1 00:00:04,137 --> 00:00:08,141 (沢嶋雄一)<戦国 江戸時代と 長く 日本男子の象徴であった➡ 2 00:00:08,141 --> 00:00:12,312 この独特のヘアスタイルにも 文明開化の波が押し寄せる。➡ 3 00:00:12,312 --> 00:00:17,150 髷を落としたくない人々 髷を根絶したい人々➡ 4 00:00:17,150 --> 00:00:20,454 両者の間で繰り広げられる 必死の攻防戦> 5 00:00:23,257 --> 00:00:25,926 <そこには 数々のドラマがあった。➡ 6 00:00:25,926 --> 00:00:29,930 日本男子のヘアスタイル 歴史上最大の転換期。➡ 7 00:00:29,930 --> 00:00:34,234 その激動の瞬間を捉えるべく 私は明治時代にとんだ> 8 00:00:47,214 --> 00:00:55,322 え~ アブソリュートポジション N255 W152 E078 S614。 9 00:00:55,322 --> 00:00:58,992 ポジション確認。 10 00:00:58,992 --> 00:01:05,465 アブソリュートタイム B0945780年72時69分18秒。 11 00:01:05,465 --> 00:01:13,240 西暦変換しますと 1873年3月28日 7時13分24秒。 12 00:01:13,240 --> 00:01:15,943 無事 タイムワープ 成功しました。 13 00:01:15,943 --> 00:01:17,878 コードナンバー 835428➡ 14 00:01:17,878 --> 00:01:19,846 これから 記録を開始します。 15 00:01:19,846 --> 00:01:25,319 沢嶋雄一。 彼は タイムスクープ社より 派遣されたジャーナリストである。 16 00:01:25,319 --> 00:01:28,622 あらゆる時代に タイムワープしながら 時空を超えて➡ 17 00:01:28,622 --> 00:01:32,626 名もなき人々を記録していく タイムスクープハンターである。 18 00:01:46,006 --> 00:01:48,976 <上司の訓示に 耳を傾けている男たち。➡ 19 00:01:48,976 --> 00:01:53,880 捕亡吏。 町の治安を守る警察官である> 20 00:01:53,880 --> 00:01:56,516 髷を切り落としてもらいたい。 21 00:01:56,516 --> 00:01:59,720 <彼らが これから行うのは 犯罪者の摘発ではない。➡ 22 00:01:59,720 --> 00:02:03,256 いまだに髷を結っている者を見つけ 散髪を促す➡ 23 00:02:03,256 --> 00:02:06,026 髪型の取締りだ。➡ 24 00:02:06,026 --> 00:02:09,997 今回の取材対象者は 髷を取り締まる地方警察官。➡ 25 00:02:09,997 --> 00:02:14,267 日本の近代化を 末端で支えた彼らに密着する> 26 00:02:14,267 --> 00:02:19,506 え~ この時代の人々にとって 私は時空を超えた存在となります。 27 00:02:19,506 --> 00:02:22,542 彼らにとって私は 宇宙人のような存在です。 28 00:02:22,542 --> 00:02:25,379 彼らに接触するには 細心の注意が必要です。 29 00:02:25,379 --> 00:02:29,249 私自身の介在によって この歴史が 変わることもありえるからです。 30 00:02:29,249 --> 00:02:33,820 彼らに取材を許してもらうためには 特殊な交渉術を用います。 31 00:02:33,820 --> 00:02:36,723 それは 極秘事項となっており お見せすることはできませんが➡ 32 00:02:36,723 --> 00:02:39,726 今回も 無事 密着取材することに成功しました。 33 00:02:46,500 --> 00:02:51,371 どうか 近代化のために皆さんの お力添えを お願いしたい。 34 00:02:51,371 --> 00:02:55,475 <戸長 町の行政トップからの言葉に 真剣に耳を傾けているのは…> 35 00:02:57,744 --> 00:03:01,481 <訓示を聴き終えると 彼は 早速 取締りの準備を始めた。➡ 36 00:03:01,481 --> 00:03:07,387 拳銃の代わりに装備していくのは なんと ハサミである> 37 00:03:44,057 --> 00:03:46,626 <近代化を推し進める 明治政府は➡ 38 00:03:46,626 --> 00:03:49,830 髪型の自由を認める 布告を出し 散髪を奨励。➡ 39 00:03:49,830 --> 00:03:53,100 だが 髷を断つことへの 人々の抵抗は強く➡ 40 00:03:53,100 --> 00:03:56,636 地方では 散髪が なかなか 浸透していかなかった。➡ 41 00:03:56,636 --> 00:03:59,906 そのため 強引な対策に踏み切る 自治体も現れた。➡ 42 00:03:59,906 --> 00:04:03,677 ここ 新潟県も そのうちの一つである。➡ 43 00:04:03,677 --> 00:04:08,215 新潟県令の 楠本正隆は 近代化に全力を挙げ➡ 44 00:04:08,215 --> 00:04:10,650 散髪を 強く推進する。➡ 45 00:04:10,650 --> 00:04:12,919 それに応える形で➡ 46 00:04:12,919 --> 00:04:15,822 県内で 散髪の強行策が 行われる。➡ 47 00:04:15,822 --> 00:04:19,593 町に出て 道行く人を 監視する倉本。➡ 48 00:04:19,593 --> 00:04:24,264 男性の頭部に 目を光らせる。➡ 49 00:04:24,264 --> 00:04:28,702 やがて きれいに髷を結った 侍姿の男が現れた> 50 00:04:28,702 --> 00:04:32,005 おめえさま ごめんなされ。 51 00:04:40,080 --> 00:04:42,015 なるほど。 52 00:04:42,015 --> 00:04:44,417 <相手を刺激しないように 静かに話す> 53 00:04:44,417 --> 00:04:46,419 早いうちに… 54 00:04:51,057 --> 00:04:53,059 なっ。 55 00:04:55,796 --> 00:05:01,701 <捕亡吏だと分かり 男性は諦めたのか 倉本に しぶしぶと従う> 56 00:05:03,537 --> 00:05:07,274 じっとしてれ。 すぐ終わっけ。 なっ。 ちょっと待っとれ。 57 00:05:07,274 --> 00:05:11,845 <倉本は ハサミを男性の髷にあてる。 そして…➡ 58 00:05:11,845 --> 00:05:14,548 ついに 髷が落とされた> 59 00:05:19,219 --> 00:05:21,788 <次のターゲットが近づいてくる。➡ 60 00:05:21,788 --> 00:05:24,691 帽子をかぶった男性。 どうも怪しい。➡ 61 00:05:24,691 --> 00:05:27,494 念のため呼び止め 確かめることに> 62 00:05:31,798 --> 00:05:34,100 なして 見せてくんなさらねえ。 63 00:05:35,969 --> 00:05:38,271 <だが…> 64 00:05:38,271 --> 00:05:41,107 (倉本)おめえさま 待たれ。 65 00:05:41,107 --> 00:05:45,912 <倉本を振り切り 男性が逃げていく。 その時…。➡ 66 00:05:45,912 --> 00:05:49,416 帽子の下は 明らかな髷だった> 67 00:05:53,286 --> 00:05:55,989 <当時 髷の無くなった 頭を保護するため➡ 68 00:05:55,989 --> 00:05:57,924 帽子が飛ぶように 売れたという。➡ 69 00:05:57,924 --> 00:06:00,260 中には この男性のように➡ 70 00:06:00,260 --> 00:06:03,763 髷を隠すために 帽子を かぶっている者も多かった> 71 00:06:03,763 --> 00:06:11,504 おっ。 ほれ おめえさま 終わったで これ持って 帰ってくんろ。 72 00:06:11,504 --> 00:06:13,773 <髷をめぐっての散髪は➡ 73 00:06:13,773 --> 00:06:16,176 男女関係にも 影響を及ぼしていたようだ。➡ 74 00:06:16,176 --> 00:06:19,112 茶屋の店先にいる 一組の男女。➡ 75 00:06:19,112 --> 00:06:24,251 男性が素直に散髪に応じている。 女性は 納得がいかない様子だ> 76 00:06:24,251 --> 00:06:26,953 これが 俺の髷か…。 77 00:06:30,924 --> 00:06:33,927 <鳥取県では 髷を切った夫に対し➡ 78 00:06:33,927 --> 00:06:36,563 その異様な頭では 一緒にいられないと➡ 79 00:06:36,563 --> 00:06:39,065 妻から離縁を迫られたケースも あったという。➡ 80 00:06:39,065 --> 00:06:42,802 日本中 散髪対策には 知恵を絞っていた。➡ 81 00:06:42,802 --> 00:06:47,607 滋賀県などでは 髷を残した半髪の者に 税金をかけた。➡ 82 00:06:47,607 --> 00:06:50,977 大阪や山梨県では 床屋を無税にするなど➡ 83 00:06:50,977 --> 00:06:54,581 散髪を奨励する政策を 実施している。➡ 84 00:06:54,581 --> 00:07:00,720 翌日 町外れにある茶室では ある作戦が決行されようとしていた。➡ 85 00:07:00,720 --> 00:07:05,825 音を立てずに忍び寄る 倉本> 86 00:07:08,161 --> 00:07:11,197 <茶室には 訓示を述べていた あの戸長がいる。➡ 87 00:07:11,197 --> 00:07:13,967 戸長が 倉本に目で合図を送る。➡ 88 00:07:13,967 --> 00:07:19,339 全ては 戸長の策略だった。 村の有力者を茶室に招き➡ 89 00:07:19,339 --> 00:07:24,444 不意打ちで彼らの髷を切り落とす。 果たして…> 90 00:07:26,246 --> 00:07:29,582 <こうした強引なやり方で 散髪を推進した逸話が➡ 91 00:07:29,582 --> 00:07:31,518 記録に残っている> 92 00:07:31,518 --> 00:07:33,920 戸長さん あんた…! 93 00:07:33,920 --> 00:07:37,590 まあまあまあ…。 落ち着いて。 94 00:07:37,590 --> 00:07:41,594 あの ちょっと お聞きしたいんですが。 何だ? 95 00:08:00,313 --> 00:08:02,615 やむないことだ。 96 00:08:02,615 --> 00:08:05,885 <倉本淳之介も 数年前までは 主君に仕え➡ 97 00:08:05,885 --> 00:08:08,254 新政府にあらがう 下級武士であった。➡ 98 00:08:08,254 --> 00:08:10,757 そんな彼が 今では捕亡吏として➡ 99 00:08:10,757 --> 00:08:13,560 明治政府の新体制づくりに 協力している。➡ 100 00:08:13,560 --> 00:08:16,863 こうなるまでに 彼自身にも 心の葛藤があったようだ> 101 00:08:18,431 --> 00:08:23,436 <再び 町なかの見回りに出向いた倉本。 その時…> 102 00:08:31,044 --> 00:08:33,947 ああ よかった。 実はね… 103 00:08:37,350 --> 00:08:40,053 誰にね? 去年からのね… 104 00:08:43,923 --> 00:08:47,927 <それは 女性からの情報提供であった> 105 00:08:55,902 --> 00:08:58,405 う~ん…。 まあ そうだな。 106 00:09:02,308 --> 00:09:04,611 ああ まあ それはいいけど… 107 00:09:09,082 --> 00:09:14,287 <早速 倉本は その店に向かう。 そこには…> 108 00:09:19,459 --> 00:09:24,564 <酒を飲み たむろしている髷姿の男たち。 ただならぬ雰囲気> 109 00:09:29,769 --> 00:09:32,172 ああ いけんなぁ。 110 00:09:49,589 --> 00:09:54,561 <反抗的な態度。 そして…。➡ 111 00:09:54,561 --> 00:09:58,031 男が 刀に手をかけて 挑発してきた。➡ 112 00:09:58,031 --> 00:10:04,471 だが すぐに倉本が それを制した。 あっという間の手さばき。➡ 113 00:10:04,471 --> 00:10:09,075 男を押さえ込み ハサミを取り出した。 だが…!> 114 00:10:16,149 --> 00:10:20,887 <後ろには 先ほどの女がいる。 ワナだった!> 115 00:10:20,887 --> 00:10:25,492 たくらんでなどおらん。 116 00:10:25,492 --> 00:10:28,394 <男の名は 小宮山重蔵。➡ 117 00:10:28,394 --> 00:10:32,098 同じ藩に 倉本と一緒に仕えていた かつての同志だった> 118 00:10:41,541 --> 00:10:44,344 さよう。 ぬけぬけと 貴様…! 119 00:10:47,347 --> 00:10:50,350 変わらねばならねえ! 言うな! 120 00:10:52,218 --> 00:10:54,220 重蔵…。 121 00:11:32,825 --> 00:11:35,828 <新政府のやり方を 受け入れることができない 重蔵。➡ 122 00:11:35,828 --> 00:11:38,631 彼にとって 時代に迎合するような 倉本の生き方は➡ 123 00:11:38,631 --> 00:11:41,301 どうしても許せなかった。 そして ついに…!> 124 00:11:41,301 --> 00:11:43,303 出向くぞ。 待て おんし…。 125 00:12:03,556 --> 00:12:05,925 待て! 重蔵! ううっ…。 126 00:12:05,925 --> 00:12:11,664 <事態は 最悪の展開へと突き進む> 127 00:12:11,664 --> 00:12:14,200 だあっ! 128 00:12:14,200 --> 00:12:17,604 <そして 彼らの暴力は私にも…> 129 00:12:19,706 --> 00:12:22,675 <乱闘に巻き込まれた私も 気を失っていたらしい。➡ 130 00:12:22,675 --> 00:12:25,812 目を覚ました時は 既に 30分を経過していた> 131 00:12:25,812 --> 00:12:28,915 大丈夫ですか? ああ…。 132 00:12:46,432 --> 00:12:50,837 <一揆。 そして 越前敦賀。 それは何を意味するのか。➡ 133 00:12:50,837 --> 00:12:53,339 私は 本部に 追加調査を要請することにした> 134 00:12:53,339 --> 00:12:55,608 本部。 こちら沢嶋 応答願います。 135 00:12:55,608 --> 00:12:57,610 (古橋ミナミ) はい コントロールブース。 136 00:12:57,610 --> 00:12:59,812 すみません 調べて頂きたいんですけど➡ 137 00:12:59,812 --> 00:13:02,115 この時期 敦賀の一揆とは 何があったんでしょう? 138 00:13:02,115 --> 00:13:06,352 明治6年ですね。 すぐに調べます。 139 00:13:06,352 --> 00:13:10,023 出てきました。 明治6年 敦賀県の一揆。 140 00:13:10,023 --> 00:13:13,593 3月上旬 当時の 大野 今立 坂井で➡ 141 00:13:13,593 --> 00:13:15,662 大規模な宗教一揆が 起きています。 142 00:13:15,662 --> 00:13:17,930 加わった民衆の数は 3万人。 143 00:13:17,930 --> 00:13:19,866 6人が 死刑になっています。 144 00:13:19,866 --> 00:13:24,170 彼らの要求の一つには 断髪や洋装の撤廃もありました。 145 00:13:24,170 --> 00:13:28,508 今立の記録を見るかぎり 断髪に最も抵抗していたのは➡ 146 00:13:28,508 --> 00:13:32,211 士族や商人ではなく どうやら農民だったようです。 147 00:13:32,211 --> 00:13:35,415 また 何軒かの 豪農や庄屋が襲われていますが➡ 148 00:13:35,415 --> 00:13:38,618 それは資産家への妬み という側面もあったようです。 149 00:13:38,618 --> 00:13:42,021 そうですか。 ありがとうございます。 150 00:13:42,021 --> 00:13:47,827 ♬~ 151 00:13:47,827 --> 00:13:51,631 <小宮山重蔵たちは 暴動を起こすつもりらしい。➡ 152 00:13:51,631 --> 00:13:55,301 脱出した倉本は 緊急事態を報告すべく 戸長の家を目指した。➡ 153 00:13:55,301 --> 00:13:57,236 ところが…> 154 00:13:57,236 --> 00:13:59,939 (倉本)通してくれ! 通して! 155 00:13:59,939 --> 00:14:03,242 駄目だ! 倉本だ! 通せ! 156 00:14:03,242 --> 00:14:07,547 <既に 事件は起きていた> 157 00:14:09,449 --> 00:14:12,351 何でもねえすけ。 そげよりも…。 158 00:14:16,923 --> 00:14:18,858 人質⁉ 159 00:14:18,858 --> 00:14:21,160 あそこ見てみろ。 あれは…! 160 00:14:42,915 --> 00:14:44,917 知っとるんか? ああ。 161 00:14:49,989 --> 00:14:54,827 <戸長を人質に 立て籠もる重蔵たち 反政府活動をする不平士族。➡ 162 00:14:54,827 --> 00:14:59,632 更に 家の前には 偶然 事件に巻き込まれた 書類を運ぶ脚夫が➡ 163 00:14:59,632 --> 00:15:02,435 けがをして 身動きできない状況となっている。➡ 164 00:15:02,435 --> 00:15:04,637 あってはならないことが 起きてしまった> 165 00:15:17,450 --> 00:15:20,052 <…と その時> 166 00:15:28,461 --> 00:15:32,465 <2階の窓から 重蔵が顔を出し 要求を突きつけてきた。➡ 167 00:15:32,465 --> 00:15:36,068 かなり興奮している> 168 00:15:36,068 --> 00:15:38,070 (倉本)はっ! 169 00:15:45,478 --> 00:15:49,348 ただいまですね 犯人側から 県令を呼び出せとの要求がありました。 170 00:15:49,348 --> 00:15:52,351 それに対し 倉本さんが 単身で戸長宅へ向かっています。 171 00:15:52,351 --> 00:15:55,955 果たして 説得は成功するんでしょうか? 172 00:16:09,235 --> 00:16:12,939 <重蔵を落ち着かせようと 倉本が歩み寄っていく> 173 00:16:27,253 --> 00:16:29,755 (倉本)重蔵。 174 00:16:36,963 --> 00:16:39,665 (小宮山)ならねえ! 175 00:16:39,665 --> 00:16:43,269 <必死に説得を試みる倉本。 しかし その時…!> 176 00:16:43,269 --> 00:16:47,073 (銃声) 177 00:16:47,073 --> 00:16:51,477 倉本! 戻ってこい! 倉本さん! 178 00:16:58,317 --> 00:17:01,821 え~ 先ほどの発砲で けが人は出ていないようです。 179 00:17:01,821 --> 00:17:05,224 こちらでは 再度ですね 作戦を立て直してるようです。 180 00:17:05,224 --> 00:17:07,960 <事態は 一旦 沈着。➡ 181 00:17:07,960 --> 00:17:11,831 その間 隣接地区の捕亡吏たちが 応援に駆けつけてくる。➡ 182 00:17:11,831 --> 00:17:18,137 悪いことに 状況を打開する 次の手が見つからない。 その時…> 183 00:17:23,342 --> 00:17:25,344 峰岸? はい。 184 00:17:43,162 --> 00:17:45,164 ここでか? ええ。 185 00:17:50,903 --> 00:17:56,742 <峰岸惣三郎。 かつて 重蔵が 指導を受けた 剣術の師範である。➡ 186 00:17:56,742 --> 00:18:00,112 峰岸の申し出に 望みを託すことにした> 187 00:18:00,112 --> 00:18:02,114 先生。 188 00:18:08,220 --> 00:18:11,524 お願いします。 どうぞ こちらへ。 189 00:18:13,759 --> 00:18:15,761 低く。 190 00:18:18,230 --> 00:18:20,199 うむ かたじけない。 191 00:18:20,199 --> 00:18:22,201 気をつけて。 192 00:18:22,201 --> 00:18:26,939 今ですね 倉本さんと男の人が 建物に向かっていきました。 193 00:18:26,939 --> 00:18:31,243 男の人は 犯人が かつて通っていた 剣術道場の師範だそうです。 194 00:18:31,243 --> 00:18:34,747 彼らの前で 髷を切って 説得を試みるようです。 195 00:18:34,747 --> 00:18:37,850 (峰岸)重蔵。 196 00:18:53,666 --> 00:18:57,269 <重蔵たちと同じく 武士を誇りにしてきた峰岸。➡ 197 00:18:57,269 --> 00:19:00,973 彼にとっても 髷を落とすのは 覚悟が要ることだった。➡ 198 00:19:00,973 --> 00:19:05,311 その決断は 必ず 重蔵たちの心に届くはずだ。➡ 199 00:19:05,311 --> 00:19:11,317 倉本が 慎重に 峰岸の髷に ハサミを入れていく > 200 00:19:21,560 --> 00:19:25,965 (倉本)重蔵! ちゃんと見とれ! 201 00:19:25,965 --> 00:19:31,103 <犯人たちは動揺しているのか 長い沈黙が続く。➡ 202 00:19:31,103 --> 00:19:34,907 しかし その時だった!➡ 203 00:19:34,907 --> 00:19:38,577 建物の横から 入り口に近づく 応援部隊の姿。➡ 204 00:19:38,577 --> 00:19:42,181 犯人の隙をつき 強行突入の機会を うかがっているらしい。➡ 205 00:19:42,181 --> 00:19:45,584 予定外の行動だ。 次の瞬間!> 206 00:19:45,584 --> 00:19:47,520 (銃声) 207 00:19:47,520 --> 00:19:52,358 <彼らの存在に気付いた犯人たちが発砲。 現場は パニックに陥る> 208 00:19:52,358 --> 00:19:54,360 先生! 209 00:19:56,896 --> 00:19:59,298 早く! 210 00:20:04,036 --> 00:20:08,874 小宮山! 撃つな! 211 00:20:08,874 --> 00:20:12,278 くっそ~! 矢島殿! 212 00:20:14,613 --> 00:20:17,950 知らん! 213 00:20:17,950 --> 00:20:22,955 <指示系統の乱れ。 捕亡吏側の明らかなミスだった> 214 00:20:26,625 --> 00:20:30,029 <緊迫の事態は 再び振り出しに戻る> 215 00:20:39,205 --> 00:20:42,208 早く 県令を連れてこい! 216 00:20:45,344 --> 00:20:50,349 <なかなか通らない要求に 重蔵の いらだちが募っていく> 217 00:20:56,322 --> 00:20:58,257 矢島殿 これを! 218 00:20:58,257 --> 00:21:00,593 <捕亡吏サイドに動きがあった。➡ 219 00:21:00,593 --> 00:21:03,295 それは 騒ぎを知った本庁からの連絡だった> 220 00:21:18,944 --> 00:21:21,614 <「鎮台」とは 軍隊のことである。➡ 221 00:21:21,614 --> 00:21:25,484 もし このまま夜を迎えれば 軍隊の出動を要請するという。➡ 222 00:21:25,484 --> 00:21:28,487 もはや猶予はない> 223 00:21:33,292 --> 00:21:37,096 我々だけで 片 つけるぞ。 (2人)はっ! 224 00:21:40,132 --> 00:21:42,601 <だが 強行突入を前に➡ 225 00:21:42,601 --> 00:21:45,704 取り除かなければならない問題があった> 226 00:21:49,308 --> 00:21:51,911 やれるか? やれます! 227 00:21:56,982 --> 00:22:02,188 今から 2人で 脚夫の方を救出に向かうところです。 228 00:22:02,188 --> 00:22:07,893 <家の前で 身動きできない脚夫。 まずは 彼の救出が最優先事項だ。➡ 229 00:22:07,893 --> 00:22:12,598 大八車を盾にして 近づいていく捕亡吏たち> 230 00:22:12,598 --> 00:22:29,982 ♬~ 231 00:22:29,982 --> 00:22:33,719 <犯人からの発砲に備え 身を低くしながら戻ってくる> 232 00:22:33,719 --> 00:22:39,291 ♬~ 233 00:22:39,291 --> 00:22:44,163 <幸い発砲されず 何とか救出に成功。➡ 234 00:22:44,163 --> 00:22:49,168 日没が近い。 もはや時間がなかった> 235 00:22:53,639 --> 00:22:56,642 <強行突入の機会をうかがう> 236 00:22:59,311 --> 00:23:01,914 これ? 237 00:23:01,914 --> 00:23:05,584 <矢島が帽子を掲げるのを合図に 捕亡吏たちが➡ 238 00:23:05,584 --> 00:23:09,889 一気に突入を開始する手はずとなった。 そして ついに…!> 239 00:23:12,124 --> 00:23:18,564 1つ 2つ 3つ…。 240 00:23:18,564 --> 00:23:21,800 <…が その時だった!➡ 241 00:23:21,800 --> 00:23:24,837 倉本が 脚夫のかばんから 何かを見つけた。➡ 242 00:23:24,837 --> 00:23:30,042 それは 明治の新聞である。 そこに書かれた記事を読み 衝撃が走る> 243 00:23:39,985 --> 00:23:42,288 いや きっと やめます。 244 00:23:42,288 --> 00:23:44,223 <記事は 明治天皇が ご散髪されたとの➡ 245 00:23:44,223 --> 00:23:46,625 内容だった。➡ 246 00:23:46,625 --> 00:23:50,963 新たな時代の波は 既に 大きな うねりとなって 訪れていたのだ> 247 00:23:50,963 --> 00:23:54,833 よし 分かった! やってみろ! はい! 248 00:23:54,833 --> 00:23:59,238 <この記事を読めば 重蔵たちも 必ず考えを改めるだろう。➡ 249 00:23:59,238 --> 00:24:05,878 倉本は 最後の賭けに出る。 一人 新聞を携え 家に向かう> 250 00:24:05,878 --> 00:24:16,922 ♬~ 251 00:24:16,922 --> 00:24:19,658 <裏から 塀伝いに 屋根に上っていく。➡ 252 00:24:19,658 --> 00:24:22,094 2階の窓から投げ入れる作戦だ。➡ 253 00:24:22,094 --> 00:24:25,965 慎重に窓に近づいていく。 しかし…。➡ 254 00:24:25,965 --> 00:24:28,967 倉本に気付いた重蔵が発砲!> 255 00:24:38,544 --> 00:24:41,013 (銃声) 256 00:24:41,013 --> 00:24:44,516 <更に 1階から 犯人グループが発砲してくる。➡ 257 00:24:44,516 --> 00:24:49,188 身動きができない。 そして…!➡ 258 00:24:49,188 --> 00:24:54,393 新聞が部屋の中に入った。 果たして…> 259 00:24:54,393 --> 00:25:05,037 ♬~ 260 00:25:05,037 --> 00:25:10,042 <不気味な静けさが辺りを覆う。 …と その時!> 261 00:25:13,145 --> 00:25:16,115 救出! 救出! 262 00:25:16,115 --> 00:25:18,851 戸長 救出! 戸長 無事です! 263 00:25:18,851 --> 00:25:20,786 踏み込みました! 踏み込みました! 264 00:25:20,786 --> 00:25:26,925 今 捕亡吏の方にとめられ 犯人が確保されました! 265 00:25:26,925 --> 00:25:29,261 <発生から 6時間42分。➡ 266 00:25:29,261 --> 00:25:33,766 事件は 犯人たちの投降により 収束した> 267 00:25:36,135 --> 00:25:40,973 <各地での散髪奨励政策は 民衆の髪型を変えるのに 大きく貢献。➡ 268 00:25:40,973 --> 00:25:45,277 明治天皇の散髪の報道は そうした政策を正当化し➡ 269 00:25:45,277 --> 00:25:49,148 士族や平民の散髪は 更に加速した。➡ 270 00:25:49,148 --> 00:25:53,385 2週間後 町で唯一の床屋の前。➡ 271 00:25:53,385 --> 00:25:58,223 そこには 散髪される人々を見守る 倉本の姿があった。➡ 272 00:25:58,223 --> 00:26:00,993 髷を落とし➡ 273 00:26:00,993 --> 00:26:04,863 新たな髪型に変わっていく 男性たち。➡ 274 00:26:04,863 --> 00:26:07,833 明治に生まれた 斬新な髪型の数々。➡ 275 00:26:07,833 --> 00:26:10,669 奇妙な髪型も生まれた。➡ 276 00:26:10,669 --> 00:26:14,540 都会では 髷姿を名残惜しみ➡ 277 00:26:14,540 --> 00:26:20,212 その姿を 写真に残そうとする者もいた。➡ 278 00:26:20,212 --> 00:26:22,781 また こんな人まで現れた> 279 00:26:22,781 --> 00:26:26,084 見て下さい。 280 00:26:26,084 --> 00:26:29,988 おお~… おめえさま… 281 00:26:33,826 --> 00:26:36,728 <散髪奨励の達しが出てから➡ 282 00:26:36,728 --> 00:26:40,032 勘違いして 髪を散切り頭にしてしまう女性も。➡ 283 00:26:40,032 --> 00:26:42,468 そのため 明治5年には➡ 284 00:26:42,468 --> 00:26:47,339 女性の散髪を禁止する法令を 出すことになる> 285 00:26:47,339 --> 00:26:51,176 倉本さん 私は この辺で失礼します。 286 00:26:51,176 --> 00:26:53,378 ああ そうか。 287 00:26:56,682 --> 00:27:00,185 ああ。 まあ そんだども… 288 00:27:02,521 --> 00:27:04,523 そうですね。 うん。 289 00:27:09,561 --> 00:27:14,433 <こうして 日本各地で起きた散髪騒動は やがて沈静化していく。➡ 290 00:27:14,433 --> 00:27:19,571 その結果 明治20年代には 男性の髷は 姿を消していった。➡ 291 00:27:19,571 --> 00:27:21,507 激動する時代の転換期。➡ 292 00:27:21,507 --> 00:27:24,910 新政府のために職務を全うした 倉本淳之介。➡ 293 00:27:24,910 --> 00:27:28,647 そして 最後まで時代にあらがった 小宮山重蔵。➡ 294 00:27:28,647 --> 00:27:33,352 2人とも 時代の中で志を掲げ 懸命に生きていた。➡ 295 00:27:33,352 --> 00:27:38,924 彼らの姿もまた 名もなき人々の 記録に値すると 私は確信した> 296 00:27:38,924 --> 00:27:56,308 ♬~ 297 00:27:56,308 --> 00:28:01,146 え~ 以上 コードナンバー835428 アウトします。 298 00:28:01,146 --> 00:28:20,432 ♬~