1 00:00:20,287 --> 00:00:28,161 アブソリュートポジション N47 W438 E632 S179。 2 00:00:28,161 --> 00:00:31,331 ポジション確認。 3 00:00:31,331 --> 00:00:40,474 アブソリュートタイム B0763449年 53時76分28秒。 4 00:00:40,474 --> 00:00:43,310 西暦変換しますと➡ 5 00:00:43,310 --> 00:00:47,614 1807年4月21日 3時53分。 6 00:00:47,614 --> 00:00:50,584 無事 タイムワープ 成功しました。 7 00:00:50,584 --> 00:00:52,819 コードナンバー 120354➡ 8 00:00:52,819 --> 00:00:55,322 これから記録を 開始します。 9 00:00:55,322 --> 00:01:00,527 沢嶋雄一。 彼は タイムスクープ社より 派遣された ジャーナリストである。 10 00:01:00,527 --> 00:01:02,596 あらゆる時代に タイムワープしながら➡ 11 00:01:02,596 --> 00:01:09,303 時空を超えて 名もなき人々を 記録していく タイムスクープハンターである。 12 00:01:17,344 --> 00:01:24,351 <城の太鼓櫓。 早朝 東の空を じっと見つめている男がいる> 13 00:01:26,687 --> 00:01:31,658 <空を確かめると 夜明けを告げるため太鼓を打つ。➡ 14 00:01:31,658 --> 00:01:34,428 長倉文次郎。➡ 15 00:01:34,428 --> 00:01:38,098 今回の取材対象者 時太鼓打。➡ 16 00:01:38,098 --> 00:01:43,904 城や 城下町に時刻を知らせる いわば 時の番人である> 17 00:01:46,573 --> 00:01:51,478 <夜明けの太鼓を打つと 下に下りて お香を準備する。➡ 18 00:01:51,478 --> 00:01:56,650 彼らが時間を把握するために 使用していたのが香時計である。➡ 19 00:01:56,650 --> 00:02:00,654 お香が燃える長さで 時刻を知らせる時計である> 20 00:02:00,654 --> 00:02:06,326 この時代の人々にとって 私は時空を超えた存在となります。 21 00:02:06,326 --> 00:02:10,197 彼らにとって 私は 宇宙人のような存在です。 22 00:02:10,197 --> 00:02:13,467 彼らに接触するには 細心の注意が必要です。 23 00:02:13,467 --> 00:02:17,337 私自身の介在によって この歴史が 変わる事も ありえるからです。 24 00:02:17,337 --> 00:02:19,306 彼らに 取材を許してもらうためには➡ 25 00:02:19,306 --> 00:02:21,541 特殊な交渉術を用います。 26 00:02:21,541 --> 00:02:24,511 それは 極秘事項となっており お見せする事はできませんが➡ 27 00:02:24,511 --> 00:02:28,215 今回も無事 密着取材する事に成功しました。 28 00:02:35,622 --> 00:02:40,427 <香時計には 抹香という 粉末状の香が用いられる。➡ 29 00:02:40,427 --> 00:02:43,930 抹香を抜き型で形どり 先端に着火する。➡ 30 00:02:43,930 --> 00:02:49,336 そこが 時間の基点となるのだ> 31 00:03:08,755 --> 00:03:13,694 <お香が燃えていき 目印に到達した所が時刻を示す。➡ 32 00:03:13,694 --> 00:03:19,933 我が国の時計の歴史は 660年 後の天智天皇が作らせた漏刻➡ 33 00:03:19,933 --> 00:03:22,235 つまり 水時計に始まる。➡ 34 00:03:22,235 --> 00:03:24,271 その後 日時計や➡ 35 00:03:24,271 --> 00:03:29,476 ロウソクなどの燃える時間で時を計る 火時計などが使われてきた> 36 00:03:33,280 --> 00:03:37,718 <江戸時代の時刻は 不定時法と 呼ばれる時間法が使われていた。➡ 37 00:03:37,718 --> 00:03:41,054 不定時法とは 夜明けと日暮れを基点とし➡ 38 00:03:41,054 --> 00:03:45,692 1日を 昼と夜に それぞれ 6等分する時間法である。➡ 39 00:03:45,692 --> 00:03:47,994 常に夜明けと日暮れを 基点とするため➡ 40 00:03:47,994 --> 00:03:50,597 季節によって 一時の長さが違う。➡ 41 00:03:50,597 --> 00:03:54,601 日の長い夏は 一時の長さが 冬よりも長くなるのだ> 42 00:03:56,303 --> 00:03:59,206 <辰の刻 朝五つ。➡ 43 00:03:59,206 --> 00:04:04,911 今度は 太鼓を5回 打って 時刻を知らさなければならない。➡ 44 00:04:04,911 --> 00:04:09,850 このように 時刻の呼び方には 十二支と数が使われていた。➡ 45 00:04:09,850 --> 00:04:15,188 かつて 日本で九は 最も縁起の 良い数字と考えられていた。➡ 46 00:04:15,188 --> 00:04:19,659 この事から 夜中の子の刻と 昼の午の刻を九つとし➡ 47 00:04:19,659 --> 00:04:21,995 九の倍数で増やしていく。➡ 48 00:04:21,995 --> 00:04:24,898 その下一桁を取った数字から➡ 49 00:04:24,898 --> 00:04:27,901 「朝五つ」などと 呼ばれるようになった> 50 00:04:30,270 --> 00:04:34,508 <午後になり 交代のため やって来たのは 斉藤富右衛門。➡ 51 00:04:34,508 --> 00:04:37,511 時太鼓打の引き継ぎが 行われていく> 52 00:04:43,049 --> 00:04:47,988 え~ 現在 14時4分ですね。 53 00:04:47,988 --> 00:04:51,258 斉藤富右衛門さんが 未の刻➡ 54 00:04:51,258 --> 00:04:54,928 昼八つの時刻の太鼓を たたくところです。 55 00:04:54,928 --> 00:05:02,602 (太鼓の音) 56 00:05:02,602 --> 00:05:08,475 <当時の人々は 彼らが打つ太鼓の 音を頼りに 生活を営んでいた> 57 00:05:08,475 --> 00:05:13,780 (太鼓の音) 58 00:05:16,516 --> 00:05:21,822 立派な ばちですね。 現代のものと ほぼ変わりません。 59 00:05:26,693 --> 00:05:30,697 駄目ですか? はい それはちょっと。 60 00:05:35,769 --> 00:05:38,805 <伊勢六郎太。 夜の引き継ぎだ> 61 00:05:38,805 --> 00:05:41,208 本日より 穀雨でござる。 62 00:05:43,944 --> 00:05:48,582 (太鼓の音) 63 00:05:48,582 --> 00:05:54,221 <昼も夜も一日中 毎日 休む事なく 彼らの仕事は続いていく。➡ 64 00:05:54,221 --> 00:05:59,059 重要な この仕事を たった3人の交代制で行っていた> 65 00:05:59,059 --> 00:06:02,863 長倉さんに インタビューしたいと思います。 66 00:06:48,074 --> 00:06:51,911 <彼らの仕事は 単調な繰り返しである。➡ 67 00:06:51,911 --> 00:06:55,115 だが 決して 緊張感を失う事はできない。➡ 68 00:06:55,115 --> 00:06:59,419 そんな時 ちょっとした事件が起きた> 69 00:07:07,327 --> 00:07:11,831 <鷲津大学。 彼らの上司にあたる 上級役人である> 70 00:07:13,533 --> 00:07:16,937 一昨夜でございますか? 71 00:07:20,006 --> 00:07:24,611 わしが じかに聞いておった わけではないのだがな… 72 00:07:29,549 --> 00:07:33,453 その者らの言うには… 73 00:07:33,453 --> 00:07:36,323 不都合? 74 00:07:36,323 --> 00:07:42,128 些少の遅れなら さして うわさにもならぬであろうが… 75 00:07:42,128 --> 00:07:44,931 打ち忘れでございますか⁉ ああ。 76 00:07:44,931 --> 00:07:48,635 つまり 五つのあとに… 77 00:07:52,439 --> 00:07:56,943 承知しておらぬか? はい。 78 00:08:02,115 --> 00:08:05,585 <太鼓を打ち忘れるという あってはならない事故。➡ 79 00:08:05,585 --> 00:08:08,588 文次郎は早速 昨夜の当番である六郎太に➡ 80 00:08:08,588 --> 00:08:10,590 真偽の程を確かめる事にした> 81 00:08:23,970 --> 00:08:26,873 そのための引き継ぎであろう? 82 00:08:26,873 --> 00:08:29,476 実は… 83 00:08:32,045 --> 00:08:35,849 香の火が消えておったのは 言い訳にはならんぞ。 84 00:08:38,818 --> 00:08:42,722 よいな? はあ…。 85 00:08:42,722 --> 00:08:46,693 もうよい。 戻れ。 86 00:08:46,693 --> 00:08:52,899 <原因は お香が湿気ていたためだ と思われた。 だが…> 87 00:09:02,776 --> 00:09:07,647 おい 気分でも悪いのか? 88 00:09:07,647 --> 00:09:11,484 六郎太。 大丈夫です。 89 00:09:11,484 --> 00:09:15,088 おい おい おい おぬし。 90 00:09:31,237 --> 00:09:33,907 申し訳ございません…。 91 00:09:33,907 --> 00:09:36,910 <六郎太は 夜盲症を患っていた> 92 00:09:43,683 --> 00:09:46,586 なに⁉ 93 00:10:01,768 --> 00:10:06,072 <六郎太が太鼓を打ち忘れたのは その病が原因だったのだ> 94 00:10:06,072 --> 00:10:09,976 どうしたものか…。 95 00:10:18,284 --> 00:10:22,288 役目に就けぬ同輩が 大勢おるにもかかわらず… 96 00:10:24,624 --> 00:10:27,527 <城の財政は かなり厳しい状況であり➡ 97 00:10:27,527 --> 00:10:30,263 人員削減の方向に傾いていた。➡ 98 00:10:30,263 --> 00:10:33,867 そんな折 業務をまともに行えない 六郎太が➡ 99 00:10:33,867 --> 00:10:37,103 リストラの対象となる可能性が 高かった> 100 00:10:37,103 --> 00:10:39,772 伊勢の家は 代々 この藩に仕えてきたんだぞ。 101 00:10:39,772 --> 00:10:43,776 <何としても それだけは避けたい。 そう考える文次郎は切り出した> 102 00:10:56,222 --> 00:10:59,125 大学殿に掛け合ってみる。 103 00:10:59,125 --> 00:11:02,729 機械時計? 104 00:11:08,601 --> 00:11:10,603 なるほど。 105 00:11:12,272 --> 00:11:17,143 人が増やせぬとあらば 時計ぐらいなあ。 106 00:11:17,143 --> 00:11:19,546 まあ とにかく掛け合ってみる。 107 00:11:19,546 --> 00:11:23,850 おっ 長倉 分かったか。 分かりました。 108 00:11:28,354 --> 00:11:32,859 いやいやいや あれは それがしも 以前に経験がございますが➡ 109 00:11:32,859 --> 00:11:35,862 なかなかに 気付かぬものでございます。 110 00:11:40,600 --> 00:11:43,603 あれを把握するのは なかなかに 容易ではございません。 111 00:11:43,603 --> 00:11:48,141 ご内聞に お取り計らいを…。 112 00:11:48,141 --> 00:11:52,011 承知しておる者も数多い。 113 00:11:52,011 --> 00:11:55,715 そこを ひとつ 大学殿。 114 00:11:55,715 --> 00:12:00,420 下がってよい。 ああ では…。 115 00:12:03,923 --> 00:12:09,229 財政逼迫の折 誠に 申し上げ難き事でありますが… 116 00:12:25,144 --> 00:12:28,948 実害のなかった 今のうちに… 117 00:12:32,619 --> 00:12:35,521 ご検討願えればと存じ上げます。 118 00:12:35,521 --> 00:12:39,492 しかし ですが…。 119 00:12:39,492 --> 00:12:44,297 <この時代になると 各藩に 機械時計が普及し始めていた。➡ 120 00:12:44,297 --> 00:12:47,166 江戸城には 土圭の間というのがあり➡ 121 00:12:47,166 --> 00:12:49,569 そこに 機械時計が置かれ➡ 122 00:12:49,569 --> 00:12:52,372 番人だけで 50人ほどが勤めていたという> 123 00:13:00,079 --> 00:13:02,015 いかがでございましょう。 124 00:13:02,015 --> 00:13:05,118 何をこだわる。 125 00:13:09,155 --> 00:13:13,760 <財政難では 機械時計を導入する 事は やはり難しかった。➡ 126 00:13:13,760 --> 00:13:15,995 ところが その日の午後> 127 00:13:15,995 --> 00:13:19,766 おお 長倉。 これは 大学殿。 128 00:13:19,766 --> 00:13:23,670 いかがなされました。 129 00:13:23,670 --> 00:13:28,274 誠でございますか! 130 00:13:28,274 --> 00:13:32,278 ああ ここはちょっと。 はい? 131 00:13:34,647 --> 00:13:37,150 はい。 132 00:13:47,794 --> 00:13:50,997 長倉 少し考えろ。 133 00:13:55,535 --> 00:13:59,939 どうしたも こうしたもないよ。 何があったんですか? 134 00:14:19,092 --> 00:14:22,295 え? どういう事ですか? 135 00:14:22,295 --> 00:14:25,998 あ~ まずは… 136 00:14:37,810 --> 00:14:40,980 そんなものを 一人の都合で やっておったら➡ 137 00:14:40,980 --> 00:14:43,649 わしらの務めは 意味がなくなるであろう。 138 00:14:43,649 --> 00:14:46,252 しかも 言外には… 139 00:14:56,229 --> 00:14:59,932 こういう話だ。 卑劣な話ではないか。 140 00:15:10,777 --> 00:15:13,079 しかたなかろう。 141 00:15:13,079 --> 00:15:17,383 <これで 機械時計の導入は 潰えたかに見えた。➡ 142 00:15:17,383 --> 00:15:20,887 …が そのあと思いもかけない話が 飛び込んでくる> 143 00:15:20,887 --> 00:15:24,290 (斉藤)組頭。 どうした? 144 00:15:26,092 --> 00:15:28,394 どこで? 145 00:15:34,801 --> 00:15:39,005 安すぎぬか? 主に確かめました。 146 00:15:49,615 --> 00:15:51,918 ならば いかがでござろう。 147 00:16:03,529 --> 00:16:07,200 お主も払えるだろう。 148 00:16:07,200 --> 00:16:10,403 それは もちろんですけど… 149 00:16:14,073 --> 00:16:17,977 おい 待て待て。 150 00:16:26,919 --> 00:16:29,655 さよう。 気にする事ではない。 151 00:16:29,655 --> 00:16:33,359 よし! ならば話は早い。 道具屋へ行ってみよう。 152 00:16:33,359 --> 00:16:35,595 では参りましょう。 153 00:16:35,595 --> 00:16:38,931 <機械時計が 初めて日本に伝来したのは➡ 154 00:16:38,931 --> 00:16:43,569 フランシスコ・ザビエルが大内義隆に献上した 1551年と言われている。➡ 155 00:16:43,569 --> 00:16:48,374 その後 宣教師などにより幾つかの 機械時計が もたらされた。➡ 156 00:16:48,374 --> 00:16:51,143 まねて 作られたのが 和時計である。➡ 157 00:16:51,143 --> 00:16:54,881 この和時計は その形から 櫓時計と呼ばれるもので➡ 158 00:16:54,881 --> 00:16:59,452 おもりを動力として 時を刻んだ> 159 00:16:59,452 --> 00:17:03,222 これか。 160 00:17:03,222 --> 00:17:06,893 <ついに 機械時計が手に入る。 そう思われた やさき➡ 161 00:17:06,893 --> 00:17:10,997 想定していない展開が 待ち受けていた> 162 00:17:13,666 --> 00:17:17,536 いや だから その売約済みの…。 163 00:17:17,536 --> 00:17:23,142 いや 違うんですが。 あれ だって さっき…。 164 00:17:35,922 --> 00:17:39,425 手付けも頂いてないんでね。 そんな事をしないと駄目なのか。 165 00:17:43,262 --> 00:17:47,667 <別の客が 彼らより高い値で 購入予約を取り付けていたのだ> 166 00:17:51,103 --> 00:17:54,874 <当時 時刻を知らせていたのは 城だけではなかった。➡ 167 00:17:54,874 --> 00:17:58,878 寺などでも鐘を鳴らし 庶民に 時刻を知らせていたのだ> 168 00:18:07,586 --> 00:18:10,790 主人 どういう事だ。 俺 もう先に買ったよなあ。 はい。 169 00:18:10,790 --> 00:18:13,426 <どうしても機械時計を 手に入れたい文次郎が➡ 170 00:18:13,426 --> 00:18:16,028 思わず 値段をつり上げる> 171 00:18:21,667 --> 00:18:26,505 七両一分。 ありがとうございます。 待て 主人! 待て待て。 172 00:18:26,505 --> 00:18:31,344 こちら 今 七両一分で買われたんで。 173 00:18:31,344 --> 00:18:35,748 はい ありがとうございます。 174 00:18:38,117 --> 00:18:40,653 <僧侶の方も譲らない> 175 00:18:40,653 --> 00:18:43,956 ありがとうございます。 七両二分。 ちょっと待て。 176 00:18:46,459 --> 00:18:50,363 <文次郎も 後に引けなくなっていく> 177 00:18:54,500 --> 00:18:57,770 <それを心配した富右衛門が 思わず止めに入った> 178 00:18:57,770 --> 00:19:01,407 どうしましょう。 大丈夫だよ。 179 00:19:01,407 --> 00:19:04,410 もう これ以上 出せませんでしょう。 180 00:19:07,813 --> 00:19:09,749 ええ。 181 00:19:09,749 --> 00:19:13,119 <結局 2人で 追加のお金を出す事で合意。➡ 182 00:19:13,119 --> 00:19:15,888 上限は 十両までと決められた> 183 00:19:15,888 --> 00:19:18,891 八両三分 出す。 八両三分? 184 00:19:24,563 --> 00:19:28,401 <さながら オークションのように なってきた。➡ 185 00:19:28,401 --> 00:19:35,007 少しずつ値をつり上げ 相手の出方を探っていく> 186 00:19:37,076 --> 00:19:40,946 <両者 一歩も譲らない。➡ 187 00:19:40,946 --> 00:19:44,950 上限の十両に迫る勢いだ> 188 00:19:54,894 --> 00:19:57,763 <そして ついに 文次郎は大きな賭けに出る> 189 00:19:57,763 --> 00:20:01,067 よろしいですか? 九両三分二朱。 190 00:20:02,701 --> 00:20:08,707 十両でございます。 191 00:20:17,149 --> 00:20:20,319 <文次郎は ついに 機械時計を競り落とした。➡ 192 00:20:20,319 --> 00:20:23,222 その結果 当初より 値段が高くなってしまったが➡ 193 00:20:23,222 --> 00:20:25,991 何とか 手に入れる事ができた> 194 00:20:25,991 --> 00:20:29,095 ついに 機械時計が来ました。 195 00:20:35,634 --> 00:20:38,671 <当時の和時計には 不定時法に合わせて➡ 196 00:20:38,671 --> 00:20:40,806 さまざまな工夫が施されていた。➡ 197 00:20:40,806 --> 00:20:43,442 文字盤には 干支と数が記されている。➡ 198 00:20:43,442 --> 00:20:46,312 昼と夜の時間の違いに 対応するため➡ 199 00:20:46,312 --> 00:20:50,015 上部の分銅の位置を動かし 時計の速度を調整していた> 200 00:21:04,797 --> 00:21:09,301 ハハハハハ! 201 00:21:09,301 --> 00:21:12,738 また なにを泣いておる。 202 00:21:12,738 --> 00:21:16,976 お主だけのために購ったのでは ないと 昨日も言ったろうが。 203 00:21:16,976 --> 00:21:19,245 あれは みんなのためだ。 204 00:21:19,245 --> 00:21:23,349 でも やっぱり… ありがとうございます。 205 00:21:39,165 --> 00:21:41,400 <時計が鳴るのを待ち構える。➡ 206 00:21:41,400 --> 00:21:47,006 これで 目が悪い六郎太も 時を知る事ができる。 だが…> 207 00:21:51,076 --> 00:21:55,581 あれっ? ちょ… ちょっと おい どうなってんだ。 208 00:22:03,789 --> 00:22:07,126 (斉藤)ねじが回ってないんですよ。 209 00:22:07,126 --> 00:22:13,032 え? ちょっと待て。 あ~ 全く分からない。 210 00:22:17,803 --> 00:22:20,105 それで かように安かったのか! 211 00:22:26,312 --> 00:22:30,316 <時計は不良品であった> 212 00:22:44,697 --> 00:22:48,500 やめろ! 何を申す。 213 00:22:50,302 --> 00:22:54,607 もう よいのです。 214 00:23:04,583 --> 00:23:07,253 <六郎太は 覚悟を決めた。➡ 215 00:23:07,253 --> 00:23:11,457 これ以上 仲間には迷惑は かけられないと思ったのだろう> 216 00:23:21,800 --> 00:23:27,039 ご迷惑ばかり おかけして おわびのしようもございません。 217 00:23:27,039 --> 00:23:31,543 何が わびるだ。 何が ご迷惑だ? 218 00:23:37,449 --> 00:23:43,255 ほら! 組頭…。 219 00:23:43,255 --> 00:23:45,557 おい。 220 00:23:55,200 --> 00:23:59,305 少しは気が晴れる。 221 00:24:31,403 --> 00:24:35,274 そんなに におうか? 222 00:24:35,274 --> 00:24:38,510 あ~ そう。 223 00:24:38,510 --> 00:24:43,949 あ~ 花の香! 組頭? 224 00:24:43,949 --> 00:24:46,318 ちょっと? 組頭…。 225 00:24:46,318 --> 00:24:50,656 (斉藤)何事でござるか? 226 00:24:50,656 --> 00:24:53,058 どこへ? 227 00:24:55,494 --> 00:24:59,665 <何を思ったのか 文次郎が 時計を抱えて 飛び出していく。➡ 228 00:24:59,665 --> 00:25:03,769 私のカメラも振り切る勢いだ> 229 00:25:11,777 --> 00:25:15,247 <そして 3時間後 文次郎が戻ってきた> 230 00:25:15,247 --> 00:25:17,182 あの道具屋 難癖をつけおって➡ 231 00:25:17,182 --> 00:25:19,551 なかなか 時計を引き取ろうとせなんだ。 232 00:25:19,551 --> 00:25:22,254 突っ返してきてやった! アハハハ…。 233 00:25:25,724 --> 00:25:29,528 この香を この香時計を… 234 00:25:41,306 --> 00:25:44,777 <文次郎が考え出したのは 定刻が来ると➡ 235 00:25:44,777 --> 00:25:49,782 別の種類のお香に燃え移り 香りが変わる 香時計であった> 236 00:25:53,886 --> 00:25:56,889 よしよし。 237 00:26:14,139 --> 00:26:18,444 分かるか? においするか? 238 00:26:19,978 --> 00:26:24,483 ああ…。 239 00:26:33,492 --> 00:26:38,497 分かります…。 よし よしよし。 240 00:26:48,607 --> 00:26:50,609 はい。 241 00:26:58,584 --> 00:27:01,487 <1人 櫓に上る六郎太。➡ 242 00:27:01,487 --> 00:27:06,024 その姿を 2人の仲間が見守っていた。➡ 243 00:27:06,024 --> 00:27:13,432 絶対に職は失わせないと 組頭の文次郎は 私に語っていた> 244 00:27:16,034 --> 00:27:19,571 <最新の機械が手に入らずとも 諦めずに➡ 245 00:27:19,571 --> 00:27:22,774 仲間を守った 時太鼓打たち。➡ 246 00:27:22,774 --> 00:27:26,745 目をみはる技術革新が 歴史の一ページを飾る中で➡ 247 00:27:26,745 --> 00:27:30,482 香りが変わる香時計という 彼らの小さな発明は➡ 248 00:27:30,482 --> 00:27:34,319 歴史の記録には 残されてはいない。➡ 249 00:27:34,319 --> 00:27:36,989 だが 彼らにとって➡ 250 00:27:36,989 --> 00:27:42,594 それは 人生を左右する 大きな発明であったに違いない> 251 00:27:42,594 --> 00:27:59,545 ♬~ 252 00:27:59,545 --> 00:28:06,218 以上 コードナンバー120354 アウトします。 253 00:28:06,218 --> 00:28:25,204 ♬~