1 00:00:02,202 --> 00:00:05,205 ♬~ 2 00:00:22,289 --> 00:00:31,298 (沢嶋雄一)アブソリュートポジション N62W182E113S592 ポジション確認。 3 00:00:31,298 --> 00:00:38,472 アブソリュートタイム B9180129年 40時12分31秒。 4 00:00:38,472 --> 00:00:41,141 怪我なし ウイルス反応なし。 5 00:00:41,141 --> 00:00:46,013 西暦変換しますと 1572年10月2日 2時23分。 6 00:00:46,013 --> 00:00:48,482 無事 タイムワープ 成功しました。 7 00:00:48,482 --> 00:00:53,353 コードナンバー 200094。 これから 記録を開始します。 8 00:00:53,353 --> 00:00:59,660 <沢嶋雄一。 彼は タイムスクープ社より 派遣された ジャーナリストである。➡ 9 00:00:59,660 --> 00:01:01,595 あらゆる時代に タイムワープしながら➡ 10 00:01:01,595 --> 00:01:06,900 時空を超えて 人々を記録していく タイムスクープハンターである> 11 00:01:18,612 --> 00:01:23,617 <コードナンバー 200094> 12 00:01:25,485 --> 00:01:30,123 <今回の取材対象は 医僧。➡ 13 00:01:30,123 --> 00:01:33,460 戦国時代 合戦の際 従軍し➡ 14 00:01:33,460 --> 00:01:37,331 武将たちの治療に当たった 医僧がいた。➡ 15 00:01:37,331 --> 00:01:43,470 現在の軍医であり 救急救命士の役割も果たした> 16 00:01:43,470 --> 00:01:55,182 ♬~ 17 00:01:55,182 --> 00:02:00,187 <医僧の名前は 徳念と慶明> 18 00:02:05,258 --> 00:02:10,130 当時の人々にとって 私は 時空を超えた存在です。 19 00:02:10,130 --> 00:02:14,267 彼らにとって 私は 宇宙人のような存在です。 20 00:02:14,267 --> 00:02:17,170 彼らに接触する際には 細心の注意が必要です。 21 00:02:17,170 --> 00:02:19,606 私自身の介在によって➡ 22 00:02:19,606 --> 00:02:22,275 この歴史が変わる事も ありえるからです。 23 00:02:22,275 --> 00:02:24,945 彼らに 取材を許してもらうためには➡ 24 00:02:24,945 --> 00:02:26,880 特殊な交渉術を用います。 25 00:02:26,880 --> 00:02:31,284 それについては 極秘事項のため お見せする事は できませんが➡ 26 00:02:31,284 --> 00:02:35,989 今回も 無事 密着取材する事に 成功しました。 27 00:02:48,835 --> 00:02:56,977 今 従軍医僧のお二人が前線近くに 向かっているところです。 28 00:02:56,977 --> 00:03:02,249 それにしても すさまじい状況ですね。 29 00:03:02,249 --> 00:03:06,586 <路傍に転がる敗残兵の死体。 前線に近づくにつれて➡ 30 00:03:06,586 --> 00:03:08,922 戦禍の色は 明らかに 濃くなっていく。➡ 31 00:03:08,922 --> 00:03:13,794 医僧である2人が向かう先には 近習 萩尾十朗が待っている。➡ 32 00:03:13,794 --> 00:03:17,931 敗走のさなか 敵の矢に撃たれ 重傷を負ったのだという。➡ 33 00:03:17,931 --> 00:03:21,802 動けぬ十朗は 戦場に近い あばら家に残されていた。➡ 34 00:03:21,802 --> 00:03:24,271 忠誠心が厚い十朗を助けるべく➡ 35 00:03:24,271 --> 00:03:27,941 総大将が 2人を 特別に派遣したのだった> 36 00:03:27,941 --> 00:03:31,812 今 ここに 怪我を負った 萩尾十朗さんがいるという事です。 37 00:03:31,812 --> 00:03:34,815 ちょっと 入ってみます。 38 00:03:39,286 --> 00:03:43,156 (うめき声) 39 00:03:43,156 --> 00:03:47,794 <近習の萩尾十朗の傷は 予想以上に ひどいものだった。➡ 40 00:03:47,794 --> 00:03:50,464 目には 矢が突き刺さったままだ> 41 00:03:50,464 --> 00:03:53,967 (徳念)動いちゃ駄目ですよ。 42 00:03:53,967 --> 00:03:56,636 <合戦では 主に➡ 43 00:03:56,636 --> 00:04:00,140 弓矢や石などの遠距離用の武器に よるものが多かったという。➡ 44 00:04:00,140 --> 00:04:07,748 映画で描かれるような刀での 斬り合いは 少なかったらしい。➡ 45 00:04:07,748 --> 00:04:11,618 すぐに 救急処置を 施すのは 医僧の徳念。➡ 46 00:04:11,618 --> 00:04:15,622 医僧になって 10年。 数々の合戦に従軍し➡ 47 00:04:15,622 --> 00:04:21,128 修羅場をくぐり抜けてきた 43歳のベテランである> 48 00:04:27,934 --> 00:04:30,771 近くに 川ならありますが…。 (徳念)それで 結構ですから。 49 00:04:30,771 --> 00:04:33,774 かしこまりました。 50 00:04:35,609 --> 00:04:38,945 何か あるもので 間に合わせましょう。➡ 51 00:04:38,945 --> 00:04:40,881 飲んじゃ駄目ですよ。 52 00:04:40,881 --> 00:04:44,284 (慶明)清めは これだけです。 それこそ 足りないようですが…。 53 00:04:44,284 --> 00:04:47,287 調達してきます。 54 00:04:50,791 --> 00:04:55,295 <徳念の指示で 酒を 調達に行くのは 弟子の慶明。➡ 55 00:04:55,295 --> 00:04:57,631 21歳の若い僧である。➡ 56 00:04:57,631 --> 00:05:01,234 当時の兵の中には ストレスから逃れるために➡ 57 00:05:01,234 --> 00:05:04,137 酒を携帯する者もいた> 58 00:05:04,137 --> 00:05:24,257 ♬~ 59 00:05:24,257 --> 00:05:29,262 <治療では まず 酒を傷口に吹きかけ 消毒する> 60 00:05:33,767 --> 00:05:36,803 お師匠 一息に。 いけません。 61 00:05:36,803 --> 00:05:40,807 矢じりが 中に残ってしまいます。 62 00:05:44,477 --> 00:05:47,781 ⚟水を持ってまいりました。 63 00:05:47,781 --> 00:05:49,983 水です。 64 00:05:54,654 --> 00:05:58,158 (うめき声) 65 00:06:04,731 --> 00:06:08,235 うっ! (十朗)うわ~! 66 00:06:08,235 --> 00:06:15,242 (十朗の叫び声) 67 00:06:25,252 --> 00:06:28,154 <矢を抜こうとするが あまりの痛さに➡ 68 00:06:28,154 --> 00:06:30,590 十朗の体が激しく動いてしまう。➡ 69 00:06:30,590 --> 00:06:35,262 徳念は 十朗に酒を飲ませ 落ち着かせる事にした。➡ 70 00:06:35,262 --> 00:06:37,764 麻酔のなかった時代。 危険だが➡ 71 00:06:37,764 --> 00:06:40,767 これが 精いっぱいの対処法だった> 72 00:06:45,272 --> 00:06:47,774 <彼らの装備品の 主なものは➡ 73 00:06:47,774 --> 00:06:51,278 気付薬や止血剤などの 内服薬。➡ 74 00:06:51,278 --> 00:06:55,148 消毒に使う焼酎。 傷口に貼る こう薬など➡ 75 00:06:55,148 --> 00:06:57,617 貴重で高価なものが 多かった。➡ 76 00:06:57,617 --> 00:07:00,520 それを賄えるのは 地位も財力もある➡ 77 00:07:00,520 --> 00:07:03,823 一部の権力者に 限られていた> 78 00:07:05,725 --> 00:07:09,562 <酒のおかげで 次第に 感覚が まひしてきた十朗。➡ 79 00:07:09,562 --> 00:07:13,233 徳念は 矢を抜く準備に取りかかる。➡ 80 00:07:13,233 --> 00:07:17,237 だが 突然 あばら家に 武士が駆け込んできた> 81 00:07:21,908 --> 00:07:25,412 (勝治郎)医僧の徳念殿が おられると聞いたが…。 82 00:07:27,714 --> 00:07:32,619 こちらは 三浦八兵衛殿でござる。 (慶明)今 治療中ですので…。 83 00:07:32,619 --> 00:07:35,755 <彼の名は 小木田勝治郎。➡ 84 00:07:35,755 --> 00:07:40,927 ここに 医僧の徳念がいると聞き 急ぎ 駆けつけてきたのだ> 85 00:07:40,927 --> 00:07:43,763 ですから あちらに 行って頂けますか? 86 00:07:43,763 --> 00:07:48,601 今 治療中ですので。 何? 待て! よく聞け。 87 00:07:48,601 --> 00:07:50,537 (徳念)しばらく そのままで お待ち下さい。 88 00:07:50,537 --> 00:07:52,472 わしらは 御屋形様の命を…! あちらで…。 89 00:07:52,472 --> 00:07:55,775 御屋形様の命を…。 御屋形殿のご命令ですので。 90 00:07:55,775 --> 00:07:59,612 わしらは ムカデ岩に向かう途中に 奇襲にあったんじゃ。 91 00:07:59,612 --> 00:08:02,515 ムカデ岩では ご家老の草壁仮野介殿が…。 92 00:08:02,515 --> 00:08:05,885 大きな お声を…。 黙れ!目を覚ましてしまいます。 93 00:08:05,885 --> 00:08:08,555 治療中ですから。 待て 待て。 94 00:08:08,555 --> 00:08:13,259 <直属の上官の治療を 優先するように迫る勝治郎> 95 00:08:16,229 --> 00:08:21,568 お師匠が 手当てしてるんです。 分かっておるわ。 96 00:08:21,568 --> 00:08:27,440 <勝治郎と医僧の慶明との間で 激しい やり取りが続く> 97 00:08:27,440 --> 00:08:32,212 何だよ この小坊主! 出てって頂けますか! 98 00:08:32,212 --> 00:08:34,514 生意気な小坊主! 99 00:08:36,116 --> 00:08:41,421 こっちを 先に診ろ! (徳念)分かりました。 100 00:08:43,757 --> 00:08:47,060 (徳念)口論してる いとまが もったいのうございます。 101 00:08:49,262 --> 00:08:52,165 <しばらく 十朗は 目を覚まさないと考え➡ 102 00:08:52,165 --> 00:08:55,135 徳念は 三浦八兵衛の治療を 行う事にした。➡ 103 00:08:55,135 --> 00:08:57,137 …が その時だった> 104 00:08:57,137 --> 00:09:01,207 おい! お主 何者だ? 105 00:09:01,207 --> 00:09:05,712 いや あの~ 別に 怪しい者ではございませんので。 106 00:09:05,712 --> 00:09:11,217 十分 怪しかろう。 いや ちょっと… あっ。 107 00:09:11,217 --> 00:09:15,088 すみません。 新手の戦道具か? 108 00:09:15,088 --> 00:09:17,724 何だ これ! あっ! 109 00:09:17,724 --> 00:09:22,529 おい! 何者だ! 名を名乗れ! 110 00:09:31,237 --> 00:09:37,744 ♬~ 111 00:09:37,744 --> 00:09:41,614 上 向いて。 上 向かせてくれ。 112 00:09:41,614 --> 00:09:46,252 (うめき声) 水は どうした? 水。 113 00:09:46,252 --> 00:09:49,756 水 飲ませてくれ。 114 00:09:49,756 --> 00:09:53,626 (うめき声) 115 00:09:53,626 --> 00:09:57,630 (せきこみ) 我慢して下さい。 116 00:09:57,630 --> 00:10:01,101 <金の創と書いて 金創と読む。➡ 117 00:10:01,101 --> 00:10:04,771 主に 戦場での刀傷の事を言う。➡ 118 00:10:04,771 --> 00:10:07,106 この金創の治療法は➡ 119 00:10:07,106 --> 00:10:09,776 もともと 合戦の当事者たちが➡ 120 00:10:09,776 --> 00:10:12,612 自らの傷を 治すためのものだった。➡ 121 00:10:12,612 --> 00:10:16,783 やがて 薬を使った方法論が 確立していく。➡ 122 00:10:16,783 --> 00:10:19,452 徳念たち 従軍する医僧にとって➡ 123 00:10:19,452 --> 00:10:24,290 金創治療は 最も大事な治療法だった。➡ 124 00:10:24,290 --> 00:10:28,161 傷口を縫い こう薬を貼り 布を巻く。➡ 125 00:10:28,161 --> 00:10:31,164 基本的な金創治療である> 126 00:10:31,164 --> 00:10:35,301 (うめき声) 127 00:10:35,301 --> 00:10:38,805 もう一針 縫います。 128 00:10:56,322 --> 00:10:58,992 <八兵衛の応急処置を終えると➡ 129 00:10:58,992 --> 00:11:03,997 徳念は すぐさま 十朗の矢抜きの手術を再開する> 130 00:11:07,267 --> 00:11:11,271 (徳念)手当て 終わりましたよ。 131 00:11:19,279 --> 00:11:22,949 (徳念)大丈夫です。 さあ そろそろ 矢を抜きますよ。 132 00:11:22,949 --> 00:11:26,286 大丈夫ですからね。 133 00:11:26,286 --> 00:11:28,788 これを ちょっと くわえてて。 134 00:11:28,788 --> 00:11:32,458 すみませんが 脚 ちょっと押さえといて下さい。 135 00:11:32,458 --> 00:11:37,263 わしがか? すぐに終わります。 136 00:11:41,801 --> 00:11:44,137 しょうがねえな。 動かないように➡ 137 00:11:44,137 --> 00:11:48,808 しっかり お願いしますよ。 頼む。 はい。 138 00:11:48,808 --> 00:11:52,312 では 抜きますよ。 しっかり 押さえてて下さい! 139 00:11:52,312 --> 00:11:55,215 <矢抜きの手術は 粛々と進められた。➡ 140 00:11:55,215 --> 00:11:58,651 現代の医療から見れば 何とも乱暴に映るが➡ 141 00:11:58,651 --> 00:12:02,922 戦国時代の しかも 合戦のさなか という制限された状況では➡ 142 00:12:02,922 --> 00:12:06,259 これが 精いっぱいの手当てである> 143 00:12:06,259 --> 00:12:09,762 (うめき声) 144 00:12:09,762 --> 00:12:12,098 <無事 矢は抜けた。➡ 145 00:12:12,098 --> 00:12:18,771 しかし 出血が止まらない。 徳念は 懸命な治療に努めた> 146 00:12:18,771 --> 00:12:22,275 出血が ちょっと ひどい。 147 00:12:22,275 --> 00:12:25,178 抜けましたよ。 148 00:12:25,178 --> 00:12:28,781 大丈夫ですよ。 (うめき声) 149 00:12:28,781 --> 00:12:35,288 ゆっくり押さえといて下さい。 まだ 動かしちゃ駄目ですよ。 150 00:12:35,288 --> 00:12:39,792 軟膏と 消毒液。 はい。 151 00:12:43,162 --> 00:12:46,165 (うめき声) 152 00:12:53,673 --> 00:12:59,512 (うめき声) 153 00:12:59,512 --> 00:13:02,448 もう 抜けましたよ 大丈夫ですから。 154 00:13:02,448 --> 00:13:06,586 <やがて 努力のかいがあり 出血は止まった。➡ 155 00:13:06,586 --> 00:13:10,256 十朗は落ち着きを取り戻し始めた> 156 00:13:10,256 --> 00:13:14,961 (うめき声) 157 00:13:19,932 --> 00:13:24,270 <医僧たちのおかげで 2人の命は なんとか救われたようだ> 158 00:13:24,270 --> 00:13:26,973 もう大丈夫です。 (侍)かたじけのうございます。 159 00:14:10,583 --> 00:14:13,920 <徳念には 悔やみきれない過去がある。➡ 160 00:14:13,920 --> 00:14:16,823 かつて 数々の戦において➡ 161 00:14:16,823 --> 00:14:20,126 武勇で名を上げた兵士だった> 162 00:15:23,256 --> 00:15:30,129 三浦殿。 三浦殿。 三浦殿。 まいりましょうか。 163 00:15:30,129 --> 00:15:32,598 さあ。 164 00:15:32,598 --> 00:15:38,938 まだ動かしてはなりません。 今 動けば 傷口が広がるだけです。 165 00:15:38,938 --> 00:15:42,809 <悪化する戦況を危惧する勝治郎は 八兵衛と共に➡ 166 00:15:42,809 --> 00:15:45,278 一刻も早く前線に戻りたかった。➡ 167 00:15:45,278 --> 00:15:51,617 だが 事態は再び 緊迫した状況を迎える> 168 00:15:51,617 --> 00:15:55,488 清衛門か!? み… 三浦殿! 169 00:15:55,488 --> 00:15:58,291 <前線から戦況を伝えるため➡ 170 00:15:58,291 --> 00:16:01,561 ひん死の状態の伝令が 倒れ込んできた> 171 00:16:01,561 --> 00:16:07,233 ムカデ岩の所で待ち伏せしてて…。 草壁様は!? 172 00:16:07,233 --> 00:16:09,168 痛手を…。 173 00:16:09,168 --> 00:16:13,573 <前線にいる彼らの部隊長 家老の草壁仮野介が➡ 174 00:16:13,573 --> 00:16:20,246 重傷を負ったとの報告。 緊急事態である> 175 00:16:20,246 --> 00:16:25,551 清衛門! 清衛門! 大丈夫ですか!? 176 00:16:27,587 --> 00:16:29,589 清衛門! 177 00:16:40,166 --> 00:16:44,136 <報告を終えると 伝令は息を引き取った。➡ 178 00:16:44,136 --> 00:16:46,839 命懸けの任務> 179 00:16:55,281 --> 00:16:58,985 残念ながら…。 180 00:17:01,888 --> 00:17:04,590 横 拭いてあげなさい。 181 00:17:07,226 --> 00:17:10,897 <僧りょが 戦に 従軍するようになったのは➡ 182 00:17:10,897 --> 00:17:16,569 鎌倉時代末期と言われている。 付き従う武将の万一の臨終の際➡ 183 00:17:16,569 --> 00:17:21,440 念仏を唱え 極楽浄土へ導くように するのが 当初の役割だった。➡ 184 00:17:21,440 --> 00:17:25,244 やがて 当時の先端医療を 習得した僧りょが➡ 185 00:17:25,244 --> 00:17:27,914 負傷者の治療も 行うようになった。➡ 186 00:17:27,914 --> 00:17:33,252 そして 戦国時代を迎え 医僧が従軍する機会も多くなった> 187 00:17:33,252 --> 00:17:36,255 三浦殿 私は…。 188 00:17:44,263 --> 00:17:46,933 ちょっと お待ち下さい。何だ? 徳念殿も➡ 189 00:17:46,933 --> 00:17:49,835 連れていかれるんですか? 当たり前だ。 190 00:17:49,835 --> 00:17:52,271 私たちは 帰らなければならんのです。 191 00:17:52,271 --> 00:17:55,174 残念ながら 私どもは ご同行かないません。何だと? 192 00:17:55,174 --> 00:17:58,945 それこそ 御屋形殿のご意向を ないがしろに なさるものです。 193 00:17:58,945 --> 00:18:04,650 申し訳ございません。 分かっておるが…。 194 00:18:10,222 --> 00:18:16,562 分かっておるわ! …どうするつもりだ? 195 00:18:16,562 --> 00:18:19,899 <家老 草壁仮野介を心配し➡ 196 00:18:19,899 --> 00:18:22,802 一刻も早く 前線に赴きたい 勝治郎が➡ 197 00:18:22,802 --> 00:18:25,237 2人の医僧に 同行を促す。➡ 198 00:18:25,237 --> 00:18:29,575 だが 総大将の許可なく 前線に赴く事はできない。➡ 199 00:18:29,575 --> 00:18:33,446 十朗の治療が済んだら すぐに 本陣に戻れというのが➡ 200 00:18:33,446 --> 00:18:36,749 総大将からの命令であった> 201 00:18:47,927 --> 00:18:50,930 お師匠 それは…。 お師匠。 202 00:18:59,271 --> 00:19:01,207 仏は 慈愛が深いんだ! 203 00:19:01,207 --> 00:19:04,110 <傷を負った人間を 黙って見過ごす事はできない。➡ 204 00:19:04,110 --> 00:19:09,415 徳念は 医師として 前線に赴く事を決意する> 205 00:19:12,818 --> 00:19:15,554 <2人の医僧は 自らの判断で➡ 206 00:19:15,554 --> 00:19:18,457 勝治郎と共に 最前線に向かう事にした。➡ 207 00:19:18,457 --> 00:19:25,231 歩く事 およそ2時間。 辺りは 既に 暗くなり始めていた。➡ 208 00:19:25,231 --> 00:19:27,566 最前線近くの退避場所> 209 00:19:27,566 --> 00:19:31,437 間もなく 最前線に 近づいているようです。 210 00:19:31,437 --> 00:19:36,575 <そこは 無数の怪我人がひしめき まさに 地獄絵図と化していた。➡ 211 00:19:36,575 --> 00:19:41,881 そこで 雑兵たちの壮絶な 治療現場を 目の当たりにする> 212 00:19:45,918 --> 00:19:49,255 <当時 まともな医療を 受けられるのは➡ 213 00:19:49,255 --> 00:19:52,925 位の高い者だけである。 前線にいる雑兵たちは➡ 214 00:19:52,925 --> 00:19:56,595 自分たちで 迷信じみた治療法で 処置するしかなかった。➡ 215 00:19:56,595 --> 00:20:00,466 徳念は すぐに 無謀な治療をやめさせていく> 216 00:20:00,466 --> 00:20:05,271 おい しっかりしろ! (うめき声) 217 00:20:05,271 --> 00:20:08,941 大丈夫か!? (うめき声) 218 00:20:08,941 --> 00:20:30,629 (うめき声) 219 00:20:30,629 --> 00:20:33,933 もうちょっとだ! いくぞ! 220 00:20:36,502 --> 00:20:38,804 大丈夫か!? 221 00:20:40,639 --> 00:20:43,976 大丈夫か!? 抜けたからな! 222 00:20:43,976 --> 00:20:49,982 しっかりしろ! 223 00:20:57,323 --> 00:21:02,928 大丈夫か!? しっかりしろ! (うめき声) 224 00:21:02,928 --> 00:21:05,831 <それは 現代の感覚からすると➡ 225 00:21:05,831 --> 00:21:10,269 あまりにも常識外れで ひどいものだった> 226 00:21:10,269 --> 00:21:28,954 (うめき声) 227 00:21:35,294 --> 00:21:38,631 三浦八兵衛殿の家臣 小木田勝治郎と申す者。 228 00:21:38,631 --> 00:21:41,634 三浦殿の…。 こちらだ! 229 00:21:43,969 --> 00:21:47,840 草壁様! 医者がおります! 少々 お待ちを! 230 00:21:47,840 --> 00:21:54,146 お~い! お~い! 御坊! こっちを! 231 00:22:09,128 --> 00:22:12,131 臨終だと? 232 00:22:12,131 --> 00:22:18,270 バカな…。 かような事 あってなるものか。 233 00:22:18,270 --> 00:22:23,776 草壁様… 草壁様! 234 00:22:23,776 --> 00:22:26,679 おい… おい! 235 00:22:26,679 --> 00:22:31,183 <家老の草壁仮野介は 既に 息を引き取っていた> 236 00:22:40,793 --> 00:22:44,296 お前たちが このような雑魚どもを 相手にしてるから➡ 237 00:22:44,296 --> 00:22:49,802 こうなったんではないか!? お前たちのせいじゃないか!? 238 00:22:49,802 --> 00:22:53,305 草壁様 草壁様! 239 00:22:53,305 --> 00:22:57,176 もっと 手当てをせい! 拝むんじゃない! 240 00:22:57,176 --> 00:23:03,749 御坊 おい 御坊! おい どこ 行くんだ? 241 00:23:03,749 --> 00:23:05,684 お前 まさか まだ➡ 242 00:23:05,684 --> 00:23:08,254 足軽どもの手当てを するつもりじゃないだろうな? 243 00:23:08,254 --> 00:23:11,156 (慶明)いい加減にして下さい! もう 手当ては 終わりました。 244 00:23:11,156 --> 00:23:14,126 (勝治郎)終わる訳がない! 草壁様は まだ 生き返る! 245 00:23:14,126 --> 00:23:17,263 (慶明)ほかの方の手当ても しなきゃならんのです! 246 00:23:17,263 --> 00:23:21,767 (勝治郎)御坊 待て! (慶明)いい加減に…。 247 00:23:21,767 --> 00:23:24,103 (勝治郎)小坊主! 248 00:23:24,103 --> 00:23:27,139 今からでも薬を与えれば 必ず 生き返る! 249 00:23:27,139 --> 00:23:29,775 (慶明)いい加減にして下さい! もう 手当ては 終わったのです! 250 00:23:29,775 --> 00:23:32,678 <慕っていた家老を失い その怒りを➡ 251 00:23:32,678 --> 00:23:37,283 医僧たちにぶつける勝治郎。 その時…> 252 00:23:37,283 --> 00:23:39,285 あっ…。 253 00:23:49,295 --> 00:23:53,799 <敵からの奇襲攻撃。 無数の矢が 降りかかる。➡ 254 00:23:53,799 --> 00:23:59,305 すさまじいパニック。 逃げ出す彼らを 追って 懸命に カメラを回した> 255 00:24:04,243 --> 00:24:08,113 大丈夫か おい! 大丈夫か! 256 00:24:08,113 --> 00:24:12,117 ありがたい ありがたい。 おい しっかりしろ! 257 00:24:23,262 --> 00:24:28,267 はぁ はぁ… 危なかったっす。 258 00:24:40,279 --> 00:24:44,783 <前線から5km離れた安全地帯。➡ 259 00:24:44,783 --> 00:24:49,288 怪我を負った勝治郎を 2人の医僧が 必死に治療を行う> 260 00:24:49,288 --> 00:24:53,158 酒を かけて下さい。 うう~っ。 261 00:24:53,158 --> 00:24:56,161 抜きますよ。 うっ うっ…。 262 00:25:01,233 --> 00:25:05,104 (徳念)眠ってはなりませんよ。 しっかり!➡ 263 00:25:05,104 --> 00:25:09,108 寝てはなりませぬぞ! (慶明)気を確かに! 264 00:25:09,108 --> 00:25:14,246 (徳念)寝てはなりませぬぞ。 ああ…。 265 00:25:14,246 --> 00:25:19,118 (徳念)眠ってはなりませんぞ! ああ…。(慶明)しっかり。 266 00:25:19,118 --> 00:25:22,121 眠ってはなりませんぞ。 いいですか 眠ってはなりません。 267 00:25:22,121 --> 00:25:26,258 起きて下さい 勝治郎さん。 (慶明)今 矢を取りましたからね。 268 00:25:26,258 --> 00:25:30,129 寝てはなりません 死にます。 (慶明)大丈夫ですよ 勝治郎さん。 269 00:25:30,129 --> 00:25:32,631 (徳念) 勝治郎さん 寝てはなりません! 270 00:26:05,397 --> 00:26:08,233 目が覚められましたね。 痛みの方は? 271 00:26:08,233 --> 00:26:10,736 大した事はない。 272 00:26:10,736 --> 00:26:16,241 毒が塗ってあったようです。 しかし もう心配いりません。 273 00:26:39,264 --> 00:26:42,768 <感謝の気持ちを無言で伝える 勝治郎> 274 00:26:42,768 --> 00:26:47,272 (慶明)あの木立の方に 行きましょう。 土も軟らかいし。➡ 275 00:26:47,272 --> 00:26:50,175 私たちは いったん 昨日の小屋に 戻るつもりですが➡ 276 00:26:50,175 --> 00:26:53,145 いかがなさいます? 277 00:26:53,145 --> 00:26:56,782 わしも 心配だ。 わしも ご同行願おう。 278 00:26:56,782 --> 00:26:59,685 もうしばらく お待ち下さい。 回向を行い➡ 279 00:26:59,685 --> 00:27:02,221 亡くなられた方を 葬らなければなりませんので。 280 00:27:02,221 --> 00:27:05,123 それに あの茂みの裏に 深手の方々もおられます。 281 00:27:05,123 --> 00:27:08,093 仏の回向の前に その者たちの 手当てをしましょう。 282 00:27:08,093 --> 00:27:11,096 分かりました。 さあ。 大丈夫ですか? 283 00:27:14,233 --> 00:27:20,105 <彼らが退却するのを見送り ここで別れる事にした。➡ 284 00:27:20,105 --> 00:27:27,246 大きな戦乱 華やかな武将たちの 活躍が語り継がれる一方➡ 285 00:27:27,246 --> 00:27:32,751 その陰には 歴史の片隅にすら 残らない人々が 無数にいた。➡ 286 00:27:32,751 --> 00:27:37,256 医僧 彼らもまた 生をつなぐために➡ 287 00:27:37,256 --> 00:27:42,127 命を懸けて 自らの職務を全うしていた> 288 00:27:42,127 --> 00:28:00,579 ♬~ 289 00:28:00,579 --> 00:28:06,218 以上 コードナンバー 200094 アウトします。 290 00:28:06,218 --> 00:28:24,203 ♬~