1 00:00:01,635 --> 00:00:07,975 ♬~ 2 00:00:07,975 --> 00:00:12,980 (ナレーション) <米沢市 上杉神社にある 愛の兜> 3 00:00:17,317 --> 00:00:21,321 <今から 400年余り前の戦国時代➡ 4 00:00:21,321 --> 00:00:25,659 わずか22歳で 上杉家 第一の重臣となった➡ 5 00:00:25,659 --> 00:00:29,263 直江兼続が着用した物である> 6 00:00:31,999 --> 00:00:34,001 <この愛の文字は➡ 7 00:00:34,001 --> 00:00:37,337 裏切り 謀略が日常のように➡ 8 00:00:37,337 --> 00:00:39,673 繰り返されていた乱世を➡ 9 00:00:39,673 --> 00:00:42,676 正義と仁愛を掲げ 生き抜いた➡ 10 00:00:42,676 --> 00:00:45,679 兼続のシンボルでもある> 11 00:00:46,680 --> 00:00:51,018 <その兼続と対照的な男がいた> 12 00:00:51,018 --> 00:00:54,688 <人が利になびく 欲深い生き物であることを➡ 13 00:00:54,688 --> 00:00:56,690 巧みに利用し➡ 14 00:00:56,690 --> 00:01:00,594 天下を手にした豊臣秀吉である> 15 00:01:03,630 --> 00:01:05,966 <天正14年➡ 16 00:01:05,966 --> 00:01:10,637 愛を掲げる兼続と 利を掲げる秀吉は➡ 17 00:01:10,637 --> 00:01:14,641 大坂城で対面した> 18 00:01:17,644 --> 00:01:19,646 (秀吉)どうじゃ これで?➡ 19 00:01:21,315 --> 00:01:24,318 足りんかあ? チッ!➡ 20 00:01:25,319 --> 00:01:27,321 それ! 21 00:01:30,324 --> 00:01:32,326 (舌打ち) 22 00:01:34,328 --> 00:01:36,330 どうじゃこれで!➡ 23 00:01:41,335 --> 00:01:43,337 うんっ➡ 24 00:01:45,339 --> 00:01:47,341 三成! (三成)はっ 25 00:01:51,011 --> 00:01:53,013 その起請文に名前を書け!➡ 26 00:01:53,013 --> 00:01:57,317 それでお主は この秀吉の第一の家臣➡ 27 00:01:58,352 --> 00:02:00,621 生涯安泰じゃ➡ 28 00:02:00,621 --> 00:02:03,957 あんな雪深い越後の山奥に➡ 29 00:02:03,957 --> 00:02:06,960 お前のような 逸材を置いておくのは➡ 30 00:02:06,960 --> 00:02:08,962 もったいない! 31 00:02:13,300 --> 00:02:15,302 (兼続)畏れながら 32 00:02:15,302 --> 00:02:17,637 お断りいたします! 33 00:02:17,637 --> 00:02:19,973 えっ? 何? 我が主君は 34 00:02:19,973 --> 00:02:23,310 上杉 弾正少弼 景勝をおいて ほかにございませぬ 35 00:02:23,310 --> 00:02:29,983 ♬~ 36 00:02:29,983 --> 00:02:31,985 ほかならぬ 37 00:02:31,985 --> 00:02:34,988 関白殿下のおことばであるぞ 38 00:02:36,656 --> 00:02:40,260 ほんに なんと心得ておる 39 00:02:42,662 --> 00:02:48,001 この兼続 生涯 主は ただ1人と心に誓ってございます 40 00:02:48,001 --> 00:02:50,003 たわけ! 41 00:02:50,003 --> 00:02:55,008 この秀吉に恥をかかすのか? 42 00:02:55,008 --> 00:02:58,679 ご無礼の段 何とぞお許しくださりませ 43 00:02:58,679 --> 00:03:01,948 それがし 幼少のころより 主 景勝に仕え 44 00:03:01,948 --> 00:03:05,952 共に命を懸けて この乱世を 生き抜いてまいりました 45 00:03:05,952 --> 00:03:08,622 十万億土に旅立つ日 来ようとも 46 00:03:08,622 --> 00:03:11,625 主の側を 離れるわけにはまいりませぬ 47 00:03:13,627 --> 00:03:15,629 よう 言うた! 48 00:03:18,632 --> 00:03:21,301 わしの言うことが聞けんとあれば しかたがない 49 00:03:21,301 --> 00:03:33,313 ♬~ 50 00:03:33,313 --> 00:03:35,315 それへ直れ! 51 00:03:35,315 --> 00:03:39,986 いま一度聞く その気は変わらぬか! 52 00:03:39,986 --> 00:03:41,988 はい 53 00:03:43,657 --> 00:03:47,994 では そちの命 わしがもろうた! 54 00:03:47,994 --> 00:03:55,669 ♬~ 55 00:03:55,669 --> 00:03:59,005 (カモメの鳴き声) 56 00:03:59,005 --> 00:04:01,942 (秀吉)なかなか どうして 57 00:04:01,942 --> 00:04:04,945 (秀吉のため息) 58 00:04:04,945 --> 00:04:08,949 命を取られても (舌打ち) 59 00:04:08,949 --> 00:04:11,952 うんとは言わぬか 60 00:04:16,289 --> 00:04:21,294 (三成)真白きカモメは 世俗の欲に染められはしません 61 00:04:21,294 --> 00:04:24,598 故に むだだと申し上げました 62 00:04:29,636 --> 00:04:31,638 分かっておる 63 00:04:39,980 --> 00:04:44,317 ハァ~ 肝を冷やしたぞ 64 00:04:44,317 --> 00:04:48,321 蔵の宝より身の宝 身の宝より心の宝 65 00:04:48,321 --> 00:04:52,659 金も大切ですが 人を 思う心なくして幸せはありません 66 00:04:52,659 --> 00:04:56,997 まっ 天下を頂けるというのなら 考えぬでもありませんが 67 00:04:56,997 --> 00:04:58,999 言うの… 68 00:05:05,605 --> 00:05:09,910 関白殿下の天下は今が盛り 69 00:05:11,945 --> 00:05:17,951 されど もしその天下は 民のためにならぬときは 70 00:05:17,951 --> 00:05:19,953 どうなされます? 71 00:05:21,955 --> 00:05:26,960 殿とこの兼続 成り代わって 天下を治めるというのは? 72 00:05:26,960 --> 00:05:29,963 まずは 日の本を貫く太い街道を作る 73 00:05:29,963 --> 00:05:33,300 とすれば 誰もが諸国を 自在に行き来できます 74 00:05:33,300 --> 00:05:35,302 民は喜びます 75 00:05:35,302 --> 00:05:39,306 うん それには 人 物 金が入り用 76 00:05:39,306 --> 00:05:41,308 とすれば… 77 00:05:41,308 --> 00:05:45,612 これはしたり あの金 もらっておけば… ハハッ 78 00:05:46,980 --> 00:05:48,982 あっ! 79 00:05:48,982 --> 00:05:50,984 申し訳ございません 80 00:05:50,984 --> 00:05:52,986 けしからぬ 81 00:05:56,323 --> 00:05:59,659 殿! あっ ハッ! 82 00:05:59,659 --> 00:06:03,930 お待ちください 殿 (秀吉)じゃが ますます気に入った 83 00:06:03,930 --> 00:06:05,932 う~ん➡ 84 00:06:07,267 --> 00:06:10,570 おっ やいておるのか? 85 00:06:14,274 --> 00:06:18,878 兼続殿は 心通じ合う わたくしの友でございます 86 00:06:21,615 --> 00:06:25,285 殿下がそこまで見込まれるのも 道理 87 00:06:25,285 --> 00:06:28,622 天下の知恵者 三成が 88 00:06:28,622 --> 00:06:30,924 そこまで申すか 89 00:06:31,958 --> 00:06:34,561 さすれば あの男め… 90 00:06:38,632 --> 00:06:43,937 まさに 天下の器じゃのう 91 00:06:44,971 --> 00:06:46,973 殿! 92 00:06:46,973 --> 00:07:06,926 ♬~ 93 00:07:06,926 --> 00:07:26,947 ♬~ 94 00:07:26,947 --> 00:07:46,966 ♬~ 95 00:07:46,966 --> 00:08:06,920 ♬~ 96 00:08:06,920 --> 00:08:26,940 ♬~ 97 00:08:26,940 --> 00:08:46,960 ♬~ 98 00:08:46,960 --> 00:09:06,913 ♬~ 99 00:09:06,913 --> 00:09:26,933 ♬~ 100 00:09:26,933 --> 00:09:33,540 ♬~ 101 00:09:38,278 --> 00:09:40,613 (語り)<永禄7年> 102 00:09:40,613 --> 00:09:44,918 <ここは越後の国 上田庄> 103 00:09:49,289 --> 00:09:53,626 (笑い声) 104 00:09:53,626 --> 00:09:57,630 <上田庄の領主 長尾政景は➡ 105 00:09:57,630 --> 00:10:01,634 国主 上杉輝虎の家臣を招いて➡ 106 00:10:01,634 --> 00:10:04,938 ささやかな宴を開いておりました> 107 00:10:08,975 --> 00:10:11,578 ⚟(水音) 108 00:10:19,319 --> 00:10:23,656 ♪(女性たちの仕事歌) 109 00:10:23,656 --> 00:10:26,659 兄者~ (与六)あと少し 110 00:10:26,659 --> 00:10:29,963 ドジョウは母上の病によいのじゃ 111 00:10:31,331 --> 00:10:33,333 <この少年 与六が➡ 112 00:10:33,333 --> 00:10:36,669 のちの直江兼続でございます> 113 00:10:36,669 --> 00:10:40,006 ♪(仕事歌) 114 00:10:40,006 --> 00:10:43,676 与六~! 与七~! 115 00:10:43,676 --> 00:10:45,678 (与六・与七)父上~! 116 00:10:45,678 --> 00:10:48,014 (惣右衛門) ハハハッ ドジョウすくいか!➡ 117 00:10:48,014 --> 00:10:51,017 よ~し わしも! 118 00:10:51,017 --> 00:10:53,686 与六 一気にいけよ 119 00:10:53,686 --> 00:10:55,688 (惣右衛門・与六)せーの! 120 00:10:55,688 --> 00:10:58,691 ほりゃ! お~ お~ こっち 121 00:10:58,691 --> 00:11:00,894 (惣右衛門・与六)ああっ! 122 00:11:01,961 --> 00:11:05,632 お~ そっち そこそこそこ… そこ! 123 00:11:05,632 --> 00:11:07,634 かあ~っ! 124 00:11:07,634 --> 00:11:09,636 ハハッ ハァッ 125 00:11:09,636 --> 00:11:13,239 ドジョウも必死じゃて ハッハッハッハッ➡ 126 00:11:18,311 --> 00:11:22,982 お~お 与六はよい面になりそうじゃの~ 127 00:11:22,982 --> 00:11:25,652 フッフッ 侍の面か? 128 00:11:25,652 --> 00:11:28,988 (惣右衛門) よい面が侍の面とは限らん 129 00:11:28,988 --> 00:11:32,325 一生懸命に働く者は みんなよい面じゃ 130 00:11:32,325 --> 00:11:35,328 田や畑を耕しておる百姓たちも 131 00:11:35,328 --> 00:11:37,997 よい面をしておる 132 00:11:37,997 --> 00:11:41,301 侍も百姓もそこは同じじゃ 133 00:11:45,004 --> 00:11:50,009 (馬が駆ける音) 134 00:11:51,344 --> 00:11:54,013 何かあったのやもしれんな 135 00:11:54,013 --> 00:11:56,015 帰るぞ 136 00:11:56,015 --> 00:12:00,019 ⚟(太鼓の音) 137 00:12:00,019 --> 00:12:02,622 ああ おかえりなさいまし (惣右衛門)お藤に 138 00:12:02,622 --> 00:12:04,624 大漁じゃ ハハッ 139 00:12:07,627 --> 00:12:09,629 何事でしょう? 140 00:12:09,629 --> 00:12:11,631 分からん 141 00:12:11,631 --> 00:12:13,633 与六と与七は? 142 00:12:13,633 --> 00:12:18,638 まだ ドジョウを捕っておる (お藤)ハッ これで十分ですのに 143 00:12:18,638 --> 00:12:22,642 (惣右衛門)ハッ そなたに たくさん食べさしたいのであろう 144 00:12:22,642 --> 00:12:26,312 母思いのよい子たちじゃ (お藤)フッ はい 145 00:12:26,312 --> 00:12:28,982 ハハッ ⚟(使者)樋口殿! 146 00:12:28,982 --> 00:12:31,651 旦那様 (使者)樋口殿 147 00:12:31,651 --> 00:12:33,987 (使者)急ぎ登城なされよ! 148 00:12:33,987 --> 00:12:36,289 (惣右衛門)なんの騒ぎじゃ? 149 00:12:38,324 --> 00:12:40,326 (使者)殿がお亡くなりに 150 00:12:41,995 --> 00:12:44,297 なんじゃと? 151 00:12:46,332 --> 00:12:49,335 <そのころ 与六の父 惣右衛門が➡ 152 00:12:49,335 --> 00:12:52,672 奉行を務める 坂戸城では> 153 00:12:52,672 --> 00:13:02,282 ♬~ 154 00:13:02,282 --> 00:13:05,284 宇佐美殿が殿をあやめた (家臣)では 上杉が裏で糸を? 155 00:13:05,284 --> 00:13:07,287 相続争いの恨みではないのか? 156 00:13:07,287 --> 00:13:10,289 殿は輝虎様に殺されたのじゃ! 157 00:13:11,624 --> 00:13:14,293 <上田庄を治める長尾家は➡ 158 00:13:14,293 --> 00:13:16,629 越後国主の座を巡り➡ 159 00:13:16,629 --> 00:13:20,933 上杉輝虎と争った いきさつがございました> 160 00:13:31,978 --> 00:13:35,982 <そのころ 上杉輝虎は山を越え➡ 161 00:13:35,982 --> 00:13:38,985 関東へと向かっておりました> 162 00:13:41,988 --> 00:13:46,326 <上杉輝虎 のちの上杉謙信は➡ 163 00:13:46,326 --> 00:13:48,661 越後を統一したのち➡ 164 00:13:48,661 --> 00:13:51,331 関東管領に任じられ➡ 165 00:13:51,331 --> 00:13:53,100 関東を脅かす 甲斐の武田➡ 166 00:13:53,100 --> 00:13:57,003 小田原の北条を打ち払うため➡ 167 00:13:57,003 --> 00:14:01,207 しばしば 出兵を 繰り返していたのでございます> 168 00:14:05,278 --> 00:14:07,613 武田信玄め 169 00:14:07,613 --> 00:14:11,284 またしても 関東に出てきよって! 170 00:14:11,284 --> 00:14:13,953 ぬけぬけと 北条と手を結び 171 00:14:13,953 --> 00:14:17,290 関東 信濃を荒らし回っておるわ! 172 00:14:17,290 --> 00:14:19,625 それにしても 北条め 173 00:14:19,625 --> 00:14:22,295 我らが正々堂々と落とした 174 00:14:22,295 --> 00:14:26,299 下野 常陸の城を また 寝返らせるとは! 175 00:14:26,299 --> 00:14:28,634 (吉江)この山さえなければ 176 00:14:28,634 --> 00:14:31,938 関東平定などたやすいものよ 177 00:14:33,306 --> 00:14:35,308 (輝虎)山に邪心はない 178 00:14:42,315 --> 00:14:45,918 邪心ある者 必ずや滅びよう 179 00:14:48,321 --> 00:14:50,323 我らは義の心を掲げ 180 00:14:50,323 --> 00:14:53,326 その務めを全うするのみ 181 00:15:04,270 --> 00:15:06,939 申し上げます 宇佐美定満殿と 182 00:15:06,939 --> 00:15:08,941 坂戸城主 長尾政景様 183 00:15:08,941 --> 00:15:10,943 上田庄で溺死 184 00:15:11,944 --> 00:15:13,946 (景綱)ぬぬっ それは真か? (伝令)はっ➡ 185 00:15:13,946 --> 00:15:17,283 上田衆は御屋形様による はかりごとと疑い➡ 186 00:15:17,283 --> 00:15:19,585 戦支度を 始めたもようにございます 187 00:15:21,621 --> 00:15:25,224 馬を引け! 関東出兵は取りやめじゃ! 188 00:15:26,292 --> 00:15:28,294 (家臣たち)殿! 189 00:15:28,294 --> 00:15:33,633 ♬~ 190 00:15:33,633 --> 00:15:35,635 無念じゃ 191 00:15:35,635 --> 00:15:46,312 ♬~ 192 00:15:46,312 --> 00:15:48,314 (惣右衛門)奥方様! 193 00:15:49,315 --> 00:15:53,319 お前様! お前様… 194 00:15:54,987 --> 00:15:58,324 (桃の泣き声) 195 00:15:58,324 --> 00:16:01,594 (桃)ああっ お前様! 196 00:16:01,594 --> 00:16:04,263 (桃の泣き声) 197 00:16:04,263 --> 00:16:07,266 殿の脇腹に不審な傷が 198 00:16:07,266 --> 00:16:09,936 やはり 輝虎様の仕業か? 199 00:16:09,936 --> 00:16:12,939 (伝令) 申し上げます! 上杉輝虎様➡ 200 00:16:12,939 --> 00:16:16,275 清水峠より こちらに向かわれております! 201 00:16:16,275 --> 00:16:18,277 何!? 202 00:16:18,277 --> 00:16:29,622 ♬~ 203 00:16:29,622 --> 00:16:31,624 はあっ! 204 00:16:31,624 --> 00:16:37,296 ♬~ 205 00:16:37,296 --> 00:16:39,966 (お藤)与六 与七! 206 00:16:39,966 --> 00:16:41,968 お城へ近づいてはなりませぬ➡ 207 00:16:41,968 --> 00:16:44,971 もしやすると 戦になるかもしれぬ 208 00:16:44,971 --> 00:16:47,573 よいですね? 家にいるのですよ 209 00:16:50,643 --> 00:16:52,645 戦かあ~ 210 00:16:53,646 --> 00:16:55,648 (男性)どけーっ! 211 00:16:55,648 --> 00:17:04,257 ♬~ 212 00:17:04,257 --> 00:17:06,259 (兵たち)来たぞーっ! 213 00:17:06,259 --> 00:17:25,945 ♬~ 214 00:17:25,945 --> 00:17:30,950 ♬~ 215 00:17:30,950 --> 00:17:34,620 関東管領 上杉輝虎様であるぞ!➡ 216 00:17:34,620 --> 00:17:37,623 構えを解け! 構えを解くんだ! 217 00:17:37,623 --> 00:17:39,926 (北条)うぬら 主に弓を引くか! 218 00:17:49,302 --> 00:18:09,255 ♬~ 219 00:18:09,255 --> 00:18:25,938 ♬~ 220 00:18:25,938 --> 00:18:27,940 いっやいーっ! 221 00:18:27,940 --> 00:18:29,942 ハッ! 222 00:18:29,942 --> 00:18:36,616 ♬~ 223 00:18:36,616 --> 00:18:38,618 えいっ! 224 00:18:38,618 --> 00:18:55,634 ♬~ 225 00:18:55,634 --> 00:18:57,637 (兵たち)ああーっ! 226 00:18:57,637 --> 00:19:05,244 ♬~ 227 00:19:05,244 --> 00:19:07,246 射るな 射るなーっ! 228 00:19:07,246 --> 00:19:27,266 ♬~ 229 00:19:27,266 --> 00:19:35,608 ♬~ 230 00:19:35,608 --> 00:19:37,610 (景綱)御屋形様 231 00:19:40,946 --> 00:19:46,252 (輝虎)我は 城主 長尾政景殿の 死を弔うために参った 232 00:19:51,290 --> 00:19:53,292 道を開けよ! 233 00:19:54,627 --> 00:19:57,229 あれが上杉輝虎様か 234 00:19:59,632 --> 00:20:02,301 (惣右衛門)ご家老 構えを解いてはいかがでしょう? 235 00:20:02,301 --> 00:20:06,972 う~ん できん! てやあっ! 236 00:20:06,972 --> 00:20:09,975 僅かな供を連れるのみ 太刀も置かれました 237 00:20:09,975 --> 00:20:12,645 わなかもしれん! (深沢)あっ 奥方様➡ 238 00:20:12,645 --> 00:20:15,648 ここは危のうございます 奥へ 奥へ 239 00:20:17,316 --> 00:20:20,319 通すのです (栗林)はあ? 240 00:20:21,320 --> 00:20:23,322 道を開けなさい 241 00:20:26,659 --> 00:20:28,661 構えを解けーいっ! 242 00:20:58,691 --> 00:21:00,593 輝虎殿 243 00:21:03,295 --> 00:21:05,297 姉上 244 00:21:05,297 --> 00:21:10,302 ♬~ 245 00:21:10,302 --> 00:21:12,972 <輝虎の姉 桃は➡ 246 00:21:12,972 --> 00:21:16,642 上杉家 長尾家両家の和睦のため➡ 247 00:21:16,642 --> 00:21:19,979 長尾政景の下へ 嫁いできておりました> 248 00:21:19,979 --> 00:21:21,981 (惣右衛門)控えよ! 控えよ 249 00:21:21,981 --> 00:21:31,323 ♬~ 250 00:21:31,323 --> 00:21:33,659 おいたわしや 251 00:21:33,659 --> 00:21:36,996 このようなことになるとは… 252 00:21:36,996 --> 00:21:38,998 (桃)ええ… 253 00:21:45,671 --> 00:21:48,340 何もご心配召されますな 254 00:21:48,340 --> 00:21:51,343 姉上には この輝虎がついておりまする 255 00:22:07,626 --> 00:22:09,628 (政景)《ああっ!》 256 00:22:17,303 --> 00:22:20,306 1月 2月➡ 257 00:22:22,975 --> 00:22:24,977 3月分と➡ 258 00:22:25,978 --> 00:22:29,648 いつもどおり 落ち着いて 数え間違えるでないぞ 259 00:22:29,648 --> 00:22:31,951 はっ ⚟(兵)どけい どけどけい! 260 00:22:34,320 --> 00:22:37,323 よう こんなときに 惣右衛門は 炭など数えられるのう 261 00:22:37,323 --> 00:22:40,926 勘定奉行とはいえ ようやるわ (栗林)ハハッ 262 00:22:42,328 --> 00:22:44,330 (お藤)おかえりなさいませ 263 00:22:44,330 --> 00:22:47,666 (惣右衛門)ハァッ (お藤)お城のほうは? 264 00:22:47,666 --> 00:22:50,669 あすが葬儀じゃ またすぐに戻らねば 265 00:22:52,338 --> 00:22:54,340 さあ~➡ 266 00:22:56,008 --> 00:22:59,345 どうしたんじゃ? (お藤)叱ったのです 267 00:22:59,345 --> 00:23:01,947 お城へは近づくなと言ったのに➡ 268 00:23:01,947 --> 00:23:04,950 勝手に行ってしまって (惣右衛門)何? 269 00:23:04,950 --> 00:23:08,287 危ないではないか 270 00:23:08,287 --> 00:23:11,290 なんでそんなことした? 見たかったのじゃ 271 00:23:11,290 --> 00:23:14,293 ハッ 戦をか? そうじゃ 272 00:23:14,293 --> 00:23:16,896 この目で見てみたかったのじゃ 273 00:23:18,631 --> 00:23:20,966 おかげで 輝虎様を 274 00:23:20,966 --> 00:23:22,968 たわけっ! 275 00:23:27,640 --> 00:23:30,976 フッ もう二度と 276 00:23:30,976 --> 00:23:34,580 そのようなことはしてはならん よいな? 277 00:23:38,984 --> 00:23:43,989 ♪(お藤の子守歌) 278 00:23:43,989 --> 00:23:55,000 ♪~ 279 00:24:06,946 --> 00:24:09,948 こちらへおいで おきたはもう寝た 280 00:24:12,951 --> 00:24:14,954 あっ フフッ 281 00:24:15,955 --> 00:24:19,291 もっと素直に甘えればいいものを 282 00:24:19,291 --> 00:24:21,293 与六は兄じゃ 283 00:24:21,293 --> 00:24:26,298 フフッ 兄というても まだまだ 子ども 284 00:24:27,299 --> 00:24:32,304 父上は ご無事じゃろうなあ 285 00:24:34,640 --> 00:24:36,942 心配しなくてもよい 286 00:24:39,978 --> 00:24:44,316 与六 父上が きょう 287 00:24:44,316 --> 00:24:48,620 あんなに怒られたのは どうしてだと思います? 288 00:24:51,323 --> 00:24:53,325 父上は 289 00:24:54,326 --> 00:24:57,663 そなたのことが大好きなのです 290 00:24:57,663 --> 00:25:00,566 だから 大層 心配になったのです 291 00:25:01,600 --> 00:25:04,937 大好きだと 心配になるのか? 292 00:25:04,937 --> 00:25:08,607 ウッフフッ そうです 293 00:25:08,607 --> 00:25:11,276 だから この母も 294 00:25:11,276 --> 00:25:15,280 与六を心配して叱るのですよ 295 00:25:16,281 --> 00:25:19,952 与六も父上 母上が 296 00:25:19,952 --> 00:25:22,287 だ~い好きじゃ 297 00:25:22,287 --> 00:25:24,289 ウッフッ 298 00:25:24,289 --> 00:25:33,966 ♬~ 299 00:25:33,966 --> 00:25:37,302 <その夜 輝虎は朝を待たずに➡ 300 00:25:37,302 --> 00:25:40,606 坂戸を後に しようとしておりました> 301 00:25:49,982 --> 00:25:54,987 (輝虎)喜平次 そなたは この坂戸の城主となったのだ 302 00:25:54,987 --> 00:25:58,991 文武に励み 父上のような よき侍となるがよい 303 00:26:09,601 --> 00:26:11,603 父の敵! 304 00:26:12,938 --> 00:26:14,940 (刺す音) 喜平次! 305 00:26:14,940 --> 00:26:20,946 ♬~ 306 00:26:20,946 --> 00:26:22,948 (桃)喜平次! (景綱)御屋形様! 307 00:26:22,948 --> 00:26:26,952 (侍女たちの悲鳴) (北条)おのれ 許さん! 308 00:26:26,952 --> 00:26:28,954 (輝虎)よい! 309 00:26:28,954 --> 00:26:43,302 ♬~ 310 00:26:43,302 --> 00:26:45,637 (侍女たちの悲鳴) (深沢)やめ! やめんか! 311 00:26:45,637 --> 00:26:49,308 射るな! 射るな 射るな 射るな 射るでなーいっ! 312 00:26:49,308 --> 00:27:04,923 ♬~ 313 00:27:04,923 --> 00:27:07,593 (信長)のう 猿よ (藤吉郎)ははっ 314 00:27:07,593 --> 00:27:10,596 (信長)この乱世で いちばん強い武将は誰だと思う? 315 00:27:10,596 --> 00:27:13,198 いちばん? う~ん➡ 316 00:27:14,600 --> 00:27:16,602 武田信玄でしょうか? 317 00:27:16,602 --> 00:27:20,606 信玄か 武田も強い 318 00:27:20,606 --> 00:27:22,941 だが答えは否 319 00:27:22,941 --> 00:27:26,278 上杉への進物 整ってございます 320 00:27:26,278 --> 00:27:28,947 (信長) 越後の田舎衆が見たこともない➡ 321 00:27:28,947 --> 00:27:31,950 南蛮渡来の珍宝を そろえたであろうな? 322 00:27:31,950 --> 00:27:34,620 (小姓)万端抜かりなく (信長)下がれ 323 00:27:34,620 --> 00:27:36,622 (藤吉郎)いちばん強い武将とは 324 00:27:36,622 --> 00:27:39,224 上杉輝虎のことでござりまするか 325 00:27:40,959 --> 00:27:43,962 畏れながら 何故 326 00:27:43,962 --> 00:27:46,632 そこまで 輝虎の機嫌を取られるのか 327 00:27:46,632 --> 00:27:49,635 この猿めには分かりませぬ! 328 00:27:53,972 --> 00:27:56,308 上杉は強い➡ 329 00:27:56,308 --> 00:28:00,579 今の俺は 戦では輝虎の足元にも及ばぬわ 330 00:28:00,579 --> 00:28:03,248 そんなことはございませぬ➡ 331 00:28:03,248 --> 00:28:07,586 殿は あの今川との戦にも お勝ちなされた 332 00:28:07,586 --> 00:28:10,255 あれが勝利か? (藤吉郎)はあ? 333 00:28:10,255 --> 00:28:15,260 運よく今川義元が桶狭間で 酒を飲んでるときに嵐が来た➡ 334 00:28:15,260 --> 00:28:19,865 そんな天の運に頼るような戦は 戦ではないわ 335 00:28:24,603 --> 00:28:27,940 俺は敵を知り 己を知っている 336 00:28:27,940 --> 00:28:31,610 だからこそ 337 00:28:31,610 --> 00:28:33,612 最後には勝つ 338 00:28:34,613 --> 00:28:36,915 くぅ~っ ハァッ! 339 00:28:39,284 --> 00:28:41,286 (信長)おう 340 00:28:42,621 --> 00:28:46,625 <のちに 天下に名を揚げる 織田信長も➡ 341 00:28:46,625 --> 00:28:51,930 このときは まだ尾張の一大名に すぎなかったのでございます> 342 00:28:54,967 --> 00:29:00,572 <桃は亡き夫 政景の菩提を弔うため 尼になり➡ 343 00:29:00,572 --> 00:29:04,876 その名を仙桃院と改めました> 344 00:29:07,579 --> 00:29:11,249 <そして その年の夏➡ 345 00:29:11,249 --> 00:29:16,588 輝虎の招きで春日山城に 向かわれたのでございます> 346 00:29:16,588 --> 00:29:19,591 <上田庄から春日山まで➡ 347 00:29:19,591 --> 00:29:23,929 およそ80キロの 道のりでございました> 348 00:29:23,929 --> 00:29:32,604 ♬~ 349 00:29:32,604 --> 00:29:36,274 (お万)ハァ~ 尼になられても 350 00:29:36,274 --> 00:29:40,278 お美しさは 相変わらずでございますなあ 351 00:29:40,278 --> 00:29:44,283 御屋形様が 姉上姉上とお慕いするのも 352 00:29:44,283 --> 00:29:46,284 分かる気がいたします 353 00:29:46,284 --> 00:29:48,286 ハッ うん (仙桃院)血のつながった身内は 354 00:29:48,286 --> 00:29:50,956 もう わたくし1人だからでしょう 355 00:29:50,956 --> 00:29:54,293 ところで あの 見事な布は? 356 00:29:54,293 --> 00:29:57,963 うはっ 御屋形様からの頂き物です 357 00:29:57,963 --> 00:30:01,967 え~ なんでも 織田信長から 送られてきたとか 358 00:30:01,967 --> 00:30:04,303 あの今川義元を打ち破った 359 00:30:04,303 --> 00:30:06,304 織田信長が? (景綱)そうです 360 00:30:06,304 --> 00:30:09,307 ええ 信長は 輝虎さまが 361 00:30:09,307 --> 00:30:11,310 よほど恐ろしいのでしょう (仙桃院)ハァ~ 362 00:30:11,310 --> 00:30:13,312 内々に進物などして➡ 363 00:30:13,312 --> 00:30:16,314 刃向かう気がないことを 知らせているのです➡ 364 00:30:16,314 --> 00:30:20,319 御屋形様の前では 尾を振る犬にすぎぬと 365 00:30:20,319 --> 00:30:23,322 皆 申しております (景綱)これこれ お万 366 00:30:23,322 --> 00:30:25,657 口が過ぎますぞ (お万)あっ 367 00:30:25,657 --> 00:30:28,326 (笑い声) ⚟(お船)母上~! 368 00:30:28,326 --> 00:30:30,329 (景綱)うん? 369 00:30:31,997 --> 00:30:34,666 お船? 何をしておるのじゃ? 370 00:30:34,666 --> 00:30:37,335 見てのとおり 野ウサギを捕まえたのです! 371 00:30:37,335 --> 00:30:40,672 仙桃院様に そんな はしたない お姿をお見せするなど 372 00:30:40,672 --> 00:30:43,675 よいではないか 元気が何よりです 373 00:30:43,675 --> 00:30:45,677 ⚟(かよ)姫様! 374 00:30:45,677 --> 00:30:50,349 ハァッ! そんなに早く走られては 追いつけませぬ 375 00:30:50,349 --> 00:30:52,684 もう そちが付いてて何をしておる! 376 00:30:52,684 --> 00:30:54,686 早く 顔を洗わせなさい 377 00:30:54,686 --> 00:30:59,024 (かよ)はい 申し訳ございません ハァッ はい はいはい… 378 00:30:59,024 --> 00:31:00,959 (お万)何をしておる本当に (かよ)はっはい 申し訳ございま… 379 00:31:00,959 --> 00:31:03,962 (お万の悲鳴) (かよ)ありゃりゃりゃ… 380 00:31:03,962 --> 00:31:06,631 (お万)キャーッ お船! 381 00:31:06,631 --> 00:31:08,633 <この子がお船➡ 382 00:31:08,633 --> 00:31:11,636 のちに 与六や喜平次にとって➡ 383 00:31:11,636 --> 00:31:15,240 かけがえのない女子になるので ございます> 384 00:31:33,658 --> 00:31:38,663 ああ 妙高のお山が 月明かりに浮かんで 385 00:31:39,998 --> 00:31:43,001 懐かしいのう 386 00:31:43,001 --> 00:31:48,673 こうして岩屋に入りますと 心が引き締まるのです 387 00:31:48,673 --> 00:31:53,979 春日山の頂に参るのも 久しぶりじゃ 388 00:31:59,017 --> 00:32:03,221 ことに 喜平次は いかがいたしております? 389 00:32:05,624 --> 00:32:10,629 あれから 何やら殻に閉じこもる ようになってしまって➡ 390 00:32:13,965 --> 00:32:16,968 今までも さほど➡ 391 00:32:16,968 --> 00:32:20,972 心の内をあらわにするような 子ではなかったのですが 392 00:32:21,973 --> 00:32:24,976 それがますます強うなって 393 00:32:27,312 --> 00:32:29,314 無理もない 394 00:32:29,314 --> 00:32:34,319 父親があのような亡くなり方を したのです 395 00:32:34,319 --> 00:32:37,656 城の中も落ち着かず 396 00:32:37,656 --> 00:32:39,658 喜平次の周りには 397 00:32:39,658 --> 00:32:43,261 まだ お前様を うたぐっている者もおります 398 00:32:44,996 --> 00:32:49,000 それに何より 喜平次が 399 00:32:50,001 --> 00:32:53,305 (喜平次)《父の敵!》 400 00:32:56,341 --> 00:33:01,947 母として あの子のことが 分かっていなかったのです 401 00:33:02,948 --> 00:33:07,552 まこと わびることばすらありません 402 00:33:08,620 --> 00:33:11,289 姉上 403 00:33:11,289 --> 00:33:15,293 あのとき 私は考えさせられたのです 404 00:33:15,293 --> 00:33:18,964 あんな小さな子の心の中にも 405 00:33:18,964 --> 00:33:20,966 阿修羅が眠っている 406 00:33:22,968 --> 00:33:25,971 父を思うあのひたむきさ 407 00:33:25,971 --> 00:33:30,308 何者も恐れぬあの瞳の強さ 408 00:33:30,308 --> 00:33:33,645 親子の絆が かくも強きこと 409 00:33:33,645 --> 00:33:35,647 私は忘れていた➡ 410 00:33:44,322 --> 00:33:48,994 いかがでしょう 喜平次をゆくゆくは➡ 411 00:33:48,994 --> 00:33:52,998 我が養子として迎えたいのですが 412 00:33:52,998 --> 00:33:54,100 喜平次を? 413 00:33:54,100 --> 00:34:00,272 姉上の息子である喜平次を 我が子としたいのです 414 00:34:00,272 --> 00:34:03,608 お心はうれしいのですが 415 00:34:03,608 --> 00:34:06,278 今の喜平次では… 416 00:34:06,278 --> 00:34:10,282 (輝虎)心の傷なら 時を置けば癒えましょう➡ 417 00:34:12,617 --> 00:34:15,287 いずれ近いうちに会いに行き➡ 418 00:34:15,287 --> 00:34:19,291 私の口から 喜平次にそのことを伝えたい 419 00:34:19,291 --> 00:34:33,638 ♬~ 420 00:34:33,638 --> 00:34:37,309 <輝虎は 戦の神 毘沙門天に➡ 421 00:34:37,309 --> 00:34:42,314 生涯独身の誓いを 立てておりました> 422 00:34:42,314 --> 00:34:45,984 <そのため 妻を迎えることもなく➡ 423 00:34:45,984 --> 00:34:49,988 子をなすことも なかったのでございます> 424 00:34:53,325 --> 00:34:55,327 (政景)《ああっ!》 425 00:35:00,932 --> 00:35:05,937 (セミの鳴き声) 426 00:35:15,947 --> 00:35:17,949 ⚟(又五郎) こんな字も読めんのか! 427 00:35:17,949 --> 00:35:20,619 ⚟(子ども)どうじゃ 読んでみろ! ⚟(男の子)すみません 428 00:35:20,619 --> 00:35:22,620 ⚟ 堪忍してください ⚟(又五郎たち)読めんのか! 429 00:35:22,620 --> 00:35:25,957 ⚟ 読むんじゃ! 読んでみよ! ⚟ 待て 待て待てーっ! 430 00:35:25,957 --> 00:35:28,626 何をしている! (与七)何をしている! 431 00:35:28,626 --> 00:35:30,628 字を教えてやっているのじゃ 432 00:35:32,631 --> 00:35:34,633 刀八毘沙門 433 00:35:34,633 --> 00:35:37,969 輝虎様の戦旗に 使われておる字じゃ 434 00:35:37,969 --> 00:35:39,971 (弥吉たち)おお~ 435 00:35:41,640 --> 00:35:45,644 この旗の下 親父殿たちが 戦っておるからこそ 436 00:35:45,644 --> 00:35:47,646 百姓は安んじて暮らせる 437 00:35:47,646 --> 00:35:49,648 この字も読めんとは情けない 438 00:35:49,648 --> 00:35:52,317 百姓だから当然かなあ 439 00:35:52,317 --> 00:35:57,989 一生懸命働く者は 侍も百姓も皆 同じじゃ 440 00:35:57,989 --> 00:35:59,991 父上がそう言っていた 441 00:35:59,991 --> 00:36:04,596 お前の親父は侍は侍でも 442 00:36:04,596 --> 00:36:07,932 元は薪を背負う 百姓侍じゃからな➡ 443 00:36:07,932 --> 00:36:09,934 だから こいつを助けるんじゃ 444 00:36:09,934 --> 00:36:12,937 (子ども)薪背負いのくせに 奉行になどなりおって! 445 00:36:12,937 --> 00:36:14,939 (弥吉)それも炭や薪を数えてじゃ 446 00:36:14,939 --> 00:36:18,610 ご家来衆に お前の親父みたいなのがいると 447 00:36:18,610 --> 00:36:21,613 戦で手柄を立てようとする気が うせる! 448 00:36:21,613 --> 00:36:23,615 (子ども)そうじゃ! (弥吉)そうじゃ そうじゃ 449 00:36:23,615 --> 00:36:26,618 父上は立派なお人じゃあ! 450 00:36:26,618 --> 00:36:31,623 やる気か! (弥吉たちのはやす声) 451 00:36:31,623 --> 00:36:37,962 ♬~ 452 00:36:37,962 --> 00:36:39,964 兄者! 453 00:36:39,964 --> 00:36:46,638 ♬~ 454 00:36:46,638 --> 00:36:48,640 生意気なやつだ! 455 00:36:48,640 --> 00:36:50,642 (指をかむ音) (又五郎)痛っ! 456 00:36:55,980 --> 00:36:57,982 離せ! 457 00:37:03,922 --> 00:37:06,224 (又五郎たち)ご無礼いたしました 458 00:37:10,929 --> 00:37:13,264 なぜ止めた! 争いは もうたくさんじゃ! 459 00:37:13,264 --> 00:37:15,867 父上のことを バカにされたのじゃぞ! 460 00:37:18,269 --> 00:37:21,606 お前は父をけなされて 黙ってるのか! 461 00:37:21,606 --> 00:37:23,942 ならば ふぬけじゃあ! 462 00:37:23,942 --> 00:37:25,944 (深沢)はっ! おっ! 463 00:37:25,944 --> 00:37:28,613 離せ! 離れろ! 464 00:37:28,613 --> 00:37:31,282 (深沢)やめ やめい! これ 離れ 離れい! 465 00:37:31,282 --> 00:37:33,618 こら どなたか知っておるのか? 466 00:37:33,618 --> 00:37:36,287 喜平次様でございまするぞ 離れろ 離れろ! 467 00:37:36,287 --> 00:37:39,624 うるさい! 誰でもかまわん! 468 00:37:39,624 --> 00:37:44,929 <これが与六と喜平次 初めての出会いでございました> 469 00:37:46,631 --> 00:37:48,967 えいっ えいっ えいっ… 470 00:37:48,967 --> 00:37:50,969 (惣右衛門)申し訳ございませぬ 471 00:37:50,969 --> 00:37:53,972 喜平次様とけんか沙汰とは 472 00:37:54,973 --> 00:37:57,308 真に 申し訳ございません 473 00:37:57,308 --> 00:37:59,310 もうよい 474 00:37:59,310 --> 00:38:04,916 与六は父である そなたの体面を 守ろうとしたまでじゃ 475 00:38:04,916 --> 00:38:08,920 とは申せ ご主君たる喜平次様を 殴るだなどとは 476 00:38:08,920 --> 00:38:10,922 とんでもないことを しでかしました 477 00:38:10,922 --> 00:38:13,591 よいと申しておる 478 00:38:13,591 --> 00:38:17,595 おかげで 喜平次の顔色が ようなったようじゃ 479 00:38:17,595 --> 00:38:22,600 ♬~ 480 00:38:22,600 --> 00:38:28,273 <秋になり 上杉輝虎は再び上田庄を訪れ➡ 481 00:38:28,273 --> 00:38:31,943 喜平次を 狩りに誘ったのでございました> 482 00:38:31,943 --> 00:38:40,952 ♬~ 483 00:38:40,952 --> 00:38:43,955 おおーっ! (深沢)お見事! 484 00:38:48,626 --> 00:38:50,628 (輝虎の声) こうして狩りをしながら➡ 485 00:38:50,628 --> 00:38:54,966 周囲の地形 風の吹きようなど 地の利を知るのだ➡ 486 00:38:54,966 --> 00:38:58,970 はい 487 00:38:58,970 --> 00:39:00,872 獲物の行く 先を射るのじゃ 488 00:39:05,243 --> 00:39:08,246 やいっ! (輝虎)よいよい 489 00:39:08,246 --> 00:39:17,589 ♬~ 490 00:39:17,589 --> 00:39:19,591 喜平次! 491 00:39:19,591 --> 00:39:24,596 ♬~ 492 00:39:30,935 --> 00:39:33,271 おおっ! (栗林)追いかけろ! 493 00:39:33,271 --> 00:39:37,609 急げ 急げ! 急げーっ! 494 00:39:37,609 --> 00:39:40,945 (家臣)殿! (深沢)喜平次様~っ! 495 00:39:40,945 --> 00:39:45,950 (息切れ) 496 00:39:45,950 --> 00:40:03,968 ♬~ 497 00:40:03,968 --> 00:40:08,973 ♬~ 498 00:40:15,647 --> 00:40:18,249 (いななき) 499 00:40:29,327 --> 00:40:31,329 喜平次 500 00:40:31,329 --> 00:40:33,331 まだ疑うておるか? 501 00:40:40,672 --> 00:40:43,274 ならば この太刀で斬れ! 502 00:41:16,641 --> 00:41:19,944 ご無礼をお許しください 503 00:41:25,650 --> 00:41:29,253 この喜平次が 愚か者でございました 504 00:41:40,999 --> 00:41:46,003 (泣き声) 505 00:41:48,339 --> 00:41:50,341 顔を上げよ 506 00:41:54,012 --> 00:41:58,349 毘沙門天にささげたこの身 507 00:41:58,349 --> 00:42:02,954 そんなわしのことを 神と呼ぶ者もおる 508 00:42:02,954 --> 00:42:06,958 じゃが このわしとて1人の人間 509 00:42:08,292 --> 00:42:11,295 うれしいとき つらいとき 悲しいときもある 510 00:42:13,965 --> 00:42:16,968 それゆえ そなたの気持ちも よう分かる➡ 511 00:42:19,303 --> 00:42:24,642 このわしでさえ 城主になったのは19➡ 512 00:42:24,642 --> 00:42:28,980 喜平次 そなたは はるかに年若い 513 00:42:28,980 --> 00:42:32,316 なんでも相談するがよい➡ 514 00:42:32,316 --> 00:42:36,988 分からぬことは この叔父に聞けばよいのじゃ 515 00:42:36,988 --> 00:42:38,990 はい 516 00:42:43,327 --> 00:42:45,329 こちらへ参れ 517 00:42:45,329 --> 00:42:54,338 ♬~ 518 00:42:54,338 --> 00:42:57,341 喜平次 519 00:42:57,341 --> 00:43:00,611 一国を束ね その上に立つ者 520 00:43:00,611 --> 00:43:03,948 強い武将であらねばならん 521 00:43:03,948 --> 00:43:06,284 じゃが その心には 522 00:43:06,284 --> 00:43:09,887 民を慈しむ 気持ちがなくてはならん➡ 523 00:43:11,622 --> 00:43:13,925 この景色をどう思う? 524 00:43:15,626 --> 00:43:20,298 越後はことしも 豊作でございます➡ 525 00:43:20,298 --> 00:43:24,302 民 百姓が喜びまする 526 00:43:24,302 --> 00:43:40,651 ♬~ 527 00:43:40,651 --> 00:43:44,655 喜平次 わしの子になれ 528 00:43:46,324 --> 00:43:48,326 わしと共に 529 00:43:48,326 --> 00:43:52,663 毘沙門天に恥じぬ 清い国を築いていこうではないか 530 00:43:52,663 --> 00:44:06,944 ♬~ 531 00:44:06,944 --> 00:44:08,946 <ここ雲洞庵は➡ 532 00:44:08,946 --> 00:44:13,618 上田庄の山あいにある 禅寺でございます> 533 00:44:13,618 --> 00:44:16,954 <住職である北高全祝は➡ 534 00:44:16,954 --> 00:44:20,291 仏法 和漢の学の奥義を究めた➡ 535 00:44:20,291 --> 00:44:23,294 越後随一の名僧> 536 00:44:23,294 --> 00:44:26,631 <輝虎との養子縁組みが決まった 喜平次は➡ 537 00:44:26,631 --> 00:44:30,635 家臣の子弟の中から選ばれた 小姓たちと共に➡ 538 00:44:30,635 --> 00:44:34,305 修行を始めておりました> 539 00:44:34,305 --> 00:44:37,642 (小姓たち)いけ いけ いけ! 押せ 押せっ 藤丸 押せ!➡ 540 00:44:37,642 --> 00:44:40,244 ああ 負けちゃった~ (三介)よっしゃあ! 541 00:44:49,654 --> 00:44:53,658 (全祝)いやあ ハハッ これはこれは うんっ 542 00:44:53,658 --> 00:44:55,993 (仙桃院)喜平次は いかがでございましょう? 543 00:44:55,993 --> 00:44:59,997 おう お見受けするところ 喜平次殿は 544 00:44:59,997 --> 00:45:04,202 お心持ちもしっかりし 落ち着きもおありじゃ 545 00:45:05,269 --> 00:45:07,605 心配召さるな 546 00:45:07,605 --> 00:45:10,608 父たるこの私の目に 狂いはござらん 547 00:45:12,276 --> 00:45:15,947 なれど あのように口が重く 548 00:45:15,947 --> 00:45:18,950 周りと打ち解けているようにも 見えませぬ➡ 549 00:45:21,619 --> 00:45:23,621 小姓たちも 550 00:45:23,621 --> 00:45:27,959 あの子の心中を 早く察することができるようにと 551 00:45:27,959 --> 00:45:30,561 共に学ばせているのですが 552 00:45:32,296 --> 00:45:36,300 姉上は 北斗の七星を 553 00:45:36,300 --> 00:45:38,970 喜平次の側に置かれたいのですな 554 00:45:38,970 --> 00:45:41,973 北斗の七星? 555 00:45:41,973 --> 00:45:45,977 おお~ 北斗の七星とな 556 00:45:45,977 --> 00:45:51,315 かの国の劉備に仕えし 諸葛孔明のごとき 557 00:45:51,315 --> 00:45:56,921 忠義 股肱の賢臣でござろうがの 558 00:45:58,656 --> 00:46:03,594 共に成長し お互いの心が分かり合える者が 559 00:46:03,594 --> 00:46:05,930 ぜひとも欲しいのです 560 00:46:05,930 --> 00:46:09,600 ならばいっそのこと 少々風変わりでも 561 00:46:09,600 --> 00:46:12,603 喜平次様が 562 00:46:12,603 --> 00:46:15,940 心許して なんでも話せるような 563 00:46:15,940 --> 00:46:19,944 弟分の童を探してはいかがじゃ? 564 00:46:28,285 --> 00:46:31,956 よいか これが義という文字じゃ 565 00:46:31,956 --> 00:46:37,561 輝虎様が この世で最も 大事にされていることばじゃ 566 00:46:38,963 --> 00:46:40,965 (全祝)ほお~っ 567 00:46:41,966 --> 00:46:44,635 難しい字を知っておるな 568 00:46:44,635 --> 00:46:48,639 今 いちばん気に入っている字じゃ ふんっ 569 00:46:48,639 --> 00:46:52,309 何故 御屋形様をたたえるのじゃ? 570 00:46:52,309 --> 00:46:56,314 輝虎様は この世でいちばんの英雄じゃ 571 00:46:56,314 --> 00:46:59,984 そのお姿も まさに毘沙門天そっくりじゃ 572 00:46:59,984 --> 00:47:02,920 わしはこの目で見たのだ おおっ 573 00:47:02,920 --> 00:47:06,257 では聞くが➡ 574 00:47:06,257 --> 00:47:09,260 義とはなんぞや? 575 00:47:09,260 --> 00:47:13,264 それは裏切りをせぬ はかりごとをせぬ 576 00:47:13,264 --> 00:47:15,599 非道をせぬということじゃ 577 00:47:15,599 --> 00:47:18,269 それはこの乱世 578 00:47:18,269 --> 00:47:23,274 強い者が弱い者を 踏みにじることなかれと 579 00:47:23,274 --> 00:47:28,946 御屋形様が掲げられた 義のことじゃ 580 00:47:28,946 --> 00:47:32,616 このっ にわか学者め! 581 00:47:32,616 --> 00:47:37,955 人のことばを己のことばとして➡ 582 00:47:37,955 --> 00:47:40,624 受け売りしよったな~ 583 00:47:40,624 --> 00:47:43,627 人のことばではない 神のことばじゃ 584 00:47:43,627 --> 00:47:46,931 毘沙門天のことばじゃ! 愚か者! 585 00:47:48,632 --> 00:47:52,636 人は人じゃ 神にあらず! 586 00:47:52,636 --> 00:47:54,638 喝っ! 587 00:47:54,638 --> 00:47:59,643 (雷鳴) 588 00:48:02,246 --> 00:48:04,915 兄者! 589 00:48:04,915 --> 00:48:07,585 (全祝の笑い声) 590 00:48:07,585 --> 00:48:10,254 これは愉快じゃ 591 00:48:10,254 --> 00:48:30,274 ♬~ 592 00:48:30,274 --> 00:48:35,279 (虫の鳴き声) 593 00:48:43,621 --> 00:48:46,624 (千草)どうか なされましたか? 594 00:48:46,624 --> 00:48:48,959 (仙桃院)星が見えたのです➡ 595 00:48:48,959 --> 00:48:52,263 きょう 和尚様と出かけたときに 596 00:48:54,965 --> 00:48:58,302 (小笹)星は夜に見えるもので ございましょう? 597 00:48:58,302 --> 00:49:00,204 そちらには見えなかったのか? 598 00:49:01,906 --> 00:49:04,241 (千草・小笹)はあ… 599 00:49:04,241 --> 00:49:08,546 もう下がってよい (千草)はい 600 00:49:14,585 --> 00:49:18,255 (輝虎)《姉上は 北斗の七星を➡ 601 00:49:18,255 --> 00:49:21,592 喜平次の側に 置かれたいのですな》 602 00:49:21,592 --> 00:49:23,594 夜空に 603 00:49:23,594 --> 00:49:29,266 1人炯炯と輝く 北辰の星 604 00:49:29,266 --> 00:49:34,939 それを常に守り離れぬ 北斗の七星 605 00:49:34,939 --> 00:49:49,954 ♬~ 606 00:49:53,624 --> 00:49:55,626 運命か… 607 00:50:04,301 --> 00:50:07,304 与六は? 608 00:50:07,304 --> 00:50:11,308 弟と外に 遊びに出かけてしまったようで 609 00:50:11,308 --> 00:50:15,980 あっ 実にもう 手を焼くことばかりでございます 610 00:50:15,980 --> 00:50:18,649 また 何かあったのか? 611 00:50:18,649 --> 00:50:21,652 あっ はい ついせんだっても 612 00:50:21,652 --> 00:50:26,657 この近所の子らと陣取り合戦を していたのはよいのですが 613 00:50:26,657 --> 00:50:28,659 《行けーっ!》 (弥吉)《やっつけろーっ!》 614 00:50:28,659 --> 00:50:32,663 (又五郎たち)《おーっ!》 615 00:50:32,663 --> 00:50:35,332 《うわっ! ああっ!➡ 616 00:50:35,332 --> 00:50:38,002 いてててっ!》 617 00:50:38,002 --> 00:50:40,337 《参ったか!》 《参ったか!》 618 00:50:40,337 --> 00:50:43,641 ハッ それは見事な 619 00:50:53,017 --> 00:50:57,321 話というのは その与六のことなのです 620 00:50:59,023 --> 00:51:01,292 我が息子 喜平次と共に 621 00:51:01,292 --> 00:51:04,895 雲洞庵で 修行をさせてみる気はないか? 622 00:51:06,630 --> 00:51:10,234 与六を修行に? (仙桃院)そうです 623 00:51:14,972 --> 00:51:20,644 それは… (仙桃院)今 世の中は まさに乱世 624 00:51:20,644 --> 00:51:23,647 下克上の修羅場じゃ 625 00:51:23,647 --> 00:51:27,651 子が親を討ち 肉親どうしでも 626 00:51:27,651 --> 00:51:31,655 命を懸けて争う 過酷な時代 627 00:51:33,324 --> 00:51:37,995 お家を守り 生き残るためには 628 00:51:37,995 --> 00:51:41,665 謀略を重ね 人を欺き 629 00:51:41,665 --> 00:51:44,668 裏切りのし上がることを 630 00:51:44,668 --> 00:51:47,671 皆が平然とやってのける➡ 631 00:51:49,340 --> 00:51:54,678 そんな世に 喜平次は臨まねばならぬ➡ 632 00:51:54,678 --> 00:51:59,683 この越後の国を守り 治めるために 633 00:52:00,951 --> 00:52:03,954 その重たき荷を考えると 634 00:52:09,626 --> 00:52:14,631 だからこそ 共に手を取り 歩んでくれる家臣が欲しいのです 635 00:52:14,631 --> 00:52:17,234 互いに信じ合える家臣が 636 00:52:18,635 --> 00:52:22,940 与六を どうか 差し出してはくれませぬか? 637 00:52:26,310 --> 00:52:28,312 頼みます 638 00:52:34,985 --> 00:52:37,988 もったいない お顔をお上げください 639 00:52:37,988 --> 00:52:41,992 ならば わたくしの頼みを 聞いてくれると? 640 00:52:41,992 --> 00:52:46,296 それは… ハァッ 641 00:52:47,998 --> 00:52:51,001 畏れながら そのお話は… 642 00:52:53,003 --> 00:52:56,340 仙桃院様の お心はお察しいたします 643 00:52:56,340 --> 00:53:01,945 ですが 与六めは まだ年端もいきませぬ 644 00:53:01,945 --> 00:53:05,282 今しばらくは家に置いて 厳しく育てねば 645 00:53:05,282 --> 00:53:08,886 ご奉公したとて お役に立つことは… 646 00:53:13,624 --> 00:53:15,959 この儀だけは 647 00:53:15,959 --> 00:53:19,296 お許しいただきとうございます (小笹)お控えなされ 648 00:53:19,296 --> 00:53:22,299 仙桃院様 たってのお頼みでございますぞ 649 00:53:22,299 --> 00:53:24,301 むげにはできますまい 650 00:53:24,301 --> 00:53:28,605 わたくしも1人の母でございます 651 00:53:33,310 --> 00:53:35,913 我が子を思う気持ちは同じ 652 00:53:39,650 --> 00:53:43,954 どうか お許しください 653 00:53:59,336 --> 00:54:02,606 お藤殿 654 00:54:02,606 --> 00:54:05,943 勝手な申し出であった 655 00:54:05,943 --> 00:54:09,947 そなたの言い分は もっともなこと➡ 656 00:54:16,286 --> 00:54:18,622 だがの 657 00:54:18,622 --> 00:54:21,291 信じられぬかもしれぬが 658 00:54:21,291 --> 00:54:25,596 わたくしは 運命を感じたのです 659 00:54:27,631 --> 00:54:32,636 そなたの子 与六と 我が子 喜平次は 660 00:54:34,638 --> 00:54:39,643 星々の縁で 結ばれているのではないかと 661 00:54:46,650 --> 00:54:50,320 お前を喜平次様の小姓にという 662 00:54:50,320 --> 00:54:54,324 ありがた~いお話があった 663 00:54:54,324 --> 00:54:58,328 うちを出て雲洞庵へ行くのだ 嫌じゃ 664 00:54:58,328 --> 00:55:01,265 これは ご主命であるぞ 嫌じゃ! 665 00:55:01,265 --> 00:55:04,601 喜平次様の小姓になれば 出世の道は開け 666 00:55:04,601 --> 00:55:07,604 ゆくゆくは重臣にも お取り立てがかなおうというもの 667 00:55:07,604 --> 00:55:12,910 与六は 父上の跡を継いで 上田の勘定奉行になるのじゃ 668 00:55:15,946 --> 00:55:17,948 そんな寺には行かん! 669 00:55:21,952 --> 00:55:23,954 うっ! (惣右衛門)ここで頭を冷やして➡ 670 00:55:23,954 --> 00:55:27,624 よう考えてみよ (戸が閉まる音) 671 00:55:27,624 --> 00:55:31,962 父上~っ! 672 00:55:31,962 --> 00:55:36,967 ⚟ 父上~っ! ⚟(戸をたたく音) 673 00:55:36,967 --> 00:55:39,303 (惣右衛門のため息) 674 00:55:39,303 --> 00:55:41,305 母上~っ! 675 00:55:41,305 --> 00:55:45,642 母上~っ! 母上~っ! 676 00:55:45,642 --> 00:55:50,314 うおっ! 痛~っ 677 00:55:50,314 --> 00:55:53,650 (お藤)与六は まだ幼い身 678 00:55:53,650 --> 00:55:57,254 5歳で小姓になるなど 聞いたことがございません 679 00:55:58,322 --> 00:56:02,593 どうか こたびだけは… (惣右衛門)辛抱じゃ! 680 00:56:02,593 --> 00:56:07,264 いや わしとて このまま 家族で仲よう暮らしていたい 681 00:56:07,264 --> 00:56:10,867 いや そなたや子どもたちの 幸せが何よりじゃ 682 00:56:12,603 --> 00:56:17,608 だがな 与六は侍の子 683 00:56:21,612 --> 00:56:24,615 ハッ ヘヘッ いやあ 684 00:56:24,615 --> 00:56:27,951 わしなんぞは上田の奉行職が せいぜいの器量じゃったが 685 00:56:27,951 --> 00:56:30,621 なつ 与六のやつは この先 (なつ)はい 686 00:56:30,621 --> 00:56:34,625 精進しだいで越後一国はおろか ひょっとすれば 687 00:56:34,625 --> 00:56:37,294 天下の采配が取れる侍に なれるやもしれん 688 00:56:37,294 --> 00:56:39,630 いや なんと果報なことか➡ 689 00:56:39,630 --> 00:56:43,967 こりゃ 楽しみじゃわい フフフッ 690 00:56:43,967 --> 00:56:47,971 それこそ 侍として生まれた者の本懐じゃ 691 00:56:47,971 --> 00:56:52,976 (笑い声) 692 00:57:00,250 --> 00:57:02,552 (おなかが鳴る音) 693 00:57:03,921 --> 00:57:06,590 ⚟(与七)兄者 694 00:57:06,590 --> 00:57:08,592 ⚟ 母上が持っていけと 695 00:57:20,604 --> 00:57:37,621 ♬~ 696 00:57:37,621 --> 00:57:40,624 父上~っ! 697 00:57:42,626 --> 00:57:46,630 母上~っ! 698 00:57:49,633 --> 00:57:54,972 ⚟ 父上~っ! う~ん 699 00:57:54,972 --> 00:57:59,643 ⚟ 母上~っ! 700 00:57:59,643 --> 00:58:06,249 ⚟(泣き声) 701 00:58:06,249 --> 00:58:08,251 行くでない 702 00:58:10,587 --> 00:58:13,590 (お藤) 様子を見るだけでございます 703 00:58:13,590 --> 00:58:23,266 ♬~ 704 00:58:23,266 --> 00:58:30,273 ⚟(泣き声) 705 00:58:30,273 --> 00:58:33,944 もう いたずらはせぬ 706 00:58:33,944 --> 00:58:37,614 よい子になるから 707 00:58:37,614 --> 00:58:41,918 父上 母上 708 00:58:44,621 --> 00:58:49,960 ⚟(泣き声) 709 00:58:49,960 --> 00:58:52,963 (惣右衛門)《与六は侍の子➡ 710 00:58:52,963 --> 00:58:58,635 それこそ侍として生まれた者の 本懐じゃ ハッ ハハハッ》 711 00:58:58,635 --> 00:59:17,587 ♬~ 712 00:59:17,587 --> 00:59:21,258 (仙桃院)《わたくしは 運命を感じたのです➡ 713 00:59:21,258 --> 00:59:25,595 そちの息子 与六と 我が子 喜平次は➡ 714 00:59:25,595 --> 00:59:31,268 星々の縁によって 結ばれているのではないかと》 715 00:59:31,268 --> 00:59:33,270 ハァッ! 716 00:59:33,270 --> 00:59:53,290 ♬~ 717 00:59:53,290 --> 01:00:00,964 ♬~ 718 01:00:00,964 --> 01:00:03,967 (すすり泣き) 719 01:00:11,975 --> 01:00:16,980 (鳥の鳴き声) 720 01:00:27,991 --> 01:00:32,329 (惣右衛門のあくび) 721 01:00:32,329 --> 01:00:35,999 ほんに どうしたらよいものか? 722 01:00:35,999 --> 01:00:38,001 まだ あのように幼くては 723 01:00:38,001 --> 01:00:41,304 言って聞かしたところで 分からんだろうしのう 724 01:00:43,006 --> 01:00:45,308 (惣右衛門のため息) 725 01:00:56,353 --> 01:00:58,955 与六 出てきなさい 726 01:01:01,958 --> 01:01:03,960 母上… 727 01:01:06,630 --> 01:01:10,634 与六は家を出たくはない 728 01:01:12,969 --> 01:01:17,974 ずっと 父上や母上のお側に いたいのじゃ 729 01:01:25,982 --> 01:01:31,588 どうして 紅葉はあのように 美しいか知っていますか? 730 01:01:34,658 --> 01:01:40,330 木は厳しい冬を乗り越えるために 731 01:01:40,330 --> 01:01:43,333 力を蓄えねばなりません 732 01:01:46,670 --> 01:01:52,008 紅葉が散るは その身代わり 733 01:01:52,008 --> 01:01:54,010 身代わり? 734 01:01:54,010 --> 01:01:59,316 みずからの命を幹に託して 散っていくのです 735 01:02:04,287 --> 01:02:06,590 燃え上がるようなあの色は 736 01:02:09,626 --> 01:02:12,929 我が命より 大切なものを守るための 737 01:02:14,297 --> 01:02:16,633 決意の色 738 01:02:16,633 --> 01:02:35,652 ♬~ 739 01:02:35,652 --> 01:02:40,657 ♬~ 740 01:02:40,657 --> 01:02:44,661 そなたは 741 01:02:44,661 --> 01:02:47,264 あの紅葉になるのです 742 01:02:49,666 --> 01:02:54,004 紅葉のような家臣になりなさい 743 01:02:54,004 --> 01:03:05,949 ♬~ 744 01:03:05,949 --> 01:03:10,620 そのためには 745 01:03:10,620 --> 01:03:13,623 この家を出て 746 01:03:13,623 --> 01:03:16,960 喜平次様にお仕えするのです 747 01:03:16,960 --> 01:03:18,962 母上 748 01:03:24,634 --> 01:03:27,303 きょうから ハァッ 749 01:03:27,303 --> 01:03:30,640 そなたは母の子ではありません 750 01:03:30,640 --> 01:03:36,646 ♬~ 751 01:03:36,646 --> 01:03:41,651 ハァッ この越後の子となるのです 752 01:03:41,651 --> 01:03:46,323 嫌じゃ 与六は母の子じゃ 753 01:03:46,323 --> 01:03:48,325 どこにも行かぬ 754 01:03:52,662 --> 01:03:54,664 もう決めたことなのです! 755 01:03:54,664 --> 01:03:58,001 嫌じゃ 756 01:03:58,001 --> 01:04:01,604 嫌じゃーっ! 757 01:04:01,604 --> 01:04:03,606 嫌じゃーっ 758 01:04:03,606 --> 01:04:08,611 ♬~ 759 01:04:08,611 --> 01:04:13,950 (泣き声) 760 01:04:13,950 --> 01:04:33,970 ♬~ 761 01:04:33,970 --> 01:04:47,984 ♬~ 762 01:04:51,654 --> 01:04:56,326 体には気をつけるのですよ 763 01:04:56,326 --> 01:04:58,995 かぜをひかぬように 764 01:04:58,995 --> 01:05:02,932 わしは捨てられるのか? 765 01:05:02,932 --> 01:05:06,936 喜平次様に しっかりとお仕えするのです 766 01:05:15,278 --> 01:05:25,955 ♬~ 767 01:05:25,955 --> 01:05:27,957 (惣右衛門)では 行くぞ 768 01:05:27,957 --> 01:05:44,974 ♬~ 769 01:05:44,974 --> 01:05:49,979 ♬~ 770 01:05:49,979 --> 01:05:51,981 (惣右衛門)与六 771 01:05:51,981 --> 01:06:09,933 ♬~ 772 01:06:09,933 --> 01:06:14,938 ♬~ 773 01:06:14,938 --> 01:06:19,943 (お藤の泣き声) 774 01:06:19,943 --> 01:06:28,284 ♬~ 775 01:06:28,284 --> 01:06:30,286 (惣右衛門)では よろしく 776 01:06:34,958 --> 01:06:36,960 父もここまでじゃ 777 01:06:41,297 --> 01:06:43,299 よいか 与六 778 01:06:43,299 --> 01:06:47,303 立派な家臣になるよう 誠心誠意お勤めいたしますと 779 01:06:47,303 --> 01:06:49,305 そう言うのじゃぞ 780 01:06:50,974 --> 01:06:54,644 ハハッ どうした? 781 01:06:54,644 --> 01:06:57,981 ハッハッハッ… ハァッ 782 01:06:57,981 --> 01:06:59,983 父上 783 01:06:59,983 --> 01:07:15,598 ♬~ 784 01:07:15,598 --> 01:07:20,603 ♬~ 785 01:07:20,603 --> 01:07:24,941 今は まだ分からぬかもしれぬが 786 01:07:24,941 --> 01:07:26,943 これが いちばんよいのじゃ 787 01:07:26,943 --> 01:07:34,951 ♬~ 788 01:07:36,619 --> 01:07:41,624 (小姓たち)来た来た! ちっちゃいのう 邪魔だ 邪魔… 789 01:07:47,297 --> 01:07:51,301 よう来たの さっ これへ 790 01:07:58,641 --> 01:08:00,910 こちらにおられるのが 791 01:08:00,910 --> 01:08:05,581 越後の国主 上杉輝虎様➡ 792 01:08:05,581 --> 01:08:07,584 お隣が➡ 793 01:08:07,584 --> 01:08:11,921 そなたがお仕えする喜平次様➡ 794 01:08:11,921 --> 01:08:16,526 そして 母御の仙桃院様だ➡ 795 01:08:23,600 --> 01:08:25,601 そして わしが 796 01:08:25,601 --> 01:08:28,605 これから そなたの師となる 797 01:08:28,605 --> 01:08:31,608 北高全祝じゃ 798 01:08:35,945 --> 01:08:41,618 きょうより 喜平次と共に この寺で学ぶがよい 799 01:08:41,618 --> 01:08:45,622 志を高く持ち いかなる苦難に出合おうとも 800 01:08:45,622 --> 01:08:47,623 くじけるではないぞ 801 01:08:54,964 --> 01:08:58,968 さあさあ みずから名乗るのじゃ 802 01:09:03,906 --> 01:09:08,244 きょうから 喜平次様にお仕えいたします 803 01:09:08,244 --> 01:09:13,583 樋口惣右衛門が一子 与六でございます 804 01:09:13,583 --> 01:09:17,253 こののち 立派な家臣になるべく 805 01:09:17,253 --> 01:09:19,255 誠心誠意… 806 01:09:24,260 --> 01:09:26,262 (全祝)どうした? 807 01:09:28,598 --> 01:09:31,267 ことばが続かぬのは 808 01:09:31,267 --> 01:09:36,939 人のことばを うのみにして 語ろうとするからじゃ➡ 809 01:09:36,939 --> 01:09:40,543 どうじゃ? まだ出ぬか? 810 01:09:41,611 --> 01:09:44,614 真の己のことばが 811 01:09:57,293 --> 01:10:01,297 わしは こんなとこ 812 01:10:01,297 --> 01:10:03,299 来とうはなかった! 813 01:10:03,299 --> 01:10:09,972 ♬~ 814 01:10:09,972 --> 01:10:13,309 (輝虎の笑い声) 815 01:10:13,309 --> 01:10:32,995 ♬~ 816 01:10:32,995 --> 01:10:35,331 気に入った 817 01:10:35,331 --> 01:10:51,347 ♬~ 818 01:10:51,347 --> 01:10:56,018 <このとき 与六は5歳でございました> 819 01:10:56,018 --> 01:10:59,689 <そして 夜空の王 北極星を守る➡ 820 01:10:59,689 --> 01:11:02,959 北斗七星のような 家臣になるため➡ 821 01:11:02,959 --> 01:11:07,296 喜平次に 仕え始めたのでございます> 822 01:11:07,296 --> 01:11:12,602 ♬~ 823 01:11:13,636 --> 01:11:16,639 (惣右衛門) 与六は わしらに捨てられたと 思うておるのであろう 824 01:11:16,639 --> 01:11:20,309 母上は元気にしておる お前のこと気にかけておったぞ 825 01:11:20,309 --> 01:11:22,979 己が身につけたもの すべてを教えたいのです 826 01:11:22,979 --> 01:11:26,315 小姓たちも連れていって かまいませぬか? 827 01:11:26,315 --> 01:11:30,319 わしは こんなとこ 本当に来とうはなかった! 828 01:11:30,319 --> 01:11:32,321 (喜平次)与六がおりませぬ➡ 829 01:11:32,321 --> 01:11:34,657 里の家へ戻ったのでは? 830 01:11:34,657 --> 01:11:37,994 (全祝)喜平次殿が 本当に与六を➡ 831 01:11:37,994 --> 01:11:42,665 家臣としたいかどうかが大事 832 01:11:42,665 --> 01:11:50,339 ♬~ 833 01:11:50,339 --> 01:11:52,341 (安部) 兼続あっての上田衆よ 834 01:11:52,341 --> 01:11:55,011 (久秀)お前がおらんと 上田衆はまとまらん 835 01:11:55,011 --> 01:11:57,346 えいえいおーっ! 836 01:11:57,346 --> 01:12:00,616 (景虎)そなたを妻としよう ここに こうしていることができる➡ 837 01:12:00,616 --> 01:12:02,952 まるで夢のようじゃ 838 01:12:02,952 --> 01:12:04,954 (お船)どうどう どうどう➡ 839 01:12:04,954 --> 01:12:08,291 このごろの若侍は 馬の扱いもできぬと見える 840 01:12:08,291 --> 01:12:10,626 泣き虫 841 01:12:10,626 --> 01:12:14,297 (与七)母上が どれだけ兄上を待っていたか! 842 01:12:14,297 --> 01:12:16,966 なぜにもっと早く 帰ってこなかったのじゃ! 843 01:12:16,966 --> 01:12:19,969 母上~っ! 844 01:12:19,969 --> 01:12:21,971 初音どの? 845 01:12:21,971 --> 01:12:26,309 覚えていてくれたのですね 助けてあげましょうか? 846 01:12:26,309 --> 01:12:28,978 天下にはこういう男もいるのか 847 01:12:28,978 --> 01:12:32,315 (佐吉)ただのあほうだな あほうは好きではない 848 01:12:32,315 --> 01:12:36,652 (秀吉)命が惜しくば じっと 縮こまっておられることじゃ 849 01:12:36,652 --> 01:12:40,323 (信長)あやつの首 謙信に送ってやれ 850 01:12:40,323 --> 01:12:42,325 この兼続のいる場所は 851 01:12:42,325 --> 01:12:45,328 殿のお側をおいて ほかにはないのです 852 01:12:45,328 --> 01:12:47,663 供をせい! はっ! 853 01:12:47,663 --> 01:12:52,001 (仙桃院)北斗の七星 兼続 そなたの星 854 01:12:52,001 --> 01:12:55,671 この兼続 二度と殿のお側を 離れませぬ 855 01:12:55,671 --> 01:12:59,275 北斗の七星のごとく お仕えいたします