1 00:00:12,000 --> 00:00:14,000 幸せいっぱい 腹いっぱい! 2 00:00:14,000 --> 00:00:21,000 [ 1995 年 10 月に始まった 『 ザ ・ ノンフィクション 』 は 3 00:00:21,000 --> 00:00:26,000 2025 年 10 月で 放送 30 周年] 4 00:00:26,000 --> 00:00:30,000 [その間 時代を懸命に 生きる人々の姿を 5 00:00:30,000 --> 00:00:33,000 カメラに収めてきました] 6 00:00:35,000 --> 00:00:38,000 [中でも 大きな話題を呼んだ番組と 7 00:00:38,000 --> 00:00:41,000 そこに写された人々のその後を 8 00:00:41,000 --> 00:00:46,000 5週連続でお届けするシリーズの 第3弾は…] 9 00:00:56,000 --> 00:00:59,000 こうのとりのゆりかご いわゆる 赤ちゃんポストは 10 00:00:59,000 --> 00:01:02,670 この後 正午に 運用が始まります 。 11 00:01:02,670 --> 00:01:05,000 [取材が始まった…] 12 00:01:12,000 --> 00:01:14,000 [学校でのいじめが 陰湿化するなど 13 00:01:14,000 --> 00:01:20,000 子供たちを取り巻く環境が 大きな社会問題とな っ ていました] 14 00:01:25,000 --> 00:01:27,000 [そんな時代に 15 00:01:27,000 --> 00:01:30,000 傷ついた子供たちを見つめた このシリーズが 16 00:01:30,000 --> 00:01:32,000 問いかけたものとは] 17 00:01:34,000 --> 00:01:37,000 [これは 平成の駆け込み寺で 18 00:01:37,000 --> 00:01:41,000 全力で子供たちと向き合う 熱血和尚と 19 00:01:41,000 --> 00:01:45,000 子供たちの 12 年にわたる物語です] 20 00:01:51,000 --> 00:01:54,000 ( 母親 ) 今度こそ 今度こそって 全てのことを含めて… 。 21 00:02:06,000 --> 00:02:10,000 ( 廣中 ) 逃げるなー! 逃げれば追われるぞー! 22 00:02:28,000 --> 00:02:33,000 [この日 一人の青年が 福岡から 愛知に やって来ました] 23 00:02:33,000 --> 00:02:38,000 (スタッフ) お久しぶりです 。 こんにちは 。 24 00:02:38,000 --> 00:02:40,000 [ 『 ザ ・ ノンフィクション 』 ] 25 00:02:40,000 --> 00:02:42,000 [今回の主人公の一人…] 26 00:02:45,000 --> 00:02:49,000 [向かった先は 愛知県岡崎市] 27 00:02:52,000 --> 00:02:56,000 [ここを訪ねるのは 11 年ぶりです] 28 00:02:58,000 --> 00:03:00,000 ( タクマ ) こんにちは 。 29 00:03:02,000 --> 00:03:05,000 ( 待子 ) こんにちは 。 お久しぶりです 。 30 00:03:05,000 --> 00:03:07,000 ( タクマ ) タクマです 。 ( 待子 ) あらま! 31 00:03:10,000 --> 00:03:13,000 [どうしても 会っておきたかった人] 32 00:03:16,000 --> 00:03:18,000 ああ… 。 ( 待子 ) 九州のタクマ君が 33 00:03:18,000 --> 00:03:20,000 来てくれたよ 。 34 00:03:20,000 --> 00:03:23,000 [末期がんと闘っていました] 35 00:03:23,000 --> 00:03:25,000 ( タクマ ) お久しぶりです おじさん 。 36 00:03:25,000 --> 00:03:27,000 はい 。 37 00:03:27,000 --> 00:03:29,000 [タクマのことが 分かったみたい] 38 00:03:29,000 --> 00:03:31,000 ( 待子 ) お父さん 手 出して 。 39 00:03:31,000 --> 00:03:33,000 はい 握手… ハハハハ! 40 00:03:33,000 --> 00:03:37,000 [こんなふうに 以前は とっても おちゃめな人だったんです] 41 00:03:37,000 --> 00:03:41,000 ( 待子 ) E . T . かよ 。 ( タクマ ) ハハハハ! 42 00:03:41,000 --> 00:03:48,000 [タクマは 壮絶な思春期を ここで おじさんと過ごしました] 43 00:03:48,000 --> 00:03:52,000 [かつて と言っても まだ 11 年前のこと] 44 00:03:52,000 --> 00:03:54,000 ( 廣中 ) いただきまーす! 45 00:03:54,000 --> 00:03:56,000 [この寺には いろんな事情で 46 00:03:56,000 --> 00:03:58,000 親元では 暮らせなくなってしまった 47 00:03:58,000 --> 00:04:03,000 子供たちが 一緒に生活していました] 48 00:04:07,000 --> 00:04:13,000 [非行 虐待 引きこもり 薬物依存] 49 00:04:13,000 --> 00:04:17,000 [今 毎日のように 報道されている問題が 50 00:04:17,000 --> 00:04:21,000 このころも たくさん あったんです] 51 00:04:21,000 --> 00:04:26,000 [そんな子供たちを無償で預かり 更生に導いていたのは 52 00:04:26,000 --> 00:04:30,000 この寺の住職 廣中 邦充さん] 53 00:04:30,000 --> 00:04:35,000 [救った子供は 20 年間で 1,000 人以上に上ります] 54 00:04:39,000 --> 00:04:44,000 [子供たちからは 「 おじさん 」 と呼ばれていました] 55 00:04:44,000 --> 00:04:47,000 [世間的には 問題児の駆け込み寺] 56 00:04:47,000 --> 00:04:52,000 [だけど 寺の中は 笑い声で いっぱい] 57 00:04:52,000 --> 00:04:55,000 [中学3年生のタクマです] 58 00:04:55,000 --> 00:04:59,000 [福岡から やって来ました] 59 00:04:59,000 --> 00:05:02,000 ( タクマ ) ここ 根性焼きで ここが入れ墨で 。 60 00:05:02,000 --> 00:05:07,000 [最近は あまり見掛けない いわゆる ヤンキー] 61 00:05:07,000 --> 00:05:13,000 [九州の中学生ヤクザなんて 呼ばれるほど 荒れていました] 62 00:05:29,000 --> 00:05:31,330 [タクマには もう一人 63 00:05:31,330 --> 00:05:35,000 11 年ぶりに会う約束を していた人がいました] 64 00:05:41,000 --> 00:05:45,000 [今回の もう一人の主人公…] 65 00:05:45,000 --> 00:05:48,000 [彼も また 寺にいました] 66 00:05:57,000 --> 00:06:01,000 [タクマとショウ 実は かつて この2人の間にも 67 00:06:01,000 --> 00:06:04,000 壮絶なドラマがあったのです] 68 00:06:06,000 --> 00:06:11,000 [その物語は 11 年前の ある夜に さかのぼります] 69 00:06:11,000 --> 00:06:14,000 ( 廣中 ) はい こんばんは 。 70 00:06:14,000 --> 00:06:18,000 [ある相談者が 寺を訪れました] 71 00:06:18,000 --> 00:06:20,000 [ショウの家族です] 72 00:06:25,000 --> 00:06:29,000 [当時 中学2年生だったショウが 73 00:06:29,000 --> 00:06:32,000 仲間とバイクの窃盗を 繰り返した揚げ句 74 00:06:32,000 --> 00:06:35,000 4日前から行方不明に なっているというのです] 75 00:06:41,000 --> 00:06:45,000 [母親は ショウが生まれて 3カ月で離婚] 76 00:06:45,000 --> 00:06:49,000 [祖母と2人で ショウを育ててきました] 77 00:06:53,000 --> 00:06:57,000 [弟が生まれましたが そのころから ショウは…] 78 00:07:19,000 --> 00:07:22,000 [すると おじさんは 家族の中に潜む 79 00:07:22,000 --> 00:07:25,000 ある問題点を指摘しました] 80 00:07:33,000 --> 00:07:37,000 [ショウにとっては 他人である 新しい父親] 81 00:07:37,000 --> 00:07:42,000 [おじさんは その関係性が 希薄だと 見抜いていたのです] 82 00:07:56,000 --> 00:08:00,000 [逃げずに しっかり ショウと向き合ってほしい] 83 00:08:00,000 --> 00:08:03,000 [父親に そう伝え ショウが見つかるのを 84 00:08:03,000 --> 00:08:05,000 待つことになりました] 85 00:08:08,000 --> 00:08:13,000 [翌日 ショウが 明け方 ひょっこり 家に帰ってきたと 86 00:08:13,000 --> 00:08:16,000 母親から連絡がありました] 87 00:08:27,000 --> 00:08:31,000 [おじさんは 片道1時間以上かけて 88 00:08:31,000 --> 00:08:34,000 ショウの自宅がある 豊橋市へ向かいます] 89 00:08:39,000 --> 00:08:41,000 ( 廣中 ) どうも~! 90 00:08:47,000 --> 00:08:49,000 [ショウです] 91 00:08:49,000 --> 00:08:51,000 [寝ていたところに 突然の訪問なのに 92 00:08:51,000 --> 00:08:55,000 驚くそぶりもなく 無表情] 93 00:08:59,000 --> 00:09:05,000 [タクマが言うように 確かに 目が死んでいます] 94 00:09:13,000 --> 00:09:15,000 [何かを感じ取ったのか 95 00:09:15,000 --> 00:09:20,000 おじさんは 叱るのではなく 優しく接します] 96 00:09:22,000 --> 00:09:25,000 [ショウは 素直に従い 警察へ] 97 00:09:30,000 --> 00:09:32,000 ( クラクション ) 98 00:09:52,000 --> 00:09:58,000 [暴力団と関われば 取り返しがつかなくなります] 99 00:09:58,000 --> 00:10:00,000 [おじさんは 一刻も早く 100 00:10:00,000 --> 00:10:04,000 寺で預かりたいと 考えていました] 101 00:10:14,000 --> 00:10:17,000 [地元の暴走族に 入っていた ショウ] 102 00:10:17,000 --> 00:10:21,000 [これまでに 30 回近くも 警察から呼び出されていますが 103 00:10:21,000 --> 00:10:25,000 やはり 表情が こわばっています] 104 00:10:28,000 --> 00:10:31,000 ( 廣中 ) どうも~ 。 105 00:10:31,000 --> 00:10:35,000 [警察から頼まれて 子供を 預かることもある おじさん] 106 00:10:35,000 --> 00:10:37,000 ( 廣中 ) それじゃ お願いします! 107 00:10:40,000 --> 00:10:43,000 [どうやら 話がついたようです] 108 00:10:51,000 --> 00:10:53,000 [ところが…] 109 00:10:53,000 --> 00:10:55,000 [取り調べの当日] 110 00:11:05,000 --> 00:11:08,000 [取り調べの後 寺に来る予定だった ショウが 111 00:11:08,000 --> 00:11:12,000 逃げてしまったというのです] 112 00:11:12,000 --> 00:11:14,000 [いなくなって 3日後] 113 00:11:14,000 --> 00:11:18,000 [ようやく自宅に戻ったショウを また 迎えに] 114 00:11:24,000 --> 00:11:26,000 ( 廣中 ) 何で? 115 00:11:32,000 --> 00:11:36,000 [ショウは なぜかニヤニヤ] 116 00:11:36,000 --> 00:11:40,000 [まったく… 何考えてるんだか] 117 00:11:46,000 --> 00:11:49,000 ( 廣中 ) ハハハハ! 118 00:11:49,000 --> 00:11:54,000 [父親も仕事を休んで 一緒に 児童相談所へ] 119 00:11:54,000 --> 00:11:57,000 [矯正保護施設に 入れるかどうかが 120 00:11:57,000 --> 00:11:59,000 話し合われましたが 121 00:11:59,000 --> 00:12:03,000 結局 ショウは 寺に行くことになりました] 122 00:12:05,000 --> 00:12:10,000 [これまで ショウの問題を 見て見ぬふりだった 父親が 123 00:12:10,000 --> 00:12:13,000 「 ショウを絶対に 施設には入れない 」 と 124 00:12:13,000 --> 00:12:16,000 強く 主張してくれたんだそうです] 125 00:12:19,000 --> 00:12:23,000 [ショウが初めて 父親に笑顔を向けました] 126 00:12:40,000 --> 00:12:43,000 [心が弱いから逃げたくなる] 127 00:12:47,000 --> 00:12:53,000 [いよいよ ショウが 寺で生活を始める日が来ました] 128 00:12:53,000 --> 00:12:55,000 ( 廣中 ) はーい 。 129 00:13:04,000 --> 00:13:09,000 [寺では 小学生から大学生 社会人まで 130 00:13:09,000 --> 00:13:13,000 常時 15 人ぐらいが 広間で寝泊まりしています] 131 00:13:23,000 --> 00:13:30,000 [先輩が見せたのは 子供たちが決めた 寺の憲法です] 132 00:13:30,000 --> 00:13:34,000 [遊びに行きたいときは おじさんに言い 門限を守る] 133 00:13:34,000 --> 00:13:38,000 [携帯も 時間を守れば 使ってOK] 134 00:13:38,000 --> 00:13:42,000 [皿洗いと風呂掃除の 当番以外は 自由に過ごします] 135 00:13:44,000 --> 00:13:48,000 [ショウは 落ち着かない様子] 136 00:13:48,000 --> 00:13:51,000 [おじさんが声を掛けます] 137 00:13:55,000 --> 00:13:57,000 ( 廣中 ) なっ? 138 00:13:59,000 --> 00:14:01,000 ( 廣中 )30 秒 !? 139 00:14:04,000 --> 00:14:06,000 ( 廣中 ) ああ… 。 140 00:14:10,000 --> 00:14:12,000 ( 笑い声 ) 141 00:14:12,000 --> 00:14:14,000 [もう しなければいい] 142 00:14:14,000 --> 00:14:17,000 [おじさんは 子供たちの どんな問題も 143 00:14:17,000 --> 00:14:19,000 あえて 笑って受け入れます] 144 00:14:22,000 --> 00:14:26,000 [心配する母親から電話] 145 00:14:26,000 --> 00:14:28,000 [まだ 13 歳] 146 00:14:33,000 --> 00:14:37,000 [なかなか みんなの輪に 入ることができません] 147 00:14:42,000 --> 00:14:45,000 [そんなショウを あの中学生ヤクザ 148 00:14:45,000 --> 00:14:49,000 タクマが 気に掛けるようになりました] 149 00:15:03,000 --> 00:15:06,000 [大切なことを さりげなく教えてくれる 150 00:15:06,000 --> 00:15:08,000 一つ上の先輩] 151 00:15:17,000 --> 00:15:21,000 [ショウは タクマについて 洗濯物を取り込み…] 152 00:15:23,000 --> 00:15:28,000 [戸惑いながらも 見よう見まねで 畳みます] 153 00:15:31,000 --> 00:15:36,000 [晩ご飯は おじさんを中心に みんなで作ります] 154 00:15:40,000 --> 00:15:44,000 [寺に入るのに 一切 お金はかかりません] 155 00:15:46,000 --> 00:15:49,000 はい いただきます 。 ( 一同 ) いただきます 。 156 00:15:49,000 --> 00:15:54,000 [月 50 万円の食費は おじさんの講演会費や…] 157 00:15:56,000 --> 00:16:01,000 [看護師の妻 待子さんの お給料で まかなっています] 158 00:16:03,000 --> 00:16:07,000 [みんなと一緒に おなかいっぱい ご飯を食べて…] 159 00:16:10,000 --> 00:16:13,000 [夜は 早く寝る] 160 00:16:13,000 --> 00:16:16,000 [楽しい仲間たちの輪の中で 161 00:16:16,000 --> 00:16:21,000 ショウに 少しずつ 笑顔が増えてきました] 162 00:16:30,000 --> 00:16:32,000 [年明け] 163 00:16:34,000 --> 00:16:38,000 [この日は 寺の卒業生たちが 一堂に会する 164 00:16:38,000 --> 00:16:41,000 毎年恒例の新年会] 165 00:16:44,000 --> 00:16:47,000 [新しい人生を歩む 卒業生たちが 166 00:16:47,000 --> 00:16:51,000 思い出話に花を咲かせる中 167 00:16:51,000 --> 00:16:54,000 正月を自宅で過ごしていたはずの ショウが 168 00:16:54,000 --> 00:16:56,000 突然 やって来ました] 169 00:17:09,000 --> 00:17:14,000 [実は 年末 ショウは 地元の高校生に呼び出され 170 00:17:14,000 --> 00:17:18,000 16 人がかりで 暴行されたというのです] 171 00:17:18,000 --> 00:17:23,000 [顔などを殴られ 全治1週間のケガ] 172 00:17:35,000 --> 00:17:37,000 [もう地元にはいたくないと 173 00:17:37,000 --> 00:17:40,000 予定より早く 寺に帰ってきました] 174 00:17:53,000 --> 00:17:57,000 [おじさんには ある考えがありました] 175 00:17:57,000 --> 00:18:01,000 [これを機に 地元のワルと縁を切らせる] 176 00:18:04,000 --> 00:18:06,000 ( タクマ )16 人 おったとや? 177 00:18:08,000 --> 00:18:12,000 [おじさんは ショウを暴行した 16 人を 電話で呼び出すよう 178 00:18:12,000 --> 00:18:14,000 タクマに言いました] 179 00:18:38,000 --> 00:18:41,000 [おじさんは ショウとタクマたちを連れて 180 00:18:41,000 --> 00:18:44,000 暴行事件の現場に向かいました] 181 00:18:46,000 --> 00:18:50,000 [約束の時間は 午後7時です] 182 00:19:15,000 --> 00:19:21,000 [すると そのとき 相手側の少年が現れました] 183 00:19:21,000 --> 00:19:26,000 [その手には 金属バットが 握られていました] 184 00:19:38,000 --> 00:19:42,000 [少年が 仲間に連絡を取ります] 185 00:19:42,000 --> 00:19:44,000 [すると…] 186 00:19:48,000 --> 00:19:51,000 [集団が現れました] 187 00:19:56,000 --> 00:20:00,000 [リーダー格の少年は 自分の縄張りで 188 00:20:00,000 --> 00:20:02,000 ショウが断りもなく バイクを盗んだことに 189 00:20:02,000 --> 00:20:05,000 腹を立てているようです] 190 00:20:40,000 --> 00:20:43,000 [おじさんは 二度と ショウに近づかないことを 191 00:20:43,000 --> 00:20:46,000 少年たちに約束させました] 192 00:20:50,000 --> 00:20:52,000 [寺に帰ると…] 193 00:20:57,000 --> 00:21:02,000 [待子さんが ご飯の準備をして 待ってくれていました] 194 00:21:06,000 --> 00:21:09,000 [安心した様子です] 195 00:21:18,000 --> 00:21:20,000 ⚟ちげーよ バカ! 196 00:21:22,000 --> 00:21:27,000 [ショウは 寺の中で 声を出して 笑うようになりました] 197 00:21:48,000 --> 00:21:54,000 [そんな兄貴分のタクマにも また 苦しい過去がありました] 198 00:21:54,000 --> 00:21:57,000 [幼いころに 両親が離婚し 199 00:21:57,000 --> 00:22:01,000 母親と2人で暮らしていた タクマ] 200 00:22:01,000 --> 00:22:06,000 [しかし 生活苦から 母親は 夜の仕事に出て…] 201 00:22:10,000 --> 00:22:15,000 [タクマは 少年サッカーで 将来は 日本代表と言われるほど 202 00:22:15,000 --> 00:22:17,070 才能を見込まれていましたが 203 00:22:17,070 --> 00:22:21,000 度重なる問題行為で 学校に いられなくなり 204 00:22:21,000 --> 00:22:24,000 中学2年のとき 寺に預けられました] 205 00:22:31,000 --> 00:22:34,000 [寺の近くの中学に転校して 206 00:22:34,000 --> 00:22:37,000 これでも だいぶ落ち着いたんです] 207 00:22:45,000 --> 00:22:47,000 [実は おじさんも 208 00:22:47,000 --> 00:22:51,000 昔は タクマに負けないほどの ワルでした] 209 00:22:53,000 --> 00:22:55,000 [貧しい寺に生まれ 210 00:22:55,000 --> 00:22:59,000 父親への反発心から 荒れていた 高校時代] 211 00:22:59,000 --> 00:23:02,000 [暴力事件を起こして 退学を迫られたとき 212 00:23:02,000 --> 00:23:06,000 校長に 土下座をしてまで 守ってくれたのが 213 00:23:06,000 --> 00:23:09,000 担任の熱血教師でした] 214 00:23:18,000 --> 00:23:23,000 [子供は 悪くないというのが おじさんの信条] 215 00:23:23,000 --> 00:23:25,000 [ちゃんと心に寄り添えば 216 00:23:25,000 --> 00:23:29,000 子供たちは 変わることが できるといいます] 217 00:23:39,000 --> 00:23:44,000 [でも 変わるのは そんなに 簡単なことじゃないんです] 218 00:23:48,000 --> 00:23:52,000 [ショウが寺に来て 1カ月 再び 事件が起きました] 219 00:24:02,000 --> 00:24:05,000 [ショウが 突然 姿を消してしまったのです] 220 00:24:11,000 --> 00:24:15,000 [夜 10 時を回り ショウの両親が 寺に駆け付けました] 221 00:24:30,000 --> 00:24:34,000 [寺に来る前 昼夜逆転の 生活をしていた ショウは 222 00:24:34,000 --> 00:24:38,000 なかなか 朝 起きることが できませんでした] 223 00:24:40,000 --> 00:24:45,000 [おじさんは この日 初めて ショウを叱ったといいます] 224 00:24:50,000 --> 00:24:55,000 [それで 怖くなって 逃げてしまったのでしょうか?] 225 00:24:58,000 --> 00:25:03,000 [姿を消してから すでに 11 時間近くが たっています] 226 00:25:10,000 --> 00:25:15,000 [母親との最後の会話で 道が分からないと言い残し 227 00:25:15,000 --> 00:25:19,000 その後 携帯が 通じなくなってしまいました] 228 00:25:21,000 --> 00:25:25,000 [そのころ 寺の仲間たちは すでに 8時間以上も 229 00:25:25,000 --> 00:25:28,000 ショウを捜し続けていました] 230 00:25:37,000 --> 00:25:39,000 [外の気温は 5℃] 231 00:25:45,000 --> 00:25:47,000 [見つかりません] 232 00:25:51,000 --> 00:25:54,000 [みんな 疲れ切っていました] 233 00:26:02,000 --> 00:26:06,000 [いったい どこで何をしているのか…] 234 00:26:06,000 --> 00:26:09,000 ☎ 235 00:26:09,000 --> 00:26:12,000 [ショウが行方不明になって 丸一日] 236 00:26:15,000 --> 00:26:18,000 [ショウが見つかった] 237 00:26:18,000 --> 00:26:21,000 [地元の友達の家に 隠れていたところを 238 00:26:21,000 --> 00:26:24,000 母親が見つけたとの 連絡でした] 239 00:26:26,000 --> 00:26:28,000 [その日の夜] 240 00:26:28,000 --> 00:26:32,000 [母親に連れられ ショウが戻ってきました] 241 00:26:42,000 --> 00:26:45,000 [恐る恐る おじさんのところへ] 242 00:26:59,000 --> 00:27:02,000 [何か問題が起きたときは 243 00:27:02,000 --> 00:27:05,000 子供たちだけで 話し合うのが決まりです] 244 00:27:11,000 --> 00:27:14,000 [何だか 投げやりな謝罪] 245 00:27:41,000 --> 00:27:44,000 [この言葉に タクマは…] 246 00:27:50,000 --> 00:27:52,000 ( タクマ ) 逃げよっても 。 247 00:28:01,000 --> 00:28:03,000 [逃げるな] 248 00:28:03,000 --> 00:28:05,000 [おじさんから 何度も言われてきた言葉を 249 00:28:05,000 --> 00:28:08,000 ショウに ぶつけます] 250 00:28:25,000 --> 00:28:28,000 [今度は 本物の謝罪] 251 00:28:28,000 --> 00:28:31,000 [みんな 笑って 許してくれました] 252 00:28:31,000 --> 00:28:33,000 この話は もう終わり! 253 00:28:35,000 --> 00:28:39,000 [子供会議が終わった後 タクマは 外で 一人 254 00:28:39,000 --> 00:28:42,000 泣いているショウを 見つけました] 255 00:29:11,000 --> 00:29:17,000 [この日を境に ショウは どんどん変わっていきました] 256 00:29:17,000 --> 00:29:19,000 ⚟三人称 難しいけん 。 257 00:29:19,000 --> 00:29:22,000 ⚟ 8 × 4 = 32 ? 258 00:29:25,000 --> 00:29:29,000 [顔を見に来てやってほしいと おじさんは 259 00:29:29,000 --> 00:29:32,000 ショウの中学に電話をしました] 260 00:29:32,000 --> 00:29:36,000 [来たのは 担任ではなく 校長でした] 261 00:29:45,000 --> 00:29:49,000 [おじさんは ショウを 寺の近くの中学に転校させずに 262 00:29:49,000 --> 00:29:51,000 できれば 親元から 263 00:29:51,000 --> 00:29:55,000 今の学校に 通わせたいと考えていました] 264 00:29:58,000 --> 00:30:02,000 [そして ある日 ショウから おじさんに 265 00:30:02,000 --> 00:30:05,000 初めて メールが来ました] 266 00:30:21,000 --> 00:30:23,000 よし 行こう 。 267 00:30:23,000 --> 00:30:26,000 [今こそ 新しいスタートを切るとき] 268 00:30:26,000 --> 00:30:31,000 [中学に行き ショウを 学校に復帰させる方法を 269 00:30:31,000 --> 00:30:33,000 話し合います] 270 00:30:40,000 --> 00:30:42,000 [まずは 1週間] 271 00:30:42,000 --> 00:30:46,000 [半日ずつでも 通わせることを提案] 272 00:30:46,000 --> 00:30:50,000 [ところが 担任から思わぬ言葉が] 273 00:30:56,000 --> 00:30:59,000 [ところが 担任から思わぬ言葉が] 274 00:31:15,000 --> 00:31:19,000 [おじさんは しばらく 黙って聞いていましたが 275 00:31:19,000 --> 00:31:21,000 ついに…] 276 00:31:45,000 --> 00:31:48,000 [ショウの更生を 諦めたような担任の態度が 277 00:31:48,000 --> 00:31:51,000 おじさんには 許せませんでした] 278 00:32:01,000 --> 00:32:04,000 [ショウにも 言い含めます] 279 00:32:29,000 --> 00:32:32,000 [ショウの学校復帰が 決まりました] 280 00:32:34,000 --> 00:32:36,000 ⚟ありがとうございます 。 281 00:32:38,000 --> 00:32:43,000 [翌朝 まだ日が昇る前に 寺を出た おじさん] 282 00:32:50,000 --> 00:32:54,000 [ショウには 内緒で 自宅まで起こしに来たんです] 283 00:32:54,000 --> 00:32:56,000 ( 廣中 ) ハハハハ! 284 00:33:01,000 --> 00:33:03,000 ( 廣中 ) ハハハハ! 285 00:33:06,000 --> 00:33:08,000 ( 廣中 ) よっしゃ 。 286 00:33:32,000 --> 00:33:37,000 [これからは 自分の力で 歩いていかなければ…] 287 00:33:39,330 --> 00:33:41,000 ( 廣中 ) はい 頑張ってな 。 288 00:33:41,000 --> 00:33:44,000 ( 廣中 ) 無理せんでいいから 。 はい いってらっしゃい 。 289 00:33:44,000 --> 00:33:49,000 [ 10 カ月ぶりの教室に向かって 力強く 踏み出しました] 290 00:33:51,000 --> 00:33:54,000 ( 廣中 ) 頑張ってな! 291 00:33:54,000 --> 00:33:58,000 [その後 担任の先生の 手厚い支援もあり 292 00:33:58,000 --> 00:34:02,000 ショウは 無事 中学を卒業しました] 293 00:34:04,000 --> 00:34:09,000 [一方 高校受験に チャレンジした タクマは…] 294 00:34:09,000 --> 00:34:11,000 マル! 295 00:34:11,000 --> 00:34:14,000 (スタッフ) え~ タクマも受かったんですか? 296 00:34:30,000 --> 00:34:35,000 [タクマも 寺を卒業します] 297 00:34:35,000 --> 00:34:39,000 [それぞれの未来に向かって 歩き出す 子供たち] 298 00:34:41,070 --> 00:34:46,000 [でも このころ 世間では 凄惨な いじめによる 299 00:34:46,000 --> 00:34:49,000 自殺が相次ぎ 300 00:34:49,000 --> 00:34:52,000 寺には 相談者が ひっきりなしに訪れ 301 00:34:52,000 --> 00:34:58,000 おじさんは 休む暇なく 全国を飛び回り続けました] 302 00:34:58,000 --> 00:35:00,000 ( 廣中 ) 今日は ご縁をいただきまして 303 00:35:00,000 --> 00:35:02,000 ありがとうございます 。 304 00:35:11,000 --> 00:35:13,000 [しかし…] 305 00:35:18,000 --> 00:35:22,000 [その身に 苦難が降りかかっていました] 306 00:35:30,000 --> 00:35:34,000 [おじさんの肺に 進行性のがんが見つかり 307 00:35:34,000 --> 00:35:39,000 治療をしなければ 余命3カ月と 告知されたのです] 308 00:35:41,000 --> 00:35:45,000 [それでも 抗がん剤治療を 受けながら 309 00:35:45,000 --> 00:35:49,000 苦しむ子供たちの相談に 乗り続けました] 310 00:35:58,000 --> 00:36:00,000 大丈夫 。 311 00:36:00,000 --> 00:36:03,000 [しかし その後 がんが 312 00:36:03,000 --> 00:36:06,000 脳に転移] 313 00:36:06,000 --> 00:36:09,000 はい いってらっしゃい 。 314 00:36:09,000 --> 00:36:13,000 [大手術を受けることに なりました] 315 00:36:13,000 --> 00:36:17,000 (スタッフ) 和尚さん 。 頑張ってください 。 316 00:36:25,000 --> 00:36:29,000 [3度の脳手術を乗り越えた おじさんは 317 00:36:29,000 --> 00:36:33,000 横浜の結婚式場に 姿を現しました] 318 00:36:39,000 --> 00:36:45,000 [寺の卒業生の一人 ミズキの結婚式です] 319 00:36:47,000 --> 00:36:52,000 [もう 自力では歩けず 言葉も出せなくなっていました] 320 00:36:58,000 --> 00:37:02,000 [寺の卒業生の一人 ミズキの結婚式です] 321 00:37:05,000 --> 00:37:10,000 [もう 自力では歩けず 言葉も出せなくなっていました] 322 00:37:13,000 --> 00:37:16,000 はい いただきまーす 。 ( 一同 ) いただきます 。 323 00:37:21,000 --> 00:37:25,000 [ 10 年前 いじめがきっかけで 非行に走り 324 00:37:25,000 --> 00:37:29,000 寺に預けられた 中学生のミズキです] 325 00:37:39,000 --> 00:37:43,000 [苦しいとき いつも助けてくれた] 326 00:37:43,000 --> 00:37:46,000 [第2の父親である おじさんと一緒に 327 00:37:46,000 --> 00:37:49,000 バージンロードを歩きたい] 328 00:37:56,000 --> 00:38:00,000 [車いすで 入場する予定だったのですが…] 329 00:38:06,000 --> 00:38:10,000 [まだ話すことができた 1年前] 330 00:38:22,000 --> 00:38:25,000 [闘う姿を見せることで…] 331 00:38:25,000 --> 00:38:29,000 ハハハハ 。 [子供たちに勇気を与えたい] 332 00:38:32,000 --> 00:38:36,000 (マイク) ( 司会 ) 新婦 ミズキさんの ご入場です 。 333 00:38:43,000 --> 00:38:48,000 (スピーカー) ( ♬ 『CAN YOU CELEBRATE ? 』) 334 00:38:48,000 --> 00:38:58,000 ♬~ 335 00:38:58,000 --> 00:39:02,000 [そのとき おじさんが…] 336 00:39:07,000 --> 00:39:09,000 [歩いた…] 337 00:39:16,000 --> 00:39:21,000 [もう あと半歩 足を前に踏み出せよ] 338 00:39:21,000 --> 00:39:25,000 [その言葉に救われた 子供たち] 339 00:39:41,000 --> 00:39:44,000 [どうか 幸せに] 340 00:39:54,000 --> 00:39:58,000 [タクマが 11 年ぶりに おじさんを訪ねたのは 341 00:39:58,000 --> 00:40:02,000 結婚式から 5カ月後のことでした] 342 00:40:02,000 --> 00:40:06,000 こんにちは 。 はい どうぞ 。 343 00:40:06,000 --> 00:40:09,000 [もう 治療のすべがなく 344 00:40:09,000 --> 00:40:12,000 待子さんが お寺で 最期をみとりたいと 345 00:40:12,000 --> 00:40:15,000 連れて帰ってきていました] 346 00:40:21,000 --> 00:40:23,000 ( 廣中 ) ああ… 。 347 00:40:43,000 --> 00:40:47,000 [タクマとの再会を果たした おじさんは 348 00:40:47,000 --> 00:40:51,000 その後 危篤となり 349 00:40:51,000 --> 00:40:57,000 たくさんの卒業生が駆け付け 別れを惜しんだ後 350 00:40:57,000 --> 00:41:02,000 ゆっくりと 息を引き取りました] 351 00:41:11,000 --> 00:41:19,000 ♬~ 352 00:41:19,000 --> 00:41:33,000 ( すすり泣く声 ) 353 00:41:33,000 --> 00:41:41,000 ♬~ 354 00:41:45,000 --> 00:41:55,000 ♬~ 355 00:41:55,000 --> 00:41:59,000 ( クラクション ) 356 00:42:07,000 --> 00:42:13,000 [あれから 6年の月日が流れました] 357 00:42:13,000 --> 00:42:17,000 [あれほど にぎやかだった寺に 358 00:42:17,000 --> 00:42:20,000 もう 子供たちの姿はありません] 359 00:42:22,000 --> 00:42:27,000 [でも おじさんのことは 忘れない] 360 00:42:30,000 --> 00:42:35,000 [七回忌となった この日は 全国から卒業生が集まりました] 361 00:42:37,000 --> 00:42:39,000 撮れてます? ( 男性 ) はい いきまーす 。 362 00:42:39,000 --> 00:42:42,000 はい ポーズ 。 363 00:42:42,000 --> 00:42:46,000 ( 崇順 ) やっぱり みんなの心の中には 364 00:42:46,000 --> 00:42:50,000 おじさんの笑顔 。 おじさんの笑い声が 365 00:42:50,000 --> 00:42:54,000 残ってるんじゃないかな と思いますし… 。 366 00:42:54,000 --> 00:43:01,000 [ 33 歳になったタクマに 今 何をしているのか尋ねると] 367 00:43:07,000 --> 00:43:13,000 [内装施工会社の 社長になっていました] 368 00:43:13,000 --> 00:43:15,000 (スタッフ) 今 何歳? 369 00:43:21,000 --> 00:43:26,000 [あの ショウは エネルギー関連の企業に就職し 370 00:43:26,000 --> 00:43:29,000 営業マンとして頑張っています] 371 00:43:44,000 --> 00:43:49,000 [そして おじさんと バージンロード を歩いたミズキは] 372 00:43:52,000 --> 00:43:55,000 投げないで 。 優しく そっと置いて 。 373 00:43:55,000 --> 00:43:59,000 [2人のカワイイ子供に 恵まれました] 374 00:44:03,000 --> 00:44:07,000 [母親になって 余計に思います] 375 00:44:07,000 --> 00:44:10,000 [おじさんに会いたい] 376 00:44:46,000 --> 00:44:50,000 [この先 つまずくことが あったとしても 377 00:44:50,000 --> 00:44:52,000 きっと大丈夫] 378 00:44:52,000 --> 00:44:55,000 [いつも 心の中にいてくれる] 379 00:44:55,000 --> 00:44:58,000 [おじさん ありがとう]