1 00:01:33,093 --> 00:01:39,099 <天保11年 正月 本所亀戸の 武蔵屋の別宅が焼けた。➡ 2 00:01:39,099 --> 00:01:45,105 焼け跡から出た 3人の焼死体は 主・喜兵衛 妻・おその➡ 3 00:01:45,105 --> 00:01:49,105 そして 娘の「おしの」と 断定された> 4 00:01:51,111 --> 00:01:54,114 (おしの) 行ってきます…。 5 00:01:54,114 --> 00:01:57,617 今日 1人 お父っつぁんの恨みを…。 6 00:01:57,617 --> 00:02:02,622 <火事から1年が過ぎ 門前仲町の 料理茶屋「岡田屋」で➡ 7 00:02:02,622 --> 00:02:08,628 常磐津師匠の岸沢蝶太夫が殺され 与力・青木千之介によって➡ 8 00:02:08,628 --> 00:02:13,633 検分された。 証言から「おりう」 という謎の女が浮かんだ> 9 00:02:13,633 --> 00:02:16,636 (千之介) これは 椿の花びらでは…。 10 00:02:16,636 --> 00:02:22,136 (おこよ)徳次郎さん あなたによ。 でも 差出人の名前が…。 11 00:02:30,083 --> 00:02:36,089 < その頃 武蔵屋の手代・徳次郎の 前に 突然 おしのが現れる。➡ 12 00:02:36,089 --> 00:02:39,092 おしのは 生きていたのだった…> 13 00:02:39,092 --> 00:02:42,595 あなたは ここに来ちゃ いけないわ。 14 00:02:42,595 --> 00:02:46,595 私なんかに係りあいになっちゃ いけないの 15 00:02:48,601 --> 00:02:52,605 < そして おしのは 悪徳医者・海野得石に➡ 16 00:02:52,605 --> 00:02:55,608 「おみの」と名を変えて迫る…> 17 00:02:55,608 --> 00:03:01,608 (得石)そんな事を言って また 逃げたりしないでしょうね。 18 00:03:14,127 --> 00:03:16,127 先生…。 19 00:03:33,079 --> 00:03:38,084 < おしのの目的は 父親を 苦しめた 5人の男達への➡ 20 00:03:38,084 --> 00:03:40,584 復讐であった…> 21 00:03:43,089 --> 00:03:48,595 < おしのは 次なる仇である 「札差」の息子・香屋清一の➡ 22 00:03:48,595 --> 00:03:54,095 もとへ向かう。 亡き父が愛した 椿の花びらを持って…> 23 00:04:02,609 --> 00:04:05,111 さあ 買った買った… また 椿の花びらだ。 24 00:04:05,111 --> 00:04:12,111 同じ手口で 2人目が殺された。 町医者・海野得石が殺された…。 25 00:04:15,121 --> 00:04:20,126 (千之介)花菱の彫り…。 蝶太夫殺しの時と 同じものだな。 26 00:04:20,126 --> 00:04:25,065 (作馬)この手の釵は あちこちの 小間物屋で 売っています。 27 00:04:25,065 --> 00:04:30,070 まとめ買いをした女が いないか? それから 海野得石について➡ 28 00:04:30,070 --> 00:04:32,072 何か 分かったか? 29 00:04:32,072 --> 00:04:37,077 評判のよくない医者ですな。 いかがわしい治療をして➡ 30 00:04:37,077 --> 00:04:41,081 金を儲け 外では 料理茶屋と 宿屋を やってまして➡ 31 00:04:41,081 --> 00:04:44,584 その宿屋では 日済貸しまで やっています。 32 00:04:44,584 --> 00:04:47,587 医者が 金貸しを? さようです。 33 00:04:47,587 --> 00:04:52,592 得石が殺された日 貸し金の証文を 残らず持って出たと➡ 34 00:04:52,592 --> 00:04:58,098 番頭が言ってますが それが 捜しても 現場には見当たらない。 35 00:04:58,098 --> 00:05:02,102 …という事は 女が先に 持ち去ったという事か? 36 00:05:02,102 --> 00:05:05,105 そうとしか思えません。 37 00:05:05,105 --> 00:05:09,609 前の蝶太夫殺しの時は 脅されていた相手に 50両を➡ 38 00:05:09,609 --> 00:05:14,614 ぽんと くれてやり 今度は 貸し金の証文を 反故にした…。 39 00:05:14,614 --> 00:05:19,614 (作馬)得石に金を借りていた者は 大喜びしましょうな。 40 00:05:28,061 --> 00:05:35,068 ≪若くて 人一倍 器量もいいって いう娘が 2度までも男を…。➡ 41 00:05:35,068 --> 00:05:39,072 初めてだ こんな事件は…≫ 42 00:05:39,072 --> 00:05:42,575 (彦四郎)まことに世の中の 実相というものは➡ 43 00:05:42,575 --> 00:05:47,080 想像を越えてるんですね。 私達 「人情本」や 「黄表紙」の作者が➡ 44 00:05:47,080 --> 00:05:53,586 どんなに頭を絞っても こんな事は 考えもつかない…。 45 00:05:53,586 --> 00:05:59,092 現実の方が はるかに奇妙で 混沌として 不可思議で…。 46 00:05:59,092 --> 00:06:04,097 (お高)彦四郎様 『偐紫田舎源氏』の 執筆が終わったら➡ 47 00:06:04,097 --> 00:06:06,599 この事件を参考に 本を お書き遊ばせよ。 48 00:06:06,599 --> 00:06:10,103 全く… もの書きとしては そそられますね 49 00:06:10,103 --> 00:06:14,607 感心してる場合では ないぞ。 そうです。 兄上…。 50 00:06:14,607 --> 00:06:19,612 早く 下手人を捕らえねば 町奉行所の沽券に 係りますよ。 51 00:06:19,612 --> 00:06:24,551 分かっておる。 お奉行も まだか まだかと おっしゃる。 52 00:06:24,551 --> 00:06:30,557 「そなたの父上ならば とっくに 捕らえていただろう」なんてね。 53 00:06:30,557 --> 00:06:32,559 こんな時に 父上を 引き合いに出すな。 54 00:06:32,559 --> 00:06:37,564 でも 兄上の頭の隅には いつも 父上の事が あるでしょう?➡ 55 00:06:37,564 --> 00:06:42,064 あれほど腕のいい与力は いなかった…。 56 00:06:44,070 --> 00:06:49,075 (千之介) なぜだろうな… 八丁堀に その名を謳われるほどの➡ 57 00:06:49,075 --> 00:06:53,079 捕り物の名人が…。 働き盛りで どうして 急に➡ 58 00:06:53,079 --> 00:06:57,083 辞めてしまったのか… 与力職を辞した後は➡ 59 00:06:57,083 --> 00:07:06,092 日々 写経ばかり…。 父上は 何を考えておられたのか…。 60 00:07:06,092 --> 00:07:12,098 きっと何か 途方に暮れるような 解決の つかないような事が➡ 61 00:07:12,098 --> 00:07:14,601 おありだったんじゃ。 62 00:07:14,601 --> 00:07:17,601 「解決の つかない事」か…。 63 00:07:22,041 --> 00:07:28,041 (かごかきたち)えいっほ えいっほ えいっほ…。 64 00:07:34,053 --> 00:07:37,557 (お新) いらっしゃいまし。 65 00:07:37,557 --> 00:07:40,059 香屋の清一さんは? 66 00:07:40,059 --> 00:07:43,059 先程から お待ちで…。 どうぞ。 67 00:08:10,089 --> 00:08:13,092 ≪お連れ様が いらっしゃいました。 68 00:08:13,092 --> 00:08:15,092 (清一)お倫さん… 69 00:08:17,096 --> 00:08:20,099 お倫さん 大変なんだよ。 70 00:08:20,099 --> 00:08:23,036 まあ… 来た早々に 何でしょう。 71 00:08:23,036 --> 00:08:26,039 お酒 熱いのを おつけしましょうか? 72 00:08:26,039 --> 00:08:28,539 ええ お願いするわ。 73 00:08:30,543 --> 00:08:36,549 昨日 お袋が来て 「親戚から養子を 取る事にする」って 親父が。 74 00:08:36,549 --> 00:08:41,554 ほらね… 清一さんが 少しも 心を入れ替えないで 吉原に➡ 75 00:08:41,554 --> 00:08:47,560 入り浸って 遊んでるからだわ。 香屋の御主人も 我が息子ながら➡ 76 00:08:47,560 --> 00:08:51,064 もう 見込みがない。 縁切りの 証拠に 養子を迎える事に➡ 77 00:08:51,064 --> 00:08:55,068 決めたのよ。 これで 一巻の終わりね。 78 00:08:55,068 --> 00:08:59,072 よせよ。 お倫さんまで そんな冷たい事を…。 79 00:08:59,072 --> 00:09:02,575 俺は 半分は 脅しだと 思ってるんだよ。 80 00:09:02,575 --> 00:09:04,577 そうかしら…。 81 00:09:04,577 --> 00:09:10,083 俺が 本気で 身を固めるって 言えば 親父も考え直すと思うよ。 82 00:09:10,083 --> 00:09:14,587 お倫さんっていう しっかりした娘が ついてりゃ➡ 83 00:09:14,587 --> 00:09:18,091 大丈夫だってな…。 どうだい? 近いうちに➡ 84 00:09:18,091 --> 00:09:21,091 両親に 会ってくれないかい? 85 00:09:23,029 --> 00:09:26,032 まだ 早いわ…。 どうしてさ? 86 00:09:26,032 --> 00:09:31,037 うちのお父っつぁんはね 香屋の若旦那なら 大賛成で➡ 87 00:09:31,037 --> 00:09:35,041 千両箱の2つも つけてやるって 言うんだけど➡ 88 00:09:35,041 --> 00:09:39,045 私は まだ 心持ちが ゆらゆらして…。 89 00:09:39,045 --> 00:09:42,548 俺の どこが 信用出来ないって いうんだい? 90 00:09:42,548 --> 00:09:47,553 だって あなたの悪い噂を いっぱい 聞いてるんですもの。 91 00:09:47,553 --> 00:09:51,557 夫婦になっても きちんと 商いに 身を入れてくれれば いいけど➡ 92 00:09:51,557 --> 00:09:56,562 すぐ また 遊びに うつつを抜かすんじゃ…。 93 00:09:56,562 --> 00:10:01,567 おい おい まるで 親が言うような 事を…。 俺を熱くしておいて➡ 94 00:10:01,567 --> 00:10:08,074 今更 なんだい。 初めは お前から 俺に 惚れてきたんだぜ。 95 00:10:08,074 --> 00:10:13,079 忘れたのかい? 根岸の 精進料理の店で 俺を見初めて➡ 96 00:10:13,079 --> 00:10:16,579 そっちから 言葉を かけてきたくせに 97 00:10:20,086 --> 00:10:23,586 私は ずっと あなたに惚れてますよ。 98 00:10:26,025 --> 00:10:29,028 だったら いいじゃないか…。 99 00:10:29,028 --> 00:10:33,032 いつまでも じらさなくても いいじゃないか 100 00:10:33,032 --> 00:10:35,535 駄目… 駄目よ 101 00:10:35,535 --> 00:10:39,539 もう いい お前みたいに 四の五の難しい事を言う女は➡ 102 00:10:39,539 --> 00:10:43,039 たくさんだ…。 勝手にしろ 103 00:10:47,046 --> 00:10:50,049 あの… お連れ様 いいんですか? 104 00:10:50,049 --> 00:10:53,049 いいの。 そこに 置いてちょうだい。 105 00:11:06,065 --> 00:11:09,065 ありがとうございました。 106 00:11:15,074 --> 00:11:19,078 (おはな)やっぱり あの人だよ。 最初 見た時から➡ 107 00:11:19,078 --> 00:11:22,081 似てると思ったけど 間違いない…。 108 00:11:22,081 --> 00:11:25,581 常磐津の岸沢蝶太夫の時の 人だよ 109 00:11:30,590 --> 00:11:33,092 [回想] これは あなたに…。 110 00:11:33,092 --> 00:11:36,092 まあ すみません…。 111 00:11:39,098 --> 00:11:41,098 (悲鳴) 112 00:12:02,121 --> 00:12:05,121 (国宣)よし…。 これで どうだい? 113 00:12:07,126 --> 00:12:11,126 おお… いい女じゃないですか 114 00:12:13,132 --> 00:12:17,132 ここんとこな… ずっと この娘ばかり描いてんだ。 115 00:12:19,138 --> 00:12:25,077 だからな 俺が 今 女を描くと ついつい こういう顔になるんだ。 116 00:12:25,077 --> 00:12:28,581 いいんですか… これ 使っちまっても? 117 00:12:28,581 --> 00:12:33,081 似てるって言ったって 大して 似てやしないだろ。 118 00:12:35,588 --> 00:12:39,091 見てくれ 見てくれ 絵入りだよ。 椿の花びら人殺し…。 119 00:12:39,091 --> 00:12:44,591 詳しい事を知りたけりゃ どんどん 買いな 買いな 120 00:12:51,103 --> 00:12:55,107 (おこよ)どことなく おしのちゃんに 似てるでしょ?➡ 121 00:12:55,107 --> 00:12:58,110 たまたま 似てるだけだわ これは…。➡ 122 00:12:58,110 --> 00:13:03,115 だって おしのちゃんは もう この世に 居ないのだから。 123 00:13:03,115 --> 00:13:07,115 [回想] あの時 私は 一度 死んだの。 124 00:13:09,121 --> 00:13:12,621 今の私は 亡霊と思ってちょうだい。 125 00:13:17,129 --> 00:13:19,129 ありがとう。 126 00:13:21,133 --> 00:13:24,070 (徳次郎)まさか…? まさか そんな…? 127 00:13:24,070 --> 00:13:27,073 徳次郎さん… どうしたの? 128 00:13:27,073 --> 00:13:31,073 何でもないんです。 店がありますので これで…。 129 00:13:36,082 --> 00:13:41,087 ≪私には 分かっていました。 徳次郎さんは➡ 130 00:13:41,087 --> 00:13:46,092 寝ても 覚めても 亡くなった おしのちゃんの事ばかり➡ 131 00:13:46,092 --> 00:13:49,092 考えて 恋い焦がれて いるんです…≫ 132 00:13:51,097 --> 00:13:54,097 青木様 こちらでございます。 133 00:13:59,105 --> 00:14:01,107 (千之介)お前達は 姉妹らしいな? 134 00:14:01,107 --> 00:14:05,111 はい。 妹が こちらに 奉公して おりまして。 お新です。 135 00:14:05,111 --> 00:14:10,116 私は 門前仲町の岡田屋に…。 旦那には 常磐津師匠の➡ 136 00:14:10,116 --> 00:14:14,120 蝶太夫さんが 殺された時に 1度 お会いしました。 137 00:14:14,120 --> 00:14:16,122 おお そうだった。 138 00:14:16,122 --> 00:14:20,626 いえね この間も こちらに 手伝いに来たんですよ。 139 00:14:20,626 --> 00:14:23,062 その時に 見たというのか? 140 00:14:23,062 --> 00:14:28,067 そうなんです。 髪の結い方や 着物も帯も 岡田屋の時と➡ 141 00:14:28,067 --> 00:14:34,073 違ってましたけど 間違いなく あの 「おりう」って女です。 142 00:14:34,073 --> 00:14:36,075 間違いは ないな? 143 00:14:36,075 --> 00:14:40,079 ええ。 証人になっても ようございますよ。 144 00:14:40,079 --> 00:14:43,582 その女が 今日も やってくるというのか? 145 00:14:43,582 --> 00:14:48,082 はい。 つい先程 文が参りましたので 間違いなく。 146 00:14:51,090 --> 00:14:56,595 その女に 気づかれぬように 様子を見たいのだが 出来るか? 147 00:14:56,595 --> 00:14:59,095 旦那さんに 聞いてみます。 148 00:15:01,100 --> 00:15:06,105 ところで旦那… 証人になれば 何か ご褒美を? 149 00:15:06,105 --> 00:15:10,109 そりゃ まあ… 下手人 召し取りに役に立てばな。 150 00:15:10,109 --> 00:15:12,609 お役に立ちますとも。 151 00:15:37,069 --> 00:15:39,069 どうぞ…。 152 00:15:43,075 --> 00:15:47,079 お休みの お支度も しておきました。 153 00:15:47,079 --> 00:15:51,083 お膳は すぐに お運び いたしますか? 154 00:15:51,083 --> 00:15:55,083 うん お願いするわ。 では…。 155 00:16:22,047 --> 00:16:24,547 罪だな こいつは…。 156 00:16:26,552 --> 00:16:30,052 こんなふうに覗き見するのは 非道だ。 157 00:16:32,057 --> 00:16:38,063 どう見ても 何不自由なく育った 大店の娘にしか見えませんな。 158 00:16:38,063 --> 00:16:44,069 人殺しのできるような娘では ないぞ。 箱入り娘じゃないか。 159 00:16:44,069 --> 00:16:50,069 しかし 箱入り娘が どうして こんな茶屋に来ているのか…? 160 00:16:52,077 --> 00:16:55,577 もう一度 見ますか? いや もういい。 161 00:16:58,083 --> 00:17:22,083 ♬~ 162 00:17:24,043 --> 00:17:26,043 まあ遅い…。 163 00:17:31,050 --> 00:17:33,050 何か…!? 164 00:17:36,055 --> 00:17:40,059 私は 町方与力の青木千之介と いう者だ。 165 00:17:40,059 --> 00:17:43,059 ちょっと聞きたい事が あるんだ。 166 00:17:45,064 --> 00:17:47,064 どうぞ。 167 00:17:56,075 --> 00:18:02,075 役目なので 言葉を改めます。 はい。 168 00:18:04,083 --> 00:18:07,083 まず 所と名を聞こう。 169 00:18:09,088 --> 00:18:13,088 住まいは 本郷同朋町で 倫と申します。 170 00:18:15,094 --> 00:18:17,096 親がかりか? 171 00:18:17,096 --> 00:18:24,036 いえ。 少し訳がありまして 今 親の家から離れて➡ 172 00:18:24,036 --> 00:18:27,039 茶の師匠をしております。 173 00:18:27,039 --> 00:18:30,039 年は いくつだ? 20歳になります。 174 00:18:32,044 --> 00:18:35,047 20歳で 茶の師匠か? あの…。 175 00:18:35,047 --> 00:18:38,050 実家は 何をしておる? 176 00:18:38,050 --> 00:18:43,055 お願いです。 こんな事が 親に知れると困るのですが…。 177 00:18:43,055 --> 00:18:48,055 親には 知れないようにしてやる。 親は どこに住んでおる? 178 00:18:50,062 --> 00:18:55,067 日本橋槙町で 伊勢屋という 紙問屋をしております。 179 00:18:55,067 --> 00:19:00,067 父の名は 勘兵衛。 母は 一昨年 亡くなりました。 180 00:19:02,074 --> 00:19:05,077 政吉という弟がおります。 181 00:19:05,077 --> 00:19:08,080 なぜ 家を出たんだ? 182 00:19:08,080 --> 00:19:14,080 父に後添いが来まして その新しい母とは あまり…。 183 00:19:17,089 --> 00:19:23,028 お聞かせ下さい。 私 どうして お調べを 受けるのでしょうか? 184 00:19:23,028 --> 00:19:29,034 人殺しが 2度あった。 殺されたのは 2人とも男だ。 185 00:19:29,034 --> 00:19:35,034 下手人は 若い女…。 今 評判に なってるから 知ってるだろう? 186 00:19:38,043 --> 00:19:41,046 いいえ。 私 少しも…。 187 00:19:41,046 --> 00:19:44,049 「読み売り」は 読まんのか? 188 00:19:44,049 --> 00:19:47,052 読みませんし 近所づきあいも…。 189 00:19:47,052 --> 00:19:49,052 ≪失礼いたします。 190 00:19:58,063 --> 00:20:01,063 お膳を お持ち いたしました。 191 00:20:07,072 --> 00:20:13,078 まあ… まあ お珍しい いつか 門前仲町の お店で➡ 192 00:20:13,078 --> 00:20:17,078 お目にかかった おりうさんじゃ ございませんか 193 00:20:19,084 --> 00:20:23,522 何でしょうか。 人違いをなさってるのでは…? 194 00:20:23,522 --> 00:20:29,028 まあ そんな事おっしゃって…。 門前仲町の岡田屋へ➡ 195 00:20:29,028 --> 00:20:34,033 常磐津の お師匠さんと いらしたじゃありませんか。 196 00:20:34,033 --> 00:20:39,038 私 あの時の番で お二人の お世話をした はなですよ。 197 00:20:39,038 --> 00:20:42,041 知らないわ… まるっきり。 198 00:20:42,041 --> 00:20:47,046 知らないなんて 言わせませんよ。 「酔いつぶれて 寝てるので➡ 199 00:20:47,046 --> 00:20:51,050 起こさずに そっとしておいて やってくれ」って…。➡ 200 00:20:51,050 --> 00:20:55,054 私は 心付けまで あなたに 頂いたんですよ。 201 00:20:55,054 --> 00:20:58,557 私 何の事やら分かりません さっぱり…。 202 00:20:58,557 --> 00:21:03,562 しらばっくれないで…。 後で 部屋に行ったら 大変な事に…。 203 00:21:03,562 --> 00:21:07,566 お師匠さんは釵で 心の臓を ひと突きにされて死んでるし➡ 204 00:21:07,566 --> 00:21:12,571 岡田屋じゃ とんだ大迷惑 だったんですからね 205 00:21:12,571 --> 00:21:14,573 困ったわ…。 206 00:21:14,573 --> 00:21:19,078 あんたは あの時の女じゃないの。 おりうじゃないの 207 00:21:19,078 --> 00:21:21,080 この女に相違ないか? 208 00:21:21,080 --> 00:21:27,080 ええ この人ですよ 私の目に 狂いはありません。 この女です。 209 00:21:29,088 --> 00:21:34,088 おい… 正直に言え。 この女を知ってるだろう? 210 00:21:36,095 --> 00:21:39,095 岡田屋で会ってるんだろう? 211 00:21:41,100 --> 00:21:47,106 いいえ 存じません。 そんな所へ 行った事も ございません。 212 00:21:47,106 --> 00:21:53,112 冗談じゃない。 この女が 下手人 ですよ。 この女が 殺したんだ 213 00:21:53,112 --> 00:21:55,114 静かにしろ 214 00:21:55,114 --> 00:22:00,119 お…!? おい 何やってるの? どうした? ごめんよ…。 215 00:22:00,119 --> 00:22:03,122 何なんだよ これは? 216 00:22:03,122 --> 00:22:07,126 俺は 八丁堀の 青木千之介という者だ。 はあ? 217 00:22:07,126 --> 00:22:09,628 この女と 知り合いか? 218 00:22:09,628 --> 00:22:15,134 はい その…。 実は いいなずけ同様の者でして。 219 00:22:15,134 --> 00:22:18,134 いいなずけ同様とは どういう事だ? 220 00:22:20,139 --> 00:22:25,077 私は 香屋清一。 親は 香屋忠兵衛といって➡ 221 00:22:25,077 --> 00:22:29,581 蔵前で 札差を やってるんですよ。 これは 近いうちに➡ 222 00:22:29,581 --> 00:22:34,086 私の妻になる お倫です。 一体 どういう御不審で➡ 223 00:22:34,086 --> 00:22:40,086 お取り調べを受けるのか まず それを聞かせて頂けませんか? 224 00:22:49,101 --> 00:22:54,106 お倫さんに 人殺しの凶状の 疑いを かけるなんて➡ 225 00:22:54,106 --> 00:22:58,110 あの与力の目は よっぽど どうかしてら… 226 00:22:58,110 --> 00:23:03,115 清さんって 思ったより 男らしいところが あるのね。 227 00:23:03,115 --> 00:23:05,117 見直しちゃった。 228 00:23:05,117 --> 00:23:10,122 ヘ ヘヘ… 与力とか 町方とか 言って 威張ってやがるけど➡ 229 00:23:10,122 --> 00:23:14,626 ああいう侍が 蔵前の店に 金を借りにきて 番頭に➡ 230 00:23:14,626 --> 00:23:17,629 おべっか使ってんだからな…。 231 00:23:17,629 --> 00:23:20,132 とんだ茶番だったわね。 232 00:23:20,132 --> 00:23:27,072 お陰で お倫さんの居所が知れた。 本郷同朋町だったのか。 233 00:23:27,072 --> 00:23:33,078 これから 時々 訪ねていくよ。 いいだろう? な いいだろう? 234 00:23:33,078 --> 00:23:38,083 一つだけ あなたに 聞きたい事が あるの。 …ん? 235 00:23:38,083 --> 00:23:41,086 武蔵屋の御新造さんの 事で…。 236 00:23:41,086 --> 00:23:46,091 武蔵屋の御新造? 誰なんだ それは? 237 00:23:46,091 --> 00:23:51,096 去年 武蔵屋の一家は 火事で…。 御新造さんも その時➡ 238 00:23:51,096 --> 00:23:54,096 焼け死んだけど 覚えてないの? 239 00:23:58,103 --> 00:24:04,109 おそのだろ? あの女が 焼け死んでくれて➡ 240 00:24:04,109 --> 00:24:09,114 俺は どんなに ほっとしたか しれやしないぜ。 ほっとした? 241 00:24:09,114 --> 00:24:14,119 いい加減 手を焼いてたんだ。 あんな年増と 本気で➡ 242 00:24:14,119 --> 00:24:18,123 つきあうつもりなんか なかったんだから。 243 00:24:18,123 --> 00:24:21,126 遊びのつもりだったの? 244 00:24:21,126 --> 00:24:25,063 気前よく 小遣いをくれるから つきあってたけど➡ 245 00:24:25,063 --> 00:24:29,067 ちょっと冷たくすると すぐ 金返せって 嫌がらせしやがる。 246 00:24:29,067 --> 00:24:33,071 …で 親父が怒りやがって あの女のせいで 勘当されて➡ 247 00:24:33,071 --> 00:24:37,571 こっちは いい迷惑だ。 そう…。 248 00:24:40,078 --> 00:24:45,083 年増は こりごりだよ。 やっぱり 張りのある➡ 249 00:24:45,083 --> 00:24:50,083 若い娘に限るってな…。 な… お倫さん。 250 00:24:56,094 --> 00:24:59,094 今夜は 帰さないよ。 いいな…。 251 00:25:01,099 --> 00:25:03,099 ((人殺しが 2度あった)) 252 00:25:07,105 --> 00:25:10,108 場所を変えましょう。 え? 253 00:25:10,108 --> 00:25:13,108 ここは 嫌なの。 縁起が悪いわ。 254 00:25:15,113 --> 00:25:20,113 そうだな 与力なんかが 取り調べに来やがって。 255 00:25:35,067 --> 00:25:41,073 どこか 当てが あるのかい? どこに向かってるのさ? 256 00:25:41,073 --> 00:25:45,077 え? 「え?」って… どうした? 257 00:25:45,077 --> 00:25:48,077 何でも ないわ…。 行きましょう。 258 00:26:03,095 --> 00:26:07,099 また 今度にしましょう。 え? どうして? 259 00:26:07,099 --> 00:26:10,099 またね。 そうしましょう。 260 00:26:13,105 --> 00:26:17,105 おいおい… 何だよ… 261 00:26:19,111 --> 00:27:15,100 ♬~ 262 00:27:15,100 --> 00:27:18,100 お父っつぁん…。 263 00:27:21,106 --> 00:27:24,106 私は 少しも悪い事は してないわ…。 264 00:27:27,045 --> 00:27:31,049 みんな お父っつぁんを ♬~ 苦しめた人達だもの…。 265 00:27:31,049 --> 00:27:46,064 ♬~ 266 00:27:46,064 --> 00:27:49,064 ♬~ 何も恐れる事なんか ないわ。 267 00:29:17,088 --> 00:29:22,027 おとなしくて 綺麗で お人柄のいい娘さんだって➡ 268 00:29:22,027 --> 00:29:25,530 近所の人達は 誰もが そう言うんだ。 269 00:29:25,530 --> 00:29:30,535 そんな評判のいい娘さんが 人を殺したりする訳がない。 270 00:29:30,535 --> 00:29:32,537 …という事ですか? 271 00:29:32,537 --> 00:29:38,043 俺はな 与力として これまでに 数えきれないくらい➡ 272 00:29:38,043 --> 00:29:43,048 罪人に接してきた。 罪を犯してる人間かどうかは➡ 273 00:29:43,048 --> 00:29:49,054 ひと目で分かる。 これまでに 一度だって 見誤る事は なかった。 274 00:29:49,054 --> 00:29:52,057 えらく自信が あるじゃないですか。 275 00:29:52,057 --> 00:29:57,062 大の男を 2人も殺してるんだ。 あの娘が 本当に➡ 276 00:29:57,062 --> 00:30:01,066 そんな大それた事を しでかしていたのなら➡ 277 00:30:01,066 --> 00:30:06,071 いくら 大店の娘のように 見せかけていても どこかに➡ 278 00:30:06,071 --> 00:30:11,076 そういう生臭い 暗いものが 見え隠れしているはずだ。 279 00:30:11,076 --> 00:30:14,579 だけど 人間ってものは 裏の裏では 何をしているか➡ 280 00:30:14,579 --> 00:30:19,084 分かりませんよ。 いや そんな事はない。 281 00:30:19,084 --> 00:30:23,020 いくら隠していても 中身に いびつなものを抱えていれば➡ 282 00:30:23,020 --> 00:30:28,025 必ず 表に現れる。 それを見抜くのが 俺達の仕事だ。 283 00:30:28,025 --> 00:30:33,030 しかし 一人の人間の中に まるきり異なる 二つの魂が➡ 284 00:30:33,030 --> 00:30:35,533 入っている事だって…。 285 00:30:35,533 --> 00:30:41,038 よせよ。 そんな事は 絵空ごとだ。 現実には ありゃせんよ。 286 00:30:41,038 --> 00:30:46,043 兄上… 私は 人間というものは もっと複雑で 奇っ怪なものと➡ 287 00:30:46,043 --> 00:30:48,045 思うんですが。 288 00:30:48,045 --> 00:30:50,548 お前は 与力に ならなくて よかったな。 289 00:30:50,548 --> 00:30:55,548 お前みたいな者が 捕り物の中に いちゃ 大混乱だ。 290 00:30:58,055 --> 00:31:03,060 あの娘は シロだ。 人を殺せるはずがない。 291 00:31:03,060 --> 00:31:06,060 下手人は 他に いるはずだ。 292 00:31:22,079 --> 00:31:24,079 分かりました。 293 00:31:42,099 --> 00:31:45,603 どう…? この着物 私に ぴったりよ。 294 00:31:45,603 --> 00:31:48,606 覚えてるでしょう この着物…。 295 00:31:48,606 --> 00:31:52,109 おしのちゃん お気に入りの 着物よ。 296 00:31:52,109 --> 00:31:56,109 私も こうすれば 少しは おしのちゃんに 似てるかしら? 297 00:31:58,115 --> 00:32:02,119 見てよ 徳次郎さん…。 ね 私を見て 298 00:32:02,119 --> 00:32:04,119 やめて下さい。 299 00:32:07,124 --> 00:32:13,130 どうしてなの? おしのちゃんを 思ってる徳次郎さんの気持ちの➡ 300 00:32:13,130 --> 00:32:18,135 半分でも いいの。 私にも 分けてちょうだい。 301 00:32:18,135 --> 00:32:20,137 やめて下さい…。 302 00:32:20,137 --> 00:32:26,077 どうして 死んだ人を そんなに 恋しく思わなきゃいけないの? 303 00:32:26,077 --> 00:32:31,582 私を おしのちゃんだと思って…。 ね… 徳次郎さん お願い 304 00:32:31,582 --> 00:32:33,582 やめてくれ 305 00:32:53,104 --> 00:32:55,104 ごめんください。 306 00:32:58,109 --> 00:33:01,109 私です。 徳次郎です…。 307 00:33:03,114 --> 00:33:06,114 開けて下さい 徳次郎です 308 00:33:27,071 --> 00:33:30,574 嘘…!? 実家は紙問屋じゃ ないのか? 309 00:33:30,574 --> 00:33:35,079 日本橋槙町に 伊勢屋という 紙問屋は 確かに ありましたが➡ 310 00:33:35,079 --> 00:33:39,583 そこに お倫という娘は おりません。 311 00:33:39,583 --> 00:33:45,089 父親は 勘兵衛 弟は 政吉 母親は 亡くなり 今は 後添いが…。 312 00:33:45,089 --> 00:33:49,593 これは そのとおりですが 肝心の伊勢屋の娘は➡ 313 00:33:49,593 --> 00:33:55,099 おせきといって 今は近くの 呉服問屋に 嫁いでいます。 314 00:33:55,099 --> 00:33:57,101 おせきか…。 315 00:33:57,101 --> 00:34:03,107 背丈は どちらかといえば 小柄だ。 輪郭の すっきりした顔立ちで➡ 316 00:34:03,107 --> 00:34:08,612 目は大きく 清々しい雰囲気だ。 実家を出て 本郷同朋町で➡ 317 00:34:08,612 --> 00:34:10,614 茶の師匠をしておる。 318 00:34:10,614 --> 00:34:13,617 (おせき) さあ… そんな人は…。 319 00:34:13,617 --> 00:34:17,121 どうだろうか? 伊勢屋の家族の事を➡ 320 00:34:17,121 --> 00:34:23,121 よく知ってるんだ。 近所の娘とか 仲のいい友達とか…? 321 00:34:25,062 --> 00:34:30,067 私が 一番 仲のよかった友達は 亡くなりましたけど。 322 00:34:30,067 --> 00:34:32,069 死んだ? 323 00:34:32,069 --> 00:34:36,073 武蔵屋の おしのちゃんです。 去年の お正月に➡ 324 00:34:36,073 --> 00:34:42,079 亀戸の別宅から 火が出て 親子 3人 焼け死にました。 325 00:34:42,079 --> 00:34:46,083 そうだったか…。 確か そういう事が あったな。 326 00:34:46,083 --> 00:34:49,587 おしのちゃんは 旦那が おっしゃるように➡ 327 00:34:49,587 --> 00:34:53,090 目が大きくて 清々しい雰囲気でしたけど…。 328 00:34:53,090 --> 00:34:56,093 しかし 死んだ娘がな…。 329 00:34:56,093 --> 00:35:00,097 (七造)旦那 やられました あの お倫って娘…➡ 330 00:35:00,097 --> 00:35:04,097 同朋町を引き払って どっかへ 消えちまいました 331 00:35:09,106 --> 00:35:14,106 (女達の笑い声) 332 00:35:19,116 --> 00:35:24,054 (清一)邪魔だ 邪魔だ 邪魔だ おい 小菊 333 00:35:24,054 --> 00:35:27,558 どこへ行きやがったんだ? 小菊… 334 00:35:27,558 --> 00:35:31,061 くそっ あっちの座敷へ 逃げやがったな…。 335 00:35:31,061 --> 00:35:33,063 引き戻してやる 336 00:35:33,063 --> 00:35:37,067 (染市)若旦那 あちらの客と 争いになっちゃ 大変ですよ。 337 00:35:37,067 --> 00:35:40,070 強そうな お侍だから。 338 00:35:40,070 --> 00:35:44,070 何が 侍だ。 馬鹿にしやがって ま ま… 飲み直し…。 339 00:35:51,081 --> 00:35:55,085 勘当されてるからって 金ぐらい 持ってるんだよ 340 00:35:55,085 --> 00:35:59,590 (粂八)でもね ここの座敷の 勘定も たまってるし➡ 341 00:35:59,590 --> 00:36:04,595 店も いい顔 しないんですよ。 よし… まとめて払ってやる 342 00:36:04,595 --> 00:36:09,600 それに 小若ちゃんが身籠った のを 若旦那が 知らぬ顔を➡ 343 00:36:09,600 --> 00:36:13,103 してるから 評判は 下がりっぱなし。 344 00:36:13,103 --> 00:36:15,606 俺の子だか 分からないって 言ったんですって? 345 00:36:15,606 --> 00:36:19,109 うるせえな お前 何が言いたい? 346 00:36:19,109 --> 00:36:25,049 男のする事じゃないですよ。 可哀想に… 小若ちゃん。 347 00:36:25,049 --> 00:36:30,054 若旦那 一筋に 尽くしてきたのに そんな仕打ちをしたら➡ 348 00:36:30,054 --> 00:36:34,558 死んじまいますよ。 おい このアマ達をほうり出せよ 349 00:36:34,558 --> 00:36:39,563 言われなくても 消えますよ。 ふん… あんたみたいな➡ 350 00:36:39,563 --> 00:36:43,063 クズの相手は こっちから 願い下げだよ 351 00:36:46,070 --> 00:36:49,070 ふん 馬鹿者めが…。 352 00:36:51,075 --> 00:36:56,080 俺が 今 どんなに 運が 向いてきてるか 知らないから➡ 353 00:36:56,080 --> 00:36:59,583 皆が 手を返したような真似を しやがる。 354 00:36:59,583 --> 00:37:03,587 俺はな 金蔓を 捕まえてるんだよ 金蔓を 355 00:37:03,587 --> 00:37:06,590 へえ どんな 金蔓なんですか? 356 00:37:06,590 --> 00:37:10,594 ある大店の娘でな これが 俺に惚れやがって➡ 357 00:37:10,594 --> 00:37:13,597 2千両の持参金つきだぞ。 358 00:37:13,597 --> 00:37:18,102 若旦那… 仮にも 香屋の若旦那が そんな はした金に 目の色を➡ 359 00:37:18,102 --> 00:37:24,541 変えちゃ いけません。 金なんかじゃねえ。 心意気だ 360 00:37:24,541 --> 00:37:30,041 それを持ってこようという 心意気が 嬉しいじゃないか 361 00:37:32,049 --> 00:37:35,052 若旦那 今 お使いの人が これを…。 362 00:37:35,052 --> 00:37:41,052 おお 来たな…。 お召し状が来た 来た 363 00:37:46,063 --> 00:37:51,068 こんな店に もう 用は ねえや。 (染市)どちらへ お出ましで? 364 00:37:51,068 --> 00:37:53,068 内緒 内緒…。 365 00:37:55,072 --> 00:38:28,038 ♬~ 366 00:38:28,038 --> 00:38:35,045 ≪お父っつぁん… 私を 見守っていてちょうだい…。➡ 367 00:38:35,045 --> 00:38:39,045 いよいよ 今日は 3人目…≫ 368 00:38:41,051 --> 00:38:47,057 ≪お父っつぁんの恨みを また一つ 消してあげます…≫ 369 00:38:47,057 --> 00:39:12,057 ♬~ 370 00:39:20,090 --> 00:39:22,090 いらっしゃいませ。 371 00:39:24,027 --> 00:39:27,030 (作馬)帰ったって いつだ? 372 00:39:27,030 --> 00:39:31,034 ついさっきです。 使いの者が 文を持ってきまして。 373 00:39:31,034 --> 00:39:36,039 文だと? それは 女からの 呼び出しじゃなかったか? 374 00:39:36,039 --> 00:39:41,039 そのようですよ。 読むなり いそいそと 出ていきました。 375 00:39:46,049 --> 00:39:48,051 遅かったか 376 00:39:48,051 --> 00:39:52,055 文は 清一が 持って出て 行き先も 分かりません。 377 00:39:52,055 --> 00:39:56,055 兄上… 完全に 読みが狂いましたね。 378 00:40:10,073 --> 00:40:37,073 ♬~ 379 00:40:44,041 --> 00:40:46,043 (作馬) 青木様は まだか 380 00:40:46,043 --> 00:40:49,043 (十兵衛)米沢様… おう。 381 00:41:00,057 --> 00:41:04,057 青木様… こんなものが ありました。 382 00:41:07,064 --> 00:41:10,064 死体の上に 置かれていました。 383 00:41:20,077 --> 00:41:27,084 ≪先夜 お目にかかった 倫でございます。 その節は➡ 384 00:41:27,084 --> 00:41:32,589 あなたを お騙し申し 今度は また お手数をかけます。➡ 385 00:41:32,589 --> 00:41:38,095 さぞ 憎い女と おぼしめす事で しょうが これには 深い➡ 386 00:41:38,095 --> 00:41:44,101 子細がございますし また 私に 運がございましたら➡ 387 00:41:44,101 --> 00:41:50,107 あと 2度だけ お手数を かける事に なると思います…≫ 388 00:41:50,107 --> 00:42:12,107 ♬~ 389 00:42:18,135 --> 00:42:23,073 私の中には おっ母さんの血が流れてるの。 390 00:42:23,073 --> 00:42:25,075 (国宣)ハハハ…。 391 00:42:25,075 --> 00:42:29,079 今夜は二人きりよ。 392 00:42:29,079 --> 00:42:31,081 (徳次郎)おしのさんに 探索の手が迫っているのです。 393 00:42:31,081 --> 00:42:37,087 引き返せない 徳さん もう引き返せないのよ! 394 00:42:37,087 --> 00:42:43,093 (国宣)お前の体の中に 何かが入り込んだみてえだ 蛇か? 395 00:42:43,093 --> 00:42:46,096 (作馬) じゃあ 武蔵屋の おしのは? 396 00:42:46,096 --> 00:42:49,099 生きて 殺しを続けてるんだ。 397 00:42:49,099 --> 00:42:55,099 ≪お父っつぁん…。 あと 2人… あと 2人です≫ 398 00:42:57,107 --> 00:44:19,107 ♬~