1 00:00:02,202 --> 00:00:06,073 (寧温)私は もう一度 王宮へ戻らねばなりません。 2 00:00:06,073 --> 00:00:09,776 琉球を 列強から 救わなければなりません! 3 00:00:09,776 --> 00:00:12,679 何でもいい 戻れさえすれば。 4 00:00:12,679 --> 00:00:15,649 なんとかして もう一度 王宮へ! 5 00:00:15,649 --> 00:00:24,191 ♬~ 6 00:00:24,191 --> 00:00:28,161 (在番筆者)おい こっちだ。 はい。 7 00:00:28,161 --> 00:00:30,931 (男1)また 来やっさ。 (男2)今日は ちゅらカーギばかり➡ 8 00:00:30,931 --> 00:00:33,367 通るな。 (男3)ゆりの花のようや。 9 00:00:33,367 --> 00:00:36,837 (男4)ちゅらっさよ。 10 00:00:36,837 --> 00:00:39,139 (多嘉良)知ってる。 11 00:00:39,139 --> 00:00:42,476 わしは あの娘を 絶対 夢で見た事がある。 12 00:00:42,476 --> 00:00:45,979 何でか 懐かしいさ。 13 00:00:45,979 --> 00:00:47,915 あの… お役人様。 うん? 14 00:00:47,915 --> 00:00:51,318 私は 首里天加那志の前で 踊るだけで よいのですよね? 15 00:00:51,318 --> 00:00:54,922 それは 向こうが お決めになる事だ。 16 00:00:54,922 --> 00:00:57,624 向こうとは 御内原ですか? そうだ。 17 00:00:57,624 --> 00:01:00,527 ここから先は 男は入れぬ。 18 00:01:00,527 --> 00:01:02,596 わしの役目も ここまでだ。 19 00:01:02,596 --> 00:01:08,368 あとは お前が 1人で これを持って くぐるがよい。 20 00:01:08,368 --> 00:01:19,880 ♬~ 21 00:01:19,880 --> 00:01:24,818 (大勢頭部)あなたが 真鶴ですか? はい。 22 00:01:24,818 --> 00:01:29,289 私は 女官 大勢頭部だ。 23 00:01:29,289 --> 00:01:32,826 あっ お初に お目にかかります。 24 00:01:32,826 --> 00:01:37,497 八重山の在番殿が あなたを 大層 褒めております。 25 00:01:37,497 --> 00:01:44,271 教養が高く 機織りの名手にして 舞踊にも通じているとの事。 26 00:01:44,271 --> 00:01:47,140 舞踊は 全くの自己流です。 27 00:01:47,140 --> 00:01:49,142 こちらへ参れ。 28 00:01:57,618 --> 00:02:02,456 八重山の娘よ。 ここで控えておりなさい。 29 00:02:02,456 --> 00:02:07,427 あの… 私は 一体 何をすれば…? 30 00:02:07,427 --> 00:02:09,596 聞いてはおらぬのか? 31 00:02:09,596 --> 00:02:12,966 まず 初めに 教養が試される。 32 00:02:12,966 --> 00:02:15,602 教養を試す? 33 00:02:15,602 --> 00:02:19,206 筆記の試験を受けるのです。 34 00:02:19,206 --> 00:02:22,542 まるで お役人になるみたいですね。 35 00:02:22,542 --> 00:02:28,315 側室になるには それに近いものがあると心得よ。 36 00:02:28,315 --> 00:02:33,520 側室? これは 側室の試験なのですか? 37 00:02:33,520 --> 00:02:44,598 ♬~ 38 00:02:44,598 --> 00:02:47,134  心の声  どうする? 寧温。➡ 39 00:02:47,134 --> 00:02:55,375 ここで 側室になってしまったら 二度と 男に戻れまい。➡ 40 00:02:55,375 --> 00:02:59,546 大丈夫。 私が選ばれるわけがない。 41 00:02:59,546 --> 00:03:02,883 (娘1)あれでも きっと 島では一番なのよ。 42 00:03:02,883 --> 00:03:04,818 (娘2)その気にさせられて しまったのね。 43 00:03:04,818 --> 00:03:07,421 (娘3)きっと 字も読めないわよ。 44 00:03:07,421 --> 00:03:11,024 おやめなさいよ。 聞こえるわよ。 45 00:03:11,024 --> 00:03:16,663 (真美那)まあ きれい! 本当に なんてきれいな方なのかしら!? 46 00:03:16,663 --> 00:03:19,099 私は 真美那と申します。 47 00:03:19,099 --> 00:03:21,768 あなたのような きれいな方に お目にかかるのは➡ 48 00:03:21,768 --> 00:03:24,404 私 生まれて初めてですわ。 49 00:03:24,404 --> 00:03:27,107 そんな。 こちらこそ。 50 00:03:27,107 --> 00:03:29,543 あの… 真鶴と申します。 51 00:03:29,543 --> 00:03:33,146 真鶴さんね。 ねえ 真鶴さん ちょっと来て下さらない? 52 00:03:33,146 --> 00:03:35,148 えっ? 53 00:03:35,148 --> 00:03:38,485 さあ お好きなものを選んで。 54 00:03:38,485 --> 00:03:42,255 私は この着物で 十分ですから。 55 00:03:42,255 --> 00:03:45,992 遠慮なさってる暇ないから 私が選ぶわね。 56 00:03:45,992 --> 00:03:49,596 じゃ… これ! 57 00:03:49,596 --> 00:03:53,967 さあ お前達。 お前達の 誇りに懸けて 磨き上げなさい。 58 00:03:53,967 --> 00:03:55,902 (使用人達)はい お嬢様! 59 00:03:55,902 --> 00:04:01,675 ♬~ 60 00:04:01,675 --> 00:04:04,578 (どよめき) 61 00:04:04,578 --> 00:04:09,316 (娘1)これが さっきの八重山の娘? 62 00:04:09,316 --> 00:04:11,351 やはり 思ったとおりだわ。 63 00:04:11,351 --> 00:04:14,154 本物を見分ける力を 持たざる人って➡ 64 00:04:14,154 --> 00:04:17,858 不憫よね 真鶴さん。 フフフ…。 65 00:04:17,858 --> 00:04:21,128  心の声  ある意味 あなたが 一番本物だ。 66 00:04:21,128 --> 00:04:25,966 だけど 見た目がよくても 教養がなくては無理よね? 67 00:04:25,966 --> 00:04:29,469 あら。 真鶴さんは きっと 頭もよくてよ。 68 00:04:29,469 --> 00:04:31,705 美人は 頭が弱いと 決めつけている➡ 69 00:04:31,705 --> 00:04:34,074 世間の鼻を 明かしてくれるはずだわ。 70 00:04:34,074 --> 00:04:38,645 なら 教養試験に落ちたら どうします? 71 00:04:38,645 --> 00:04:42,516 あなたの言う事を 何でも聞いてあげるわ。 72 00:04:42,516 --> 00:04:47,053 みんなの前で 裸踊りをしてもらうわよ。 73 00:04:47,053 --> 00:04:51,758 まあ 幼稚! でも いいわ。 受けて立ちましょう。 74 00:04:51,758 --> 00:04:55,362 私は 真鶴さんを信じるわ。 75 00:05:00,467 --> 00:05:02,402 (どよめき) 何 これ? 76 00:05:02,402 --> 00:05:08,208  心の声  これが 教養試験か。 「孟子」か…。 77 00:05:08,208 --> 00:05:11,878 お静かに! 78 00:05:11,878 --> 00:05:15,282 側室であれば これぐらいの教養を➡ 79 00:05:15,282 --> 00:05:18,118 身につけておられるのは 当然の事です! 80 00:05:18,118 --> 00:05:20,453 もし お世継ぎが お生まれになれば➡ 81 00:05:20,453 --> 00:05:25,959 当然 その母の聡明さも 受け継がれる事になるのです。 82 00:05:25,959 --> 00:05:30,664 ご聡明でなければ 国が滅びてしまいます。 83 00:05:30,664 --> 00:05:35,368  心の声 今更 四書五経の いろはを解かされるなんて…。 84 00:05:37,404 --> 00:05:41,274  心の声  いや 答えては駄目だ。 85 00:05:41,274 --> 00:05:50,951 ♬~ 86 00:05:50,951 --> 00:05:55,288  回想 (娘1)みんなの前で 裸踊りをしてもらうわよ。 87 00:05:55,288 --> 00:05:58,024 私は 真鶴さんを信じるわ。 88 00:05:58,024 --> 00:06:01,394  心の声  余計な事を…。 89 00:06:01,394 --> 00:06:08,168 ♬~ 90 00:06:08,168 --> 00:06:11,738  心の声  最終候補に残ってしまった。➡ 91 00:06:11,738 --> 00:06:19,079 女官ならともかく 側室になったら 一生 御内原から出られない。➡ 92 00:06:19,079 --> 00:06:22,482 浅倉殿とも会えない。➡ 93 00:06:22,482 --> 00:06:27,020 いや 何のために戻ってきた?➡ 94 00:06:27,020 --> 00:06:31,191 列強の支配から 琉球を守るためではないか。 95 00:06:31,191 --> 00:06:33,727 大勢頭部にございます。 96 00:06:33,727 --> 00:06:36,630 お二人をお連れいたしました。 97 00:06:36,630 --> 00:06:38,565 ⚟(国母)開けよ。 98 00:06:38,565 --> 00:06:42,269 ♬~ 99 00:06:42,269 --> 00:06:47,841 (国母)苦しゅうない。 楽にいたせ。 100 00:06:47,841 --> 00:06:52,045  心の声  あの王妃様が 今は 国母様か。 101 00:06:52,045 --> 00:06:54,748 畏れながら 申し上げます。 102 00:06:54,748 --> 00:06:59,886 首席は 八重山在番殿より ご推薦のあった➡ 103 00:06:59,886 --> 00:07:03,323 この真鶴嬢でございます。 104 00:07:03,323 --> 00:07:06,993 八重山の娘か。 105 00:07:06,993 --> 00:07:11,564 (大勢頭部)次席は 真美那嬢にございました。 106 00:07:11,564 --> 00:07:20,173 さすがは 宜野湾親方の孫娘であるな。 107 00:07:20,173 --> 00:07:25,712  心の声 この真美那様は 三司官 宜野湾親方の孫娘だったのか。➡ 108 00:07:25,712 --> 00:07:29,549 どうりで 育ちも 頭もいいはずだ。 109 00:07:29,549 --> 00:07:34,688 2人とも 面を上げよ。 110 00:07:34,688 --> 00:07:40,593 ♬~ 111 00:07:40,593 --> 00:07:43,396 すばらしい。 112 00:07:43,396 --> 00:07:49,202 ここまで美しい娘が 2人もそろうとは。 113 00:07:49,202 --> 00:07:53,406  心の声  首里天加那志 ご立派になられて。 114 00:07:53,406 --> 00:07:59,245 うん? 真鶴とやら。➡ 115 00:07:59,245 --> 00:08:06,619 そのまなざしに 何とのう 覚えがあるが…。➡ 116 00:08:06,619 --> 00:08:11,257 どこかで 私に会うてはおらぬか? 117 00:08:11,257 --> 00:08:17,897 はい 王宮の事は 何度も 夢に見ておりました。 118 00:08:17,897 --> 00:08:21,301 (国母)夢? 119 00:08:21,301 --> 00:08:23,570 (宜野湾)これ 真美那。 120 00:08:23,570 --> 00:08:27,374 (尚泰王)ハハハ…。 121 00:08:27,374 --> 00:08:29,976 (国母)ハハハ…。 122 00:08:29,976 --> 00:08:34,914 夢で会うておったか。 123 00:08:34,914 --> 00:08:39,652 しかし その夢をかなえるには もう一つ➡ 124 00:08:39,652 --> 00:08:44,491 神の後ろ盾が必要であるぞ。 125 00:08:44,491 --> 00:08:46,993  心の声  神の後ろ盾? 126 00:08:46,993 --> 00:08:52,465 これより お座敷に上がり 好きな所に座りなさい。 127 00:08:52,465 --> 00:08:58,772 いずれかの畳の下に 黄金のはさみが隠されております。 128 00:08:58,772 --> 00:09:03,610 その上に座った者が 天運を授かる事になります。 129 00:09:03,610 --> 00:09:07,380  心の声  そうか。 王妃様を選ぶのと同じだ。 130 00:09:07,380 --> 00:09:13,286 では 首席の真鶴嬢から 座りなさい。 131 00:09:13,286 --> 00:09:15,422 はい。 132 00:09:15,422 --> 00:09:17,357  心の声  これなら 分かる。➡ 133 00:09:17,357 --> 00:09:20,326 慣例では 縁起を担ぐために➡ 134 00:09:20,326 --> 00:09:24,130 はさみは 奇数番目の畳の下に隠される。➡ 135 00:09:24,130 --> 00:09:30,236 1 2 3 4。➡ 136 00:09:30,236 --> 00:09:32,772 偶数なら 当てる事はない。 137 00:09:32,772 --> 00:09:42,449 ♬~ 138 00:09:42,449 --> 00:09:46,319 次に 真美那嬢が座りなさい。 139 00:09:46,319 --> 00:09:48,288 はい。 140 00:09:48,288 --> 00:09:56,996 ♬~ 141 00:09:56,996 --> 00:09:59,032 (大勢頭部)よろしい。 142 00:09:59,032 --> 00:10:02,769 では 畳 開けなさい。 143 00:10:02,769 --> 00:10:09,542 ♬~ 144 00:10:09,542 --> 00:10:13,847  心の声  よかった。 これで 出られる。 145 00:10:13,847 --> 00:10:28,128 ♬~ 146 00:10:28,128 --> 00:10:33,333 側室は 真美那様と 決定いたしました。 147 00:10:35,635 --> 00:10:38,972 おめでとうございます 真美那様。 148 00:10:38,972 --> 00:10:42,175 (真美那のすすり泣き) 149 00:10:42,175 --> 00:10:46,446 嫌。 えっ? 150 00:10:46,446 --> 00:10:52,318 真鶴さんが居てくれなきゃ 真美那 不安で泣いちゃう。 151 00:10:52,318 --> 00:10:56,956 (宜野湾)これ 真美那。 (尚泰王)よいではないか。 152 00:10:56,956 --> 00:11:03,062 なら そなたも 一緒に 側室になれ。 153 00:11:03,062 --> 00:11:08,935 首里天加那志 神の託宣を 無視されてはなりませぬ。 154 00:11:08,935 --> 00:11:13,273 母上 王妃の時は それに従いました。 155 00:11:13,273 --> 00:11:18,745 しかし 側室は なにも1人とは限りますまい? 156 00:11:18,745 --> 00:11:25,218 「夫人」と呼ばれる側室の他に 「妻」と呼ばれる側室が居ても➡ 157 00:11:25,218 --> 00:11:27,487 おきてを破る事には なりますまい? 158 00:11:27,487 --> 00:11:29,956  心の声  確かに それは 理屈だが。➡ 159 00:11:29,956 --> 00:11:33,960 なりませぬ 首里天加那志! 160 00:11:33,960 --> 00:11:36,663 しかたありませんね。 161 00:11:36,663 --> 00:11:40,400  心の声 おい! いつから そんなに物分かりがよくなった。 162 00:11:40,400 --> 00:11:45,905 首里天加那志の仰せのとおりに。 163 00:11:45,905 --> 00:11:47,840 はっ! 164 00:11:47,840 --> 00:11:52,111 ♬~ 165 00:11:52,111 --> 00:11:56,049 いいのよ。 おめでとう 真鶴さん。 166 00:11:56,049 --> 00:12:00,220  心の声  この人のわがままは 列強並みだ。 167 00:12:00,220 --> 00:12:05,692 ♬~ 168 00:12:05,692 --> 00:12:09,028 (朝薫)側室様の任命書です。 169 00:12:09,028 --> 00:12:10,964 ご苦労。 170 00:12:10,964 --> 00:12:14,767 宜野湾親方 おめでとうございます。 171 00:12:14,767 --> 00:12:17,604 私も 同じ一族として 誇らしく思います。 172 00:12:17,604 --> 00:12:23,543 うん。 これで 立派に お世継ぎを 産む務めを果たしてくれればな➡ 173 00:12:23,543 --> 00:12:26,112 これ以上の喜びはない。 174 00:12:26,112 --> 00:12:29,983 もう一人 真鶴様という方は どんなお方ですか? 175 00:12:29,983 --> 00:12:32,852 それがな 女だてらに➡ 176 00:12:32,852 --> 00:12:37,490 教養問題の答えを 見事な漢文で書いたそうだ。 177 00:12:37,490 --> 00:12:41,361 それは すごい。 八重山で どんな育ち方をされたんだ? 178 00:12:41,361 --> 00:12:46,633 八重山の在番も 見事に 株を上げたな。 ハハハ…。 179 00:12:46,633 --> 00:12:54,741 (与那原)しかし あの漢文の筆跡 どこかで見たような…。 180 00:12:54,741 --> 00:12:57,210 嫌な心持ちがした。 181 00:12:57,210 --> 00:13:01,614 まさか 八重山のどこかで 寧温と出会っているような事は? 182 00:13:01,614 --> 00:13:04,984 その名は もう 口にいたすな。 183 00:13:04,984 --> 00:13:10,156 嫌な心持ちがする。 184 00:13:10,156 --> 00:13:13,192 この御内原に入られた限りは➡ 185 00:13:13,192 --> 00:13:18,998 外の世界との行き来は 極力 避けて頂かなければなりません。 186 00:13:18,998 --> 00:13:21,401 お里へのお便りなれば➡ 187 00:13:21,401 --> 00:13:25,138 この大勢頭部が 責任をもって お届けいたします。 188 00:13:25,138 --> 00:13:29,008 里に限らずとも どこへ 文を認めようが➡ 189 00:13:29,008 --> 00:13:31,044 それは 勝手ではありませんか? 190 00:13:31,044 --> 00:13:33,846 (大勢頭部)勝手ではありません。 191 00:13:33,846 --> 00:13:38,251 文であっても 不義を働く事もできます。 192 00:13:38,251 --> 00:13:42,121 恋文を書こうというのでは ありません。 私は ただ…。 193 00:13:42,121 --> 00:13:46,959 ただ? 何をお書きになりたいのです? 194 00:13:46,959 --> 00:13:51,831 それは…。側室様として 普通にお過ごしになれば➡ 195 00:13:51,831 --> 00:13:55,201 決して 不自由な事はないはずです。 196 00:13:55,201 --> 00:13:59,739 ここで 首里天加那志を いちずに思い暮らす事が➡ 197 00:13:59,739 --> 00:14:04,377 琉球王国の未来を 明るくするのです。 198 00:14:04,377 --> 00:14:10,583 ♬~ 199 00:14:10,583 --> 00:14:12,952  心の声  終わった。➡ 200 00:14:12,952 --> 00:14:19,592 これで 孫寧温に戻る事は 二度とできない。 201 00:14:19,592 --> 00:14:23,029 機織りと 子を産むだけが 御内原の女の務めなんて➡ 202 00:14:23,029 --> 00:14:25,031 つまらないわよね。 203 00:14:25,031 --> 00:14:30,236 機を織るより 書物を読むほうが 私は 小さい頃から好きだったわ。 204 00:14:30,236 --> 00:14:33,239 真美那さんも? そうよ。 205 00:14:33,239 --> 00:14:37,677 私のいとこに 喜舎場朝薫という お役人が居るんだけど➡ 206 00:14:37,677 --> 00:14:42,215 私だって 女に生まれていなければ あの人にだって負けないわ。 207 00:14:42,215 --> 00:14:45,151 そうか。 朝薫と同じ一族でしたね。 208 00:14:45,151 --> 00:14:47,887 えっ? 知ってるの? 209 00:14:47,887 --> 00:14:51,190 あっ… いえ。 210 00:14:51,190 --> 00:14:57,396 噂では 優秀な表十五人衆だと 聞いています。 211 00:14:59,432 --> 00:15:04,103 あの… なんとかして その方に会えないでしょうか? 212 00:15:04,103 --> 00:15:06,038 それは 無理よ。 213 00:15:06,038 --> 00:15:09,909 御内原に呼ぶ事はできないのよ。 いくら優秀だって。 214 00:15:09,909 --> 00:15:14,313 私達は 男の人と 自由に会う事もできない。 215 00:15:14,313 --> 00:15:16,282 そうでしたね。 216 00:15:16,282 --> 00:15:19,986 (真美那)もしかして 真鶴さん➡ 217 00:15:19,986 --> 00:15:22,321 朝薫が好きなの? 218 00:15:22,321 --> 00:15:26,893 駄目よ。 あの人には もう 奥方も子も居るんだから。➡ 219 00:15:26,893 --> 00:15:30,263 真鶴さんだって もう 妻じゃない。 220 00:15:30,263 --> 00:15:33,666 ♬~ 221 00:15:33,666 --> 00:15:38,304  心の声  そう。 そうだよね。➡ 222 00:15:38,304 --> 00:15:41,040 おめでとう 朝薫。➡ 223 00:15:41,040 --> 00:15:45,611 きっと 浅倉殿だって…。 224 00:15:45,611 --> 00:15:49,482 (王妃)まあ きれいな上布。 225 00:15:49,482 --> 00:15:51,918 これは どっちが織ったのじゃ? 226 00:15:51,918 --> 00:15:54,287 真鶴様でございます。 227 00:15:54,287 --> 00:15:58,157 ああ さすが 八重山の出であるな。 228 00:15:58,157 --> 00:16:00,726 のう? 思戸。 (思戸)はい。➡ 229 00:16:00,726 --> 00:16:04,530 貧しく生まれた者は 鍛え方が違いまする。 230 00:16:04,530 --> 00:16:07,867  心の声  思戸? あの思戸か? 231 00:16:07,867 --> 00:16:10,136 王妃様も 見かけによらず➡ 232 00:16:10,136 --> 00:16:14,640 ものの価値がお分かりに なるようで 安心いたしました。 233 00:16:14,640 --> 00:16:27,920 ♬~ 234 00:16:27,920 --> 00:16:30,756 (思戸)真鶴様に申し上げます。 235 00:16:30,756 --> 00:16:35,361 王妃様は 昨日の八重山上布を 大変 気に入っておられました。 236 00:16:35,361 --> 00:16:39,799 お礼に お菓子を 取らせるとの事です。 237 00:16:39,799 --> 00:16:45,705 ありがとう。 王妃様のお心遣い 痛み入ります。 238 00:16:45,705 --> 00:16:52,211 ♬~ 239 00:16:52,211 --> 00:16:54,580 まあ おいしそう。 240 00:16:54,580 --> 00:16:57,450 琉球菓子の薫餅にございます。 241 00:16:57,450 --> 00:17:01,320 中には ゴマと落花生をあえた餡が 入っております。 242 00:17:01,320 --> 00:17:04,590 八重山育ちのお口に 合いますかどうか。 243 00:17:04,590 --> 00:17:08,461 では 早速 頂きます。 244 00:17:08,461 --> 00:17:16,969 ♬~ 245 00:17:25,845 --> 00:17:29,649 大変 美味でした。 246 00:17:29,649 --> 00:17:36,255 王妃様に 「お心遣い感謝します」と お伝え下さい。 247 00:17:36,255 --> 00:17:49,435 ♬~ 248 00:17:49,435 --> 00:17:52,071 (薄戸)大丈夫ですか? 249 00:17:52,071 --> 00:17:54,941 何が入っておりました? 250 00:17:54,941 --> 00:17:58,311 多分 泥でしょう。 251 00:17:58,311 --> 00:18:02,648 これが 御内原の洗礼なのですね? 252 00:18:02,648 --> 00:18:05,551 真鶴様 お見事でした。 253 00:18:05,551 --> 00:18:10,222 私達は 生涯 真鶴様とともに 生きて参ります。 254 00:18:10,222 --> 00:18:12,992 この敵も 必ず取らせて頂きます。 255 00:18:12,992 --> 00:18:16,362 いいのよ。 おやめなさい。 256 00:18:16,362 --> 00:18:19,899 それにしても あの思戸は➡ 257 00:18:19,899 --> 00:18:23,636 あの若さで 黄金御殿の 勢頭部にまで上がったのですね。 258 00:18:23,636 --> 00:18:26,539 あれは 恐ろしい女官です。 259 00:18:26,539 --> 00:18:30,109 権謀術数にたけ 裏金を作るのも得意です。 260 00:18:30,109 --> 00:18:33,746 ただ 私欲はなく 自分は ボロ着を着ても➡ 261 00:18:33,746 --> 00:18:36,382 下の女官に 惜しみなく 金を配るもので➡ 262 00:18:36,382 --> 00:18:39,218 御内原に 一大派閥を 築いております。 263 00:18:39,218 --> 00:18:42,121  心の声  そうか。 思戸は➡ 264 00:18:42,121 --> 00:18:46,525 かつての女官 大勢頭部の意思を 受け継いだのか。 265 00:18:52,565 --> 00:18:55,668 思戸よ。 ⚟(思戸)はい。 266 00:19:01,741 --> 00:19:03,676 今夜は 側室を呼んでくれ。 267 00:19:03,676 --> 00:19:09,281 はい どなた様を お召しにございますか? 268 00:19:16,122 --> 00:19:19,325 首里天加那志が 側室様をお呼びである。 269 00:19:19,325 --> 00:19:21,761 すぐ 支度せよ。 270 00:19:21,761 --> 00:19:24,697 (女官)どちらの側室様で ございましょう? 271 00:19:24,697 --> 00:19:27,900 真鶴様をご指名だ。 272 00:19:30,136 --> 00:19:32,972 宜野湾親方からの ご伝言がございます。 273 00:19:32,972 --> 00:19:36,208 「時」の占いによりますと 今夜は➡ 274 00:19:36,208 --> 00:19:41,047 真美那様が ご懐妊される日と 出たそうでございます。 275 00:19:41,047 --> 00:19:44,884 ♬~ 276 00:19:44,884 --> 00:19:52,258 そうか。 三司官殿の頼みであれば しかたあるまい。 277 00:19:52,258 --> 00:19:56,562 真鶴様は お風邪を 召されたという事にしよう。 278 00:19:56,562 --> 00:20:22,188 ♬~ 279 00:20:22,188 --> 00:20:26,058 きっと 真美那様がお産みになる お世継ぎなれば➡ 280 00:20:26,058 --> 00:20:29,061 立派な琉球王になられるでしょう。 281 00:20:29,061 --> 00:20:32,598 そうなれば 「時」の占いが 見事に的中ね。 282 00:20:32,598 --> 00:20:35,434 「時」? 八重山には➡ 283 00:20:35,434 --> 00:20:39,305 「時」と呼ばれる占い師は 居ない? 284 00:20:39,305 --> 00:20:44,510 おじい様が 高名な「時」を雇って 懐妊できる日を占ったのよ。 285 00:20:44,510 --> 00:20:49,148 昨夜は 一晩中 私の一族は祈祷してたんだわ。 286 00:20:49,148 --> 00:20:52,485 それは 心強いですね。 287 00:20:52,485 --> 00:20:56,755 それなら 真鶴さんも 占ってもらえばいいわ。 288 00:20:56,755 --> 00:21:01,660 私には 「時」を雇ってくれるような 人は居りませんから。 289 00:21:01,660 --> 00:21:04,063 ユタでもいいのよ。 290 00:21:04,063 --> 00:21:08,834 そうだ。 辻に 評判のユタが居ると聞いたわ。 291 00:21:08,834 --> 00:21:11,537 辻って 遊郭の? 292 00:21:13,606 --> 00:21:16,642 (聞得大君)次 入れ。 293 00:21:16,642 --> 00:21:21,881 ♬~ 294 00:21:21,881 --> 00:21:25,751 お前か。 また 来たのか。 295 00:21:25,751 --> 00:21:29,955 ♬~ 296 00:21:29,955 --> 00:21:36,762 何じゃ? その暗い顔を見て 占うのは もう飽いたぞ。 297 00:21:36,762 --> 00:21:40,499 (津波古)占いは もう いいんです。 298 00:21:40,499 --> 00:21:46,305 娘達が この辻の どこかに居る。 299 00:21:46,305 --> 00:21:54,413 私の幼い娘達が ゆくゆく悪い 病気にかからぬよう祈って下さい。 300 00:21:54,413 --> 00:21:57,683 お願いします。 301 00:21:57,683 --> 00:22:00,486 暗い。 302 00:22:00,486 --> 00:22:03,522 お前のせいで売られた娘達か…。 303 00:22:03,522 --> 00:22:09,562 あなたも ジュリをしてるなら 分かるはずだ 娘達の気持ちが。 304 00:22:09,562 --> 00:22:14,400 わらわは 客を 1人も 取っておらぬでの。えっ? 305 00:22:14,400 --> 00:22:21,140 床に入った瞬間 皆 金縛りにしてやったでの。 306 00:22:21,140 --> 00:22:25,077 それで よく ここに居られますね。 307 00:22:25,077 --> 00:22:28,013 こうして 店の評判を 取っておるではないか? 308 00:22:28,013 --> 00:22:31,350 そのかわり 金は取らぬゆえ➡ 309 00:22:31,350 --> 00:22:35,287 いつまでたっても ここを出てゆけぬのじゃ。 310 00:22:35,287 --> 00:22:38,224 (津波古)なぜ お金を 取らないんです? 311 00:22:38,224 --> 00:22:43,929 わらわは ユタではない。 これは あくまで 施しじゃ。 312 00:22:47,533 --> 00:22:54,840 あなたは なんて誇り高く 強い人だ。 313 00:22:54,840 --> 00:22:58,310 人ではない。 神じゃ。 314 00:22:58,310 --> 00:23:01,847 強いのは 神じゃ。 315 00:23:01,847 --> 00:23:03,849 神? 316 00:23:08,721 --> 00:23:14,393 海運業で失敗したのも 女房が 病気で死んだのも➡ 317 00:23:14,393 --> 00:23:20,099 娘達が苦労しておるのも みんな 神の力じゃ。 318 00:23:20,099 --> 00:23:28,274 どうじゃ? そう思えば そのうち よい事だってあるやもしれぬぞ。 319 00:23:28,274 --> 00:23:33,612 お前が 自分の強さや弱さに こだわらなければの。 320 00:23:33,612 --> 00:23:39,118 強さや弱さにこだわらず ただ 生きていろと? 321 00:23:39,118 --> 00:23:42,454 そうじゃ。 322 00:23:42,454 --> 00:23:49,895 人間 苦しい時は ただ 生き延びる事だけを考えるのじゃ。 323 00:23:49,895 --> 00:24:02,908 ♬~ 324 00:24:02,908 --> 00:24:06,111  心の声  生き延びよ。➡ 325 00:24:06,111 --> 00:24:10,115 どうしても 孫寧温は まだ 生き延びなくてはならない。➡ 326 00:24:10,115 --> 00:24:15,120 列強が来る前に どうしたら ここを出られる? 327 00:24:15,120 --> 00:24:18,991 駄目ね。 もっと 透明感のある 緑色を出したいのよ。 328 00:24:18,991 --> 00:24:22,194 琉球の海のような。 329 00:24:22,194 --> 00:24:26,865 透明な緑色なら 若いサトウキビを煮るのが一番です。 330 00:24:26,865 --> 00:24:31,704 本当? 真鶴さんは 何でも知ってるのね。 331 00:24:31,704 --> 00:24:35,274 それじゃ 若いサトウキビを 採りに行けないかしら? 332 00:24:35,274 --> 00:24:40,479 染料を採取するためなら いつでも 外に出られます。 333 00:24:42,881 --> 00:24:44,883 それ 本当? 334 00:24:46,552 --> 00:24:52,992 薄戸 サトウキビ畑には 私が1人で参ります。 335 00:24:52,992 --> 00:24:57,563 あなた達は 町で 買い物でもしてきて下さい。 336 00:24:57,563 --> 00:25:00,566 お心遣いは ありがたいのですが➡ 337 00:25:00,566 --> 00:25:04,703 真鶴様を お一人にするわけには 参りません。 338 00:25:04,703 --> 00:25:08,874 お願い。 私を信用して そうしてちょうだい。 339 00:25:08,874 --> 00:25:12,745 あなた達を裏切るようなまねは いたしませんから。 340 00:25:12,745 --> 00:25:17,549 分かりました。 では 必ず 未の刻までに➡ 341 00:25:17,549 --> 00:25:20,252 門の前に お戻り下さい。 342 00:25:23,088 --> 00:25:25,090 ありがとう。 343 00:25:29,561 --> 00:25:35,667  心の声 とはいえ 女の私に 何ができるというのだ? 344 00:25:49,648 --> 00:26:11,236 ♬~ 345 00:26:11,236 --> 00:26:16,909 (浅倉)こたびは この硯箱を 見積もってほしいのだ。 346 00:26:16,909 --> 00:26:24,249 (主人)はあ 尾形光琳の 硯箱ではございませんか!? 347 00:26:24,249 --> 00:26:26,852 これは 家宝でございましょう? 348 00:26:26,852 --> 00:26:29,555 家宝といっても 私は 独り身だ。 349 00:26:29,555 --> 00:26:32,124 で いくらになる? 350 00:26:32,124 --> 00:26:35,394 (主人)また 八重山に送る お金ですか? 351 00:26:35,394 --> 00:26:39,631 そうだ。 大切な人が 不憫な思いをせぬようにな。 352 00:26:39,631 --> 00:26:42,634 少しでも 高く見積もってくれ。 353 00:26:42,634 --> 00:26:46,305 (主人)よほど 大切なお方なのですね。 354 00:26:46,305 --> 00:26:49,875 己の命よりも 大切だ。 355 00:26:49,875 --> 00:26:53,879 本当は この身を 送りたいところだが…。 356 00:26:53,879 --> 00:26:57,983  心の声  バカです。 そんなお金は➡ 357 00:26:57,983 --> 00:27:00,886 八重山の役人が 着服してしまうのに。 358 00:27:00,886 --> 00:27:03,288 (番頭)いらっしゃいませ。 359 00:27:03,288 --> 00:27:05,958 どうか なさいましたか? 360 00:27:05,958 --> 00:27:08,861 ♬~ 361 00:27:08,861 --> 00:27:10,796 寧温…。 362 00:27:10,796 --> 00:27:13,232 お待ち下さい! 363 00:27:13,232 --> 00:27:21,106 ♬~ 364 00:27:21,106 --> 00:27:23,108 寧温! 365 00:27:50,302 --> 00:27:54,840 あなたは 真鶴さんなのか!? 366 00:27:54,840 --> 00:27:58,110 真鶴になって 戻ってきたのか!? 367 00:27:58,110 --> 00:28:03,682 ♬~ 368 00:28:03,682 --> 00:28:13,992 もし そうなら… 本当に そうなら 私は どんなに うれしいか! 369 00:28:13,992 --> 00:28:18,230 あなたに どんなに 会いたいと思っていたか! 370 00:28:18,230 --> 00:28:24,102 なぜ 私から逃げるんですか? どうして 逃げるんです? 371 00:28:24,102 --> 00:28:27,406 なぜ 私から逃げるんですか? 372 00:28:27,406 --> 00:28:32,077 ♬~ 373 00:28:32,077 --> 00:28:37,282 私は 三重城で いつでも待っています! 374 00:28:39,318 --> 00:28:44,790 あなたの事を いつまでも 待っています! 375 00:28:44,790 --> 00:29:38,477 ♬~ 376 00:29:41,580 --> 00:29:45,450 (戸を開ける音) 377 00:29:45,450 --> 00:29:48,854 オバァ。 378 00:29:48,854 --> 00:29:51,189 オバァ。 379 00:29:51,189 --> 00:29:53,492 (オバァ)誰ね? 380 00:29:56,361 --> 00:29:58,363 あっ…。 381 00:30:00,299 --> 00:30:06,038 私は 真鶴と申します。 382 00:30:06,038 --> 00:30:10,275 真鶴? 嗣勇や寧温の妹です。 383 00:30:10,275 --> 00:30:17,916 (オバァ)妹は 小さい時に 亡くなったと聞いているがね。 384 00:30:17,916 --> 00:30:24,256 実は 訳あって 清国で暮らしていたのです。 385 00:30:24,256 --> 00:30:30,996 もっと 近くに来て 顔を見せてごらん。 386 00:30:30,996 --> 00:30:39,304 ♬~ 387 00:30:39,304 --> 00:30:46,378 ああ 寧温そっくりさ。 388 00:30:46,378 --> 00:30:52,951 この家には 今 誰が住んでいるんですか? 389 00:30:52,951 --> 00:30:54,953 誰も。 390 00:30:56,922 --> 00:31:02,427 真鶴は この家に住むの? 391 00:31:02,427 --> 00:31:05,464 えっ? 392 00:31:05,464 --> 00:31:10,902 いえ 今日 清国に帰ります。 393 00:31:10,902 --> 00:31:13,839 じゃ 見送りに行くさ。 394 00:31:13,839 --> 00:31:16,208 いえ 結構です。 395 00:31:16,208 --> 00:31:21,880 それより 嗣勇兄さんの居場所は 分かりますか? 396 00:31:21,880 --> 00:31:25,383 ♬~ 397 00:31:45,937 --> 00:31:47,939 兄上。 398 00:31:51,743 --> 00:31:55,981 私です 兄上。 399 00:31:55,981 --> 00:32:01,787 (嗣勇)寧温? いや 真鶴か? 400 00:32:04,089 --> 00:32:07,692 ここは お前の入る墓じゃないぞ。 401 00:32:07,692 --> 00:32:12,831 兄上 私は 幽霊ではありませんよ。 402 00:32:12,831 --> 00:32:15,400 八重山から戻ってきたのです! 403 00:32:15,400 --> 00:32:19,070 本当か? 404 00:32:19,070 --> 00:32:21,973 どうして戻れたんだ? 405 00:32:21,973 --> 00:32:25,444 真鶴として 御内原に入ったのです。 406 00:32:25,444 --> 00:32:28,013 御内原に? 407 00:32:28,013 --> 00:32:31,883 孫寧温には もう 戻れないかもしれませんが➡ 408 00:32:31,883 --> 00:32:36,188 私には やらなければならない事が あるのです。 409 00:32:39,024 --> 00:32:45,430 兄上 琉球には 今 嵐が近づいています。 410 00:32:45,430 --> 00:32:51,837 王府は それに備えて 対策を 立てておかねばなりません。 411 00:32:51,837 --> 00:32:55,340 僕には 何もできないよ。 412 00:32:55,340 --> 00:32:57,275 ご覧のとおりの身分だ。 413 00:32:57,275 --> 00:33:02,547 前王朝の末裔が 現王朝の墓守をしているんだ。 414 00:33:02,547 --> 00:33:06,418 誰が そのような人事を? 415 00:33:06,418 --> 00:33:09,321 朝薫だ。 416 00:33:09,321 --> 00:33:14,893 だが 朝薫は お前の事を もう 疑ってはいないよ。 417 00:33:14,893 --> 00:33:17,329 僕が 現王朝に 忠誠を尽くせば➡ 418 00:33:17,329 --> 00:33:22,901 いつか 孫寧温を放免する日も 来ると言っていた。 419 00:33:22,901 --> 00:33:25,604 朝薫が? 420 00:33:25,604 --> 00:33:28,807 お前を追放した過ちに 気付いたんだよ。 421 00:33:30,442 --> 00:33:35,847 真鶴 その姿は 女官ではあるまい? 422 00:33:35,847 --> 00:33:38,650 ♬~ 423 00:33:38,650 --> 00:33:42,587 私は 側室です。 424 00:33:42,587 --> 00:33:46,925 側室? どうして 側室になんか…? 425 00:33:46,925 --> 00:33:53,265 兄上。 朝薫には この事は言わないで下さい。 426 00:33:53,265 --> 00:33:55,834 また 会いに来ます。 427 00:33:55,834 --> 00:33:59,104 王府に伝えたい事は ここに 話しに来ます。 428 00:33:59,104 --> 00:34:02,974 それを 朝薫に伝えて下さい。 429 00:34:02,974 --> 00:34:06,077 今は それしかできません。 430 00:34:08,246 --> 00:34:11,216 もう 戻らなければ。 真鶴。 431 00:34:11,216 --> 00:34:15,020 ♬~ 432 00:34:15,020 --> 00:34:17,522 では また。 433 00:34:17,522 --> 00:34:21,960 ♬~ 434 00:34:21,960 --> 00:34:26,264 真鶴 そこまでして お前は…。 435 00:34:28,333 --> 00:34:35,040 ♬~ 436 00:34:35,040 --> 00:34:37,042 次 入れ。 437 00:34:41,546 --> 00:34:46,217 また 来たのか? 何じゃ? 438 00:34:46,217 --> 00:34:51,523 明日の朝 進貢船の水夫として 清国に向かいます。 439 00:34:51,523 --> 00:34:57,696 そうか。 何にせよ 働くのは よい事じゃ。 440 00:34:57,696 --> 00:35:02,133 土産は 何がよろしいですか? 441 00:35:02,133 --> 00:35:06,972 はあ? あなたへの土産です。 442 00:35:06,972 --> 00:35:09,441 そんなもの 要らん。 443 00:35:09,441 --> 00:35:12,677 清国の簪は いかがでしょう? 444 00:35:12,677 --> 00:35:15,213 どうせ安物だろう? 要らん。 445 00:35:15,213 --> 00:35:19,784 (津波古)では 金の簪を 買ってきます 大きなヤツを。➡ 446 00:35:19,784 --> 00:35:22,053 聞得大君が付けるような。 447 00:35:22,053 --> 00:35:25,957 要らんと言うておろう! 何がしたいのじゃ? 448 00:35:25,957 --> 00:35:29,194 あなたの力になりたいんです。➡ 449 00:35:29,194 --> 00:35:33,064 こんな私が。 はあ? 450 00:35:33,064 --> 00:35:39,571 何もできませんが せめて 感謝の気持ちを示したいんです。 451 00:35:39,571 --> 00:35:43,341 感謝? 生きて戻りましたら➡ 452 00:35:43,341 --> 00:35:45,944 また ここへ参ります。 453 00:35:52,050 --> 00:35:59,557 待て。 そんな事より 商人なら 商売の事を考えよ。 454 00:35:59,557 --> 00:36:03,194 最上級の絹を なるべくたくさん 仕入れてくるのじゃ。 455 00:36:03,194 --> 00:36:07,532 それと 脚付きの銀杯も 大量に仕入れよ。 456 00:36:07,532 --> 00:36:10,568 絹と銀杯を? わらわの占いでは➡ 457 00:36:10,568 --> 00:36:14,439 近々 王宮に 王族の子が生まれると出ておる。 458 00:36:14,439 --> 00:36:18,143 祝いの品が 飛ぶように売れるぞ。 459 00:36:21,613 --> 00:36:25,216 分かったら 行け。 はい! 460 00:36:34,959 --> 00:36:49,407 ♬~ 461 00:36:49,407 --> 00:36:52,744 簪じゃ! 簪も買ってくるのじゃ! 462 00:36:52,744 --> 00:36:56,548 安くてもよい! 粗末な簪でもよいのじゃ! 463 00:36:56,548 --> 00:37:01,352 それを買って 必ず戻ってくるのじゃ 無事に! 464 00:37:01,352 --> 00:37:03,888 死んだら 承知せぬぞ! 465 00:37:03,888 --> 00:37:05,924 よいな!? 466 00:37:05,924 --> 00:37:12,030 ♬~ 467 00:37:12,030 --> 00:37:14,766 (女将)何を叫んでるの!? もう! 468 00:37:14,766 --> 00:37:16,701 何でもない。 469 00:37:16,701 --> 00:37:21,573 ♬~ 470 00:37:21,573 --> 00:37:23,942 何じゃ!? その目は。 471 00:37:23,942 --> 00:37:26,277 目? はっ…。 472 00:37:26,277 --> 00:37:31,082 ♬~ 473 00:37:31,082 --> 00:37:34,385 何じゃ!? こりゃ! 474 00:37:48,566 --> 00:37:50,869 (砲撃音) 475 00:37:56,241 --> 00:38:13,658 ♬~ 476 00:38:13,658 --> 00:38:17,428 ごめん! ごめん ごめん! ごめん! 477 00:38:17,428 --> 00:38:21,132 (侍)浅倉殿!どうした? あれは 何でしょう?➡ 478 00:38:21,132 --> 00:38:24,936 船の上に 雨雲が浮かんでおります。 479 00:38:24,936 --> 00:38:28,573 ♬~ 480 00:38:28,573 --> 00:38:32,911 幕府に知らせるのだ。 まずは 国元に 飛船を走らせろ! 481 00:38:32,911 --> 00:38:35,713 急げ! (侍達)はっ! 482 00:38:35,713 --> 00:38:38,983 ♬~ 483 00:38:38,983 --> 00:38:40,919 (爆発音) 484 00:38:40,919 --> 00:38:43,121 今の音 何? 485 00:38:44,789 --> 00:38:47,458 港だ。 486 00:38:47,458 --> 00:38:50,261 港の火矢の音だ。 487 00:38:50,261 --> 00:38:54,499 ♬~ 488 00:38:54,499 --> 00:38:58,603 あんな数の異国船 見た事がない。 489 00:39:00,205 --> 00:39:02,140 (儀間)畏れながら 申し上げます。 490 00:39:02,140 --> 00:39:05,543 那覇港に現れたものは 米国艦隊です。 491 00:39:05,543 --> 00:39:08,213 米国大統領の親書を受け渡しに➡ 492 00:39:08,213 --> 00:39:13,084 最高司令官より 王宮を表敬したい と述べてきております。 493 00:39:13,084 --> 00:39:18,856 国家という性質上 表敬を受けると 交渉の用意があると思われます。 494 00:39:18,856 --> 00:39:24,295 交渉すれば 英国の植民地となった 香港の二の舞になります!➡ 495 00:39:24,295 --> 00:39:29,500 米国に 王府への入り口を 与えてはなりません! 496 00:39:33,338 --> 00:39:37,809 ♬~ 497 00:39:37,809 --> 00:39:41,045 (大勢頭部)真鶴様。 498 00:39:41,045 --> 00:39:43,948 どこへ参られるのです? 499 00:39:43,948 --> 00:39:47,318 染料を集めに参ります。 500 00:39:47,318 --> 00:39:50,521 こんな時に 何を考えておられますか!? 501 00:39:50,521 --> 00:39:53,858 しばらく 外出はなりませぬ。 502 00:39:53,858 --> 00:39:56,294 ♬~ 503 00:39:56,294 --> 00:39:58,930 そんな…。 (アガマ)思戸様。➡ 504 00:39:58,930 --> 00:40:01,532 アメリカ人は 子供をさらうって 本当ですか? 505 00:40:01,532 --> 00:40:06,271 安心おし。 アメリカ人の目は ヤギに似ているそうだよ。 506 00:40:06,271 --> 00:40:09,507 悪さをしたら 私が ヒージャー汁にしてやるさ。 507 00:40:09,507 --> 00:40:11,876 真鶴さん。 508 00:40:11,876 --> 00:40:15,713 アメリカは 何をしに来たのかしら? 509 00:40:15,713 --> 00:40:20,018 恐らく 日本を開国するために 来たのです。 510 00:40:20,018 --> 00:40:24,622 開国? それなら 琉球へは その前に 羽休め? 511 00:40:24,622 --> 00:40:29,327 いいえ! その前に 琉球を占領しに来たのです。 512 00:40:29,327 --> 00:40:31,996 えっ? 太平洋航路の➡ 513 00:40:31,996 --> 00:40:34,766 要衝である琉球を 占領してしまえば➡ 514 00:40:34,766 --> 00:40:37,669 日本も 開国せざるをえなくなります。 515 00:40:37,669 --> 00:40:39,637 真鶴さん…。 516 00:40:39,637 --> 00:40:42,840  心の声  朝薫 分かっているよね?➡ 517 00:40:42,840 --> 00:40:49,080 交渉を拒否すれば 必ず 報復を 受けてしまう。 八重山のように。 518 00:40:49,080 --> 00:41:02,627 ♬~ 519 00:41:02,627 --> 00:41:07,098 私は どうすれば…? 520 00:41:07,098 --> 00:41:11,102 ♬~ 521 00:41:11,102 --> 00:41:14,639 この先に 軍隊を 通すわけにいかない! 522 00:41:14,639 --> 00:41:17,842 米国艦隊の来航は もはや 琉球一国の問題ではない。 523 00:41:17,842 --> 00:41:21,279 力ずくで 支配する気か!? 首里天加那志。 524 00:41:21,279 --> 00:41:26,150 私を覚えてはおられませぬか? 525 00:41:26,150 --> 00:41:30,288 孫寧温にございます。 526 00:41:30,288 --> 00:41:36,160 ♬「海を眺める 少女がいた」 527 00:41:36,160 --> 00:41:41,733 ♬「消えそうな灯に したたるしずく」 528 00:41:41,733 --> 00:41:44,202 ♬「空へ還そうと」 529 00:41:44,202 --> 00:41:51,576 ♬「小さな手 差し出す」 530 00:41:51,576 --> 00:41:56,314 ♬「何をこころに 決めたのか」 531 00:41:56,314 --> 00:42:02,019 ♬「誰よりも 私が知っている」 532 00:42:02,019 --> 00:42:04,756 ♬「泣いても ひとりなら」 533 00:42:04,756 --> 00:42:10,561 ♬「強くなろうと」 534 00:42:10,561 --> 00:42:12,864 ♬「時は」 535 00:42:12,864 --> 00:42:15,433 ♬「巡り」 536 00:42:15,433 --> 00:42:20,271 ♬「再来の風に 吹かれて」 537 00:42:20,271 --> 00:42:24,542 ♬「その願いは遠く」 538 00:42:24,542 --> 00:42:30,348 ♬「誰かの明日を 照らすだろう」 539 00:42:30,348 --> 00:42:32,717 ♬「泣いていた」 540 00:42:32,717 --> 00:42:35,253 ♬「笑っていた」 541 00:42:35,253 --> 00:42:40,224 ♬「すべてを 慈しんで」 542 00:42:40,224 --> 00:42:46,864 ♬「降りそそぐ 光の中」 543 00:42:46,864 --> 00:42:52,570 ♬「この道を 歩いていこう」 544 00:42:52,570 --> 00:42:55,273 ♬~