1 00:00:18,670 --> 00:00:20,670 ( 道世 ) どこに? 2 00:00:46,000 --> 00:00:49,670 [色とりどりの キッチンカー が並ぶ 販売店] 3 00:00:49,670 --> 00:00:53,000 [そこで 私たちが その親子に会ったのは 4 00:00:53,000 --> 00:00:56,000 2024 年の年の瀬のことでした] 5 00:01:04,670 --> 00:01:08,000 [彼女も また キッチンカーという夢に 6 00:01:08,000 --> 00:01:11,000 人生をかけようとしている 一人です] 7 00:01:17,000 --> 00:01:21,330 [もちろん 主役は 彼女ですが…] 8 00:01:21,330 --> 00:01:24,330 ハハハ… 。 似合う? 9 00:01:32,000 --> 00:01:36,000 [何かと口を出すのは お父さん] 10 00:01:36,000 --> 00:01:38,330 これね ノーマル 。 11 00:01:41,000 --> 00:01:43,000 ( 店長 ) 屋根も上がります 。 12 00:01:45,000 --> 00:01:50,000 [これまでも 多くの販売店を 見て回ったという 恵夢さんは 13 00:01:50,000 --> 00:01:53,330 フルオーダーで カスタム してくれる この店にしようと 14 00:01:53,330 --> 00:01:55,330 決めていました] 15 00:02:06,000 --> 00:02:10,000 [その分 お金も かなり かかりますが 16 00:02:10,000 --> 00:02:13,000 どうせ つくるのならと] 17 00:02:22,330 --> 00:02:24,000 [彼女の頭には 18 00:02:24,000 --> 00:02:26,670 自分の夢を 全て詰め込んだ 19 00:02:26,670 --> 00:02:29,330 理想のキッチンカー像が ありました] 20 00:02:32,000 --> 00:02:35,330 [目指すのは ウッディーな カントリー調] 21 00:02:35,330 --> 00:02:39,000 [シンクの色から 窓枠の形まで 22 00:02:39,000 --> 00:02:43,000 頭の中には 完璧な イメージ があるようですが 23 00:02:43,000 --> 00:02:45,000 それだけ こだわれば] 24 00:02:52,330 --> 00:02:54,330 はい 。 25 00:02:59,670 --> 00:03:01,670 ( 恵夢 ) はい 。 26 00:03:05,000 --> 00:03:07,000 そこだけ お時間 。 27 00:03:09,000 --> 00:03:12,670 [ 「 こだわり過ぎじゃない? 」 なんて言いながら 28 00:03:12,670 --> 00:03:17,000 本人よりも うれしそうなのが…] 29 00:03:17,000 --> 00:03:22,000 [まさに 目に入れても 痛くない娘なのでしょう] 30 00:03:22,000 --> 00:03:25,000 [販売店の社長に語ったのも…] 31 00:03:25,000 --> 00:03:27,000 もともと… 。 32 00:03:30,670 --> 00:03:32,670 ホント… 。 33 00:03:51,330 --> 00:03:53,330 そう 。 34 00:04:10,000 --> 00:04:14,000 [カスタムした車のお値段は 450 万円] 35 00:04:14,000 --> 00:04:18,000 [思い切って 契約してしまいました] 36 00:04:54,000 --> 00:04:57,330 (スタッフ) えっ ちょっと待って !? 37 00:04:57,330 --> 00:04:59,330 何か… 。 38 00:05:17,000 --> 00:05:22,000 [中学時代は 剣道部の部長だった 恵夢さん] 39 00:05:22,000 --> 00:05:24,000 [高校を出てからは 40 00:05:24,000 --> 00:05:27,000 専門学校で 手に職をつけ 41 00:05:27,000 --> 00:05:30,000 ネイルサロンで働いたり 42 00:05:30,000 --> 00:05:34,000 テーマパークで アルバイト をしたこともありましたが 43 00:05:34,000 --> 00:05:39,000 どれも みんな ぴんとこず たどりついたのが…] 44 00:06:26,000 --> 00:06:30,000 [今 多くの若者が憧れる キッチンカー] 45 00:06:30,000 --> 00:06:33,000 [しかし その本当の世界は 46 00:06:33,000 --> 00:06:37,000 生き残ることすら難しい 弱肉強食の世界です] 47 00:06:42,000 --> 00:06:45,000 [例えば こちらのように 48 00:06:45,000 --> 00:06:49,000 都心のオフィス街という一等地に ひしめき合うのは…] 49 00:06:54,000 --> 00:06:56,000 (スタッフ) 月? 50 00:06:56,000 --> 00:07:02,000 [ランチタイムだけで 20 万円を売り上げる 猛者ばかり] 51 00:07:04,000 --> 00:07:07,000 [そんな現実を 知ってか知らずか 52 00:07:07,000 --> 00:07:11,000 恵夢さんは まだ 肝心の売り物も試行錯誤中] 53 00:07:27,000 --> 00:07:29,000 ( 直子 ) 味見しようか 。 54 00:07:40,000 --> 00:07:42,000 ねえ 。 55 00:07:42,000 --> 00:07:46,000 [どうにも まだ ファンタジー の続きのようですが] 56 00:07:49,000 --> 00:07:51,000 ⚟おいしい? 57 00:07:55,000 --> 00:07:57,000 なくなっちゃうからいい… 。 58 00:08:11,000 --> 00:08:13,000 (スタッフ) いただきます 。 すいません 。 59 00:08:13,000 --> 00:08:15,000 (スタッフ) あっ! 60 00:08:17,000 --> 00:08:20,000 [これら こだわりの具材で…] 61 00:08:24,000 --> 00:08:28,000 [いったい 何を作るのかといえば…] 62 00:08:28,000 --> 00:08:32,000 [そう ホットサンドです] 63 00:08:32,000 --> 00:08:34,000 [ところが…] 64 00:08:36,000 --> 00:08:39,000 ( 竜太 ) 何か焦げてねえか? ⚟あっ 終わるね 。 65 00:08:39,000 --> 00:08:41,000 (スピーカー) ( 電子音 ) 66 00:08:55,000 --> 00:08:57,000 [案の定…] 67 00:09:20,000 --> 00:09:23,000 うん 。 68 00:09:23,000 --> 00:09:28,000 [もう一つの売り物は お手製のイチゴミルク] 69 00:09:33,000 --> 00:09:39,670 ( ストローで吸う音 ) ( 直子 ) 音 出ちゃう! フフフ… 。 70 00:10:46,000 --> 00:10:51,000 [お父さんの言うことは いちいちもっともです] 71 00:10:56,000 --> 00:10:58,000 うん 。 72 00:10:58,000 --> 00:11:01,000 [原価率に 回転率] 73 00:11:01,000 --> 00:11:04,000 [お父さんが そこまで口にするのは 74 00:11:04,000 --> 00:11:06,000 訳があります] 75 00:11:10,000 --> 00:11:13,000 ( 竜太 ) あの… 。 76 00:11:19,000 --> 00:11:22,000 ( 竜太 ) おはよう 。 ( 社員たち ) おはようございます 。 77 00:11:22,000 --> 00:11:25,000 [実は 竜太さん自身も 78 00:11:25,000 --> 00:11:29,000 裸一貫から たたき上げた 経営者] 79 00:11:29,000 --> 00:11:35,000 [壁に掲げた 「 誠実 」 「 確実 」 「 信頼 」 というスローガンは 80 00:11:35,000 --> 00:11:39,000 お父さんの生き方 そのものでした] 81 00:12:08,000 --> 00:12:12,000 [妻 直子さんと結婚し 立ち上げた会社は 82 00:12:12,000 --> 00:12:15,000 今や 従業員 36 人 83 00:12:15,000 --> 00:12:20,000 大型トラック 30 台を抱える 運送会社に成長しました] 84 00:12:43,000 --> 00:12:45,000 (スタッフ) あっ これ 古いんですか? ( 竜太 ) はい 。 85 00:13:02,670 --> 00:13:06,000 ( 竜太 ) そう 。 これは 1号 。 86 00:13:24,000 --> 00:13:26,000 ( 竜太 ) 見えます? 87 00:13:26,000 --> 00:13:28,670 (スタッフ) おっ! 88 00:13:28,670 --> 00:13:31,000 (スタッフ) へぇ~ 。 89 00:13:31,000 --> 00:13:33,000 はぁ~ 。 90 00:13:36,000 --> 00:13:39,000 ( 竜太 ) シャンデリア 。 (スタッフ) へぇ~ 。 すごい 。 91 00:13:57,000 --> 00:14:00,000 [ 「 父ちゃん頑張れ 」 「 妻子のために 」 ] 92 00:14:00,000 --> 00:14:02,000 [そんなステッカーを貼り 93 00:14:02,000 --> 00:14:05,000 全国を 夢中で走り回ったのは 94 00:14:05,000 --> 00:14:09,000 全て 愛する娘たちのためでした] 95 00:14:09,000 --> 00:14:11,000 [だからこそ…] 96 00:15:18,000 --> 00:15:22,000 [それから 3カ月] 97 00:15:22,000 --> 00:15:24,000 (スタッフ) お~! 98 00:15:32,000 --> 00:15:34,000 ( 恵夢 ) ピザです 。 99 00:15:34,000 --> 00:15:39,000 [試行錯誤の末 メニューも固まってきました] 100 00:15:39,000 --> 00:15:41,000 [定番の ピザトーストに 101 00:15:41,000 --> 00:15:45,000 ボリューム満点の チキン南蛮] 102 00:15:47,000 --> 00:15:52,000 [かなり練習もしたのか 手慣れた様子で 具を盛り付け 103 00:15:52,000 --> 00:15:56,000 バターを塗ってゆく姿も 様になってきました] 104 00:16:03,000 --> 00:16:06,000 [それらを 業務用のホットプレートで 105 00:16:06,000 --> 00:16:08,670 カリッと焼き上げた ホットサンドは…] 106 00:16:10,330 --> 00:16:13,000 [なかなか おいしそうです] 107 00:16:19,000 --> 00:16:21,000 [キッチンカーでの接客は 108 00:16:21,000 --> 00:16:27,000 2つ上の姉 來夢さんも 手伝 っ てくれることになりました] 109 00:16:41,000 --> 00:16:43,000 (スタッフ) すごいね 。 110 00:17:04,000 --> 00:17:08,000 ( 來夢 ) いつの間にか 。 ( 恵夢 ) いつの間にか 。 111 00:17:08,000 --> 00:17:13,000 [どうやら 恵夢さんは こういう作業が 大の得意] 112 00:17:13,000 --> 00:17:16,000 [一方で やる気満々の お父さんは…] 113 00:17:45,000 --> 00:17:48,000 [娘の知らないところで 114 00:17:48,000 --> 00:17:51,000 なりふり構わず 頭を下げているのは 115 00:17:51,000 --> 00:17:53,000 一目瞭然でした] 116 00:17:57,000 --> 00:17:59,000 [そして 迎えた…] 117 00:18:02,000 --> 00:18:05,000 カワイイ! 118 00:18:05,000 --> 00:18:08,000 [予定より ふたつきも遅れて 119 00:18:08,000 --> 00:18:12,000 ついに 夢のキッチンカーが 納車です] 120 00:18:14,000 --> 00:18:18,000 [半年以上も待ちわびた 自分だけの城] 121 00:18:22,000 --> 00:18:25,000 大丈夫です 。 はい 。 122 00:18:25,000 --> 00:18:30,000 [車庫入れ一つも 慣れるまで 大変そうですが] 123 00:18:36,000 --> 00:18:39,000 [1つ扉を開けるたび 124 00:18:39,000 --> 00:18:41,000 こだわりのデザインが 現れます] 125 00:18:41,000 --> 00:18:44,000 慣れれば スムーズ になると思うので 。 ( 恵夢 ) はい 。 126 00:18:52,000 --> 00:18:56,000 [これから ここで どんな物語が生まれるのか] 127 00:19:00,000 --> 00:19:05,000 [この横開きの窓も 店長いわく…] 128 00:19:08,000 --> 00:19:10,000 すごい 。 129 00:19:14,000 --> 00:19:16,000 ⚟カワイイね 。 130 00:19:22,000 --> 00:19:28,000 [と お母さんが昼食の提案をした そのときでした] 131 00:19:35,000 --> 00:19:37,000 ⚟ ( 物音 ) ( 直子 ) えっ? 132 00:19:40,000 --> 00:19:42,000 えっ? 何? 133 00:19:42,000 --> 00:19:46,000 [ものすごい音と お母さんの悲鳴] 134 00:19:53,000 --> 00:19:56,000 トラブル! 135 00:19:56,000 --> 00:19:59,000 [何と 納車早々] 136 00:19:59,000 --> 00:20:03,000 ( 恵夢 ) 怖い 怖い… 。 ( 直子 ) 危ない 危ない… 。 137 00:20:03,000 --> 00:20:05,000 あ~! 138 00:20:20,000 --> 00:20:22,000 [慣れない車幅で 139 00:20:22,000 --> 00:20:27,000 いきなり 防犯カメラの支柱を なぎ倒してしまいました] 140 00:20:32,000 --> 00:20:34,000 [そこへ…] 141 00:20:37,000 --> 00:20:40,000 [何も知らない父が 帰ってきました] 142 00:20:44,670 --> 00:20:46,670 うん 。 143 00:20:57,000 --> 00:21:00,000 [恵夢さん 自白しました] 144 00:21:02,000 --> 00:21:05,000 やっぱり 。 145 00:21:05,000 --> 00:21:07,000 ( 竜太 ) こっちが 。 146 00:21:07,000 --> 00:21:10,000 [笑い事ではありません] 147 00:21:26,000 --> 00:21:30,000 [気を取り直して 最後のステッカー貼り] 148 00:21:30,000 --> 00:21:32,330 [お父さん 夢中です] 149 00:21:34,000 --> 00:21:36,000 ⚟え~ !? 150 00:21:43,000 --> 00:21:47,330 ( 恵夢 ) マジか… 。 ( 竜太 ) 下がってる! 151 00:21:47,330 --> 00:21:49,330 ⚟うん 。 152 00:21:49,330 --> 00:21:51,330 ⚟1 cm ぐらい 。 153 00:21:53,000 --> 00:21:55,330 あんまり 。 154 00:21:55,330 --> 00:21:59,000 分かんないよ 。 OKだよ 。 ( 恵夢 ) 私は見える 。 155 00:22:03,000 --> 00:22:07,000 [ついに 夢の入り口に立った 恵夢さん] 156 00:22:07,000 --> 00:22:09,330 [開業日の売り上げ目標は…] 157 00:22:09,330 --> 00:22:11,330 (携帯電話) ( シャッター音 ) 158 00:22:26,000 --> 00:22:30,000 [ 100 食という 大きな目標を掲げた 恵夢さんと 159 00:22:30,000 --> 00:22:36,000 けなげに支える父との二人三脚は 思いも寄らぬ方向へ] 160 00:22:43,000 --> 00:22:46,000 [記念すべき 開業日の朝] 161 00:22:46,000 --> 00:22:51,000 [やはり 一番動きがいいのは お父さんでした] 162 00:22:52,670 --> 00:22:55,000 ( 直子 ) よいしょ よいしょ 。 ( 竜太 ) 気を付けて 。 よいしょ 。 163 00:23:07,000 --> 00:23:09,000 いってきます 。 164 00:23:13,000 --> 00:23:17,000 [こうして 両親は 娘たちを見送り 165 00:23:17,000 --> 00:23:19,000 やれやれ一服…] 166 00:23:19,000 --> 00:23:21,000 [と思いきや 167 00:23:21,000 --> 00:23:25,000 なぜか 車に乗り込むと…] 168 00:23:28,000 --> 00:23:33,000 [やる気満々で キッチンカーの後を追います] 169 00:23:33,000 --> 00:23:37,000 [一方の娘たちは あくび交じりに] 170 00:23:55,000 --> 00:23:57,670 [初出店の場所は 171 00:23:57,670 --> 00:24:02,000 お母さんの姉が店長を務める 野菜の直売所] 172 00:24:02,000 --> 00:24:06,000 [いわば 親戚の庭先みたいなものですが 173 00:24:06,000 --> 00:24:11,000 この日は ここで 感謝祭という 特売イベントがあり 174 00:24:11,000 --> 00:24:14,000 多くの客が見込める予定です] 175 00:24:17,000 --> 00:24:19,000 [その上] 176 00:24:20,670 --> 00:24:23,000 あっ ありがとうございます 。 177 00:24:23,000 --> 00:24:28,000 [周囲は知り合いばかりで 完全なホーム試合] 178 00:24:33,000 --> 00:24:38,000 [朝9時 感謝祭が始まりました] 179 00:24:38,000 --> 00:24:42,000 [ジャガイモの詰め放題に 蒸したてのお赤飯など 180 00:24:42,000 --> 00:24:47,000 いつもの人気商品が 多くの客を集める中] 181 00:24:50,000 --> 00:24:54,000 [いつもは見掛けない キッチンカー にも 注目が集まり 182 00:24:54,000 --> 00:24:57,000 一度に 4食焼ける ホットサンドマシンが 183 00:24:57,000 --> 00:25:00,000 休む間もないほどの 大繁盛です] 184 00:25:04,000 --> 00:25:06,000 ホットサンドとデザート お待ちください 。 185 00:25:06,000 --> 00:25:09,000 ( 男性 ) ありがとう 。 186 00:25:09,000 --> 00:25:12,000 [恵夢さんが試作を繰り返した 5種類の具は 187 00:25:12,000 --> 00:25:15,000 子供から 大人にまで大好評] 188 00:25:24,000 --> 00:25:29,000 [接客には お母さんの 直子さんまで動員され] 189 00:25:33,000 --> 00:25:38,000 [用意した 100 食分の具材も 次々と 空になっていきました] 190 00:25:38,000 --> 00:25:43,000 [まさに 思いがけない デビュー 戦の 大金星です] 191 00:25:49,000 --> 00:25:53,000 [その売り上げは まさかの…] 192 00:26:03,000 --> 00:26:06,000 ( 恵夢 ・ 來夢 ) ハハハ… 。 (スタッフ) すごいじゃん! 193 00:26:08,000 --> 00:26:10,000 ( 來夢 ) ジャジャーン! 194 00:26:13,000 --> 00:26:15,670 [けれど 父は すぐに…] 195 00:26:56,000 --> 00:27:00,000 ( 恵夢 ・ 來夢 ) お疲れさま 。 196 00:27:08,000 --> 00:27:13,000 [それからも イベント での快進撃は続きました] 197 00:27:13,000 --> 00:27:16,000 [このお祭りでも お父さんの口利きで 198 00:27:16,000 --> 00:27:19,670 おみこしが通る一等地を 確保してもらうと 199 00:27:19,670 --> 00:27:22,000 飛ぶように売れてゆく ホットサンド] 200 00:27:26,000 --> 00:27:30,670 [その上 お父さんは 多くの取引先企業に 201 00:27:30,670 --> 00:27:33,000 キッチンカーを 置かせてもらえるよう 202 00:27:33,000 --> 00:27:35,000 営業までしてくれます] 203 00:27:39,000 --> 00:27:42,000 よろしくお願いいたします 。 ( 女性 ) よろしくお願いいたします 。 204 00:28:07,000 --> 00:28:10,000 [ただ そんな父の姿が 205 00:28:10,000 --> 00:28:14,000 少しずつ 恵夢さんを 追い詰めていきました] 206 00:28:31,000 --> 00:28:33,000 [そう言われても 207 00:28:33,000 --> 00:28:39,000 しょせん 父の力で出店していると 思われているのではないか…] 208 00:28:44,000 --> 00:28:49,000 [あの野菜直売所での営業も イベントのない日は 209 00:28:49,000 --> 00:28:53,000 残酷なほど 静まり返ったままでした] 210 00:29:00,000 --> 00:29:02,000 ( 恵夢 ) こんにちは 。 211 00:29:50,000 --> 00:29:54,000 [突然あふれた 大粒の涙] 212 00:29:54,000 --> 00:29:57,000 [父と娘の歯車が…] 213 00:29:57,000 --> 00:30:00,000 そうですね 。 [狂い始めました] 214 00:30:06,000 --> 00:30:10,000 [それは 走り始めたばかりの 恵夢さんが…] 215 00:30:10,000 --> 00:30:14,000 こんにちは emu’s cooking です 。 よろしくお願いします 。 216 00:30:14,000 --> 00:30:16,000 [少しでも 人脈を増やそうと 217 00:30:16,000 --> 00:30:19,000 挨拶に 回っているときのことでした] 218 00:30:19,000 --> 00:30:23,000 [出会ったのは わずか4カ月ほど先輩の 219 00:30:23,000 --> 00:30:25,000 キッチンカーオーナー] 220 00:30:27,000 --> 00:30:29,000 よろしくお願いします 。 221 00:30:29,000 --> 00:30:32,000 クレープね… 。 222 00:30:36,000 --> 00:30:38,000 何かあったら助けてください 。 223 00:30:40,000 --> 00:30:43,670 [彼女も また キッチンカーに夢を託し 224 00:30:43,670 --> 00:30:46,000 人生をかけた一人です] 225 00:30:54,670 --> 00:30:57,000 (スタッフ) お~! ( 江里奈 ) もう… 。 226 00:30:59,000 --> 00:31:01,000 [彼女の売りは 227 00:31:01,000 --> 00:31:06,000 自ら地元を駆け回って集めた オーガニックな食材と 228 00:31:06,000 --> 00:31:09,000 元イタリアンの料理人という 腕の良さ] 229 00:31:09,000 --> 00:31:14,000 [ただ だからといって むやみな価格にはできず 230 00:31:14,000 --> 00:31:17,000 薄利多売で カバーしています] 231 00:31:21,000 --> 00:31:23,000 [平日の出店地は 232 00:31:23,000 --> 00:31:27,000 人影もまばらな 温水プール施設の前] 233 00:31:35,000 --> 00:31:37,000 ( 女性 ) うん 。 234 00:31:37,000 --> 00:31:39,000 ( 江里奈 ) ありがとうございます 。 235 00:31:39,000 --> 00:31:42,000 [どれだけ商品に 自信があっても 236 00:31:42,000 --> 00:31:45,000 出店地一つで 天国にも地獄にもなる 237 00:31:45,000 --> 00:31:48,000 キッチンカービジネス] 238 00:31:48,000 --> 00:31:52,000 [都会の一等地では たくさん売り上げたとしても 239 00:31:52,000 --> 00:31:56,000 仲介者から 高額な出店料を取られます] 240 00:31:59,000 --> 00:32:02,000 ( 江里奈 ) ありがとうございます 。 241 00:32:02,000 --> 00:32:05,670 [逆に 仲介者がいない土地を探せば 242 00:32:05,670 --> 00:32:08,000 今度は 売り上げが立ちません] 243 00:32:08,000 --> 00:32:13,000 たっぷたぷに入れちゃいました 。 ( 女性 ) ありがとうございます! 244 00:32:13,000 --> 00:32:16,670 [そんな不安定な稼ぎを カバーするため 245 00:32:16,670 --> 00:32:21,000 今も続けているのが お弁当屋さんでの アルバイト] 246 00:32:24,000 --> 00:32:28,000 [午前中は 眠さをこらえて レジに立ち 247 00:32:28,000 --> 00:32:32,000 午後からは キッチンカーという ダブルワーク] 248 00:32:34,000 --> 00:32:38,000 [少し前までしていたという 彼氏との同棲も解消し 249 00:32:38,000 --> 00:32:44,000 今は 少し殺風景な実家の 2階暮らしです] 250 00:32:44,000 --> 00:32:46,000 ( 江里奈 ) ほぼ寝るだけなんで ホント 。 251 00:32:55,000 --> 00:32:57,000 ( 江里奈 ) だから 何か申し訳ないですね 逆に 。 252 00:32:58,670 --> 00:33:01,000 [子供時代から おてんばで 253 00:33:01,000 --> 00:33:05,000 高校時代は ソフトボール部の 副キャプテンだったという 254 00:33:05,000 --> 00:33:07,670 根っからの体育会系少女が 255 00:33:07,670 --> 00:33:10,000 料理に はまった きっかけは…] 256 00:33:28,000 --> 00:33:31,000 [そう自分では言うものの 257 00:33:31,000 --> 00:33:34,000 き っ ちり調理師専門学校を卒業し 258 00:33:34,000 --> 00:33:36,000 表参道の人気レストランに 259 00:33:36,000 --> 00:33:38,000 就職した 江里奈さん] 260 00:33:38,000 --> 00:33:42,670 [ところが コロナ禍に苦しむ店を 見ていられず 261 00:33:42,670 --> 00:33:45,000 自ら退職すると…] 262 00:34:08,000 --> 00:34:10,000 あれ? 263 00:34:10,000 --> 00:34:12,000 まあ 行ったら行ったで… 。 264 00:34:20,000 --> 00:34:24,000 [開業資金は 480 万円] 265 00:34:24,000 --> 00:34:26,670 [売り物を クレープにしたわけにも 266 00:34:26,670 --> 00:34:30,670 元料理人ならではの プライドがありました] 267 00:34:44,670 --> 00:34:47,670 [そう よくある商品だからこそ 268 00:34:47,670 --> 00:34:51,000 よそとの違いが 分かってもらえるはずだと] 269 00:34:51,000 --> 00:34:53,000 (スタッフ) それ 何ですか? 270 00:35:11,000 --> 00:35:13,670 [こうして仕込んだ 特製の生地を 271 00:35:13,670 --> 00:35:19,000 低温で じっくり寝かすことで さらなる風味を引き出します] 272 00:35:22,000 --> 00:35:24,000 ( 裕美子 ) そしたらさ 江里奈 。 273 00:35:24,000 --> 00:35:27,000 ( 一同 ) おはようございます 。 274 00:35:27,000 --> 00:35:29,000 [そんな娘の頑張りを 275 00:35:29,000 --> 00:35:33,000 こちらも また 家族総出で サポートしています] 276 00:35:36,000 --> 00:35:39,000 [特に 父の道世さんは 277 00:35:39,000 --> 00:35:45,000 恵夢さんの父に負けず劣らず 娘の手伝いに夢中] 278 00:35:47,000 --> 00:35:50,000 ( 道世 ) おはよう 。 ( 社員たち ) おはようございます 。 279 00:35:50,000 --> 00:35:56,000 [本業は 社員 10 人を抱える 板金業の経営者ですが…] 280 00:35:58,000 --> 00:36:01,670 [車の内装なら任せておけと 281 00:36:01,670 --> 00:36:04,330 キッチンカーの中身も ほぼ 282 00:36:04,330 --> 00:36:08,000 得意のDIYで 完成させてしまいました] 283 00:36:10,000 --> 00:36:15,000 [それもこれも 全ては 愛する娘のため] 284 00:36:17,000 --> 00:36:20,000 もう やったからには… はい 。 285 00:36:29,000 --> 00:36:31,000 あの… 。 286 00:36:44,000 --> 00:36:48,000 [と 娘のいないところでは 言うのですが…] 287 00:36:50,000 --> 00:36:53,000 いやいや… 一人で頑張りました 。 288 00:37:05,000 --> 00:37:07,000 雑巾あったら 買ってきてほしい 。 289 00:37:07,000 --> 00:37:09,000 ( 江里奈 ) うん 。 290 00:37:21,000 --> 00:37:24,000 [この日 やって来たのは…] 291 00:37:24,000 --> 00:37:26,000 ( 江里奈 ) お願いします 。 292 00:37:30,000 --> 00:37:33,000 ( 江里奈 ) 今日 。 ( 男性 ) 俺? 293 00:37:33,000 --> 00:37:35,000 ( 江里奈 ) ホントですか !? 294 00:37:37,000 --> 00:37:40,000 そうです 。 295 00:37:40,000 --> 00:37:42,000 もう一人いると思うんですよね 。 296 00:37:42,000 --> 00:37:46,000 [やはり ここでも 父の人脈が物を言い 297 00:37:46,000 --> 00:37:49,000 さらには 大学生の弟や 298 00:37:49,000 --> 00:37:53,000 「 こき使いやがって 」 と嘆く お父さんも 299 00:37:53,000 --> 00:37:55,330 助っ人として駆け付けています] 300 00:37:57,000 --> 00:38:01,000 [ところが そんな父の姿を見て 301 00:38:01,000 --> 00:38:03,000 江里奈さんは…] 302 00:38:19,000 --> 00:38:24,000 [狭い車内は 45 ℃を超える灼熱地獄] 303 00:38:28,000 --> 00:38:32,000 [暑さと喧噪で 目まいがしそうな中 304 00:38:32,000 --> 00:38:37,000 クレープを焼いても焼いても 途切れることのない大行列に 305 00:38:37,000 --> 00:38:40,000 ついに お父さんが…] 306 00:38:42,000 --> 00:38:45,000 [缶チューハイをあおると…] 307 00:38:52,000 --> 00:38:55,000 ( 道世 ) どこに? どこに? 308 00:38:55,000 --> 00:38:59,000 [殺気立つ一方の車内] 309 00:38:59,000 --> 00:39:02,000 [やがて 父と娘は 310 00:39:02,000 --> 00:39:04,330 口さえ利かなくなって しまいました] 311 00:39:06,000 --> 00:39:08,000 OK! 312 00:39:23,000 --> 00:39:27,000 [ただ 売り上げは 過去最高の 18 万円] 313 00:39:27,000 --> 00:39:30,000 [もうけの面では 大成功です] 314 00:39:55,000 --> 00:40:00,000 [甘えられる親がいる 子供ならではの あるあるです] 315 00:40:05,000 --> 00:40:08,000 [一方 ホットサンドを売る 恵夢さんも 316 00:40:08,000 --> 00:40:12,000 父親とのもやもやが 晴れません] 317 00:40:12,000 --> 00:40:16,000 [この日も 地元の大きなジャズイベントで 318 00:40:16,000 --> 00:40:19,000 最高の場所に 出店できたのですが 319 00:40:19,000 --> 00:40:23,000 それも また イベントの メインスポンサーになっていた 320 00:40:23,000 --> 00:40:25,000 父の会社のおかげ] 321 00:40:27,000 --> 00:40:31,000 [その現実が 恵夢さんを いら立たせます] 322 00:40:52,000 --> 00:40:54,330 [せっかく 10 万円も売れたのに 323 00:40:54,330 --> 00:40:59,000 2人の間に吹きすさぶ 真夏の冷たい風] 324 00:41:03,000 --> 00:41:06,000 [しかも 明らかとなった原因は 325 00:41:06,000 --> 00:41:10,000 父にとって 衝撃的なものでした] 326 00:41:17,000 --> 00:41:21,000 [オープンから 5カ月 。 やはり 平日の出店は…] 327 00:41:27,000 --> 00:41:31,000 [ほとんど 売り上げが立たない キッチンカー] 328 00:41:31,000 --> 00:41:34,000 [そんな現実も手伝って…] 329 00:41:35,670 --> 00:41:39,330 [8月には 18 回あった出店が…] 330 00:41:41,000 --> 00:41:44,000 [9月には 11 回に激減] 331 00:41:44,000 --> 00:41:46,000 [原因の一つが…] 332 00:41:50,330 --> 00:41:55,000 [オープン直後にできた 恋人の存在でした] 333 00:41:55,000 --> 00:41:59,000 [その衝撃的な事実に お父さんは…] 334 00:42:59,000 --> 00:43:01,000 [オープン前 335 00:43:01,000 --> 00:43:04,000 恵夢さんの誕生日に行った 家族旅行のときには 336 00:43:04,000 --> 00:43:06,000 考えられなかった事態でした] 337 00:43:06,000 --> 00:43:08,000 [でも…] 338 00:43:25,000 --> 00:43:28,000 [そう 彼女には彼女なりに 339 00:43:28,000 --> 00:43:30,000 精いっぱいやっているという 340 00:43:30,000 --> 00:43:32,000 自負があります] 341 00:43:41,330 --> 00:43:43,330 (スタッフ) だから… 。 342 00:43:57,000 --> 00:44:02,000 [あんなに仲の良かった親子が なぜ?] 343 00:44:04,000 --> 00:44:06,000 [一方 江里奈さんも…] 344 00:44:19,000 --> 00:44:24,000 ( 裕美子 ) もったいないよね あれね ダレちゃって 。 345 00:44:24,000 --> 00:44:28,000 [2組の父と娘に訪れた 大ピンチ] 346 00:44:28,000 --> 00:44:31,000 [そして 恵夢さん親子には 347 00:44:31,000 --> 00:44:35,000 決定的な擦れ違いが 起きようとしていました] 348 00:44:40,000 --> 00:44:42,000 ( 竜太 ) 現在進行形で 進んじゃってる中… 。 349 00:44:42,000 --> 00:44:45,000 ( 恵夢 ) 家にいたくないから 。 ( 竜太 ) えっ? 350 00:44:51,000 --> 00:44:53,000 [売り言葉に 買い言葉] 351 00:44:53,000 --> 00:44:58,000 [走りだした 夢の行き先は いったい どこなのでしょう?]