1 00:00:04,972 --> 00:00:07,975 (兼続) 畏れながらお断りいたします 2 00:00:07,975 --> 00:00:10,978 (与六)こんなとこ 来とうはなかった! 3 00:00:10,978 --> 00:00:12,980 (ナレーション) <たくましく かつ➡ 4 00:00:12,980 --> 00:00:15,983 幼いながらに 頑固な少年 与六> 5 00:00:15,983 --> 00:00:18,318 これは ご主命であるぞ 嫌じゃ 6 00:00:18,318 --> 00:00:20,654 (ナレーション)<群雄割拠> 7 00:00:20,654 --> 00:00:22,656 <このころ越後は➡ 8 00:00:22,656 --> 00:00:25,659 上杉輝虎によって 治められていましたが➡ 9 00:00:25,659 --> 00:00:27,661 領内で内紛が起こり➡ 10 00:00:27,661 --> 00:00:30,998 城主である父を亡くした 喜平次は> 11 00:00:30,998 --> 00:00:36,003 ♬~ 12 00:00:36,003 --> 00:00:39,006 (輝虎)喜平次 わしの子になれ 13 00:00:39,006 --> 00:00:41,008 ならば ふぬけじゃ~ 14 00:00:41,008 --> 00:00:43,010 (ナレーション) <北斗の星の運命によって 15 00:00:43,010 --> 00:00:46,013 引き寄せられてゆく 与六と喜平次> 16 00:00:47,681 --> 00:00:51,351 <頑固なまでに 上杉家を支え続けた武将➡ 17 00:00:51,351 --> 00:00:53,353 直江兼続の生涯は➡ 18 00:00:53,353 --> 00:00:56,023 ここから始まったのです> 19 00:00:56,023 --> 00:01:15,976 ♬~ 20 00:01:15,976 --> 00:01:35,996 ♬~ 21 00:01:35,996 --> 00:01:56,016 ♬~ 22 00:01:56,016 --> 00:02:15,969 ♬~ 23 00:02:15,969 --> 00:02:35,989 ♬~ 24 00:02:35,989 --> 00:02:56,009 ♬~ 25 00:02:56,009 --> 00:03:15,962 ♬~ 26 00:03:15,962 --> 00:03:25,972 ♬~ 27 00:03:25,972 --> 00:03:37,984 ♬~ 28 00:03:37,984 --> 00:03:44,591 ♬~ 29 00:03:46,660 --> 00:03:50,997 (語り) <ここは越後の国 上田庄> 30 00:03:50,997 --> 00:03:55,669 (あくび) 31 00:03:55,669 --> 00:03:58,672 漏れちゃう 漏れちゃうっ… 32 00:03:58,672 --> 00:04:01,274 <永禄7年 秋➡ 33 00:04:01,274 --> 00:04:04,611 樋口与六 後の直江兼続は➡ 34 00:04:04,611 --> 00:04:07,948 幼き領主 喜平次の小姓となり➡ 35 00:04:07,948 --> 00:04:12,552 雲洞庵で修行に励むことに なったのでございます> 36 00:04:15,622 --> 00:04:17,958 <与六は まだ5歳> 37 00:04:17,958 --> 00:04:22,295 <いちばん幼い小姓で ございました> 38 00:04:22,295 --> 00:04:27,634 昔 かの達磨大師に 39 00:04:27,634 --> 00:04:30,971 己の不安を取り除くには 40 00:04:30,971 --> 00:04:36,309 どうすればよいかと 弟子が尋ねた➡ 41 00:04:36,309 --> 00:04:40,313 大師は弟子に言った➡ 42 00:04:40,313 --> 00:04:46,987 では その不安とやらを ここに取り出してみせよと 43 00:04:46,987 --> 00:04:50,290 なぜか 分かるか?➡ 44 00:04:52,325 --> 00:04:54,327 又五郎! 45 00:04:55,328 --> 00:04:57,664 分かりませぬ 46 00:04:57,664 --> 00:05:03,937 (全祝)そうか そなた ここでの修行が続くかどうか➡ 47 00:05:03,937 --> 00:05:08,241 不安があるじゃろ? それを出してみよ 48 00:05:09,276 --> 00:05:11,278 (又五郎)出せませぬ (全祝)たわけ! 49 00:05:11,278 --> 00:05:13,280 ああ~っ 50 00:05:13,280 --> 00:05:15,615 (全祝)出すのじゃ 51 00:05:15,615 --> 00:05:19,619 (泣き声) 52 00:05:21,288 --> 00:05:24,291 喜平次殿は どうじゃな? 53 00:05:25,959 --> 00:05:29,262 不安という心は形の無いもの 54 00:05:30,630 --> 00:05:33,233 形の無いものは出せませぬ 55 00:05:34,968 --> 00:05:36,970 そのとおり!➡ 56 00:05:38,305 --> 00:05:42,309 その弟子もようやく そのことに気付き➡ 57 00:05:42,309 --> 00:05:47,914 不安など あってないものと 悟ったのじゃ 58 00:05:48,982 --> 00:05:51,651 あそこには主のような イワナがおるそうじゃ 59 00:05:51,651 --> 00:05:53,653 はよう 釣りに行こう (藤丸)おうっ 60 00:05:53,653 --> 00:05:55,956 (小姓たちのはしゃぎ声) 61 00:05:57,324 --> 00:06:00,227 喜平次様も 我らとご一緒にいかがですか? 62 00:06:05,932 --> 00:06:08,935 よい 書物を読んでおる 63 00:06:13,940 --> 00:06:16,943 (又五郎)申し訳ないが 我らだけのほうが気が楽じゃ 64 00:06:16,943 --> 00:06:20,280 (藤丸)気を遣うからのう あまり話もされぬし 65 00:06:20,280 --> 00:06:23,950 わしは まだ 喜平次様が 笑われたところを見たこともない 66 00:06:23,950 --> 00:06:26,620 あっ わしも見たことがない (仁介)確かに 67 00:06:26,620 --> 00:06:28,955 何をお考えかは ちと分かりにくい 68 00:06:28,955 --> 00:06:31,958 だが 我らの殿じゃ ひたすらにお仕えせねば 69 00:06:31,958 --> 00:06:33,960 どこへ行くのじゃ 70 00:06:36,630 --> 00:06:38,632 裏の川へ イワナ釣りじゃ 71 00:06:38,632 --> 00:06:40,967 わしも行きたいっ おチビは留守番じゃ 72 00:06:40,967 --> 00:06:43,970 おチビではないと言うておる 73 00:06:44,971 --> 00:06:46,973 ふんっ おチビじゃ おチビじゃ 74 00:06:46,973 --> 00:06:48,975 (又五郎)そうじゃ 留守番じゃ 75 00:06:53,313 --> 00:06:57,317 うお~ ハッハッ… うんっ 76 00:06:57,317 --> 00:07:00,253 喜平次の様子は いかがでございましょう? 77 00:07:00,253 --> 00:07:03,590 皆と仲よくしている様子は ございますか? 78 00:07:03,590 --> 00:07:05,925 ご心配 召さるな 79 00:07:05,925 --> 00:07:07,928 与六とは どうでございます? 80 00:07:07,928 --> 00:07:11,932 何か 打ち解け合った様子は ございましたか? 81 00:07:11,932 --> 00:07:15,602 仙桃院様 (仙桃院)はい 82 00:07:15,602 --> 00:07:18,605 喜平次殿が赤子のとき 83 00:07:18,605 --> 00:07:22,609 どうなされましたかな? (仙桃院)えっ? 84 00:07:22,609 --> 00:07:27,947 這えば立つ 立てば やがて歩き出す 85 00:07:27,947 --> 00:07:30,950 それを見守って いらっしゃったのでは 86 00:07:30,950 --> 00:07:33,286 ありませんか? 87 00:07:33,286 --> 00:07:38,625 見守るとは ほんに忍耐のいること 88 00:07:38,625 --> 00:07:42,228 それもまた修行のひとつ 89 00:07:44,964 --> 00:07:48,301 喜平次様は どうしておられるかのう? 90 00:07:48,301 --> 00:07:52,305 こんなにお顔を見んのは 初めてのこと 91 00:07:52,305 --> 00:07:54,908 お会いするのが 楽しみじゃて 92 00:07:58,978 --> 00:08:02,582 そなたも久しぶりに 我が子に会えるの 93 00:08:02,582 --> 00:08:05,251 いやあ お小姓に差し出した以上は 94 00:08:05,251 --> 00:08:07,854 親といっても そう なれなれしくはできませぬ 95 00:08:10,924 --> 00:08:12,926 ハッハッハッ…➡ 96 00:08:12,926 --> 00:08:15,929 ほいっ ああ~ ほいっ 97 00:08:15,929 --> 00:08:20,934 (火縄が燃える音) 98 00:08:24,938 --> 00:08:26,940 (発砲音) 99 00:08:26,940 --> 00:08:28,942 (小姓たち)おお~ 100 00:08:28,942 --> 00:08:31,277 すごいのう! これが鉄砲か 101 00:08:31,277 --> 00:08:33,947 (惣右衛門)御屋形様が 届けてくだされたのじゃ 102 00:08:33,947 --> 00:08:36,282 順に放て~っ 103 00:08:36,282 --> 00:08:38,284 (発砲音) 104 00:08:38,284 --> 00:08:41,955 (小姓たち) おお~ 見事じゃ すごいのう… 105 00:08:41,955 --> 00:08:44,624 父上 耳が痛い 106 00:08:44,624 --> 00:08:47,227 お前は 近づきすぎじゃて 107 00:08:49,963 --> 00:08:54,968 ああ… さあ しっかり見ておくのだ 108 00:08:54,968 --> 00:08:56,970 ほら 戻れ 戻れ… 109 00:08:56,970 --> 00:08:58,972 (三介)震えとるぞ 大丈夫か? (藤丸)大丈夫か? 110 00:08:58,972 --> 00:09:01,574 (家臣)頬を付けて いいか… (三介)おお なかなかうまいな 111 00:09:02,909 --> 00:09:06,246 (家臣) ここで決まったら 火蓋を切る➡ 112 00:09:06,246 --> 00:09:09,582 こうして… ああ そうじゃ そうじゃ 113 00:09:09,582 --> 00:09:14,587 人殺しの道具を この寺で教えるとはな 114 00:09:14,587 --> 00:09:16,923 申し訳ございませぬ 115 00:09:16,923 --> 00:09:19,592 ですが み仏にお仕えする 和尚殿とは違い 116 00:09:19,592 --> 00:09:22,929 侍は国を守り 戦う者でございますれば 117 00:09:22,929 --> 00:09:26,599 知っておる ひと言 言いたかっただけじゃ 118 00:09:26,599 --> 00:09:28,601 はっ… ははあ 119 00:09:31,604 --> 00:09:34,274 重い (藤丸と三介の笑い声) 120 00:09:34,274 --> 00:09:40,947 あのう… あっ 与六は ちゃんと 修行しておりますでしょうか? 121 00:09:40,947 --> 00:09:45,285 ほかの子どもたちと仲よくし 喜平次様に粗相なくお仕えして… 122 00:09:45,285 --> 00:09:48,288 今 始まったばかりじゃ 123 00:09:48,288 --> 00:09:53,293 ほんに 今どきの親は 子どもの成長を焦りすぎじゃ 124 00:09:53,293 --> 00:09:55,295 はあ… ははっ 125 00:09:57,297 --> 00:09:59,632 (仁介)これも 御屋形様からの下され物じゃ 126 00:09:59,632 --> 00:10:01,634 これが京の干菓子か 127 00:10:04,637 --> 00:10:08,942 うまいっ こんなうまいものは初めてじゃ 128 00:10:13,980 --> 00:10:15,982 父上! 129 00:10:18,318 --> 00:10:22,655 父上 これを母上に 130 00:10:22,655 --> 00:10:25,658 お前は いいのか? もう食べた 131 00:10:25,658 --> 00:10:29,996 よし では 渡しておく 喜ぶぞ 132 00:10:29,996 --> 00:10:31,998 (家臣たち)フッフッフッ… 133 00:10:31,998 --> 00:10:34,300 あっ 先に (家臣たち)はっ 134 00:10:40,006 --> 00:10:44,344 母上は元気にしておる お前のこと気にかけておったぞ➡ 135 00:10:44,344 --> 00:10:46,946 ハッハッ… 136 00:10:52,685 --> 00:10:54,687 (惣右衛門)食べんのか? 137 00:10:54,687 --> 00:10:57,690 あっ これは 大事に取っておきます 138 00:10:57,690 --> 00:11:00,627 せっかく与六が 私にくれたものですから 139 00:11:00,627 --> 00:11:02,629 (与七)母上 140 00:11:02,629 --> 00:11:05,965 何です? (与七)わしも 兄者のように➡ 141 00:11:05,965 --> 00:11:09,269 いつか この家を出されるのか? 142 00:11:13,973 --> 00:11:16,276 そなたは ずっとここにおればよい 143 00:11:20,980 --> 00:11:22,982 ああ~っ 144 00:11:22,982 --> 00:11:25,985 与六はわしらに捨てられたと 思うておるのであろう 145 00:11:25,985 --> 00:11:28,321 それが ふびんでのう 146 00:11:28,321 --> 00:11:33,660 気張ってはおるが なんといっても まだ5歳じゃ 147 00:11:33,660 --> 00:11:35,995 泣き言ひとつも 言わずにいるようだか 148 00:11:35,995 --> 00:11:38,998 あれで もつのかのう… 149 00:11:38,998 --> 00:11:42,001 大事ありませぬ (惣右衛門)だがのう… 150 00:11:42,001 --> 00:11:45,338 大事ありませぬ 151 00:11:45,338 --> 00:11:49,008 仙桃院様が仰せになられました 152 00:11:49,008 --> 00:11:52,679 与六は北斗の七星であると 153 00:11:52,679 --> 00:11:55,682 北斗の七星? 154 00:11:55,682 --> 00:11:59,686 フフッ わたくしは それを信じております 155 00:12:03,623 --> 00:12:06,626 何じゃ? 七星とは 156 00:12:06,626 --> 00:12:08,628 夜空の星じゃ 157 00:12:09,629 --> 00:12:11,631 それは分かっておる 158 00:12:11,631 --> 00:12:31,651 ♬~ 159 00:12:31,651 --> 00:12:44,998 ♬~ 160 00:12:44,998 --> 00:12:46,100 母上… 161 00:12:48,668 --> 00:12:53,673 (小姓たちのはしゃぎ声) 162 00:12:56,676 --> 00:12:58,678 母御に会いたいのか? 163 00:12:59,946 --> 00:13:02,248 会わせてくれるのか? 164 00:13:05,952 --> 00:13:07,954 帰ってもよいのか? 165 00:13:09,288 --> 00:13:12,625 これ 無礼なことを申すでない 166 00:13:12,625 --> 00:13:14,627 帰れるわけないであろう 167 00:13:30,977 --> 00:13:38,985 <年が明け 越後はことしも 深い雪に閉ざされておりました> 168 00:13:38,985 --> 00:13:43,322 <上杉輝虎 後の 上杉謙信の居城➡ 169 00:13:43,322 --> 00:13:45,658 春日山城では> 170 00:13:45,658 --> 00:13:48,661 武田が上野に 攻め入ったそうじゃ 171 00:13:48,661 --> 00:13:51,998 またしても… あちちっ あちいっ (景綱)うん 172 00:13:51,998 --> 00:13:54,667 小田原の北条とも 結んでおるというしのう 173 00:13:54,667 --> 00:13:57,670 (柿崎)武田めっ こざかしいまね しおって 174 00:13:57,670 --> 00:14:00,940 う~ん 早いとこ 止めるしかないであろう➡ 175 00:14:00,940 --> 00:14:05,611 出陣じゃ 今すぐにでも出陣じゃ! (騒ぎ声) 176 00:14:05,611 --> 00:14:07,613 この雪ですぞ 177 00:14:07,613 --> 00:14:09,615 わあっ ああ… 178 00:14:09,615 --> 00:14:12,952 さあさ お酒でも飲んで 179 00:14:12,952 --> 00:14:16,289 フフフッ… 憂さを晴らしてくださいませ 180 00:14:16,289 --> 00:14:18,958 おおっ おうおう… 181 00:14:18,958 --> 00:14:22,295 御屋形様は また坂戸でございますか 182 00:14:22,295 --> 00:14:25,298 養子にされた喜平次様のことが 183 00:14:25,298 --> 00:14:27,633 よほど気にかかるんだろう 184 00:14:27,633 --> 00:14:31,971 だが 思い切ったことを なされたものじゃ 185 00:14:31,971 --> 00:14:35,308 喜平次様は 元服もまだじゃというのにのう 186 00:14:35,308 --> 00:14:39,645 ああ まだ どのようなご器量かも 分かったものではない 187 00:14:39,645 --> 00:14:41,981 御屋形様が決めたことじゃ 188 00:14:41,981 --> 00:14:45,318 御屋形様の目に 狂いはございませぬ 189 00:14:45,318 --> 00:14:47,653 お主らとは違うのじゃ~ 190 00:14:47,653 --> 00:14:52,658 アッハハッ ご命中~ (笑い声) 191 00:14:52,658 --> 00:14:58,331 ♬~ 192 00:14:58,331 --> 00:15:01,934 またこうして雪が降ると 193 00:15:01,934 --> 00:15:05,605 山の向こうでは お前様を当てにできず 194 00:15:05,605 --> 00:15:08,908 敵国に寝返る者も出るであろうな 195 00:15:10,943 --> 00:15:13,246 (輝虎)いつものことでございます 196 00:15:15,948 --> 00:15:18,618 この雪さえ無くば 197 00:15:18,618 --> 00:15:22,221 とうの昔に 関東を治めておりましょう 198 00:15:23,289 --> 00:15:25,625 されど この雪のおかげで 199 00:15:25,625 --> 00:15:29,962 越後には 米が実ります 200 00:15:29,962 --> 00:15:35,301 喜平次も申しておりましたが 米が実れば百姓たちが喜ぶと 201 00:15:35,301 --> 00:15:37,970 喜平次がそんなことを? 202 00:15:37,970 --> 00:15:43,276 喜平次は よき大将の器にございます➡ 203 00:15:47,647 --> 00:15:49,649 で いかがしておりますか? 204 00:15:51,317 --> 00:15:53,986 (仙桃院) 何も知らせがないところを見ると 205 00:15:53,986 --> 00:15:57,290 無事 修行に励んでおるのでしょう 206 00:15:58,658 --> 00:16:02,595 雪が溶けたら 喜平次を春日山に よこされては? 207 00:16:02,595 --> 00:16:04,897 無論 姉上もご一緒に 208 00:16:06,599 --> 00:16:08,601 春日山へ? 209 00:16:08,601 --> 00:16:11,270 この輝虎の手元で 210 00:16:11,270 --> 00:16:13,873 己が身につけたものすべてを 教えたいのです 211 00:16:15,608 --> 00:16:18,611 それは願ってもないこと 212 00:16:19,612 --> 00:16:22,615 その折は 共に修行をしている小姓たちも 213 00:16:22,615 --> 00:16:24,617 連れていって かまいませぬか? 214 00:16:24,617 --> 00:16:26,919 もちろんでございます 215 00:16:29,622 --> 00:16:32,625 ああ そういえば 216 00:16:32,625 --> 00:16:35,928 あの おもしろき小姓は どうしておりましょうな 217 00:16:39,298 --> 00:16:43,302 <そして 雲洞庵の与六はといえば> 218 00:16:45,638 --> 00:16:48,307 ほれ 一人で できる 219 00:16:48,307 --> 00:16:52,311 <寂しさをこらえるためも あったのでございましょう> 220 00:16:52,311 --> 00:16:56,315 <幼い与六は かたくなになっておりました> 221 00:16:57,984 --> 00:17:00,920 与六 そう肩ひじを張るでない 222 00:17:00,920 --> 00:17:03,256 手伝ってやろうとしておるのじゃ 223 00:17:03,256 --> 00:17:05,591 わし一人でできる 224 00:17:05,591 --> 00:17:08,261 おチビ 一人で何ができる また おチビと言ったな 225 00:17:08,261 --> 00:17:10,863 おチビをおチビと言って何が悪い 226 00:17:12,265 --> 00:17:15,568 (仁介)やめぬか やめぬか (小姓たちの騒ぎ声) 227 00:17:19,605 --> 00:17:21,607 又五郎 228 00:17:21,607 --> 00:17:26,913 年下相手に むきになり 恥ずかしいと思うがよい 229 00:17:27,947 --> 00:17:29,949 与六 そなたも➡ 230 00:17:29,949 --> 00:17:32,952 意地を張りすぎておるのが 分からんのか 231 00:17:32,952 --> 00:17:37,957 そのような心では 人と交わることはできんぞ 232 00:17:39,292 --> 00:17:44,897 罰として2人して 薪を拾うてこい 233 00:17:47,300 --> 00:17:50,603 (又五郎)お前のせいだぞ おチビ 234 00:17:54,307 --> 00:17:58,978 どうして俺まで薪拾いなど 235 00:17:58,978 --> 00:18:04,917 (オオカミの鳴き声) ハッ 236 00:18:04,917 --> 00:18:08,254 戻ろうっ 探したが無かったと言えばよい 237 00:18:08,254 --> 00:18:11,591 どっかに落ちているはずじゃ 238 00:18:11,591 --> 00:18:13,592 おおお… おい 待てっ 239 00:18:14,593 --> 00:18:16,595 あった! 240 00:18:16,595 --> 00:18:18,598 ああ~っ 241 00:18:20,600 --> 00:18:24,937 (全祝) ハハッ 何も拾うてこなんだか? (又五郎)はい 242 00:18:24,937 --> 00:18:27,273 寒かったであろう? (又五郎)はい 243 00:18:27,273 --> 00:18:30,610 ああ~ ああ おうおう 244 00:18:30,610 --> 00:18:34,613 傷をこさえて 痛かったであろう 245 00:18:34,613 --> 00:18:36,616 (すすり泣き) 246 00:18:36,616 --> 00:18:40,620 ハハッ よしよし 手当てをしてもらい 247 00:18:40,620 --> 00:18:42,922 すぐ 夕げとするがよい 248 00:18:44,957 --> 00:18:50,296 おうっ そなたは拾うてきたか 249 00:18:50,296 --> 00:18:53,632 はい ご苦労であった 250 00:18:53,632 --> 00:18:56,969 寒かったであろう? 寒くはなかった 251 00:18:56,969 --> 00:18:59,905 そうか 252 00:18:59,905 --> 00:19:04,910 ほう~ 痛かったであろう? 253 00:19:04,910 --> 00:19:06,912 痛くもないっ 254 00:19:06,912 --> 00:19:09,915 まだ意地を張り通すか 255 00:19:09,915 --> 00:19:13,252 ならば そなたに手当ては無用 256 00:19:13,252 --> 00:19:15,254 食事も抜きじゃっ 257 00:19:22,928 --> 00:19:27,933 (すすり泣き) 258 00:19:30,603 --> 00:19:35,608 《♪(お藤の子守歌)》 259 00:19:35,608 --> 00:19:46,619 ♪~ 260 00:19:51,624 --> 00:19:53,626 母上 261 00:20:02,635 --> 00:20:04,637 与六 262 00:20:06,972 --> 00:20:12,978 わしは こんなとこ 本当に来とうはなかった! 263 00:20:14,313 --> 00:20:20,986 わしは あの家で 父上 母上と 暮らしていたかったのじゃ 264 00:20:20,986 --> 00:20:24,323 どうして わしを呼んだのじゃ 265 00:20:24,323 --> 00:20:27,993 わしは喜平次様の小姓になど 266 00:20:27,993 --> 00:20:30,296 なりとう なかったのに! 267 00:20:47,012 --> 00:21:06,966 ♬~ 268 00:21:06,966 --> 00:21:13,639 ♬~ 269 00:21:13,639 --> 00:21:16,642 ⚟(喜平次) 和尚様 喜平次でござります 270 00:21:16,642 --> 00:21:19,311 何用でござるかな? 271 00:21:19,311 --> 00:21:21,647 ⚟ 与六が おりませぬ 272 00:21:21,647 --> 00:21:24,650 ⚟ もしや里の家へ戻ったのでは 273 00:21:25,985 --> 00:21:27,987 どうすれば よろしいでしょうか? 274 00:21:29,655 --> 00:21:34,660 ⚟(全祝)それを決めるのは わしでは ありませんな 275 00:21:35,661 --> 00:21:39,331 喜平次殿が本当に 276 00:21:39,331 --> 00:21:46,338 与六を家臣としたいか どうかが 大事 277 00:21:49,675 --> 00:21:52,678 ⚟ わしは好かれては おらぬゆえ 278 00:21:52,678 --> 00:22:09,628 ♬~ 279 00:22:09,628 --> 00:22:14,633 素直な気持ちを お伝えなされ 280 00:22:14,633 --> 00:22:24,643 ♬~ 281 00:22:24,643 --> 00:22:36,989 ♬~ 282 00:22:36,989 --> 00:22:40,993 ⚟(足音) 283 00:22:40,993 --> 00:22:53,672 ♬~ 284 00:22:53,672 --> 00:22:57,343 <そのころ 喜平次が案じたとおり➡ 285 00:22:57,343 --> 00:23:03,616 与六は雪の中 一人 家へと 山を下っていたのでございます> 286 00:23:03,616 --> 00:23:14,293 ♬~ 287 00:23:14,293 --> 00:23:16,295 うわっ 288 00:23:17,963 --> 00:23:21,967 与六~! 与六~! 289 00:23:21,967 --> 00:23:23,969 与六~! 290 00:23:23,969 --> 00:23:28,974 ♬~ 291 00:23:28,974 --> 00:23:30,976 与六~! 292 00:23:31,977 --> 00:23:34,313 与六~! 293 00:23:34,313 --> 00:23:42,921 ♬~ 294 00:23:45,991 --> 00:23:48,594 起きたのか? (与七)父上は? 295 00:23:50,329 --> 00:23:52,998 ゆうべはお城で宿直をなされた 296 00:23:52,998 --> 00:23:57,670 この雪ですから ほら さあ 297 00:23:57,670 --> 00:24:01,573 ⚟(物音) 298 00:24:22,294 --> 00:24:24,296 (お藤)うっ…➡ 299 00:24:30,302 --> 00:24:33,639 うっ ハッ 300 00:24:33,639 --> 00:24:35,641 ハァ 301 00:24:37,976 --> 00:24:39,978 ハァ… 302 00:24:41,980 --> 00:24:43,983 (お藤の息を吸う音) 303 00:24:53,325 --> 00:24:55,327 与六っ 304 00:24:59,331 --> 00:25:01,266 与六… 305 00:25:01,266 --> 00:25:06,939 母上… ハッ どうしたのです? 306 00:25:06,939 --> 00:25:08,941 さっ 中へ 307 00:25:16,949 --> 00:25:18,951 ああっ 308 00:25:20,285 --> 00:25:25,958 (すすり泣き) 309 00:25:25,958 --> 00:25:28,560 こんなに冷たくなって… 310 00:25:35,300 --> 00:25:37,302 何かあったのか? 311 00:25:39,638 --> 00:25:43,642 与六は 母上のお側がよい 312 00:25:43,642 --> 00:25:46,979 (すすり泣き) 313 00:25:46,979 --> 00:25:51,283 あんなとこに いとうはない 314 00:26:00,592 --> 00:26:02,594 ハァ… 315 00:26:09,935 --> 00:26:15,274 (すすり泣き) 316 00:26:15,274 --> 00:26:17,276 与六… 317 00:26:21,613 --> 00:26:23,916 もっ… 戻るのです 318 00:26:25,951 --> 00:26:28,954 母上… 319 00:26:28,954 --> 00:26:33,292 寺へ… 戻りなされ 320 00:26:33,292 --> 00:26:35,294 嫌じゃ 321 00:26:36,962 --> 00:26:41,967 (すすり泣き) 322 00:26:43,969 --> 00:26:47,639 あっ さあっ 323 00:26:47,639 --> 00:26:49,641 (戸をたたく音) 母上 324 00:26:51,310 --> 00:26:54,980 ⚟(戸をたたく音) そなたは 325 00:26:54,980 --> 00:26:59,918 もう母の子ではないと言ったはず ⚟ 母上~ 母上~… 326 00:26:59,918 --> 00:27:04,523 そなたは この越後の子となったのですよ 327 00:27:05,924 --> 00:27:13,599 母上~ 母上~ 328 00:27:13,599 --> 00:27:16,268 ⚟(戸をたたく音) 329 00:27:16,268 --> 00:27:20,272 ⚟ 母上~ ⚟(戸をたたく音) 330 00:27:21,607 --> 00:27:25,611 ⚟母上~! 331 00:27:25,611 --> 00:27:27,613 お前は奥に行ってなさい 332 00:27:27,613 --> 00:27:31,617 母上~ 333 00:27:31,617 --> 00:27:34,620 ⚟ 母上~ 母上~… 334 00:27:34,620 --> 00:27:47,299 ♬~ 335 00:27:47,299 --> 00:27:50,302 (すすり泣き) ⚟ 母上~ 母上~! 336 00:27:50,302 --> 00:27:53,639 ⚟(戸をたたく音) 337 00:27:53,639 --> 00:28:01,580 ♬~ 338 00:28:01,580 --> 00:28:03,582 母上… 339 00:28:03,582 --> 00:28:13,592 ♬~ 340 00:28:13,592 --> 00:28:29,608 ♬~ 341 00:28:29,608 --> 00:28:31,610 あっ… 342 00:28:34,613 --> 00:28:39,618 (すすり泣き) 343 00:28:41,620 --> 00:28:46,625 ⚟(喜平次の息切れ) 344 00:28:48,627 --> 00:28:50,629 与六 345 00:28:56,969 --> 00:28:58,971 ハッ… 346 00:29:02,574 --> 00:29:04,576 戻るのじゃ 347 00:29:06,578 --> 00:29:08,580 もう歩けぬ 348 00:29:24,596 --> 00:29:29,935 ♬~ 349 00:29:29,935 --> 00:29:31,937 (息をのむ音) 350 00:29:31,937 --> 00:29:51,957 ♬~ 351 00:29:51,957 --> 00:30:11,977 ♬~ 352 00:30:11,977 --> 00:30:20,319 ♬~ 353 00:30:20,319 --> 00:30:22,321 ハァ… 354 00:30:22,321 --> 00:30:42,341 ♬~ 355 00:30:42,341 --> 00:31:02,294 ♬~ 356 00:31:02,294 --> 00:31:22,314 ♬~ 357 00:31:22,314 --> 00:31:33,658 ♬~ 358 00:31:33,658 --> 00:31:36,995 (泣き声) 359 00:31:36,995 --> 00:31:40,999 わしは あまり語らぬ 360 00:31:40,999 --> 00:31:45,337 そんなわしを 皆が持て余しておるのも 361 00:31:45,337 --> 00:31:48,006 知っている 362 00:31:48,006 --> 00:31:53,311 だが そなたになら 思っていることを話せる 363 00:31:56,681 --> 00:32:02,587 寺に来てくれて わしは ほんにうれしかったのじゃ 364 00:32:05,624 --> 00:32:07,626 喜平次殿… 365 00:32:12,964 --> 00:32:15,634 与六 366 00:32:15,634 --> 00:32:20,639 この喜平次の側にいてくれぬか? 367 00:32:20,639 --> 00:32:29,648 ♬~ 368 00:32:29,648 --> 00:32:31,950 いつまでも わしの側に いよっ 369 00:32:36,321 --> 00:32:39,991 (泣き声) 370 00:32:39,991 --> 00:32:43,995 泣き虫じゃ 与六は 371 00:32:43,995 --> 00:32:48,300 涙が出て止まらないのじゃ 372 00:32:49,334 --> 00:32:53,004 それっ 泣くな泣くな 373 00:32:53,004 --> 00:33:00,946 ♬~ 374 00:33:00,946 --> 00:33:04,616 (小姓)かように早く いかがなされました? 375 00:33:04,616 --> 00:33:10,956 楽しみだと思うてな あの2人が ここに来るのが 376 00:33:10,956 --> 00:33:22,968 ♬~ 377 00:33:22,968 --> 00:33:26,972 与六はもう頑張れぬ 頑張るのは もう嫌じゃ 378 00:33:26,972 --> 00:33:32,978 ♬~ 379 00:33:32,978 --> 00:33:34,980 (喜平次)それでよいのじゃ➡ 380 00:33:37,315 --> 00:33:40,318 どうじゃ 泣くと すっきりするであろう? 381 00:33:40,318 --> 00:33:52,664 ♬~ 382 00:33:52,664 --> 00:33:56,268 じゃあ 喜平次様も お泣きになるのか? 383 00:34:00,272 --> 00:34:03,275 わしは泣かぬ 384 00:34:03,275 --> 00:34:07,279 上に立つ者は みだりに泣いては ならぬのじゃ 385 00:34:07,279 --> 00:34:12,617 ♬~ 386 00:34:12,617 --> 00:34:16,621 喜平次様のお側には この与六がおる 387 00:34:16,621 --> 00:34:18,623 いつもおる 388 00:34:20,625 --> 00:34:26,298 では 何があっても そなたとわしは一緒だな 389 00:34:26,298 --> 00:34:28,300 はいっ 390 00:34:30,969 --> 00:34:32,971 おいしょっ 391 00:34:32,971 --> 00:34:41,313 ♬~ 392 00:34:41,313 --> 00:34:48,653 <天空の王 北極星と それを守護する北斗七星> 393 00:34:48,653 --> 00:34:52,324 <そんな星の運命に 導かれるように➡ 394 00:34:52,324 --> 00:34:56,661 2人の幼き心は このとき ひとつとなり➡ 395 00:34:56,661 --> 00:35:00,265 終生 揺るぎのない主従の絆を➡ 396 00:35:00,265 --> 00:35:04,569 つくってゆくことに なるのでございました> 397 00:35:08,273 --> 00:35:15,280 (兼続の息切れ) 398 00:35:16,615 --> 00:35:19,951 <時が過ぎ 春> 399 00:35:19,951 --> 00:35:25,256 <ここは上杉と武田の 合戦の地 川中島> 400 00:35:30,295 --> 00:35:34,299 ハァ ハァ… 401 00:35:34,299 --> 00:35:37,902 ああ いい眺めだ 402 00:35:40,305 --> 00:35:44,309 ここが川中島か 一度 来てみたかったのだ 403 00:35:44,309 --> 00:35:48,646 ハァ ハァ… あそこが➡ 404 00:35:48,646 --> 00:35:50,982 武田方の海津城 405 00:35:50,982 --> 00:35:54,319 我が上杉は12年前 この山に陣を張った 406 00:35:54,319 --> 00:35:56,988 武田信玄は夜のうちに 後ろに兵を回し 407 00:35:56,988 --> 00:35:58,990 夜明けとともに 挟み撃ちをかけようとした 408 00:35:58,990 --> 00:36:01,593 ところが 霧が晴れたとき 信玄は目の前に 409 00:36:01,593 --> 00:36:04,262 刀八毘沙門の旗を見た 410 00:36:04,262 --> 00:36:06,564 さぞや肝を潰したことだろうな 411 00:36:10,935 --> 00:36:14,939 《(喚声)》 412 00:36:14,939 --> 00:36:16,941 (輝虎)《かかれ~っ》 413 00:36:16,941 --> 00:36:22,947 ♬~ 414 00:36:22,947 --> 00:36:26,284 御屋形様は ただ一騎で 信玄入道に向かわれ 415 00:36:26,284 --> 00:36:29,287 数太刀を浴びせたそうな 416 00:36:29,287 --> 00:36:31,289 まさに毘沙門天の化身 417 00:36:31,289 --> 00:36:40,965 ♬~ 418 00:36:40,965 --> 00:36:42,967 《いっやいーっ!》 419 00:36:42,967 --> 00:36:50,308 ♬~ 420 00:36:50,308 --> 00:36:54,612 御屋形様こそ まさしく天下を取るべき お人 421 00:36:55,647 --> 00:36:58,650 ⚟(いななき) 422 00:36:58,650 --> 00:37:00,919 おいっ 誰か来たぞ ああっ 423 00:37:00,919 --> 00:37:02,921 おいっ 424 00:37:04,589 --> 00:37:07,192 ハッ… ハァ 425 00:37:08,593 --> 00:37:10,595 (久秀)武田方だ 426 00:37:10,595 --> 00:37:13,932 しかも相当 偉そうなやつだ おいっ ここは危ない 427 00:37:13,932 --> 00:37:15,934 ああっ せっかくだ 顔ぐらい見てやろう 428 00:37:15,934 --> 00:37:18,603 おいっ 上杉の者だと分かれば 殺されるぞ 429 00:37:18,603 --> 00:37:21,606 我らは武田方の様子を うかがいに来たのだぞ 430 00:37:21,606 --> 00:37:23,608 おいっ ハァ… 431 00:37:23,608 --> 00:37:25,944 おチビのときから まっこと わしの言うこと聞かぬな 432 00:37:25,944 --> 00:37:43,628 ♬~ 433 00:37:43,628 --> 00:37:45,630 あっ ハッ… 434 00:37:45,630 --> 00:38:01,246 ♬~ 435 00:38:01,246 --> 00:38:03,248 (家臣)弾正様 436 00:38:03,248 --> 00:38:13,258 ♬~ 437 00:38:13,258 --> 00:38:15,593 フゥ 438 00:38:15,593 --> 00:38:18,196 ハァ 439 00:38:27,272 --> 00:38:30,275 (久秀の声) あの武将 弾正と呼ばれてたな 440 00:38:30,275 --> 00:38:34,879 とすれば 海津城主 高坂弾正か? 441 00:38:36,614 --> 00:38:40,285 (物音) あっ おっ おいっ 442 00:38:40,285 --> 00:38:42,954 言わんこっちゃないっ ううっ ううっ ああっ 443 00:38:42,954 --> 00:38:44,956 (いななき) 444 00:38:44,956 --> 00:38:46,958 言わんこっちゃないっ 445 00:38:46,958 --> 00:38:49,627 (兼続と久秀の荒い息遣い) 446 00:38:49,627 --> 00:38:53,965 (兼続と久秀のおびえる声) 447 00:38:53,965 --> 00:39:00,905 ♬~ 448 00:39:00,905 --> 00:39:02,907 ああっ ああ~ 449 00:39:02,907 --> 00:39:04,909 うああ ああ~っ 450 00:39:07,912 --> 00:39:11,249 ああ? チッ ああ~ 451 00:39:11,249 --> 00:39:13,918 又五郎っ おいっ おい 早くっ 452 00:39:13,918 --> 00:39:15,920 くっそ (着物が破れる音) 453 00:39:15,920 --> 00:39:27,265 ♬~ 454 00:39:27,265 --> 00:39:29,267 おいっ ハッ 455 00:39:33,271 --> 00:39:37,942 <このころ 天下の情勢は 大きく変わっておりました> 456 00:39:37,942 --> 00:39:48,253 ♬~ 457 00:39:52,957 --> 00:39:57,295 殿 上落を目指します 武田信玄の軍は およそ3万 458 00:39:57,295 --> 00:40:00,965 将士ともに百戦錬磨の つわものぞろいでございます 459 00:40:00,965 --> 00:40:02,967 三方ヶ原で徳川様が敗れた今 460 00:40:02,967 --> 00:40:06,304 すぐにもここに 武田勢が押し寄せてきましょう 461 00:40:06,304 --> 00:40:09,307 殿 いかが致しましょう? 462 00:40:11,309 --> 00:40:14,312 俺は逃げる (藤吉郎)えっ!? そっ… 463 00:40:14,312 --> 00:40:19,317 <このころ 織田信長は 京の都を手中に収め➡ 464 00:40:19,317 --> 00:40:22,987 天下統一に乗り出しておりました> 465 00:40:22,987 --> 00:40:29,327 <信長の勢いを警戒した 越前の朝倉 近江の浅井➡ 466 00:40:29,327 --> 00:40:33,665 西国の毛利らは手を組んで 信長を包囲し➡ 467 00:40:33,665 --> 00:40:37,335 甲斐の武田信玄も大群を率いて➡ 468 00:40:37,335 --> 00:40:41,339 西へ西へと進軍しておりました> 469 00:40:41,339 --> 00:40:49,681 ♬~ 470 00:40:49,681 --> 00:40:53,017 (藤吉郎)あっあっ とっ 殿 殿… 471 00:40:53,017 --> 00:40:55,019 にっ 逃げるとは? 472 00:40:55,019 --> 00:40:57,355 真でございまするか! 473 00:40:57,355 --> 00:41:00,959 籠城戦に持ち込めば 何とでもなりますっ 474 00:41:00,959 --> 00:41:05,963 この 猿めが命に代えて 殿をお守りいたしま~す 475 00:41:05,963 --> 00:41:09,634 守るとはすでに負けたことよ (藤吉郎)はっ? 476 00:41:09,634 --> 00:41:11,970 都を背に背水の陣を敷き 477 00:41:11,970 --> 00:41:14,305 そして迎え撃つ (藤吉郎)かあっ 478 00:41:14,305 --> 00:41:16,307 猿 (藤吉郎)はっ 479 00:41:16,307 --> 00:41:18,910 信玄の思いどおりには させぬ 480 00:41:19,977 --> 00:41:24,315 さすが殿! アア~ ハッハッハッ… 481 00:41:24,315 --> 00:41:27,318 (兼続と久秀の掛け声) 482 00:41:29,654 --> 00:41:31,990 <そんな天下の情勢を➡ 483 00:41:31,990 --> 00:41:36,327 まだ若い兼続は 知る由もございませんでした> 484 00:41:36,327 --> 00:41:55,346 ♬~ 485 00:41:55,346 --> 00:41:57,348 樋口兼続! 泉沢久秀! 486 00:41:57,348 --> 00:42:00,952 (兼続と久秀の荒い息遣い) 487 00:42:05,623 --> 00:42:07,625 ああ すまんすまんっ (女性)キャッ 488 00:42:07,625 --> 00:42:10,628 殿! 殿! 489 00:42:10,628 --> 00:42:13,965 殿 一大事でございます 490 00:42:13,965 --> 00:42:15,967 あっ 491 00:42:20,638 --> 00:42:22,640 どうした? 492 00:42:24,976 --> 00:42:28,579 武田が… (息切れ) 493 00:42:30,648 --> 00:42:32,650 何だ あの女子 494 00:42:34,318 --> 00:42:37,989 殿は女子の人気では 景虎さまには勝てませぬ 495 00:42:37,989 --> 00:42:39,991 はっきり なさいませっ 496 00:42:39,991 --> 00:42:43,995 (華姫)あれは 誰もが 一度はかかる病じゃ 497 00:42:43,995 --> 00:42:45,997 こたびは 景勝様が初の先陣 498 00:42:45,997 --> 00:42:47,999 ぜひとも私も お加えくださりませ 499 00:42:47,999 --> 00:42:50,001 急がずともよい 500 00:42:50,001 --> 00:42:53,004 (お万)先日も大きな発作を 起こしたと聞いてなあ 501 00:42:53,004 --> 00:42:55,606 それは真ですか? 502 00:42:57,008 --> 00:42:59,010 母上…