1 00:00:25,492 --> 00:00:28,128 (沢嶋雄一) 怪我なし ウイルス反応なし。 2 00:00:28,128 --> 00:00:30,964 いつものように 軽度の頭痛を覚えますが➡ 3 00:00:30,964 --> 00:00:32,900 タイムワープによる➡ 4 00:00:32,900 --> 00:00:35,469 セロトニン過剰分泌によるものだと 思われます。 5 00:00:35,469 --> 00:00:38,505 西暦変換しますと➡ 6 00:00:38,505 --> 00:00:44,645 1693年6月28日 午前6時18分。 7 00:00:44,645 --> 00:00:47,314 無事 タイムワープ 成功しました。 8 00:00:47,314 --> 00:00:52,653 コード 200458 これから 記録を開始します。 9 00:00:52,653 --> 00:00:58,325 沢嶋雄一。 彼は タイムスクープ社より 派遣された ジャーナリストである。 10 00:00:58,325 --> 00:01:00,928 あらゆる時代に タイムワープしながら➡ 11 00:01:00,928 --> 00:01:05,933 時空を超えて 人々を記録していく タイムスクープハンターである。 12 00:01:08,602 --> 00:01:11,171 <コードナンバー 200458。➡ 13 00:01:11,171 --> 00:01:16,944 元禄6年5月28日 現在の6月下旬 石川県。➡ 14 00:01:16,944 --> 00:01:20,614 今回の取材対象者と 接触する事に成功。➡ 15 00:01:20,614 --> 00:01:24,318 「飛脚」と呼ばれる人たちである> 16 00:01:25,953 --> 00:01:29,823 当時の人々にとって 私は 時空を超えた存在になります。 17 00:01:29,823 --> 00:01:32,826 彼らにとって 私は 宇宙人のような存在です。 18 00:01:32,826 --> 00:01:36,463 彼らに接触する際には 細心の注意が必要です。 19 00:01:36,463 --> 00:01:39,366 必要以上に この時代の人物に 踏み込んではいけません。 20 00:01:39,366 --> 00:01:42,135 なぜなら 私自身の介在が➡ 21 00:01:42,135 --> 00:01:45,472 この歴史を変える事も ありえるからです。 22 00:01:45,472 --> 00:01:47,808 彼らに カメラを 向けられるようになるまでは➡ 23 00:01:47,808 --> 00:01:51,645 特殊な交渉術が必要となります。 その交渉方法に関しては➡ 24 00:01:51,645 --> 00:01:53,680 極秘事項のため お見する事はせできません。 25 00:01:53,680 --> 00:01:57,884 ですが 今回も無事 仲間として 受け入れられたようです。 26 00:02:02,923 --> 00:02:05,826 <加賀の飛脚たち。➡ 27 00:02:05,826 --> 00:02:09,596 彼らの主な仕事は 加賀と江戸との間を➡ 28 00:02:09,596 --> 00:02:12,933 手紙や荷物などを 走って運搬する事だ。➡ 29 00:02:12,933 --> 00:02:17,604 そんな彼らに 年に一度 夏に やらなければならない➡ 30 00:02:17,604 --> 00:02:22,309 特別な仕事があった。 その仕事とは…> 31 00:02:34,955 --> 00:02:36,890 <彼らの仕事は➡ 32 00:02:36,890 --> 00:02:42,295 冬の間 氷室に蓄えた雪氷を 切り出すところから始まる。➡ 33 00:02:42,295 --> 00:02:47,167 氷を すぐに むしろで覆い 更に 白い布を巻く。➡ 34 00:02:47,167 --> 00:02:50,971 その後 板を二重にした 桐の長持ちに納め➡ 35 00:02:50,971 --> 00:02:53,473 隙間に 熊笹を詰めていく。➡ 36 00:02:53,473 --> 00:02:57,310 氷が解けるのを 最小限に防ぐための知恵である。➡ 37 00:02:57,310 --> 00:03:01,915 季節は夏。 解けゆく氷 時間との闘い。➡ 38 00:03:01,915 --> 00:03:07,254 休む間もなく 彼らは 長持ちを担ぐ。➡ 39 00:03:07,254 --> 00:03:10,157 氷の重さは およそ60kg。➡ 40 00:03:10,157 --> 00:03:12,592 長持ちの重さ 40kg。➡ 41 00:03:12,592 --> 00:03:15,262 総重量は 100kgにも及ぶ。➡ 42 00:03:15,262 --> 00:03:19,132 金沢から江戸までの道のりは およそ500km。➡ 43 00:03:19,132 --> 00:03:22,602 彼らは 昼夜を徹して 江戸を目指す。➡ 44 00:03:22,602 --> 00:03:26,940 献上氷に懸ける 江戸時代の飛脚たちの4日間に➡ 45 00:03:26,940 --> 00:03:28,942 密着ドキュメントしていく> 46 00:03:37,651 --> 00:03:40,954 「デジタルアーカイブシステム 起動します」。 47 00:03:40,954 --> 00:03:42,989 <加賀藩の 献上氷運搬は➡ 48 00:03:42,989 --> 00:03:47,627 寛永年間から始まり 幕末まで続けられた。➡ 49 00:03:47,627 --> 00:03:53,300 夏に 貴重な氷を江戸に献上する。 それは 当時の加賀藩にとって➡ 50 00:03:53,300 --> 00:03:59,106 徳川将軍家への忠誠心を 示すための重要な儀式でもあった> 51 00:04:05,579 --> 00:04:11,451 <氷献上は この日に合わせて 運ばなければならない> 52 00:04:11,451 --> 00:04:17,090 (飛脚たち)エイホ エイホ エイホ エイホ…。 53 00:04:17,090 --> 00:04:22,596 ハァ…。 (せきこみ) 54 00:04:22,596 --> 00:04:26,566 ああ… きついですね…。 55 00:04:26,566 --> 00:04:29,769 最初の休憩スポットになります。 56 00:04:29,769 --> 00:04:37,277 え~ 今まで ここ 約2時間 走り続けてきました。 57 00:04:37,277 --> 00:04:40,514 え~ 僕は 同行取材に備えて➡ 58 00:04:40,514 --> 00:04:43,416 フィジカルバージョンアップシステムを 装着してるんですが➡ 59 00:04:43,416 --> 00:04:48,255 通常の約½に 体力消費を 抑える事ができますが➡ 60 00:04:48,255 --> 00:04:54,060 それでも 彼らについていくのは かなり きついです。 61 00:04:54,060 --> 00:04:56,630 ものすごい速さですね。 62 00:04:56,630 --> 00:04:59,332 (四郎)ただの荷物じゃねえんだよ。 63 00:05:29,930 --> 00:05:32,265 ばか野郎! お前…。すいません。 64 00:05:32,265 --> 00:05:34,201 しっかり 腰 力入れろぉ! 65 00:05:34,201 --> 00:05:37,938 <一太は 献上氷運搬が初めての新人だ。➡ 66 00:05:37,938 --> 00:05:42,609 今回 通し飛脚で慣らした 健脚を買われて 抜てきされた> 67 00:05:42,609 --> 00:05:47,948 (飛脚たち)エイホ エイホ エイホ エイホ…。 68 00:05:47,948 --> 00:05:50,851 かなり きついです。 69 00:05:50,851 --> 00:05:54,621 急な坂を下ってます。 70 00:05:54,621 --> 00:05:58,959 <加賀から江戸まで 普通の旅では 10日かかるところを➡ 71 00:05:58,959 --> 00:06:02,829 献上氷は 4~5日で 運んでいたとされている。➡ 72 00:06:02,829 --> 00:06:06,233 通常の街道ではなく 加賀藩だけが知る➡ 73 00:06:06,233 --> 00:06:09,069 極秘の抜け道ルートを 利用していたようだ。➡ 74 00:06:09,069 --> 00:06:13,073 今回取材した飛脚たちは その道を使う> 75 00:06:18,778 --> 00:06:22,482 まだ 走るんですか? 76 00:06:29,456 --> 00:06:33,927 せ~の よいしゃあ! 77 00:06:33,927 --> 00:06:42,636 (飛脚たち)エイホ エイホ エイホ エイホ…。 78 00:06:44,271 --> 00:06:49,943 今 彼らは いったん休憩をとって ここで仮眠をとり➡ 79 00:06:49,943 --> 00:06:54,648 そして また すぐに出発するようです。 80 00:07:43,163 --> 00:07:46,466 <彼らは 大名飛脚である> 81 00:08:00,880 --> 00:08:10,890 (飛脚たち) エイホ エイホ エイホ エイホ エイホ…。 82 00:08:10,890 --> 00:08:16,062 <河原を走るのは 献上氷運搬の 重要な戦略の一つである。➡ 83 00:08:16,062 --> 00:08:18,098 箱に 水をかける事によって➡ 84 00:08:18,098 --> 00:08:21,568 中の温度が上昇するのを 防ぐ効果があるのだ。➡ 85 00:08:21,568 --> 00:08:24,904 川のそばであれば 水が すぐに確保でき➡ 86 00:08:24,904 --> 00:08:28,908 また 飲み水も補給できる> 87 00:08:30,777 --> 00:08:33,913 <彼らの食事は 日に2食。➡ 88 00:08:33,913 --> 00:08:36,249 内容は 実に質素だ。➡ 89 00:08:36,249 --> 00:08:39,552 干飯という携帯食を持っていた> 90 00:08:43,123 --> 00:08:46,126 せ~の! おう! 91 00:08:48,261 --> 00:08:52,132 (飛脚たち)エイホ エイホ…。 92 00:08:52,132 --> 00:08:56,136 <前組 前半ルート> 93 00:08:58,605 --> 00:09:07,414 え~… 現在 最大の… 難所です。 94 00:09:07,414 --> 00:09:11,418 すごく険しい道のりです。 95 00:09:17,090 --> 00:09:19,559 行くぞ! へい。 96 00:09:19,559 --> 00:09:22,462 行くぞ。 せ~の…。 97 00:09:22,462 --> 00:09:30,203 <江戸時代の男性 平均体重は およそ52kg。 平均身長156cm。➡ 98 00:09:30,203 --> 00:09:34,574 私の体格と比べて かなり小柄な体にもかかわらず➡ 99 00:09:34,574 --> 00:09:37,577 急な坂を上っていく> 100 00:09:47,921 --> 00:09:50,824 (四郎)ここで休んでる暇ねえぞ。➡ 101 00:09:50,824 --> 00:09:56,596 この先 下ったらな じき旅籠だ。 そこで 後組 待ってる。 102 00:09:56,596 --> 00:10:00,300 そこで じっくり休めるぞ。 103 00:10:04,771 --> 00:10:11,277 (飛脚たち)エイホ エイホ エイホ エイホ エイホ エイホ エイホ エイホ…。 104 00:10:11,277 --> 00:10:17,951 (飛脚たち)エイホ エイホ エイホ エイホ エイホ エイホ エイホ エイホ…。 105 00:10:17,951 --> 00:10:20,620 <宿場内の問屋場。➡ 106 00:10:20,620 --> 00:10:23,523 問屋場では 飛脚業務も行っていて➡ 107 00:10:23,523 --> 00:10:26,793 引き継ぎの飛脚たちが 常時 詰めていた。➡ 108 00:10:26,793 --> 00:10:30,296 ここで 後組に 献上氷を託して➡ 109 00:10:30,296 --> 00:10:32,232 前組の仕事が終わる。➡ 110 00:10:32,232 --> 00:10:37,070 彼らに ようやく 安堵の表情が浮かんだ> 111 00:10:37,070 --> 00:10:40,640 これで おれたちの仕事は終わりだ。 ああ。 112 00:10:40,640 --> 00:10:44,978 よくやったな 一太! ハッハッハ…。 113 00:10:44,978 --> 00:10:49,149 今 前組の宿に 到着したみたいです。 114 00:10:49,149 --> 00:10:53,653 ここで 後組の方たちと 引き継ぎを行うみたいです。 115 00:10:53,653 --> 00:10:55,588 中へ入ってみましょう。 116 00:10:55,588 --> 00:10:58,324 こっちは 献上氷 運んでんだよ。 117 00:10:58,324 --> 00:11:02,028 酒 酒! あ~ くたびれた~! 118 00:11:03,596 --> 00:11:08,301 <だが 事態は思わぬ展開を見せる> 119 00:11:22,615 --> 00:11:28,488 何 やってんだよ! ちゃんと面倒見ろよ。 120 00:11:28,488 --> 00:11:30,490 何か あったんですか? 121 00:11:30,490 --> 00:11:33,626 後組の一人がよ 走れねえように なったっていうんだよ! 122 00:11:33,626 --> 00:11:36,296 <後組の一人 留八が➡ 123 00:11:36,296 --> 00:11:39,632 走りの稽古中に 足を くじいてしまったのだ。➡ 124 00:11:39,632 --> 00:11:41,568 更に もう一人…> 125 00:11:41,568 --> 00:11:46,306 実はな…ああ。 一人じゃねえんだ。 126 00:11:46,306 --> 00:11:50,176 上州が 博打で 大損こきやがってよ…。 127 00:11:50,176 --> 00:11:54,180 何だよ⁉ やけ酒だよ。 128 00:11:54,180 --> 00:11:57,317 酔っ払ってるのかよ⁉ 129 00:11:57,317 --> 00:12:01,087 <遊び人の上州が 博打に負け やけを起こし➡ 130 00:12:01,087 --> 00:12:04,591 出発前に 酒を飲んでしまったらしい> 131 00:12:04,591 --> 00:12:08,928 おめえよ 下っ端の世話するのも おめえの仕事だろうがよ! 132 00:12:08,928 --> 00:12:10,964 しっかりしろよ! 133 00:12:10,964 --> 00:12:14,100 起きろ! (上州)うるせえな~。 134 00:12:14,100 --> 00:12:20,106 <上州は 他のみんなと違い 町飛脚からの応援組だ> 135 00:12:24,110 --> 00:12:26,946 <各藩も 経費削減のため➡ 136 00:12:26,946 --> 00:12:30,783 次第に 町飛脚に委託する事が 多くなっていった。➡ 137 00:12:30,783 --> 00:12:34,287 後組に 欠員が2人も出る事態。➡ 138 00:12:34,287 --> 00:12:38,791 ここで 新たに人員を 確保する事は不可能である。➡ 139 00:12:38,791 --> 00:12:41,628 前組から 引き続き 走ってくれる者を出すしか➡ 140 00:12:41,628 --> 00:12:43,630 方法はない> 141 00:12:49,502 --> 00:12:51,638 金⁉ 142 00:12:51,638 --> 00:12:53,573 (松吉)ちょっとや そっとじゃ ごめんだべ。 143 00:12:53,573 --> 00:12:56,509 無理が たたって 一生を棒に振りかねねえからよ。 144 00:12:56,509 --> 00:13:02,815 金だけじゃねえだろ おい! おい…。 145 00:13:07,587 --> 00:13:11,891 うるせえよ。何が うるせえんだよ ほんとによ。 146 00:13:13,459 --> 00:13:16,929 <飛脚たちに 重苦しい空気が漂う。➡ 147 00:13:16,929 --> 00:13:20,600 そして 焦りと疲れから 感情が爆発する> 148 00:13:20,600 --> 00:13:23,636 おめえな…。 うるせえよ! 早く決めろよ。➡ 149 00:13:23,636 --> 00:13:26,272 松吉以外に 決めりゃいいじゃねえか! 150 00:13:26,272 --> 00:13:28,608 いいかげんにしろよ おめぇよ!➡ 151 00:13:28,608 --> 00:13:33,479 もとはと言やあよぉ…! しょうがねえだろ! 152 00:13:33,479 --> 00:13:36,482 (一太) やめてくれ! やめてくれ!➡ 153 00:13:36,482 --> 00:13:38,618 おれが行く。 154 00:13:38,618 --> 00:13:41,521 おめえが⁉ 無理だよ! 155 00:13:41,521 --> 00:13:43,956 おめえ 新入りだろ。 今すぐ たつんだぞ。 156 00:13:43,956 --> 00:13:46,859 生きてんのか 江戸までよ。 走れる! 157 00:13:46,859 --> 00:13:52,632 頭 おれに やらせてくれ。 江戸まで行ってみてえ。 158 00:13:52,632 --> 00:13:56,636 試したいんだ。 頼んます! 159 00:13:58,304 --> 00:14:02,175 <飛脚の賃料は 江戸 大阪を 特急便4日で走る場合➡ 160 00:14:02,175 --> 00:14:04,410 金8両2分。➡ 161 00:14:04,410 --> 00:14:07,113 報酬は申し分ない。➡ 162 00:14:07,113 --> 00:14:11,951 だが時には その過酷な重労働から 逃げ出したくなる者もいただろう> 163 00:14:11,951 --> 00:14:18,091 一太さん 大丈夫ですかね? 若え時はな あれがいいんだよ。 164 00:14:18,091 --> 00:14:22,929 「やりてえ」っていうよ 当人の心意気だ。 165 00:14:22,929 --> 00:14:29,802 あいつはよぉ 今回のよ この献上氷に懸けてんだよ。 166 00:14:29,802 --> 00:14:33,573 ず~っと 飛脚 やれるかどうかってな。 167 00:14:33,573 --> 00:14:39,278 そういうよ 若え者の思いをくんで 見守ってやらねえとさ。 フッ…。 168 00:14:39,278 --> 00:14:43,616 <後組の 留八と上州に代わり➡ 169 00:14:43,616 --> 00:14:48,488 頭の四郎 そして 新人の一太が 引き続き 走る事になった。➡ 170 00:14:48,488 --> 00:14:53,292 後組のメンバーは 甚七 能登 四郎 一太の4人。➡ 171 00:14:53,292 --> 00:14:57,964 江戸を目指して 後半ルートの運搬が スタートした> 172 00:14:57,964 --> 00:15:05,271 ♬~ 173 00:15:08,241 --> 00:15:11,144 <だが 新人の一太にとって➡ 174 00:15:11,144 --> 00:15:17,583 後組を 連続で走り続けるのは 過酷な事であった。➡ 175 00:15:17,583 --> 00:15:24,357 文献によると 当時の飛脚の速度は 1日 およそ137km。➡ 176 00:15:24,357 --> 00:15:29,762 時速は およそ9~11kmで 走っていたとされる> 177 00:15:29,762 --> 00:15:34,934 (荒い息遣い) 178 00:15:34,934 --> 00:15:37,603 大丈夫ですか? 179 00:15:37,603 --> 00:15:40,273 <予定より ペースが落ちている。➡ 180 00:15:40,273 --> 00:15:43,609 このままでは 明らかに 到着が遅れてしまう。➡ 181 00:15:43,609 --> 00:15:46,279 彼らは 時間短縮のために➡ 182 00:15:46,279 --> 00:15:50,616 更に裏の抜け道ルートを使う事を 検討し始めていた> 183 00:15:50,616 --> 00:15:55,955 おめえ どうする? はい? 184 00:15:55,955 --> 00:16:02,061 命は大事にしな。 え… えっ? 何ですか? 185 00:16:02,061 --> 00:16:04,964 来んのは やめといた方がいいって いうんだよ。 186 00:16:04,964 --> 00:16:08,835 獣がいるんだよ 獣が。 獣?ああ。 187 00:16:08,835 --> 00:16:12,238 野犬だよ。 野犬…? 188 00:16:12,238 --> 00:16:14,574 熊も出るかもな。 ああ。 189 00:16:14,574 --> 00:16:20,446 おれたちもよ めったな事じゃ 使わねえんだよ あの道は。 190 00:16:20,446 --> 00:16:24,917 来るのは勝手だ。 覚悟はしておけ。 191 00:16:24,917 --> 00:16:37,263 ♬~ 192 00:16:37,263 --> 00:16:41,133 <異臭が漂う 不気味な道に 入っていく飛脚たち。➡ 193 00:16:41,133 --> 00:16:46,939 だが その臭いが 獣のもので ない事に すぐに気付いた> 194 00:16:48,975 --> 00:16:52,478 どうしました? どうしました? 195 00:16:54,614 --> 00:17:07,627 (ハエが飛ぶ音) 196 00:17:09,896 --> 00:17:12,532 獣ですか? 197 00:17:12,532 --> 00:17:16,535 この辺りなら 熊も出るかもしれねえ。 198 00:17:26,579 --> 00:17:29,482 進むぞ! 199 00:17:29,482 --> 00:17:33,452 熊よけだ。 声 はってけ! 行くぞ。はい! 200 00:17:33,452 --> 00:17:38,925 (飛脚たち)エイホ! エイホ! エイホ! エイホ! 201 00:17:38,925 --> 00:17:41,827 <そして このあと 彼らに➡ 202 00:17:41,827 --> 00:17:47,533 献上氷運搬史上 最悪の事件が襲いかかる事になる> 203 00:18:08,888 --> 00:18:14,894 おめえ 無事か⁉ はい 大丈夫です。 204 00:18:23,436 --> 00:18:25,738 大丈夫か? 205 00:18:25,738 --> 00:18:30,910 能登! 能登は どうした? 能登! 206 00:18:30,910 --> 00:18:34,914 か… 頭! 何でえ? 207 00:18:38,584 --> 00:18:44,457 頭!能登がいねえ。 能登! 208 00:18:44,457 --> 00:18:46,459 どこ 行ったんですか? 209 00:18:46,459 --> 00:18:50,596 能登! お~い! 能登~! 210 00:18:50,596 --> 00:18:55,468 能登が いねえ…。 能登。 211 00:18:55,468 --> 00:19:00,873 お~い 能登! お~い! 212 00:19:00,873 --> 00:19:04,543 ⚟(能登)お~い! あ 能登! 213 00:19:04,543 --> 00:19:08,414 お~い! (能登)おい!能登! 214 00:19:08,414 --> 00:19:13,219 大丈夫か? おい 心配したぞ 能登! 215 00:19:13,219 --> 00:19:18,057 (能登)やつらを追いかけてた。 氷は どうしたんだ? 216 00:19:18,057 --> 00:19:23,229 あいつら 三の辻の方に 抜けてったぞ。 あっちの方だ。 217 00:19:23,229 --> 00:19:25,564 三の辻? ああ。 218 00:19:25,564 --> 00:19:27,900 あそこ 確か 百姓家が 一軒あったな。 219 00:19:27,900 --> 00:19:30,936 あれは あばら家だよ。 220 00:19:30,936 --> 00:19:34,073 どうする? 221 00:19:34,073 --> 00:19:38,577 (荒い息遣い) 222 00:19:38,577 --> 00:19:41,580 くそっ…。 223 00:19:45,251 --> 00:19:48,254 くそ~っ! 224 00:19:53,426 --> 00:19:57,930 どうするよ? おれたちが行っても➡ 225 00:19:57,930 --> 00:20:00,833 みすみす やられに行くような もんじゃねえか。 226 00:20:00,833 --> 00:20:04,270 どうすんだよ お氷様! 危ねえだろ 行ったところで。 227 00:20:04,270 --> 00:20:06,305 何が危ねえんだよ! 228 00:20:06,305 --> 00:20:10,109 危ねえから 危ねえって言ってんだよ。 229 00:20:12,611 --> 00:20:15,614 じゃあ どうすんだ⁉ 230 00:20:17,483 --> 00:20:20,486 行くぞ!おう。 おう! 231 00:20:26,625 --> 00:20:31,964 これから… 山賊の家に突入し➡ 232 00:20:31,964 --> 00:20:36,969 献上氷を取り返す との事です。 233 00:20:43,976 --> 00:20:46,979 山賊の声がします。 234 00:20:48,647 --> 00:20:52,151 山賊の声がします。 235 00:20:57,323 --> 00:21:04,930 ⚟(山賊たちの話し声) 236 00:21:04,930 --> 00:21:28,621 ♬~ 237 00:21:28,621 --> 00:21:32,958 何だよ これ 氷じゃねえかよ! ふざけんなよ! 238 00:21:32,958 --> 00:21:38,631 そんなもん 見たくもない。 とっとと割って 捨てちまえ! 239 00:21:38,631 --> 00:21:42,635 (飛脚たち)うりゃ~っ! 240 00:21:55,181 --> 00:21:58,317 無事だ! 241 00:21:58,317 --> 00:22:03,923 大丈夫だ 無事だ。お氷様は? お氷様は無事だ。 242 00:22:03,923 --> 00:22:06,825 (飛脚たちの笑い声) 無事だ! 243 00:22:06,825 --> 00:22:10,596 あんだけ苦労して 盗んだのが 氷じゃ 割に合わねえもんな。 244 00:22:10,596 --> 00:22:14,934 ああ~! よかったよな~。 ああ…。 245 00:22:14,934 --> 00:22:18,771 一時は どうなるかと思ったがな。 246 00:22:18,771 --> 00:22:24,977 よ~し。 よし… 引き返すぞ! 247 00:22:27,947 --> 00:22:31,450 (賊たち)おら~っ! 248 00:22:36,956 --> 00:22:41,827 早く 氷! 氷! 休んでる暇ねえぞ! 249 00:22:41,827 --> 00:22:46,131 やつらが また仕返しに来るかも しれないからな。 250 00:22:47,967 --> 00:22:50,870 <命懸けで取り返した 献上氷。➡ 251 00:22:50,870 --> 00:22:54,306 みんな 仕事に命を懸けていた。➡ 252 00:22:54,306 --> 00:22:58,811 相次ぐ不測の事態に 彼らの疲労は限界に達していた。➡ 253 00:22:58,811 --> 00:23:05,918 だが 遅れた時間を取り戻すため ペースを上げなければならない。➡ 254 00:23:05,918 --> 00:23:08,587 疲れは 集中力を欠く。➡ 255 00:23:08,587 --> 00:23:10,522 そんなやさき またしても事故が起きた> 256 00:23:10,522 --> 00:23:15,828 どうしたんですか? 足 くじきやがった。 257 00:23:20,099 --> 00:23:24,436 ここら辺…。 (うめき声) 258 00:23:24,436 --> 00:23:28,274 駄目だな こりゃ。 お前 宿場まで連れてってやれよ。 259 00:23:28,274 --> 00:23:30,609 おれが? 冗談じゃねえや。何だと? 260 00:23:30,609 --> 00:23:32,645 おれだって 江戸まで行きてえや。 261 00:23:32,645 --> 00:23:34,780 お前 そんな了見で ここまで来てたのかよ? 262 00:23:34,780 --> 00:23:38,117 あんたら2人だけの手柄に 取られちゃ たまんねえもんな。 263 00:23:38,117 --> 00:23:42,621 おい やめろ! うっ…。 264 00:23:42,621 --> 00:23:45,958 氷で冷やしてみるか。 おい それは やめろよ。 265 00:23:45,958 --> 00:23:50,262 よくねえよ。 分かりゃしねえよ。 266 00:23:52,631 --> 00:23:56,468 <江戸屋敷では 氷献上日に限り➡ 267 00:23:56,468 --> 00:24:00,439 氷を庶民に おすそ分けする 習慣があったらしい。➡ 268 00:24:00,439 --> 00:24:03,275 氷は 大変 珍しいものだった。➡ 269 00:24:03,275 --> 00:24:05,277 わずかな氷であっても➡ 270 00:24:05,277 --> 00:24:09,048 目的以外の使用には 慎重にならざるをえない。➡ 271 00:24:09,048 --> 00:24:12,418 だが 飛脚として プライドがある。➡ 272 00:24:12,418 --> 00:24:18,590 一太の気持ちが 頭の四郎には 痛いほど分かっていた> 273 00:24:18,590 --> 00:24:20,592 うあっ! うっ…。 274 00:24:27,099 --> 00:24:33,105 よし。 どうだ? へえ。 275 00:24:35,774 --> 00:24:40,279 よし…。 うっ… うっ。 276 00:24:44,783 --> 00:24:49,955 大丈夫ですか? 一太さん。問題ねえ。 277 00:24:49,955 --> 00:24:53,625 行くか。 行けるか? へい。 278 00:24:53,625 --> 00:24:55,561 よし 行くぞ! 279 00:24:55,561 --> 00:24:58,063 頑張れよ お前。 へい。 280 00:24:59,798 --> 00:25:02,568 おい 行くぞ~! へい。 281 00:25:02,568 --> 00:25:05,070 大丈夫ですか? 282 00:25:05,070 --> 00:25:16,415 (飛脚たち)エイホ エイホ エイホ エイホ エイホ エイホ エイホ エイホ…。 283 00:25:16,415 --> 00:25:34,600 ♬~ 284 00:25:36,602 --> 00:25:40,472 <長い旅も ようやく 終わりに近づこうとしている。➡ 285 00:25:40,472 --> 00:25:44,476 山を下りると きれいに整備された街道に出た> 286 00:25:44,476 --> 00:25:48,313 あの向こうが 江戸だ。 おい。 287 00:25:48,313 --> 00:25:53,318 <その時 彼らが 奇妙な行動をとった> 288 00:26:00,559 --> 00:26:02,561 大丈夫か? 289 00:26:09,568 --> 00:26:12,471 <運び始めた時の氷は 60kg。➡ 290 00:26:12,471 --> 00:26:17,443 それが 今では 600gほどになっていた> 291 00:26:17,443 --> 00:26:19,578 何してるんですか? 292 00:26:19,578 --> 00:26:22,247 あんまり きれいなまんまだと➡ 293 00:26:22,247 --> 00:26:25,551 いっつも きれいな氷を 献上しなくちゃならねえからな。 294 00:26:27,586 --> 00:26:31,924 <彼らは 関所近くになると こうして 氷を汚していく。➡ 295 00:26:31,924 --> 00:26:34,426 毎回 きれいな氷を 献上してしまうと➡ 296 00:26:34,426 --> 00:26:37,763 そうでなかった時に 失態と見なされるからだ。➡ 297 00:26:37,763 --> 00:26:41,633 それは 彼らなりの リスク回避術だったのだ。➡ 298 00:26:41,633 --> 00:26:47,105 関所を越え 江戸の飛脚たちと 交代し 彼らの仕事は終わる。➡ 299 00:26:47,105 --> 00:26:50,008 この先も撮影したいという 衝動に駆られるが➡ 300 00:26:50,008 --> 00:26:52,611 ここで別れる事にした。➡ 301 00:26:52,611 --> 00:26:57,282 タイムスクープハンターは 必要以上の人間と 接触してはならないからだ> 302 00:26:57,282 --> 00:26:59,218 行くぞ! (飛脚たち)へい! 303 00:26:59,218 --> 00:27:02,120 じゃあ皆さん 僕は この辺で。 304 00:27:02,120 --> 00:27:04,556 ここで帰るか? はい。 305 00:27:04,556 --> 00:27:08,727 達者でな! いろいろ お世話になりました。 306 00:27:08,727 --> 00:27:12,564 よく頑張ったよ。 ありがとうございます。 307 00:27:12,564 --> 00:27:17,069 じゃあな。 よ~し 行くぞ! せ~の…。 308 00:27:17,069 --> 00:27:21,240 気を付けて。 またな。 309 00:27:21,240 --> 00:27:24,576 <どんな困難が立ちふさがっても➡ 310 00:27:24,576 --> 00:27:28,080 仕事をやり通そうとする 飛脚たち。➡ 311 00:27:28,080 --> 00:27:33,418 彼らは 誇りを持って 仕事を全うした。➡ 312 00:27:33,418 --> 00:27:39,591 だが 彼らが 歴史の教科書に載る事はない> 313 00:27:39,591 --> 00:27:59,912 ♬~ 314 00:27:59,912 --> 00:28:04,917 以上 コードナンバー 200458 アウトします。 315 00:28:06,552 --> 00:28:26,238 ♬~