1 00:00:06,757 --> 00:00:09,135 (江南孝明) ホントびっくりしちゃいましたよ 2 00:00:09,218 --> 00:00:11,679 知らないうちに 作家になってるんですから 3 00:00:11,762 --> 00:00:15,057 (江南) 僕が担当している 特別企画があって… 4 00:00:15,141 --> 00:00:19,353 “鎌倉・時計屋敷の 亡霊に挑む”っていう企画なんです 5 00:00:19,437 --> 00:00:22,690 (江南)“時計館”とも呼ばれてる 奇妙な建物だそうで… 6 00:00:22,773 --> 00:00:27,611 あの中村青司が 設計した建物のひとつらしいんです 7 00:00:27,695 --> 00:00:29,321 (古峨由季弥) 姉さんは どこ? 8 00:00:29,405 --> 00:00:32,032 姉さんを いじめに来たんじゃないだろうね? 9 00:00:32,116 --> 00:00:35,327 (野之宮泰斉) わしは夢を見たぞ 恐ろしい夢じゃった! 10 00:00:35,411 --> 00:00:38,289 (鹿谷門実) この先に 時計館という 建物があるの知ってます? 11 00:00:38,372 --> 00:00:39,790 (福西涼太) 福西です 12 00:00:39,874 --> 00:00:41,292 (鹿谷) 福西くん 13 00:00:41,375 --> 00:00:43,377 (鹿谷) 誰か仲間がいてくれたほうが―― 14 00:00:43,461 --> 00:00:44,503 心強いんだ 15 00:00:44,587 --> 00:00:48,048 (瓜生民佐男) その少女の亡霊が 現れるって話ですよね 16 00:00:48,132 --> 00:00:53,345 (光明寺美琴) これから 霊との交信を試みようと思います 17 00:00:53,429 --> 00:00:54,847 (女性の声) 何を… 18 00:00:55,347 --> 00:00:56,307 あなた… 19 00:00:56,390 --> 00:00:57,767 (何かが壊れるような音) (江南) ハッ… 20 00:00:57,850 --> 00:01:01,061 (小早川茂郎) 彼女は 一体 どこに 消えちまったっていうんだよ!? 21 00:01:01,145 --> 00:01:03,189 (江南) クローゼットかもしれません 22 00:01:04,315 --> 00:01:05,524 (江南) ハッ… 23 00:01:06,442 --> 00:01:08,027 アア… 24 00:01:09,195 --> 00:01:16,202 ♪~ 25 00:01:59,912 --> 00:02:06,919 ~♪ 26 00:02:16,387 --> 00:02:18,389 (樫 早紀子) 切り裂かれた―― 27 00:02:18,472 --> 00:02:20,474 ウエディングドレス? 28 00:02:20,558 --> 00:02:23,269 (内海篤志) おい 勘弁してくれよ 29 00:02:26,230 --> 00:02:27,898 (瓜生) 僕たちも 見に行っていいですか? 30 00:02:27,982 --> 00:02:29,984 (新見こずえ) 瓜生さん 本気ですか? 31 00:02:30,359 --> 00:02:31,485 (瓜生) この館で 何か―― 32 00:02:31,569 --> 00:02:33,487 予想外のことが 起きてるのなら―― 33 00:02:33,571 --> 00:02:35,447 確認しておくべき じゃないかな 34 00:02:35,698 --> 00:02:38,742 (河原崎潤一) ああ 民佐男 行こうぜ 35 00:02:40,119 --> 00:02:41,245 (小早川) 待ってくれ 36 00:02:42,830 --> 00:02:44,665 振子の部屋は 入らない約束だ 37 00:02:46,000 --> 00:02:48,419 俺と江南は 緊急事態だから入ったが 38 00:02:48,502 --> 00:02:49,879 できれば これ以上は―― 39 00:02:49,962 --> 00:02:51,755 そのままにして おいたほうがいいだろう 40 00:02:58,971 --> 00:03:00,598 小早川さんが そう言うなら―― 41 00:03:00,681 --> 00:03:01,765 しかたないですね 42 00:03:05,269 --> 00:03:09,481 それよりも 光明寺さんを捜さないと 43 00:03:10,524 --> 00:03:11,859 何か知ってるかも 44 00:03:13,360 --> 00:03:15,195 ああ そうだな 45 00:03:16,488 --> 00:03:19,742 よし みんなで 手分けして捜そう 46 00:03:20,242 --> 00:03:21,368 (江南) はい 47 00:03:30,085 --> 00:03:33,631 (早紀子) 私が のぞいたときのまんまみたいだけど 48 00:03:33,964 --> 00:03:36,800 ベッドには寝た形跡があるけど―― 49 00:03:37,426 --> 00:03:40,012 さすがに ここに戻ってるわけはないか 50 00:03:48,187 --> 00:03:50,481 (早紀子) ひょっとして―― 51 00:03:50,564 --> 00:03:54,234 戻ってこられない 状態だってことはない? 52 00:03:55,194 --> 00:03:58,447 さて それはどうかな 53 00:04:03,619 --> 00:04:06,580 (渡辺涼介) あれ? ここは行き止まりなんだ 54 00:04:06,664 --> 00:04:07,665 てっきり… 55 00:04:07,748 --> 00:04:10,167 てっきり 玄関ホールに 戻れると思ったのに 56 00:04:10,250 --> 00:04:12,544 (こずえ) ここ 何かあるけど 57 00:04:14,672 --> 00:04:16,173 (渡辺) ちょっと こずえちゃん 58 00:04:16,256 --> 00:04:17,549 1人じゃ… 59 00:04:17,633 --> 00:04:21,887 (ドアの開閉音) 60 00:04:25,849 --> 00:04:29,144 (時鐘音) 61 00:04:40,406 --> 00:04:42,032 ただの物置 62 00:04:42,116 --> 00:04:44,451 誰もいないし 何もなかった 63 00:04:54,670 --> 00:04:56,338 (ドアの開く音) (内海) ウワッ! 64 00:04:57,339 --> 00:04:59,383 (河原崎) あっ… ダメです 65 00:04:59,466 --> 00:05:01,093 隣にもいませんね 66 00:05:01,176 --> 00:05:02,636 (内海) 脅かすなよ! 67 00:05:03,220 --> 00:05:04,638 (内海) こっちもいないよ! 68 00:05:06,223 --> 00:05:10,394 それにしても 薄気味悪い家だよな 69 00:05:11,937 --> 00:05:15,357 (河原崎) つくづく 金持ちの趣味は分かりませんね 70 00:05:18,277 --> 00:05:19,528 (小早川) こっちに行くと―― 71 00:05:19,611 --> 00:05:21,572 収集ブロックか 72 00:05:22,531 --> 00:05:26,118 (江南) ええ いちばん手前が書斎で―― 73 00:05:26,201 --> 00:05:29,580 残りの11部屋が資料室のはずです 74 00:05:30,831 --> 00:05:35,586 それにしても 奇妙な造りですよね 75 00:05:40,382 --> 00:05:41,884 小早川さん 76 00:05:42,134 --> 00:05:45,679 中村青司っていう建築家を 知ってますか? 77 00:05:45,888 --> 00:05:49,308 (小早川) うん? 聞いたことがある名前だな 78 00:05:49,767 --> 00:05:53,854 (江南) この時計館を設計したのが その中村青司なんです 79 00:05:56,023 --> 00:05:57,316 (小早川) それがどうかしたか? 80 00:05:59,610 --> 00:06:00,861 いえ… 81 00:06:02,321 --> 00:06:04,114 何でもないです 82 00:06:06,742 --> 00:06:11,789 (時鐘音) 83 00:06:16,752 --> 00:06:18,754 (早紀子) どうぞ (内海) どうも 84 00:06:20,881 --> 00:06:22,800 (早紀子) 結局 光明寺さん 85 00:06:22,883 --> 00:06:24,843 どこにもいなかったんだ 86 00:06:25,260 --> 00:06:29,098 (瓜生) ああ 今のところ そのようだね 87 00:06:31,308 --> 00:06:33,060 (小早川) どういうことなんだ? 88 00:06:45,155 --> 00:06:49,076 (瓜生) 事の経緯を いま一度 確認させてもらえますか 89 00:06:52,204 --> 00:06:54,414 (江南) ああ いいけど 90 00:06:55,999 --> 00:06:58,127 江南さんの話では… 91 00:06:59,503 --> 00:07:01,338 (瓜生) 深夜の3時ごろ 92 00:07:01,421 --> 00:07:04,591 光明寺さんの部屋のほうから 物音が聞こえ… 93 00:07:05,175 --> 00:07:09,513 光明寺さんらしき人影を見かけ あとをつけた 94 00:07:10,639 --> 00:07:13,058 光明寺さんは 鍵が かかっているはずの―― 95 00:07:13,142 --> 00:07:15,102 振子の部屋に入って―― 96 00:07:15,185 --> 00:07:17,604 そこで何者かと話をしていた 97 00:07:17,688 --> 00:07:20,607 (女性の声) どうして… 何を… 98 00:07:21,525 --> 00:07:22,484 あなた… 99 00:07:22,568 --> 00:07:23,861 (何かが壊れるような音) (江南) ハッ… 100 00:07:23,944 --> 00:07:27,573 (瓜生) やがて 室内から 問題の物音が聞こえた 101 00:07:29,366 --> 00:07:30,742 (江南) 光明寺さん! 何が… 102 00:07:30,826 --> 00:07:33,370 (時鐘音) 103 00:07:33,453 --> 00:07:36,373 その時刻が午前3時半ごろ 104 00:07:36,748 --> 00:07:40,085 江南さんは ドア越しに声をかけてみたが―― 105 00:07:40,169 --> 00:07:42,212 返事はなかった 106 00:07:43,630 --> 00:07:46,717 どうして そのとき 誰かに すぐ知らせなかったんですか? 107 00:07:46,800 --> 00:07:48,177 江南さん 108 00:07:50,554 --> 00:07:55,017 (江南) 正直 ワケが分からなかったんだ 109 00:07:55,684 --> 00:07:58,145 現実感が乏しかったとでもいうか… 110 00:07:58,854 --> 00:08:00,564 “夢でも見ているんじゃないか” 111 00:08:00,647 --> 00:08:03,567 そんなふうにも思えてきて それで… 112 00:08:03,650 --> 00:08:07,529 …で さっき お2人が行ってみると―― 113 00:08:07,613 --> 00:08:10,032 部屋のドアは鍵が外れていて―― 114 00:08:10,532 --> 00:08:13,952 室内にあった時計が 全て壊されていた 115 00:08:15,245 --> 00:08:18,165 寝室の じゅうたんに 血痕らしきものがあり―― 116 00:08:18,248 --> 00:08:22,461 かたわらに落ちていた時計は 3時半を示して止まっていた 117 00:08:22,794 --> 00:08:26,882 何が起こったのか 想像するのは容易ですね 118 00:08:27,299 --> 00:08:29,009 (早紀子) 何が起きたの? 119 00:08:31,303 --> 00:08:34,097 (瓜生) 光明寺さんは 深夜のその時間 120 00:08:34,181 --> 00:08:37,643 振子の部屋で 誰かと密会する約束をしていた 121 00:08:37,726 --> 00:08:40,562 その相手と口論になり 激高した相手が―― 122 00:08:40,646 --> 00:08:43,232 手近にあった置き時計で 彼女を殴り殺した 123 00:08:43,315 --> 00:08:45,359 (こずえ) ウソ… ヤダ 124 00:08:45,776 --> 00:08:48,237 その物音を いぶかしく思った江南さんが―― 125 00:08:48,320 --> 00:08:50,614 外から声をかけたとき―― 126 00:08:50,989 --> 00:08:52,241 その相手… 127 00:08:55,285 --> 00:08:58,705 犯人は 当然 まだ部屋の中にいて―― 128 00:08:58,789 --> 00:09:02,167 江南さんが諦めて引き返すのを 待ってから―― 129 00:09:02,251 --> 00:09:04,544 部屋にある時計を全て破壊し―― 130 00:09:05,587 --> 00:09:07,631 そうして 彼女の死体を… 131 00:09:07,965 --> 00:09:10,133 (渡辺) や… やめてくださいよ 132 00:09:10,217 --> 00:09:11,510 そんな 死体だなんて… 133 00:09:11,593 --> 00:09:13,553 (瓜生) 彼女の死体を―― 134 00:09:13,637 --> 00:09:16,640 僕らには見つけられないような場所に 隠してしまった 135 00:09:18,308 --> 00:09:20,852 (河原崎) しかしな 民佐男 136 00:09:21,103 --> 00:09:22,729 犯人といったって―― 137 00:09:22,813 --> 00:09:26,149 この旧館の中にいるのは 俺たちだけなんだぜ 138 00:09:26,525 --> 00:09:27,359 てことは… 139 00:09:27,442 --> 00:09:29,611 犯人は この中にいる 140 00:09:30,153 --> 00:09:31,697 そういう話だね 141 00:09:33,156 --> 00:09:34,658 んじゃ… 142 00:09:35,284 --> 00:09:39,496 犯人は 編集部のお3方の 誰かってことになるな 143 00:09:39,579 --> 00:09:43,959 なんたって 俺たちは 昨日 初めて 光明寺さんに会ったわけだから 144 00:09:44,042 --> 00:09:45,752 殺す理由なんてあるはずがない 145 00:09:45,836 --> 00:09:48,547 彼女と初対面だったのは 俺も同じだよ 146 00:09:48,630 --> 00:09:50,924 江南くんだって そうだったんじゃないのか? 147 00:09:55,178 --> 00:09:56,847 (瓜生) 小早川さんは? 148 00:09:58,098 --> 00:09:59,308 フフッ… 149 00:09:59,766 --> 00:10:01,893 私を疑ってんのか? 150 00:10:03,770 --> 00:10:05,731 まあ そりゃ 彼女とは 以前から面識があったが… 151 00:10:05,814 --> 00:10:08,233 別に 積極的に疑うつもりは ありませんよ 152 00:10:08,317 --> 00:10:10,277 ただ 何か心当たりはありませんか? 153 00:10:10,360 --> 00:10:12,446 光明寺さんの深夜の行動について 154 00:10:12,529 --> 00:10:13,655 ないな 155 00:10:15,198 --> 00:10:17,326 (こずえ) 幽霊の仕業よ 156 00:10:18,368 --> 00:10:22,664 ゆうべ あんな交霊会をしたから この家の霊が怒って… 157 00:10:22,748 --> 00:10:23,582 ねえ 瓜生さん 158 00:10:23,665 --> 00:10:26,251 光明寺さんを 神隠しに遭わせたとか? 159 00:10:26,335 --> 00:10:28,795 時計を壊したのも 霊の仕業だと言いたいのかな? 160 00:10:28,879 --> 00:10:30,339 ポルターガイストのせいで… 161 00:10:30,422 --> 00:10:34,009 やれやれ… ここは もうちょっと現実的に考えなきゃね 162 00:10:35,302 --> 00:10:36,636 (渡辺) だったら… 163 00:10:37,763 --> 00:10:40,432 警察に知らせたほうが いいんじゃないですか? 164 00:10:40,515 --> 00:10:42,768 とにかく まず 伊波さんに相談して―― 165 00:10:42,851 --> 00:10:43,935 それから… 166 00:10:44,019 --> 00:10:45,645 (小早川) それはムリだ 167 00:10:46,396 --> 00:10:47,481 (江南) えっ? 168 00:10:48,315 --> 00:10:51,276 外に知らせようにも 鍵がないんだ 169 00:10:51,360 --> 00:10:55,197 でも 合鍵の束 小早川さんが 預かっていたじゃないッスか 170 00:10:55,280 --> 00:10:58,033 あれは光明寺さんに渡したんだ 171 00:10:59,201 --> 00:11:02,204 この家の過去を探るために 必要だと言われて 172 00:11:02,287 --> 00:11:03,663 (渡辺) そんな… 173 00:11:04,247 --> 00:11:07,042 じゃ 僕たち 出られないってことですか? 174 00:11:07,542 --> 00:11:10,337 (小早川) まさか こんな事態になるとは思わなかった 175 00:11:11,254 --> 00:11:15,425 (河原崎) となると こいつは いよいよだな 176 00:11:16,301 --> 00:11:17,844 (瓜生) 何が“いよいよ”なんだい? 177 00:11:18,553 --> 00:11:24,142 (河原崎) 要するに これは 全部 光明寺先生の1人芝居だってわけだ 178 00:11:24,226 --> 00:11:26,311 潤一 聞かせてくれよ 179 00:11:26,395 --> 00:11:29,064 (河原崎) 家じゅうを捜しても彼女の姿がない 180 00:11:29,147 --> 00:11:30,232 なぜか 181 00:11:30,315 --> 00:11:33,276 彼女は 家の外へ出ちまったって話だ 182 00:11:33,360 --> 00:11:36,363 玄関の鍵を預かっていたのなら 何の問題もない 183 00:11:36,446 --> 00:11:38,698 どうして 彼女は そんなマネをしたわけ? 184 00:11:38,782 --> 00:11:40,992 (河原崎) パフォーマンスに決まってるさ 185 00:11:41,076 --> 00:11:43,787 ゆうべの 交霊会で起こった現象の続きで―― 186 00:11:43,870 --> 00:11:46,415 深夜に1人 死んだ娘の部屋へ行き―― 187 00:11:46,498 --> 00:11:49,793 奇怪な状況で 自ら神隠しに遭う 188 00:11:49,876 --> 00:11:51,545 たまたま あとをつけた江南さんを―― 189 00:11:51,628 --> 00:11:54,714 もっけの幸いで 目撃者に仕立て上げたんだ 190 00:11:54,798 --> 00:11:55,799 (瓜生) じゅうたんの血痕は? 191 00:11:55,882 --> 00:11:57,134 ケチャップか マニキュアだ 192 00:11:57,217 --> 00:11:58,218 (瓜生) 時計を壊した理由は? 193 00:11:58,301 --> 00:12:01,138 効果を狙った演出 所詮はイミテーションだ 194 00:12:01,221 --> 00:12:02,806 あとで弁償するハメになっても―― 195 00:12:02,889 --> 00:12:05,892 名前が もっと売れたら 元が取れると踏んだんだろ 196 00:12:06,768 --> 00:12:11,022 あとは うまいタイミングを 見計らって出現する 197 00:12:11,106 --> 00:12:12,315 そこで―― 198 00:12:12,399 --> 00:12:16,653 霊に連れられて 次元のひずみを さまよっていたとか何とか 199 00:12:16,736 --> 00:12:20,490 それらしい証言を披露して お話を面白くする 200 00:12:21,408 --> 00:12:25,078 …と まあ そういった寸法だな 201 00:12:25,162 --> 00:12:29,332 (瓜生) うん さしあたり 最も蓋然性の高い解釈だと思う 202 00:12:29,416 --> 00:12:31,835 (渡辺) もう 2人だけで完結しないでくださいよ 203 00:12:32,335 --> 00:12:34,171 (河原崎) 渡辺 204 00:12:34,254 --> 00:12:36,840 お前らが あんまり おびえるから―― 205 00:12:36,923 --> 00:12:40,469 安心させようと思って 解説してやったんだろうが 206 00:12:41,428 --> 00:12:43,638 小早川さんは どう思われますか? 207 00:12:45,390 --> 00:12:46,475 (小早川) ああ 208 00:12:46,558 --> 00:12:50,812 確かに 殺人なんてものが そうそう起こるわけはないだろうが… 209 00:12:50,896 --> 00:12:53,315 (内海) そうですよ 小早川さん 210 00:12:53,607 --> 00:12:55,650 お芝居に決まってますよ 211 00:12:55,942 --> 00:12:58,361 (河原崎) まあ 今夜か あしたには―― 212 00:12:58,445 --> 00:13:03,200 きっと 光明寺先生も 霊界から帰還されるだろうし―― 213 00:13:03,283 --> 00:13:05,744 心配は要らないんじゃないかな 214 00:13:06,786 --> 00:13:09,998 (こずえ) 良かった もう どうなることかと思っちゃった 215 00:13:12,125 --> 00:13:13,126 (瓜生) そうなると… 216 00:13:15,128 --> 00:13:17,839 僕には クローゼットにあったっていう―― 217 00:13:17,923 --> 00:13:20,175 ウエディングドレスのほうが 気になるんですけど 218 00:13:21,718 --> 00:13:22,761 江南さん 219 00:13:22,844 --> 00:13:25,555 ドレスが どんな状態だったか 教えてくれませんか? 220 00:13:30,477 --> 00:13:32,604 ナイフか ハサミか―― 221 00:13:33,230 --> 00:13:36,274 何か鋭い刃物で 所かまわず切り刻んだ 222 00:13:36,358 --> 00:13:37,400 そんな感じで… 223 00:13:38,443 --> 00:13:41,238 胸の辺りが こう… 224 00:13:41,613 --> 00:13:43,114 ベッタリと汚れていて 225 00:13:43,198 --> 00:13:45,158 その汚れは 血で? 226 00:13:46,576 --> 00:13:47,869 多分 227 00:13:47,953 --> 00:13:49,788 断言はできないけど 228 00:13:50,497 --> 00:13:54,209 赤というよりも 黒に近い色で―― 229 00:13:54,543 --> 00:13:57,963 血だったとしても 新しいもののようには見えなかった 230 00:14:01,675 --> 00:14:03,718 恐らく それは―― 231 00:14:03,802 --> 00:14:09,182 その部屋の主 死んだ永遠のために 作られたドレスだと考えるのが―― 232 00:14:09,266 --> 00:14:10,850 妥当なんでしょうね 233 00:14:12,936 --> 00:14:14,896 にしても 10年前… 234 00:14:15,772 --> 00:14:17,691 永遠は どんな死に方をしたんでしょう 235 00:14:23,280 --> 00:14:26,533 (振子の音) 236 00:14:26,616 --> 00:14:29,869 (河原崎) 3… 2… 1… 237 00:14:29,953 --> 00:14:30,996 OK! 238 00:14:31,663 --> 00:14:33,290 アア~… 239 00:14:34,249 --> 00:14:36,001 いただきます~ 240 00:14:39,796 --> 00:14:40,797 (瓜生) フフフフッ… 241 00:14:42,424 --> 00:14:43,883 (内海) 持ってきましたよ 242 00:14:44,301 --> 00:14:45,260 フフフフッ… 243 00:14:46,094 --> 00:14:47,220 いきますか? 244 00:14:48,638 --> 00:14:49,973 (小早川) 不純物 245 00:14:51,558 --> 00:14:53,143 (内海) すいません 246 00:15:21,838 --> 00:15:24,549 (ドアの開く音) 247 00:15:26,217 --> 00:15:27,761 (ドアの閉まる音) 248 00:15:32,390 --> 00:15:36,561 (江南) 249 00:15:45,111 --> 00:15:47,906 (女性の声) どうして… 何を… 250 00:15:49,032 --> 00:15:49,991 あなた… 251 00:15:50,075 --> 00:15:51,618 (何かが壊れるような音) (江南) ハッ… 252 00:15:51,701 --> 00:15:55,705 (江南) 253 00:15:55,789 --> 00:15:59,209 254 00:15:59,709 --> 00:16:02,879 255 00:16:02,962 --> 00:16:05,048 256 00:16:05,924 --> 00:16:10,220 257 00:16:11,137 --> 00:16:15,266 258 00:16:15,684 --> 00:16:22,649 あの十角館を設計した 建築家の中村青司… 259 00:16:22,816 --> 00:16:25,985 (鹿谷) 妙に子供じみた趣味があってね 260 00:16:26,903 --> 00:16:29,322 自分が関わった建物には―― 261 00:16:29,406 --> 00:16:32,450 隠し扉とか 秘密の抜け道とか―― 262 00:16:33,368 --> 00:16:36,037 その手の からくり仕掛けを… 263 00:16:36,121 --> 00:16:39,958 時には 建築主にもナイショで 作ることもあったという―― 264 00:16:40,041 --> 00:16:42,043 あの中村青司 265 00:16:42,127 --> 00:16:47,340 (江南) 266 00:16:47,424 --> 00:16:50,927 267 00:16:51,010 --> 00:16:54,264 268 00:16:56,015 --> 00:17:00,228 269 00:17:01,187 --> 00:17:04,899 270 00:17:28,923 --> 00:17:31,384 (福西) 今日は間に合いましたね 271 00:17:31,968 --> 00:17:33,136 (鹿谷) フフッ… 272 00:17:36,431 --> 00:17:38,808 (伊波紗世子) よくおいでくださいました 273 00:17:41,436 --> 00:17:44,230 こちらの勝手なお願いを 聞いていただいて―― 274 00:17:44,314 --> 00:17:46,065 何と申し上げたらよろしいか… 275 00:17:46,149 --> 00:17:50,236 あ~ いや もう そんな改めて言われると困っちゃうな 276 00:17:50,320 --> 00:17:54,532 (伊波) ご著作 本当に 面白く読ませていただきました 277 00:17:54,616 --> 00:17:57,410 読み始めたら 止まらなくなってしまいまして 278 00:17:57,494 --> 00:17:59,412 あんな時間に お電話を 279 00:17:59,496 --> 00:18:00,497 失礼いたしました 280 00:18:00,580 --> 00:18:02,499 いえいえ 恐縮です 281 00:18:08,588 --> 00:18:11,216 (銅鑼のような音) 282 00:18:11,299 --> 00:18:14,302 (鹿谷) 何です? 今の音は 283 00:18:14,385 --> 00:18:15,512 (伊波) 音? 284 00:18:15,595 --> 00:18:17,680 さあ? わたくしには何も 285 00:18:17,764 --> 00:18:19,724 (鹿谷) いや 聞こえたんですよ 286 00:18:19,808 --> 00:18:23,186 “ボーン”って… 何か どこかで 287 00:18:23,812 --> 00:18:26,189 福西くん 君も聞いただろ? 288 00:18:26,272 --> 00:18:28,441 (福西) ええ 確かに 289 00:18:28,525 --> 00:18:31,152 (伊波) お気になさらなくていいと思います 290 00:18:31,236 --> 00:18:32,862 高台にある家ですので―― 291 00:18:32,946 --> 00:18:36,115 遠くの物音が よく響いてまいります 292 00:18:36,533 --> 00:18:37,992 夜は特に 293 00:18:38,076 --> 00:18:39,786 (鹿谷) んん… なるほど 294 00:18:40,245 --> 00:18:41,830 ところで―― 295 00:18:42,497 --> 00:18:45,041 こちらに飾ってある 仮面なんですがね 296 00:18:45,124 --> 00:18:46,668 (伊波) それが どうか? 297 00:18:48,211 --> 00:18:49,671 (鹿谷) もともと こちらにも―― 298 00:18:49,754 --> 00:18:52,507 もう1つ かけてあったんじゃないですか? 299 00:18:52,590 --> 00:18:55,385 (福西) あっ… 確かに 300 00:18:57,387 --> 00:18:58,888 (伊波) 実を申しますと―― 301 00:18:58,972 --> 00:19:01,850 わたくしも 昨日から気になっていたのです 302 00:19:01,933 --> 00:19:03,810 (鹿谷) ほう… といいますと? 303 00:19:03,893 --> 00:19:05,186 (伊波) おっしゃるとおり―― 304 00:19:05,270 --> 00:19:08,857 本来は ここに もう1枚 仮面が かけてあったのですが―― 305 00:19:08,940 --> 00:19:12,068 どうしたわけか 昨日の午後から なくなってしまいまして 306 00:19:12,151 --> 00:19:15,363 ハハッ… 気づかれたのは 何時ごろだったのでしょう? 307 00:19:15,446 --> 00:19:19,158 (伊波) 6時に 皆さんが旧館にお入りになって―― 308 00:19:19,242 --> 00:19:20,785 そのあとでしたか 309 00:19:20,869 --> 00:19:22,328 (鹿谷) ふ~ん 310 00:19:37,385 --> 00:19:38,845 う~ん 311 00:19:40,638 --> 00:19:43,600 どうも気になるねえ さっきの音 312 00:19:43,766 --> 00:19:45,268 君は どう思う? 313 00:19:45,810 --> 00:19:47,812 (福西) どうと言われても… 314 00:19:47,896 --> 00:19:50,773 (鹿谷) 何の音だったんだろうね 315 00:19:51,024 --> 00:19:54,819 (福西) お寺の鐘をつくような音に 聞こえましたけど 316 00:19:55,403 --> 00:19:58,698 (鹿谷) 暮れ六つの時刻は とうに過ぎてると思うんだが 317 00:20:00,825 --> 00:20:02,869 ラップ音じゃないですか? 318 00:20:03,453 --> 00:20:04,579 (鹿谷) うん? 319 00:20:05,121 --> 00:20:07,165 亡霊の仕業ってわけか? 320 00:20:07,248 --> 00:20:10,418 じゃあ 仮面の件も 亡霊がやったのかな? 321 00:20:10,668 --> 00:20:11,961 (福西) まさか 322 00:20:12,045 --> 00:20:15,131 この家には 伊波さんのほかにも 住人がいるわけでしょう 323 00:20:15,214 --> 00:20:20,929 うん 少なくとも 由季弥という 古峨倫典の息子さんがいるはずだが 324 00:20:21,012 --> 00:20:24,849 (福西) だったら その彼が 何か理由があって―― 325 00:20:24,933 --> 00:20:27,226 伊波さんにはナイショで 外しちゃったんじゃないですか? 326 00:20:27,310 --> 00:20:29,479 (鹿谷) うん? 何の理由があって? 327 00:20:30,521 --> 00:20:32,732 (伊波) お待たせいたしました 328 00:20:34,275 --> 00:20:36,194 (伊波) 失礼します 329 00:20:40,531 --> 00:20:41,366 (ライターの着火音) 330 00:20:49,707 --> 00:20:52,418 では ご用件を お伺いいたしましょう 331 00:20:52,502 --> 00:20:55,713 何か相談事があるという話でしたが 332 00:20:57,382 --> 00:20:59,342 (伊波) 昨日 初めてお会いした方に―― 333 00:20:59,425 --> 00:21:01,511 いきなり相談事とは―― 334 00:21:01,594 --> 00:21:05,098 おかしな女だと 思われてることと存じます 335 00:21:05,848 --> 00:21:09,811 ですが ゆうべ 本を読ませていただき―― 336 00:21:09,894 --> 00:21:13,314 “ああ これをお書きになったお方なら――” 337 00:21:13,398 --> 00:21:17,610 “お話しできるかもしれない”と 思ってしまいまして 338 00:21:17,694 --> 00:21:20,571 (鹿谷) いえ 恐縮ですね 339 00:21:21,614 --> 00:21:25,326 (伊波) 最初に こちらから お尋ねしておかねばなりません 340 00:21:26,202 --> 00:21:27,912 お2人は どの程度―― 341 00:21:27,996 --> 00:21:31,457 この家のことについて ご存じなのでしょうか? 342 00:21:32,375 --> 00:21:34,711 (鹿谷) ええ まあ ひととおりのことは 343 00:21:34,794 --> 00:21:36,629 具体的には どの程度? 344 00:21:37,880 --> 00:21:39,799 僕が知っているのは―― 345 00:21:39,882 --> 00:21:43,136 こちらの屋敷が 十数年前―― 346 00:21:43,219 --> 00:21:45,013 古峨倫典氏が―― 347 00:21:45,096 --> 00:21:49,392 かの中村青司に設計を依頼して 建てられたものだということ 348 00:21:49,684 --> 00:21:51,019 屋敷の中には―― 349 00:21:51,102 --> 00:21:54,772 倫典氏が集めた 古時計のコレクションが多数あり―― 350 00:21:54,856 --> 00:21:58,901 “時計館”とか“時計屋敷”と 呼ばれているということ 351 00:21:59,152 --> 00:22:01,529 9年前に倫典氏が亡くなったあと―― 352 00:22:01,612 --> 00:22:05,450 財産は 息子の由季弥さんが 相続されたこと 353 00:22:05,533 --> 00:22:07,118 それから… 354 00:22:08,411 --> 00:22:13,791 この10年の間に 古峨家と その周辺で起こった7つの死 355 00:22:15,293 --> 00:22:18,963 ああ そこまで ご存じでしたか 356 00:22:20,465 --> 00:22:22,717 そんな人死にが 相次いだものだから―― 357 00:22:22,800 --> 00:22:25,678 いつしか 悪いウワサが ささやかれるようになった 358 00:22:25,762 --> 00:22:28,264 “あそこは呪われた家だ”とか―― 359 00:22:28,347 --> 00:22:30,683 “近づくと たたられる”とか―― 360 00:22:30,767 --> 00:22:33,811 “少女の亡霊が住んでいて 森を徘徊する”という―― 361 00:22:33,895 --> 00:22:37,231 例のウワサも 無論 その中に含まれます 362 00:22:37,565 --> 00:22:38,900 う~ん 363 00:22:38,983 --> 00:22:41,527 うん とりあえず そんなところでしょうか 364 00:22:42,987 --> 00:22:46,783 この家は不幸な家でございます 365 00:22:47,575 --> 00:22:50,078 呪われているといわれるのも―― 366 00:22:50,161 --> 00:22:55,458 過去に起こった不幸を考えれば ムリもないことです 367 00:22:57,043 --> 00:23:00,838 10年前 娘と夫に先立たれ―― 368 00:23:00,922 --> 00:23:03,633 途方に暮れる思いでいた わたくしに―― 369 00:23:04,383 --> 00:23:06,219 先代の旦那さまは―― 370 00:23:06,302 --> 00:23:09,847 この家に残るようにと 言ってくださいました 371 00:23:11,057 --> 00:23:14,644 わたくしにとって 旦那さまは もちろん―― 372 00:23:14,727 --> 00:23:18,231 永遠お嬢さまも そして 由季弥さまも―― 373 00:23:18,314 --> 00:23:21,692 どなたも 大切なお人ばかりでしたので―― 374 00:23:21,776 --> 00:23:26,322 ありがたく そのお言葉に 従うことにいたしました 375 00:23:27,615 --> 00:23:30,118 そのときは旦那さまも―― 376 00:23:30,451 --> 00:23:33,579 深く愛しておられたお嬢さまを 亡くされて―― 377 00:23:34,914 --> 00:23:39,502 それはもう 大変なお嘆きようでした 378 00:23:40,670 --> 00:23:43,339 なんとか悲しみから立ち直られて―― 379 00:23:43,422 --> 00:23:49,178 この新館の増築を始められたのが 同じ年の秋のことでございます 380 00:23:51,472 --> 00:23:57,186 (伊波) ところが 翌年の夏 時計塔が完成した直後に―― 381 00:23:57,270 --> 00:24:00,231 旦那さまは 病気で お倒れになり―― 382 00:24:00,314 --> 00:24:03,860 僅かののちに逝ってしまわれました 383 00:24:04,443 --> 00:24:05,570 そして―― 384 00:24:06,070 --> 00:24:08,447 自らの死期を悟られたのか―― 385 00:24:08,531 --> 00:24:10,658 病床で旦那さまは―― 386 00:24:10,741 --> 00:24:14,412 いくつかの遺言を わたくしどもに残されたのです 387 00:24:14,495 --> 00:24:16,747 うん? その遺言に何か問題が? 388 00:24:16,831 --> 00:24:17,874 はい 389 00:24:17,957 --> 00:24:19,917 聞かせていただけますか? 390 00:24:20,251 --> 00:24:23,045 (伊波) 自分の死後 財産は全て―― 391 00:24:23,129 --> 00:24:27,008 当時8歳になられたばかりの 由季弥さまに 392 00:24:27,091 --> 00:24:30,178 由季弥さまが 成人になるまでの後見人には―― 393 00:24:30,261 --> 00:24:33,723 妹の輝美さまを指名されました 394 00:24:34,015 --> 00:24:37,685 輝美さまは 当時から 海外に お住まいなのですが 395 00:24:38,394 --> 00:24:41,272 そして 由季弥さまに対しては―― 396 00:24:41,355 --> 00:24:43,566 相続するにあたって―― 397 00:24:43,649 --> 00:24:47,695 守らなければならない条件を いくつか示されました 398 00:24:47,778 --> 00:24:50,239 条件ですか 399 00:24:50,323 --> 00:24:51,741 (伊波) はい 400 00:24:52,325 --> 00:24:55,953 この家の当主として 由季弥さまは―― 401 00:24:56,037 --> 00:25:00,791 決して この家を 手放してはいけないということ 402 00:25:00,875 --> 00:25:05,004 できれば ずっと この家に住み続けること 403 00:25:05,755 --> 00:25:07,131 (福西) ずっと… 404 00:25:07,924 --> 00:25:09,300 一生ですか? 405 00:25:10,468 --> 00:25:11,886 (伊波) はい 406 00:25:11,969 --> 00:25:15,431 法律的に それが どれほどの拘束力を持つのかは―― 407 00:25:15,514 --> 00:25:16,807 よく存じませんが 408 00:25:16,891 --> 00:25:19,310 わたくしに対しても 旦那さまは―― 409 00:25:19,393 --> 00:25:22,813 いくつかの順守事項を 言い渡されました 410 00:25:22,897 --> 00:25:26,567 第1は 旧館の管理についてです 411 00:25:27,276 --> 00:25:29,153 あの 旧館というのは―― 412 00:25:29,237 --> 00:25:33,115 今 江南くんたちが 閉じこもっている建物のことですか? 413 00:25:33,574 --> 00:25:39,580 原則として 旧館は 扉を閉めきり 現状を維持し続けること 414 00:25:39,664 --> 00:25:44,293 特に 永遠お嬢さまが使っておられた 振子の部屋は―― 415 00:25:44,377 --> 00:25:48,339 お嬢さまがいらしたときのままの 状態にしておくようにと 416 00:25:49,382 --> 00:25:51,926 それから 旧館には―― 417 00:25:52,009 --> 00:25:55,930 資料室に陳列している コレクションのほかに―― 418 00:25:56,013 --> 00:26:00,017 作動してる時計が 全部で108個あるのですが―― 419 00:26:00,101 --> 00:26:03,980 それらは 全て 可能なかぎり手入れをして―― 420 00:26:04,063 --> 00:26:06,816 正しく動かし続けること 421 00:26:06,899 --> 00:26:09,193 えっ 108個? 422 00:26:09,443 --> 00:26:12,071 えっ そ… それを 全部… 423 00:26:12,154 --> 00:26:15,324 今日まで 全部 あなたが 管理してこられたのですか? 424 00:26:15,408 --> 00:26:19,161 (伊波) 中には 故障してしまったものもありますが 425 00:26:19,245 --> 00:26:21,914 大体 3日に1度は―― 426 00:26:21,998 --> 00:26:27,128 ネジを巻いたり 時刻を 微調整したりしてまいりました 427 00:26:33,676 --> 00:26:37,013 野之宮先生のことは ご存じですか? 428 00:26:37,096 --> 00:26:39,890 (鹿谷) いえ 初めて聞く名前です 429 00:26:40,391 --> 00:26:42,852 野之宮泰斉さんといって―― 430 00:26:42,935 --> 00:26:46,272 旦那さまが お若いころから 相談役にされてきた―― 431 00:26:46,355 --> 00:26:48,149 占いの先生なのです 432 00:26:48,232 --> 00:26:49,608 占い? 433 00:26:50,026 --> 00:26:52,737 はぁ… その方が何か? 434 00:26:52,820 --> 00:26:57,491 今年 もう 84になられる方なのですが 435 00:26:57,575 --> 00:27:00,411 旦那さまは 自分が死んだあと―― 436 00:27:00,494 --> 00:27:04,206 野之宮先生には この家に住んでいただき―― 437 00:27:05,124 --> 00:27:07,376 お世話をするようにと 438 00:27:07,460 --> 00:27:11,505 (鹿谷) すると 現在 この屋敷に 住んでいらっしゃるのは―― 439 00:27:11,589 --> 00:27:15,718 伊波さんと由季弥さんと その野之宮さんという占い師 440 00:27:15,801 --> 00:27:18,095 この3人だということですね? 441 00:27:18,179 --> 00:27:22,850 (伊波) もう1人 田所嘉明という使用人が―― 442 00:27:22,933 --> 00:27:25,644 昼間に通いで来てくれております 443 00:27:25,728 --> 00:27:28,564 (鹿谷) なるほど 田所さん 444 00:27:30,107 --> 00:27:32,151 遺言については―― 445 00:27:32,234 --> 00:27:35,071 今 申し上げたようなもの だったのですが―― 446 00:27:35,154 --> 00:27:36,530 ひとつ… 447 00:27:41,160 --> 00:27:46,248 ひとつ どうしても 気にかかる問題があるのです 448 00:27:47,083 --> 00:27:48,209 (福西) 問題? 449 00:27:49,377 --> 00:27:52,213 (伊波) 正式な遺言とは別に―― 450 00:27:52,296 --> 00:27:56,801 旦那さまは ある“詩”を残されたのです 451 00:27:59,845 --> 00:28:03,682 病床で最後に意識を戻されたとき―― 452 00:28:04,517 --> 00:28:07,645 旦那さまは うわごとのように―― 453 00:28:10,731 --> 00:28:16,070 “女神は 沈黙の獄舎に繋がれている” 454 00:28:17,738 --> 00:28:23,786 (古峨倫典)“1992年8月5日” 455 00:28:24,453 --> 00:28:27,123 (倫典)“処刑の その日” 456 00:28:27,998 --> 00:28:33,838 “時間は果て 聖堂に七色の光射し――” 457 00:28:34,213 --> 00:28:37,383 “地を揺るがす叫びの中に――” 458 00:28:37,967 --> 00:28:40,469 “お前たちは聴くだろう” 459 00:28:41,303 --> 00:28:46,225 “沈黙の女神の ただ一度の歌声” 460 00:28:47,351 --> 00:28:50,771 “美しき断末魔の調べを” 461 00:28:51,439 --> 00:28:54,817 “それは嘆きの歌” 462 00:28:54,900 --> 00:28:59,071 “それは祈りの歌” 463 00:28:59,989 --> 00:29:04,368 (倫典)“罪深き獣たちの 骸とともに――” 464 00:29:05,161 --> 00:29:10,416 “我らの墓標に 捧げられるであろう” 465 00:29:10,499 --> 00:29:16,630 (伊波) そして 旦那さまは その詩をつぶやかれたあと… 466 00:29:17,465 --> 00:29:20,843 (倫典) 沈黙の女神の… 467 00:29:23,137 --> 00:29:25,389 歌声が… 468 00:29:26,765 --> 00:29:28,559 聞こえる… 469 00:29:29,977 --> 00:29:35,441 (伊波) その言葉を最期に 息を引き取られました 470 00:29:37,776 --> 00:29:39,904 (鹿谷) こちらが その… 471 00:29:44,992 --> 00:29:48,454 (伊波) 旦那さまの遺骨は 遺言に従い―― 472 00:29:48,537 --> 00:29:52,791 新館と同じ時期に建てられた 納骨堂のほうに―― 473 00:29:52,875 --> 00:29:55,169 納められる運びとなりました 474 00:29:56,378 --> 00:29:58,464 納骨堂というのは どちらに? 475 00:29:59,131 --> 00:30:01,133 (伊波) 裏庭にございます 476 00:30:06,972 --> 00:30:12,937 (伊波) 永遠さまと 時代さま 亡くなった奥さまの遺骨が―― 477 00:30:13,020 --> 00:30:17,107 それぞれ 石棺の中に納められております 478 00:30:18,943 --> 00:30:22,863 (鹿谷)“沈黙の女神”か 479 00:30:23,197 --> 00:30:27,201 …で あなたは 僕に この詩の意味を探れと 480 00:30:27,284 --> 00:30:29,245 そのように おっしゃるわけですね? 481 00:30:29,328 --> 00:30:33,123 (伊波) 何か深い意味が あるような気がしてならないのです 482 00:30:33,207 --> 00:30:34,625 この家に住んでいながら―― 483 00:30:34,708 --> 00:30:37,920 それが分らないでいるのが 不安でしかたがなくて 484 00:30:38,003 --> 00:30:39,421 (鹿谷) いや よ~く分かります 485 00:30:39,505 --> 00:30:41,298 僕としても 聞いてしまった以上―― 486 00:30:41,382 --> 00:30:44,093 これを 謎のまま放り出すなんて もう… 487 00:30:45,177 --> 00:30:46,679 耐えられない 488 00:30:46,762 --> 00:30:49,473 いやぁ 昔から そんな性分でしてね 489 00:30:49,557 --> 00:30:51,392 (伊波) 決して ご無理は申しませんが… 490 00:30:51,475 --> 00:30:54,186 (鹿谷) あ~ いえ とんでもない とんでもない 491 00:30:58,691 --> 00:31:01,277 (伊波) あら もう10時半 492 00:31:01,360 --> 00:31:02,528 申し訳ございません 493 00:31:02,611 --> 00:31:05,322 由季弥さまに お夜食を お持ちしなければなりません 494 00:31:05,406 --> 00:31:06,824 すぐ戻りますので 495 00:31:06,907 --> 00:31:08,576 (鹿谷) あっ お気遣いなく 496 00:31:08,659 --> 00:31:11,203 のんびり お待ちしておりますよ 497 00:31:12,162 --> 00:31:13,914 う~ん 498 00:31:13,998 --> 00:31:14,832 (ドアの開く音) 499 00:31:31,223 --> 00:31:34,643 (福西) それ 砂時計ですか? 500 00:31:34,852 --> 00:31:37,771 (鹿谷) ああ 時計館にちなんでね 501 00:31:39,815 --> 00:31:42,484 んん… それにしても―― 502 00:31:42,568 --> 00:31:47,406 なかなかの詩人だったんだねえ 古峨倫典という人は 503 00:31:48,157 --> 00:31:53,412 “沈黙の獄舎に 繋がれた女神”か 504 00:31:54,121 --> 00:31:57,082 鹿谷さんは 何か考えが? 505 00:31:57,166 --> 00:31:58,417 (鹿谷) うん? 506 00:31:58,500 --> 00:32:00,127 さっぱりだね 507 00:32:00,210 --> 00:32:01,337 フフッ… 508 00:32:01,420 --> 00:32:03,756 いやぁ まだまだデータが少なすぎて―― 509 00:32:03,839 --> 00:32:06,175 何が何やら 510 00:32:07,176 --> 00:32:08,010 (福西) ウワッ! 511 00:32:08,469 --> 00:32:09,720 (鹿谷) ウワッ! 512 00:32:13,223 --> 00:32:16,894 あっ ひょっとして 野之宮さんですか? 513 00:32:18,145 --> 00:32:20,898 (野之宮) 死神を見たんじゃ 514 00:32:21,148 --> 00:32:21,982 (福西) えっ? 515 00:32:22,608 --> 00:32:25,736 死神じゃよ マントを着たヤツじゃ 516 00:32:25,819 --> 00:32:28,656 青白い蝋人形みたいな顔をしてな 517 00:32:28,739 --> 00:32:30,157 あっ そうですか 518 00:32:30,240 --> 00:32:31,533 どこで見たんですか? 519 00:32:32,159 --> 00:32:34,370 納骨堂じゃよ 520 00:32:34,453 --> 00:32:37,456 あんた このことは 誰にも しゃべってはならんぞ 521 00:32:37,831 --> 00:32:40,918 じゃが あやつの正体を わしは知っておる 522 00:32:41,001 --> 00:32:43,462 正体? 誰なんですか? 523 00:32:43,545 --> 00:32:45,547 (野之宮) あの男に決まっておるわ 524 00:32:45,631 --> 00:32:47,383 “りんてん”じゃ! 525 00:32:47,675 --> 00:32:49,176 (鹿谷) りんてん? 526 00:32:49,385 --> 00:32:50,219 りん… 527 00:32:50,302 --> 00:32:53,305 あっ… 亡くなった古峨倫典さんですか? 528 00:32:53,389 --> 00:32:55,015 (野之宮) あやつ わしのことが憎くて―― 529 00:32:55,099 --> 00:32:57,685 地獄から よみがえってきおった 530 00:32:57,851 --> 00:33:00,187 なんでまた あなたのこと 憎んでるんですか? 531 00:33:00,270 --> 00:33:02,106 占いのせいじゃ 532 00:33:02,189 --> 00:33:04,900 “時代は28歳の誕生日のあと死ぬ” 533 00:33:04,983 --> 00:33:07,695 “永遠は16歳の誕生日の前に死ぬ” 534 00:33:07,778 --> 00:33:09,321 占いに そう出おった 535 00:33:09,405 --> 00:33:11,407 そのとおりに2人は死におった 536 00:33:11,490 --> 00:33:15,577 あやつ 鬼みたいな顔で わしをにらみおったが―― 537 00:33:15,661 --> 00:33:17,705 運命は運命じゃ! 538 00:33:19,123 --> 00:33:21,959 占いで死期を当てたんですか? 539 00:33:22,042 --> 00:33:24,128 (野之宮) あやつ ここに わしを閉じ込めて―― 540 00:33:24,211 --> 00:33:26,422 いずれ 呪い殺すつもりなんじゃ! 541 00:33:26,505 --> 00:33:27,923 (伊波) 野之宮さん 542 00:33:30,884 --> 00:33:33,679 困ります お客さまの前で 543 00:33:35,764 --> 00:33:37,349 (野之宮) すまん 544 00:33:37,808 --> 00:33:42,563 わしは ただ 警告してやりたくて 545 00:33:43,480 --> 00:33:45,649 (伊波) お部屋に戻りましょう 546 00:33:45,733 --> 00:33:46,942 さあ 547 00:33:52,990 --> 00:33:54,908 (伊波) 申し訳ありません 548 00:33:54,992 --> 00:33:57,411 すっかり老いてしまわれて―― 549 00:33:57,494 --> 00:33:59,288 ここ数年は しばしば―― 550 00:33:59,371 --> 00:34:03,083 ありえないようなことを 口走ったりもされます 551 00:34:04,084 --> 00:34:05,878 何か失礼がありましたか? 552 00:34:06,587 --> 00:34:08,672 (鹿谷) いえ ご心配なく 553 00:34:08,756 --> 00:34:10,674 なかなか ねっ? 554 00:34:10,758 --> 00:34:13,635 興味深い話を 聞かせていただきました 555 00:34:13,719 --> 00:34:15,345 (伊波) さようですか 556 00:34:24,188 --> 00:34:25,189 さて 伊波さん 557 00:34:26,440 --> 00:34:30,068 今度は 僕のほうから 少し お聞きしたいんですが 558 00:34:31,570 --> 00:34:35,783 こちらの屋敷の 旧館が建てられたのは―― 559 00:34:35,866 --> 00:34:37,826 正確には いつだったのでしょう? 560 00:34:38,452 --> 00:34:40,829 (伊波) 15年前になりますか 561 00:34:41,455 --> 00:34:45,459 1974年の8月5日 562 00:34:45,918 --> 00:34:48,796 お嬢さまの 10歳の誕生日に合わせて―― 563 00:34:48,879 --> 00:34:51,965 旦那さまは この家に住まいを移されました 564 00:34:52,549 --> 00:34:56,386 (鹿谷) 8月5日 それが 永遠さんの誕生日なんですか? 565 00:34:56,470 --> 00:34:57,596 (伊波) はい 566 00:34:57,971 --> 00:35:02,184 (鹿谷) 永遠さんが亡くなったのは 79年の8月 567 00:35:02,518 --> 00:35:04,061 ちょうど5年後ですね 568 00:35:04,144 --> 00:35:05,896 そうなります 569 00:35:06,939 --> 00:35:10,734 ハハッ… 先ほど 野之宮さんが おっしゃられていた―― 570 00:35:10,818 --> 00:35:12,444 占いの件については? 571 00:35:12,528 --> 00:35:13,987 (伊波) それは… 572 00:35:17,699 --> 00:35:19,159 (伊波) ハァ… 573 00:35:24,414 --> 00:35:28,252 今から30年前の話になります 574 00:35:28,752 --> 00:35:30,921 59年の夏 575 00:35:31,004 --> 00:35:35,050 旦那さまが 時代さまと ご結婚されたとき―― 576 00:35:35,133 --> 00:35:40,389 旦那さまは42歳 時代さまは まだ10代半ば 577 00:35:41,557 --> 00:35:45,435 それでも お2人は 年齢の差を忘れて愛し合い―― 578 00:35:45,519 --> 00:35:51,108 時代さまの16歳の誕生日を待って ご結婚する運びとなりました 579 00:35:51,191 --> 00:35:53,277 (野之宮) 花嫁は 12年後―― 580 00:35:53,360 --> 00:35:55,904 28歳の誕生日を迎えたあと―― 581 00:35:55,988 --> 00:35:57,990 死ぬことになるだろう 582 00:35:58,407 --> 00:36:01,201 (伊波) 長きにわたって 信頼を置いてきた―― 583 00:36:01,285 --> 00:36:03,704 野之宮先生の言葉でした 584 00:36:04,663 --> 00:36:09,877 5年後の1964年8月5日 585 00:36:10,252 --> 00:36:14,047 くしくも 時代さまの誕生日と同じ日に―― 586 00:36:14,131 --> 00:36:18,594 待望の娘 永遠さまが 生まれたのですが… 587 00:36:25,225 --> 00:36:30,522 更に7年後の1971年 夏 588 00:36:31,523 --> 00:36:37,529 28歳の誕生日のあとに この世を去られてしまわれました 589 00:36:38,530 --> 00:36:41,491 (福西) 28歳の誕生日のあと… 590 00:36:41,575 --> 00:36:44,870 (鹿谷) 野之宮さんの占いが 当たったということですね 591 00:36:46,830 --> 00:36:49,166 (伊波) 旦那さまの受けたショックは―― 592 00:36:49,249 --> 00:36:52,419 なみなみならぬものが あったと思われます 593 00:36:53,253 --> 00:36:57,299 それでも 旦那さまは 表立って野之宮先生を―― 594 00:36:57,382 --> 00:37:00,886 責めたり なじったりは 決して なさいませんでした 595 00:37:01,428 --> 00:37:05,641 ですが 野之宮さんは 娘の永遠さんにも… 596 00:37:07,476 --> 00:37:08,477 (伊波) 時代さまが―― 597 00:37:08,560 --> 00:37:11,396 お亡くなりになられる 直前―― 598 00:37:11,480 --> 00:37:12,689 永遠さまは―― 599 00:37:12,773 --> 00:37:16,401 7歳の誕生日を 迎えておられました 600 00:37:16,485 --> 00:37:18,028 (野之宮) あの娘… 601 00:37:18,111 --> 00:37:21,865 永遠は 16歳の誕生日を前に死ぬだろう! 602 00:37:21,949 --> 00:37:25,661 (伊波) そして 翌年 永遠さまは―― 603 00:37:25,744 --> 00:37:29,206 原因不明の再生不良性貧血で―― 604 00:37:30,165 --> 00:37:33,794 長く もっても 二十歳まで 生きられるかどうかという―― 605 00:37:33,877 --> 00:37:37,005 診断を下されたのです 606 00:37:39,466 --> 00:37:42,678 (伊波) 旦那さまが この屋敷をお建てになり―― 607 00:37:43,303 --> 00:37:48,850 会長の座を退かれて 永遠さまと共に移り住まれたのが―― 608 00:37:48,934 --> 00:37:51,895 それから2年後のことでございます 609 00:37:52,270 --> 00:37:56,733 74年 永遠さんが 10歳になったころですね 610 00:37:57,067 --> 00:37:58,068 (伊波) はい 611 00:37:58,652 --> 00:38:01,196 (伊波) 永遠さまは 既に―― 612 00:38:01,279 --> 00:38:04,741 目に見えて お体が弱ってきておられ―― 613 00:38:05,075 --> 00:38:08,078 学校は ずっと お休みになり―― 614 00:38:08,161 --> 00:38:11,331 家の中では車イスを使われ―― 615 00:38:12,624 --> 00:38:14,418 家の外に出るのは―― 616 00:38:14,501 --> 00:38:19,339 ごく たまに お庭を散歩されるときくらいでした 617 00:38:20,215 --> 00:38:22,551 (鹿谷) その彼女が 結局―― 618 00:38:22,634 --> 00:38:26,471 5年後 14歳で 亡くなってしまったというわけですか 619 00:38:26,555 --> 00:38:31,226 79年の8月の初めです 620 00:38:31,727 --> 00:38:36,398 数日後には 15歳の誕生日を 迎えられるはずでした 621 00:38:36,481 --> 00:38:39,860 16歳の誕生日を前に―― 622 00:38:39,943 --> 00:38:43,780 またしても 野之宮さんの占いは 的中してしまった 623 00:38:44,322 --> 00:38:45,407 あの… 624 00:38:46,199 --> 00:38:49,411 亡くなったのは その病気のせいだったんですか? 625 00:38:51,329 --> 00:38:52,748 (伊波) それは… 626 00:38:54,416 --> 00:38:57,461 (鹿谷) うん? 何か事情がありそうですね 627 00:38:57,961 --> 00:38:58,920 (ため息) 628 00:39:06,845 --> 00:39:08,472 よろしければ―― 629 00:39:08,555 --> 00:39:12,309 今から 時計塔のほうに 一緒に来ていただけませんか? 630 00:39:12,976 --> 00:39:17,064 旦那さまの書斎が 塔の最上階にあるのです 631 00:39:17,147 --> 00:39:18,482 そこで お話を 632 00:39:18,565 --> 00:39:20,192 (鹿谷) いやいや もちろん もちろん! 633 00:39:20,275 --> 00:39:22,235 いや もちろん かまいませんよ 634 00:39:22,778 --> 00:39:25,947 せっかくですから あの部屋も 見ておいてくださったほうが 635 00:39:26,031 --> 00:39:26,865 どうぞ 636 00:39:26,948 --> 00:39:28,241 (鹿谷) はい 637 00:39:29,284 --> 00:39:31,578 (ドアの開く音) 638 00:39:38,168 --> 00:39:40,879 (福西) もう8月になってしまいますね 639 00:40:17,499 --> 00:40:22,754 (セミの鳴き声) 640 00:40:29,010 --> 00:40:31,346 (10歳の早紀子) あなたは 誰? 641 00:40:33,849 --> 00:40:36,601 (11歳の河原崎) ここで何してるの? 642 00:40:42,399 --> 00:40:44,442 (河原崎) おい 急ごう! 643 00:40:45,819 --> 00:40:47,696 (寺井明江) 永遠さま! 永遠さま! 644 00:41:05,422 --> 00:41:08,884 (美琴) ろ… 645 00:41:09,759 --> 00:41:14,389 く… さ… 646 00:41:14,973 --> 00:41:16,183 ハッ… 647 00:41:17,309 --> 00:41:18,476 ハァ… 648 00:41:19,436 --> 00:41:20,562 ハァ… 649 00:41:25,734 --> 00:41:27,068 ハッ!? 650 00:41:27,152 --> 00:41:28,111 (殴る音) (早紀子) アアッ! 651 00:41:28,195 --> 00:41:32,449 (時鐘音) 652 00:41:34,326 --> 00:41:37,704 (ドアの開く音) 653 00:41:43,043 --> 00:41:44,127 (ドアの閉まる音) 654 00:41:45,795 --> 00:41:48,798 (足音) 655 00:41:48,882 --> 00:41:50,091 早紀子先輩 656 00:41:51,968 --> 00:41:55,889 (時鐘音) 657 00:41:55,972 --> 00:41:58,183 気分悪いの治りました? 658 00:42:02,062 --> 00:42:03,438 早紀子先輩 659 00:42:10,528 --> 00:42:12,906 (殴る音) (渡辺) ウッ! アッ… 660 00:42:15,075 --> 00:42:17,327 (殴る音) (渡辺) アッ! 661 00:42:17,410 --> 00:42:18,787 (殴る音) 662 00:42:19,663 --> 00:42:20,956 (殴る音) 663 00:42:22,290 --> 00:42:23,500 (殴る音) 664 00:42:27,087 --> 00:42:28,380 (河原崎) 起きてください! 江南さん! 665 00:42:28,463 --> 00:42:31,174 (こずえ) この館の どこかに 人殺しがいるのよ! 666 00:42:31,258 --> 00:42:33,260 (河原崎) おい! 聞こえないのか!? 667 00:42:33,343 --> 00:42:36,012 (鹿谷) 森の中を徘徊してるのかもね 668 00:42:36,096 --> 00:42:37,055 (瓜生) この中に 犯人はいないとでも? 669 00:42:37,138 --> 00:42:39,391 (小早川) 君の言い方は 人をイライラさせるぞ 670 00:42:39,474 --> 00:42:40,809 (江南) 玄関の扉を破りましょう 671 00:42:40,892 --> 00:42:42,018 ここから出るんです!