るようなまねは いたしませんから。 338 00:25:44,321 --> 00:25:48,658 分かりました。 では 必ず 未の刻までに→ 339 00:25:48,658 --> 00:25:51,358 門の前に お戻り下さい。 340 00:25:54,197 --> 00:25:56,197 ありがとう。 341 00:26:00,637 --> 00:26:06,737  心の声  とはいえ 女の私に 何ができるというのだ? 342 00:26:20,724 --> 00:26:42,996 ♪♪~ 343 00:26:42,996 --> 00:26:48,018 (浅倉)こたびは この硯箱を 見積もってほしいのだ。 344 00:26:48,018 --> 00:26:55,358 (主人)はあ 尾形光琳の 硯箱ではございませんか?! 345 00:26:55,358 --> 00:26:57,961 これは 家宝でございましょう? 346 00:26:57,961 --> 00:27:00,664 家宝といっても 私は 独り身だ。 347 00:27:00,664 --> 00:27:03,300 で いくらになる? 348 00:27:03,300 --> 00:27:06,503 (主人)また 八重山に送る お金ですか? 349 00:27:06,503 --> 00:27:10,724 そうだ。 大切な人が 不憫な思いをせぬようにな。 350 00:27:10,724 --> 00:27:13,860 少しでも 高く見積もってくれ。 351 00:27:13,860 --> 00:27:18,064 (主人)よほど 大切なお方なのですね。 352 00:27:18,064 --> 00:27:21,368 己の命よりも 大切だ。 353 00:27:21,368 --> 00:27:25,388 本当は この身を 送りたいところだが…。 354 00:27:25,388 --> 00:27:29,059  心の声  バカです。 そんなお金は→ 355 00:27:29,059 --> 00:27:32,429 八重山の役人が 着服してしまうのに。 356 00:27:32,429 --> 00:27:34,764 (番頭)いらっしゃいませ。 357 00:27:34,764 --> 00:27:37,100 どうか なさいましたか? 358 00:27:37,100 --> 00:27:39,986 ♪♪~ 359 00:27:39,986 --> 00:27:42,038 寧温…。 360 00:27:42,038 --> 00:27:44,357 お待ち下さい! 361 00:27:44,357 --> 00:27:53,099 ♪♪~ 362 00:27:53,099 --> 00:27:55,099 寧温! 363 00:28:21,344 --> 00:28:25,899 あなたは 真鶴さんなのか?! 364 00:28:25,899 --> 00:28:29,185 真鶴になって 戻ってきたのか?! 365 00:28:29,185 --> 00:28:34,824 ♪♪~ 366 00:28:34,824 --> 00:28:45,135 もし そうなら… 本当に そうなら 私は どんなに うれしいか! 367 00:28:45,135 --> 00:28:49,356 あなたに どんなに 会いたいと思っていたか! 368 00:28:49,356 --> 00:28:55,362 なぜ 私から逃げるんですか? どうして 逃げるんです? 369 00:28:55,362 --> 00:28:58,531 なぜ 私から逃げるんですか? 370 00:28:58,531 --> 00:29:03,186 ♪♪~ 371 00:29:03,186 --> 00:29:08,386 私は 三重城で いつでも待っています! 372 00:29:10,427 --> 00:29:15,999 あなたの事を いつまでも 待っています! 373 00:29:15,999 --> 00:30:09,699 ♪♪~ 374 00:30:12,689 --> 00:30:16,559 (戸を開ける音) 375 00:30:16,559 --> 00:30:19,963 オバァ。 376 00:30:19,963 --> 00:30:22,315 オバァ。 377 00:30:22,315 --> 00:30:24,615 (オバァ)誰ね? 378 00:30:27,454 --> 00:30:29,454 あっ…。 379 00:30:31,524 --> 00:30:37,130 私は 真鶴と申します。 380 00:30:37,130 --> 00:30:41,401 真鶴? 嗣勇や寧温の妹です。 381 00:30:41,401 --> 00:30:48,992 (オバァ)妹は 小さい時に 亡くなったと聞いているがね。 382 00:30:48,992 --> 00:30:55,331 実は 訳あって 清国で暮らしていたのです。 383 00:30:55,331 --> 00:31:02,055 もっと 近くに来て 顔を見せてごらん。 384 00:31:02,055 --> 00:31:10,363 ♪♪~ 385 00:31:10,363 --> 00:31:17,437 ああ 寧温そっくりさ。 386 00:31:17,437 --> 00:31:23,993 この家には 今 誰が住んでいるんですか? 387 00:31:23,993 --> 00:31:25,993 誰も。 388 00:31:28,097 --> 00:31:33,520 真鶴は この家に住むの? 389 00:31:33,520 --> 00:31:36,756 えっ? 390 00:31:36,756 --> 00:31:41,995 いえ 今日 清国に帰ります。 391 00:31:41,995 --> 00:31:45,064 じゃ 見送りに行くさ。 392 00:31:45,064 --> 00:31:47,300 いえ 結構です。 393 00:31:47,300 --> 00:31:52,956 それより 嗣勇兄さんの居場所は 分かりますか? 394 00:31:52,956 --> 00:31:56,456 ♪♪~ 395 00:32:16,996 --> 00:32:18,996 兄上。 396 00:32:22,969 --> 00:32:27,023 私です 兄上。 397 00:32:27,023 --> 00:32:32,823 (嗣勇)寧温? いや 真鶴か? 398 00:32:35,198 --> 00:32:38,801 ここは お前の入る墓じゃないぞ。 399 00:32:38,801 --> 00:32:43,940 兄上 私は 幽霊ではありませんよ。 400 00:32:43,940 --> 00:32:46,492 八重山から戻ってきたのです! 401 00:32:46,492 --> 00:32:50,163 本当か? 402 00:32:50,163 --> 00:32:53,182 どうして戻れたんだ? 403 00:32:53,182 --> 00:32:56,519 真鶴として 御内原に入ったのです。 404 00:32:56,519 --> 00:32:59,088 御内原に? 405 00:32:59,088 --> 00:33:03,026 孫 寧温には もう 戻れないかもしれませんが→ 406 00:33:03,026 --> 00:33:07,326 私には やらなければならない事が あるのです。 407 00:33:10,099 --> 00:33:16,489 兄上 琉球には 今 嵐が近づいています。 408 00:33:16,489 --> 00:33:22,895 王府は それに備えて 対策を 立てておかねばなりません。 409 00:33:22,895 --> 00:33:26,432 僕には 何もできないよ。 410 00:33:26,432 --> 00:33:28,468 ご覧のとおりの身分だ。 411 00:33:28,468 --> 00:33:33,656 前王朝の末裔が 現王朝の墓守をしているんだ。 412 00:33:33,656 --> 00:33:37,894 誰が そのような人事を? 413 00:33:37,894 --> 00:33:41,130 朝薫だ。 414 00:33:41,130 --> 00:33:45,985 だが 朝薫は お前の事を もう 疑ってはいないよ。 415 00:33:45,985 --> 00:33:48,755 僕が 現王朝に 忠誠を尽くせば→ 416 00:33:48,755 --> 00:33:54,327 いつか 孫 寧温を放免する日も 来ると言っていた。 417 00:33:54,327 --> 00:33:56,696 朝薫が? 418 00:33:56,696 --> 00:33:59,896 お前を追放した過ちに 気付いたんだよ。 419 00:34:01,918 --> 00:34:06,923 真鶴 その姿は 女官ではあるまい? 420 00:34:06,923 --> 00:34:09,726 ♪♪~ 421 00:34:09,726 --> 00:34:13,796 私は 側室です。 422 00:34:13,796 --> 00:34:18,000 側室? どうして 側室になんか…? 423 00:34:18,000 --> 00:34:24,323 兄上。 朝薫には この事は言わないで下さい。 424 00:34:24,323 --> 00:34:26,893 また 会いに来ます。 425 00:34:26,893 --> 00:34:30,163 王府に伝えたい事は ここに 話しに来ます。 426 00:34:30,163 --> 00:34:34,183 それを 朝薫に伝えて下さい。 427 00:34:34,183 --> 00:34:37,283 今は それしかできません。 428 00:34:39,355 --> 00:34:42,458 もう 戻らなければ。 真鶴。 429 00:34:42,458 --> 00:34:46,245 ♪♪~ 430 00:34:46,245 --> 00:34:48,631 では また。 431 00:34:48,631 --> 00:34:53,052 ♪♪~ 432 00:34:53,052 --> 00:34:57,352 真鶴 そこまでして お前は…。 433 00:34:59,425 --> 00:35:06,132 ♪♪~ 434 00:35:06,132 --> 00:35:08,132 次 入れ。 435 00:35:12,622 --> 00:35:17,293 また 来たのか? 何じゃ? 436 00:35:17,293 --> 00:35:22,598 明日の朝 進貢船の水夫として 清国に向かいます。 437 00:35:22,598 --> 00:35:28,755 そうか。 何にせよ 働くのは よい事じゃ。 438 00:35:28,755 --> 00:35:33,259 土産は 何がよろしいですか? 439 00:35:33,259 --> 00:35:38,164 はあ? あなたへの土産です。 440 00:35:38,164 --> 00:35:40,566 そんなもの 要らん。 441 00:35:40,566 --> 00:35:43,803 清国の簪は いかがでしょう? 442 00:35:43,803 --> 00:35:46,322 どうせ安物だろう? 要らん。 443 00:35:46,322 --> 00:35:50,893 (津波古)では 金の簪を 買ってきます 大きなヤツを。→ 444 00:35:50,893 --> 00:35:53,162 聞得大君が付けるような。 445 00:35:53,162 --> 00:35:57,200 要らんと言うておろう?! 何がしたいのじゃ? 446 00:35:57,200 --> 00:36:00,286 あなたの力になりたいんです。→ 447 00:36:00,286 --> 00:36:04,290 こんな私が。 はあ? 448 00:36:04,290 --> 00:36:10,663 何もできませんが せめて 感謝の気持ちを示したいんです。 449 00:36:10,663 --> 00:36:14,417 感謝? 生きて戻りましたら→ 450 00:36:14,417 --> 00:36:17,017 また ここへ参ります。 451 00:36:23,276 --> 00:36:30,633 待て。 そんな事より 商人なら 商売の事を考えよ。 452 00:36:30,633 --> 00:36:34,353 最上級の絹を なるべくたくさん 仕入れてくるのじゃ。 453 00:36:34,353 --> 00:36:38,658 それと 脚付きの銀杯も 大量に仕入れよ。 454 00:36:38,658 --> 00:36:41,828 絹と銀杯を? わらわの占いでは→ 455 00:36:41,828 --> 00:36:45,698 近々 王宮に 王族の子が生まれると出ておる。 456 00:36:45,698 --> 00:36:49,398 祝いの品が 飛ぶように売れるぞ。 457 00:36:52,722 --> 00:36:56,322 分かったら 行け。 はい! 458 00:37:06,068 --> 00:37:20,833 ♪♪~ 459 00:37:20,833 --> 00:37:24,170 簪じゃ! 簪も買ってくるのじゃ! 460 00:37:24,170 --> 00:37:27,957 安くてもよい! 粗末な簪でもよいのじゃ! 461 00:37:27,957 --> 00:37:32,495 それを買って 必ず 戻ってくるのじゃ 無事に! 462 00:37:32,495 --> 00:37:34,964 死んだら 承知せぬぞ! 463 00:37:34,964 --> 00:37:37,183 よいな?! 464 00:37:37,183 --> 00:37:43,105 ♪♪~ 465 00:37:43,105 --> 00:37:45,908 (女将)何を叫んでるの?! もう! 466 00:37:45,908 --> 00:37:47,927 何でもない。 467 00:37:47,927 --> 00:37:52,865 ♪♪~ 468 00:37:52,865 --> 00:37:55,067 何じゃ?! その目は。 469 00:37:55,067 --> 00:37:57,403 目? はっ…。 470 00:37:57,403 --> 00:38:02,141 ♪♪~ 471 00:38:02,141 --> 00:38:05,441 何じゃ?! こりゃ! 472 00:38:19,792 --> 00:38:22,092 (砲撃音) 473 00:38:27,316 --> 00:38:44,867 ♪♪~ 474 00:38:44,867 --> 00:38:48,521 ごめん! ごめん ごめん! ごめん! 475 00:38:48,521 --> 00:38:52,274 (侍)浅倉殿! どうした? あれは 何でしょう?→ 476 00:38:52,274 --> 00:38:56,062 船の上に 雨雲が浮かんでおります。 477 00:38:56,062 --> 00:38:59,699 ♪♪~ 478 00:38:59,699 --> 00:39:04,036 幕府に知らせるのだ。 まずは 国元に 飛船を走らせろ! 479 00:39:04,036 --> 00:39:06,822 急げ! (侍達)はっ! 480 00:39:06,822 --> 00:39:10,092 ♪♪~ 481 00:39:10,092 --> 00:39:12,128 (爆発音) 482 00:39:12,128 --> 00:39:14,328 今の音 何? 483 00:39:16,465 --> 00:39:19,235 港だ。 484 00:39:19,235 --> 00:39:21,887 港の火矢の音だ。 485 00:39:21,887 --> 00:39:25,591 ♪♪~ 486 00:39:25,591 --> 00:39:29,691 あんな数の異国船 見た事がない。 487 00:39:31,731 --> 00:39:35,134 (儀間)畏れながら 申し上げます。 那覇港に現れたものは→ 488 00:39:35,134 --> 00:39:37,286 米国艦隊です。 489 00:39:37,286 --> 00:39:39,689 米国大統領の親書を受け渡しに→ 490 00:39:39,689 --> 00:39:44,894 最高司令官より 王宮を表敬したい と述べてきております。 491 00:39:44,894 --> 00:39:50,132 国家という性質上 表敬を受けると 交渉の用意があると思われます。 492 00:39:50,132 --> 00:39:55,471 交渉すれば 英国の植民地となった 香港の二の舞になります!→ 493 00:39:55,471 --> 00:40:00,671 米国に 王府への入り口を 与えてはなりません! 494 00:40:04,463 --> 00:40:08,934 ♪♪~ 495 00:40:08,934 --> 00:40:12,154 (大勢頭部)真鶴様。 496 00:40:12,154 --> 00:40:15,124 どこへ参られるのです? 497 00:40:15,124 --> 00:40:18,377 染料を集めに参ります。 498 00:40:18,377 --> 00:40:21,647 こんな時に 何を考えておられますか?! 499 00:40:21,647 --> 00:40:24,967 しばらく 外出はなりませぬ。 500 00:40:24,967 --> 00:40:27,386 ♪♪~ 501 00:40:27,386 --> 00:40:30,022 そんな…。 (アガマ)思戸様。→ 502 00:40:30,022 --> 00:40:32,625 アメリカ人は 子供をさらうって 本当ですか? 503 00:40:32,625 --> 00:40:37,363 安心おし。 アメリカ人の目は ヤギに似ているそうだよ。 504 00:40:37,363 --> 00:40:40,916 悪さをしたら 私が ヒージャー汁にしてやるさ。 505 00:40:40,916 --> 00:40:43,302 真鶴さん。 506 00:40:43,302 --> 00:40:46,789 アメリカは 何をしに来たのかしら? 507 00:40:46,789 --> 00:40:51,093 恐らく 日本を開国するために 来たのです。 508 00:40:51,093 --> 00:40:55,698 開国? それなら 琉球へは その前に 羽休め? 509 00:40:55,698 --> 00:41:00,386 いいえ! その前に 琉球を占領しに来たのです。 510 00:41:00,386 --> 00:41:03,089 えっ? 太平洋航路の→ 511 00:41:03,089 --> 00:41:05,825 要衝である琉球を 占領してしまえば→ 512 00:41:05,825 --> 00:41:08,794 日本も 開国せざるをえなくなります。 513 00:41:08,794 --> 00:41:10,813 真鶴さん…。 514 00:41:10,813 --> 00:41:13,866  心の声  朝薫 分かっているよね?→ 515 00:41:13,866 --> 00:41:20,172 交渉を拒否すれば 必ず 報復を 受けてしまう。 八重山のように。 516 00:41:20,172 --> 00:41:33,803 ♪♪~ 517 00:41:33,803 --> 00:41:38,257 私は どうすれば…? 518 00:41:38,257 --> 00:41:42,328 ♪♪~ 519 00:41:42,328 --> 00:41:45,731 この先に 軍隊を 通すわけにいかない! 520 00:41:45,731 --> 00:41:48,918 米国艦隊の来航は もはや 琉球一国の問題ではない。 521 00:41:48,918 --> 00:41:52,788 力ずくで 支配する気か?! 首里天加那志。 522 00:41:52,788 --> 00:41:58,093 私を覚えてはおられませぬか? 523 00:41:58,093 --> 00:42:02,598 孫 寧温にございます。 524 00:42:02,598 --> 00:42:07,369 ♪♪「海を眺める 少女がいた」 525 00:42:07,369 --> 00:42:12,791 ♪♪「消えそうな灯に したたるしずく」 526 00:42:12,791 --> 00:42:15,261 ♪♪「空へ還そうと」 527 00:42:15,261 --> 00:42:22,635 ♪♪「小さな手 差し出す」 528 00:42:22,635 --> 00:42:27,356 ♪♪「何をこころに 決めたのか」 529 00:42:27,356 --> 00:42:33,128 ♪♪「誰よりも 私が知っている」 530 00:42:33,128 --> 00:42:35,865 ♪♪「泣いても ひとりなら」 531 00:42:35,865 --> 00:42:41,687 ♪♪「強くなろうと」 532 00:42:41,687 --> 00:42:43,956 ♪♪「時は」 533 00:42:43,956 --> 00:42:46,542 ♪♪「巡り」 534 00:42:46,542 --> 00:42:51,363 ♪♪「再来の風に 吹かれて」 535 00:42:51,363 --> 00:42:55,634 ♪♪「その願いは遠く」 536 00:42:55,634 --> 00:43:01,557 ♪♪「誰かの明日を 照らすだろう」 537 00:43:01,557 --> 00:43:03,876 ♪♪「泣いていた」 538 00:43:03,876 --> 00:43:06,328 ♪♪「笑っていた」 539 00:43:06,328 --> 00:43:11,433 ♪♪「すべてを 慈しんで」 540 00:43:11,433 --> 00:43:18,023 ♪♪「降りそそぐ 光の中」 541 00:43:18,023 --> 00:43:23,629 ♪♪「この道を 歩いていこう」 542 00:43:23,629 --> 00:43:26,429 ♪♪~