1 00:00:04,972 --> 00:00:09,309 (謙信)天に刃向えし信長を この手で討つ! 2 00:00:09,309 --> 00:00:13,313 (ナレーション)<信長討伐へと 動きだした 上杉謙信➡ 3 00:00:13,313 --> 00:00:16,984 しかし 関東管領の 立場にある謙信には➡ 4 00:00:16,984 --> 00:00:19,987 大きな悩みがありました> 5 00:00:19,987 --> 00:00:21,989 <関東制圧をもくろむ➡ 6 00:00:21,989 --> 00:00:24,291 北条一族の存在です> 7 00:00:26,660 --> 00:00:28,662 <北条は したたかで➡ 8 00:00:28,662 --> 00:00:30,998 いくら攻められ 負けようとも➡ 9 00:00:30,998 --> 00:00:34,334 謙信が去ると 瞬く間に勢力を盛り返し➡ 10 00:00:34,334 --> 00:00:37,938 徐々に関東での支配を 広げていきました> 11 00:00:40,007 --> 00:00:42,009 <北条のこの動きが➡ 12 00:00:42,009 --> 00:00:44,611 謙信を けん制して いたのです> 13 00:00:45,946 --> 00:00:49,283 (喚声) 14 00:00:49,283 --> 00:00:52,286 <信長との戦いが 本格化した今➡ 15 00:00:52,286 --> 00:00:54,621 再び 北条の影が➡ 16 00:00:54,621 --> 00:00:57,624 謙信に忍び寄っていたのです> 17 00:00:57,624 --> 00:01:17,644 ♬~ 18 00:01:17,644 --> 00:01:37,664 ♬~ 19 00:01:37,664 --> 00:01:57,618 ♬~ 20 00:01:57,618 --> 00:02:17,637 ♬~ 21 00:02:17,637 --> 00:02:37,657 ♬~ 22 00:02:37,657 --> 00:02:57,611 ♬~ 23 00:02:57,611 --> 00:03:17,631 ♬~ 24 00:03:17,631 --> 00:03:27,641 ♬~ 25 00:03:27,641 --> 00:03:37,984 ♬~ 26 00:03:37,984 --> 00:03:44,591 ♬~ 27 00:03:49,596 --> 00:03:51,932 (兼続)《わたくしには➡ 28 00:03:51,932 --> 00:03:56,937 義のために戦うことなど 無理でございます》 29 00:03:56,937 --> 00:04:00,540 《義のためといえど むやみに人は斬れませぬ》 30 00:04:02,609 --> 00:04:07,614 《なぜ 御屋形様は 戦えるのでございましょう?》 31 00:04:07,614 --> 00:04:11,918 《何故 人をあやめることが できるのでございましょう?》 32 00:04:13,286 --> 00:04:16,957 《なぜ 御屋形様は 戦えるのでございましょう?》 33 00:04:16,957 --> 00:04:18,959 《何故 人をあやめることが➡ 34 00:04:18,959 --> 00:04:21,261 できるのでございましょう?》 (謙信)《もう よい》 35 00:04:22,295 --> 00:04:25,966 《景勝 討ち捨てい》 36 00:04:25,966 --> 00:04:27,968 (景勝)《はっ》 37 00:04:37,978 --> 00:04:39,980 《殿》 38 00:04:43,316 --> 00:04:46,586 《ハッ ハァハァ…》 39 00:04:46,586 --> 00:04:48,588 《殿!》 40 00:04:49,923 --> 00:04:51,925 《殿~!》 41 00:04:51,925 --> 00:04:55,262 ⚟ ああっ ⚟(荒い息遣い) 42 00:04:55,262 --> 00:04:57,264 ⚟(犬のほえ声) 43 00:04:57,264 --> 00:05:02,269 (荒い息遣い) 44 00:05:07,607 --> 00:05:10,944 (語り)<蟄居を命じられてひと月➡ 45 00:05:10,944 --> 00:05:14,281 兼続は小姓時代を過ごした ここ➡ 46 00:05:14,281 --> 00:05:16,950 越後 上田庄の雲洞庵で➡ 47 00:05:16,950 --> 00:05:20,954 一人 自分自身と 戦っておりました> 48 00:05:20,954 --> 00:05:30,630 ♬~ 49 00:05:30,630 --> 00:05:41,308 ♬~ 50 00:05:41,308 --> 00:05:43,310 食べぬのか? 51 00:05:44,311 --> 00:05:46,246 いや… 52 00:05:46,246 --> 00:05:52,252 ♬~ 53 00:05:52,252 --> 00:05:55,922 ⚟(足音) 54 00:05:55,922 --> 00:05:58,258 ⚟ お客さまでございます 55 00:05:58,258 --> 00:06:03,263 ♬~ 56 00:06:03,263 --> 00:06:06,266 兄上 与七 57 00:06:10,604 --> 00:06:12,939 こたびのこと 58 00:06:12,939 --> 00:06:16,610 なんと お慰めすべきか 59 00:06:16,610 --> 00:06:19,212 身から出たさびだ しかたない 60 00:06:21,615 --> 00:06:24,951 ですが 今は御屋形様が 61 00:06:24,951 --> 00:06:27,254 信長を討つ大事なとき 62 00:06:30,290 --> 00:06:34,294 そのようなときに 兄上のお気持ちを思うと 63 00:06:35,962 --> 00:06:38,632 フゥ… よいのだ 64 00:06:38,632 --> 00:06:41,968 それに上杉は わし一人が抜けたとて 65 00:06:41,968 --> 00:06:43,970 どうということも あるまい 66 00:06:51,978 --> 00:06:57,284 もう わしは 景勝様の下へは戻れぬかもしれぬ 67 00:06:59,986 --> 00:07:04,291 父上 母上には合わせる顔もない 68 00:07:06,660 --> 00:07:08,662 ふがいない 69 00:07:10,330 --> 00:07:12,332 兄上 70 00:07:16,670 --> 00:07:19,673 (息を吐く音) 母上はお達者か? 71 00:07:25,679 --> 00:07:27,681 どうした? 72 00:07:30,016 --> 00:07:32,018 実は ゆうべ 73 00:07:32,018 --> 00:07:35,322 めまいを起こして 倒れられたのです 74 00:07:37,357 --> 00:07:40,360 いらぬ心配をかけてはならぬと 75 00:07:40,360 --> 00:07:43,663 母上からは 口止めされておりましたが 76 00:07:47,300 --> 00:07:49,302 そうか 77 00:07:51,304 --> 00:07:53,640 フゥ… 兄上 78 00:07:53,640 --> 00:07:56,643 少しだけでも 79 00:07:56,643 --> 00:08:01,648 顔を見せに 戻ることはできませぬか? 80 00:08:01,648 --> 00:08:05,952 母上も 兄上に会いたいに違いありません 81 00:08:08,655 --> 00:08:11,324 すまん 82 00:08:11,324 --> 00:08:13,326 今は会えぬ 83 00:08:15,328 --> 00:08:17,330 兄上… 84 00:08:17,330 --> 00:08:19,100 わしは御屋形様から 85 00:08:19,100 --> 00:08:24,337 ここで己を見つめ直せと 申しつけられた 86 00:08:24,337 --> 00:08:28,341 勝手なまねはできないのだ 87 00:08:28,341 --> 00:08:32,946 ですが 同じ上田庄では ございませぬか 88 00:08:37,016 --> 00:08:41,621 母上には くれぐれも お体をお大事にと伝えてくれ 89 00:08:44,357 --> 00:08:46,292 兄上… 90 00:08:46,292 --> 00:08:54,901 ♬~ 91 00:08:57,971 --> 00:08:59,973 (戸が開く音) 92 00:08:59,973 --> 00:09:02,642 あっ 93 00:09:02,642 --> 00:09:04,978 横になっておられませぬと 94 00:09:04,978 --> 00:09:07,981 久しぶりに旦那様が お城から戻られたのじゃ 95 00:09:07,981 --> 00:09:10,650 よいのか? 起きても (お藤)ええ 96 00:09:10,650 --> 00:09:12,652 薬が効いたようでございます 97 00:09:12,652 --> 00:09:14,654 あっ 後は私が 98 00:09:14,654 --> 00:09:16,656 (きた)はい 99 00:09:24,330 --> 00:09:26,100 よく こうして すいて差し上げましたなあ 100 00:09:26,100 --> 00:09:29,002 あなた様の髪を 101 00:09:30,670 --> 00:09:33,006 病気がちだった私を 102 00:09:33,006 --> 00:09:35,608 いつも優しく いたわってくださった 103 00:09:37,010 --> 00:09:39,612 なのに私は こんなことしかできませぬ 104 00:09:41,681 --> 00:09:44,684 わしは そなたがいてくれたら 105 00:09:44,684 --> 00:09:46,886 それだけでよいのじゃ 106 00:09:51,291 --> 00:09:56,296 ああ 与七が 雲洞庵に行ったそうじゃ 107 00:09:56,296 --> 00:09:59,299 与六は元気にしていたと 108 00:09:59,299 --> 00:10:01,634 そうでございますか 109 00:10:01,634 --> 00:10:03,970 だが… 110 00:10:03,970 --> 00:10:08,641 内心は もんもんとしておるであろうのう 111 00:10:08,641 --> 00:10:10,944 つらいであろうのう 112 00:10:13,646 --> 00:10:16,983 大丈夫でございます 113 00:10:16,983 --> 00:10:20,987 与六は初陣も果たした 一人前の男でございます 114 00:10:20,987 --> 00:10:22,989 どんなことがあろうとも 115 00:10:22,989 --> 00:10:27,293 己の力で乗り越えていくことで ございましょう 116 00:10:28,995 --> 00:10:30,997 フッ 117 00:10:32,665 --> 00:10:36,002 お藤は立派じゃ 118 00:10:36,002 --> 00:10:39,339 いちばん心配しておるくせに 119 00:10:39,339 --> 00:10:43,009 そんな そぶりを 露ほども見せんのじゃからなあ 120 00:10:43,009 --> 00:10:46,946 フフッ (惣右衛門)母は強しじゃ 121 00:10:46,946 --> 00:10:50,950 母は我が子を信じるほかは ないのでございます 122 00:10:55,622 --> 00:10:57,624 (戸が開く音) 123 00:10:57,624 --> 00:11:00,960 (与七のせき込み) (惣右衛門)どうした? 124 00:11:00,960 --> 00:11:02,962 (与七)父上➡ 125 00:11:02,962 --> 00:11:05,965 すぐに城にお戻りくださいっ (惣右衛門)何事じゃ? 126 00:11:05,965 --> 00:11:09,969 北条が動きだしたとの知らせが まいりました 127 00:11:09,969 --> 00:11:11,971 何?➡ 128 00:11:12,972 --> 00:11:14,974 支度をっ! 129 00:11:14,974 --> 00:11:17,977 <2月 北条氏政は➡ 130 00:11:17,977 --> 00:11:23,983 関東における上杉方諸城の 攻略を再開したのでございます> 131 00:11:27,654 --> 00:11:32,959 <そのころ 能登 七尾で陣を張る謙信は> 132 00:11:33,993 --> 00:11:37,330 我らは一時 春日山に戻る 133 00:11:37,330 --> 00:11:40,667 そして当面は 関東への備えを第一に 134 00:11:40,667 --> 00:11:44,337 坂戸城を要にして 北条への押さえとする 135 00:11:44,337 --> 00:11:49,943 御屋形様 なぜ今 関東へ向かわねばなりませぬ? 136 00:11:49,943 --> 00:11:53,947 北条と戦うのは この戦の後でもよいのでは? 137 00:11:57,617 --> 00:11:59,619 景勝殿はどう思われる? 138 00:12:02,288 --> 00:12:05,625 御屋形様のご決断通りに 139 00:12:05,625 --> 00:12:08,628 関東管領職のお役目を 果たすべきと存じます 140 00:12:08,628 --> 00:12:13,967 なれど 七尾を落とすに さしたる手間は かかりませぬ 141 00:12:13,967 --> 00:12:15,969 このまま雪どけを待ち 142 00:12:15,969 --> 00:12:18,638 七尾の始末をつけたほうが よいのでは? 143 00:12:18,638 --> 00:12:21,641 (謙信)景虎 (景虎)はっ 144 00:12:21,641 --> 00:12:25,979 若さゆえの決起 それはそれで好ましい 145 00:12:25,979 --> 00:12:28,648 されど 助けを求める者あらば 146 00:12:28,648 --> 00:12:32,652 万難を排し駆けつけるが 上杉の務め➡ 147 00:12:32,652 --> 00:12:35,255 眼前の功に とらわれてはならん 148 00:12:37,323 --> 00:12:39,325 (景虎)はっ 149 00:12:45,264 --> 00:12:47,266 殿 (景勝)なんじゃ? 150 00:12:47,266 --> 00:12:49,269 我らに至らぬところがあれば 151 00:12:49,269 --> 00:12:51,270 なんなりと おっしゃってください 152 00:12:51,270 --> 00:12:54,941 我らは 兼続や久秀の分まで お仕えいたす覚悟ゆえ 153 00:12:54,941 --> 00:12:56,943 気遣いは無用じゃ 154 00:13:00,279 --> 00:13:02,282 よい 155 00:13:03,283 --> 00:13:13,293 ♬~ 156 00:13:13,293 --> 00:13:25,972 ♬~ 157 00:13:25,972 --> 00:13:29,308 <そして 季節は巡り> 158 00:13:29,308 --> 00:13:35,314 ♬~ 159 00:13:35,314 --> 00:13:39,986 <兼続は日に日に戦場から 遠ざかっていく自分を➡ 160 00:13:39,986 --> 00:13:42,989 感じていたのでございます> 161 00:13:42,989 --> 00:13:50,930 (息切れ) 162 00:13:50,930 --> 00:14:09,615 ♬~ 163 00:14:09,615 --> 00:14:13,286 <そのころ 謙信率いる上杉軍は➡ 164 00:14:13,286 --> 00:14:15,955 関東出陣を控え➡ 165 00:14:15,955 --> 00:14:20,259 いったん 春日山へ 戻ってきたのでございます> 166 00:14:26,966 --> 00:14:36,309 (水滴が落ちる音) 167 00:14:36,309 --> 00:14:38,978 御屋形様 168 00:14:38,978 --> 00:14:45,918 こたびは 北国より転じて 関東へのご出陣 169 00:14:45,918 --> 00:14:49,255 見事な采配振りでございました 170 00:14:49,255 --> 00:14:54,594 (謙信)うん (景綱)大事な戦になるというのに 171 00:14:54,594 --> 00:14:58,264 お供できず 172 00:14:58,264 --> 00:15:00,867 面目次第もございません 173 00:15:02,268 --> 00:15:04,270 面を上げよ➡ 174 00:15:06,272 --> 00:15:11,944 景綱 今は養生を第一とせよ➡ 175 00:15:11,944 --> 00:15:14,947 それが そなたの役目じゃ 176 00:15:14,947 --> 00:15:16,949 はっ 177 00:15:17,950 --> 00:15:21,254 娘の婚儀までお計らいいただき 178 00:15:23,289 --> 00:15:26,959 今のような おことばまで頂き 179 00:15:26,959 --> 00:15:31,564 この景綱 思い残すことはございません 180 00:15:34,300 --> 00:15:36,302 ただ… 181 00:15:37,303 --> 00:15:39,906 ただひとつだけ気がかりが 182 00:15:40,973 --> 00:15:42,975 なんじゃ? 183 00:15:44,644 --> 00:15:49,248 甥の兼続のことでございます 184 00:15:53,586 --> 00:15:55,588 どうか 185 00:15:55,588 --> 00:16:00,193 兼続の蟄居を お解きくださいませ➡ 186 00:16:03,930 --> 00:16:07,266 景勝様のお側には➡ 187 00:16:07,266 --> 00:16:09,869 兼続がおらねばなりませぬ➡ 188 00:16:11,270 --> 00:16:15,942 ゆくゆく 上杉にとっても➡ 189 00:16:15,942 --> 00:16:19,946 私の甥ではございますが あのような若者が… 190 00:16:19,946 --> 00:16:23,249 そなたの思いは わしもよう分かっておる 191 00:16:25,284 --> 00:16:27,286 安心するがよい 192 00:16:33,626 --> 00:16:35,628 (景綱)はっ 193 00:16:35,628 --> 00:16:40,633 ♬~ 194 00:16:40,633 --> 00:16:44,303 (注ぐ音) 195 00:16:44,303 --> 00:16:46,305 (謙信)景綱➡ 196 00:16:48,307 --> 00:16:52,311 そなたは我が第一の家臣じゃ➡ 197 00:16:52,311 --> 00:16:56,315 今まで 苦労をかけたのう 198 00:16:57,984 --> 00:16:59,986 御屋形様… 199 00:17:02,655 --> 00:17:05,324 ありがとうございます 200 00:17:05,324 --> 00:17:12,331 ♬~ 201 00:17:12,331 --> 00:17:14,333 (せき込み) 202 00:17:14,333 --> 00:17:21,674 ♬~ 203 00:17:21,674 --> 00:17:27,280 最後に 一番の家臣だと言われた 204 00:17:29,348 --> 00:17:34,020 わしの役目は もう終わった 205 00:17:34,020 --> 00:17:39,025 お前様ほど御屋形様を信じ 206 00:17:39,025 --> 00:17:43,029 忠義を尽くした者はおりますまい 207 00:17:43,029 --> 00:17:45,932 ただお仕えしたのではない 208 00:17:48,634 --> 00:17:52,305 命をささげたのだ 209 00:17:52,305 --> 00:17:55,641 わしはもう 210 00:17:55,641 --> 00:17:58,311 いつ死んでもかまわない 211 00:17:58,311 --> 00:18:07,987 ♬~ 212 00:18:07,987 --> 00:18:11,290 お万 お船➡ 213 00:18:14,660 --> 00:18:20,266 上杉の行く末を くれぐれも頼んだぞ➡ 214 00:18:22,335 --> 00:18:26,339 それが 直江家の務めじゃ 215 00:18:26,339 --> 00:18:28,341 はい 父上 216 00:18:30,343 --> 00:18:33,012 (景綱のせき込み) 217 00:18:33,012 --> 00:18:35,681 お前様… お前様 かよ 218 00:18:35,681 --> 00:18:37,683 ⚟(かよ)はいっ 219 00:18:40,019 --> 00:18:42,688 <景綱が息を引き取ったのは➡ 220 00:18:42,688 --> 00:18:47,593 それから3日後のことで ございました> 221 00:18:48,628 --> 00:18:51,297 (景綱)《やあっ》 222 00:18:51,297 --> 00:18:53,899 《えいっ ああ!》 223 00:18:55,301 --> 00:19:01,307 《(景綱の笑い声)》 224 00:19:01,307 --> 00:19:06,312 ♬~ 225 00:19:07,980 --> 00:19:11,317 <関東で北条を抑えた謙信は➡ 226 00:19:11,317 --> 00:19:15,988 閏7月 再び七尾へ戻り➡ 227 00:19:15,988 --> 00:19:19,592 七尾城攻めを 再開したのでございます> 228 00:19:21,327 --> 00:19:25,998 (吉江)御屋形様 七尾の城内より 抜け出ようとした者が➡ 229 00:19:25,998 --> 00:19:28,601 このような書状を 所持しておりました 230 00:19:35,007 --> 00:19:38,310 織田へ救援を乞う 密書のようでございます 231 00:19:39,678 --> 00:19:41,981 七尾城は まもなく落ちますな 232 00:19:43,682 --> 00:19:46,285 うん 233 00:19:46,285 --> 00:19:49,622 ⚟(物音) ⚟(信綱)御免つかまつりまする 234 00:19:49,622 --> 00:19:51,624 (吉江)おお これは信綱殿 235 00:19:53,959 --> 00:19:55,961 御屋形様 236 00:19:55,961 --> 00:20:00,299 直江信綱 ただ今 参陣つかまつりました 237 00:20:00,299 --> 00:20:02,301 (謙信)大儀 (信綱)はっ 238 00:20:02,301 --> 00:20:07,640 方々 こたび 景綱殿の娘御をめとられ➡ 239 00:20:07,640 --> 00:20:11,977 直江家の跡取りとなった 直江信綱殿じゃ 240 00:20:11,977 --> 00:20:16,315 我が舅に代わり この信綱➡ 241 00:20:16,315 --> 00:20:19,618 身命を賭して ご奉公つかまつりまする 242 00:20:20,653 --> 00:20:24,323 信綱殿 景勝様じゃ 243 00:20:24,323 --> 00:20:28,327 おお… お初に御意を得まする 244 00:20:29,995 --> 00:20:31,997 うん 245 00:20:31,997 --> 00:20:42,007 ♬~ 246 00:20:42,007 --> 00:20:58,624 ♬~ 247 00:20:58,624 --> 00:21:01,961 (謙信の声) 《人の命など いつどうなるか➡ 248 00:21:01,961 --> 00:21:04,263 あすのことさえ分からぬもの》 249 00:21:07,967 --> 00:21:11,303 (景勝の声)《強くなれ》 250 00:21:11,303 --> 00:21:13,305 《よいな》 251 00:21:15,975 --> 00:21:19,979 (謙信の声)《そなたは しばらく国に戻るがよい》 252 00:21:19,979 --> 00:21:25,985 《故郷の上田庄にひきこもり 雪の中で己を見つめ直せ》 253 00:21:25,985 --> 00:21:35,661 ♬~ 254 00:21:35,661 --> 00:21:49,942 ♬~ 255 00:21:49,942 --> 00:21:56,949 (カラスの鳴き声) 256 00:21:59,285 --> 00:22:01,287 (きた)お寒くありませぬか? 257 00:22:03,622 --> 00:22:05,958 大事ない 258 00:22:05,958 --> 00:22:13,966 (鳥の鳴き声) 259 00:22:23,642 --> 00:22:25,644 母上!➡ 260 00:22:28,647 --> 00:22:30,649 母上? 261 00:22:36,989 --> 00:22:40,326 母御が危篤との知らせが届いた 262 00:22:40,326 --> 00:22:42,661 母上が… 263 00:22:42,661 --> 00:22:44,663 すぐに戻るのじゃ 264 00:22:49,602 --> 00:22:52,605 行けませぬ 265 00:22:52,605 --> 00:22:55,941 私は… 行けませぬ 266 00:22:55,941 --> 00:22:57,943 たわけ! 267 00:22:58,944 --> 00:23:04,617 与六 己を見つめよとの 御屋形様のおことば 268 00:23:04,617 --> 00:23:06,919 忘れてはおらんな? 269 00:23:10,956 --> 00:23:13,259 己の真を見るのじゃ 270 00:23:15,628 --> 00:23:19,932 そして その真に従うのじゃ 271 00:23:21,634 --> 00:23:23,636 よいな? 272 00:23:23,636 --> 00:23:37,650 ♬~ 273 00:23:37,650 --> 00:23:39,652 与六… 274 00:23:39,652 --> 00:23:41,987 しっかりするのじゃ 275 00:23:41,987 --> 00:23:43,989 与六は もうすぐ来るでな 276 00:23:46,926 --> 00:23:48,928 (お藤)与六… 277 00:23:48,928 --> 00:24:08,213 ♬~ 278 00:24:09,281 --> 00:24:11,283 母上は? 279 00:24:11,283 --> 00:24:13,285 お前を待っておる 280 00:24:13,285 --> 00:24:17,623 母上! ハァハァ… 281 00:24:17,623 --> 00:24:19,625 与六… 282 00:24:21,627 --> 00:24:23,629 母上 283 00:24:25,965 --> 00:24:28,634 申し訳ございませぬ 284 00:24:28,634 --> 00:24:30,936 もっと早く来ればよかったものを 285 00:24:37,643 --> 00:24:39,945 どこにおる… 286 00:24:43,649 --> 00:24:45,551 ここでございます 287 00:24:59,264 --> 00:25:01,266 与六 288 00:25:11,276 --> 00:25:13,278 母は 289 00:25:14,279 --> 00:25:16,281 なんでございます? 290 00:25:21,954 --> 00:25:23,956 母上? 291 00:25:29,294 --> 00:25:31,597 (息を吐く音) 292 00:25:52,918 --> 00:25:54,920 母上? 293 00:25:59,258 --> 00:26:01,260 母上 294 00:26:07,599 --> 00:26:11,270 母上~! 295 00:26:11,270 --> 00:26:15,607 (泣き声) 296 00:26:15,607 --> 00:26:20,946 (与七)なぜに もっと早く 帰ってこなかったのじゃ! 297 00:26:20,946 --> 00:26:25,617 母上は どれだけ兄上を待っていたか! 298 00:26:25,617 --> 00:26:28,287 (泣き声) 299 00:26:28,287 --> 00:26:30,289 よさぬか与七➡ 300 00:26:32,624 --> 00:26:34,626 臨終に間に合うた➡ 301 00:26:36,962 --> 00:26:38,964 それでいい… 302 00:26:41,967 --> 00:26:43,969 母上… 303 00:26:43,969 --> 00:26:53,645 ♬~ 304 00:26:53,645 --> 00:26:55,647 母上~! 305 00:26:55,647 --> 00:27:07,326 ♬~ 306 00:27:07,326 --> 00:27:09,328 母上… 307 00:27:10,329 --> 00:27:12,664 母上~! 308 00:27:12,664 --> 00:27:26,678 ♬~ 309 00:27:26,678 --> 00:27:31,283 (安部) 殿 今 上田庄からの知らせが➡ 310 00:27:32,684 --> 00:27:35,354 兼続の母御が みまかったと 311 00:27:35,354 --> 00:27:52,304 ♬~ 312 00:27:52,304 --> 00:27:54,306 泣いておるのかの 313 00:27:54,306 --> 00:28:07,920 ♬~ 314 00:28:16,662 --> 00:28:18,664 どうした? 315 00:28:21,333 --> 00:28:24,002 母は 316 00:28:24,002 --> 00:28:27,606 最後に 私に何か言いたかったに 違いありませぬ 317 00:28:30,342 --> 00:28:35,013 このまま  落ちぶれてゆく私を案じたまま 318 00:28:35,013 --> 00:28:37,015 母は… 319 00:28:41,353 --> 00:28:44,656 私ほどの親不孝者はおりませぬ 320 00:28:48,627 --> 00:28:50,629 与六 321 00:28:51,964 --> 00:28:54,967 もし そうならば 322 00:28:54,967 --> 00:28:59,304 そなたは そう思うとおりの 323 00:28:59,304 --> 00:29:01,907 ただの親不孝者じゃ 324 00:29:04,643 --> 00:29:24,663 ♬~ 325 00:29:24,663 --> 00:29:44,683 ♬~ 326 00:29:44,683 --> 00:29:57,295 ♬~ 327 00:29:57,295 --> 00:30:00,899 (与七の声)《なぜに もっと早く 帰ってこなかったのじゃ!》 328 00:30:02,301 --> 00:30:05,971 《母上が どれだけ兄上を待っていたか》 329 00:30:05,971 --> 00:30:15,647 ♬~ 330 00:30:15,647 --> 00:30:28,994 ♬~ 331 00:30:28,994 --> 00:30:30,996 (お藤の声)《与六…》 332 00:30:30,996 --> 00:30:50,949 ♬~ 333 00:30:50,949 --> 00:31:06,965 ♬~ 334 00:31:06,965 --> 00:31:14,973 (すすり泣き) 335 00:31:14,973 --> 00:31:34,993 ♬~ 336 00:31:34,993 --> 00:31:44,936 ♬~ 337 00:31:44,936 --> 00:31:59,618 ♬~ 338 00:31:59,618 --> 00:32:04,623 ⚟(読経) 339 00:32:04,623 --> 00:32:11,296 <そして お藤の四十九日の法要が 行われたのでございます> 340 00:32:11,296 --> 00:32:19,304 (読経) 341 00:32:47,599 --> 00:32:49,601 叔母上には子どものころ 342 00:32:49,601 --> 00:32:52,604 よく かわいがっていただいたのを 覚えております 343 00:32:52,604 --> 00:32:55,273 お藤がまだ健やかであったころは 344 00:32:55,273 --> 00:32:57,943 お互いの家をよく 行き来しておりましたからな 345 00:32:57,943 --> 00:33:00,612 はい (惣右衛門)ああ そういえば 346 00:33:00,612 --> 00:33:04,616 先の祝言の折には参上もできず まこと ご無礼つかまつった 347 00:33:04,616 --> 00:33:07,619 よいのです 今は戦のときゆえ 348 00:33:07,619 --> 00:33:10,622 内々でひっそりと 執り行いましたので 349 00:33:12,958 --> 00:33:16,628 奥方様 そろそろ 350 00:33:16,628 --> 00:33:19,231 わざわざ遠いところ ありがとうございました➡ 351 00:33:21,299 --> 00:33:23,635 こよいは どちらにお泊まりで ございますか? 352 00:33:23,635 --> 00:33:26,638 (お船)峠を越えて大湯で 宿を取ろうと思っております 353 00:33:26,638 --> 00:33:29,307 (惣右衛門) それは大層な上り坂じゃ➡ 354 00:33:29,307 --> 00:33:31,643 兼続 お供せよ 355 00:33:31,643 --> 00:33:33,645 あっ はい 356 00:33:33,645 --> 00:33:53,598 ♬~ 357 00:33:53,598 --> 00:34:01,273 ♬~ 358 00:34:01,273 --> 00:34:06,945 (かよの息切れ) 359 00:34:06,945 --> 00:34:08,947 ありがとうございます 360 00:34:08,947 --> 00:34:14,619 ♬~ 361 00:34:14,619 --> 00:34:16,621 (かよ)はい 362 00:34:16,621 --> 00:34:27,299 ♬~ 363 00:34:27,299 --> 00:34:30,302 どうなさったんです? 364 00:34:30,302 --> 00:34:32,637 蛍がいたのでございます 365 00:34:32,637 --> 00:34:36,975 蛍? (お船)秋に蛍は おりませぬぞ 366 00:34:36,975 --> 00:34:39,311 何かの見間違いでは? 367 00:34:39,311 --> 00:34:41,313 はい 368 00:34:41,313 --> 00:35:01,266 ♬~ 369 00:35:01,266 --> 00:35:07,939 ♬~ 370 00:35:07,939 --> 00:35:10,942 では 私はこれで 371 00:35:10,942 --> 00:35:13,611 (かよ)わざわざ ありがとうございました 372 00:35:13,611 --> 00:35:16,281 (お船)そのお顔…➡ 373 00:35:16,281 --> 00:35:18,617 ここで清めていかれれば? 374 00:35:18,617 --> 00:35:27,626 ♬~ 375 00:35:27,626 --> 00:35:35,633 (虫の鳴き声) 376 00:36:11,603 --> 00:36:19,611 (落ち葉が舞う音) 377 00:36:46,304 --> 00:36:48,306 母上… 378 00:36:51,309 --> 00:36:56,314 どうして紅葉が美しいか 知っていますか? 379 00:36:59,651 --> 00:37:04,989 紅葉はみずからの命を 幹にささげて 380 00:37:04,989 --> 00:37:06,991 散っていくのです 381 00:37:11,329 --> 00:37:15,333 燃え上がるようなあの色は 382 00:37:15,333 --> 00:37:17,936 我が命よりも大切なものを 383 00:37:20,338 --> 00:37:22,941 守るための決意の色 384 00:37:29,681 --> 00:37:33,017 (お藤の声)《与六➡ 385 00:37:33,017 --> 00:37:35,620 そなたは紅葉になるのです》 386 00:37:37,355 --> 00:37:40,658 《紅葉のごとき 家臣に》 387 00:37:46,965 --> 00:37:48,967 《与六…》 388 00:37:50,969 --> 00:37:53,638 《母は…》 389 00:37:53,638 --> 00:37:55,640 《なんでございます?》 390 00:38:01,980 --> 00:38:04,282 そなたは私の誇り 391 00:38:07,318 --> 00:38:09,621 母は信じていますよ 392 00:38:24,669 --> 00:38:32,677 ♬~ 393 00:38:32,677 --> 00:38:38,283 《きょうから そなたは母の子ではありません》 394 00:38:40,351 --> 00:38:43,354 《この越後の子となるのです》 395 00:38:43,354 --> 00:38:45,290 《嫌じゃ》 396 00:38:45,290 --> 00:38:48,626 《与六は母の子じゃ》 397 00:38:48,626 --> 00:38:50,628 《もう決めたことなのです!》 398 00:38:52,297 --> 00:38:55,300 《(泣き声)》 399 00:38:55,300 --> 00:38:58,636 《大好きだと心配になるのか?》 400 00:38:58,636 --> 00:39:01,639 《フフッ… そうです》 401 00:39:01,639 --> 00:39:03,975 《だからこの母も➡ 402 00:39:03,975 --> 00:39:08,313 与六を心配して 叱るのですよ》 403 00:39:08,313 --> 00:39:26,664 ♬~ 404 00:39:26,664 --> 00:39:28,100 美しい紅葉じゃのう 405 00:39:28,100 --> 00:39:34,005 ♬~ 406 00:39:34,005 --> 00:39:36,674 山の木々は 407 00:39:36,674 --> 00:39:40,011 厳しい冬を乗り越えるため 408 00:39:40,011 --> 00:39:42,614 力を蓄えねばなりませぬ 409 00:39:45,950 --> 00:39:49,954 紅葉が散るは その身代わり 410 00:39:52,290 --> 00:39:55,894 それゆえ 美しいのです 411 00:40:01,299 --> 00:40:04,636 母は 412 00:40:04,636 --> 00:40:09,240 私に紅葉のごとき家臣になれと 413 00:40:13,311 --> 00:40:16,314 そんな母のことばを 414 00:40:16,314 --> 00:40:19,617 今 思い出していたのでございます 415 00:40:24,322 --> 00:40:26,991 我が父 景綱は 416 00:40:26,991 --> 00:40:30,328 御屋形様に そなたの蟄居を解いてほしいと 417 00:40:30,328 --> 00:40:33,998 申し出たそうです 418 00:40:33,998 --> 00:40:36,668 直江様が? 419 00:40:36,668 --> 00:40:41,339 そなたのような 人の心の痛みが分かる者が 420 00:40:41,339 --> 00:40:44,642 上杉には欠かせぬと 思っていたのでしょう 421 00:40:48,279 --> 00:40:53,584 そして その父も 紅葉のごとくに散っていきました 422 00:40:55,954 --> 00:41:00,959 御屋形様を信じ その命をささげたのです 423 00:41:03,628 --> 00:41:06,297 この越後を守るために 424 00:41:06,297 --> 00:41:13,638 ♬~ 425 00:41:13,638 --> 00:41:15,974 それが 426 00:41:15,974 --> 00:41:20,278 上杉の侍の生きる道なのです 427 00:41:24,315 --> 00:41:28,920 お船殿 もう私は泣きませぬぞ 428 00:41:29,988 --> 00:41:31,990 真でございますか? 429 00:41:31,990 --> 00:41:36,661 ええ 二度と泣きはしませぬ 430 00:41:36,661 --> 00:41:41,999 ♬~ 431 00:41:41,999 --> 00:41:44,001 遅かったのう 432 00:41:46,270 --> 00:41:51,275 もう少し早く 父が今のことばを聞いていたら 433 00:41:53,277 --> 00:41:55,613 そなたをわたくしの婿とし 434 00:41:55,613 --> 00:41:58,282 直江を継がせていたでしょうに 435 00:41:58,282 --> 00:42:18,302 ♬~ 436 00:42:18,302 --> 00:42:24,976 ♬~ 437 00:42:24,976 --> 00:42:29,981 ♬~ 438 00:42:29,981 --> 00:42:33,651 (全祝) すぐさま春日山へ出仕せよとの➡ 439 00:42:33,651 --> 00:42:35,987 御屋形様の お下知じゃ 440 00:42:35,987 --> 00:42:39,323 殿は 真にわしを お許しくだされたのかと思ってな 441 00:42:39,323 --> 00:42:41,659 兼続➡ 442 00:42:41,659 --> 00:42:44,996 そなたは迷うことだらけじゃ➡ 443 00:42:44,996 --> 00:42:47,932 だからこそ➡ 444 00:42:47,932 --> 00:42:50,268 見つけられるものはあるのよ 445 00:42:50,268 --> 00:42:52,270 (仙桃院)北斗の七星➡ 446 00:42:52,270 --> 00:42:54,605 兼続 そなたの星 447 00:42:54,605 --> 00:42:57,909 私が北斗の七星…