1 00:00:05,639 --> 00:00:07,641 (ナレーション)<第六天魔王とは➡ 2 00:00:07,641 --> 00:00:09,977 あらゆる仏教に敵対し➡ 3 00:00:09,977 --> 00:00:13,981 人間界全体を支配する 魔王を意味します> 4 00:00:14,982 --> 00:00:17,985 <信長は みずから そう名乗ったと➡ 5 00:00:17,985 --> 00:00:21,288 宣教師フロイスが 手紙に 書き残しています> 6 00:00:23,323 --> 00:00:27,661 <その名のとおり 信長は 比叡山を焼き払い➡ 7 00:00:27,661 --> 00:00:31,331 また 越前では 敵対する一向宗信徒を➡ 8 00:00:31,331 --> 00:00:34,935 実に数万人近く虐殺しました> 9 00:00:38,038 --> 00:00:41,675 <当初 尾張1国すら 支配していなかった信長は➡ 10 00:00:41,675 --> 00:00:45,178 今や20か国近くを手に入れ➡ 11 00:00:45,178 --> 00:00:49,182 3000丁の鉄砲で 上杉軍を待ち構えます> 12 00:00:50,350 --> 00:00:55,355 <信仰に厚い謙信と 神も仏も畏れぬ信長➡ 13 00:00:55,355 --> 00:00:59,693 ついに 2人が雌雄を 決するときが やってきました> 14 00:00:59,693 --> 00:01:19,646 ♬~ 15 00:01:19,646 --> 00:01:39,666 ♬~ 16 00:01:39,666 --> 00:01:59,686 ♬~ 17 00:01:59,686 --> 00:02:19,639 ♬~ 18 00:02:19,639 --> 00:02:39,660 ♬~ 19 00:02:39,660 --> 00:02:59,679 ♬~ 20 00:02:59,679 --> 00:03:19,633 ♬~ 21 00:03:19,633 --> 00:03:37,651 ♬~ 22 00:03:37,651 --> 00:03:44,658 ♬~ 23 00:03:48,328 --> 00:03:52,332 (語り)<天正5年9月15日➡ 24 00:03:52,332 --> 00:03:55,335 七尾城を攻め落とした謙信は➡ 25 00:03:55,335 --> 00:03:59,673 怒とうのごとき進軍を開始➡ 26 00:03:59,673 --> 00:04:04,611 信長を討つため 加賀へと 軍を進めたのでございます> 27 00:04:04,611 --> 00:04:15,956 ♬~ 28 00:04:15,956 --> 00:04:19,960 <一方 安土城にいる信長は> 29 00:04:19,960 --> 00:04:26,299 ♬~ 30 00:04:26,299 --> 00:04:31,304 待っていたのよ このときを 31 00:04:31,304 --> 00:04:35,308 3000丁の鉄砲の前で ほえ面をかく 32 00:04:36,309 --> 00:04:39,312 謙信が 見える 33 00:04:39,312 --> 00:04:46,653 ♬~ 34 00:04:46,653 --> 00:04:49,322 <その織田軍でございますが➡ 35 00:04:49,322 --> 00:04:54,327 能美平野の手取川を越え 陣を張っているさなか➡ 36 00:04:54,327 --> 00:04:57,998 謙信来たるの知らせを受けました> 37 00:04:57,998 --> 00:05:01,935 敵だーっ! 来たぞーっ! 38 00:05:01,935 --> 00:05:05,605 (指揮官)構えーっ! (伝令)申し上げます➡ 39 00:05:05,605 --> 00:05:08,608 上杉謙信を大将とする 越後勢1万➡ 40 00:05:08,608 --> 00:05:11,611 この先1里にまで迫りました 41 00:05:11,611 --> 00:05:13,613 うん! 42 00:05:23,623 --> 00:05:27,294 (景虎)御屋形様 今こそ好機でございます 43 00:05:27,294 --> 00:05:29,629 お指図を (柿崎)御屋形様! 44 00:05:29,629 --> 00:05:33,300 (景勝)御屋形様➡ 45 00:05:33,300 --> 00:05:35,302 いざ お指図を 46 00:05:37,304 --> 00:05:39,973 しばし 待て 47 00:05:39,973 --> 00:05:41,975 (景虎)なぜにでございます? 48 00:05:44,644 --> 00:05:47,247 戦を決するのは なんだと思う? 49 00:05:48,982 --> 00:05:52,986 軍勢の多さ 鉄砲の威力 50 00:05:54,988 --> 00:05:57,991 そのようなものは さしたることではない 51 00:05:57,991 --> 00:06:01,928 (雷鳴) 52 00:06:01,928 --> 00:06:06,233 大切なのは 時じゃ 53 00:06:08,935 --> 00:06:10,937 天が味方する時 54 00:06:10,937 --> 00:06:16,243 (雷鳴) 55 00:06:20,947 --> 00:06:24,951 <そのころ 兼続はといえば➡ 56 00:06:24,951 --> 00:06:27,621 越後 上田庄の雲洞庵で➡ 57 00:06:27,621 --> 00:06:31,625 ひとり 自分自身と戦っておりました> 58 00:06:36,963 --> 00:06:40,567 ⚟(鈴の音) 59 00:06:47,307 --> 00:06:53,980 ♬~ 60 00:06:53,980 --> 00:06:56,650 (兼続)おい! どこにいる? 61 00:06:56,650 --> 00:06:58,985 ⚟(初音)本当だったのですね 62 00:06:58,985 --> 00:07:02,255 ⚟ 蟄居させられているというのは 63 00:07:02,255 --> 00:07:04,925 それを知っているなら わしに用はないはず 64 00:07:04,925 --> 00:07:07,594 そなたは織田の忍び 今のわしからは 65 00:07:07,594 --> 00:07:10,930 上杉のことは何も分からぬ 66 00:07:10,930 --> 00:07:12,933 ⚟(初音)フッ 67 00:07:14,267 --> 00:07:16,603 あっ! くっ うっ! 68 00:07:16,603 --> 00:07:18,605 ああっ! 69 00:07:21,608 --> 00:07:23,943 からかいにでも来たか 70 00:07:23,943 --> 00:07:25,945 いいえ 71 00:07:25,945 --> 00:07:29,282 いいか わしは心を無にして働いておる 72 00:07:29,282 --> 00:07:31,284 世俗と かけ離れて生きているのだ 73 00:07:31,284 --> 00:07:33,286 このまま 仏門に入っても いいくらいだ 74 00:07:33,286 --> 00:07:37,290 先日 加賀の手取川で 75 00:07:37,290 --> 00:07:39,292 上杉の軍勢が 76 00:07:39,292 --> 00:07:42,962 織田の大軍を打ち破りました なっ 何? 77 00:07:42,962 --> 00:07:46,633 ほら 世俗を離れているなどとは うそ 78 00:07:46,633 --> 00:07:48,969 やっぱり あなたの体の中には 79 00:07:48,969 --> 00:07:51,304 侍の血が流れているのです 80 00:07:51,304 --> 00:07:54,641 ハァ~ッ もっと詳しく聞かせてくれぬか? 81 00:07:54,641 --> 00:07:56,976 御屋形様は どう信長に挑まれたのだ 82 00:07:56,976 --> 00:07:59,279 あの鉄砲を いかにして封じ込めた? 83 00:08:03,917 --> 00:08:07,253 上杉軍の戦いぶりは 84 00:08:07,253 --> 00:08:09,255 それは見事なものでした 85 00:08:10,590 --> 00:08:15,261 鉄砲の弱点を 知り抜いていたのでございます 86 00:08:15,261 --> 00:08:17,263 鉄砲の弱点? 87 00:08:18,932 --> 00:08:23,603 その日は 激しい雨が降っておりました 88 00:08:23,603 --> 00:08:39,953 ♬~ 89 00:08:39,953 --> 00:08:44,958 ♬~ 90 00:08:44,958 --> 00:08:49,963 《(雷鳴)》 91 00:08:49,963 --> 00:09:01,908 ♬~ 92 00:09:01,908 --> 00:09:04,577 (景勝)《進め!》 93 00:09:04,577 --> 00:09:06,579 (景虎)《進め!》 94 00:09:10,917 --> 00:09:14,587 突然の夜襲に 慌てふためいた織田勢は 95 00:09:14,587 --> 00:09:16,923 得意の鉄砲で迎え撃つも 96 00:09:16,923 --> 00:09:21,528 雨のため まったく 使い物には なりませんでした 97 00:09:24,597 --> 00:09:27,267 (勝家)《ひくな! 後ろは川じゃ➡ 98 00:09:27,267 --> 00:09:32,605 背水の陣で持ちこたえよ! ひくな!》 99 00:09:32,605 --> 00:09:36,943 (初音の声)一方 上杉の兵は 100 00:09:36,943 --> 00:09:41,281 暗闇の中でも 動きに なんの乱れもなかったようです 101 00:09:41,281 --> 00:09:50,290 ♬~ 102 00:09:50,290 --> 00:09:52,625 (初音の声) 追い詰められた織田勢は➡ 103 00:09:52,625 --> 00:09:56,629 手取川を渡って 逃げようとしたのですが➡ 104 00:09:56,629 --> 00:10:02,635 折からの雨で 川が水かさを増し➡ 105 00:10:02,635 --> 00:10:05,972 1000人以上の者が 死んだのでございます 106 00:10:05,972 --> 00:10:11,978 ♬~ 107 00:10:11,978 --> 00:10:15,648 ほう~ なんと 108 00:10:15,648 --> 00:10:19,252 それでは まさに御屋形様の大勝利 109 00:10:21,321 --> 00:10:26,326 はい 1万3000の上杉軍が 110 00:10:26,326 --> 00:10:29,662 3万の織田軍に圧勝するとは 111 00:10:29,662 --> 00:10:34,334 謙信公の神とも見まがう ご采配あればこそ 112 00:10:34,334 --> 00:10:39,339 まさに 毘沙門天のご降臨と いうよりほかありません 113 00:10:39,339 --> 00:10:41,341 おお~っ 114 00:10:41,341 --> 00:10:44,677 しかし 115 00:10:44,677 --> 00:10:48,348 1つだけ 分からないことが 116 00:10:48,348 --> 00:10:51,017 なんだ? 117 00:10:51,017 --> 00:10:55,021 上杉軍は それ以上 118 00:10:55,021 --> 00:10:58,024 追っては こなかったのです 119 00:10:58,024 --> 00:11:01,961 えっ? 引き揚げたのか? 120 00:11:01,961 --> 00:11:05,965 天下取りの またとない 好機だったにもかかわらず 121 00:11:05,965 --> 00:11:11,304 なんの未練も残さず 引き揚げていった 122 00:11:11,304 --> 00:11:13,306 何故でしょう? 123 00:11:20,313 --> 00:11:22,982 ふ~ん 124 00:11:22,982 --> 00:11:26,653 御屋形様は欲で動く方ではない 125 00:11:26,653 --> 00:11:30,657 おそらく 成すべきことを成したと考え 126 00:11:30,657 --> 00:11:34,327 追い討ちされなかったのだろう 127 00:11:34,327 --> 00:11:36,629 成すべきこととは? 128 00:11:42,001 --> 00:11:45,338 世に正しき道を示すこと 129 00:11:45,338 --> 00:11:49,676 それが 上杉の義なのだ 130 00:11:49,676 --> 00:11:53,346 義? さよう 131 00:11:53,346 --> 00:11:58,017 でも それでは 132 00:11:58,017 --> 00:12:01,621 なんのために 戦に勝ったのでしょう? 133 00:12:01,621 --> 00:12:05,925 謙信公は 天下など どうでもよいのですか? 134 00:12:09,629 --> 00:12:12,632 私は 135 00:12:12,632 --> 00:12:16,236 天下を取る男を この目で見てみたいのです 136 00:12:18,304 --> 00:12:23,309 天下に興味のない男など つまらない 137 00:12:23,309 --> 00:12:28,314 ♬~ 138 00:12:28,314 --> 00:12:32,318 兼続様も そうお考えなのですか? 139 00:12:32,318 --> 00:12:50,003 ♬~ 140 00:12:50,003 --> 00:12:54,674 (秀吉)殿 謙信は いずれここへ 攻め寄せてまいりましょう➡ 141 00:12:54,674 --> 00:12:57,677 城下は 今 そのうわさで持ちきり➡ 142 00:12:57,677 --> 00:13:02,615 正直申せば フッ 我らも ちと不安➡ 143 00:13:02,615 --> 00:13:04,617 ここはひとつ 殿の➡ 144 00:13:04,617 --> 00:13:07,620 心強い おことばを 頂戴しとうございまする 145 00:13:07,620 --> 00:13:10,623 猿! (秀吉)ははっ 146 00:13:10,623 --> 00:13:14,227 日頃の大口はどうした? (秀吉)はっ 147 00:13:15,628 --> 00:13:19,298 万にひとつの機を 逸するような者に 148 00:13:19,298 --> 00:13:22,969 天下など取れぬわ 149 00:13:22,969 --> 00:13:26,572 機を逸するは 天命に逆らうに同じ 150 00:13:28,641 --> 00:13:31,644 晋の文公も そう言うておる 151 00:13:31,644 --> 00:13:34,647 (秀吉)されど… (信長)恐れるな 152 00:13:34,647 --> 00:13:36,983 (秀吉)はっ 153 00:13:36,983 --> 00:13:40,653 世の流れは速い 154 00:13:40,653 --> 00:13:47,327 義などという考えに 酔っておられるのも 今のうちじゃ 155 00:13:47,327 --> 00:13:49,629 酔いは いつか覚めるもの 156 00:13:53,100 --> 00:13:57,303 (息を吐く音) 上杉謙信 157 00:14:00,273 --> 00:14:03,876 神を気取っておられるのも 今のうちよ 158 00:14:06,279 --> 00:14:11,284 ♪(琵琶) 159 00:14:11,284 --> 00:14:26,299 ♪~ 160 00:14:26,299 --> 00:14:28,301 (弦が切れる音) 161 00:14:54,994 --> 00:15:08,908 ♬~ 162 00:15:11,611 --> 00:15:13,913 <そして 年が明け> 163 00:15:15,948 --> 00:15:20,620 すぐさま 春日山へ出仕せよとの 164 00:15:20,620 --> 00:15:23,289 御屋形様の お下知じゃ 165 00:15:23,289 --> 00:15:25,892 はっ ありがとうございます 166 00:15:27,960 --> 00:15:31,964 どうした? うれしゅうは ないのか? 167 00:15:31,964 --> 00:15:34,634 あっ うれしゅうございます 168 00:15:34,634 --> 00:15:37,236 ですが… 与六 169 00:15:38,638 --> 00:15:43,309 「志ある者は ついに成る」 170 00:15:43,309 --> 00:15:46,312 しっかりした志を持てば 171 00:15:46,312 --> 00:15:50,650 どんな困難や挫折があろうとも 172 00:15:50,650 --> 00:15:52,985 心配はいらん 173 00:15:52,985 --> 00:15:56,656 必ずや うまくいく 174 00:15:56,656 --> 00:16:00,259 はい もっと胸を張れ! 175 00:16:01,260 --> 00:16:03,262 はい! 176 00:16:04,597 --> 00:16:09,602 されど また寂しゅうなるなあ 177 00:16:09,602 --> 00:16:14,607 そなたが出ていくのは 2度目じゃ 178 00:16:14,607 --> 00:16:18,945 ワハッハッハッ… ああ… アッハハッ 179 00:16:18,945 --> 00:16:20,947 ハァ~ 180 00:16:24,283 --> 00:16:27,286 (お鈴の音) 181 00:16:27,286 --> 00:16:35,628 ♬~ 182 00:16:35,628 --> 00:16:37,630 あっ… 183 00:16:38,631 --> 00:16:41,634 お藤に 184 00:16:41,634 --> 00:16:45,638 きょうの姿を見せたかったのう 185 00:16:45,638 --> 00:16:47,640 父上… 186 00:16:51,978 --> 00:16:56,315 もう少し早く気付くべきでした 187 00:16:56,315 --> 00:17:00,253 母上は とうの昔に私の進むべき道を 188 00:17:00,253 --> 00:17:02,255 教えてくださっていたのです 189 00:17:04,257 --> 00:17:06,859 紅葉のごとき家臣になれと 190 00:17:09,262 --> 00:17:13,266 やっと 私は その真の意味を知ったのです 191 00:17:13,266 --> 00:17:29,615 ♬~ 192 00:17:29,615 --> 00:17:31,617 覚えておるか? 193 00:17:34,954 --> 00:17:38,291 幼きお前が 母にと 194 00:17:38,291 --> 00:17:40,293 わしに預けた菓子じゃ 195 00:17:40,293 --> 00:17:42,895 (与六)《これを母上に》 196 00:17:44,297 --> 00:17:48,634 お藤は これを片ときも離さず 197 00:17:48,634 --> 00:17:50,636 お守り代わりにしておったのじゃ 198 00:17:50,636 --> 00:17:56,309 ♬~ 199 00:17:56,309 --> 00:18:00,913 母は これからも お前を見守ってくれよう 200 00:18:03,916 --> 00:18:05,918 はい 201 00:18:05,918 --> 00:18:16,929 ♬~ 202 00:18:16,929 --> 00:18:19,599 少しくらい ゆっくりしていかれたら よいのに 203 00:18:19,599 --> 00:18:24,270 そうはいかん 御屋形様は すぐに関東へ出陣されるのだ 204 00:18:24,270 --> 00:18:26,939 関東を平定し その後は上洛されるはず 205 00:18:26,939 --> 00:18:28,941 急ぎ戻らねば 206 00:18:31,944 --> 00:18:36,549 兄上 お願いがございまする なんだ? 207 00:18:37,617 --> 00:18:41,287 私も一緒に 春日山へ行きたいのです 208 00:18:41,287 --> 00:18:43,956 景勝様の家臣となり 209 00:18:43,956 --> 00:18:46,292 陣中に お加えいただきとうございます 210 00:18:46,292 --> 00:18:48,294 与七… 211 00:18:48,294 --> 00:18:51,630 連れていってやってくれんか? 212 00:18:51,630 --> 00:18:53,966 こやつも 上杉の侍 213 00:18:53,966 --> 00:18:57,970 我が殿のもとで そなたと一緒に 仕えさしてやりたいのじゃ 214 00:18:59,305 --> 00:19:03,576 では 共に参るか? 殿にお頼みしてみよう 215 00:19:03,576 --> 00:19:07,580 ありがとうございます! (惣右衛門)よかったなあ 与七! 216 00:19:07,580 --> 00:19:09,582 すぐに支度を (与七)あっ はいっ 217 00:19:09,582 --> 00:19:11,584 おきた (きた)はいっ 218 00:19:22,261 --> 00:19:24,930 心が はやりますな 219 00:19:24,930 --> 00:19:27,600 兄上も 久しぶりのお戻りゆえ 220 00:19:27,600 --> 00:19:30,603 同じ気持ちではありませぬか? 221 00:19:30,603 --> 00:19:32,605 (ため息) 222 00:19:32,605 --> 00:19:36,275 どうか されたのですか? 223 00:19:36,275 --> 00:19:38,611 果たして 殿は まことに 224 00:19:38,611 --> 00:19:41,947 わしを お許しくだされたのかと思ってな 225 00:19:41,947 --> 00:19:46,619 何をおっしゃるのです 兄上は 殿の第一の家臣 226 00:19:46,619 --> 00:19:48,954 心配は ご無用 227 00:19:48,954 --> 00:19:52,958 だがの… 兄上 さあ 急ぎましょう 228 00:19:52,958 --> 00:19:54,960 (掛け声) うっ! 229 00:19:56,962 --> 00:19:58,964 (与七の掛け声) 230 00:19:58,964 --> 00:20:00,966 <こうして 兼続は➡ 231 00:20:00,966 --> 00:20:05,571 謙信の待つ春日山へと 戻っていったのでございます> 232 00:20:06,639 --> 00:20:10,643 (与七の掛け声) (いななき) 233 00:20:10,643 --> 00:20:13,646 うん? 234 00:20:13,646 --> 00:20:15,648 兼続➡ 235 00:20:15,648 --> 00:20:18,317 おい! 兼続が戻ってきたぞ! 236 00:20:18,317 --> 00:20:20,653 (桜井)兼続が? 237 00:20:20,653 --> 00:20:23,322 おお~ 兼続! (安部)兼続じゃ! 238 00:20:23,322 --> 00:20:25,991 (甘糟たち)ハハハッ…! 兼続! 239 00:20:25,991 --> 00:20:29,662 (弥七郎) 兼続じゃ~ 兼続じゃ 兼続じゃ 240 00:20:29,662 --> 00:20:33,999 兼続! よう帰ったの~ 241 00:20:33,999 --> 00:20:36,669 元気な様子じゃの~ (桜井)久しいのう 242 00:20:36,669 --> 00:20:39,338 ただいま戻りました (甘糟たち)おう~ 243 00:20:39,338 --> 00:20:41,674 ⚟(久秀)兼続! 244 00:20:41,674 --> 00:20:44,677 ああっ… 久秀殿もお許しが? (久秀)ああ 245 00:20:44,677 --> 00:20:47,012 きのう 先に着いておった 246 00:20:47,012 --> 00:20:50,015 ハァッ お互い長かったのう 247 00:20:50,015 --> 00:20:52,017 ああ 248 00:20:53,352 --> 00:20:56,355 (桜井たちの笑い声) (弥七郎)よかったのう 249 00:20:56,355 --> 00:20:59,959 また一緒じゃ (久秀たち)おう! ハハハッ… 250 00:21:02,962 --> 00:21:08,634 ⚟(足音) 251 00:21:08,634 --> 00:21:11,937 ⚟ 殿 兼続でございます 252 00:21:14,974 --> 00:21:17,977 入れ ⚟ はっ 253 00:21:37,663 --> 00:21:40,666 ただいま 戻りましてございます 254 00:21:47,673 --> 00:21:51,677 殿 こたびのことで 255 00:21:51,677 --> 00:21:54,980 ひとかたならぬ ご迷惑をおかけいたしました 256 00:22:09,628 --> 00:22:11,630 待て 257 00:22:12,631 --> 00:22:14,633 しばらく そこにおれ 258 00:22:23,642 --> 00:22:26,946 蟄居の苦労話などを 聞かせてはくれぬか 259 00:22:31,650 --> 00:22:36,655 兼続らしゅう おもしろうの 260 00:22:37,656 --> 00:22:39,658 殿… 261 00:22:41,994 --> 00:22:43,996 (弥七郎たち)オホホホッ! (甘糟)おい 262 00:22:43,996 --> 00:22:47,666 殿が お笑いになったぞ (弥七郎たちの笑い声) 263 00:22:47,666 --> 00:22:50,669 殿は そなたがおらぬ間 ずっと お黙りになったままでのう 264 00:22:50,669 --> 00:22:53,005 (甘糟たち)おうっ (弥七郎)わしらが どんなに 265 00:22:53,005 --> 00:22:55,341 ご機嫌を取ろうとしても むだだったのじゃ 266 00:22:55,341 --> 00:22:57,676 (桜井)そうよ~ (景勝)からかうでない 267 00:22:57,676 --> 00:23:00,012 (甘糟たちの笑い声) (弥七郎)はあ 268 00:23:00,012 --> 00:23:04,283 そなたの帰りを 殿がいちばん お待ちになっておられたのだ 269 00:23:04,283 --> 00:23:12,291 ♬~ 270 00:23:12,291 --> 00:23:14,293 ハァ~ッ 殿 271 00:23:14,293 --> 00:23:17,296 これに控えるは 弟の与七にございます 272 00:23:17,296 --> 00:23:20,633 与七 殿にごあいさつを (与七)はっ 273 00:23:20,633 --> 00:23:32,978 ♬~ 274 00:23:32,978 --> 00:23:36,315 樋口惣右衛門が次男 与七でございます 275 00:23:36,315 --> 00:23:44,323 ♬~ 276 00:23:44,323 --> 00:23:46,325 身命を賭して 277 00:23:47,993 --> 00:23:53,999 身命を賭して ご奉公つかまつります 278 00:23:53,999 --> 00:23:58,337 どうか ご家来衆の末座に お加えくださいませ 279 00:23:58,337 --> 00:24:05,611 ♬~ 280 00:24:05,611 --> 00:24:08,614 励めよ (安部たちの笑い声) 281 00:24:08,614 --> 00:24:10,949 (与七) はっ ありがたき おことば! 282 00:24:10,949 --> 00:24:14,286 (久秀)ほう よかったのう これでそなたも 我らの仲間じゃ 283 00:24:14,286 --> 00:24:16,622 (甘糟たち)おう! (久秀)こよいは宴じゃ~! 284 00:24:16,622 --> 00:24:18,924 (甘糟たち)おう~っ! ハハハッ… 285 00:24:24,296 --> 00:24:28,300 <謙信は 毘沙門堂に籠もっており➡ 286 00:24:28,300 --> 00:24:32,304 兼続の すぐの目通りは かないませんでした> 287 00:24:33,639 --> 00:24:50,923 ♬~ 288 00:24:54,660 --> 00:24:59,331 御屋形様より 己を省みる日々を お与えくださったこと 289 00:24:59,331 --> 00:25:03,602 この兼続 心より御礼申し上げまする 290 00:25:03,602 --> 00:25:06,271 だいぶ 身にしみたようじゃの 291 00:25:06,271 --> 00:25:09,608 はあっ もうよい 292 00:25:09,608 --> 00:25:14,213 そなたが 戻ってきて 景勝も 大層喜んでおろう 293 00:25:16,615 --> 00:25:20,919 やはり 景勝には そなたが欠かせぬようじゃの 294 00:25:24,289 --> 00:25:26,291 そなた 295 00:25:26,291 --> 00:25:29,962 北斗の七星を知っているか? 296 00:25:29,962 --> 00:25:31,964 はっ? 297 00:25:31,964 --> 00:25:42,641 ♬~ 298 00:25:42,641 --> 00:25:45,310 あそこに1つあるは 299 00:25:45,310 --> 00:25:48,981 王である北辰の星 300 00:25:48,981 --> 00:25:52,317 景勝の星じゃ 301 00:25:52,317 --> 00:25:56,321 そして いつも離れず側にいるのが 302 00:25:56,321 --> 00:26:03,262 その王を守る 北斗の七星 303 00:26:03,262 --> 00:26:08,934 兼続 そなたの星 304 00:26:08,934 --> 00:26:13,605 私が 北斗の七星… 305 00:26:13,605 --> 00:26:17,943 わたくしは その星の運命を信じ 306 00:26:17,943 --> 00:26:22,548 まだ幼きそなたを 景勝の家臣としたのじゃ 307 00:26:24,616 --> 00:26:28,287 そして そなたの母御も 308 00:26:28,287 --> 00:26:31,957 その星の運命を信じ 309 00:26:31,957 --> 00:26:34,293 お預けくだされた 310 00:26:34,293 --> 00:26:36,295 真でございますか? 311 00:26:36,295 --> 00:26:41,633 ♬~ 312 00:26:41,633 --> 00:26:45,938 よいか その運命が真なら 313 00:26:47,639 --> 00:26:52,644 そなたは 景勝を守り 生きていかねばならぬ 314 00:26:56,648 --> 00:27:01,253 この兼続 二度と殿のお側を離れませぬ 315 00:27:03,255 --> 00:27:06,925 北斗の七星のごとく お仕えいたします 316 00:27:06,925 --> 00:27:26,945 ♬~ 317 00:27:26,945 --> 00:27:33,252 ♬~ 318 00:27:36,955 --> 00:27:41,293 おお~っ すごい景色じゃのう! 319 00:27:41,293 --> 00:27:44,630 ここからだと 越後が一目で見渡せる 320 00:27:44,630 --> 00:27:46,965 よくそんなに元気で おれるな 321 00:27:46,965 --> 00:27:48,967 もちろんです 322 00:27:48,967 --> 00:27:52,971 ようやく 夢にまで見た ご奉公が かなったのでございますから 323 00:27:52,971 --> 00:27:55,974 そうだな 324 00:27:55,974 --> 00:27:57,976 懐かしいのう 325 00:28:01,246 --> 00:28:04,583 わしは きのう 初めて 326 00:28:04,583 --> 00:28:08,587 殿や上田の仲間たちの 強い思いが分かった 327 00:28:08,587 --> 00:28:10,889 あんなに わしを待っていてくれたとは… 328 00:28:13,258 --> 00:28:17,863 そんな思いに答えたい いや 答えなければならぬ 329 00:28:20,599 --> 00:28:23,602 兄上… 330 00:28:23,602 --> 00:28:26,271 与七 はい 331 00:28:26,271 --> 00:28:28,273 ほどなく関東への出陣 332 00:28:28,273 --> 00:28:30,943 その後は いよいよ信長との戦いだ 333 00:28:30,943 --> 00:28:34,613 力を合わせ この越後のために戦おう 334 00:28:34,613 --> 00:28:38,216 はい 私も兄上には負けませぬ 335 00:28:43,288 --> 00:28:47,960 兼続殿か? はい? 336 00:28:47,960 --> 00:28:50,963 直江信綱じゃ 337 00:28:50,963 --> 00:28:53,966 あ~ これは お初に御意を得まする 338 00:28:53,966 --> 00:28:55,968 うん 339 00:28:55,968 --> 00:29:04,576 ♬~ 340 00:29:04,576 --> 00:29:07,245 <夫 景綱の死後➡ 341 00:29:07,245 --> 00:29:12,851 お万の方は出家し 妙椿尼と称しておりました> 342 00:29:16,588 --> 00:29:18,924 夫は生前 よく 343 00:29:18,924 --> 00:29:22,594 そなたと 酒を 酌み交わしたいと言っておった 344 00:29:22,594 --> 00:29:26,264 ああ… そうでございますか 345 00:29:26,264 --> 00:29:28,934 こうして来てくれて 346 00:29:28,934 --> 00:29:31,236 喜んでおるに違いない 347 00:29:34,940 --> 00:29:36,942 はあ 348 00:29:36,942 --> 00:29:55,961 ♬~ 349 00:29:55,961 --> 00:29:59,965 あ~っ ハァ~ッ 350 00:29:59,965 --> 00:30:05,270 そなたの母御も 確か去年 亡くなられたのであったのう 351 00:30:06,304 --> 00:30:11,310 はい 景綱様が亡くなられた すぐあとのことでございました 352 00:30:12,644 --> 00:30:15,981 それは 美しい方であったそうじゃな 353 00:30:15,981 --> 00:30:19,318 ハァッ… (お船)お美しいだけでなく 354 00:30:19,318 --> 00:30:21,987 何事にも耐え抜く強さも持たれた 355 00:30:21,987 --> 00:30:24,990 すばらしいお方でした (信綱)うん 356 00:30:24,990 --> 00:30:27,592 まさに 越後の女子 357 00:30:28,994 --> 00:30:32,998 わたくしもそんな お藤様のように なりたいと思っているのです 358 00:30:32,998 --> 00:30:36,668 ああ… 失礼➡ 359 00:30:36,668 --> 00:30:40,972 かよ お酒 ⚟(かよ)はい ただ今 360 00:30:43,341 --> 00:30:45,343 どうぞ あっ…  361 00:30:46,678 --> 00:30:50,015 樋口様も お偉くなったもので ございますなあ 362 00:30:50,015 --> 00:30:52,017 奥方様のお酌とは 363 00:30:52,017 --> 00:30:55,020 これ かよ 無礼を申すでない 364 00:30:55,020 --> 00:30:58,690 そうじゃ きょうは わしの客人 として 来てもらっておるのじゃ 365 00:30:58,690 --> 00:31:01,626 はい… (妙椿尼)かよ 次の支度 366 00:31:01,626 --> 00:31:03,628 はいっ 367 00:31:12,971 --> 00:31:16,308 (かよ)あの… なんの支度でございましょう? 368 00:31:16,308 --> 00:31:18,977 (信綱)はあ? (妙椿尼)何を言うておる! 369 00:31:18,977 --> 00:31:22,647 もう… よい ハァッ わたくしがやります! 370 00:31:22,647 --> 00:31:24,649 はいっ (信綱の笑い声) 371 00:31:24,649 --> 00:31:27,652 いつも あのように騒々しいのです 372 00:31:27,652 --> 00:31:29,988 にぎやかで結構じゃ ハッハッハッ… 373 00:31:29,988 --> 00:31:32,591 新しいお酒をお持ちします あっ はあ… 374 00:31:35,660 --> 00:31:55,680 ♬~ 375 00:31:55,680 --> 00:32:03,288 ♬~ 376 00:32:03,288 --> 00:32:06,291 (お船)《美しい紅葉じゃのう》 377 00:32:06,291 --> 00:32:10,295 《お船殿 もう私は泣きませぬぞ》 378 00:32:11,963 --> 00:32:13,965 《遅かったのう》 379 00:32:16,301 --> 00:32:20,906 《もう少し早く 父が今のことばを聞いていたら➡ 380 00:32:22,974 --> 00:32:25,644 そなたを わたくしの婿とし➡ 381 00:32:25,644 --> 00:32:27,946 直江を継がせていたでしょうに》 382 00:32:31,650 --> 00:32:36,655 (気合いの声) 383 00:32:45,664 --> 00:32:48,667 久しく会わぬ間に ずいぶんと腕を上げたようだな 384 00:32:51,002 --> 00:32:53,338 あすは わしが稽古をつけてやろう 385 00:32:53,338 --> 00:32:55,674 はっ! ありがたき幸せ 386 00:32:55,674 --> 00:32:59,978 手加減はせぬぞ はっ! 387 00:33:10,288 --> 00:33:12,290 <3月になり➡ 388 00:33:12,290 --> 00:33:16,628 再び 出陣の日が近づいてまいりました> 389 00:33:16,628 --> 00:33:20,966 <春日山には 総勢6万は下らぬ軍勢が➡ 390 00:33:20,966 --> 00:33:24,269 続々と 集まってきたのでございます> 391 00:33:26,304 --> 00:33:29,608 (景虎) 御屋形様 お呼びでございますか? 392 00:33:35,313 --> 00:33:37,616 (謙信)座れ (景虎・景勝)はっ 393 00:33:44,656 --> 00:33:47,993 越後ばかりか 越中や加賀からも 394 00:33:47,993 --> 00:33:50,996 諸将が駆けつけておりまする 395 00:33:50,996 --> 00:33:52,998 皆 御屋形様を敬い➡ 396 00:33:52,998 --> 00:33:56,001 天下に上杉の名が とどろくのを 待ち望んでおりまする 397 00:33:57,669 --> 00:34:00,272 何か 思い違いを しておるようじゃな 398 00:34:01,940 --> 00:34:04,609 (景虎)何がでございます? 399 00:34:04,609 --> 00:34:06,611 わしが天下を取ると 400 00:34:08,613 --> 00:34:13,952 (景虎)なれど 信長を討ち めでたく ご上洛のあかつきに 401 00:34:13,952 --> 00:34:17,555 御屋形様が天下を治められるは 必定にございましょう 402 00:34:19,291 --> 00:34:22,594 (謙信)信長と戦うは 己の欲のためではない 403 00:34:23,962 --> 00:34:25,964 信長を倒し 404 00:34:25,964 --> 00:34:30,302 その後は 将軍義昭様を 再び京にお迎えし 405 00:34:30,302 --> 00:34:33,638 足利幕府を ご再興いただく 406 00:34:33,638 --> 00:34:37,943 その役目を終えれば 越後に戻るまでじゃ 407 00:34:41,980 --> 00:34:43,982 (景虎)御屋形様➡ 408 00:34:43,982 --> 00:34:48,320 御屋形様が無欲におわすこと 重々承知しております➡ 409 00:34:48,320 --> 00:34:51,990 さりながら 御屋形様が 天下を お治めになれば➡ 410 00:34:51,990 --> 00:34:53,992 この乱世は終わるのです 411 00:34:58,330 --> 00:35:01,599 天下を取ることが義なれば 412 00:35:01,599 --> 00:35:04,936 力によって弱き者をねじ伏せ 413 00:35:04,936 --> 00:35:08,940 殺りくを積み重ねていく 信長の行為も また 414 00:35:08,940 --> 00:35:10,942 義ということになる 415 00:35:12,610 --> 00:35:14,946 されど 416 00:35:14,946 --> 00:35:17,949 信長の行いは 義にあらず➡ 417 00:35:19,617 --> 00:35:23,221 ただ みずからの欲を 追い求めているにすぎん 418 00:35:24,956 --> 00:35:27,959 目先の利しか見えなくなった者は あわれじゃ 419 00:35:29,294 --> 00:35:34,633 わしは信長に いや天下の万民に 420 00:35:34,633 --> 00:35:38,236 意を得るより 気高きものが あることを 知らしめたいのじゃ 421 00:35:40,305 --> 00:35:43,642 それこそが 我が義 422 00:35:43,642 --> 00:35:46,644 人が人であることの美しさよ 423 00:35:46,644 --> 00:35:54,986 ♬~ 424 00:35:54,986 --> 00:35:56,988 あっ… 425 00:35:56,988 --> 00:36:12,604 ♬~ 426 00:36:12,604 --> 00:36:14,606 兼続でございます 427 00:36:14,606 --> 00:36:20,612 ♬~ 428 00:36:20,612 --> 00:36:23,214 座れ はっ 429 00:36:28,620 --> 00:36:30,622 何を考えておった? 430 00:36:35,627 --> 00:36:38,963 人が人であることの美しさ 431 00:36:38,963 --> 00:36:42,567 それこそが義であると 御屋形様は仰せられました 432 00:36:44,636 --> 00:36:47,305 されど… 433 00:36:47,305 --> 00:36:50,308 なんじゃ? 434 00:36:50,308 --> 00:36:52,644 ああっ… 435 00:36:52,644 --> 00:36:56,648 私には よく分からないのでございます 436 00:36:58,650 --> 00:37:01,252 上田庄で 蟄居しながら 437 00:37:01,252 --> 00:37:04,255 ずっと考え続けておりました 438 00:37:04,255 --> 00:37:06,925 我が殿や景虎様は 439 00:37:06,925 --> 00:37:11,262 御屋形様のためなら 命を投げ出し戦います 440 00:37:11,262 --> 00:37:14,866 その手を 血で染めることも いといませぬ 441 00:37:16,935 --> 00:37:21,940 なのに 私は… 442 00:37:21,940 --> 00:37:25,944 敵に刃を向けられるかどうか 443 00:37:25,944 --> 00:37:28,947 正直 自信がございません 444 00:37:31,282 --> 00:37:36,287 ですが 越後の民を守るためには 戦わなくてはなりませぬ 445 00:37:36,287 --> 00:37:38,289 民が幸せに暮らすためには 446 00:37:38,289 --> 00:37:41,292 この国を守り抜かなければ ならないのでございます! 447 00:37:43,628 --> 00:37:45,964 ああ… 448 00:37:45,964 --> 00:37:50,268 お許しくださいませ 勝手なことばかり申し上げて… 449 00:37:52,303 --> 00:37:54,305 それでよい 450 00:37:56,975 --> 00:37:59,978 そなたを見ていると 451 00:37:59,978 --> 00:38:03,181 まるで 若いころの自分を 思い出すようじゃ 452 00:38:05,917 --> 00:38:08,920 景勝 景虎にとって 453 00:38:08,920 --> 00:38:11,923 わしを信じることが すべて 454 00:38:11,923 --> 00:38:16,261 だから あやつらには迷いがない 455 00:38:16,261 --> 00:38:18,263 じゃが 兼続 456 00:38:19,597 --> 00:38:23,268 そなたは 迷うことだらけじゃ! 457 00:38:23,268 --> 00:38:25,270 フッ 458 00:38:26,938 --> 00:38:30,275 だからこそ 459 00:38:30,275 --> 00:38:32,577 見つけられるものがある 460 00:38:34,279 --> 00:38:36,281 己の義じゃ 461 00:38:39,951 --> 00:38:42,287 わしは長い戦いの中 462 00:38:42,287 --> 00:38:44,889 迷いに迷った末 己の義を得た 463 00:38:45,957 --> 00:38:49,294 そなたにも 464 00:38:49,294 --> 00:38:51,896 やがて そなたの義が見えてこよう 465 00:38:55,300 --> 00:38:59,304 私の 義… 466 00:38:59,304 --> 00:39:03,908 真の義を 見つけうる者が あるとすれば 467 00:39:03,908 --> 00:39:05,910 その者は 468 00:39:05,910 --> 00:39:09,914 己との戦いの中に孤独の身を置き 469 00:39:09,914 --> 00:39:12,217 迷走を続ける者じゃ 470 00:39:16,588 --> 00:39:19,924 兼続 471 00:39:19,924 --> 00:39:23,261 わしは そなたこそが 472 00:39:23,261 --> 00:39:26,598 我が意志を 真に受け継ぐものじゃと 473 00:39:26,598 --> 00:39:28,600 思うておる 474 00:39:33,605 --> 00:39:53,625 ♬~ 475 00:39:53,625 --> 00:40:13,645 ♬~ 476 00:40:13,645 --> 00:40:33,665 ♬~ 477 00:40:33,665 --> 00:40:53,685 ♬~ 478 00:40:53,685 --> 00:41:03,961 ♬~ 479 00:41:03,961 --> 00:41:08,299 (謙信)《真の義を 見つけうる者が あるとすれば➡ 480 00:41:08,299 --> 00:41:10,635 その者は➡ 481 00:41:10,635 --> 00:41:14,972 己との戦いの中に 孤独の身を置き➡ 482 00:41:14,972 --> 00:41:17,642 迷走を続ける者じゃ》 483 00:41:17,642 --> 00:41:25,950 ♬~ 484 00:41:29,654 --> 00:41:34,659 ♪(琵琶) 485 00:41:34,659 --> 00:41:54,679 ♪~ 486 00:41:54,679 --> 00:42:05,957 ♪~ 487 00:42:05,957 --> 00:42:07,959 (手が落ちる音) 488 00:42:11,295 --> 00:42:24,976 ♬~ 489 00:42:24,976 --> 00:42:29,981 ♬~ 490 00:42:29,981 --> 00:42:32,650 (久秀)御屋形様が お倒れに 491 00:42:32,650 --> 00:42:34,652 御屋形様が? 492 00:42:34,652 --> 00:42:38,990 (遠山)一枚岩であった上杉がのう 493 00:42:38,990 --> 00:42:40,992 うそなのじゃ➡ 494 00:42:40,992 --> 00:42:44,662 これは 我ら4人だけの秘密じゃ 495 00:42:44,662 --> 00:42:48,332 この心に うそはございませぬ 496 00:42:48,332 --> 00:42:53,004 では 何かあったら そなたを頼ります 497 00:42:53,004 --> 00:42:56,607 (妙椿尼) 上杉家の家督は…